山岡乙葉さん(小学6年生・奈良県在住)は小1からボクシングを始め、負けた悔しさを胸に地道な基礎トレーニングを積み重ね、見事に2年連続小学生日本一に輝きました。憧れの入江聖奈さんの背中を追い、オリンピックでの金メダルを目指す姿を、小中学生向けのニュース月刊誌『ジュニアエラ2024年1月号』(朝日新聞出版)からお届けします。
【写真】10歳で米名門音楽大に進学した天才バイオリニストはこの人小1からジムに通い始め、ボクシングの魅力にはまる
「体育はそんなに得意じゃありません。跳び箱とか苦手です」
恥ずかしそうに語る小6の女の子が、グローブを着けてリングに上がると別人になる。軽快にステップを踏んで相手の攻撃をかわし、鋭いパンチを突き刺す。山岡乙葉さんは、小5、小6と2年連続小学生日本一に輝いた、将来有望なボクシング選手だ。
ジムに通っていた父・剛さんが、乙葉さんが小1のとき、ダイエットのために一緒に通わせ始めた。最初はいやいやだったが、次第にその魅力にはまっていく。小4のとき、東京五輪で金メダルを取った入江聖奈さんに憧れ、「自分も金メダルを」と思った。
2032年、ブリスベン五輪での金メダルを目標に
だが小4のとき、初めての対外試合で負けた。その悔しさから、「もう負けたくない」と心に誓った。どうすれば強くなるか、お父さんと話し合って出した答えが、強靭な体をつくること。自宅でできる基礎トレーニングのメニューを一緒に考えた。つらくて単調な動きの繰り返しだけれど、決して音を上げず、毎日取り組み続ける粘り強さが乙葉さんにはあった。技術も磨いて、2年連続小学生日本一に輝いた。
乙葉さんが憧れのオリンピックの出場資格を得られるのは、9年後の2032年、20歳で迎えるオーストラリア・ブリスベン大会だ。金メダルを首にかける日を夢見て、乙葉さんは今日もトレーニングに励む。
(取材・文/ジュニアエラ編集部)
ジュニアエラ編集部