空から見た意外性のある風景 写真家・吉永陽一さんは空から写した鉄道の世界を「空鉄(そらてつ)」と名づけ、作品づくりに取り組んできた。思い切り飛行機を傾け、望遠レンズで真上から写すと、普段見慣れた風景が別の世界のように見える。さらに吉永さんは鉄道以外にもさまざまな被写体にレンズを向けてきた。そんな吉永さんの作品を紹介します。 アサヒカメラ写真家写真展吉永陽一地上絵 6/14
米倉昭仁 「私のことは撮らないのね」 関節の曲がった母を初めて“撮ろう”と決めた写真家・笠井爾示の決意 * * * 笠井爾示(ちかし)さんが写真集『Stuttgart(シュトゥットガルト)』(bookshop M)で日本写真協会作家賞を受賞した。 アサヒカメラ写真家写真集笠井爾示 5/25
かつて暮らしたドイツ・シュトゥットガルトで撮影した母の姿 写真家・笠井爾示(ちかし)さんの父、叡(あきら)さんは国際的に活躍してきた舞踏家である。笠井さんが小学5年生のとき、「父がドイツで活動するというので」、一家はシュトゥットガルトに移り住んだ。それから約40年。家族は再び、この街を訪れた。その際、笠井さんは母の姿を撮影した。 アサヒカメラ写真家写真集笠井爾示 5/25
米倉昭仁 「昔の街はたばこだらけでね、汚かったのよく覚えているよ」 1970年代の東京や横浜を撮り歩いた写真家・山崎茂 * * * 1951年生まれの山崎茂さんは20代のころスナップ写真の撮影に没頭した。 アサヒカメラ写真家写真集山崎茂 5/18
1970年代 高度経済成長期直後の東京の人々の表情 東京・向島。古い木造住宅を背景に路地裏で遊ぶ子どもたちの姿。山崎茂さんは、休日になると横浜市鶴見区の自宅から東京や横浜の街を訪れ、日常的な人々の表情や動きを撮り歩いた。時代は高度経済成長期直後。「昔の街はたばこだらけでね、汚かったのよく覚えているよ。時代が変わって建物なんかはどんどん奇麗になったけれど、人の営みは大きくは変わっていない」(山崎さん)。 アサヒカメラ写真家写真集山崎茂 5/18
米倉昭仁 知られざる「東京湾アクアライン」の裏側 海底トンネルを支える“職人”たちを追った写真家・山崎エリナ * * * 千葉県木更津市と川崎市を結ぶ全長15.1キロの東京湾アクアラインは2022年12月、開通から25年を迎えた。 アクアラインアサヒカメラ写真家写真集山崎エリナ 5/6
点検からパトロールまで 東京湾アクアラインを守る人々 千葉県木更津市と神奈川県川崎市を結ぶ全長15.1キロの東京湾アクアライン設置は世界最大級の海洋土木工事で、調査に約20年、建設に約10年を要した。特に全長9.6キロの海底トンネルの掘削には最先端の技術とノウハウが投入されただけでなく、数多くの工法が実用化され、「土木のアポロ計画」と呼ばれた。完成後、日々アクアラインを守る人々を追った写真家・山崎エリナさんの作品を紹介します。 アクアラインアサヒカメラ写真家写真集山崎エリナ 5/6
米倉昭仁 売春宿からスラム街まで 男でも女でもないインドのサード・ジェンダー「ヒジュラ」を追った写真家・石川武志 * * * 「よく写真展の審査が通ったなあ、と思って」 MUMBAI HIJRASOM SYSTEM GALLERYアサヒカメラ写真家写真展石川武志 5/3
米倉昭仁 「日本人はすごい!」の原点 満州時代の建物を400カ所も探して撮影した写真家・船尾修 * * * 土門拳賞の受賞作『満洲国の近代建築遺産』(集広舎)を手に取ると、その分厚さに圧倒された。船尾修さんが撮影した建築物は約400カ所。広大な中国東北部でよくこれだけ多くの満州時代の建物を探し出して撮影したものだ。 アサヒカメラ写真家写真展写真集土門拳賞満洲国の近代建築遺産船尾修 4/24
