
「小1の壁」ひらがなや計算よりやるべきことがあった… 入学前にやっておけばよかった“4つのこと”を、小学生ワーママに聞く
写真はイメージ 撮影/和仁貢介(写真映像部)
3年前、息子が保育園から小学校に上がり、働きながら小学1年生の学校生活をサポートする大変さを痛感したという、うなぎママさん。インスタグラムを通じて知り合った先輩ママや小学校の先生をしているフォロワーさんから、たくさんのアドバイスや共感をもらって救われたそう。フォロワーさんとのやりとりを通じて小学生ワーママがつまずくことの共通点と対策、ノウハウを著書『これ一冊でOK! 「小1の壁」完全ガイド』にまとめられました。これから小学生ママ・パパになる人に、ひらがなや計算以外に「これだけはやっておいて」ということを教えてもらいました。 ※後編<名札の安全ピンを止める、ぞうきんをしぼる… 「小1の壁」にぶつかったワーママが実践する“6つの自立の準備”とは>に続く
「なんか、思ったよりもすごく大変!」
――まず息子さんが小学校に入学したときは、どんなギャップがあったのでしょうか?
最初に感じたのが、他の保護者や先生と顔を合わせる機会がなくて、わからないことを聞きにくいことでした。例えば、持ち物に「図工で使う空き箱を持ってきてください」と書いてあるけど、大きさは? とか、空き箱にも色々あるけど、何でもいいの? とか、詳細がわからなくて、忙しい平日の夜に困った!となるんです。わが家は子どもに聞いてもわからなかったので、知り合いのママにLINEで聞いたり、学童のお迎えの時に同じクラスの子のママや高学年のお子さんがいる先輩ママに聞いたりして、何とかやっていました。実は、今日も子どもに突然「明日軍手がいる」と言われて……。子ども用の軍手ってあまり売っていないので、100均などで買ってストックしています。
また、学校の持ち物は子どもが自分で連絡帳に書いてくるんですが、字が汚くて読めない、持ち物がわからないよ!ということもありました。中には、書くこと自体を忘れてしまう子もいるようです。なので、同じクラスに一人くらいはLINEできるママ友がいると安心だと思います。小学校からのプリントも、大事なことが数枚に分かれて書かれていたり、小さく書いてあったりしてわかりにくいことがあるので、「これで合ってる?」と誰かに相談したくなるので。
入学前は、インスタのフォロワーさんや会社の先輩から「こうしたほうがいいよ」「ここは気をつけて」といろいろ情報をもらっていたものの、断片的な情報なので具体的なイメージがわかなくて。いざふたを開けてみたら、「なんか、思ったよりもすごく大変!」と思いましたね。ひらがなや簡単な計算など、学習の予習はやっていましたが、もっとやったほうがいいことがあったなと感じました。
息子自身も、保育園での遊び中心の生活から小学校での勉強中心の生活に変わり、ギャップを感じたようでした。遊べる時間といえば最初のうちは中休みの20分くらいなので、「全然遊べない!」と不満そうでした。自由な時間がグンと減って、子どもにとっても大きな変化だったと思います。
小1保護者の大変さを職場に伝えておいた
――入学直後はタスクが多くて大変だったと思いますが、仕事とどう両立をされたのでしょうか。
保育園時代と違って、4月は「入学式」や「保護者会」「面談」などの学校行事が平日の日中に入ってくるとフォロワーさんから聞きました。実際に年間の予定表をもらって確認すると、平日に保護者が参加するものがいろいろと載っていて保育園との違いに驚きました。そこで、会社の上司にあらかじめ「こういう時期なのでお休みする日が多くなります」と伝えていました。事前に伝えておくことで休みやすかったですし、職場にも「1年生の親って学校の用事も多くて意外と大変なんだな」と理解してもらうことは大事だなと思いました。しばらくは朝の登校に付き添ったり、学童に早めにお迎えに行ったり。有給や半休、リモートワークを活用してなんとか乗り切りましたね。4月以降も登下校を見守る「旗当番」がある地域もあるので、その場合は可能ならパパと交代にするといいかもしれません。
また、平日の夕方は、やっぱりめちゃくちゃ忙しくなりました。宿題の見守り、丸つけ(親がやる場合もある)に加え、翌日の準備もサポートが必要でした。わが家は学童に通わせていたので、宿題は学童でやってくれるのですが、お迎えに行って帰宅後に丸付けして、間違えた箇所の見直しをさせようとしても、子どもが疲れてぐずってできなかったりして。それで翌朝の時間も活用するようになりましたね。あと、地味に手間なのが現金の集金や書類の記入。急におたよりが来るので気が抜けないんです。
突発的なトラブルへの対応が必要になることもありました。子どもが「今日は学校行きたくない」と言い出したり、他の子とけんかして先生から電話がかかってきたり……。そういう時は、夜、時間をかけて子どもの話をじっくり聞くということも何度かありました。そういうトラブルって子どもだけでなく親のメンタルにもダメージがありますよね。この時期はいろいろな意味で、物理的にも精神的にも余裕があったほうがいいので、可能なら6月ごろまでは仕事をセーブできるといいかもしれません。
入学までにやっておきたい 4つの準備
――下の娘さんがこの春小1になられます。息子さんの経験を踏まえて対策していることはありますか。
はい、長男のときに「やっておけばよかった」と思う場面があったので、長女には4つのことをさせています。
<うなぎママさんが、この春小1になる娘とやっている4つの準備>
親や先生以外の大人と話す練習をする
通学路の帰り道や家の周辺の道を歩いて、迷っても帰れるようにしておく
交通ルールを守れるようにしておく
防犯・性教育について知り「防犯意識」を持つ
小学校に入ると子どもが1人になるシーンが増えるので、娘には少しずつ「自分で考えて行動する練習」をさせています。小学校の先生からは「困った時に自分から誰かに言える力」が大事だと聞きます。授業中にトイレに行きたいとか、忘れ物をしてしまったとか。そこで、わが家は外食の際に、子どもが店員さんに話しかけて注文するなど、大人に話しかける練習をしています。
それと、一番やってほしいのが、学校への行き方だけでなく、帰り方の練習もしておくこと! 友達と話しているうちにいつもと違う道に出てしまい、自分の家への帰り道がわからなくなって先生や親が捜索に出るなんてことが「1年生あるある」だそうです。そうならないように、通学路はもちろん、家の近所の道も覚えておくと安心だと思います。
同時に、防犯意識を持つことも必要だと思います。知らない人についていかないのはもちろん、わが家は性教育についての絵本を一緒に読んでいます。例えば、知らない人から「写真を撮らせて」と言われても、それが断るべきことだと知らなかったら、無邪気に撮られてしまうかも。いざという時に子どもが自分で自分を守れるように、他人にされてはいけないことをしっかり教えておきたいなと思っています。
(構成/布施奈央子)
※後編<名札の安全ピンを止める、ぞうきんをしぼる… 「小1の壁」にぶつかったワーママが実践する“6つの自立の準備”とは>に続く
○うなぎママ/小3男子と年長女子を子育て中のワ―ママ。自身が「小1の壁」にぶつかった経験から、インスタグラムで10万人以上のフォロワーの声を集め、ワーママの「小1の壁」攻略法について約4年間にわたって発信している。著書『これ一冊でOK! 「小1の壁」完全ガイド』(講談社)。インスタアカウント@unagi.mama