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    【AERA dot.緊急アンケート】眞子さまと小室圭さんの結婚ご意見募集 

     秋篠宮家の長女、眞子さまと小室圭さんは、10月に入籍する見通しです。小室さんは来週にもアメリカのニューヨークから帰国します。10月には眞子さまと小室さんの結婚に関する会見が開かれると報じられています。 そこで、お2人の結婚について、ご意見を募ります。  ↓↓アンケートはこちら↓↓  https://forms.gle/qHiL9PWdPNvQeQ3J9  回答締め切り:9月28日(火)

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    【独自アンケート速報】眞子さまと小室圭さんの結婚「祝福する」5% 会見で「借金問題」聞いてほしい

     9月27日午後に秋篠宮家の長女眞子さま(29)と婚約が内定している小室圭さん(29)が3年ぶりに婚姻届を提出するために留学先の米国から帰国した。小室さんは、14日間の隔離期間を終えた後、眞子さまと結婚の記者会見に臨む見通しだ。ニュースサイトAERA dot.編集部では、二人のご結婚を祝福する気持ちはあるかどうか、会見で聞きたいことを募るなど、インターネット上でアンケートを実施。締め切りは28日だが、小室さんの帰国に伴い、回答の中間結果を速報する。 ***  アンケートは9月22日から28日まで実施。回答者を無作為に抽出した調査ではなく、インターネット上で意見を募るという方法で、期間中は何度でも回答できる。回答の締め切り前である27日(17時時点)では、2051人が回答。内訳は、女性1711人(83%)、男性331人(16%)、その他9人(0.5%)。年齢層は、40代637人(31%)と50代534人(26%)、30代343人(17%)が占めた。続いて、60代246人(12%)、20代178人(9%)だった。  はじめにアンケートの設問で、「あなたは今、お二人の結婚を祝福する気持ちはありますか」を問うと、「ある」と答えた人はわずか5%(105人)だった。「ない」は91%(1877人)、「どちらでもない」は3%(69人)だった。  AERA dot.では、「小室文書」が公開された4月にも独自アンケートを実施。4月は計2万8641件の回答が寄せられ、眞子さまと小室圭さんの結婚に対し、「いいと思う」1%(336件)、「よくないと思う」97%(27920件)、「どちらとも言えない」1%(358件)だった。  半年前に比べて今回のアンケートでは5%(105人)が祝福する気持ちが「ある」と答え、祝福の声が微増した。その理由として、次のような回答理由が寄せられた。 「眞子さまは、この結婚を逃したら、きっと一生結婚できません。やっかみ言う人は、眞子さまのことを考えていないのですよ。そういう人のせいで限られた人としか結婚できない皇族を作りあげてはいけないと思います」(20代女性) 「世間がバッシングすればするほど祝福したい気分になる。お二人は不幸になるべきだという、人でなしに反発したい。人間であれば誰でも幸福になる権利も、不幸になる権利もある。小室さんは非常に優秀な人なのはまちがいないのでしょうから、アメリカで成功して『人でなし』たちを見返すだろう。『ざまあみろ、俺は眞子を幸せにしたぞ』と」(60代男性)  ただ、依然として、反対する声は9割を超えている。祝福する気持ちは「ない」と回答した人は91%だった。その理由は次のようなものだった。  「秋篠宮家や宮内庁は、天皇陛下のお言葉である『多くの人が納得し喜んでくれる状況』を無視していると思うからです。なによりも、天皇陛下をお支えするはずの秋篠宮家が、そういう態度を示さず、足を引っ張ってばかりいる」(50代女性)  「<今現在>に祝福の気持ちは全くありません。が、最初から祝福の気持ちを持ち合わせていなかったわけではありません。自由恋愛に反対しているわけではないが、あまりに権利を振りかざして説明責任等義務を果たさなさすぎではないでしょうか」(40代女性)  また、祝福する気持ちについて、「どちらでもない」と回答した人は3%(69人)だった。 「若いお二人へのバッシングや加熱する報道を見ていると、一国民として、こちらも苦しくなってしまいました。プリンセスであられる眞子さまに、万一何かあれば、国民が傷つきます。数年後の眞子さまを思うと、お幸せな姿を想像することが出来ません」(40代女性) 「婚姻は両性の合意で憲法上は許されるかもしれないが、自分達だけがよければそれでよいのか、という点において周囲への配慮が足りないと思う」(60代女性)  さらに今回のアンケートでは、10月に予定されている結婚会見で小室さんと眞子さまに聞きたいことを募った。それぞれ以下のような聞きたいことが寄せられた。  ◆会見で眞子さまに聞きたいこと  「秋篠宮家の皇族費を透明化してほしいという声が国民から上がっているが、どうお考えか」(40代女性) 「一時金が辞退できない場合は、どのようにされるおつもりでしょうか」(20代男性)  「公より私の自由を優先した結婚により、皇室や多くの国民に与えたダメージをどのように思っていらっしゃるのでしょうか」(60代男性)  「ご両親や周りの方とよくよく話し合いをしたのでしょうか。どうして30歳での結婚にそこまでこだわるのでしょうか。約3年も直接会っていない人と結婚することに不安はありませんか。皇室というお立場を理解していらっしゃるのでしょうか」(50代女性)  ◆会見で小室圭さんに聞きたいこと  「膨れ上がった借金の返済方法について返済計画書の提出を希望します。また、自力で返していく気持ちはありますか」(40代女性)  「今現在の生活費はどこから捻出していますか」(50代女性)  「報道されている内容についてどう思っていますか。なぜ、これだけ時間があったのに解決しようとしないのですか」(30代女性)  「母親と元婚約者の金銭問題について、なぜ録音したのですか。それはいつからの習慣ですか。そして、もしも眞子さまが皇族でなくても結婚しますか」(50代女性)   国民のこうした声に二人は会見でどうこたえるのだろうか。アンケートは、明日28日の24時まで受け付け、改めて集まった声を集計する。まだ回答していない方は、下記のURLから回答してください。 (AERAdot.編集部 岩下明日香)  ◆皇室緊急アンケートはこちら→  https://forms.gle/JTeNZQFwd2HQcjCv7 ※9月28日24時まで受け付け

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    1時間前

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    眞子さまの結婚どう思う? 瀬戸内寂聴が27歳スタッフに質問した結果

     半世紀ほど前に出会った99歳と85歳。人生の妙味を知る老親友の瀬戸内寂聴さんと横尾忠則さんが、往復書簡でとっておきのナイショ話を披露しあう。*  *  *■横尾忠則「スジ金入りの肉体的朦朧体、大観より本格派です」 セトウチさん 耳が聴こえなくなったと言うと、「きっと作品が変るわよ」と、ベートーベンじゃあるまいし、変なことおっしゃると、その時はそう思いましたが、本当に変ったんです。その変り方が理に適(かな)っているといえば適っている。つまり聴こえないことは、音の輪郭が失くなることです。そうなると音が朦朧(もうろう)となって、横山大観の朦朧体の絵のように音がボケて聴こえるんです。耳がボケると、日常生活もボケて、曖昧模糊(あいまいもこ)となって、したことと、してないことの区別もわからなくなるんです。つまり虚実の区別ができなくなって、夢で見た仕事の依頼を、本当に依頼されたと思って、やっちゃったりするんです。ボケの症状に似てるけれど、ボケ老人になったんではなく耳のせいだと理解しているので、そこはまだ理性がコントロールしています。 ハイ、絵の話だったです。大観は思想で朦朧体を描きましたが、僕はスジ金入りの肉体的朦朧体なので、思想のようなチョロコイ考えではなく、肉体的ハンデキャップによる堂々たる自然体派です。大観よりこっちの方が本格派です。そんなわけでセトウチさんの大予言は的中しました。 先っきも言いましたが境界線が失くなるということは自由のキャパシティも拡張したことになります。近代人は何でもかんでも境界線を引いて、全てを分業化します。縄文時代はひとりの人間が、多面的に物事をこなしていました。狩猟(しゅりょう)も農業も、漁業も工芸も、子育ても、教育もひとりでするという、境界線をはずした労働生活です。現代のような役割分担などしません。正に多義的です。越境した狩猟社会です。 難聴が与えてくれた神の恩寵です。だから病気の高徳です。僕が度重なる病気によって救われてきたということはこういうことです。神は人間に色々な苦難を与えますが、病気は罪ほろぼしでもカルマ落としでもなんでもないのです。人間の進化向上のためのカリキュラムだと思えばどうでしょう。難聴のほかに、腱鞘炎(けんしょうえん)にもなりました。もう、セトウチさんの「幻花」のような繊細(せんさい)な描写の絵など描けません。今は太い筆やハケを握りしめて、キャンバスにバンバン叩きつけるように描いています。それも痛いので、左手で描きます。左手は思うような形が取れません。幼児の絵より下手くそになります。でも、デュビュッフェは幼児の絵のマネをして、幼児風に描きますが、そんな意図的なことをしなくても、僕の左手はそのまま幼児以上に下手に描けます。これもハンデキャップから来た自然体です。 今書いている手紙では、前にも同じことを書きましたかね。境界を越えると時間差もなくなって、やったことと、やらないことの区別がわからなくなるのです。いよいよ本格派老人です。100歳老人のセトウチさんにも負けていません。ただ僕はセトウチさんのように年齢には拘っていません。拘っているのは他人の方で、今行っている展覧会では「85歳、85歳」と年齢を売り物にされています。歳のことは言うな! アーティストには年齢はないのです。昨日の続きが今日、今日の続きが明日です。原始社会では年齢など無関係です。アーティストは原始人です。■瀬戸内寂聴「私もヨコオさんに負けないように!」 ヨコオさん 何だか、ずいぶん久しぶりにこの往復手紙を書いているような気がします。 それにしても相変わらずコロナは豪勢を極め日本はおろか、世界的にその力を奮っています。 コロナのせいで、人に会えず、寂庵はずっと門を閉めっぱなしです。コロナになる前はもちろん、一も二もなく門内に入ってもらっていました。 大抵遠く九州や東北から来られた人で、まだ生きている私に逢えたと言って、抱きついて泣き出します。もちろん、私は丁寧にお迎えして、写経などしてもらい、お茶菓子を一緒に食べて、しばらくその人のお話を聞きます。つきあいの人もあれば、寂庵の信者を自称する人もあり、初めて門内に入ったという人もいます。「まさか、門内に入れてもらえると思わなかった」と泣き出す人もあれば、「生きている寂聴さんに逢えた!」と、子供のように足を踏み鳴らす人もいる。「とても百歳には見えない!」と誰もが感嘆してくれるが、終日ベッドに横になり、本ばかり読んで、一日を過ごしている私の毎日の状態など話せない。私は、人に逢っている間だけは、必死になって元気らしさを演じ、声を張り上げる。客の帰る時は、長い廊下の途中で、へばってしまい、さっさと歩く客の跡がおえない。 ──だって百だもの……──と、私は廊下の途中で、ペシャンコに座り込み、つくづく、自分に向かって言う。 食事だけは時間が来ると、しゃきっと体がのび、食卓の自分の位置に早々と座り込んでいる。「あら、お昼はもう召し上がりましたよ!」 スタッフの一人が、わざと大きな声を張り上げる。「私のスパゲティは、どうしてこんなに美味しいのだろうなんて、お世辞までいただいて」「そうよ、ほんとに! でも今ここに座ったのは、食べるためでなくて、眞子さんの結婚をどう思うかって、寂庵で一番若い二十七歳のP子の意見を聞きたいのよ」「ああ、眞子さん、ほんとに、よかったですね。大体、みんなあんまりこの結婚に意地悪すぎましたよ。でも、どうして一時金を眞子さんは辞退なさるのかしら? 貰う権利のあるお金でしょう? あんまり弱気にならない方がいいと思うけど……」 ヨコオさん、今、寂庵の中は、こんなにのんびりしています。耳が聞こえないのは、私も同然です。テレビの時なんか、びっくりするほど大きな声にしてくれるので、何とか会話が出来ています。鶯も、秋の夜の虫の音も、私の耳にはさっぱり聞こえません。ヨコオさんとTELしてるのを横で聞いてる人があれば、どんなにおかしいでしょうね。耳だけでなく体のあちこちがどしどし衰えてきます。 そのうち、きっと、自分の死んだこともわからなくなって、──ヨコオさんにTELして!──など叫んでる日が来るのでしょうね。でも目がよく見えているので、一日に二冊は厚い本を読み切っています。ヨコオさんの展覧会、ますます人気上昇でおめでとうございます。私もヨコオさんに負けないよう、あっとこれまでと変わった小説を二つくらい書き残して死にたいものですね。 では、また。※週刊朝日  2021年9月17日号

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    【独自】尾身理事長の医療法人がコロナ補助金などで311億円以上の収益増、有価証券運用は130億円も増加

     政府の新型コロナ対策分科会会長の尾身茂氏が理事長を務める地域医療機能推進機構(JCHO)で、コロナ対策などで給付された300億円以上の補助金で収益を大幅に増やす一方で、有価証券の運用も130億円増加させたことが、AERAdot.の取材でわかった。JCHOではコロナ患者用の病床を用意し多額の補助金を受けながらも、患者を十分に受け入れていなかった実態がわかっており、厚生労働省などから批判があがっている。 *  *  *「JCHOは適切に補助金を運用していないのではないか」  いま医療関係者の間でこんな疑念が生じている。どういうことか。その原因は、JCHOがホームページで公表している財務諸表を見るとわかる。  2020年度の財務諸表によると、20年度の当期純利益は約200億円で前年度より約168億円も増加していた。補助金等収益を見ると、こちらは約324億円で、前年度より311億円も増加していた。補助金等の明細を見ると、交付された補助金は126件(交付額は約368億円)あり、そのうちコロナ関連と思われる補助金は56件あった。56件の交付額は約351億円、うち約310億円が収益計上されていた。  同時に、有価証券での運用額は685億円で、前年度より130億円増加していた。当期純利益は200億円で、現金及び預金は約24億円しか増加していない。  これ以前にも、JCHOはコロナ患者を受け入れるために多額の補助金をもらいながらコロナ専用の病床数や受け入れ患者が少ないことが批判の的になっていた。AERAdot.では9月1日に配信した「【独自】コロナ病床30~50%に空き、尾身茂氏が理事長の公的病院 132億円の補助金『ぼったくり』」の記事で、JCHO傘下の都内病院で、コロナ専用病床の多くが空床になっていることを特報している。  これに関して、尾身氏は18日に自身のインスタグラムで「#ねえねえ尾身さん」と題したライブ放送を行い、視聴者からの疑問に答える形でこう釈明した。 「補助金のぼったくりの話ですけども、看護師さんなんかを確保するのに難しいという理由はあったにせよ、実際に確保した病床よりも、実際に入れた患者が少なかったという事実はある。この事実に関しての補助金の扱い方については、国や自治体が方針を示すと思いますから、その方針に従って適切な行動をとりたいと思っています」 ◆厚労省幹部が「由々しき問題」  今回、新たに問題になっているのは、コロナ関連で多額の補助金を受け取り、法人全体の収益をあげながら、その収益が有価証券の運用に使われているということだ。この実態は政府関係者の間でも問題視され始めている。厚労省の幹部はこういう。 「コロナ関連の補助金が大部分を占めるJCHOの収益が、結果的に有価証券購入の原資として間接的に還流されているとみています。補助金収入がきちんとコロナ病床や患者医療に還元されず、有価証券などとして内部留保されていることは厚労省としても由々しき問題と考えています。尾身氏の経営判断を尊重する必要はあるのですが、自身があれだけ『医療ひっ迫』を主張する中で、このような経営は受け入れられないのではないでしょうか」  法人が自身の資金をどう運用しようとも、適切なプロセスを踏んでいれば問題はない。しかし、コロナ関連で受け取った補助金によって大幅に収益をあげて、それを間接的にでも投資に回していたとしたら、批判や疑問の声も出るだろう。  JCHO職員によると、補助金収入の大幅増と有価証券の取得増は「無関係ではない」という。他の民間医療機関と同様にJCHOもコロナの影響などにより病院経営は収益の柱となる医業収益が減となるなど厳しい環境下にある。こうした中で有価証券残高を130億円増やすことができたのは、「補助金収入が大きく寄与した」(前出の職員)という。 ◆尾身氏からの回答は?  JCHO理事長の尾身氏はどう答えるか。尾身氏宛に、補助金で収益をあげながら多くの資金を有価証券で運用するのが適切と思うか、補助金を投資で使っている事実はないかなど書面で見解を質した。  すると、広報担当からメールで「個別にいただいたご質問等にはお答えすることはいたしかねます」と回答が来た。  医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏はこう指摘する。 「尾身氏はJCHOの理事長として国民に事実を説明する必要があるでしょう。この問題は、JCHOでコロナ病床を増やし、患者もしっかりと受け入れるという覚悟も問われていると思います」  補助金は国民の税金が原資だ。尾身氏の説明責任が問われている。 (編集部・吉崎洋夫)

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    藤井聡太棋聖、“ただで飛車を取らせる”妙手でタイトル防衛 渡辺名人も「ひえー」と驚く終盤の天才ぶり

     将棋の棋聖戦で藤井聡太棋聖が渡辺明名人を3連勝で破り、初防衛を果たした。史上最年少のタイトル防衛と九段昇段も達成。終盤の妙手で天才ぶりを発揮した。AERA 2021年7月19日号で、この第3局を取り上げた。*  *  * 記録に興味のない大天才が、またもや大記録を達成した。 7月3日におこなわれた棋聖戦五番勝負第3局。藤井聡太棋聖(18)は渡辺明名人(37)を下し、3連勝のストレートで棋聖位防衛を果たした。 藤井が勝てば、いつも何かしらの記録がセットでついてくる。今回は史上最年少でのタイトル防衛と九段昇段だった。 報道陣がセンセーショナルに記録を取り上げる一方で、藤井自身はまるで興味を示さない。まず強くなりたいと願う藤井が一貫して興味を示すのは、盤上の最善手だけだ。まずは第3局の模様を振り返ってみよう。■正確に指せば渡辺勝ち「両方勝ちかと思ったんだけど、両方負けなの? はははは。あきれますね、これ。両方負けなの。ひえー」 将棋界の住人は驚いたとき「ひえー」と声に出す。対局後の感想戦。自身の明快な勝ち筋を見つけられない渡辺は、心底あきれたという様子で笑った。 本当は「両方負け」ではなかった。終盤、渡辺は正確に指せば自身の勝ちと、的確な判断をしていた。あとは藤井玉を攻略するため、どこに角を打つか。勝ち方は2通りあるように見える。持ち時間4時間のうち、残りは渡辺44分。藤井はわずかに3分。渡辺は戦略的に時間も残し、あとは余裕を持って勝ち筋を見つければいい。しかしその順が見つからない。それはもちろん、藤井がわずかな残り時間で最善を求め続け、複雑さをキープしていたためだ。渡辺の時間は刻々と削り取られていく。 長考しても読みきれぬまま、渡辺は正解と思われる順を選んだ。藤井は正確に対応する。そしてどこかでわずかに渡辺が間違えた。それがどこなのかはっきりしないまま、いつしか形勢は逆転。藤井勝勢になった。「藤井君が全部大楽勝だと、面白くもなんともない。世の中の人がいま求めているのは、藤井君が強い相手にスレスレで逆転勝ちしたりするところでしょう」 今期棋聖戦での対戦が決まる前、渡辺は語っていた。皮肉なことに渡辺は、世間が一番沸き上がる場面を作り上げていた。 両者60秒未満で指さなければならない一分将棋。渡辺は金を打って藤井玉に迫る。渡辺は近年、AIを駆使した深い序中盤の研究で知られるが、終盤も超一流だ。だからこそ「現役最強」と言われるまでに勝ち続け、棋界の頂点に君臨している。■最強の挑戦者返り討ち 記録係の秒読みの声が響く中、藤井は飛車を逃げた。そこは渡辺の馬(成角)にただで取られるところだ。「ひえー。すごいですね」 解説の高段棋士が驚きの声をあげた。もし並の18歳四段が終盤の競り合いの中、百戦錬磨の名人を相手にこの妙手を指して勝てれば、生涯たたえられるだろう。しかし18歳九段目前の藤井はそんな妙手を、トップクラスの棋士たちを相手に、数カ月に1度のペースで量産しているようにも見える。 渡辺は頭に手をやり中空を見つめた。勝ちは見つからない。58秒まで読まれ、馬で飛車を取る。途端に馬の利きがそれ、渡辺玉に詰みが生じていた。 藤井は王手を続けていく。表情はずっと変わらない。渡辺は腕を組んで、また何度か中空を見上げた。「負けました」 100手目の桂打ちを見て、渡辺は投了。歴史的な五番勝負は幕を閉じた。 昨年、藤井に棋聖位を奪われた渡辺は今年「最強の挑戦者」としてリターンマッチに臨んだ。しかし結果は3連敗で返り討ち。渡辺はタイトル戦登場39回目にして、初のストレート負けを喫した。渡辺はコメントを求められると伝法な調子で返した。「フルセットだろうがどう負けようが、そこの違いにあまり意味はないと思うので」 渡辺の本音であろうがやはり3タテは衝撃的だ。通算対戦成績も藤井の8勝1敗となった。(ライター・松本博文)※AERA 2021年7月19日号より抜粋

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    小室圭さん帰国便同乗者が目撃した姿「彼はまるでエグゼクティブ」 自宅前では深々とお辞儀

    颯爽と歩きながら、小室圭さんがアメリカから帰国した。日本の地を踏むのは2018年8月に渡米して以来、3年2か月ぶりだ。  成田空港は多数の報道関係者が集まっており、ピリピリムード。報道陣に対して、カメラのフラッシュ禁止、声掛けも禁止といった規制が敷かれていた。報道関係者からは「どうして?」と不満の声も漏れていた。  午後3時20分過ぎ、成田空港に飛行機が到着。一般客が飛行機から降りたあと、小室さんが、報道陣の前に姿を現した。警護と思われる男性やキャビンアテンダント(CA)の女性などに囲まれていた。キャリーバックを転がしながら、白マスクに、濃紺のスーツ、ストライプの入ったシャツ、ノーネクタイといういで立ちで、髪の毛は後ろに縛っていた。  飛行機から出てきた小室さんは報道陣に一礼したあと、新型コロナウイルスの抗原検査、そして入国手続きに進んだと見られる。  小室さんは機内でどのような様子だったのか。偶然、同乗していた男性(51)に話を聞くことができた。 「私がファーストクラスで座っていると、ドアが閉まるギリギリになって小室さんが搭乗してきました。まるでエグゼクティブのようでした。後ろの髪を結っていたので、すぐに彼だとわかりましたね。彼一人に女性CAが2人くらいついて、会話しながら案内されて入ってきました」  当初はエコノミークラスのチケットを買ったと報じられていたが、この男性はこう語る。 「右の列のビジネスクラスの前方の席で、窓際に座っていましたね。私の席から右斜め後ろのほうの席でした。ただ、カーテンでファーストクラスとは仕切られていたので彼の表情などはわからなかったです」  男性は飛行機から降りた後、抗原検査のために、大きめの部屋に移ったという。40分ほどその部屋に滞在したが、そこに小室さんの姿はなかった。 「今か今かと待っていたのに、残念でした」(男性)  そのころ、到着ロビーには多数の報道陣のほか、「皇室系Youtuber」といったタスキをかけた人物や一般客も小室さんの姿を一目見ようと集まっていた。その数、50~60人ほど。  津田沼から来たという白髪交じりの一般男性は手にハンディカムを持ち、小室さんを待ち構えていた。妻に頼まれて自宅で見るために撮りに来たという。  しかし、小室さんは一般客が使う到着ロビーを通らず、地下駐車場から車に乗り込み、成田空港を後にした。「地下駐車場から空港を出たらしい」と男性に知らせると、「こんなに待っていたのに……」と不満げな様子だった。  小室さんを乗せた乗用車が向かった先は、母・佳代さんが住む横浜の自宅だった。自宅前は朝から報道陣が詰めかけ、警察は臨時の派出所を設置し、周辺警備に当たるなど、ものものしい雰囲気が漂っていた。夕方には100人を超える報道陣が押し寄せており、ベランダから様子を一目見ようとする住民の姿も見られた。  19時過ぎ、小室さんを乗せた車が到着。警察が後部座席のドアを開け、車から出てきた。小室さんは、報道陣から「どんなお気持ちですか」と声を掛けられたが、反応は示さず、自宅マンションの入り口で2回ほど深々とお辞儀をして、黒いスーツを着た男性らと中に消えていった。  近くに住む60代の男性はこう語る。 「ヘリコプターの音がすごくて『何事か』と思って見に来た。3年前の婚約会見後のときと同じような状況だと感じましたね。小室さんがニューヨークに行ってからは、静かになっていたんだけど……。またしばらく騒々しくなるのかなと思っています。どの家庭も問題を抱えていますし、小室さんと眞子さまも早くアメリカで幸せになってほしいですね」    小室さんは今後、自宅で2週間の隔離を終え、その後、記者会見に臨むと見られている。果たして何を語るか。注目が集まる。 (AERAdot.編集部/上田耕司、飯塚大和)

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    「どうせ好きな人とは結婚は出来ない」眞子さま結婚問題で佳子さまが漏らした悲痛な声

