ワクチンと同じように解熱鎮痛剤にもデメリットはあります。今回の新型コロナのワクチンと比べると、解熱鎮痛剤のほうがアナフィラキシー(激しいアレルギー反応)を起こす確率は高い。もちろん、解熱鎮痛剤でもめったにアナフィラキシーは起こらないのですが、ワクチンによって起こるケースはさらに少ない。にもかかわらず、ワクチンには不安を抱く人が多く、解熱鎮痛剤は特別緊張せずに飲んでいますよね。

 ワクチンに対し「怖い」という先入観があると、接種後にちょっと熱が出ただけでも「とんでもないことが起きているから、一刻も早く平熱に戻そう」と思ってしまう人も多いでしょう。副反応が出るのは多くの場合接種の翌日ですから、2日目に数回だけ服用し、3日目にまだ症状が残っていたとしても、薬に頼るほどでもないというくらいに症状が薄れていく人がほとんどかと思います。

「解熱鎮痛剤を全く使わなくて済む人も多い」と森内教授は言う。慌てて買う前に、まずは家にあるかを確認してみよう。持病があって薬を服用している人や、妊娠中、授乳中の人などは、主治医や薬剤師に事前に相談しておきたい。(文/AERA dot.編集部・岩下明日香)

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