ブレインフードの代表・魚(写真:Getty Images)

 脳によい食べ物は「ブレインフード」と呼ばれ注目を集めている。脳の働きをよくするだけでなく、健康を維持するために必要な食品でもある。ハーバード大で栄養学を学んだ医師・満尾正氏に、積極的に摂取したい5つのブレインフードを選んでもらった。朝日新書『ハーバードが教える 最高の長寿食』から一部を抜粋、再編集して解説する。

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脳の健康によいブレインフード

 巷では、脳によい食材を「ブレインフード」と呼んで、摂取がすすめられています。脳を活性化する、脳の抗酸化や血流改善など謳い文句はさまざまですが、ここでは私が注目するブレインフードの栄養成分についてまとめておきましょう。

 ただし、これらの食品単体を食べるだけでは効果はあまり発揮されません。脳の健康を維持するには、これ以外に亜鉛、マグネシウムなどのミネラルが不可欠ですし、さまざまな栄養素がチームではたらくことが重要であることをお忘れなく。

ブレインフード(1) 魚

 魚の脂はオメガ3脂肪酸のEPA・DHAを豊富に含んでいます。

 オメガ3脂肪酸は脳の炎症を防ぎ、脳機能を改善させる働きがあります。最低でも週に1回魚を食べる人はアルツハイマー病になるリスクが低いという報告もあります。わずか週1回でも脳細胞の変化を防ぐことができるとすれば、積極的に魚を摂取しない手はないでしょう。

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満尾正

満尾正

満尾 正(みつお・ただし) 満尾クリニック院長・医学博士。日本キレーション協会代表。米国先端医療学会理事。日本抗加齢医学会評議員。1957年、横浜生まれ。1982年、北海道大学医学部卒業。内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療に従事。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、2002年、日本初のキレーション治療とアンチエイジングを中心としたクリニックを赤坂に開設、2005年、広尾に移転、現在に至る。主な著書に『世界の最新医学が証明した長生きする食事』『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』(アチーブメント出版)、『世界最新の医療データが示す 最強の食事術』(小学館)、『医者が教える「最高の栄養」』(KADOKAWA)など多数。

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