    「ここ(皇室)にいる限り、どうせ好きな人とは結婚を出来ないと思っている」 「皇室から出たい。出るためには、結婚しかない」 「自分でいいと思える相手と結婚できるならば、(細かい欠点など)構わない。姉が『いい』と思うならば、結婚すればいい」  秋篠宮家の次女、佳子さま(26)は、周囲にこう語っていたという。  国民の反発をよそに、眞子さま(29)と小室圭さん(29)の結婚への準備は、力業で進んでいる。  9月27日の帰国を前に、フジテレビがニューヨークで小室さんを直撃した映像が流れた。長髪を無造作に束ねた小室さんが、質問を投げかける記者を無視して立ち去る様子は、視聴者に衝撃を与えた。  皇族が通う学校として知られた学習院女子中・高等科の同窓会の役員を務めた女性は映像を見てこうつぶやいた。 「女性皇族のお相手となる方ならば、品位をもった行動を求められるはずです」  だが、冒頭であげたように、そこに重きを置いていないご様子なのだ。  2017年に眞子さまと小室圭さんの婚約内定会見が行われた。実はその時期に佳子さまは、こう悔しそうに口にしていたという。 「どうして、(姉は、結婚について)何も相談してくれなかったのか」  姉の結婚話にためらいつつも気持ちを整理していったのだろうか。  2019年に国際基督教大学(ICU)を卒業した佳子さまは、記者会の質問に答えた文書回答で、眞子さまの結婚にこうエールを送った。  <姉が結婚に関する儀式を延期していることについてですが、私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています>  秋篠宮家の事情に詳しい人物はこう話す。 「佳子さまは、早く皇室を出て民間の世界で生きて行きたいというお考えを持っておられたようです。皇室を出る手段のひとつが結婚であるのでしょう」  ただし、皇族である限り好きな相手と結婚することは簡単ではない。姉の眞子さまの結婚相手は、世間で言う「ふさわしいお相手」ではない。 「しかし、家と家の結婚で相手が決められるぐらいならば、自分の意思で結婚したい。自分たちが納得した相手であれば、多少の問題があっても構わないー。私は佳子さまのお気持ちを、そう受け取りました」(前出の関係者)  実際、過去の皇族女性の結婚を振り返ると、家同士の結びつきから離れた、自由な恋愛結婚はかなり難しい。皇族女性のお相手は、旧皇族か旧華族、もしくはその家に連なる家柄だ。  2005年に結婚した上皇ご夫妻の長女の黒田清子さん(52)は、「ふつうの市民と結ばれたはじめての皇女」と言われた。  そうはいっても夫の黒田慶樹さんの伯母は、旧華族の税所家に嫁ぎ、伯父の妻は旧華族・秋月家の出身。黒田さん自身も大学まで学習院で、秋篠宮さまとは初等科時代からの親友なのだから普通の家庭とは言い難い。  14年、日本最古の旧家同士の慶事と祝福されたのが、高円宮家の次女、典子さん(33)と出雲大社の宮司の長男である千家国麿さん(48)との結婚だ。 「憲仁親王が02年に亡くなってから、久子さまご一家を支援してきたのが、千家宮司夫妻であったのは、有名な話です」(神社関係者)  18には、高円宮家の三女絢子さん(31)と日本郵船社員の守谷慧さん(35)が結婚。守谷さんの母・季美枝さんと親しい久子さまが、絢子さんに紹介して結婚の運びとなっている。高円宮家の姉妹は、自らの結婚感についてこう話していたという。 ◆女性皇族の運命とは? 「結婚と恋愛は別」  三笠宮家の長女、彬子さま(39)と次女の瑶子さま(37)は未婚の女性皇族だ。  しかし父の故・寛仁親王は娘に対して、条件をつけていた。 「結婚するならば、旧皇族が相手だ」   彬子さまご本人も周囲にこう話しているという。 「結婚はしない。三笠宮家に人生をささげるつもりだ」  皇族女性の将来について興味深い記事を共同通信(9月6日付)が報じている。 <天皇ご一家と4宮家存続の構想 政府、女性皇族が継ぐ案を想定>  記事では、眞子さまが結婚をして皇籍を離れることによる皇族の減少を防ぐために、天皇ご一家と今ある4つの宮家を存続させる構想を政府は持っていると書いている。構想の中身は、女性皇族が結婚後も皇籍を維持する有識者会議の案を基に、愛子さま(19)が天皇ご一家に残り、佳子さまが秋篠宮家を継ぐというものだ。  残る3宮家について記事では触れていなかったが、「現存の4宮家」となると、高円宮家は未婚の長女の承子(35)さま、三笠宮家は長女の彬子さま、お子さまのいない常陸宮家は、三笠宮家の次女である瑶子さまが継ぐということになる。  記事は、<本人の意向に最大限配慮する内容とすることを想定している>と結んでいる。  しかし、ご本人方は、「自由がある」とは考えていないようだ。 「多くの皇族方は、皇室に生まれた以上、定められたなかでの結婚や人生であると、理解しておられる」(かつて天皇家に仕えた人物)  皇族でありながら「私」に生きることを決めた眞子さま。宮内庁が調整している小室さんと臨む記者会見で、内親王は最後に、国民に何を語るのか。 (AERAdot.編集部 永井貴子) 

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    稲垣えみ子「もはやスマートな戦争 SNS運営企業に人生を差し出していた私」

     元朝日新聞記者でアフロヘア-がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。デジタル庁発足に逆行するかのように脱デジタル化を決意した稲垣さん。今回はスマホとの付き合い方についての考察・第3弾をお届けします。 *  *  *  話題の『スマホ脳』を読んで何がショックだったって、我が貴重な時間とエネルギーがコッソリ誰かに抜き取られていたという事実である。  スマホとはうまく付き合っているつもりだった。特にSNS。遠く離れた友人の近況や、オモロイ活動をしている人の現況報告を読むと、私も頑張ろうとか、なるほどその手があったかとか刺激を受けるし、もちろん私の活動に「いいね!」と言って頂けるのも嬉(うれ)しい。しかもタダ。もちろんこれは広告ビジネスってことは頭では理解していたが、そもそもモノを買わない人間なので広告をクリックすることもない。ゆえに実害なしと判断していた。  いやいや甘かった!  SNSを運営する企業の目的は、我らの交流や友愛の増進ではない。個人情報を吸い上げて高く広告主に売ること。つまりは我らを1分1秒でも長くスマホに惹(ひ)きつけることこそが富の源泉なのだ。ゆえに脳科学者を雇って我らの脳が本能的に喜ぶアプリを開発しているという著者の指摘に唸(うな)る。確かに赤いマークがついたり、ポンと音が聞こえたりするたびに喜々として画面を開いていた私。どこぞの誰かに時間すなわち人生を狙われて、まんまと差し出していた私。  と思ってふと電車の乗客を見ると、ほぼ全員がスマホを見ている。作戦は着々と進行中。我らはお金を取られることにはビンカンだが、時間を取られることには案外無頓着なのだ。本当は逆なんじゃ? 時間はお金じゃ買えない。なぜって時間とは人生なのだから。  私はすっかり恐ろしくなってしまった。  世界中の人がコロナに人生を奪われることに怯(おび)えている。でも実は深く静かに、それと気づかぬまま、多くの人が別のものに人生を差し出している。コロナとの闘いを戦争に例える人がいるが、別の本当に恐ろしい戦争はとっくに始まっていたのかもしれない。宣戦布告もなく、目に見えて誰かを傷つけることもなく、静かに我らの脳を個別に狙い撃ちするスマートな戦争が。 稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行※AERA 2021年9月27日号

    AERA

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    【独自】小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”

    「小室圭さんの実力では無理だと思います」 こう話すのは、全米で「トップ100」と呼ばれる大手弁護士事務所(ビッグロー)のパートナー弁護士のA氏。専門は、海外企業同士のM&Aなど。米国を拠点に世界を飛び回り、収入も桁違い。この姿こそ、小室さんが思い描く将来でもあるようだ。 昨年の秋ごろ、A氏の事務所に、働かせてほしい、と小室さんの「経歴書」のようなレジュメが別の弁護士を通じて届いたという。小室さんは、ニューヨークなど大都市での弁護士の仕事を探しており、ビッグローか、その下の規模のミッドローでM&Aなどをやりたいという。 A氏がそのレジュメを見て思ったのが、冒頭の言葉だ。なかでも、A氏が首をかしげたのがニューヨークのフォーダム大ロースクール(法科大学院)への留学の部分だ。「疑問なのは、彼がLLM(法学修士)のコースに入ったことです。しかも1年学んだ後に、JD(法務博士)コースに編入している。大きな事務所を目指してて、こんな動き方をするなんて聞いたことがない」 LLMとJDというのは、ロースクールでのコース名だ。米国の大学には法学部がなく、弁護士を目指す人は、大学卒業後にJDに入る。ここで3年間学び、事務所に入るのが一般的なパターンだという。 一方、LLMは、法律の資格を持つ外国人留学生が多いといい、「表現として正しいかわかりませんが、キャリアに“箔(はく)をつける”ようなイメージです」。 A氏によると、米国で弁護士となるのに重要なのはJDでの1年目だ。「米国での就職活動は、2年生の終わりの夏休みで終わります。事務所のサマープログラム(インターン)で働き、その後よほどのことがない限り、その事務所からオファーを受けて就職します。どの事務所のプログラムに入れるかは、1年時の成績で決まります。だから学生の競争も壮絶です。本を隠すなどの足の引っ張り合いもあります。小室さんはその1年をLLMに入っています」 ビッグローのインターンの募集は、ハーバードやエール、コロンビアといった有名大学で公募し、最初の書類選考で成績優秀者に絞り、次の面接で決まる。A氏が言う。「採用された学生には、1年目から19万数千ドル(2千万円以上)の給与が支払われます。それも5年くらいは半人前で、彼らから利益は出ません。それでも欲しい人材ということなんです。だから相当厳選します。原則でいえば、ビッグローはインターン以外の方法では採用しないです」 チャンスをつかめる学生は、ほんの一握りだ。小室さんは、そもそもLLMに入った時点で、希望するビッグローへの道は閉ざされたといっていい。なぜLLMに入ったのだろうか? A氏が話す。「こう言っては何ですが、彼の経歴に目を見張るモノはありません。あるとすれば眞子さまのフィアンセという一点。それでも奨学金を取得できたり、JDへ編入したり、弁護士が出てきて仕事を探したり。知恵をつけている人がいるんでしょう」 では、ビッグローは無理でも、M&Aは他でもできるのだろうか?「米国には約43万の事務所がありますが、M&Aの70%超は『トップ100』が扱っています。小室さんが弁護士として働くにはM&Aにこだわらないことですね。移民法の弁護士などは圧倒的に多い。日本人も多いです。もうからないので人気はないのですが」 そして、こう続けた。「詳しいことは申し上げられませんが、彼の『経歴書』を見る限り、とても“権威”が好きなんだと思います。M&Aも彼からすれば格好良く見えるんでしょうけど、実際は相当厳しい世界です。パートナー弁護士になるのは10年後くらい。それまで生き残っているのはわずかです。彼がそもそも弁護士という職業に向いているのか……。野心家だと思うので、ベンチャーのような起業家とかが向いているような気がします」(本誌・矢崎慶一)※週刊朝日  2021年9月17日号に加筆

    週刊朝日

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    小室さんの年収は2200万円!NYの大手法律事務所就職 眞子さまの1億強の一時金見送りで官邸が右往左往 

     秋篠宮家の長女、眞子さま(29)と小室圭さん(29)の結婚が急展開で進んでいる。小室さんもニューヨーク(NY)の大手エリート事務所で働き出している。一方で官邸サイドは、皇族の異例の結婚に振り回されてるようだ――。 「小室さんの件も含めてですが、情報が総理官邸に入ってくるのが遅く、みなイラ立っています。いまの自民党総裁選の最中で菅政権を取り巻く状況を考えれば仕方がないが…」  こう愚痴るのは官邸関係者だ。だが、当の小室さんはNY・マンハッタン生活を満喫しているようだ。  帰国直前の9月24日、勤務先近くのマンハッタン中心部のレストランで会食する姿がテレビ局にキャッチされた。  小室さんが勤務するのは、マンハッタン中心部に拠点を構える大手法律事務所だ。ホームページ(HP)サイトには、ニューヨーク、ワシントンDC、カリフォルニアなどに5拠点を持ち300人以上の弁護士が所属とある。  小室さんの名前も「Kei Komuro」と紹介されており、肩書は「Law Clerk」(法律助手・事務職員)とある。  12月に発表される司法試験に合格すれば晴れて資格を得て、先輩弁護士を補佐する「Associate」の弁護士となる。  担当分野の記載もあり、「Corporate」「The Tech Group」とある。同社サイトの記載によれば、起業家や投資家を顧客に、ベンチャー企業の設立や資金調達などに関する分野を手がけてゆくようだ。  小室さんの職歴も紹介されている。 「東京の法律事務所と外国為替銀行で証券会社の代理人として、外国人企業の顧客に融資や外国為替サービスを提供し、財務分析などの経験を有する。日本語が堪能」 ◆小室さんの年収は2200万円に!  米国の企業情報口コミサイトで小室さんが所属する法律事務所の初任給の年収を調べると、約20万ドルと表示された。日本円で2200万円ほどだ。  治安の良いマンハッタンは、ワンルームの家賃でも最低30万円と言われるほど物価高のエリア。それでも、眞子さまと共働きならば、何とか暮らせる年収だろう。小室さんのマンハッタンでの新生活は希望に満ちている様子だ。  一方で、若い恋人たちの旅立ちの基盤を整えるために、忙殺されたのが官邸サイドだ。  各省庁の官僚や政府首脳陣が、眞子さまの「一時金」について、うまい出口を探して、頭を突き合わせて議論を重ねたという。  一時金は皇室経済法で、「品位保持の資に充てるために支出される」と規定されたお金で、戦後に結婚した女性皇族に支給されてきた。眞子さまの一時金は最大1億5250万円とされる。  1年半ほど前から、眞子さまは「受け取らない」意向を周囲に示してきたが、ご本人の意向を受けて、支給しない方向で宮内庁や政府が最終調整をしている最中だ。  結婚に批判的な世論に配慮した結果と見られる。しかし、法律で規定された事項だけに、「ご本人が希望するから」といった理由で簡単に変更できるものでもない。「異例の辞退」をめぐって政府内がバタついたのは想像に難くない。冒頭の官邸関係者は、こう話す。 「そもそも皇室経済法では、『辞退』という事態を想定していませんでした。ですから、その適否や手続きについて法制局の見解を聞きながら、政府内で議論を重ねてきました。いっときは、『辞退には法改正が必要』といった意見も出ましたが、解釈の範囲でうまく整理ができたようです」  この関係者は「内容が内容だけに、委ねられる皇室経済会議(総理、衆参院議長ら)も困るだろう」と苦笑しながら、こうつぶやいた。 「政府としては、小室さんがこれ以上騒ぎを広げる前に、NYに行ってほしいというのが偽らざる本音です。ともかく、新総理総裁の誕生前に終えることができそうで、良かったのかもしれません」  異例続きの内親王の結婚を実現させるために、官邸サイドも右往左往したようだ。 (AERAdot.編集部 永井貴子)  

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    レコ大の衰退は1989年から始まった 「明菜とマッチ」と「ひばりとWink」をめぐる大混乱を振り返る

     かつては今くらいの時期になると、レコード大賞をめぐる話題があちこちで出始めた。本命は誰で対抗、大穴は誰か。アイドル好きにとっては、新人賞の行方も重要だ。世間もメディアもその予想で盛り上がり、1970年代から80年代にかけては、それが当たり前だった。  そのころ、本選は大みそかに「輝く!日本レコード大賞」(TBS系)として生中継され、69年から85年までは視聴率が30%を超えた。最高視聴率は、77年の50.8%。「NHK紅白歌合戦」と並ぶ、年末の怪物番組だったのだ。当時の音楽ファンは夜7時からの「レコ大」と9時からの「紅白」をリレーして見ることを何よりの楽しみにしていた。  しかし「レコ大」の視聴率は2005年に10.0%まで落ち込み、翌年から12月30日の放送となる。これにより、少し持ち直したものの、昨年の視聴率は16.1%。数字的にも注目度的にも「くさっても鯛」みたいなレベルは保っている「紅白」に比べ、すっかり普通の番組と化してしまった。  これはいったいなぜなのか。じつは大きな節目がある。1989年、元号が昭和から平成に改まった年だ。86年に30%を切ったあたりから陰りは見られたが、この年、凋落を決定づけるような大混乱が起きた。ここでは、それを振り返ってみたい。  そもそも、凋落には内憂外患がつきもの。まず、内憂についていえば、この年、大賞の選考が大いに割れた。いや、競り合い自体はむしろ盛り上がりにつながるはずだが、割れ方が特殊だったのだ。  この年の6月、歌謡界の女王と呼ばれた美空ひばりが死去。それもあって、遺作の「川の流れのように」が大ヒットした。このため、長年の功労者でもあるひばりにレコ大をという声があがり、本命視されるようになる。  しかし、ふたを開けてみれば、女性デュオ・Winkの「淋しい熱帯魚」が受賞。「川の流れのように」は次点に終わった。この背景には、死者が大賞を受賞という前例がなく、レコ大の後援団体でもあるTBSへの貢献もほとんどないことが響いたとされる。  と同時に、これは新旧二大勢力の対立の反映でもあった。台頭著しいポップス・ロックと伝統を担ってきた歌謡曲・演歌。後者にとっては女王の死を機にジャンルの健在ぶりを示したかったのだろうが、前者には現実の音楽シーンを主導しているのはこちらだという自負があり、その復権を阻止したかったわけだ。そのために組織票が多く使われたといううわさも流れ、後味の悪い結末となった。  さらに、この逆転劇には個人的な苦い思い出もある。大みそかに帰省した際、スポーツ紙がぶちあげていたひばり内定説を実家で自信満々に語ってしまったのだ。芸能評論家としては今でいうフェイクニュースを流したことになり、信用はがた落ちであった(苦笑)。  それはさておき、外患についてはどうか。じつは視聴率低下に大きく影響したのはこちらだ。それまで夜9時開始だった「紅白」が二部制を導入し、7時20分スタートに変更。「レコ大」と時間帯がかぶる第1部は昭和を振り返るという懐メロ企画だったが、音楽番組であることに変わりはない。そちらに流れる人もかなりいたようで、数字は前年の21.7%から14.0%まで落ちた。  しかも「紅白」は翌年も二部制を継続。第1部はもはや懐メロではなく「レコ大」に出ていてもおかしくはないような現役のヒット歌手が登場するものとなり、このかたちが今ではすっかり定着している。  おかげでふたつの怪物番組の蜜月は、終わりを告げた。そもそも「レコ大」の人気が上昇したのは「紅白」の前の時間帯に放送され始めてからなのだ。かつては両方に出演する歌手が「レコ大」終了から「紅白」開始までの数分間で移動する際、両会場のあいだの信号が全部青になるらしい、という都市伝説も生まれたものだが、両者はリレーして共存する関係ではなくなってしまった。怪物同士が数字を食い合い、やがては負けた側が大みそかから追い出されてしまうわけだ。  そんな未来が予想できたのか「紅白」が二部制の継続を発表した90年、TBSの制作部長がこんな発言をしている。 「過去何十年かこういう形でやってきて、大衆の皆さんが納得してきたわけですからね。昨年は平成スタートと『紅白』40回の記念イヤーでしたから目をつぶりましたが、まさか今年もとは思っていませんでしたよ。民放同士ならともかく、公共の電波であるNHKが視聴率稼ぎの方向に走ってはね」(「怪物番組 紅白歌合戦の真実」合田道人)  恨み節のひとつも言いたくなる状況だったのだろう。そればかりか「レコ大」は90年の司会者に「紅白」の顔でもある和田アキ子を起用するという反撃をした。  さらに、89年の混乱は他にもある。じつはこの大みそかに「レコ大」や「紅白」への関心を削ぐような緊急会見が行われたのだ。中森明菜・近藤真彦の「金屏風会見」である。  この年の7月、近藤の自宅で自殺未遂をした中森は活動を休止。「紅白」で復帰をというオファーを断り、その時間帯に近藤とともに釈明会見を開いた。この模様はテレビ朝日系の特番内で生中継され、会場に金屏風が置かれていたことから、婚約発表なのではという臆測も飛び出すなど、高い注目を浴びた。  この会見自体が「レコ大」とかぶったわけではないが、中森は2度、近藤は1度、大賞を受賞しているレコ大常連者だ。ともに現役のヒット歌手でもあり「レコ大」に出ていてもおかしくなかった。そんなふたりのスキャンダルにより、注目度の分散が起きたことは「レコ大」にとっても不幸なことだっただろう。  しかも、近藤の後輩にあたる光GENJIは前年の大賞受賞者。89年も「太陽がいっぱい」が「淋しい熱帯魚」や「川の流れのように」以上のセールスを記録していて、大賞の有力候補だった。しかし、ジャニーズの力も緊急会見で分散されたのか、得票数は3位にとどまった。  とまあ、さまざまな混乱が起きた89年。この混乱から、迷走が始まる。翌年の「レコ大」は2部門制を導入した。歌謡曲・演歌部門とポップス・ロック部門に分け、それぞれで大賞や新人賞、歌唱賞などを選ぶようにしたのだ。  この2部門制は3年間続き、もっぱら悪手として語り継がれている。単純な話、賞の権威が半分になったという見方もそのひとつだ。そして、それ以上に痛かったと思われるのは、これが一種の忖度だったことである。  ひばりとWinkの逆転劇が象徴したように、新旧勢力の立場の逆転はもはや決定的。これからはますます、歌謡曲・演歌の旗色は悪くなるだろうから、という旧勢力への配慮が働いたことが明らかだった。こうなると、視聴者はしらけるものだ。  さらに、この2部門制はジャニーズの機嫌も損ねてしまう。90年に「お祭り忍者」でデビューした忍者が歌謡曲・演歌部門での受賞を望んだにもかかわらず、ポップス・ロック部門に回されたことに不満を覚えたといわれている。賞レースからの撤退を決めたきっかけのひとつともされる出来事だ。  もっとも、遅かれ早かれ、ジャニーズは「レコ大」を見限っただろう。公的に明かされている「所属アーティスト同士を争わせたくない」という理由もまったくのうそではないだろうが、獲りに行くだけの価値が「レコ大」からは失われていったのも現実だ。たのきんトリオとシブがき隊で最優秀新人賞を4連覇した80年代前半には、ジャニーズにとってそれだけの価値があったのだから。  一方「レコ大」にとって、ジャニーズに逃げられたのはもったいなかった。21世紀の「紅白」がジャニーズで延命しているように、もっとうまくつきあえていれば、数字も注目度も盛り返せていたかもしれない。89年の大賞はいっそ、光GENJIの2連覇でもよかったのではと思ったりもする。  ところで、89年の「レコ大」にはもうひとつ、逆風が吹いていた。賞レースをめぐる「なくてもいいよね」という空気感だ。じつは「レコ大」の成功を機に、さまざまな音楽賞イベントが生まれ、いささか乱立気味だった。  TBS以外の民放各局が持ち回りで開催する日本歌謡大賞に、有線大賞が2種類、日本テレビ系の日本テレビ音楽祭にフジテレビ系のFNS歌謡祭、テレビ朝日系の全日本歌謡音楽祭、テレビ東京系のメガロポリス歌謡祭。ただでさえ、マンネリが指摘されるなか、88年には昭和天皇重病による自粛ムードが起き、いくつもの音楽祭が中止になった。  レコ大は行われたものの、賞レースが減ってもそんなに困らないことが露呈。音楽ファンにすら広がり始めた「なくてもいいよね」という空気感を、老舗にして最強であるレコ大は吹き飛ばす必要があったのだ。  しかし、89年の大混乱はその空気感をますます濃くしてしまった。その後、他の賞イベントは次々と終了、もしくはコンサート形式などに姿を変えていく。そんななか、レコ大も衰退してしまうわけだがーー。  なんだかんだいって、今も続いていることはむしろすごいことかもしれない。特定の事務所やレコード会社による影響力などが批判されながらも、その年を象徴するヒット曲が選ばれることも多いし、歴代の受賞者などを見ればそれなりに音楽シーンの移り変わりも確認できる。資料として文化として、貴重なものではあるのだ。  それに何より、受賞者が昔ほどではなくても感激している姿には心を動かされる。そんなレコ大まで「なくてもいいよね」とは思わないし、こういう筆者のような視聴者がいるからこそ、60年以上も続いているのだろう。  今年も楽しみだし、数字的にも注目度的にも、もうちょっと盛り返せるよう願ってやまない。  ●宝泉薫(ほうせん・かおる)/1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など 

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    ワクチンパスポート導入で「何もできなくなる」 打てない人へワクハラ、どう対処する?

     健康上の理由などで新型コロナウイルスのワクチンを打ちたくても打てない。そんな人たちが、差別や偏見にさらされる。そうした事態を避けるには──。AERA2021年9月27日号の記事を紹介する。 *  *  * 「何もできなくなります」  都内に住む会社員の女性(45)は不安を口にする。  女性は薬物アレルギーがあり、新型コロナウイルスのワクチンを打ちたくても打てない。しかし最近、ワクチン接種を証明する「ワクチンパスポート」の活用がニュースで流れるようになった。パスポートを持った人は行動制限が緩和され、自由に旅行ができ、イベントにも参加できる。そんな構想を耳にする度に、不安に駆られるという。 ■帰省もできないの? 「このままだと自分は県境もまたげない、出張もできない、帰省もできない。映画にもデパートにも、美容院にも行けなくなるかも。国民を管理するようなことを現代の日本でやるはずがないと思っていたのですが。こうやって、人権はなくなっていくんだなと思います」(女性)  2回のワクチン接種を完了し、つらい副反応も乗り越えた人の中には、パスポートを歓迎する声もある。人の流れを緩和して「ウィズコロナ」を目指すべきだとの意見も出ている。だが、この女性のように健康上の理由で打ちたくても打てない人、副反応などが心配で未接種の人たちからすれば、パスポートは「分断」の象徴に映る。 「ワクチンパスポートの具体的な運用によって、体質的にワクチンを打ちたくても打てないなど、少数派の人権がないがしろにされる側面があると思います」  そう指摘するのは、人権問題に詳しい佐藤みのり弁護士だ。  ワクチンは社会生活を正常に戻していくためには必要で、接種者の行動制限を緩和していくことには一定の合理性はある。法的には、接種者に「利益」を与えることは、一律に許されないとは言えない。しかし、未接種者に「不利益」を与えることは、少数者に対する差別や偏見につながりかねないという。 「不公平感が増し、社会の分断を招くことになると思います」(佐藤弁護士)  日本は全てのワクチンが任意接種で、「打たない自由」がある。だが、「新型コロナのワクチンは打つべきだ」という同調圧力を感じる人も増えている。 「毎日のように『ワクチン打った?』って聞いてきてつらい」 「打つのが当たり前になってきて変な目で見られる」  SNSなどには、ワクチンを打てない人のこんな書き込みが散見される。 ■一人で抱え込まない 「相手に精神的苦痛を感じさせることは、同調圧力でありハラスメントに該当します」  と指摘するのは、一般社団法人「日本ハラスメント協会」の村嵜(むらさき)要代表理事。企業のワクチンハラスメント(ワクハラ)相談にも乗る村嵜さんは、必要以上に接種を迫るのはもちろん、あいさつがわりに「ワクチン打った?」と聞いても、同調圧力に該当する場合があると言う。 「会社のトップが、同調圧力やワクハラはあってはいけないというメッセージを発することが重要です」(村嵜さん)  では、ワクハラに遭った時はどう対処すればいいのか。 「まずは会社の総務部など管理部門に相談し、真剣に向き合ってくれない場合は、会社のハラスメント相談窓口に相談するのがいいでしょう。それには、一連の流れを記録に取っておくことが大事です。家族や友達に相談したり、SNSで思いを発信したりすることも有効です。何より、一人で抱え込まないこと。ガス抜きも重要です」(同)  先の佐藤弁護士は、接種を他者が強制すれば、憲法が保障する「自己決定権」の侵害になりかねないと話す。「ワクチンは自分の健康や生命にかかわってくる問題で、自己決定権は尊重されなければいけません。強制や排除は、人権の侵害です」  ワクチンを接種しなかったことで「解雇」や「降格」といった明らかな不利益処分を受けた場合は、損害賠償請求の対象になるという。佐藤弁護士は言う。 「ワクチン接種で大事なのは共有です。打ちたくても様々な事情があって打てない人がいることを、職場や学校など社会全体で共有することが大切です」 (編集部・野村昌二)※AERA 2021年9月27日号

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    小室圭さん帰国「だめんずではない!眞子さま、しんどくなったら帰ってきて」漫画家の倉田真由美さん

