川田裕美が語る子育て「仕事量のセーブを決断するまで、1年かかりました」
川田裕美さん
テレビで見かけると、なんだかほっとしたり、元気をもらったり……。そんな笑顔の持ち主、フリーアナウンサーの川田裕美さんに自身の子育てについて聞きました。3歳男子、1歳半女子の「最強コンビ」に向かいながら、日々大切にしていることは……? ※後編〈川田裕美が語る夫婦の協力体制「夫は『ありがとう』を言葉にしてくれるタイプ。大いに見習っています」〉に続く
思い描いていたものとは「まったく違った」子育て
――報道からバラエティーまで、幅広く活躍中の川田さん。忙しい日々、どのように時間をやりくりされていますか?
私も夫も、休日は子どもたちと思いきり遊ぶようにしています。ですから、今はできるだけ土日に仕事を入れないようにしています。この業界は土日も関係なく仕事をするのが当たり前だったのですが、長男が生まれてから気づいたんです。「これは、想像していたよりずっと大変だぞ……」と。
――どんなことを想像されていたのですか?
出産前は、「出産後は何カ月か休んで、そこからまた復帰して産前と同じくらいの仕事量をこなして……」なんて思い描いていました。子どもは保育園に預けて、私も夫も以前と同じように働ける、と。
ところが実際は、そんな甘い考えはあっという間に打ち砕かれました(笑)。保育園に登園しても、はじめのうちはすぐに風邪をひいたり熱を出したり。先輩ママたちから聞いてはいましたが、本当に「毎月のように休む」んですね。
仕事量のセーブを決断するまで、1年かかりました
――そこで、仕事のスタイルを見直されたのですか?
「こちらの予定どおりには、まず運ばない」ということがわかったので、「じゃあどうしよう」と夫とふたりでずいぶん話したんです。
子どもが小さい間は、交代で休む日をつくる、おばあちゃんやシッターさんに手伝いをお願いする、保育園で呼び出しがあった場合にどちらかが動けるようにしておく……そんなことも、時間をかけて話し合いました。
お子さんとの時間を楽しむ川田裕美さん(川田さん提供)
でも、結局は優先順位を決めることが大切なんですよね。そこで、私は仕事の量をセーブすることに決めたんです。そうはいっても仕事は大好きなので、自分で納得できるまでに、1年くらいかかりました。
今は仕事でまわりの方々に助けていただくことも多いので、子育てが落ち着いたら、今度は私が「いつでも行きます!」という気持ちでいます。これで、仕事をセーブすることに申し訳なさを少し感じにくくなりました。
子どもたちが大きくなっても「ハグ」できる家族が憧れです
――子育てでは、どんなことを大切にされていますか?
余すことなく「愛情を伝える」ことでしょうか。子どもたちをギューッと抱きしめて「大好き」「愛してるよ!」と一日に何度も伝えています。
知人のご家庭は、成人した娘さんとお父さんがナチュラルにハグしていますし、息子さんとお母さんが仲よく肩を並べて歩いていたり。そんな姿を見ると「ああ、いいな」と思うんです。
私たちは両親が昭和世代ですし、自分が大きくなってからは親と手をつなぐことはもちろん、ハグなんてありえませんでした。でも、そういうことが自然にできる家族でありたいな、そういう家族って素敵だなと憧れています。
――川田さんのインスタグラムを見ると、お子さんたちといろいろな体験をされています。
子どもたちといられる時間ってとても貴重なので、土日はしっかり遊んでいます。遠出することもありますが、近所の公園の日も多いです。正直、体力的にきついと感じることはありますが(笑)。
――兄と妹、接し方で気をつけていることはありますか?
3歳の息子は、生まれてすぐに助産師さんから「泣き声が穏やかですね」と言われましたが、確かに今もどちらかといえば穏やかかもしれません。1歳半の娘はかなり活発になってきて、兄と同じことをしようと頑張ってついていっています。たまに兄を泣かせてしまうこともありますね。
同じように育てているのに、なぜこんなに違うんだろうとおもしろく感じますし、これからどんどん変わっていくのかなと楽しみでもあるんです。ですから、「この子はこういうタイプ」と今から決めつけないようにしていますね。
迷いや揺らぎも日々感じています
――これからの子育てで、意識したいことはどんなことでしょう。
これからの時代、子どもたちが自分で生きていくためには「学力」だけではない、ということは感じています。
そのためにいろいろなことを体験したり、考えたりしてほしいとは思いますが、今の時期はとにかくのびのびと育てたいですね。あまり先のことを考えてもどうなるかわからない。とりあえず今を精いっぱい、という日々です。
とはいえ、書店やインターネットで「幼児教育」などの言葉を目にすると、気になってしまう自分もいたりして……。ゆったり子育てがモットーですが、迷いや揺らぎのようなものは、つねにありますよね。
※後編〈川田裕美が語る夫婦の協力体制「夫は『ありがとう』を言葉にしてくれるタイプ。大いに見習っています」〉に続く
(取材・文/三宅智佳)
○川田裕美/1983年生まれ、大阪府出身。フリーアナウンサー。2006年読売テレビ入社後、報道やバラエティーとさまざまな番組で人気に。2015年フリーに。安定感のある存在でますます活躍の場を広げている。
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2024/03/17 11:00