コロナワクチン接種の拡大に伴い、発熱や頭痛などの副反応を緩和する成分が含まれている解熱鎮痛剤の需要が伸びている。厚生労働省の研究班が発表した自衛官らの接種に関する調査結果では、モデルナ製ワクチンの2回目接種後、接種者の78%に37.5度以上の発熱がみられたという。解熱鎮痛剤はドラッグストアなどでも処方せんなしで手軽に購入できるが、専門家は「あくまでも、日常生活に支障をきたすようであれば使うもの」と語る。ワクチン接種後にどのように服用したらよいのか。これからワクチン接種を控える人に向け、副反応のとらえ方とあわせて、専門家に聞いた。
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解熱鎮痛剤の需要が急増している。調査会社インテージによると、解熱鎮痛剤の販売金額は高齢者のワクチン接種が本格化した5月から増加傾向にあり、6月末の週は前年比157%だった。とりわけアセトアミノフェンを主成分とする商品の販売が伸びた。
6月に大規模接種会場でモデルナ製のワクチンを接種した50代女性は、1回目接種の時に強い腰痛に襲われ、解熱鎮痛剤の必要性を感じたという。
「解熱鎮痛剤なんて普通に買えると思っていたので、ドラッグストアで品薄になっていて驚きました。結局スーパーマーケットの医薬品売り場で手に入れましたが、痛みに耐えながら買いに行くので精一杯でした」
厚生労働省は、一部の商品が品薄になっている状況を受け、アセトアミノフェンの他、非ステロイド性抗炎症薬のイブプロフェンやロキソプロフェンなども、ワクチン接種後の発熱や痛みがあった場合に使える成分としてホームページで紹介している。
「イブプロフェンやロキソプロフェンといった成分でも選択肢としては問題ありません。接種から2日後までに副反応が出る頻度が高くなりますが、ほとんどの人は自然によくなりますので、慌てて購入する必要はありません」(厚生労働省予防接種室)
全国展開するドラッグストアによると、特定の商品の買い占めなどが発生し、一時期に欠品した薬も出たようだ。