     秋篠宮家の長女、眞子さま(29)と結婚に向けて27日に一時帰国となった小室圭さん(29)。かつて、小室さんを“売れないミュージシャン”と例えた、『だめんず・うぉ~か~』の著書がある漫画家の倉田真由美さんは、いま改めておふたりの結婚に向けて、小室さんに「いいとこ見せてよ」と言う。 *  *  *  倉田さんが“小室圭さんは売れないミュージシャン”とバッサリ斬っていたのは、母親と元婚約者の金銭トラブルが騒がれていた頃。 「そんなこと言ってましたっけ!?(笑)そう言ったのは、収入のことが一番気になっていました。ミュージシャンと例えましたが、夢を追いかけるのはいいけど、金額が多いとか少ないは関係なく収入があるのか、ないのかは大事。結婚の報道を見ると、どうしても、娘を嫁にやる親の気持ちになってしまうから、そう考えるんです。2人がお互いがすごく好きだったら、それはそれだけで、いいと思うんですよ。でも、お金はないと暮らしていけません。だから、仕事に就いていないのはさすがにちょっと待てと思ってしまうんですよ。ただ、最近の報道でアメリカの法律事務所に勤めているとありました。だったら、いいんじゃないとは思います」  小室さんは米法律事務所「L」のホームページで“法務助手”として紹介されていることが25日、分かった。12月の司法試験の結果を待ちながらも、就職先は決まったことになる。この事務所は米国本土に5カ所の拠点があり、350人以上の弁護士が働いているという。全米法律事務所協会によれば、大手法律事務所の初年度平均年収は約1800万円だそうで、小室さんが就職した法律事務所「L」の求人には、初年度年収は205,000ドル、日本円で2,250万円にのぼる。倉田さんは、仕事があることはなによりと言う。 「彼を取り巻く金銭問題があったけれども、どんな仕事でもお金が稼げればなんとでもなる。そこですよね、大事なのは。ただ、ずっと、司法試験を目指して頑張っていたけれども合格しましたというのはまだ聞かないし。それで、どうすんるだ!?とはずっと思っていたんですよね。資格って取れればいいけど、長い間挑戦しても取れないままだったらさっさとあきらめて就職するなりすればいいんですよ。売れないミュージシャンのまま、何年もミュージシャンを目指されてもねぇ……。眞子さまは何にもしてあげられませんからね、箱入り娘ですから、今どきの夫婦のように妻が稼いで世帯の大黒柱であるということは考えにくい」  眞子さまは結婚に伴う国からの一時金の受け取りを早々に辞退されていたとも報じられる。その金額、1億5000万円と想定されている。不支給は戦後の女性皇族の結婚で初のケースとなる。なんとも、お金の心配はつきまとうものの小室さんは就職した法律事務所を出入りする姿がキャッチされた。4年前の眞子さまとの婚約内定会見とはガラリと雰囲気が変わっていたことに関して、倉田さんはこう言う。 ◆ロン毛の小室さんに日本国民が沸いた 「別人でしたね。ロン毛をちょんまげにしているヘアスタイルには国民が沸いていましたね。この沸きっぷりって、前代未聞ですよね。日本人、小室さんのことが色々な意味で大好き。男性も女性も小室さんの話が大好き。こんなこと皇室の結婚で前代未聞でしょう。プリンセスやお妃さまであれば話題になるのはわかるけど、皇室から嫁に出て、結婚するお相手って、人となりは報道されるけど、そこまで注目されないじゃないですか。サーヤこと黒田清子さんのお相手の黒田慶樹さんも、もちろんある程度は報道されましたけど、こんなにワーワー騒がれなかった。ということは、小室さんのキャラが超立っているってことですよね。ある意味スターだと思うし、その分、これからも大変だとは思う。サーヤの旦那さんの黒田さんの顔って、知り合いの人以外は、今、もう誰もわからないんじゃないですか? 黒田さんと道ですれ違っても気付かれないと思うけど、小室さんの場合は“あ、小室さん”と指をさされてしまうほどの人になってしまった」  ここまで注目されてしまう結婚を貫く眞子さまに倉田さんは称賛を送る。  「眞子さまはずっと彼のことを好きでいたし、これだけ色々言われていることを今の時代、眞子さまが知らないわけないじゃないですか。それにも関わらず、眞子さまが気持ちや考えを変えないというのは、これは日本が誇っていいプリンセスだと思いますよ。そういう女性であることは、皇室の女性として素晴らしいと思いますし、尊敬しています。誇らしい気持ちです。ここまで騒がれていたら“だったら、やめておこう”ってなりますよ。結婚を反対する圧力って、一般の人ならば、言うてもまぁ、親兄弟、親戚、親友レベルの反対だけだけれども、いまだ、日本中が反対しているっていう勢いですから、その外圧たるや物凄いものだったはずです。でも、眞子さま、それに負けていないんだもの! みなさんに想像してもらいたいのは、“小室さん以外のお相手を探します”ってなった時に、それって素敵なことかって言ったらそうではないと思う。眞子さまが小室さんを好きって気持ちがなくなったのであれば、それは仕方のないことだけれども、眞子さまが、“周りの人が小室さんを反対するから、じゃあやめます”という女性ではないところが本当に素敵!」  倉田さんは自身の仕事から「だめんず」について聞かれることが多いが「小室さんはだめんずではない」と言う。 ◆くらたまが小室さんに頑張ってほしい理由 「だめんずの定義って、“どう見てもアイツはだめんずでしょ”って周りがどんなに騒いでも、本人がそう思わなければ、だめんずではないんですよ。他人が決めることではない。相手の女性が決める事。そういうことで言うと、小室さんはだめんずとは言えないですね。日本中が、小室さんのことをだめんずだっと思っているかもしれないけれども、そんなの眞子さまが思っていないんですもの。ダメな男=だめんずではないとは最初から言っていまして、“〇〇さんはだめんずですか?”ってよく取材を受けたんですけど、それは私がその方と付き合ったことがないからわかりませんと答えていました。付き合っている女性とか結婚したパートナーの人が決めることだから」  小室圭さんは2週間の隔離期間を経て、10月中旬には記者会見をするとされている。これに対して倉田さんは小室さんに対してある意味エールを送る。 「ホント、頑張れよ、小室くん!って思いますよ(笑)。ずっと、私は眞子さまのことを素敵だとかほめていますけど、彼のいいところって、実はほとんど見ていない。だから、もうちょっと、いいところ見せてね! 記者会見とか関心を寄せていますし、いいところを見せられるかは心配ですけど…。まだ、日本国民は誰ひとり小室さんのいいところを見たことがないですから、ぜひ、彼の魅力的なところを見せていただきたいです! そうじゃないと、ずっと心配は心配です。そこだけはお願いしますね。しんどくなったら、眞子さまには“帰っておいでね”と言いたい。今まで日本の皇室であんまり離婚はないけれども、皇室を出られた方が、結婚でうまくいかなくて戻ってきても。結婚する前にこんなことを言うのもなんですが、その辺りも自由でいいと思う」  まだまだ注目を浴びてしまう小室さんだが、いいところを見せてほしい。 (AERAdot.編集部 太田裕子)

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    竹内結子さん一周忌 「ストロベリーナイト」監督が初めて語った「私、泣けない」と直訴したシーン

     9月27日、女優の竹内結子さん(享年40)が亡くなってから1周忌をむかえた。竹内さんは多くのドラマや映画に出演したが、その中でも、30歳のときに出演したドラマ「ストロベリーナイト」(フジテレビ系)は、その後の代表作となった。同作品の佐藤祐市監督は、竹内さんとぶつかり合いながら女性刑事の「姫川玲子」をつくった日々を今でも鮮明に覚えている。佐藤監督が竹内結子さんとの思い出を語ってくれた。 *  *  *「結子さんが亡くなったばかりの頃は、私自身、本当にショックを受けていました。一緒に仕事をした役者さんやスタッフ全員から愛されていたので、みんな本当に辛かったと思います。その時も、マスコミからコメントがほしいと言われたんですが、結子さんに対してはいろんな思いがありすぎて、『ちょっと勘弁してください』とお断りしていました」  竹内さんは19年に再婚した夫で俳優の中林大樹(36)と、当時14歳の長男、生後8カ月の次男を残し、亡くなった。突然の訃報には日本中が衝撃を受け、悲しみに包まれた。「亡くなってから1年たった今でも、結子さんのことを思い出します。一緒に撮影現場でドラマ制作に明け暮れた苦しみや喜びは、忘れたくないし、かけがえのない思い出です。まだ心の整理はついたわけではないですが、やっと振り返れるようにはなりました」  佐藤監督と竹内さんは2010年からドラマ「ストロベリーナイト」シリーズの監督と主演女優として仕事を共にし、2013年の映画化でもタッグを組んだ。竹内さんは初の女性刑事役への挑戦がハマり、彼女が演じた「姫川玲子」は当たり役となった。ドラマは大ヒットしてシリーズ化され、映画の興行収入は21億円を超えた。 「最初は2010年、2時間10分のスペシャルドラマ『ストロベリーナイトSP』をつくったんです。それが評判が良くてね。11年夏には3カ月かけてドラマ11話分を撮った。それが翌年1月から連続ドラマとして放送されました。結子さんとは撮影現場でぶつかり合ったこともあります。結子さんは、わからないことはわからないと言うし、できることはできる、できないことはできないとハッキリと言う。逆に、私が『今の演技良かったよ』ってほめると、めちゃめちゃ喜ぶ。感情表現がストレートな女優さんなんです」  竹内さんは、NHKの朝ドラ「あすか」(1999年)のヒロインを演じた後、ドラマ「ランチの女王」(フジテレビ系 2002年)で月9初主演を果たし、映画「いま、会いにゆきます」(04年)や「サイドカーに犬」(07年)など話題作に多数出演し、人気女優の地位を築いていた。「それまでは、優等生で真面目というか、わりと清純派の役が多かった印象でした。結子さんとしても、30代になって、これまでの役者としての自分を壊したいと思っていたのかもしれません。姫川玲子という役には、本当に一生懸命というか必死でした。私もそれなりにドラマ経験を積んできて、次はリアルな刑事ドラマをやってみたいと思っていた時だったし、いろんなタイミングがピタっと合ったんでしょうね」 「ストロベリーナイト」の原作は、誉田哲也氏の警察小説「姫川玲子シリーズ」。竹内さんは警部補として、男性刑事ばかりの部下を束ねる主役の姫川玲子を演じた。 事件の描写は首を切って血が飛び散ったり、バッドを腹に叩きつけたりするなど、猟奇的なシーンも多かった。竹内さんが演じた姫川は、女子高生の頃、公園付近で何者かに襲われ、腹部を刺されて性的暴行を受けた過去があるという、難しい役どころでもある。 「2010年5月頃、初めて結子さんと会議室でお会いした時、彼女は前のめりで、食い入るように、私の話を聞いていたのが印象に残っています。レイプ被害に遭われた女性が、自分のつらい経験をつづった手記が何冊か出ています。結子さんにそうした手記を読んだことはありますかと聞いたら、何冊かは知っていましたが、読んだことがないとのことでした。そこで、ぜひ読んでみてくださいと伝えたら、実際に何冊か読んでくれたみたいです」  ドラマでは姫川が過去のトラウマから、法廷で被告の弁護士に泣き叫びながら抗議するシーンがある。被害者の手記を読んで、竹内さんに響くものがあったのだろうと思わせる、迫真の演技だった。 「手記からも、役づくりのヒントを得たみたいです。性犯罪の被害者は、家族や友達ですら、腫れ物に触るように接しているように感じられるといいます。それゆえ、家族に対しても何も打ち明けられなくなる自分がいる。そうした複雑な感情を、体全体で表現していました。この作品で彼女の“力強さ”みたいなものは引き出せたかなと思います」  ただ、すべての撮影が順調だったわけではない。前述のように、佐藤監督と竹内さんは、ときにぶつかり合うこともあった。 佐藤監督が最も印象的だったと語るのは、連続ドラマの終盤。姫川が実家で親ともめてビジネスホテルに帰るシーンだという。 そのホテルの前で、姫川に思いを寄せる刑事・菊田和男(西島秀俊)は『大丈夫ですか』と声をかける。台本では、親とのもめ事や過去の傷についてずっと我慢していたものがあふれ、姫川が菊田の胸に抱きついて泣くことになっていた。しかし、竹内さんは、「私、何か泣けない」と言い出したという。 「結子さんは『部下の菊田の前ではちゃんとしなきゃ、ちゃんとしなきゃと思ってずっとやってきました。弱い所を見せたくない』と言うんです。だけど、ここで泣けなきゃ、その後、ホテルの部屋で1人になって、荷物を投げ出して怒りをぶつけるというストーリーが成り立たなくなってしまう。私も頑としてはねつけました」  それでも、竹内さんは「どうしても泣けない」と直訴したという。「しょうがないから目薬をしてもらって、泣いてもらいました。それ以外の姫川が泣くシーンは全て、結子さんが本当に泣いています。それくらい役に入っているんです。演技ではあっても、本当の感情が表情に出てくる瞬間というのがある。私たちもそれを待ちながら撮影していました」  映画では、唯一のラブシーンもあった。相手役は背中一面に刺青のある極道役の俳優・大沢たかおだった。生真面目を絵に描いたような姫川がそのような男に惹かれ、体を許すシーンには観客もドギマギさせられた。撮影の様子はどんな感じだったのか。 「車の中で大沢さんがリードする形でしたが、テイク1かテイク2で終わったと思います。基本的には2人に任せていました。大沢さんはすごく紳士的な方なので、結子さんも大沢さんを信頼していたんだと思います。車の中に雨が降ってくる設定だったので、車の屋根を溶接で全部切り取りました。ここでは、姫川のどうしようもないトラウマを表現したかったんです。車の中で雨にぬれながら、姫川の息が荒くなっていく。抱かれながら、溺れていくというような感じのシーンにしました」 映画公開の後は、「姫川班」のメンバーで打ち上げを行ったという。「姫川班」の刑事役を演じた俳優、西島秀俊、小出恵介、丸山隆平、宇梶剛士らと一緒に酒を酌み交わした。 「姫川班のメンバーは夕方ぐらいから明け方まで飲んでいて、みんなベロベロでした(笑)。結子さんも酒が強い方だから、一緒に飲んでました。その後、オールナイトニッポンで竹内さんが1日だけメインMCを務めた時に『姫川班でまた絶対、一緒にドラマをやろうね』と言っていたんですが、それもかなわぬ夢となりました」  竹内さんの死後、原作者の誉田氏は「結子さんの玲子は私のミューズでした」とツイッターに投稿した。「誉田先生もやっぱりショックだったと思うし、姫川シリーズは現在も続いていて、結子さんに触発されて書き続けていらっしゃる部分もあると思います。結子さんはそのくらい姫川チームを大事にしてくれました」  インタビュー中、佐藤監督は何度も「幸せな時間だった」と繰り返した。「結子さんと挑戦した作品は、私にとって大切な思い出で、すごく幸せな時間でした。結子さんという素敵な人に出会えて、いい仕事をさせてもらって、感謝しかありません。みなさんにも、女優としての結子さんの姿を、いつまでも忘れないでいてもらいたいです」 (構成=AERA dot.編集部・上田耕司)

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    10時間前

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    小林麻耶が離婚へ 夫から解放されても修復が難しい「海老蔵一家」と「TBS」

     今年3月から別居状態にあった小林麻耶(41)と夫の國光吟氏(37)が離婚に向けて協議を始めたという。7月1日発売の「女性セブン」によると、当初は麻耶自身も別居が一時的なものになるか、離婚への準備期間となるかはわかっていなかったが、周囲のサポートもあり自分の意思で結論を出す段階に入ったようだ。 2人が結婚を発表したのは2018年7月。出会って2カ月、“交際ゼロ日”での電撃婚は周囲を驚かせたのはもちろんだが、國光さんの行うスピリチュアル色の強いセラピーやカウンセリングなどに傾倒する麻耶を心配する声も少なくなかった。「それ以降の2人の行動といえば、まるで麻耶さんのマネジャーのようにどこへ行くのにも國光さんが同行し、次第に仕事場でも國光さんが口を出すようになったといいます。そして昨年11月に『グッとラック!』(TBS系)の電撃降板と所属事務所との契約解除があり、麻耶さんの彼への依存ぶりが心配され始めました」(女性誌記者) 一時期は麻耶が「洗脳状態」にあるのでは?などと心配もされたが、次第に2人の関係は冷めていったようだ。結局、3月には別居となったが、國光氏と距離をとった麻耶を誰よりもサポートして見守り続けたのは、麻耶の母親だったという。「お母さんの元に戻ってからは、麻耶さんも徐々にこれまでのことを冷静に振り返ることができるようになったそうですが、最も彼女の心を揺り動かしたのは麗禾ちゃん(9)と勸玄くん(8)の存在です。國光さんと結婚してからは、海老蔵さん一家とも以前のように頻繁に関わることがなくなり、あれほどかわいがっていた子どもたちともここ1年ぐらいは会っていないといいます。お母さんは、麻央さんの闘病中には麗禾ちゃんと勸玄くんの面倒を見て家事一切を取り仕切っていました。お母さんから伝え聞く2人の様子やYouTubeで見る成長ぶりに会えない辛さが募ったのでしょう。そんな麻耶さんの異変に気づいて、お母さんはメンタル面も含めてフォローし続けているそうです」(同前) だが、仮に離婚が成立したとしても、今後の麻耶の状況が元通りになるかといえば、「すぐには難しいかもしれない」と芸能ジャーナリストは話す。「まずは麗禾ちゃんと勸玄くんとの関係です。麻央さんの闘病中はお母さんと共に彼女もよく面倒を見ていて、子どもたちも懐いていましたが、海老蔵さんが現在の状態のまま、麻耶さんと距離をとり続けるのであれば、以前のような家族ぐるみの関係に戻るには時間がかかるでしょう。海老蔵さんはこれからは『十三代目市川團十郎白猿』と『八代目市川新之助』の襲名披露公演も控えていますから、あまり“雑音”は入れたくないのではないでしょうか」 また、広告代理店関係者は麻耶の復帰をこう心配する。「いずれ麻耶さんも仕事復帰を考えているでしょうが、義理を欠くようなことをしてしまった古巣のTBSや前の所属事務所からのバックアップは期待できないでしょう。それ以上に、はたしてタレントとして需要があるのかも疑問です。國光氏とのお騒がせカップルのイメージがまだ根強く残っていますから、CMや司会などで起用するのは厳しいのでは」 麻耶はこの日、自身のブログを更新したが、離婚報道には言及しなかった。“目が覚めた”麻耶が目の前に待ち受ける新たな壁に気づき、それを乗り越えた時に、彼女は本当に自由になれるのかもしれない。(宮本エミ)

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  • 16

    眞子さまと小室さん 甘くないNY生活 「アジアの元プリンセス」警護で米国民が猛反発も

     眞子さまと小室圭さんが年内に結婚し、米国のニューヨーク(以下はNY)を拠点に生活する見通しであることが報じられた。  海の向こうで、ふたりはどのような生活を送るのか。治安がよいとはいえないNY生活で、関心を集めているのが警備の問題だ。NY現地の警備で高額の費用が拠出されるといった記事もあるが、大使経験者らに現地の事情を聞くと、手厚い庇護をうけた「甘い生活」とは行かないようだ。 眞子さまら皇室メンバーは、つねに皇宮警察や管轄の警察の警備に守られた生活を送ってきた。眞子さまも公務中はもちろん、学校や職場、私的なお出かけの間も護衛がついているわけだ。 結婚して民間人になれば、理屈のうえでは皇宮警察や警視庁の警護対象者から外れる。護衛や生活などを国費でまかなうことはなくなり、自分たちで生活するのが基本だ。 とはいえ、内親王ともなれば、そう単純でもない。たとえば上皇ご夫妻の長女、黒田清子さん(紀宮さま)は、民間人となって数年の間は、スーパーで買い物をしている最中も女性の警察官がそばにつきそっていた。 というのも皇室の外に出た元皇族女性が犯罪に巻き込まれる事件が、過去に起きているからだ。 昭和天皇の三女・鷹司和子さん(孝宮)は、摂政や関白を務めた五摂家のひとつ、鷹司家の平通さんと結婚した。戦後初めての女性皇族の結婚であり、華族制度の廃止によって「平民への初の嫁入り」と騒がれた。だが、1966年には平通さんが銀座のママの自宅でガス中毒死する。そして2年後、和子さんは強盗に遭う。自宅の台所に包丁を持った男が侵入。口をふさがれ、けがを負ったが、自力で玄関まで逃げた。娘の境遇をふびんに思った昭和天皇のはからいで、赤坂御用地内の古い木造平屋の乳人官舎に移り住み、伊勢神宮の祭主を務めながらひっそりと暮らした。  昭和天皇の五女の島津貴子さん(清宮)も、犯罪に巻き込まれかけている。1960年に結婚したのち、1カ月ほどで警護は解かれた。だが3年後に5000万円の身代金を計画した島津貴子さんの誘拐未遂事件が発覚して大騒ぎになった。 民間の生活になれない元皇族女性を狙った事件が続いたことから、清子さんのように、警視庁が目立たない形で護衛を続ける例もあるようだ。 では、外国で暮らす場合はどうなるのか。「日本の警察が外国で、武器を携帯して元プリンセスを守ることはできません。現地の大使館には、警察庁の人間も書記官などの身分で出向していますが、こちらも同様です。犯罪などから守ってくれるのは、現地の警察ですが、たいした護衛は期待できないでしょう」 そう話すのは外交官として大使などの要職を歴任した人物だ。「どの国の中央政府も、国内に滞在する政治要人や元ロイヤルを含むロイヤルメンバー、皇室メンバーのリストを把握している。眞子さまにNY市警などの警備をつけたければ日本政府が米国の連邦政府などを通じて眞子さまの警備をお願いし、さらに米国政府が応じることが前提になる。米国が応じなければ、眞子さまと小室さんの自宅周辺を、ときおり警察が巡回する程度でしょう」 世界中を見渡せば、王室の親族も含めるとロイヤルに連なる人間は、意外に多い。 一夫多妻制の国の王子や王女は、それこそ何千人もいるなどと言われる。ましてやNYは、留学やビジネスをふくめて、ロイヤルに連なる肩書を持つ人間が集まる場所でもある。 一方でNYは、新型コロナウイルスの影響で未曾有の不況下にあるうえに、治安も悪化している。「NY市警も、アジアの元プリンセスに手厚い警護を行い続けるだけの体力もないでしょう。ましてや欧米の国民は、税金の使い道にシビアです」(先の元外交官) 参考になるのは、へンリー王子とメーガン妃の例だろう。 ヘンリー王子夫妻は、離脱前の2019年冬からカナダのバンクーバー島にある海岸沿いの邸宅を生活拠点としていた。 カナダは英連邦の加盟国。カナダ騎馬警察(RCMP、連邦警察)は、ロンドン警視庁の要請を受けて国際条約に基づき夫妻の警護を提供してきた。 カナダ国民は夫妻を歓迎したが、滞在が長引くにつれ、世論調査では夫妻の警護費用に税金を投入すべきではないとの声が77%にまで高まり出した。  そうしたなかヘンリー王子夫妻が「王室離脱宣言」をする。さらに、王室の高位メンバーから外れることが明らかになると、カナダ政府の対応は早かった。カナダ政府は、2020年2月、「夫妻の地位の変化に伴い、今後数週間以内に」終了すると発表したのだ。 ちなみに、王立カナダ騎馬警察が公式文書で明らかにしたところでは、夫妻が滞在した11月から2か月間の警備で、最低でも約432万円のカナダの税金が投入されている。この警備費に騎馬警察の人件費は含まれていない。カナダでの滞在は5カ月に及んだ。警備費はさらにふくれあがったはずだ。 どの国でも政府は、国民の反応に敏感だ。 夫妻がカナダから米ロサンゼルスに拠点を移すと、当時のトランプ大統領も、すぐに反応した。 ふたりの警備費の負担を拒否する方針をツイッターで公表。すると、米国民から「最高の決断だ、大統領!」と称賛の嵐が巻き起こった。 一方で、元宮内庁職員は、むしろ眞子さまが警護などの待遇を望まない可能性を指摘する。世界経済の中心地のひとつであり、世界中から人が集まるのが NYだ。互いに必要以上に干渉しない、匿名性の高さもまた、この街の魅力だ。「眞子さまは日本にいる限り、元皇族としての視線から逃れられません。しがらみから逃れて、一市民として自由にお暮らしになりたいのではないでしょうか。一時金さえ受け取らない意向を示されているのですから、ご自身で警護をお断りになる可能性もあります。それに、そうした待遇を受ければ、『民間人になっても税金を使って』と日本で非難が高まるのは、目に見えていますからね」(元宮内庁職員) 前出の元外交官はこう話す。 「あとはNYの総領事などが、定期的に眞子さまや小室さんを招待して、困りごとはないか、などのフォローぐらいはできるでしょう」 皇室の庇護から離れたた元内親王を待ち受けるのは、甘い生活とは行かないようだ。(AERAdot.編集部 永井貴子)

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    藤井聡太王位、強豪棋士も「思考が追いつかない」 妙手“桂跳ね”で最年少三冠を達成

     藤井聡太が史上最年少三冠を達成した。苦手・豊島将之叡王を破り、タイトルを奪取した。最終第5局で勝負を決めたのは、解説の強豪棋士も気づかなかった「桂跳ね」の一手だった。AERA 2021年9月27日号で取り上げた。 *  *  * 「さすがの藤井も苦手の豊島相手では厳しいのではないか」  そんな声も聞かれた中、終わってみればどうだったか。われら将棋ファンが目の当たりにしたのは圧巻というほかない、史上最年少三冠の誕生劇だった。  9月13日。東京・将棋会館での叡王戦五番勝負第5局。挑戦者の藤井聡太王位・棋聖は豊島将之叡王(31)を111手で下した。藤井はシリーズを3勝2敗で制し、叡王位を奪取。三冠同時保持を達成した。藤井はまだ19歳1カ月という若さ。羽生善治現九段(50)が1993年に記録した22歳3カ月という記録を大幅に塗り替え、史上最年少での偉業達成となった。 ■盤上に運の要素はない 「僥倖(ぎょうこう)」という言葉がある。一般的にはあまり使われない。しかし将棋界では伝統的に使われてきた。藤井の師匠の師匠の師匠の師匠にあたる木村義雄十四世名人(1905~86)もしばしば、勝局のあとで「僥倖」と言った。「思いがけないしあわせ。偶然の幸運」(『広辞苑』第7版)という意味だ。  2017年。藤井はデビュー以来無敗で29連勝という、信じがたい新記録を打ち立てた。その過程でまだ14歳の藤井が「僥倖」と口にした。要するに、勝てて運がよかったという趣旨のことを、将棋の勝者はしばしば、実感をこめて口にする。  しかしすべての情報が明らかにされている将棋の盤上において、論理的には運の要素はない。番数を多くこなせば、その人間の実力どおりの成績が残される。木村義雄や羽生善治、あるいは現在の豊島や藤井ら、将棋界の歴史に名を残す名棋士たちは、抜きんでた技量があればこそ、その実力に見合った勲章のタイトルを手にしてきた。  一方で、目の前の一局の先後を決める振り駒だけは、100%運の要素しかない。5枚の歩を振って表の「歩」が多ければ上位者、裏の「と」が多ければ下位者が先手となる。将棋界では一時期、まじめに統計を取ってみたが、「歩」と「と」が出る確率はそれぞれほぼ50%という、当然の結論が得られた。  将棋はほんのわずかに、先手番の勝率が高い。それが現代のトップクラスになればその差は顕著。今期叡王戦でも第4局まですべて先手側が勝ってきた。 ■先手のアドバンテージ  最終第5局では改めて振り駒がおこなわれる。 「と金が3枚です」  対局室に記録係の声が響く。畳の上に敷かれた白布の上には「歩」が2枚、「と」が3枚。先手は藤井挑戦者。この一局に関しては、それが藤井のアドバンテージとなった。  戦型は、互いに飛車先の歩を突いていく相掛かり。後手の豊島は2枚の銀を中段に繰り出し、積極的に攻勢を取った。対して藤井は金を三段目に上げる変わった形で巧みに受けた。豊島の銀をさばかせず、攻め足が止まったと見るや、守りの金を一気に中央へと押し上げていった。筆者はその金の姿に、時代を駆け上がっていく藤井の姿が重なって見えた。藤井の守りの金は豊島陣にまで達し、豊島玉を上から押さえつけた。  互いに4時間の持ち時間を使い切り、一手60秒未満で指す最終盤。藤井は自陣で遊んでいた桂を端に跳ねた。 「おおー! そこですか! いやー、(思考が)追いつかないですね」  解説の高見泰地七段(28)はそう叫んだ。 「素人……。素人というか私クラスだと」  そう前置きした上で、高見は違う決め方を示した。無論、高見は素人などではない。叡王戦がタイトル戦に昇格して初めて叡王位に就いた強豪だ。その高見ですら藤井の一手には気づかなかった。 ■自身の記録に興味なし  将棋界には「指運(ゆびうん)」という言葉もある。終盤、残り時間が切迫する中、読みきれぬまま駒を持つ指が偶然いいところにいけば「指運」があったという。しかし藤井の桂跳ねは指運などで指されたものではない。藤井の桂は豊島の銀を取りながら中段に跳ね、豊島玉の逃げ道をふさいでその死命を制するに至った。藤井は最後、鮮やかに豊島玉を詰め上げ、大一番を制した。 「自分としてはあまりそういった年少記録は気にしていないというか。最終的にどれだけやれるかということのほうが大事なのかな、とは思っています」  終局直後、史上最年少三冠達成について尋ねられた藤井は、これまでと変わらず、自身に関係する記録にはほとんど興味がない旨を述べた。(ライター・松本博文)※AERA 2021年9月27日号より抜粋

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    AERA

    10時間前

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    古くから伝わる文化を守り、水田を耕して暮らすインドの少数民族の人々

     インド北東部、アルナチャルプラデシュ州に暮らすアパタニ族の人々は、日本と同じ稲作文化を持ち、季節ごとに祭りを執り行い、自然からの恵みを与えてくれる神に感謝してきました。古来、アパタニの女性は鼻栓と刺青をすることで美しさの表現してきましたが、50年ほど前に後進性の象徴として禁止されてしまいました。消えゆく風習と伝統文化を追った写真家・榎並悦子さんの作品を紹介します。【関連記事】鼻栓と刺青は美しさの象徴 「日の丸」がはためく村に暮らすインド・アパタニ族の人々 写真家・榎並悦子

    5時間前

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    大瀬良、梅野のFA移籍はあるか…残留が基本線だが“ダブル獲得”に動く球団も?

