上田耕司
〈即位5年あのとき〉「雅子さまは眉毛を太く描くように」“皇室おっかけ主婦”の一枚
新潟へ出発 (撮影/吉田比佐さん 9月16日)
天皇陛下は5月1日、即位から5年を迎えられた。天皇、皇后両陛下のこれまでの歩みを、過去の記事から振り返る(この記事は2019年10月26日に配信した内容の再掲です。年齢、肩書、日付等は当時のもの)。
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天皇ご一家や上皇ご夫妻の貴重な姿をカメラに収め続ける「皇室おっかけ主婦」。今回、ベテラン4人の令和数カ月の成果を日記風に紹介。白滝富美子さん(以下、S・70代後半・おっかけ歴26年)、吉田比佐さん(以下、Y・50代後半・おっかけ歴26年)、石井さん(以下、I・70代前半・おっかけ歴10年)、小渕弘子さん(以下、K・70代後半・おっかけ歴25年)たちが偶然捉えた一枚に、歴史的瞬間や皇室の意外な素顔が写っているかも。
【5月1日】
天皇陛下が即位。おっかけ主婦らは、赤坂御所から車で移動する両陛下をカメラに収めようと、沿道で待ち構えていた。車は一瞬で通り過ぎたが、雅子さまはニッコリ。
撮影/吉田比佐さん
「シャッターを切るチャンスは1回。車の中はけっこう暗い。でも幸い、その瞬間は晴れていた。それと最前列にいたから撮れたんです。やっぱり、2列目、3列目ではダメ。赤坂御所前に最前列で2時間並んだかいがありました」(Y)
【6月17日】
日本学士院授賞式の後、受賞者や新会員とのお茶会が皇居・宮殿で催された。お出かけになる雅子皇后を赤坂御所正門でパシャリ(撮影Y)。
撮影/吉田比佐さん
【7月1日】
宮中で「旬祭」の後、天皇ご夫妻は来日したトルコ大統領夫妻と会談。その帰りを狙って、迎賓館前で走り去る車の中を撮った。
撮影/白滝富美子さん
「あっ、残念、ピンボケ。西日も当たっていたし、連写したんだけど、私の体が揺れたのかしら」(S)
【8月1日】
天皇ご一家は須崎御用邸へ。20時半ごろ、伊豆急下田駅に到着。
「雅子さまは紫の洋服に紫のバッグがステキでした。髪形を狙ってサイドから撮りました」(S)
「雅子さまは体調が優れなかったころ、髪を下ろしている印象が強かった。最近は髪の毛を編み上げてアップにされていますね」(K)
【8月5日】
須崎御用邸から帰京。愛子さまは、ちょっと肌が赤くなって日焼けしたご様子(撮影K)。
(左)撮影/白滝富美子さん、(右)撮影/小渕弘子さん
「御用邸のすぐ下に海水浴ができる砂浜があるんです。湾になっていて、外からは見えませんが」(S)
「愛子さまはだいたい、下田の帰りは日焼けしていますね。お鼻のてっぺんが赤かったり、腕が赤くなっていたりします」(Y)
ご一家3人そろっての笑顔。ご静養の帰りです。愛子さまは日焼けされていますね。(石井さん)8月5日@伊豆急下田駅
【8月7日】
フローレンス・ナイチンゲール記章授与式。美智子さまが担っていた公務を雅子さまが引き継いだ。その帰り、今まさに車に乗り込もうとしたところの一枚。
撮影/吉田比佐さん
「無事に公務を終えられて車に乗る直前に雅子さまは、こちらに気づいて笑ってくださったの」(Y)
【8月15日】
全国戦没者追悼式に出席。日本武道館からの帰りを、赤坂御所の正門前で撮った。
撮影/白滝富美子さん
「連写で車の中を撮るのは得意なんだけど、手ぶれしてしまった。長いこと待っていたのに……」(S)
【8月19日】
天皇ご一家は那須御用邸へ。JR那須塩原駅で、地元の人たちがお出迎え。
「後ろにも人がいるので、前にいる人は座らないと悪い。それで、雅子さまを下から撮った写真になりました」(I)
東京ではあまり一般の人と話す機会のないご一家も、出迎えた市民らと楽しくご歓談。那須ではリラックス。(小渕弘子さん)8月19日@那須塩原駅
ご一家はバカンス先の那須では饒舌(じょうぜつ)になるとか。
「私も雅子さまと話ができました。『愛子さまの日焼けは目立たなくなりましたね』って言ったら、雅子さまは『あら、下田へも来ていただいたんですね』とおっしゃいました。気さくでしたよ」(K)
【8月22日】
上皇ご夫妻が軽井沢へ出発。上皇后美智子さまは上皇さまの腕を掴んで支えている。
(左)撮影/石井さん、(右)撮影/白滝富美子さん
「美智子さまは6月に白内障の手術をしてから、サングラス姿が多くなりました」(S)
【8月28日】
天皇ご一家が那須から帰京。
「あいにくの天気。でも雨傘をさした貴重な一枚が撮れた。おっかけ主婦は雨ニモマケズ……」(S)
撮影/白滝富美子さん
【8月30日】
天皇ご夫妻はアフリカ開発会議に出席した各国首脳夫妻と皇居・宮殿でお茶会。薄いブルーの着物姿の雅子さま。
撮影/白滝富美子さん
「頭が切れちゃったのが残念ね。顔がふっくらしていい笑顔。最近、雅子さまは眉毛を太く描くようになりました。眉尻まで角度が緩やかなのが、ロイヤル眉なんでしょうね」(S)
【同日】
上皇ご夫妻は草津から帰京(軽井沢から27日に移動)。東京駅で撮影。
「ブーケを手にした美智子さまがすてきで夢中で撮影しました」(I)
撮影/石井さん
「東京駅の撮影ポイントは、日本橋口のホテルメトロポリタン丸の内前。車を乗り降りするからです」(Y)
【9月10日】
乳がんの手術を受けて退院した美智子さまのお見舞いに向かう天皇、皇后両陛下。皇居に入る車の中のお二人を撮影。
撮影/白滝富美子さん
「奥の天皇陛下まで光が届かず、失敗」(S)
【9月16日】
天皇ご夫妻は国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭の式典出席などのため新潟県を訪問。上越新幹線で向かう。
「雅子さまー」と叫んだら、改札口の手前で振り向かれた。珍しい写真でしょ?(白滝富美子さん)9月16日@東京駅
「雅子さまのお召し物は全身真っ白。歩き姿もカッコイイ。スーツ、スカーフ、パールのネックレス、バッグも白。靴も白だったのに、足元が写ってないのが惜しい! 写真ができあがってから、ガッカリ」(Y)
【9月29日】
茨城県訪問からの帰り。「お召し列車」から降りた雅子さま。
撮影/吉田比佐さん
「振り返るかもとカメラを構えていたがそのまま行ってしまった。狙いがはずれて残念」(Y)
お手振りがないのでは?と騒がれていましたが、ちゃんとお手振りしていました。証拠写真です。令和初のお召し列車が撮れて、宝物です。(吉田比佐さん)9月28日@東京駅
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一枚一枚に苦心の跡が認められる。おっかけの心理を尋ねると「雅子さまの笑顔に惹きつけられるから。お元気な姿を間近で見られると、また行きたくなる」(Y)。この純粋な気持ちが原動力。皇室おっかけ主婦の活動は今後も続く。(本誌・上田耕司)
※週刊朝日 2019年11月1日号
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週刊朝日
2024/05/01 06:30