フリーアナウンサーの登坂淳一さんは、不妊治療と二度の流産を経て、49歳のときに第一子を授かりました。現在、娘たちは3歳と4歳。妻との二人三脚の不妊治療を経て、いま思うこと、そして父親としての素顔について聞きました。
【写真】登坂さんと2人の娘さんの仲良しショットはこちら!(ほか、全3枚)すごく緊張した初めてのレディースクリニック
――49歳のとき、不妊治療を経て、二人のお子さんを授かりました。いま改めて振り返って、どのような日々でしたか?
一年数ヵ月の体験でしたが、長女を授かるまでに二度流産を経験したこともあり、「妊娠し、出産するのは奇跡なんだな」とそれまで以上に強く感じました。結婚した年齢や「子どもを授かりたい」という思いから不妊治療を始めたわけですが、「妊娠したいと思ったらすぐに妊娠できるわけではないんだ」ということを改めて知りましたし、妻も「もっと頻繁に婦人科の検診を受けていたほうが良かったかな」といった言葉を口にしていました。
タイミング療法を経て、人工授精はせずに体外授精に進んだのですが、着床する位置が良くなかったこともあれば、心拍が確認できなかったこともありました。その度にさまざまな検査を受けましたが、主治医には「なにが原因なのか」「どうしたら前へ進めるのか」といった質問を積極的にするようにしていました。長女を授かった後、それまでの日々を妻と振り返ったこともあるのですが、お互い感じていたのは「色々あったけれど、不妊治療は“希望のある治療”だよね」という知見でした。医療の進歩は凄まじいものがあるな、とも感じましたね。

――不妊治療を始めるにあたり、心理的なハードルはありませんでしたか。
初めてレディースクリニックに足を踏み入れた際は、すごく緊張しました。なぜか帽子を被って行って。いま思うと意味不明ですね(笑)。ですが、いざ入ってみると、プライバシーを尊重する仕組みになっていて安心したのを覚えています。フルネームで呼ばれることもありませんでしたし、みんな思い思いにソファに座りながら順番を待っている。女性一人で来ているケースは稀で、ほとんどがカップルで来ているようでした。
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