     今季はセ・パ両リーグともに激しい優勝争いが繰り広げられているが、ストーブリーグにも興味が移ってくる時期にもなった。今シーズン終了後は複数の目玉FA(フリーエージェント)選手がいるが、最も熱い視線が注がれているのが広島・大瀬良大地と、阪神・梅野隆太郎の2人だ。ともに残留の可能性が高いとも見られているが果たして……。 「(今季は)両リーグともに面白いシーズンです。東京五輪があり、大谷翔平(エンゼルス)も大活躍。NPBの人気も心配されたが、かつてないほどの混戦状態で盛り上がっている。関係者の間では優勝争いの話題で持ちきりのように思われるが、実はそれだけではない。今オフ移籍市場の話題が既に出始め、様々な予想が繰り広げられている。話の中心は大瀬良と梅野です」(在京テレビ局スポーツ担当)  大瀬良は13年のドラフト1位で九州共立大から広島に入団。1年目の14年に10勝8敗、防御率4.05をマークして新人王を獲得。18年には15勝7敗で最多勝、最高勝率(.682)のタイトルを獲得するなど、球界を代表する右腕となった。また、投手としての能力に加え、真面目で実直な人柄でチーム愛も強く、広島ファンに大人気の選手だ。 「うれしく思います。これまで良い時も悪い時もたくさんの人に支えられた。そのおかげで取得できた。支えてくださった人に、本当に感謝します」(大瀬良)  4月14日に国内FA権の資格取得条件を満たした際には、笑顔で周囲への感謝を口にした。 「広島は16年からのリーグ3連覇時には黄金時代到来と言われた。しかし、今ではレギュラー陣の年齢が上がり、若手との入れ替えの時期に差し掛かっている。そんな中、昨年まで2年連続でBクラスになってしまったが、大瀬良は黙々と投げている。結果だけでなく存在そのものが欠かせない。球団は必死で引き止めるだろうし本人もチーム愛が強く広島残留が確実視されています」(広島担当記者)  一方、梅野は13年ドラフト4位で福岡大から阪神に入団し、1年目の14年から92試合に出場。「梅ちゃんバズーカ」と呼ばれる強肩と捕球技術は球界屈指で、18年から3年連続ゴールデングラブ賞を獲得している。チャンスに強い打撃も評価が高く、今や攻守に欠かせない存在だ。 「一番は大きなケガもなく、強い体に生んで育ててくれた親に感謝しています。また、チームメイトや体のケアなど、周りの方々の支えがあったからこそ、この日を迎えられたと思います」(梅野/5月13日)  FA権獲得時はチームも首位を独走している時期だったが、浮かれることなく謙虚なコメントを残した。 「打てて守れる捕手。阪神の大黒柱であり流出してしまった場合の損失は計り知れない。阪神は多くのFA選手を破格条件で獲得しているが、それに劣らない条件提示をするだろう。捕手出身で重要性を誰より感じている矢野燿大監督が自ら説得に名乗り出るはずで、残留が基本線と見られています」(阪神担当記者)  広島はローテーション投手の九里亜蓮が同じく国内FA権を獲得している。森下暢仁など若手も育っているが、大瀬良と九里の両投手残留が今後のチーム編成を大きく左右する。梅野もこれまでは併用されるケースも見かけたが今季は正捕手として固定された。センターラインの核ができたことでチームの安定感が高まったのは間違いない。両球団とも、“代えの効かない”選手に対して最大限の誠意を持って交渉に当たるはずだ。 「大瀬良、梅野ともに残留が濃厚です。大瀬良は2度日本シリーズ(16年日本ハム、18年ソフトバンク)で敗れており、広島での日本一にこだわりがある。梅野もドラフト4位から育ててくれた阪神球団に恩義があり、関西地区にも愛着を感じている。2人ともハートでプレーする選手なので余程のことがない限り移籍はない。しかし生まれ育った地元・九州のソフトバンクが誠意を尽くし最高条件を用意すればわからない」(在京テレビ局スポーツ担当)  ソフトバンクが2人の同時獲得に動いているという情報が流れている。大瀬良は長崎県、梅野は福岡県出身でありいわば『地元球団』である。17年から日本シリーズ4連覇中の強豪だが、今季は故障者が出るなどして投打が噛み合わず苦戦が続いている。 「孫正義オーナーの大号令の元、勝ち続けるのが至上命令。日本シリーズ4連覇中もリーグ優勝は2度で満足できる状況ではない。今季の戦い方を見てもチーム全体の底上げが急務。千賀滉大とともに投手陣の柱となる大瀬良、正捕手・甲斐拓也と併用ができてDHでも起用できる梅野。莫大な資金力をバックに獲得に動くメリットは大きい」(ソフトバンク担当記者)  昨年は国内FA権を行使しての移籍は梶谷隆幸と井納翔一(ともにDeNAから巨人へ)の2人だけと静かなオフとなった。新型コロナウイルスの収束もかすかに見え始めてきた中、プロ野球界全体がここから巻き返しを図らないといけない。各チームがそろそろ積極的に動き始めそうな気配もある。大瀬良、梅野クラスの選手がFA権を行使すれば、欲しい球団はいくつもあるはずだ。2人ともに大方の予想では残留の可能性が高いと見られているが、資金力豊富なソフトバンクが動くのか。シーズン後の動向に注目したい。

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    4時間前

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    小室圭さんを警備するため、千葉県警、神奈川県警、警視庁で練られた 『K警備』とは?

     9月27日午後4時前―-。秋篠宮家長女の眞子さま(29)との婚約が内定している、小室圭さん(29)を乗せた航空機が成田空港に到着した。  他の乗客の後、最後に機外に出た小室さんは警察のSP(警護担当者)ら10人に囲まれて報道陣の前に姿を現した。髪を後ろにまとめ黒のジャケット、ストライプシャツ姿。途中立ち止まり、報道陣に一礼した小室さんは足早に空港の施設内に入っていった。PCR検査を受けたあと、車で滞在先に向かった。 「小室さんはアメリカからの入国となるため新型コロナ対策の2週間に及ぶ隔離期間に入る。この間は横浜市内の小室さんの実家に滞在する」(警察関係者)  眞子さまとの結婚準備のため、米ニューヨークからの帰国後の動向にかねてより注目が集まっていた小室圭さん。この日は朝から報道合戦が過熱、小室さん到着後も成田空港は千葉県警、通過する区間は警視庁、そして滞在先となる小室さんの実家を管轄するのは神奈川県警で実に3つの警察管轄地域をまたいだ大移動となった。 「今回の小室さんへの警備は極めて異例な事態。移動計画は事前に作成している。その計画の作成には皇宮警察も参加しているが、実際にSPを出したり、警備に当たるのは千葉県警と警視庁、そして神奈川県警だ。今回は車線を規制するなどの交通規制をしなかったので、いかにスムーズに目的地に誘導するか、路線選定に十分な時間をかけた警備計画『K警備』が練られた」(警備関係者)  小室さんの滞在先を管轄する神奈川県警。小室さんの実家でも動きが慌ただしくなっている。 「小室さんの帰国日の朝から実に4年ぶりに実家であるマンションのエントランス付近のポリスボックスが復活、警察官が24時間不審者に目を光らせる。防犯カメラシステムも稼働させ神奈川県警本部でこちらも監視する。皇宮警察の任務は皇族方の護衛と皇室施設の警備なので、皇族ではない小室さんには基本的には対応しない」(同前)    小室さんが神奈川にいる間は神奈川県警が警護に準じた警備、具体的には自宅での警戒と移動時の身辺警戒を担当するという。 「小室さんが東京に入る場合は、警視庁が身辺警戒を引き継ぐ形になる」(同前)  今回、ご結婚に関した皇室行事は一切行われないが、10月上旬には眞子さまと小室さんとの結婚会見が都内で行われる予定だ。小室さんは今年5月に米ニューヨーク州のロースクールを修了し、7月に現地で弁護士試験を受けた。既に現地の法律事務所に就職を決めており、12月に試験に合格すれば弁護士として勤務することになり、眞子さまとの生活の基盤が整ったとされている。  「1993年の天皇陛下のご成婚パレード時、あるポイントではあまりの観客の多さに機動隊員が足りなくなり他から転戦させるという想定外のハプニングもあった。今回、眞子さまと小室さんの会見では入りと出のタイミングで大勢の観客が会場周辺に集まる可能性がある」(警視庁関係者) 会見日の小室さんの動線について、警視庁と神奈川県警は万全の警護体制を敷き警戒を強める方針だ。(野田太郎)

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    2時間前

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    恩師が語る 小室圭くんは「モテていました。人を引きつける何かがあった」

     小室圭さん(29)は国立音楽大学附属小学校(音小、東京都国立市)の卒業生だ。小学校時代の恩師は、一連のバッシングに心を痛めていたという。約3年ぶりに帰国して、小室さんは何を語るのか。教え子を案じる恩師に、思いを聞いた。 ──小室圭さんはどんなお子さんでしたか。  圭くんのことは、よく覚えています。小さいころはおかっぱ頭でね、とても可愛かったですよ。悪い印象なんて一つもないです。担任の先生の指導もあり、礼儀正しくて職員室や校長室に入るときのあいさつもしっかりしていました。週刊誌やテレビなんかでいろいろ言われているようですが、私の記憶では、全くそんなイメージはありません。  優しい子でした。特に女子からは人気がありましたね。モテていました。何でしょうね、目立つわけではないんだけれど、今の言葉で言うと「持ってる」というのかな。圭くんには人を引きつける何かがありました。 ──婚約内定の発表時には。  お名前で「圭くんと同じ名前だ」と思い、テレビで顔を見てすぐ気が付きました。学校関係者で一番早く気が付いたんじゃないでしょうか。 ──ある報道では、小学校時代に小室さんからいじめ被害にあったという告発がありました。  音小は1クラスに男子が4~6人と少ないのですが、子ども同士のトラブルはそれなりにあったかもしれません。ただ、当時はいじめ的なものとしてはとらえていませんでした。時代もあるのかもしれませんけれども……。私たちに見えていない部分もあるでしょうし、深い内面まではわかりません。それを前提として言えば、私たちにとってはごく普通の子どもです。リーダーシップを発揮して皆を引っ張っていくというタイプでもありませんし、特別目立つということもありません。 ──小室さんが4年生のころ、父親が亡くなっています。  子どもながらに大変だったと思います。国立の家から横浜に引っ越すことになって、通い続けられるか、学費のこともありますし、お母さまを含めて心労も大きかったと思います。でも、最終的にはお母さまは「圭は音小が大好きだし、通い続けられるようにしたい」とおっしゃり、いろいろ尽力されたのだと思います。圭くんは卒業まで横浜から国立まで毎日通ってきていました。 ──小室さんの親御さんはどんな方でしたか。  子どもとは別人格ですから、そのことはコメントはしません。深いことはわかりません。お母さまが「外車を乗り回して服装も派手で……」なんていう報道があるようですが、音小には外車に乗る親御さんはいらっしゃいますし、特別視されるようなことはないです。インターナショナルスクールへの進学も、彼だけではありません。卒業生には何人かいます。 ──卒業後の交流は。  卒業後に一度かな、会いました。中学受験して国際的な学校に進学して、多国籍の人たちのなかで切磋琢磨しながら、大変な努力をしたのでしょう。幸せになってほしいと思います。 (本誌取材班)※週刊朝日  2021年10月1日号

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    眞子さまの結婚どう思う? 瀬戸内寂聴が27歳スタッフに質問した結果

     半世紀ほど前に出会った99歳と85歳。人生の妙味を知る老親友の瀬戸内寂聴さんと横尾忠則さんが、往復書簡でとっておきのナイショ話を披露しあう。*  *  *■横尾忠則「スジ金入りの肉体的朦朧体、大観より本格派です」 セトウチさん 耳が聴こえなくなったと言うと、「きっと作品が変るわよ」と、ベートーベンじゃあるまいし、変なことおっしゃると、その時はそう思いましたが、本当に変ったんです。その変り方が理に適(かな)っているといえば適っている。つまり聴こえないことは、音の輪郭が失くなることです。そうなると音が朦朧(もうろう)となって、横山大観の朦朧体の絵のように音がボケて聴こえるんです。耳がボケると、日常生活もボケて、曖昧模糊(あいまいもこ)となって、したことと、してないことの区別もわからなくなるんです。つまり虚実の区別ができなくなって、夢で見た仕事の依頼を、本当に依頼されたと思って、やっちゃったりするんです。ボケの症状に似てるけれど、ボケ老人になったんではなく耳のせいだと理解しているので、そこはまだ理性がコントロールしています。 ハイ、絵の話だったです。大観は思想で朦朧体を描きましたが、僕はスジ金入りの肉体的朦朧体なので、思想のようなチョロコイ考えではなく、肉体的ハンデキャップによる堂々たる自然体派です。大観よりこっちの方が本格派です。そんなわけでセトウチさんの大予言は的中しました。 先っきも言いましたが境界線が失くなるということは自由のキャパシティも拡張したことになります。近代人は何でもかんでも境界線を引いて、全てを分業化します。縄文時代はひとりの人間が、多面的に物事をこなしていました。狩猟(しゅりょう)も農業も、漁業も工芸も、子育ても、教育もひとりでするという、境界線をはずした労働生活です。現代のような役割分担などしません。正に多義的です。越境した狩猟社会です。 難聴が与えてくれた神の恩寵です。だから病気の高徳です。僕が度重なる病気によって救われてきたということはこういうことです。神は人間に色々な苦難を与えますが、病気は罪ほろぼしでもカルマ落としでもなんでもないのです。人間の進化向上のためのカリキュラムだと思えばどうでしょう。難聴のほかに、腱鞘炎(けんしょうえん)にもなりました。もう、セトウチさんの「幻花」のような繊細(せんさい)な描写の絵など描けません。今は太い筆やハケを握りしめて、キャンバスにバンバン叩きつけるように描いています。それも痛いので、左手で描きます。左手は思うような形が取れません。幼児の絵より下手くそになります。でも、デュビュッフェは幼児の絵のマネをして、幼児風に描きますが、そんな意図的なことをしなくても、僕の左手はそのまま幼児以上に下手に描けます。これもハンデキャップから来た自然体です。 今書いている手紙では、前にも同じことを書きましたかね。境界を越えると時間差もなくなって、やったことと、やらないことの区別がわからなくなるのです。いよいよ本格派老人です。100歳老人のセトウチさんにも負けていません。ただ僕はセトウチさんのように年齢には拘っていません。拘っているのは他人の方で、今行っている展覧会では「85歳、85歳」と年齢を売り物にされています。歳のことは言うな! アーティストには年齢はないのです。昨日の続きが今日、今日の続きが明日です。原始社会では年齢など無関係です。アーティストは原始人です。■瀬戸内寂聴「私もヨコオさんに負けないように!」 ヨコオさん 何だか、ずいぶん久しぶりにこの往復手紙を書いているような気がします。 それにしても相変わらずコロナは豪勢を極め日本はおろか、世界的にその力を奮っています。 コロナのせいで、人に会えず、寂庵はずっと門を閉めっぱなしです。コロナになる前はもちろん、一も二もなく門内に入ってもらっていました。 大抵遠く九州や東北から来られた人で、まだ生きている私に逢えたと言って、抱きついて泣き出します。もちろん、私は丁寧にお迎えして、写経などしてもらい、お茶菓子を一緒に食べて、しばらくその人のお話を聞きます。つきあいの人もあれば、寂庵の信者を自称する人もあり、初めて門内に入ったという人もいます。「まさか、門内に入れてもらえると思わなかった」と泣き出す人もあれば、「生きている寂聴さんに逢えた!」と、子供のように足を踏み鳴らす人もいる。「とても百歳には見えない!」と誰もが感嘆してくれるが、終日ベッドに横になり、本ばかり読んで、一日を過ごしている私の毎日の状態など話せない。私は、人に逢っている間だけは、必死になって元気らしさを演じ、声を張り上げる。客の帰る時は、長い廊下の途中で、へばってしまい、さっさと歩く客の跡がおえない。 ──だって百だもの……──と、私は廊下の途中で、ペシャンコに座り込み、つくづく、自分に向かって言う。 食事だけは時間が来ると、しゃきっと体がのび、食卓の自分の位置に早々と座り込んでいる。「あら、お昼はもう召し上がりましたよ!」 スタッフの一人が、わざと大きな声を張り上げる。「私のスパゲティは、どうしてこんなに美味しいのだろうなんて、お世辞までいただいて」「そうよ、ほんとに! でも今ここに座ったのは、食べるためでなくて、眞子さんの結婚をどう思うかって、寂庵で一番若い二十七歳のP子の意見を聞きたいのよ」「ああ、眞子さん、ほんとに、よかったですね。大体、みんなあんまりこの結婚に意地悪すぎましたよ。でも、どうして一時金を眞子さんは辞退なさるのかしら? 貰う権利のあるお金でしょう? あんまり弱気にならない方がいいと思うけど……」 ヨコオさん、今、寂庵の中は、こんなにのんびりしています。耳が聞こえないのは、私も同然です。テレビの時なんか、びっくりするほど大きな声にしてくれるので、何とか会話が出来ています。鶯も、秋の夜の虫の音も、私の耳にはさっぱり聞こえません。ヨコオさんとTELしてるのを横で聞いてる人があれば、どんなにおかしいでしょうね。耳だけでなく体のあちこちがどしどし衰えてきます。 そのうち、きっと、自分の死んだこともわからなくなって、──ヨコオさんにTELして!──など叫んでる日が来るのでしょうね。でも目がよく見えているので、一日に二冊は厚い本を読み切っています。ヨコオさんの展覧会、ますます人気上昇でおめでとうございます。私もヨコオさんに負けないよう、あっとこれまでと変わった小説を二つくらい書き残して死にたいものですね。 では、また。※週刊朝日  2021年9月17日号

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    ワクチンパスポート導入で「何もできなくなる」 打てない人へワクハラ、どう対処する?

     健康上の理由などで新型コロナウイルスのワクチンを打ちたくても打てない。そんな人たちが、差別や偏見にさらされる。そうした事態を避けるには──。AERA2021年9月27日号の記事を紹介する。 *  *  * 「何もできなくなります」  都内に住む会社員の女性(45)は不安を口にする。  女性は薬物アレルギーがあり、新型コロナウイルスのワクチンを打ちたくても打てない。しかし最近、ワクチン接種を証明する「ワクチンパスポート」の活用がニュースで流れるようになった。パスポートを持った人は行動制限が緩和され、自由に旅行ができ、イベントにも参加できる。そんな構想を耳にする度に、不安に駆られるという。 ■帰省もできないの? 「このままだと自分は県境もまたげない、出張もできない、帰省もできない。映画にもデパートにも、美容院にも行けなくなるかも。国民を管理するようなことを現代の日本でやるはずがないと思っていたのですが。こうやって、人権はなくなっていくんだなと思います」(女性)  2回のワクチン接種を完了し、つらい副反応も乗り越えた人の中には、パスポートを歓迎する声もある。人の流れを緩和して「ウィズコロナ」を目指すべきだとの意見も出ている。だが、この女性のように健康上の理由で打ちたくても打てない人、副反応などが心配で未接種の人たちからすれば、パスポートは「分断」の象徴に映る。 「ワクチンパスポートの具体的な運用によって、体質的にワクチンを打ちたくても打てないなど、少数派の人権がないがしろにされる側面があると思います」  そう指摘するのは、人権問題に詳しい佐藤みのり弁護士だ。  ワクチンは社会生活を正常に戻していくためには必要で、接種者の行動制限を緩和していくことには一定の合理性はある。法的には、接種者に「利益」を与えることは、一律に許されないとは言えない。しかし、未接種者に「不利益」を与えることは、少数者に対する差別や偏見につながりかねないという。 「不公平感が増し、社会の分断を招くことになると思います」(佐藤弁護士)  日本は全てのワクチンが任意接種で、「打たない自由」がある。だが、「新型コロナのワクチンは打つべきだ」という同調圧力を感じる人も増えている。 「毎日のように『ワクチン打った?』って聞いてきてつらい」 「打つのが当たり前になってきて変な目で見られる」  SNSなどには、ワクチンを打てない人のこんな書き込みが散見される。 ■一人で抱え込まない 「相手に精神的苦痛を感じさせることは、同調圧力でありハラスメントに該当します」  と指摘するのは、一般社団法人「日本ハラスメント協会」の村嵜(むらさき)要代表理事。企業のワクチンハラスメント(ワクハラ)相談にも乗る村嵜さんは、必要以上に接種を迫るのはもちろん、あいさつがわりに「ワクチン打った?」と聞いても、同調圧力に該当する場合があると言う。 「会社のトップが、同調圧力やワクハラはあってはいけないというメッセージを発することが重要です」(村嵜さん)  では、ワクハラに遭った時はどう対処すればいいのか。 「まずは会社の総務部など管理部門に相談し、真剣に向き合ってくれない場合は、会社のハラスメント相談窓口に相談するのがいいでしょう。それには、一連の流れを記録に取っておくことが大事です。家族や友達に相談したり、SNSで思いを発信したりすることも有効です。何より、一人で抱え込まないこと。ガス抜きも重要です」(同)  先の佐藤弁護士は、接種を他者が強制すれば、憲法が保障する「自己決定権」の侵害になりかねないと話す。「ワクチンは自分の健康や生命にかかわってくる問題で、自己決定権は尊重されなければいけません。強制や排除は、人権の侵害です」  ワクチンを接種しなかったことで「解雇」や「降格」といった明らかな不利益処分を受けた場合は、損害賠償請求の対象になるという。佐藤弁護士は言う。 「ワクチン接種で大事なのは共有です。打ちたくても様々な事情があって打てない人がいることを、職場や学校など社会全体で共有することが大切です」 (編集部・野村昌二)※AERA 2021年9月27日号

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    21時間前

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    【独自】尾身理事長の医療法人がコロナ補助金などで311億円以上の収益増、有価証券運用は130億円も増加

     政府の新型コロナ対策分科会会長の尾身茂氏が理事長を務める地域医療機能推進機構(JCHO)で、コロナ対策などで給付された300億円以上の補助金で収益を大幅に増やす一方で、有価証券の運用も130億円増加させたことが、AERAdot.の取材でわかった。JCHOではコロナ患者用の病床を用意し多額の補助金を受けながらも、患者を十分に受け入れていなかった実態がわかっており、厚生労働省などから批判があがっている。 *  *  *「JCHOは適切に補助金を運用していないのではないか」  いま医療関係者の間でこんな疑念が生じている。どういうことか。その原因は、JCHOがホームページで公表している財務諸表を見るとわかる。  2020年度の財務諸表によると、20年度の当期純利益は約200億円で前年度より約168億円も増加していた。補助金等収益を見ると、こちらは約324億円で、前年度より311億円も増加していた。補助金等の明細を見ると、交付された補助金は126件(交付額は約368億円)あり、そのうちコロナ関連と思われる補助金は56件あった。56件の交付額は約351億円、うち約310億円が収益計上されていた。  同時に、有価証券での運用額は685億円で、前年度より130億円増加していた。当期純利益は200億円で、現金及び預金は約24億円しか増加していない。  これ以前にも、JCHOはコロナ患者を受け入れるために多額の補助金をもらいながらコロナ専用の病床数や受け入れ患者が少ないことが批判の的になっていた。AERAdot.では9月1日に配信した「【独自】コロナ病床30~50%に空き、尾身茂氏が理事長の公的病院 132億円の補助金『ぼったくり』」の記事で、JCHO傘下の都内病院で、コロナ専用病床の多くが空床になっていることを特報している。  これに関して、尾身氏は18日に自身のインスタグラムで「#ねえねえ尾身さん」と題したライブ放送を行い、視聴者からの疑問に答える形でこう釈明した。 「補助金のぼったくりの話ですけども、看護師さんなんかを確保するのに難しいという理由はあったにせよ、実際に確保した病床よりも、実際に入れた患者が少なかったという事実はある。この事実に関しての補助金の扱い方については、国や自治体が方針を示すと思いますから、その方針に従って適切な行動をとりたいと思っています」 ◆厚労省幹部が「由々しき問題」  今回、新たに問題になっているのは、コロナ関連で多額の補助金を受け取り、法人全体の収益をあげながら、その収益が有価証券の運用に使われているということだ。この実態は政府関係者の間でも問題視され始めている。厚労省の幹部はこういう。 「コロナ関連の補助金が大部分を占めるJCHOの収益が、結果的に有価証券購入の原資として間接的に還流されているとみています。補助金収入がきちんとコロナ病床や患者医療に還元されず、有価証券などとして内部留保されていることは厚労省としても由々しき問題と考えています。尾身氏の経営判断を尊重する必要はあるのですが、自身があれだけ『医療ひっ迫』を主張する中で、このような経営は受け入れられないのではないでしょうか」  法人が自身の資金をどう運用しようとも、適切なプロセスを踏んでいれば問題はない。しかし、コロナ関連で受け取った補助金によって大幅に収益をあげて、それを間接的にでも投資に回していたとしたら、批判や疑問の声も出るだろう。  JCHO職員によると、補助金収入の大幅増と有価証券の取得増は「無関係ではない」という。他の民間医療機関と同様にJCHOもコロナの影響などにより病院経営は収益の柱となる医業収益が減となるなど厳しい環境下にある。こうした中で有価証券残高を130億円増やすことができたのは、「補助金収入が大きく寄与した」(前出の職員)という。 ◆尾身氏からの回答は?  JCHO理事長の尾身氏はどう答えるか。尾身氏宛に、補助金で収益をあげながら多くの資金を有価証券で運用するのが適切と思うか、補助金を投資で使っている事実はないかなど書面で見解を質した。  すると、広報担当からメールで「個別にいただいたご質問等にはお答えすることはいたしかねます」と回答が来た。  医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏はこう指摘する。 「尾身氏はJCHOの理事長として国民に事実を説明する必要があるでしょう。この問題は、JCHOでコロナ病床を増やし、患者もしっかりと受け入れるという覚悟も問われていると思います」  補助金は国民の税金が原資だ。尾身氏の説明責任が問われている。 (編集部・吉崎洋夫)