米倉昭仁 「やんねばなんねえ」 大震災で壊滅した造船所を再建した船大工たちの物語 写真家・野田雅也 * * * 東日本大震災で壊滅した造船所の再建の歩みを写した野田雅也さんの作品「造船記」にはときおり小さな島が写り込んでいる。井上ひさし原作の人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルといわれる岩手県大槌町の蓬莱島(ほうらいじま)だ。この島が写っていることで周囲の風景が大きく変わっても同じ場所を撮り続けていることがわかる。 アサヒカメラ写真家写真展写真集造船記野田雅也 4/12
東日本大震災で壊滅した岩手造船所の再建への歩み 「やんねばなんねえ。造船所を再開する」。そんな船大工の声を聞いたとき、写真家・野田雅也さんは信じられない思いがした。東日本大震災が起こってからまだ1カ月もたたないころだった。「とてもじゃないけれど『復興』なんて考えられなかった」。野田さんは半信半疑ながらも造船所に通い始めた。そんな野田さんの作品を紹介します。 アサヒカメラ写真家写真集造船記野田雅也 4/12
米倉昭仁 中国出身の写真家・宛超凡が「荒川」を撮り続ける理由 「生活感がめっちゃある」 * * * 宛超凡(えん ちょうはん)さんは5年にわたって東京湾にそそぐ荒川流域を撮影した。そのときの印象をユーモアを交えて、こう語る。 アサヒカメラニコンサロン写真家写真展宛超凡河はすべて知っている 4/10
米倉昭仁 天才仏師・快慶に向き合ってつかんだ「仏像撮影」の極意 写真家・佐々木香輔 * * * 運慶と快慶。言わずと知れた日本の仏像彫刻史に偉大な功績を残した人物である。東大寺(奈良市)南大門の金剛力士像は鎌倉時代初頭、運慶や快慶らによってわずか69日間で作られたといわれる。 アサヒカメラキヤノンギャラリー佐々木香輔写真家写真展快慶 4/3
米倉昭仁 「福」を求めて「死力」を尽くす男たち はだか祭りで人間の“野生”を撮る写真家・甲斐啓二郎 * * * 甲斐啓二郎さんの撮影テーマは祭りだ。 アサヒカメラ写真家写真展甲斐啓二郎禅フォトギャラリー綺羅の晴れ着 3/24
米倉昭仁 「誘拐結婚」をきっかけに訪れたキルギスで感じた日本人との共通点 写真家・重信正嗣 * * * 2017年夏、重信正嗣さんは中央アジアの国、キルギスを訪れた。すると、日本人にそっくりな顔の人たちと出会った。 kyrgyzstan colorsアサヒカメラポートレートギャラリー写真家写真展重信正嗣 3/15
米倉昭仁 もう一つの祖国カナダからアラスカ州・デナリへ 自分のルーツを旅した写真家・野辺地ジョージ * * * 昨年夏、野辺地(のべち)ジョージさんはカナダ西部のバンクーバーからアラスカ州・デナリ(旧マッキンリー、標高6190メートル)へ、車で旅をした。 アサヒカメラデナリへの道写真家写真展富士フイルムフォトサロン野辺地ジョージ 3/9
米倉昭仁 スポーツ写真は「ブレて」もいい 写真家・高須力があえて“遅い”シャッター速度で撮る理由 * * * スポーツ写真へのほめ言葉として、よく「この写真は躍動感がある」と言われる。しかし、そこに写る選手の動きは止まっている。なのに、人はなぜ「躍動感」を感じるのか、高須力さんは真剣に考えた。 アサヒカメラキヤノンギャラリー写真家写真展刹那の後先高須力 3/6
米倉昭仁 写真家・野村誠一はなぜグラビアを撮り続けてきたのか 「コンプレックスの塊だったから」と語る原点 * * * 野村誠一さんの写真を目にしたことがない人はまずいないだろう。これまで50年ちかく雑誌やテレビ、広告などの仕事で活躍してきた。撮影した著名人は枚挙にいとまがない。 A Half Centuryアサヒカメラ写真家写真展野村誠一 2/28