例えば、夜もぐっすり眠れないとか、食欲もわかないとか、痛みのために他のことが何もできないとか。あくまでも、日常生活に支障をきたさない程度まで痛みや熱をやわらげるということが目的であって、ちょっとでも症状があれば、それをとり除かなければならないというふうに考える必要はありません。免疫反応によって起こるという原因がわかっていることですし、しばらくすれば消えていきます。
――かかりつけ医から処方される人もいるのでしょうか。
かかりつけ医による個別接種であれば、相談して、場合によっては処方してもらうこともあると思います。医療従事者の接種では、接種の際に病院が希望者に解熱鎮痛剤を渡しているところもありました。
――予防的に、ワクチン接種後すぐに解熱鎮痛剤を服用する必要はありますか。
全くその必要はありません。ほとんどの場合、翌日に症状が強く出ます。早い人は接種した日の夜のうちに少し熱っぽくなったりすることもありますが、早めに飲んでおけばいいというものではありません。しっかり炎症反応が出て、なおかつ、それが日常生活に支障をきたす場合に使えばすむことなので、免疫反応が起こる前に対応する必要はありません。
――解熱鎮痛剤を服用しても症状が緩和されない人はどうしたらいいでしょうか。
解熱鎮痛剤は、完全に熱を下げたり、痛みをなくしたりすることを目指した薬ではないのです。多少なりとも熱が引いている間に、睡眠や食事をとるために緩和させる程度です。熱や痛みを完全に抑えようとすると、その分だけ強い薬を使用することになり、副作用が出る可能性も高くなります。
一般的に、処方せんなしで買える薬は安全性を重視しているため、成分量は少ないです。病院だと医師や薬剤師が説明しながら処方するので、ある程度しっかりとした量を使うこともあります。痛みや熱が気になる方は、医師に相談して処方してもらうことを検討するのも一つの方法だと思います。