円で売買できる
「上場」と言うと難しく聞こえるかもしれないが、初心者向けにわかりやすく言うと「トヨタ自動車やソニーグループといった個別の日本株と同様、東証の取引時間内に売買できる投資信託」。インデックス(指数)に連動するものが大半で、300本以上が上場している。
TOPIX(東証株価指数)や日経平均株価など日本株の指数に連動するETFはもちろん、S&P500や全世界株式など外国株式が投資対象のETFもある。中身が外国株式でも「円」で売買できる(*2)ので、ドルを円に両替する手間もいらず、損益も明快。金額的にも数千円程度からといった手軽に買えるETFも増えている。
値段の指定OK
通常の投資信託にはないETFのメリットは、好きなときに値段を指定して(指値〈さしね〉)取引できること。「今は下落しているから、安いところですぐに買いたい」などの場合は便利だ。通常の投資信託は値段を指定できず、買い付けの申し込み時点ではいくらで買えるかわからないため、「チャンスを逃さない」という意味ではETFに軍配が上がる。
ここで注目したいのは2025年1月に上場した「iシェアーズ S&P500 トップ20 ETF(愛称/トップ・オブ・アメリカ)」(証券コード313A)。新NISAで人気の「S&P500」の時価総額上位20銘柄が組み入れられた、シンプルなETFだ。
組み入れ上位の銘柄を見てみると(表参照)、アップル、マイクロソフト、エヌビディア……日本人にもおなじみの企業がほとんどである。これら20銘柄を1株ずつ米国株でまとめて買うと約118万円(1ドル=150円換算)が必要だ。でも「iシェアーズ S&P500 トップ20 ETF」なら2000円前後でOK。お手頃だ(ここまでのデータは2025年3月11日現在)。
最近はS&P500の時価総額上位10銘柄だけを組み入れた投資信託も人気だが、このETFは「20銘柄」であることがポイント。上位10銘柄だと、現状では今をときめくテック系の銘柄が多くなってしまう。でも20銘柄なら、11番目以降にエネルギー(エクソン・モービル)や金融(マスターカード)、生活必需品(コストコ・ホールセール)、娯楽(ネットフリックス)、一般消費財(ホーム·デポ)、などテック系以外のバラエティー豊かな業種が組み入れられる形になるのだ。