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    沢田研二は「どんなときでもプライドを貫く」 岸部一徳が語る人となり

     映画「総理の夫」に政界のドン役で出演する俳優の岸部一徳さん。作家の林真理子さんもファンだというザ・タイガースの沢田研二さんついて語りました。 【「芝居の勉強はしないほうがいい」と言われ…岸部一徳の役へのアプローチとは?】より続く *  *  * 林:沢田研二さん、先日映画(「キネマの神様」山田洋次監督)で主演をなさいましたね。だから今回の話題の2作、偶然ですけど、どちらもザ・タイガースのメンバーの方がお出になって、どちらも原作が原田マハさんで。 岸部:林さんは、沢田さんのファンだったんですか。 林:もちろんステキ、と思ってはいましたけど、そんなに熱烈ではなかったんです。田舎の女の子ですから、みんなキャーキャー言って、同級生はファンレターやプレゼントを送ったりしていましたけど、私は「どんなに好きでも、一生会えない人に手紙を書いてもしょうがないかな」と思って、さめた目で見ていました。 岸部:でも、沢田さんと会ったことはあるんでしょう? 林:はい。沢田さんのマネジャーだった方のお嬢さんが……。 岸部:ああ、森本さんですね。 林:そうです。7、8年前、森本千絵さんという売れっ子アートディレクターの方の結婚式に呼ばれて行ったのですが、そのときたまたま同じテーブルに沢田さんがいらしたんです。前に1回、若いころ対談させていただいたんですけど、そんなことはもちろんお忘れでした(笑)。 岸部:アハハハ。 林:ひげをのばしていらして、すごくカッコよかったですよ。若さに執着しないで思うがままの姿が、めちゃくちゃカッコよかったです。 岸部:ああなったらああなったで“スター顔”ですよね。 林:そして最後に沢田さんが「勝手にしやがれ」をお歌いになって、みんなで歌って踊って、その披露宴は終わったんです。すごく楽しかったです。 岸部:へぇ~、そうですか。それは貴重な体験ですね。彼はそういう場で、なかなか歌わないんですけどね。 林:わっ、ほんとですか。すごい話だな。10年くらい前、ザ・タイガースの皆さんが集まってコンサートをなさったんですよね。 岸部:そうでした。楽しかったですよ。もうやる機会はないかもしれないですけどね。 林:ご自身は、音楽活動のほうはいかがですか。「ライブ、ちょっとやろうかな」という思いもあるんですか。 岸部:いやぁ、どうですかね。あのときみたいに、集まってコンサートをやろう、という話になったらちょっと練習すると思うんですが、いまはいっさい楽器にさわらないんですよね。でも、沢田さんは、今でもコンサートやっていますからね。 林:沢田さん、以前コンサートの当日に「お客さんが少ない」って怒って帰っちゃったことがあるんですって? それもすごい話ですよね。 岸部:「らしい」って言えば「らしい」ですよね。さいたまスーパーアリーナで、7千人も入っていたんですが、会場が広いのでスカスカに見えちゃうんですよ。ふつうなら「7千人来てくれたら十分じゃない?」ってところが、「7千人じゃやらない」と言って自分を通す。そういうところ、みんなが好きな部分ではありますね。どんなときでもプライドを貫くという。 林:今も電話なんかでお話するんですか。 岸部:ときどき電話しますかね。1年に何回かは直接会います。彼のコンサートは、必ず見に行きますしね。 林:岸部さんが見に行くと、お客さんに気づかれちゃうんじゃないですか。 岸部:いやいや、僕は周りに気づかれてもぜんぜん大丈夫ですよ。沢田さんのコンサートに来ているのは、ほとんど彼のファンだけですからね。今度機会があったら見に行きますか? ジュリーのコンサート。 林:はい! ぜひぜひ! (構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄) 岸部一徳(きしべ・いっとく)/1947年、京都府生まれ。67年、ザ・タイガースのベーシストとしてデビュー。グループ解散後、PYGや井上堯之バンドを経て、75年にドラマ「悪魔のようなあいつ」で俳優に転身。90年にカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した「死の棘」で、第14回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞。ドラマ「相棒」シリーズ、「医龍」シリーズ、「ドクターX」シリーズ、映画「必死剣鳥刺し」「舞妓はレディ」「一度も撃ってません」など出演多数。映画「総理の夫」が9月23日全国公開。※週刊朝日  2021年10月1日号より抜粋

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    「どうせ好きな人とは結婚は出来ない」眞子さま結婚問題で佳子さまが漏らした悲痛な声

    「ここ(皇室)にいる限り、どうせ好きな人とは結婚を出来ないと思っている」 「皇室から出たい。出るためには、結婚しかない」 「自分でいいと思える相手と結婚できるならば、(細かい欠点など)構わない。姉が『いい』と思うならば、結婚すればいい」  秋篠宮家の次女、佳子さま(26)は、周囲にこう語っていたという。  国民の反発をよそに、眞子さま(29)と小室圭さん(29)の結婚への準備は、力業で進んでいる。  9月27日の帰国を前に、フジテレビがニューヨークで小室さんを直撃した映像が流れた。長髪を無造作に束ねた小室さんが、質問を投げかける記者を無視して立ち去る様子は、視聴者に衝撃を与えた。  皇族が通う学校として知られた学習院女子中・高等科の同窓会の役員を務めた女性は映像を見てこうつぶやいた。 「女性皇族のお相手となる方ならば、品位をもった行動を求められるはずです」  だが、冒頭であげたように、そこに重きを置いていないご様子なのだ。  2017年に眞子さまと小室圭さんの婚約内定会見が行われた。実はその時期に佳子さまは、こう悔しそうに口にしていたという。 「どうして、(姉は、結婚について)何も相談してくれなかったのか」  姉の結婚話にためらいつつも気持ちを整理していったのだろうか。  2019年に国際基督教大学(ICU)を卒業した佳子さまは、記者会の質問に答えた文書回答で、眞子さまの結婚にこうエールを送った。  <姉が結婚に関する儀式を延期していることについてですが、私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています>  秋篠宮家の事情に詳しい人物はこう話す。 「佳子さまは、早く皇室を出て民間の世界で生きて行きたいというお考えを持っておられたようです。皇室を出る手段のひとつが結婚であるのでしょう」  ただし、皇族である限り好きな相手と結婚することは簡単ではない。姉の眞子さまの結婚相手は、世間で言う「ふさわしいお相手」ではない。 「しかし、家と家の結婚で相手が決められるぐらいならば、自分の意思で結婚したい。自分たちが納得した相手であれば、多少の問題があっても構わないー。私は佳子さまのお気持ちを、そう受け取りました」(前出の関係者)  実際、過去の皇族女性の結婚を振り返ると、家同士の結びつきから離れた、自由な恋愛結婚はかなり難しい。皇族女性のお相手は、旧皇族か旧華族、もしくはその家に連なる家柄だ。  2005年に結婚した上皇ご夫妻の長女の黒田清子さん(52)は、「ふつうの市民と結ばれたはじめての皇女」と言われた。  そうはいっても夫の黒田慶樹さんの伯母は、旧華族の税所家に嫁ぎ、伯父の妻は旧華族・秋月家の出身。黒田さん自身も大学まで学習院で、秋篠宮さまとは初等科時代からの親友なのだから普通の家庭とは言い難い。  14年、日本最古の旧家同士の慶事と祝福されたのが、高円宮家の次女、典子さん(33)と出雲大社の宮司の長男である千家国麿さん(48)との結婚だ。 「憲仁親王が02年に亡くなってから、久子さまご一家を支援してきたのが、千家宮司夫妻であったのは、有名な話です」(神社関係者)  18には、高円宮家の三女絢子さん(31)と日本郵船社員の守谷慧さん(35)が結婚。守谷さんの母・季美枝さんと親しい久子さまが、絢子さんに紹介して結婚の運びとなっている。高円宮家の姉妹は、自らの結婚感についてこう話していたという。 ◆女性皇族の運命とは? 「結婚と恋愛は別」  三笠宮家の長女、彬子さま(39)と次女の瑶子さま(37)は未婚の女性皇族だ。  しかし父の故・寛仁親王は娘に対して、条件をつけていた。 「結婚するならば、旧皇族が相手だ」   彬子さまご本人も周囲にこう話しているという。 「結婚はしない。三笠宮家に人生をささげるつもりだ」  皇族女性の将来について興味深い記事を共同通信(9月6日付)が報じている。 <天皇ご一家と4宮家存続の構想 政府、女性皇族が継ぐ案を想定>  記事では、眞子さまが結婚をして皇籍を離れることによる皇族の減少を防ぐために、天皇ご一家と今ある4つの宮家を存続させる構想を政府は持っていると書いている。構想の中身は、女性皇族が結婚後も皇籍を維持する有識者会議の案を基に、愛子さま(19)が天皇ご一家に残り、佳子さまが秋篠宮家を継ぐというものだ。  残る3宮家について記事では触れていなかったが、「現存の4宮家」となると、高円宮家は未婚の長女の承子(35)さま、三笠宮家は長女の彬子さま、お子さまのいない常陸宮家は、三笠宮家の次女である瑶子さまが継ぐということになる。  記事は、<本人の意向に最大限配慮する内容とすることを想定している>と結んでいる。  しかし、ご本人方は、「自由がある」とは考えていないようだ。 「多くの皇族方は、皇室に生まれた以上、定められたなかでの結婚や人生であると、理解しておられる」(かつて天皇家に仕えた人物)  皇族でありながら「私」に生きることを決めた眞子さま。宮内庁が調整している小室さんと臨む記者会見で、内親王は最後に、国民に何を語るのか。 (AERAdot.編集部 永井貴子) 

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    小室さんの年収は2200万円!NYの大手法律事務所就職 眞子さまの1億強の一時金見送りで官邸が右往左往 

     秋篠宮家の長女、眞子さま(29)と小室圭さん(29)の結婚が急展開で進んでいる。小室さんもニューヨーク(NY)の大手エリート事務所で働き出している。一方で官邸サイドは、皇族の異例の結婚に振り回されてるようだ――。 「小室さんの件も含めてですが、情報が総理官邸に入ってくるのが遅く、みなイラ立っています。いまの自民党総裁選の最中で菅政権を取り巻く状況を考えれば仕方がないが…」  こう愚痴るのは官邸関係者だ。だが、当の小室さんはNY・マンハッタン生活を満喫しているようだ。  帰国直前の9月24日、勤務先近くのマンハッタン中心部のレストランで会食する姿がテレビ局にキャッチされた。  小室さんが勤務するのは、マンハッタン中心部に拠点を構える大手法律事務所だ。ホームページ(HP)サイトには、ニューヨーク、ワシントンDC、カリフォルニアなどに5拠点を持ち300人以上の弁護士が所属とある。  小室さんの名前も「Kei Komuro」と紹介されており、肩書は「Law Clerk」(法律助手・事務職員)とある。  12月に発表される司法試験に合格すれば晴れて資格を得て、先輩弁護士を補佐する「Associate」の弁護士となる。  担当分野の記載もあり、「Corporate」「The Tech Group」とある。同社サイトの記載によれば、起業家や投資家を顧客に、ベンチャー企業の設立や資金調達などに関する分野を手がけてゆくようだ。  小室さんの職歴も紹介されている。 「東京の法律事務所と外国為替銀行で証券会社の代理人として、外国人企業の顧客に融資や外国為替サービスを提供し、財務分析などの経験を有する。日本語が堪能」 ◆小室さんの年収は2200万円に!  米国の企業情報口コミサイトで小室さんが所属する法律事務所の初任給の年収を調べると、約20万ドルと表示された。日本円で2200万円ほどだ。  治安の良いマンハッタンは、ワンルームの家賃でも最低30万円と言われるほど物価高のエリア。それでも、眞子さまと共働きならば、何とか暮らせる年収だろう。小室さんのマンハッタンでの新生活は希望に満ちている様子だ。  一方で、若い恋人たちの旅立ちの基盤を整えるために、忙殺されたのが官邸サイドだ。  各省庁の官僚や政府首脳陣が、眞子さまの「一時金」について、うまい出口を探して、頭を突き合わせて議論を重ねたという。  一時金は皇室経済法で、「品位保持の資に充てるために支出される」と規定されたお金で、戦後に結婚した女性皇族に支給されてきた。眞子さまの一時金は最大1億5250万円とされる。  1年半ほど前から、眞子さまは「受け取らない」意向を周囲に示してきたが、ご本人の意向を受けて、支給しない方向で宮内庁や政府が最終調整をしている最中だ。  結婚に批判的な世論に配慮した結果と見られる。しかし、法律で規定された事項だけに、「ご本人が希望するから」といった理由で簡単に変更できるものでもない。「異例の辞退」をめぐって政府内がバタついたのは想像に難くない。冒頭の官邸関係者は、こう話す。 「そもそも皇室経済法では、『辞退』という事態を想定していませんでした。ですから、その適否や手続きについて法制局の見解を聞きながら、政府内で議論を重ねてきました。いっときは、『辞退には法改正が必要』といった意見も出ましたが、解釈の範囲でうまく整理ができたようです」  この関係者は「内容が内容だけに、委ねられる皇室経済会議(総理、衆参院議長ら)も困るだろう」と苦笑しながら、こうつぶやいた。 「政府としては、小室さんがこれ以上騒ぎを広げる前に、NYに行ってほしいというのが偽らざる本音です。ともかく、新総理総裁の誕生前に終えることができそうで、良かったのかもしれません」  異例続きの内親王の結婚を実現させるために、官邸サイドも右往左往したようだ。 (AERAdot.編集部 永井貴子)  

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    「芝居の勉強はしないほうがいい」と言われ…岸部一徳の役へのアプローチとは?

     新作映画「総理の夫」で、初の女性総理と連立を組む政界のドンを演じる俳優の岸部一徳さん。作家の林真理子さんが、口数が少なかった子ども時代のこと、ザ・タイガース時代の記憶や演技への思いなどをうかがいました。 *  *  * 岸部:林さんのこの対談、もう長いんでしょう? 林:はい。去年のはじめに1千回を超えました。岸部さんには、10年前に一度出ていただいたんですよね。 岸部:あ、そんなに前になりますか? 林:映画「大鹿村騒動記」のときでした。あれはあの年の映画の賞を総なめにしましたよね。 岸部:そうでした。あの作品は、原田(芳雄)さんの遺作になったんですよ。 林:そうだったんですね。今度の「総理の夫」という映画(9月23日全国公開)で、岸部さんは、日本初の女性総理(中谷美紀)と連立を組む政界のドンの役をなさってますね。私、野田聖子さんと親しくて、このあいだこの映画のことを話したら、野田さん、「原作(『総理の夫 First Gentleman』原田マハ)を読んでるから、映画、見てみたいな」と言っていましたよ。 岸部:そうですか。 林:この映画みたいな夫(田中圭)がいてくれたらどんなに素晴らしいかと思いますよ。奥さんの成功を自分のことのように思って、愛しながらサポートをしていて。 岸部:はい。政治が題材なので、マジメといえばマジメな映画ですけど、ちょっとコメディーっぽいところもあるから、楽しく見られると思いますね。 林:この作品には、基本的にいい人ばっかり出てくるなかで、いかにも政界の奥深い闇をあらわしているのが岸部さんですよね。岸部さんが出てくると、それだけで存在感があって、「政界の鵺(ぬえ)」と言われている二階(俊博=自民党幹事長)さんを想像してしまいましたよ(笑)。 岸部:そうですか(笑)。まあ、実際の政界では、むしろフィクション以上にいろんなことがあるんでしょうけどね。 林:そうですね。映画に出てくる、総理の記者会見場とか、国会議事堂の中の委員会室とかがとてもリアルで、映像がよくできていますよね。あれは学士会館で撮ったんですか。 岸部:そうです。でも、本当に議事堂の中にいるように見えますよね。首相公邸の外観については、周辺のビル群などCGも使っていると聞きましたけどね。 林:政治や経済には、やっぱりご興味がありますか。 岸部:まあ、ふつうに、ね。たとえば金融関係の映画に出るとしたら、金融って一体どういう仕組みなんだろうと思って、日経新聞をしばらく読んでみるとかね。そういうことから、見えてくるものもあると思っています。今度の映画は、政治の世界について、ちょっと見方を変えて考える機会になりましたしね。安倍(晋三)さんが総理になる前は、食事会や勉強会にときどき誘われることがあったんですよ。 林:あ、そうなんですか。 岸部:総理大臣になってからは、会う機会もなくなりましたけどね。芸能人が総理大臣と仲良くするのは、変だな、と思いましてね。安倍さんは意外と、映画にかかわる人が好きらしいんですよ。津川雅彦さんと仲がよかったそうですしね。 林:朝日新聞の「首相動静」を見ても、安倍さんはわりと映画をごらんになったりしてるので、映画がお好きなんだろうなとは思っていました。 岸部:そうみたいですね。 林:津川雅彦さんは、3年ぐらい前、私も参加させていただいたジャポニスムの「日本の美」総合プロジェクト懇談会の座長をなさって、日本の文化をフランスに持っていく活動に尽力なさっていました。そういう方だから、安倍さんとも親しかったんでしょうね。 岸部:僕がザ・タイガースのとき、そのころは佐藤(栄作)総理でしたけど、軽井沢で年に一度、芸能人がたくさん集まる「佐藤さんをたたえる会」というのがありましてね。 林:ああ、その話、聞いたことがあります。 岸部:みんなで集まって佐藤さんをたたえるんです。そして、会の最後になると、そこにいる全員で「佐藤さんをたたえる歌」というのを歌うんですよ。昔の歌の歌詞を変えて、「♪佐藤さんありがとう」って。 林:それってちょっとヤな感じですね(笑)。 岸部:芸能界と政界とをつなぐ象徴的な出来事ですよね。僕はまだ19かハタチぐらいでしたけどね。ザ・タイガースのメンバーも当時、京都や大阪から出てきた子どもたちですから、「政治家ってすごいな」「見たことあるな、あの人」って感じで、まるで「真夏の夜の夢」ですよ。 林:おもしろい話ですね。 岸部:ともかく、こういう映画をとっかかりにして、政治に関心を持つ人が少しでも増えてくれればいいですよね。 林:そうですね。私は、早く女性に総理大臣になってもらいたいと思っているんです。女性総理が誕生したら、日本はものすごく変わると思いますよ。早くその日が来ればいいなと思ってます。 岸部:そうですね。でも、いまのところ、日本ではなかなか難しいんじゃないでしょうか。やっぱり、いま上にいる長老の人たちが引退してからじゃないと、簡単に状況は変わらないんじゃないかと思います。 林:たしかに、そうかもしれませんね。ところで、話が変わりますけど、岸部さんの昔のインタビュー記事を読んだら「演技は勉強することでもない」とおっしゃっていたのが印象に残っています。そうなんですか。 岸部:僕は30歳ぐらいになってから、TBSの久世(光彦=プロデューサー)さんという人に俳優の道に進むことをすすめられて、樹木希林さんの事務所を紹介されたんです。そこで、面接を受けて入ったんですが、久世さんからも希林さんからも、早坂(暁)さんという脚本家の方からも「今から芝居の勉強はしないほうがいい」って言われたんです。 林:そうだったんですね。 岸部:だから、あえてというか、本格的に芝居の勉強はしたことがないんです。映画というものは、監督によって何を大事にするかがそれぞれ違うんですよね。僕みたいに、いわゆる芝居の基礎を学んでいない俳優は起用しない監督もいます。ちゃんとした芝居の技術を、体系的に学んだ俳優を好む監督もいれば、むしろそういう人ばかりでなく、いろんな背景を持つ俳優を好む監督もいるという感じですね。 林:「ちゃんとした芝居」って、俳優座とか文学座とか、そういうところから来たような人ですか。仲代達矢さんの無名塾とか。 岸部:うーん、それは難しいところですね。僕は音楽から来ている人間ですから、脚本を読むと、リズムがいいとか悪いとか、「音楽のほうから見ると、こういうことかな」っていう感覚があるんですよね。 林:ああ、音楽のほうから見るんですか。 岸部:はい。芝居を始めたころからいままで、ずっとそういう感覚でやってきたので、まあこれでいいかな、とは思っているんですけどね。僕、小学校のころ親の都合で4回ぐらい引っ越ししているんですよ。 林:そうなんですか。 岸部:京都で生まれて、熊本に行って、友達ができるころには転校するんですね。そういう状況を繰り返すうちに、何となく人としゃべらない子どもになっていったんです。そういうこともあって、とくに子どものころは、言葉を使って人に何かを伝えることが苦手なほうだったんです。 林:ええ。 岸部:今でも、「言葉に代えたらこういうことかな」という、その言葉が見つからないときがあるんです。たとえば音楽では、作詞をするときに、「これにぴったりの言葉がないかな」と思っても、思いつかないんです。芝居でも同じで、心の中では言葉に代わる何かが生まれているんですけど、それを伝えにくい。だから黙っていると、「それがいい」と言う監督もいるんですよね。たとえば小栗康平さんだと、「言葉を使うと感情が小さくなる。言葉を使わないで、感情が体に残っているほうがいいんだ」と言うんです。 林:なるほど。 岸部:希林さんも「私は変わった子どもで、コミュニケーションがうまくとれなかった」みたいなことを言っていましたけど、そういう人は意外と多いんです。 林:そういう人が「名優」と言われる人になっていくんですね。多弁じゃなく、心の中に感情を残して、その余白が私たちに伝わってくるという……。 岸部:今まで一緒に仕事をした映画監督は、そういうのが大事なんだ、という人が多かったように思いますね。今はあんまり考えなくなりましたけど、希林さんの事務所で一緒にやっていた若いころは、四六時中そんなことを考えてました。脚本家の早坂さんと一緒にやっているころ、彼に「一日中バスに乗って、外を歩いてる人をずっと見る。それが本当の勉強じゃないの?」って言われたことがあったんです。そういう人と出会えたことが大きかったなと思いますね。希林さんも含めて。 (構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄) 岸部一徳(きしべ・いっとく)/1947年、京都府生まれ。67年、ザ・タイガースのベーシストとしてデビュー。グループ解散後、PYGや井上堯之バンドを経て、75年にドラマ「悪魔のようなあいつ」で俳優に転身。90年にカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した「死の棘」で、第14回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞。ドラマ「相棒」シリーズ、「医龍」シリーズ、「ドクターX」シリーズ、映画「必死剣鳥刺し」「舞妓はレディ」「一度も撃ってません」など出演多数。映画「総理の夫」が9月23日全国公開。 >>【沢田研二は「どんなときでもプライドを貫く」 岸部一徳が語る人となり】へ続く※週刊朝日  2021年10月1日号より抜粋

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    小室圭さんNYで就職も「解決金」手つかず 宮内庁長官にも見放された眞子さまとの結婚問題

     秋篠宮家の長女、眞子さま(29)との婚約が延期になっている小室圭さん(29)が、NYの法律事務所への就職の見通しが立ったと報じられた。一方で、母の佳代さんの元婚約者に提示した「解決金」に進展はなく。宮内庁も小室さん問題から一線を引いているという。*    *  * 猛暑が続く7月のある日、72歳の元婚約者男性から代理人をつとめる男性に、短いメールが届いた。「大丈夫、食べてるよ」 各地では熱中症で命を落とす人が急増している。代理人が出した体調を気遣うメールに対する返事だった。 小室さんの代理人弁護士が「解決金の支払い」を公表したのは4月。婚約者の代理人に、「解決金の提案がある」とSMS(ショートメッセージサービス)が届き、数時間後、小室さんの弁護士は宮内庁担当の記者らが集まった場で、「解決金をお渡しする形で、この問題を終了したい」と発言した。だが、具体的な金額や提案はないまま、時間だけが過ぎた。  5月23日に、小室さんは米フォーダム大学のロースクールの法務博士コースを修了。同じ時期、元婚約者の代理人は、小室さんの弁護士と都内で面会したが、「弁護士の口から、解決金についての具体的なお話は、出ませんでしたね」(元婚約者の代理人)。 元婚約者の願いは、小室さんの母である佳代さんから、金銭問題についてきちんとした説明を受けることである。「この希望は、以前から一貫して伝えていることです。彼の切実な願いが叶わなければ、お金だけ渡されて『はい、納得しました』とは、なりません」 ときおり、元婚約者男性の代理人が小室さんの代理人に、「状況はどうでしょうか」と連絡するものの、「(佳代さんに)お伝えはしています」と、返事が来るだけだという。 金銭トラブルの解決にはほど遠い状況だ。一方で、小室さんは米国での新たな人生にむけて、着実に駒を進めている。  小室さんは、7月27、28日にNY州の司法試験の受験を終えた。昨年の合格率は89%と高く、合格は確実だと見られている。小室さんは現地の法律事務所に就職する見通しが立ち、引き続きNYに滞在して新生活への準備を進める意向だとニュースで報じられた。 しかし、小室さんは、日本でパラリーガルとして勤務していた都内の法律事務所に籍を置いたまま米国留学に出発している。当時、在籍する法律事務所の担当者は、「現地での滞在費は事務所が貸与する」と、話していた。 このとき、事情を知る関係者は、記者にこう話していた。「はじめは丸ごと負担する形でしたが、『眞子さまとの交際がなければ、ごくごく普通の事務職員。なぜそこまでするのか』、という意見が所内で渦巻いた。そこで、貸与という形に落ち着いたのです」 事務所に波風を立てても無理を通したのは、NY州弁護士となったあかつきには、事務所に貢献してくれることを期待してのことだったのだろう。  小室さんは今後の生活の基盤を米国に置く意向で、日本に背を向けた格好となった。だが、宮内庁は、穏やかならぬ空気に満ちているようだ。小室家の金銭トラブルへの解決に向けて尽力してきた西村泰彦宮内庁長官が、小室さんにさじを投げたというのだ。 事情を知る人物がこう話す。「西村長官は、なんとか皇室の儀式に則った結婚に着地できるよう、奔走してきました。だが、小室さんや母親の佳代さん、そして小室さんの弁護士らがとったここ数カ月の行動に対して思うところがある様子なのです」  これまで西村長官は、金銭トラブルについて国民にきちんと説明させるべく奔走してきた。小室さんの弁護士を宮内庁に呼び出すなど役所の範疇を超えて働きかけてきたのだ。その結果として小室さんは4月に、28枚の説明文書を公表することになった。 それからがまずかった。文書のなかで、小室さんは元婚約者男性にお金を払うことを「名誉の問題」にかかわるとして否定していた。 ところが、その4日後に一転。小室さんの弁護士は解決金を払うと発言し、混乱を招く羽目になったのは周知の通りだ。  この件について長官は記者会見で、「事前にも事後にも説明はなく、把握していない」と説明している。 前出の関係者も、こう話す。「長官にとって寝耳に水だったのは、その通りです。小室さんに文書を公表させるべく力を尽くした長官は、面目を潰される形となったわけです」  さらに、週刊誌を中心に、小室家の遺族年金詐取疑惑が再び蒸し返されるなか、6月発売の『文春WOMAN』では小室佳代さんの「いつ死んでもいい」といった発言が掲載された。  宮内庁関係者のひとりは、こう話す。 「真偽はともかく、このような騒ぎが起こること自体、皇族のお相手に相応しいものではない。ましてや、皇室には取り組むべき問題が山積しています。宮内庁としても、小室さんの金銭トラブルに対応し続けなければいけないのは、負担でしかない」 小室さんを支えていたのは、皇族である眞子さま、代理人弁護士。そして皇族である眞子さまのために、小室さんの金銭トラブルの解決に向けて奔走したのが、西村宮内庁長官と眞子さまの意見を聞きつつマスコミや宮内庁との調整役を務めていた、加地隆治皇嗣職大夫だった。「もはや、宮内庁トップである西村長官は、これ以上、小室さん問題のために動くつもりはないでしょう」(先の関係者) “チーム小室さん”は崩壊した。根強くささやかれていた、年内入籍のシナリオもまず、難しいと見られる。小室さんは、NYで新生活に向けた準備にいそしんでいる。日本で待ち続けるプリンセスを迎えに来るのは、いつになるのだろうか。(AERAdot.編集部 永井貴子)

