ブレインフード(3) 大豆、卵黄、レバー

 豆腐、納豆などの大豆製品には、「レシチン」という脂質の一種が多く含まれています。このレシチンの構成成分の一つが「コリン」です。卵黄や動物の肝臓にもコリンが多く含まれます。

 コリンという栄養素は、神経伝達物質であるアセチルコリンの原料にもなるため「記憶力の栄養素」とも言われ、脳神経の働きを円滑にしてくれます。あまり聞きなれないかもしれませんが、脂肪代謝や神経細胞の働きなどに欠かすことのできないものです。細胞膜を作る構成成分でもあります。

 その働きがビタミンBと似ているため、ビタミンB4と呼ばれることもあります。昔から豆を食べると脳の働きをよくすると言われているのは、豆に含まれるコリンを補充することのメリットを経験的に知っていたからかもしれません。

ブレインフード(4) 緑茶

 緑茶には「カテキン」と呼ばれるポリフェノールが豊富に含まれています。緑茶の摂取量と認知症の発症率との関係を調べた研究によると、緑茶を1日に1杯も飲まない群と比較して、3~4杯の緑茶を飲む群では16%、5杯以上飲む群では24%、認知症患者が少ないことがわかりました。紅茶やウーロン茶では同じ効果が見られなかったため、この効果は緑茶に多く含まれるカテキンの一種、エピガロカテキンガレート(EGCG)によるものではないかと考えられています。

 また、緑茶に含まれる「テアニン」というアミノ酸の一種には、鎮静作用のある「ギャバ(GABA)」を増やすという重要な働きもあります。

 緑茶の効用として、認知症予防以外にも、抗酸化作用、動脈硬化予防、免疫力増強、がん予防などさまざまな作用が注目されています。健康維持のためにも、緑茶をゆっくり味わう日本文化を残していきたいものです。

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