このときの穀物の世界生産量は35億7000万トンと見込まれ、中国とインドがその半分近くを食べるという、信じられない事態が起こりうる。

 繰り返しになるがそのときの世界人口は88.5億人、中国とインドを除くと58.5億人、強者の中国とインドという2つの国家の取り分を除く穀物の残りは19億トン。これを残る58.5億人が分け合うとして1人当たり分配量はわずか320キログラム、畜産物の飼料分や加工用途その他の用途分を合わせると、約200キログラム近く不足するであろう。2035年以降、中国とインドが食料を奪い、世界の畜産物生産がこのまま増えていくと、経済力の乏しい国を想像もできない飢餓が襲う可能性がある。

 1人当たりの穀物が500キログラムはないと、世界の飢餓は解消されないことがこれまでの経験が示す基準値である。経済レベルがなお低いインドが取ろうとしている方法は、遺伝子組換え穀物の大幅な植え付けであることが明らかになっている。インドばかりではなく、同じような対策に多くの国が触手を伸ばしている。

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