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    小林麻耶が離婚へ 夫から解放されても修復が難しい「海老蔵一家」と「TBS」

     今年3月から別居状態にあった小林麻耶(41)と夫の國光吟氏(37)が離婚に向けて協議を始めたという。7月1日発売の「女性セブン」によると、当初は麻耶自身も別居が一時的なものになるか、離婚への準備期間となるかはわかっていなかったが、周囲のサポートもあり自分の意思で結論を出す段階に入ったようだ。 2人が結婚を発表したのは2018年7月。出会って2カ月、“交際ゼロ日”での電撃婚は周囲を驚かせたのはもちろんだが、國光さんの行うスピリチュアル色の強いセラピーやカウンセリングなどに傾倒する麻耶を心配する声も少なくなかった。「それ以降の2人の行動といえば、まるで麻耶さんのマネジャーのようにどこへ行くのにも國光さんが同行し、次第に仕事場でも國光さんが口を出すようになったといいます。そして昨年11月に『グッとラック!』(TBS系)の電撃降板と所属事務所との契約解除があり、麻耶さんの彼への依存ぶりが心配され始めました」(女性誌記者) 一時期は麻耶が「洗脳状態」にあるのでは?などと心配もされたが、次第に2人の関係は冷めていったようだ。結局、3月には別居となったが、國光氏と距離をとった麻耶を誰よりもサポートして見守り続けたのは、麻耶の母親だったという。「お母さんの元に戻ってからは、麻耶さんも徐々にこれまでのことを冷静に振り返ることができるようになったそうですが、最も彼女の心を揺り動かしたのは麗禾ちゃん(9)と勸玄くん(8)の存在です。國光さんと結婚してからは、海老蔵さん一家とも以前のように頻繁に関わることがなくなり、あれほどかわいがっていた子どもたちともここ1年ぐらいは会っていないといいます。お母さんは、麻央さんの闘病中には麗禾ちゃんと勸玄くんの面倒を見て家事一切を取り仕切っていました。お母さんから伝え聞く2人の様子やYouTubeで見る成長ぶりに会えない辛さが募ったのでしょう。そんな麻耶さんの異変に気づいて、お母さんはメンタル面も含めてフォローし続けているそうです」(同前) だが、仮に離婚が成立したとしても、今後の麻耶の状況が元通りになるかといえば、「すぐには難しいかもしれない」と芸能ジャーナリストは話す。「まずは麗禾ちゃんと勸玄くんとの関係です。麻央さんの闘病中はお母さんと共に彼女もよく面倒を見ていて、子どもたちも懐いていましたが、海老蔵さんが現在の状態のまま、麻耶さんと距離をとり続けるのであれば、以前のような家族ぐるみの関係に戻るには時間がかかるでしょう。海老蔵さんはこれからは『十三代目市川團十郎白猿』と『八代目市川新之助』の襲名披露公演も控えていますから、あまり“雑音”は入れたくないのではないでしょうか」 また、広告代理店関係者は麻耶の復帰をこう心配する。「いずれ麻耶さんも仕事復帰を考えているでしょうが、義理を欠くようなことをしてしまった古巣のTBSや前の所属事務所からのバックアップは期待できないでしょう。それ以上に、はたしてタレントとして需要があるのかも疑問です。國光氏とのお騒がせカップルのイメージがまだ根強く残っていますから、CMや司会などで起用するのは厳しいのでは」 麻耶はこの日、自身のブログを更新したが、離婚報道には言及しなかった。“目が覚めた”麻耶が目の前に待ち受ける新たな壁に気づき、それを乗り越えた時に、彼女は本当に自由になれるのかもしれない。(宮本エミ)

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    【独自】小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”

    「小室圭さんの実力では無理だと思います」 こう話すのは、全米で「トップ100」と呼ばれる大手弁護士事務所(ビッグロー)のパートナー弁護士のA氏。専門は、海外企業同士のM&Aなど。米国を拠点に世界を飛び回り、収入も桁違い。この姿こそ、小室さんが思い描く将来でもあるようだ。 昨年の秋ごろ、A氏の事務所に、働かせてほしい、と小室さんの「経歴書」のようなレジュメが別の弁護士を通じて届いたという。小室さんは、ニューヨークなど大都市での弁護士の仕事を探しており、ビッグローか、その下の規模のミッドローでM&Aなどをやりたいという。 A氏がそのレジュメを見て思ったのが、冒頭の言葉だ。なかでも、A氏が首をかしげたのがニューヨークのフォーダム大ロースクール(法科大学院)への留学の部分だ。「疑問なのは、彼がLLM(法学修士)のコースに入ったことです。しかも1年学んだ後に、JD(法務博士)コースに編入している。大きな事務所を目指してて、こんな動き方をするなんて聞いたことがない」 LLMとJDというのは、ロースクールでのコース名だ。米国の大学には法学部がなく、弁護士を目指す人は、大学卒業後にJDに入る。ここで3年間学び、事務所に入るのが一般的なパターンだという。 一方、LLMは、法律の資格を持つ外国人留学生が多いといい、「表現として正しいかわかりませんが、キャリアに“箔(はく)をつける”ようなイメージです」。 A氏によると、米国で弁護士となるのに重要なのはJDでの1年目だ。「米国での就職活動は、2年生の終わりの夏休みで終わります。事務所のサマープログラム(インターン)で働き、その後よほどのことがない限り、その事務所からオファーを受けて就職します。どの事務所のプログラムに入れるかは、1年時の成績で決まります。だから学生の競争も壮絶です。本を隠すなどの足の引っ張り合いもあります。小室さんはその1年をLLMに入っています」 ビッグローのインターンの募集は、ハーバードやエール、コロンビアといった有名大学で公募し、最初の書類選考で成績優秀者に絞り、次の面接で決まる。A氏が言う。「採用された学生には、1年目から19万数千ドル(2千万円以上)の給与が支払われます。それも5年くらいは半人前で、彼らから利益は出ません。それでも欲しい人材ということなんです。だから相当厳選します。原則でいえば、ビッグローはインターン以外の方法では採用しないです」 チャンスをつかめる学生は、ほんの一握りだ。小室さんは、そもそもLLMに入った時点で、希望するビッグローへの道は閉ざされたといっていい。なぜLLMに入ったのだろうか? A氏が話す。「こう言っては何ですが、彼の経歴に目を見張るモノはありません。あるとすれば眞子さまのフィアンセという一点。それでも奨学金を取得できたり、JDへ編入したり、弁護士が出てきて仕事を探したり。知恵をつけている人がいるんでしょう」 では、ビッグローは無理でも、M&Aは他でもできるのだろうか?「米国には約43万の事務所がありますが、M&Aの70%超は『トップ100』が扱っています。小室さんが弁護士として働くにはM&Aにこだわらないことですね。移民法の弁護士などは圧倒的に多い。日本人も多いです。もうからないので人気はないのですが」 そして、こう続けた。「詳しいことは申し上げられませんが、彼の『経歴書』を見る限り、とても“権威”が好きなんだと思います。M&Aも彼からすれば格好良く見えるんでしょうけど、実際は相当厳しい世界です。パートナー弁護士になるのは10年後くらい。それまで生き残っているのはわずかです。彼がそもそも弁護士という職業に向いているのか……。野心家だと思うので、ベンチャーのような起業家とかが向いているような気がします」(本誌・矢崎慶一)※週刊朝日  2021年9月17日号に加筆

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    Hey! Say! JUMP伊野尾慧くんが小中学生にアドバイス 「明確な数値で評価してもらえるうちに勉強しよう」

     放送中のドラマ「准教授・高槻彰良の推察」で、伊野尾慧くん(Hey! Say! JUMP)は大学で民俗学を教える主人公の高槻准教授を演じている。小中学生向けニュース月刊誌「ジュニアエラ」10月号では、伊野尾くんに役づくりや、作品の見どころなどを聞いたほか、小中学生からの質問にも答えてもらった。 *  *  * ――高槻彰良は「完全記憶能力」を持つ、クールで大人な准教授。演じるうえで、意識した点は?  実年齢より少し年上で、事件の謎を解いていくというキャラクターなので、ちょっとカッコよく、紳士的に見えるように、印象的な身ぶり手ぶりも加えられたらいいな、と思って演じていました。これまでは年下を演じることが多かったので、そうした役づくりも新鮮でした。 ――伊野尾くんから見て、高槻はどんな人?  高槻は人を観察することを通して、「じつはこういう思いがあるんじゃないか」と想像し、考えることができる人。見たものを全て一瞬で覚えられる「完全記憶能力」という特殊能力があるけれど、冷たい態度で謎を解いていくわけではなくて、人の気持ちをわかったうえで寄り添える人だと思う。特殊な能力がある人はどうしても、一般の人とはかけ離れた存在になってしまいがちだけれど、ちゃんと優しさがある人なのだろうなと思います。 ――演じてみて改めて感じた、“事件もの”や“推理もの”の面白さは?  やっぱり、謎解きならではの長ぜりふじゃないかな。謎を解くときは、周囲に対し得意げに説明することが多いけれど、普段の生活でなかなか経験できることではないから、演じていて面白いな、と。 ――長いせりふを言ううえで工夫している点は?  一つの空間で長いシーンが続く場合は、見ている人を飽きさせないようにしなければいけない。映像になったときのことを想像しながら、「この場所で相手と向き合ってお芝居をするとなると、自分は何ができるだろう」ということは、考えていましたね。例えば、鏡の話をしていたら、「現場のどこかに鏡はないかな」と探してみたり、僕がほかの登場人物よりも少し高い位置から話をすることで、より先生っぽい雰囲気を出してみたり。監督さんと相談しながら撮影していました。 ――伊野尾くんは芸能活動を行いながら、大学に通っていました。限られた時間でどのように勉強をしていたのですか?  大学生のときは、けっこう時間に追われる生活を送っていたな。でも、勉強することから逃げないで少し無理をしてでも頑張ってみると、メンタル(精神面)も鍛えられるようになる。社会人になると、スケジュールがタイトだったり、「大変だな」と感じたりするようなことがたくさん出てくるけれど、学生のときに大変なことを投げ出さないでいると、精神面でも体力的にも耐えられるようになる。  それに、小・中学生のうちは絶対に勉強をしておいたほうがいいと思うよ。「100点取れてすごい」と、明確な数値で評価してもらえるのは、小・中学生のうちだけで、社会に出たら“100点”なんてものはないからね。いまのうちに成功体験を積んでおいたほうが将来のためにもなると思う。 ――苦手な科目にはどう向き合っていましたか?  国語や英語、スポーツは苦手。でも、「苦手」って先入観からくる部分もきっと大きい。教科の最初のほうでつまずいてしまったり、先生の教え方が自分に合わなかったりすると苦手意識が芽生えてしまうけれど、それを取り払うのは本当に難しい。いまは動画を活用するなど、勉強の仕方もいろいろあるから、自分に合った手段を見つけ、勉強してみたらいいと思う。 ――「建築好き」という一面も。大好きなものに出合えたことは人生に何をもたらしてくれましたか?  建築を切り口にいろいろな場所を取材させてもらえるので、純粋に「楽しいな」と思います。小・中学生のうちは、大好きなこと、夢中になれることがあると時間を忘れられるよね。高校生や大学生になると、それぞれが部活や受験、バイトといったものに縛られ、好きなことにかける時間も少なくなってしまうけれど、小・中学生には「休み時間」という仲間と過ごす共通の場がある。仲間との時間、好きなことを一緒に楽しめる友達を大切にしてほしいな。 【教えて伊野尾くん! ジュニアエラ読者の質問に伊野尾くんが回答】 Q:テストの前はいつも不安でたまりません。どうしたらいいですか?(なっちゃん・小3) A:不安に思うということは、それだけ勉強に真摯に向き合ってきたということ。小学3年生だと「明日テストか。まあ、どうでもいいや!」と思ってしまう子たちも少なくないなかで、不安に感じていること自体がすごいと思う。不安は、努力を重ねることでしかぬぐえないから、前日までしっかり準備して乗り越えるしかないかな。 Q:怖い動画を見たら、それがトラウマになって、一人でおふろに入れません。どうしたらいいですか?(西本朋生・10歳) A:これは悩むね。一緒に入る人がいるのなら、一人で入らなくていいと思うし、それでも一人で入らなければいけないのなら、ちょっと勇気を出してみる。音楽を流しながらお風呂に入るなど、並行して違うことをやってみるのもいいかもね。 Q:前に無駄遣いをした経験で、全然モノが買えません。「無駄遣い」の基準って何ですか? (ペペみんなぺプー・中2) A:いまはきっと、ご両親のお金でモノを買ってもらっていると思うから、「無駄遣いだからやめなさい」と言われたりした経験が、無駄遣いの基準になっているんだよね。でも、自分にとってそれが本当に無駄なものなのかどうかはわからない。アルバイトや仕事を始めるようになると、手にした対価で何を買うかを考えるようになるから、そこで初めて自分なりの無駄遣いの基準ができてくると思うよ。(ライター・古谷ゆう子) ※月刊ジュニアエラ 2021年10月号より

    AERA

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    「自民党総裁選」書店では高市早苗が河野太郎を圧倒のワケ 『岸田ビジョン』は埋没

     17日に告示された自民党総裁選(29日投開票)は、いよいよ候補者同士の論戦がスタートした。その舞台は、テレビや記者会見だけではない。実は書店の場でも、候補者の著書が“デッドヒート”を繰り広げている。特に好調なのは、高市早苗前総務相の著書だ。9月15日の発売以降、万単位での重版を重ね、“河野本”に2倍以上の部数差をつけている。実売でみても、アマゾンの総合ランキングで1位が続き、若い女性層にも売れるという政治本では異例の展開をみせている。なぜこれほどまでに売れるのか。実態を取材した。 *  *  * 候補者の著書の中でとりわけ売れているのが、高市早苗氏の『美しく、強く、成長する国へ。―私の「日本経済強靱化計画」―』だ。出版社は、雑誌『Will』などを発行する株式会社ワック。同社の出版局長は、「爆売れです。当初の想定をはるかに上回る。ここまで売れるのはびっくりです」と喜びを口にする。  アマゾンでは発売前から予約が相次ぎ、9月5日から総合ランキング1位。22日時点まで、一時的に2位に下がることはあったが、ほとんどの期間で1位が続いている。 「アマゾンの総合ランキングで1位を2週間も続けている状態は、日本中で今一番売れている本だと言っても過言ではないと思います。書店には店頭在庫を行き渡らせるようにしていますが、アマゾンの方では配達までに時間がかかるケースもありました。注文が一気に集中して、さばききれなかったのだと思います」(同)  22日16時時点でも、高市氏の著書は1位をキープ。一方、8月27日に発売された河野太郎行政改革相の著書『日本を前に進める』(PHP新書)は74位。発売日にずれがあるとはいえ、売れ行きは高市氏が突出している。  リアル書店ではどうか。書店の展開では、高市氏の著書が発売される9月15日以前までは、河野氏の「一強」だった。ほかの候補者では、岸田文雄前政調会長が昨年9月に出版した『岸田ビジョン 分断から協調へ』(講談社)や、野田聖子幹事長代行が2018年に出した『みらいを、つかめ多様なみんなが活躍する時代に』(CCCメディアハウス)があるが、発売から月日がたっていることも影響しているのか、河野氏には及ばない。  だが、高市氏の著書が発売された15日以降、書店での勢力図が一気に変わった。15日と18日、丸善丸の内本店に足を運んだところ、15日時点では、エントランスのある1階で河野氏・高市氏の著書が4面ずつと均等に配置されていたが、18日時点では、1階では河野氏が3面、高市氏が5面に。2階の新書スペースでは、“高市本”が“河野本”の5倍ほどの面数で大々的に積まれていた。  三省堂書店神保町本店では、新書の週間ランキング(22日時点)で、高市氏の著書が1位。河野氏は5位だった。岸田氏の著書は両氏に比べると展開が薄く、野田氏の著書は在庫がなかった。  部数面では、河野氏の著書『日本を前に進める』は初版5万部と強気で、出版社からの期待の高さがうかがえた。8月27日の発売以来、何度も重版を重ね、今月17日時点で累計発行部数は5万9000部(4刷)だという。 「テレビなどメディアで紹介されることも多く、おかげさまで売れています」(PHP研究所広報担当者)  だが、高市氏の勢いはそれを凌駕している。  前出のワック出版局長によれば、初版は1万7000部だったが、6回にわたる重版で部数を一気に増やし、21日時点で13万7000部。実売もすでに6万部を超えており、刷り部数の5割近くに達しているという。  発売当初から毎日重版しているような状況です。たった1週間で10万部超えとなった本は弊社でも初めてです。ある大手チェーンの売り上げでは、2位の東野圭吾さんの新刊小説と桁が一つ違います」  発売後、書店からの評価もがらりと変わったという。 「政治本は売れないイメージを持たれている書店さんは多い。9月5日に先行販売を始めた紀伊國屋書店さんでも、当初はあまり気乗りしない様子でしたが、結果的に大変好調な売れ行きでした。安倍晋三前首相が高市さんの支持に回るというニュースが出てから、風向きが変わったように思います。書店さんからは『政治本でこれだけ売れてるのは驚き』という声もいただいていますし、政治本でこれだけ売れるのは、田中角栄の『列島改造論』以来なんじゃないかと言われたほどです」(同)  読者層でみると、男性読者は50代が多い。一方、女性の読者層では特異なデータが出たという。 「弊社の本の購買層は、通常であれば年配の方が多いのですが、高市さんの本に関しては30~40代の女性が多く、10代~20代の若い女性も買われているのが特徴です。『10代~40代女性』の合計値が、人口の多い層の『50代以上』の女性の約2.5倍というデータも出ています。若い女性からは、『高市さんが総理になれば痛快だ』といった声も聞かれました」  同出版局長は「個人的な意見ですが」と前置きした上で、高市氏への思いも語る。  テレビや新聞では河野さんが優勢という報道も多いですが、読者からの感想や書店での売れ行きを見ていると、高市さんが勝つ可能性も十分あると感じています。本の売れ行きだけで見たら総裁確実です。100代目の総理が初の女性となれば、さらに盛り上がると思います。ぜひ総裁になってほしいですね」  河野氏と高市氏の著書で、ここまで差が開いたのはどうしてなのか。出版物の動態調査などを手がける出版科学研究所の担当者は次のように推測する。 「高市さんの著書は、総裁選の公示日の少し前の9月15日の発売というタイミングが良かったのかもしれません。また、河野さんはこれまでもメディアやSNSなど、自らが前面に出て発信してきましたが、高市さんはそれまでメディアに出る機会はあまりなく、新鮮味がある。どんなことを考えているのか知りたい方も多いのではないか」  出版業界に関する数々の著書があるフリーライターの永江朗氏は、別の視点からこう分析する。 「保守思想のネット民たちと親和性の高い本は固定ファンがいて、ある程度確実に売れる数が見込めます。そのジャンルの人の本や、あるいは似た匂いのする本は必ず買うという人が一定数います。これまでも百田尚樹氏の著書や、明治天皇の玄孫である竹田恒泰氏の著書などが売れてきました。今回の候補者の中で高市さんの本が突出しているのは、それだけ彼女の保守主義的な言動や唱える歴史観が、保守的思考のネット民のマインドと親和性が高いからでしょう。高市さんと思想の近い安倍さんの支持層を中心に購買につながっているのだと思います」  自民党総裁の座に就けば、著書はさらなる売り伸ばしのチャンスを得る。それぞれの出版社は総裁選の動向を、固唾(かたず)をのんで見守っている。(AERA dot.編集部・飯塚大和)

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    煉獄杏寿郎よ、永遠に 『無限列車編』で煉獄が最後に見た“夢”が暗示していたもの

    【※ネタバレ注意】以下の内容には、映画、今後放映予定のアニメ、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。25日、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が地上波で初放送された。映画公開直後から煉獄杏寿郎の雄姿には多くの人が涙したが、初めて『鬼滅の刃』を観た人たちの心にも感動をもたらしたにちがいない。クライマックスは猗窩座戦だが、実は魘夢戦で煉獄が見た“夢”をめぐる描写には謎も多く、鬼滅ファンの間でもさまざまな意見がある。今回は魘夢戦での煉獄杏寿郎の“夢”を中心に振り返り、彼が人生をかけて守りたかったもの、大切にしたかったものを考察する。 *  *  *■守るべき乗客は200人「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」では、鬼の上位実力者である下弦の壱・魘夢(えんむ)と上弦の参・猗窩座(あかざ)が登場した。この鬼たちは、これまで主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が戦ってきた鬼と比べると、その実力をはるかに上回った。 無限列車編では、戦闘の舞台も過酷だった。高速で走る汽車、日輪刀が振りづらい狭い列車通路、戦力を分散させられる長い車両……悪条件のなかで、炎柱・煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)、炭治郎、伊之助(いのすけ)、善逸(ぜんいつ)と、鬼の禰豆子(ねずこ)は、8両の乗客すべてをたった5人で警護することになった。 無限列車の乗客はなんと200人。この大人数の一般市民を危険にさらしている鬼こそ、人間に“夢”を見せる鬼・魘夢だった。■「夢を見せる鬼」魘夢 魘夢は慎重な性格で、鬼殺隊との直接的な対峙を避けようとする。まずは、敵である剣士に夢を見せて油断を誘い、その間に「精神の核」と呼ばれる、「人間の心の本体」を攻撃するのだ。「精神の核」を破壊された人間は、廃人のようになってしまう。「精神の核」を攻撃するのは、魘夢の手先にされている“人間”だ。彼らは魘夢から「幸せな夢」を見せてもらう対価として、魘夢の言いなりになっていたのだ。  病苦から逃れたい人、亡くなった家族と再会したい人など、「苦悩からの逃げ場」として“夢”が描かれている。そして、煉獄たちもこの魘夢が見せる夢に翻弄された。現実世界で生きるのがつらい人であればあるほど、魘夢にとっては「戦いやすい敵」なのだ。■魘夢が最初に見せた“夢”  魘夢との戦闘開始時に、煉獄たちは敵の襲撃に気づかないまま眠らされる。そして、夢の中で2体の鬼と戦った。<その巨躯を!!隠していたのは血鬼術か 罪なき人に牙を剥こうものならば この煉獄の赫き(あかき)炎刀が お前を骨まで焼き尽くす!>(煉獄杏寿郎/7巻・第54話「こんばんは煉獄さん」) ここで煉獄が斬ったのは、漫画の原作にも登場する、ツノがいくつも生えた巨大な鬼だ。その次に煉獄は、劇場版にだけ登場する、手足が異常に長い鬼を成敗した。しかし、劇場版の観客も、コミックスの読者も、この場面が現実なのか夢なのかで意見が分かれたことがあった。■“夢”なのか“現実”なのか?  結論から言うと、この2体の鬼との戦闘シーンは「夢の中」の出来事である。煉獄だけが見た夢、あるいは煉獄、炭治郎、伊之助、善逸がそろって見た夢と解釈するのが正しいと思われる。その理由を2つ挙げる。 1つ目に、無限列車では、魘夢に操られた車掌が、切符を切るために乗客席を巡回している。魘夢の血鬼術は、切符を切った瞬間に発動するように仕掛けがしてあった。よって、切符が切られたその時から、煉獄たちは魘夢の術中に落ちたと考えるのが妥当である。 2つ目に、煉獄が鬼を倒した時には、煉獄が繰り出した「炎の呼吸」の技によって、周囲の乗客席が壊れている様子が描かれている。しかし、次のシーンで煉獄たちの座席に場面転換すると、彼らが眠っている周辺は何も破壊されておらず、床もきれいなままだった。夢の中の出来事だからだ。 さまざまな解釈が生まれるのも、現実に限りなく近い夢、という演出の妙が光っているからだろう。 ■煉獄杏寿郎が見た夢  魘夢は「幸せな夢を見せた後で 悪夢を見せてやるのが好きなんだ」と言っているように、まずは「幸せな夢」を見せて敵の油断を誘う。したがって、煉獄や炭治郎たちに見せた夢は「幸せな夢」のはずだ。 しかし、煉獄杏寿郎が見た夢は、「幸せな夢」とは言いがたい。冒頭の鬼2体を倒し、後輩剣士たちに慕われる夢は、煉獄が日常的に体験していることだ。さらに、その後、煉獄が見たのは、炎柱就任という誉れ高い日に、父からそれを罵倒される場面、それを知った弟が涙する場面だった。 煉獄が見た夢は、過去に実際にあった出来事を元にした“現実”そのものであった。 ■煉獄杏寿郎は幸せだったのか? 煉獄が父に炎柱就任を伝えに行った時、父は息子の顔すら見ようとせず、「柱になったから何だ くだらん…どうでもいい」と言い捨てた。煉獄は驚きと悲しさをにじませながら、自分の心を立て直すために「考えても仕方がないことは考えるな」と自分に言い聞かせていた。 そんな父の態度と兄の我慢を目の当たりにして、弟・千寿郎(せんじゅろう)は大粒の涙を落とす。煉獄は弟を優しく抱き寄せてこう語りかけた。<頑張ろう! 頑張って生きて行こう! 寂しくとも!>(煉獄杏寿郎/7巻・第55話「無限夢列車」) 多くの人の命を救い、その身をか弱き人たちのためにささげた炎柱・煉獄杏寿郎は「寂しかった」。その寂しさ、悲しさを父に打ち明けられぬまま、煉獄は20歳という若さで、一般市民と後輩の盾となり、その命を落とした。 ■“強い炎柱”が残したもの 煉獄杏寿郎は鬼殺隊「柱」として、その場にいたすべての人を守りきった。自分の命と引きかえに。煉獄は死の直前に、炭治郎たち後輩剣士にこんな言葉を残していた。<柱ならば誰であっても同じことをする 若い芽は摘ませない><今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ 俺は信じる 君たちを信じる>(煉獄杏寿郎/8巻・第66話「黎明に散る」)  鬼を連れ歩く炭治郎、泣き虫で自分に自信がない善逸、孤独に山奥で育った伊之助。彼らにとって、自分を信じて、認めてくれた煉獄のこの言葉は“大切な宝物”になった。しかし、炭治郎は深い悲しみから「煉獄さんみたいになれるのかなぁ…」と弱音を口にしてしまう。それを見た伊之助がこう叫んだ。<信じると言われたなら それに応えること以外考えんじゃねぇ!!>(嘴平伊之助/8巻・第66話「黎明に散る」) 強く優しい炎柱はもういない。彼らはもっともっと強くならねばならなかった。煉獄との戦いを契機として、炭治郎、伊之助、善逸は以前よりもさらに任務に励むようになった。 ■煉獄杏寿郎の生きざま  では、煉獄杏寿郎自身は幸せだったのか。煉獄の最期を見届けた人は、それぞれに思い浮かべた彼の姿があるはずだ。 煉獄は、鬼殺隊の剣士になれない弟に、鬼狩り以外の生き方を認めた。立ち直れない父の健康を心配し続けた。あの、一見すると日常の風景でしかない家族との思い出が、すれ違いの場面も含めて、煉獄には大切なものだったのだ。「その力を世のため人のために」使いなさいと、幼い煉獄にさとした亡き母が、「立派にできましたよ」と彼のことを褒めてくれた。 最期の場面で、煉獄は笑っていた。幸せだったのかどうかは、言うまでもないだろう。それが彼の「生きざま」の答えなのだ。 ◎植朗子(うえ・あきこ)1977年生まれ。現在、神戸大学国際文化学研究推進センター研究員。専門は伝承文学、神話学、比較民俗学。著書に『「ドイツ伝説集」のコスモロジー ―配列・エレメント・モティーフ―』、共著に『「神話」を近現代に問う』、『はじまりが見える世界の神話』がある。

