「6月末に厚生労働省がアセトアミノフェン以外の成分を発表したことで、まんべんなく行き渡るようになっているので、消費者には冷静な対応を心掛けていただきたいと思います。薬剤師に相談して自分に合ったものを選んでください」(ドラッグストアの担当者)

 ファイザー製のワクチンを先行接種した約2万人の医療従事者を対象に厚生労働省が調査したところ、副反応として37.5度以上の発熱がみられたケースは、1回目接種後に3.3%だったのに対し、2回目接種後は38.1%だった。倦怠感は、1回目23.2%で2回目68.9%。頭痛は、1回目に21.4%で2回目に53.1%だった。

 さらにモデルナ製のワクチンを接種した自衛官たちを対象にした調査では、1回目接種後(5178人)に37.5度以上の発熱がみられたのは6.7%、2回目(980人)は78%だった。倦怠感も1回目は27.5%、2回目86.1%。頭痛は1回目に17.7%、2回目67.4%だった。

 ワクチン接種後の副反応をどのようにとらえ、解熱鎮痛剤をどう使えばいいのか。日本ワクチン学会理事などを務める長崎大の森内浩幸教授に聞いた。

――2回目のワクチン接種後の翌日に発熱などの副反応が出るケースが多いのは、なぜですか。

 免疫には、もともと体に備わっている「自然免疫」と、生まれた後で覚えていく「獲得免疫」があります。はしかなどの病気にかかって覚えるか、もしくはワクチンを受けて覚えることで免疫を獲得していきます。免疫を獲得するのが目的であっても、ワクチン自体は異物なので、はじめのうちは自然免疫によって体が炎症反応を起こします。
 
 局所に起こる炎症反応で、赤くなったり、腫れたり、痛くなったりします。それが全身に及ぶと、熱が出たり、倦怠感を感じたり、あちこちが痛くなったりします。コロナワクチンの場合、程度の差はあれ、1回目の接種ですぐ反応する人もいます。
 
 自然免疫による炎症反応が起きた後、体はしばらく自然免疫が発動しやすい状態になっています。だから、2回目の接種をしたときには、すぐに感知し、より強く痛みや腫れ、発熱、倦怠感といった炎症反応が出ることがあるのです。
 

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