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    我妻善逸が「遊郭の鬼」に放った“予想外”のセリフ 『鬼滅の刃』アニメ2期の見どころ

     竈門炭治郎の親友・我妻善逸は、『鬼滅の刃』におけるキーパーソンのひとりである。臆病で、訓練と任務が嫌い、女の子が大好きで、お調子者。そんなふうに、善逸はコミカルな性格が強調されている。 その一方で、明るく、人の心の機微に敏感な善逸のさりげない優しさには、多くの人が救われてきた。しかし、2021年に放映予定のアニメ第2期「遊郭編」では、善逸の「いつもとちがう一面」が描かれている。どんな時に、善逸は、“善逸らしくない行動”をとるのだろうか。そこから浮かびあがる、善逸の真の姿について考察する。【※ネタバレ注意】以下の内容には、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。*  *  *■三枚目なキャラクター・我妻善逸 我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)は、『鬼滅の刃』のメインキャラクターで、主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)の親友である。最前線で過酷な鬼狩りの任務にあたり、竈門兄妹を支える重要な人物だ。 しかし、彼のキャラクターは、いわゆる「三枚目」である。コミカルで、面白おかしい言動が繰り返される。「最終選別」の場面では、悲壮な顔で鬼殺隊入隊試験に挑んでおり、「ここで生き残っても結局死ぬわ」と言いつづけるなど、他の志願者に比べて「臆病者」に描かれている。また、鬼殺隊に入隊した者は、伝令役のカラスを得るが、善逸だけはかわいらしいスズメがつけられており、剣士としての重厚感はあまりない。 さらに、初任務では、道中で初対面の女の子にプロポーズをしたり、炭治郎に助けてくれと懇願したりと、周囲をあきれさせる場面がつづく。<俺はな もの凄く弱いんだぜ 舐めるなよ 俺が結婚できるまで お前は俺を守れよな>(我妻善逸/3巻・ 第20話「我妻善逸」)■隠された善逸の戦闘力 しかし、善逸はただの臆病者でも、単なる女好きでもなかった。鬼のひそむ屋敷に突入する際、恐怖からいったんは拒否するものの、鬼殺隊ではない一般の少年を救うために、勇気をふりしぼろうとする。<俺が何とかしなくちゃ 俺が守ってあげないと可哀想だろ!!>(我妻善逸/3巻・ 第23話「猪は牙を剥き 善逸は眠る」) そして、責任感と正義の心、それに反する恐怖によって、善逸は極度の緊張状態から「眠り」におちいってしまう。しかし、この「昏倒(こんとう)」こそが、「自信のなさ」から自らを解放する「覚醒」の鍵になるのだ。<雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃(へきれきいっせん)>(我妻善逸/3巻・ 第23話「猪は牙を剥き 善逸は眠る」) 実は善逸は、元鳴柱・桑島慈悟郎(くわじま・じごろう)の弟子で、「雷の呼吸」の後継者のひとりだった。善逸の技の威力とスピードは、鮮烈な印象を見る者に与える。まさに「雷」の名にふさわしい強さだ。■善逸の優しさと信念 善逸が強さをみせるのは、「眠っている」時だけではない。「鼓の鬼」の館に突入していた、嘴平伊之助(はしびら・いのすけ)が、炭治郎の「箱」を破壊しようとしたことがあった。 この箱には鬼の妹・禰豆子(ねずこ)が隠されていた。伊之助が攻撃したのは、炭治郎の箱に鬼の気配を感じたからで、鬼を滅殺しようとした伊之助の判断はまちがっているわけではない。伊之助も善逸も、箱の中身がどんな鬼なのかはわからないのだから。 しかし、善逸は炭治郎を信じて、その箱を命がけで守ろうとした。<炭治郎…俺…守ったよ…お前が…これ…命より大事なものだって…言ってたから……>(我妻善逸/3巻・ 第25話「己を鼓舞せよ」) さらに善逸は、隊士同士だからという理由で、伊之助に痛めつけられても、日輪刀を抜こうとはしない。「鬼殺隊でありながら鬼を連れてる炭治郎 でもそこには必ず事情があるはずだ」という信念のもと、善逸は誰も傷つけない。<俺は自分が信じたいと思う人を いつも信じた>(我妻善逸/4巻・ 第26話「素手喧嘩」) 善逸は、自分が傷つくことも、三枚目であることもいとわない。他者を信じ、その信念のために、自分をかけることができる「強さ」を持っている。■善逸の「勇気」「遊郭編」のエピソードがはじまる直前の任務で、善逸は、炭治郎らとともに、炎柱・煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)の死を見届けている。あの強い炎柱の死は、鬼殺隊の任務がいかに「死」と近いものか意識させるものだった。鬼の実力者「十二鬼月(じゅうにきづき)」との遭遇の危険性も高まっていた。しかし、善逸はこの頃から、任務に向かうことを拒否しなくなっている。煉獄の生きざまから、自分がなすべきことを再認識したからだ。 そんなある日、音柱・宇髄天元(うずい・てんげん)が遊郭での任務のため、実戦経験が不十分な少女たちを、潜入員として連れて行こうとする。善逸は、上官である柱への指示を聞かず、止めに入る。<アアアアアオイちゃんを放してもらおうか たとえアンタが筋肉の化け物でも俺は一歩もひひひ引かないぜ>(我妻善逸/8巻・ 第70話「人攫い」) 宇髄が放った気迫に気おされながらも、善逸は、言葉のとおり一歩も引かない。■「遊郭編」でみせた“善逸らしくない”行動 善逸は、自分を卑下したり、弱音を吐くことはあるが、他人に恥をかかせたり、自分を偽ったりはしない。くだらない出来事に大騒ぎはするが、静かに怒る場面は珍しく、数少ない「真の怒り」のシーンには、「善逸の本質」が隠されている。 ひとつ例をあげると、「遊郭の鬼」との戦闘に際して、善逸が厳しい表情で鬼に謝罪を求める場面がある。<俺は君に言いたいことがある 耳を引っ張って怪我をさせた子に謝れ>(我妻善逸/10巻・ 第88話「倒し方」) 真剣に謝罪を求めるこの時の善逸は、いつもと表情がまったく違う。遊郭潜入のために奇妙な化粧をしているが、その面白さも吹き飛ぶほどに、彼の表情は険しい。 そもそも、この場面のセリフ自体が奇妙である。鬼は人を喰う。善逸が話をしているこの鬼は、無数の人間を食料にしており、少女にけがをさせたかどうかなどは、些細なことでもある。善逸の語りかけに対して、「遊郭の鬼」は、「この街じゃ女は商品なのよ 物と同じ」と答える。これは1つの悲しい真実だ。 しかし、善逸は鬼に対して、「自分がされて嫌だったことは人にしちゃいけない」と説く。「遊郭の鬼」が、かつて「物として扱われた」悲しい過去を持っていることを、相手のセリフから察しつつも、それでも、その鬼に「人としての思いやりを失ってはいけない」と言っている。君を物として扱う人がいなかったら、君も鬼になっていなかったのではないか……。■善逸の本心 善逸の言葉は、単純に鬼を責めているのではなく、「人間の持つ悪」「社会の悪」を問い直す意味も持っている。善逸のあの「怒り」は、「遊郭編」で描かれている「他者をふみにじる者」すべてに対する怒りだ。善逸は、悲しみが悲しみを生む、そんな厳しい現実を少しでもなんとかしたかった。苦界で生きるために、鬼にならざるをえなかった人物だったからこそ、善逸は、弱者に対するその残酷な行為を止めずにはいられなかった。 善逸は、人間として生の不幸を知っても、すべての「人」に、人として生きろと呼びかけつづける。愚直でありながら、強い信念。善逸は、夜が明けるその時が来ることを願って、悲しみの中で戦い続けるのだった。◎植朗子(うえ・あきこ)1977年生まれ。現在、神戸大学国際文化学研究推進センター研究員。専門は伝承文学、神話学、比較民俗学。著書に『「ドイツ伝説集」のコスモロジー ―配列・エレメント・モティーフ―』、共著に『「神話」を近現代に問う』、『はじまりが見える世界の神話』がある。

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    『鬼滅の刃』特別編集版で注目された「柱合会議」で風柱・不死川実弥が怒り狂った本当の理由

    【※ネタバレ注意】以下の内容には、既刊のコミックスのネタバレ、今後放映予定のアニメの内容が含まれます。 23日、アニメ1期特別編集版の最後となる「柱合会議・蝶屋敷編」が放送された。この柱合会議では、主人公の炭治郎が鬼になった妹を連れていることが問題となった。これに対して風柱・不死川実弥は怒り狂い、禰豆子を串刺しにするというショッキングなシーンもあった。静観の構えをみせる「柱」もいた中で、なぜ彼はここまで激しい怒りをあらわにしたのか。それには、実弥の過去にまつわる“重大な理由”があった。(本記事はアニメ特別編集版と、原作の漫画『鬼滅の刃』を参照しています) *  *  * ■紛糾する柱合会議  鬼狩り組織・鬼殺隊の中で、屈指の実力者は「柱」と呼ばれている。その柱たちが集う柱合会議で、竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が鬼の禰豆子(ねずこ)を連れていることが問題になった。9名の柱たちは竈門兄妹に厳しい言葉を口にする。 煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)は竈門兄妹の斬首を主張し、宇髄天元(うずい・てんげん)も悲鳴嶼行冥(ひめじま・ぎょうめい)もそれに同調した。伊黒小芭内(いぐろ・おばない)は炭治郎をかばった冨岡義勇(とみおか・ぎゆう)の責任にも言及する。裁きに無関心な時透無一郎(ときとう・むいちろう)と、炭治郎に同情的な甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり)は、冒頭場面では他の柱の制止等はしていない。 混乱する柱合会議の中、禰豆子が入った箱を持った不死川実弥(しなずがわ・さねみ)が、恐ろしい形相でその場にやってきた。<鬼を連れてた馬鹿隊員はそいつかいィ>(不死川実弥/6巻・第45話『鬼殺隊柱合裁判』) ■不死川実弥の異様な態度 <鬼が何だって?坊主ゥ 鬼殺隊として人を守るために戦えるゥ? そんなことはなァ ありえねぇんだよ馬鹿がァ>(不死川実弥/6巻・第45話『鬼殺隊柱合裁判』)  そう叫ぶや否や、実弥は箱もろとも禰豆子を日輪刀で突き刺した。この実弥の行為に反応したのは、義勇、しのぶ、蜜璃、そして炭治郎だった。禰豆子は苦痛の声すら発することもできない。 ここまでの場面から分かるのは、おそらく禰豆子についてはできる限り裁判の場には連れ出さない予定だった、ということだ。そして、それを指示していたのは蟲柱の胡蝶しのぶだったと思われる。鬼殺隊後方支援を担当している「隠」(かくし)が禰豆子の箱を戻すように実弥に頼んでおり、さらにしのぶにむけて「胡蝶様 申し訳ありません…」と謝っているからだ。また、実弥に対してしのぶは「不死川さん 勝手なことをしないで下さい」と普段の笑顔とは異なる厳しめの表情で、その行為を牽制した。 しかし、実弥は「鬼化した禰豆子と、それを連れている炭次郎」への怒りを止めることはできなかった。伊黒も実弥と同じような意見で、同様の態度を見せている。 ■加速する実弥の怒り  実弥は鬼殺隊の総領である産屋敷耀哉(うぶやしき・かがや)には大恩があり、信頼していた。しかし、その尊敬するお館様・耀哉が「炭治郎と禰豆子のことは私が容認していた」と答えたため、驚きを隠せなかった。<鬼を滅殺してこその鬼殺隊 竈門・冨岡両名の処罰を願います>(不死川実弥/6巻・第46話『お館様』) 耀哉は禰豆子容認の根拠として、冨岡義勇とその師である鱗滝左近次(うろこだき・さこんじ)が、竈門兄妹の助命嘆願のために切腹をかけているという手紙を読み上げさせた。同じ柱として、ともに鬼の滅殺に命をかけてきた義勇までもが、鬼をかばっていることが、実弥にはどうしても理解できない。 鬼殺隊の構成員たちは、ごくわずかな者をのぞいて、ほとんどが家族や兄弟、恋人や友人など、大切な人間を鬼に食われている。鬼のいない世を作るために、鬼殺隊の隊士たちは命をかけて戦っているのだ。最前線で戦う実弥は死にゆくたくさんの仲間たちを目にしている。感じている責任の重さも並大抵のものではないだろう。  日々失われる仲間の命、大切な人を殺された過去。その思いを共有しているはずの耀哉と義勇が鬼をかばうことに、実弥は激しくいきどおった。これは不死川実弥という人物の本質が、仲間思いで、柱としての責任感が強いことの裏返しだ。 ■実弥と禰豆子 <わかりません お館様 人間ならば生かしておいてもいいが 鬼は駄目です 承知できない>(不死川実弥/6巻・第46話『お館様』) そして、実弥は自らの腕を傷つけ、その血を禰豆子に見せつけた。禰豆子は直前に実弥の日輪刀でケガをさせられており、傷の修復のために飢餓状態も高まっていた。しかし、禰豆子は実弥への攻撃と捕食をなんとか思いとどまる。この一件をもって、禰豆子が人間を襲わないことの証明は終わり、実弥もいったんは竈門兄妹の処罰を諦めるしかなくなった。 なぜ、実弥はこんなにも鬼に怒るのか。他の隊士たちも、同じような境遇で苦しんでいるのに、一応は我慢し、実弥ほどは禰豆子への処罰を強くは主張していない。 ■実弥の怒りの理由  実は実弥は、自分が「もっとも信頼する人物」が鬼化させられており、その時に大切な人を複数失っている。実弥の傷は、鬼殺の任務中に負ったものもあるが、その中には、当時の事件の傷も残っている。 鬼化がもたらす「人格的変化」を目の当たりにしているからこそ、実弥はすべての鬼を信用できない。かつて鬼化した「もっとも信頼する人物」への愛情の深さゆえに、鬼化=その人物の人格の死、と理解しているのだ。 さらに実弥は、自分の実弟を鬼の脅威から守るために鬼殺隊へ入隊している。鬼には知性があり、言葉をあやつり、時に人間に擬態もするため、人間をだますことも容易である。鬼の強大なパワーも考慮すると、鬼殺隊隊士は、鬼に遭遇した瞬間すぐに滅殺する体勢をとらないと、被害が増えることは明白なのだ。 これらの理由から「鬼を全て駆逐すること」を誓っている実弥の思考と判断は間違っていない。 ■不死川実弥の「柱」らしさ  柱合会議の時の竈門兄妹への暴力、攻撃を見ると、不死川実弥には「狂気」があることは間違いない。しかし、場面をよく確認すると、彼にはやはり柱に選ばれるだけの度量や思慮深さがあることが分かる。 最初に禰豆子の箱を他の柱たちの前に持ってきた時、本当に問答無用であれば、その時点で禰豆子に致命傷を負わせることは実弥には簡単だったはずだ。鬼の帯同など許せるはずもない、という感情を持ちながらも、状況を正確に見極めようとしたために、炭治郎の前にわざわざ禰豆子を連れ、義勇としのぶの言葉にいったんは耳を貸し、耀哉の考えを聞こうとした。一見、暴れ狂っているように見える実弥の言葉からは、深い悲しみと恨み、そして葛藤がにじみ出ている。 今後、物語が進む中で、不死川実弥の過去が徐々に明らかになっていくが、これは『鬼滅の刃』においても屈指の悲しいエピソードである。読者とアニメ視聴者は、その過去を知れば知るほど、この「柱合会議」の際の実弥の忍耐力と、彼の真意に思いをはせることになる。今後のアニメの展開が楽しみでならない。 ◎植朗子(うえ・あきこ)1977年生まれ。現在、神戸大学国際文化学研究推進センター研究員。専門は伝承文学、神話学、比較民俗学。著書に『「ドイツ伝説集」のコスモロジー ―配列・エレメント・モティーフ―』、共著に『「神話」を近現代に問う』、『はじまりが見える世界の神話』がある。

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    早稲田に青学…私大文系で科目数増やし「国公立化」の動き 大学の思惑はどこに

     大学入学共通テストの導入にともない、科目数を増やすなど入試改革を行った私立大も出てきた。共通テストをAERA 2021年9月27日号は「大学入試」を特集。 *  *  *  21年春、初の共通テストに合わせて、大学の入試改革が注目された。主に首都圏の私立難関大で、共通テストを必須化、受験科目を増やしたケースがあった。  早稲田大学の政治経済学部は、共通テストで数学I・Aの受験を必須とした。志願者数を約3割減らすこととなったが、河合塾・教育研究開発本部主席研究員の近藤治さんはこう話す。 「経済系は入学後に確率統計を使います。早稲田は大学での教育の内容と、これまで数学が必須ではなかった入試が、リンクしていなかったと考えているのでしょう。受験者数が減ったものの、河合塾の調べでは、受験者の学力層は変わりませんでした」  青山学院大学の多くの学部は、「個別学部日程」の入試方式で、共通テストに加えて、独自の総合問題を課した。志願者数を約4割も減らした。 「別の大学を狙いつつ併願しようと思っていた人は、特別の準備が必要だから、避けたのかもしれない。ですが、全学部方式の志願者数は7%増えました。絶対に青学に行きたい人は受けたのだと思います」(教育ジャーナリストの神戸悟さん)  では22年度は。 「過去問ができましたし、これ以上志願者が減ることはないと思います。志願者が減少した翌年の入試では逆に増えるという『隔年現象』と呼ばれる現象が起こるとよくいわれるのですが、今回は入試の設定が特殊なので、そこまで増えないのではないでしょうか」(神戸さん)  ほとんどの私立大文系学部が、英語・国語・地歴公民もしくは数学の3教科型のスタイルのなか、こうした受験科目を増やして「国公立化」する大学の思惑は何か。 「21年はコロナで地元志向が高まり、都内の大学では地方の受験生がかなり減りました。でも、たくさんの人に受けてもらわないと、レベルが下がることは目に見えています。私立大は地方の優秀な受験生を求めています」(大学通信・常務取締役の安田賢治さん) ■推薦入試も活用して 改革の傍ら、21年度入試はコロナ禍の影響で、個別試験をやめて共通テストだけで合否判定をした国公立大学もあった。横浜国立大もその一つ。志願者数が4割減少した。 「共通テストだけの判定ですからボーダーラインがかなり高くなるだろうと、避けた受験生も多かった。ただ、横国が個別試験をしないと発表したのは20年夏で、今にして思えば英断だったと思います。信州大や宇都宮大は、共通テストの自己採点をして、これから出願しようというときに、個別試験をやめると表明しました。個別試験で挽回しようと思っていた受験生には、たまったものじゃありません」(神戸さん)  22年度はこうした動きが落ち着くとみられる。 「21年度はコロナ禍のまっただ中で実施されたので、大学の対応も特殊でした。横国も22年度は個別試験を行います。感染の状況がよほどひどくならない限り、急な変更はないと思います」(神戸さん)  大学通信の安田さんは、推薦をもっと活用すべきだと考える。 「コロナ禍で学校活動が制限されたことで、21年度は推薦入試の出願をあきらめた人がいましたが、もったいない。たしかに英検もなく、全国的な大会も開かれませんでした。生徒は自分にはセールスポイントがなく、応募資格がないと考えたようです。でも、それで十分です。大学は活躍だけを求めているわけではありません。例えば、コロナ禍にこんな練習をしたとPRするのもいいでしょう。指定校推薦だけでなく、総合型選抜のような公募型を活用する手もあります」  共通テストの出願は10月7日まで。希望者は忘れないようにしたい。 「点数のよし悪しにかかわらず、共通テストのスコアを持っていることは重要です。例えば、21年度の横国の理工学部は、80人の欠員を補う2次募集を行うとき、共通テストの点数で判定しました。共通テストを受けていなければ、出願自体できません」(神戸さん) ■コロナ次第で状況反転  河合塾の近藤さんも言う。 「コロナに感染して個別試験を受験できなくなった場合、共通テストを受けていれば判定してくれる大学もあります。セーフティーネットとして、受けておいた方がいいでしょう」  最後に、今後のポイントをエキスパートたちに聞いた。 「天王山といわれる夏休み明けは、志望校を固め始める時期になります。9月以降の模試の結果で、22年度の入試がどういう動きになるか見えてきます」(近藤さん) 「11月ごろの時点で感染が拡大していれば、21年度の入試のような傾向が続くでしょうが、ある程度収まれば、状況は反転して、コロナ前に戻っていくのではないかと思います」(駿台教育研究所・進学情報事業部部長の石原賢一さん) (編集部・井上有紀子)※AERA 2021年9月27日号より抜粋

    AERA

    18時間前

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    小室圭さん帰国「だめんずではない!眞子さま、しんどくなったら帰ってきて」漫画家の倉田真由美さん

     秋篠宮家の長女、眞子さま(29)と結婚に向けて27日に一時帰国となった小室圭さん(29)。かつて、小室さんを“売れないミュージシャン”と例えた、『だめんず・うぉ~か~』の著書がある漫画家の倉田真由美さんは、いま改めておふたりの結婚に向けて、小室さんに「いいとこ見せてよ」と言う。 *  *  *  倉田さんが“小室圭さんは売れないミュージシャン”とバッサリ斬っていたのは、母親と元婚約者の金銭トラブルが騒がれていた頃。 「そんなこと言ってましたっけ!?(笑)そう言ったのは、収入のことが一番気になっていました。ミュージシャンと例えましたが、夢を追いかけるのはいいけど、金額が多いとか少ないは関係なく収入があるのか、ないのかは大事。結婚の報道を見ると、どうしても、娘を嫁にやる親の気持ちになってしまうから、そう考えるんです。2人がお互いがすごく好きだったら、それはそれだけで、いいと思うんですよ。でも、お金はないと暮らしていけません。だから、仕事に就いていないのはさすがにちょっと待てと思ってしまうんですよ。ただ、最近の報道でアメリカの法律事務所に勤めているとありました。だったら、いいんじゃないとは思います」  小室さんは米法律事務所「L」のホームページで“法務助手”として紹介されていることが25日、分かった。12月の司法試験の結果を待ちながらも、就職先は決まったことになる。この事務所は米国本土に5カ所の拠点があり、350人以上の弁護士が働いているという。全米法律事務所協会によれば、大手法律事務所の初年度平均年収は約1800万円だそうで、小室さんが就職した法律事務所「L」の求人には、初年度年収は205,000ドル、日本円で2,250万円にのぼる。倉田さんは、仕事があることはなによりと言う。 「彼を取り巻く金銭問題があったけれども、どんな仕事でもお金が稼げればなんとでもなる。そこですよね、大事なのは。ただ、ずっと、司法試験を目指して頑張っていたけれども合格しましたというのはまだ聞かないし。それで、どうすんるだ!?とはずっと思っていたんですよね。資格って取れればいいけど、長い間挑戦しても取れないままだったらさっさとあきらめて就職するなりすればいいんですよ。売れないミュージシャンのまま、何年もミュージシャンを目指されてもねぇ……。眞子さまは何にもしてあげられませんからね、箱入り娘ですから、今どきの夫婦のように妻が稼いで世帯の大黒柱であるということは考えにくい」  眞子さまは結婚に伴う国からの一時金の受け取りを早々に辞退されていたとも報じられる。その金額、1億5000万円と想定されている。不支給は戦後の女性皇族の結婚で初のケースとなる。なんとも、お金の心配はつきまとうものの小室さんは就職した法律事務所を出入りする姿がキャッチされた。4年前の眞子さまとの婚約内定会見とはガラリと雰囲気が変わっていたことに関して、倉田さんはこう言う。 ◆ロン毛の小室さんに日本国民が沸いた 「別人でしたね。ロン毛をちょんまげにしているヘアスタイルには国民が沸いていましたね。この沸きっぷりって、前代未聞ですよね。日本人、小室さんのことが色々な意味で大好き。男性も女性も小室さんの話が大好き。こんなこと皇室の結婚で前代未聞でしょう。プリンセスやお妃さまであれば話題になるのはわかるけど、皇室から嫁に出て、結婚するお相手って、人となりは報道されるけど、そこまで注目されないじゃないですか。サーヤこと黒田清子さんのお相手の黒田慶樹さんも、もちろんある程度は報道されましたけど、こんなにワーワー騒がれなかった。ということは、小室さんのキャラが超立っているってことですよね。ある意味スターだと思うし、その分、これからも大変だとは思う。サーヤの旦那さんの黒田さんの顔って、知り合いの人以外は、今、もう誰もわからないんじゃないですか? 黒田さんと道ですれ違っても気付かれないと思うけど、小室さんの場合は“あ、小室さん”と指をさされてしまうほどの人になってしまった」  ここまで注目されてしまう結婚を貫く眞子さまに倉田さんは称賛を送る。  「眞子さまはずっと彼のことを好きでいたし、これだけ色々言われていることを今の時代、眞子さまが知らないわけないじゃないですか。それにも関わらず、眞子さまが気持ちや考えを変えないというのは、これは日本が誇っていいプリンセスだと思いますよ。そういう女性であることは、皇室の女性として素晴らしいと思いますし、尊敬しています。誇らしい気持ちです。ここまで騒がれていたら“だったら、やめておこう”ってなりますよ。結婚を反対する圧力って、一般の人ならば、言うてもまぁ、親兄弟、親戚、親友レベルの反対だけだけれども、いまだ、日本中が反対しているっていう勢いですから、その外圧たるや物凄いものだったはずです。でも、眞子さま、それに負けていないんだもの! みなさんに想像してもらいたいのは、“小室さん以外のお相手を探します”ってなった時に、それって素敵なことかって言ったらそうではないと思う。眞子さまが小室さんを好きって気持ちがなくなったのであれば、それは仕方のないことだけれども、眞子さまが、“周りの人が小室さんを反対するから、じゃあやめます”という女性ではないところが本当に素敵!」  倉田さんは自身の仕事から「だめんず」について聞かれることが多いが「小室さんはだめんずではない」と言う。 ◆くらたまが小室さんに頑張ってほしい理由 「だめんずの定義って、“どう見てもアイツはだめんずでしょ”って周りがどんなに騒いでも、本人がそう思わなければ、だめんずではないんですよ。他人が決めることではない。相手の女性が決める事。そういうことで言うと、小室さんはだめんずとは言えないですね。日本中が、小室さんのことをだめんずだっと思っているかもしれないけれども、そんなの眞子さまが思っていないんですもの。ダメな男=だめんずではないとは最初から言っていまして、“〇〇さんはだめんずですか?”ってよく取材を受けたんですけど、それは私がその方と付き合ったことがないからわかりませんと答えていました。付き合っている女性とか結婚したパートナーの人が決めることだから」  小室圭さんは2週間の隔離期間を経て、10月中旬には記者会見をするとされている。これに対して倉田さんは小室さんに対してある意味エールを送る。 「ホント、頑張れよ、小室くん!って思いますよ(笑)。ずっと、私は眞子さまのことを素敵だとかほめていますけど、彼のいいところって、実はほとんど見ていない。だから、もうちょっと、いいところ見せてね! 記者会見とか関心を寄せていますし、いいところを見せられるかは心配ですけど…。まだ、日本国民は誰ひとり小室さんのいいところを見たことがないですから、ぜひ、彼の魅力的なところを見せていただきたいです! そうじゃないと、ずっと心配は心配です。そこだけはお願いしますね。しんどくなったら、眞子さまには“帰っておいでね”と言いたい。今まで日本の皇室であんまり離婚はないけれども、皇室を出られた方が、結婚でうまくいかなくて戻ってきても。結婚する前にこんなことを言うのもなんですが、その辺りも自由でいいと思う」  まだまだ注目を浴びてしまう小室さんだが、いいところを見せてほしい。 (AERAdot.編集部 太田裕子)

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    13時間前

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    眞子さまが選んだアメリカへの“駆け落ち婚”の先にある「パパラッチ」と「生活費」の不安

     9月1日、秋篠宮家の長女である眞子さま(29)と小室圭さん(29)が年内にも結婚される方向で調整されていると報じられた。 お二人が婚約内定の記者会見をされた2017年9月から4年。小室さんの母親・佳代さんと元婚約者の間で「金銭トラブル」が報じられたことで延期になっていたが、正式な婚約となる皇室行事「納采の儀」や結婚に関連する儀式を行わずに、婚姻届を提出するということになるという。「儀式を行わずに結婚されれば、戦後の皇室では初めてのこと。眞子さまは、結婚により皇籍を離れ、結婚後は小室さんが滞在するアメリカで生活される見通しだといいますが、昨年、秋篠宮さまが示した『多くの人が納得し、喜んでくれる状況』からは程遠く、金銭問題も未解決のまま。まるで“駆け落ち婚”のようです」(皇室記者) 秋篠宮さまは昨年「憲法にも、結婚は両性の合意のみに基づくというのがあります」と結婚を認めるお考えを示されていたが、確かに女性皇族である眞子さまは、法的には当事者だけの合意のみで結婚できる。 さらに皇室を離れる際に支給される一時金(上限約1億5000万円)については受け取りを辞退する意向とも伝えられ、結婚後は小室さんが暮らす米国での生活を視野に入れているという。「昨年の秋頃から、眞子さまが30歳を迎える今年中には結婚される可能性が高いと皇室関係者の間では言われ続けていました。小室さんは今年5月に米ニューヨーク州のロースクールを卒業、7月に司法試験を受験し、12月中旬までには合否が判明します。米国では卒業時にはほとんどの学生が就職の内定をもらっていますから、小室さんもすでに就職の道筋はついているのでしょう。結婚後の生活基盤もできたことで、眞子さまとの新生活をスタートする準備が整った段階で婚姻届を提出するという流れは、おそらくお二人の計画だったと思います」(同) お二人が海外で生活をすると決めた背景には、これまでのようにマスコミに追われることなく静かに暮らしたいというお気持ちもあったのかもしれない。だが「メディアから解放されるどころか、もっと追われる可能性が高い」と話すのは皇室ジャーナリストだ。「小室さんが留学した時の紹介文に『プリンセス・マコのフィアンセ』という文言があったように、眞子さまが皇室を離れたとしても、皇族であったこと、将来の天皇陛下の姉にあたるという事実は変わりません。イギリス王室から離れたとしてもヘンリー王子とメーガン妃が王室の一員であったということに変わりはないのと同じです。まして、皇室行事などをせずに“駆け落ち”同然で結婚したとなれば、日本のメディアはアメリカまで追いかけていくでしょうし、アメリカのパパラッチも狙ってくるでしょう」(同前) また、皇籍離脱をしても、一般人と同じセキュリティーというわけにはいかないのでは、と話すのは海外在住のジャーナリストだ。「警備に関しては日本にいる時のように、税金で警備はしてもらえません。現地の大使館や領事館を通じて現地の市警とも密に連絡を取らなければなりません。仮にパパラッチに付きまとわれて、事故などが起きた場合は外交問題にまで及ぶ可能性もありますから、警備は重要になります。しかも、警備費はほとんどが自費で賄うことになるでしょうし、日本の警備費の何倍もの高額です。一時金でも足りないぐらいの費用になるでしょう。小室さんは、就職が内定していても初任給は1500万円とも2000万円ともいわれますが、ニューヨークで暮らす場合、東京よりも物価も家賃も高く、保険はさらに高額になります。小室さんの給料だけでは、ギリギリなのではないでしょうか」 愛さえあれば、2人でいれば、どんな困難も乗り越えられる……という純愛を貫いて結婚を待ち望んでいた眞子さまだが、結婚後はまた別の懸念材料が増えることになりそうだ。(緒方博子)

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    『鬼滅の刃』人を喰わない鬼・竈門禰豆子がもたらした「矛盾」と「変化」

    『鬼滅の刃』に登場する「鬼」たちは、人間を食料とすることで、その生命を保ち続ける。しかし、主人公の妹・禰豆子は、強烈な飢餓感にさいなまれつつも、鬼化してから、ただの1度も人間を食べていない。禰豆子は「人を喰わない鬼」として、鬼狩り集団「鬼殺隊」と行動をともにするようになるが、禰豆子の存在は、鬼を憎む人たちに、新しい感情を生み出した。禰豆子が「殺されない鬼」となったことは、罪と罰、救済と制裁など、現代にも通底するテーマを内包している。【※ネタバレ注意】以下の内容には、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。 *  *  *■鬼に変貌させられた禰豆子  ある日、人里離れた山中に暮らす竈門(かまど)一家が、鬼に襲われる事件が起きる。主人公・炭治郎(たんじろう)の妹・禰豆子(ねずこ)は、「鬼」に変えられてしまった。この現場に居合わせた、鬼狩り集団「鬼殺隊」の剣士・冨岡義勇(とみおか・ぎゆう)は、禰豆子に日輪刀を振るう。炭治郎は妹の命を救ってほしいと頼むが、義勇は厳しく答えた。 <治らない 鬼になったら人間に戻ることはない>(冨岡義勇/1巻・第1話「残酷」)  凶暴になった鬼が自分の愛した人を襲撃する悲劇は、過去にたくさん起きていた。――鬼化した人物は、すぐに殺さねばならない。これは、鬼を知る人たちの共通認識だった。 ■新しい鬼・禰豆子  禰豆子は「特別な鬼」だった。他の鬼のように、「鬼の始祖」鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)に精神を支配されなかった。そして、人間を喰うことでしか満たされないはずのエネルギーが、長時間の「睡眠状態」によって補完されるという“突然変異”の鬼だったのだ。実は、禰豆子以外にも人を喰わない鬼は3体いるが、彼らは人の血を少量摂取する必要があった。 人間の血も肉も必要としない禰豆子は、まさに「新しい鬼」だ。この後、禰豆子は、鬼の弱点を克服するようになり、無惨は完全体へと近づくために、「禰豆子奪取」をもくろむようになる。つまり、人間側にとって、禰豆子は無惨に奪われてはならない「弱点」でもあるのだ。人を襲う危険もあり、鬼化した禰豆子は依然として「殺されるべき存在」であった。 ■禰豆子を最初に保護した人たち  竈門兄妹の姿を見て、最初に水柱・冨岡義勇が、彼らの庇護者になる。つづいて元水柱・鱗滝が、禰豆子の保護にあたった。鬼化以降、言葉を失い、赤子のように無垢になった禰豆子と、妹のために命をかける炭治郎を見て、鱗滝は、彼らをただのか弱い子どものように抱きしめた。<よく生きて戻った>(鱗滝左近次/2巻・第9話「おかえり」)  鱗滝・義勇はともに、鬼殺隊の中で大きな貢献を果たしており、この実力者2人が竈門兄妹の擁護に名乗りをあげたことは、彼らの運命を好転させた。  さらにその後、竈門兄弟は無惨と敵対する「医師の鬼」珠世(たまよ)と愈史郎(ゆしろう)から信頼を得て、協力し合うようになる。 「鬼が敵(かたき)でありながら、鬼の肉体を持つ者」、この禰豆子が抱える矛盾が、「人間と鬼」を新しいかたちでつないでいく。 ■禰豆子を「殺せない」鬼殺隊隊士たち  次に、禰豆子を救ったのは、炭治郎の同期・我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)だった。善逸は禰豆子の入った「箱」の中身を見ぬままに、身をていして、その「箱」をかばう。善逸が「箱」を守った最初の動機は、炭治郎への信頼からでしかなかった。しかし、その後、「箱」から出てきた禰豆子を、鬼として扱うことはなく、ひとりの人間として接した。そして、禰豆子に恋をした。 同じく、炭治郎の同期・嘴平伊之助(はしびら・いのすけ)も、交流の中で、禰豆子を可愛がるようになる。  禰豆子を知るほどに、彼女を「殺せない」鬼殺隊の隊士たちが増えていった。 ■「鬼を憎む」胡蝶しのぶに起こった変化  大切な両親と姉を鬼に惨殺された蟲柱・胡蝶(こちょう)しのぶは、鬼への怒りを抑えることができない。時に残酷な方法で、鬼を滅殺しようとする。 <人の命を奪っておいて何の罰もないなら 殺された人が報われません>(5巻・第41話「胡蝶しのぶ」)  しかし、炭治郎が妹を守る様子や、兄のために傷ついた禰豆子の様子を知るうちに、鬼を葬ることに対して、自分の葛藤に思いをはせるようになる。禰豆子の入った箱を、「鬼殺隊柱合裁判」の場に無断で持ち込んだ、風柱・不死川実弥(しなずがわ・さねみ)をけん制し、その後、自分の屋敷に竈門兄妹を連れ帰り、保護を申し出るなどの変化が起きた。  鬼のことは許せない。しかし、自分の部屋に金魚をのぞきにきた、幼い子どものような禰豆子を見かけると、しのぶは思わず「見ますか?…金魚」と優しく語りかけてしまう。その悲しいほほ笑みは、禰豆子の心の中にずっと残った。  鬼殺隊の隊士たちは、決して鬼を殺したいわけではない。人間を捕食しようとする化け物との、ギリギリの命のやりとりに、殺さざるをえないのだ。鬼殺隊もまた生き地獄の中を戦い続けている。 ■「鬼殺隊の一員」として認められた禰豆子  炭治郎と行動をともにする中で、弱い人間を守ろうと傷つく禰豆子の姿は、多くの隊士の心を動かす。柱合会議では、鬼化した禰豆子を連れていた炭治郎を「鬼もろとも斬首する!」と主張していた炎柱・煉獄杏寿郎もその一人だ。 <竈門少年 俺は君の妹を信じる 鬼殺隊の一員として認める 汽車の中であの少女が血を流しながら人間を守るのを見た 命をかけて鬼と戦い 人を守る者は 誰が何と言おうと 鬼殺隊の一員だ>(煉獄杏寿郎/8巻・第66話「黎明に散る」)  その後も、日光にその身を焼かれた時も、皮膚が焼きただれる苦痛の中で、兄に他者を助けるようにと禰豆子は笑った。  鬼である自分とあらがい、人を救おうとする禰豆子の姿は、鬼と戦う人たちの心に、さまざまな思いをもたらした。鬼は人間だった。すべての鬼は本当に「殺されるべき存在」なのか。しかし、それでもやはり倒さねばならない鬼がいる。 ■「助けられる鬼」はいなかったのか  アニメ1期、劇場版と、物語が進むうちに、鬼にならざるをえなかった「かわいそうな鬼」の事情が次々と明らかになっていく。アニメ2期の遊郭編では、貧しい環境から遊郭で生きることを運命づけられた鬼が登場する。   兄に守られ、強い「柱」たちに保護された禰豆子と、誰にも助けられることのなかった鬼との対比は、読者や見ている者たちに「彼らを助ける道はなかったのか」と模索させる。 鬼になった親を、鬼になったきょうだいを、鬼になった仲間を、斬らざるを得なかった鬼殺隊隊士たち。斬り捨ててきた者の命を彼らは背負い続ける。しかし、斬り捨てた鬼たちにも、炭次郎のような存在がいれば、「殺さなくてもいい鬼」になり得たのではないか。その「差」はいったいどこにあるのか。物語のなかに、「答え」が描かれているわけではない。罪、罰、苦境、改心…。神仏などの救済者がいない『鬼滅の刃』の世界で、苦しむ鬼を助けた者はいったい誰なのか。 「私は竈門禰豆子 鬼に家族を殺された」   記憶を取り戻す中で、禰豆子にはたくさんの思い出が押し寄せる。自分に向けられた多くの人の笑顔と優しさ、そして自分を殺すか否かのためらい、鬼に対する激しい怒りも。 『鬼滅の刃』の鬼をめぐる矛盾は、禰豆子の目と記憶を通して、われわれに大切なものを語りかける。 ◎植朗子(うえ・あきこ)1977年生まれ。現在、神戸大学国際文化学研究推進センター研究員。専門は伝承文学、神話学、比較民俗学。著書に『「ドイツ伝説集」のコスモロジー ―配列・エレメント・モティーフ―』、共著に『「神話」を近現代に問う』、『はじまりが見える世界の神話』がある。

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    【独自】尾身理事長の医療法人がコロナ補助金などで311億円以上の収益増、有価証券運用は130億円も増加

     政府の新型コロナ対策分科会会長の尾身茂氏が理事長を務める地域医療機能推進機構(JCHO)で、コロナ対策などで給付された300億円以上の補助金で収益を大幅に増やす一方で、有価証券の運用も130億円増加させたことが、AERAdot.の取材でわかった。JCHOではコロナ患者用の病床を用意し多額の補助金を受けながらも、患者を十分に受け入れていなかった実態がわかっており、厚生労働省などから批判があがっている。 *  *  *「JCHOは適切に補助金を運用していないのではないか」  いま医療関係者の間でこんな疑念が生じている。どういうことか。その原因は、JCHOがホームページで公表している財務諸表を見るとわかる。  2020年度の財務諸表によると、20年度の当期純利益は約200億円で前年度より約168億円も増加していた。補助金等収益を見ると、こちらは約324億円で、前年度より311億円も増加していた。補助金等の明細を見ると、交付された補助金は126件(交付額は約368億円)あり、そのうちコロナ関連と思われる補助金は56件あった。56件の交付額は約351億円、うち約310億円が収益計上されていた。  同時に、有価証券での運用額は685億円で、前年度より130億円増加していた。当期純利益は200億円で、現金及び預金は約24億円しか増加していない。  これ以前にも、JCHOはコロナ患者を受け入れるために多額の補助金をもらいながらコロナ専用の病床数や受け入れ患者が少ないことが批判の的になっていた。AERAdot.では9月1日に配信した「【独自】コロナ病床30~50%に空き、尾身茂氏が理事長の公的病院 132億円の補助金『ぼったくり』」の記事で、JCHO傘下の都内病院で、コロナ専用病床の多くが空床になっていることを特報している。  これに関して、尾身氏は18日に自身のインスタグラムで「#ねえねえ尾身さん」と題したライブ放送を行い、視聴者からの疑問に答える形でこう釈明した。 「補助金のぼったくりの話ですけども、看護師さんなんかを確保するのに難しいという理由はあったにせよ、実際に確保した病床よりも、実際に入れた患者が少なかったという事実はある。この事実に関しての補助金の扱い方については、国や自治体が方針を示すと思いますから、その方針に従って適切な行動をとりたいと思っています」 ◆厚労省幹部が「由々しき問題」  今回、新たに問題になっているのは、コロナ関連で多額の補助金を受け取り、法人全体の収益をあげながら、その収益が有価証券の運用に使われているということだ。この実態は政府関係者の間でも問題視され始めている。厚労省の幹部はこういう。 「コロナ関連の補助金が大部分を占めるJCHOの収益が、結果的に有価証券購入の原資として間接的に還流されているとみています。補助金収入がきちんとコロナ病床や患者医療に還元されず、有価証券などとして内部留保されていることは厚労省としても由々しき問題と考えています。尾身氏の経営判断を尊重する必要はあるのですが、自身があれだけ『医療ひっ迫』を主張する中で、このような経営は受け入れられないのではないでしょうか」  法人が自身の資金をどう運用しようとも、適切なプロセスを踏んでいれば問題はない。しかし、コロナ関連で受け取った補助金によって大幅に収益をあげて、それを間接的にでも投資に回していたとしたら、批判や疑問の声も出るだろう。  JCHO職員によると、補助金収入の大幅増と有価証券の取得増は「無関係ではない」という。他の民間医療機関と同様にJCHOもコロナの影響などにより病院経営は収益の柱となる医業収益が減となるなど厳しい環境下にある。こうした中で有価証券残高を130億円増やすことができたのは、「補助金収入が大きく寄与した」(前出の職員)という。 ◆尾身氏からの回答は?  JCHO理事長の尾身氏はどう答えるか。尾身氏宛に、補助金で収益をあげながら多くの資金を有価証券で運用するのが適切と思うか、補助金を投資で使っている事実はないかなど書面で見解を質した。  すると、広報担当からメールで「個別にいただいたご質問等にはお答えすることはいたしかねます」と回答が来た。  医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏はこう指摘する。 「尾身氏はJCHOの理事長として国民に事実を説明する必要があるでしょう。この問題は、JCHOでコロナ病床を増やし、患者もしっかりと受け入れるという覚悟も問われていると思います」  補助金は国民の税金が原資だ。尾身氏の説明責任が問われている。 (編集部・吉崎洋夫)

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    眞子さまの結婚どう思う? 瀬戸内寂聴が27歳スタッフに質問した結果

     半世紀ほど前に出会った99歳と85歳。人生の妙味を知る老親友の瀬戸内寂聴さんと横尾忠則さんが、往復書簡でとっておきのナイショ話を披露しあう。*  *  *■横尾忠則「スジ金入りの肉体的朦朧体、大観より本格派です」 セトウチさん 耳が聴こえなくなったと言うと、「きっと作品が変るわよ」と、ベートーベンじゃあるまいし、変なことおっしゃると、その時はそう思いましたが、本当に変ったんです。その変り方が理に適(かな)っているといえば適っている。つまり聴こえないことは、音の輪郭が失くなることです。そうなると音が朦朧(もうろう)となって、横山大観の朦朧体の絵のように音がボケて聴こえるんです。耳がボケると、日常生活もボケて、曖昧模糊(あいまいもこ)となって、したことと、してないことの区別もわからなくなるんです。つまり虚実の区別ができなくなって、夢で見た仕事の依頼を、本当に依頼されたと思って、やっちゃったりするんです。ボケの症状に似てるけれど、ボケ老人になったんではなく耳のせいだと理解しているので、そこはまだ理性がコントロールしています。 ハイ、絵の話だったです。大観は思想で朦朧体を描きましたが、僕はスジ金入りの肉体的朦朧体なので、思想のようなチョロコイ考えではなく、肉体的ハンデキャップによる堂々たる自然体派です。大観よりこっちの方が本格派です。そんなわけでセトウチさんの大予言は的中しました。 先っきも言いましたが境界線が失くなるということは自由のキャパシティも拡張したことになります。近代人は何でもかんでも境界線を引いて、全てを分業化します。縄文時代はひとりの人間が、多面的に物事をこなしていました。狩猟(しゅりょう)も農業も、漁業も工芸も、子育ても、教育もひとりでするという、境界線をはずした労働生活です。現代のような役割分担などしません。正に多義的です。越境した狩猟社会です。 難聴が与えてくれた神の恩寵です。だから病気の高徳です。僕が度重なる病気によって救われてきたということはこういうことです。神は人間に色々な苦難を与えますが、病気は罪ほろぼしでもカルマ落としでもなんでもないのです。人間の進化向上のためのカリキュラムだと思えばどうでしょう。難聴のほかに、腱鞘炎(けんしょうえん)にもなりました。もう、セトウチさんの「幻花」のような繊細(せんさい)な描写の絵など描けません。今は太い筆やハケを握りしめて、キャンバスにバンバン叩きつけるように描いています。それも痛いので、左手で描きます。左手は思うような形が取れません。幼児の絵より下手くそになります。でも、デュビュッフェは幼児の絵のマネをして、幼児風に描きますが、そんな意図的なことをしなくても、僕の左手はそのまま幼児以上に下手に描けます。これもハンデキャップから来た自然体です。 今書いている手紙では、前にも同じことを書きましたかね。境界を越えると時間差もなくなって、やったことと、やらないことの区別がわからなくなるのです。いよいよ本格派老人です。100歳老人のセトウチさんにも負けていません。ただ僕はセトウチさんのように年齢には拘っていません。拘っているのは他人の方で、今行っている展覧会では「85歳、85歳」と年齢を売り物にされています。歳のことは言うな! アーティストには年齢はないのです。昨日の続きが今日、今日の続きが明日です。原始社会では年齢など無関係です。アーティストは原始人です。■瀬戸内寂聴「私もヨコオさんに負けないように!」 ヨコオさん 何だか、ずいぶん久しぶりにこの往復手紙を書いているような気がします。 それにしても相変わらずコロナは豪勢を極め日本はおろか、世界的にその力を奮っています。 コロナのせいで、人に会えず、寂庵はずっと門を閉めっぱなしです。コロナになる前はもちろん、一も二もなく門内に入ってもらっていました。 大抵遠く九州や東北から来られた人で、まだ生きている私に逢えたと言って、抱きついて泣き出します。もちろん、私は丁寧にお迎えして、写経などしてもらい、お茶菓子を一緒に食べて、しばらくその人のお話を聞きます。つきあいの人もあれば、寂庵の信者を自称する人もあり、初めて門内に入ったという人もいます。「まさか、門内に入れてもらえると思わなかった」と泣き出す人もあれば、「生きている寂聴さんに逢えた!」と、子供のように足を踏み鳴らす人もいる。「とても百歳には見えない!」と誰もが感嘆してくれるが、終日ベッドに横になり、本ばかり読んで、一日を過ごしている私の毎日の状態など話せない。私は、人に逢っている間だけは、必死になって元気らしさを演じ、声を張り上げる。客の帰る時は、長い廊下の途中で、へばってしまい、さっさと歩く客の跡がおえない。 ──だって百だもの……──と、私は廊下の途中で、ペシャンコに座り込み、つくづく、自分に向かって言う。 食事だけは時間が来ると、しゃきっと体がのび、食卓の自分の位置に早々と座り込んでいる。「あら、お昼はもう召し上がりましたよ!」 スタッフの一人が、わざと大きな声を張り上げる。「私のスパゲティは、どうしてこんなに美味しいのだろうなんて、お世辞までいただいて」「そうよ、ほんとに! でも今ここに座ったのは、食べるためでなくて、眞子さんの結婚をどう思うかって、寂庵で一番若い二十七歳のP子の意見を聞きたいのよ」「ああ、眞子さん、ほんとに、よかったですね。大体、みんなあんまりこの結婚に意地悪すぎましたよ。でも、どうして一時金を眞子さんは辞退なさるのかしら? 貰う権利のあるお金でしょう? あんまり弱気にならない方がいいと思うけど……」 ヨコオさん、今、寂庵の中は、こんなにのんびりしています。耳が聞こえないのは、私も同然です。テレビの時なんか、びっくりするほど大きな声にしてくれるので、何とか会話が出来ています。鶯も、秋の夜の虫の音も、私の耳にはさっぱり聞こえません。ヨコオさんとTELしてるのを横で聞いてる人があれば、どんなにおかしいでしょうね。耳だけでなく体のあちこちがどしどし衰えてきます。 そのうち、きっと、自分の死んだこともわからなくなって、──ヨコオさんにTELして!──など叫んでる日が来るのでしょうね。でも目がよく見えているので、一日に二冊は厚い本を読み切っています。ヨコオさんの展覧会、ますます人気上昇でおめでとうございます。私もヨコオさんに負けないよう、あっとこれまでと変わった小説を二つくらい書き残して死にたいものですね。 では、また。※週刊朝日  2021年9月17日号

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    「高市氏の昔を知っているよ」 総裁選候補者3人で最も優れているのに胸がザワつく理由

     作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、自民党総裁選に立候補を表明している3人の議員について。 *  *  * 連日、自民党総裁選関連のニュースがメディアを占めている。この国に暮らす人々の生存をかけた衆議院選挙のほうがよほど重大なはずなのに、無駄に自民党の生存をかけた総裁選につきあわされているようでつらい。災害レベルのコロナ禍で重要なときに臨時国会を開かず、自党の人事に時間を費やす自民党の体質が、トップが代わったところで変わるとは思えない。とはいえ、あと一歩で総理の椅子に座る3人の候補者に女性が入っていること、その女性が候補者の中で最も右寄りであること、容姿を誹謗中傷する批判が“彼女にだけ”されていることなど、日本の女性政治家が置かれている現実を生中継で日々見せられているようで、それはそれで気になってしまうのだ。 候補者3人の出馬表明記者会見を見た。それぞれ力のこもった熱弁を見ながら、改めて菅さん (菅義偉首相) は、相当なレベルで話が下手だったのだと気づかされる。滑舌が悪いうえに自分の言葉で話さない、原稿すらうまく読めないので頭に入ってこない。東京五輪・パラリンピック開催に疑問を投げかける記者には、「安全安心」と繰り返すだけで誠実さのカケラもなかった。さらに記者に対して威圧的であり、社名を名乗らない記者に対していら立つなど、器の小ささを露呈してしまう場面を幾度となく見てきた。喋れば喋るほど、人の心が離れていく総理大臣だった。 菅さんに比べると3人の候補者の話は、フツーにまともだった。……と、「底」を強いられてきた者として認知の歪みが生じてしまっているのだろうかと自分でも不安になるが、今回、高市早苗氏の会見を初めて長時間聴いてみて驚いた。テンポ、滑舌、論理性、具体性において出馬表明記者会見としては3人の中で最も優れていたからだ。記者からの質問に逃げずに丁寧に答えていたのも好感を持てた。  例えばTBS「報道特集」のキャスター膳場貴子氏が、高市氏が過去にしていたサイテーの発言「(生活保護を)さもしい顔をしてもらえるものはもらおうとか、弱者のふりをして少しでもトクをしようと、そんな国民ばかりいたら日本が滅びる」を引き、「困窮する国民をどういう目で見ているのか確認をさせてください。弱者への視点が欠けている不安、批判の声があるが、どう受け止めているか聞かせてください」と迫った。高市さんに対する強い批判を含んだ良い質問だった。 もしこれが、安倍さん (安倍晋三前首相) だったらと想像する。女性アナウンサーからの質問にまずニヤニヤと冷笑し、しかし顔色は変わり、早口でまったく方向違いの旧民主党政権批判を延々繰り返し「それはですね、民主党政権時代の批判の流れでの発言だったのでございます。文脈をですね、私の発言の文脈をですね、いいですか、きちんと見ていただいたうえでですね、そのようなご質問をしていただきたきたいのでございます」とか言いそうだし、麻生さん (麻生太郎財務相) だったら「そうかね、覚えてねぇな」とか言いかねず、菅さんだったら「えー、私はこれまで通り全力で国民の安全安心を最大限に考えて、政治を行っていくことに変わりはありません」とか言うのでは。テレビカメラの前で“女性”記者に批判された、ということで頭がいっぱいになり、誠実に答えようともしない“男性”政治家の振る舞いに私たちはあまりにも慣れてしまっていた。 その日、高市氏は膳場氏の批判質問に顔色も声のトーンも変えることはなかった。にこやかなまま、その発言がいつ、どの場で行われたものかを記憶の中で語り、「これは皆様の大切な税金。福祉というものは公正、公平が原則であるべきだと私は考えています」とし、さらに子どもの貧困問題等について語り、そのうえで「これが私。素直なほうなので、さまざまなアドバイスには柔軟に対応する」とも言った。  このやりとりに、私は見入ってしまったのだった。威圧的だったり、不誠実だったり、中身のない政治家答弁にあまりにも慣れ過ぎていたからこその驚きであるのだが、ただ新鮮だった。もちろん、高市氏のような政治家の言動が生活保護受給者に対する社会の偏見を生み、貧困を再生産し、生活保護を受けられずに餓死するような人々を生み出す現実をつくってきた。そういうリアルが見えない高市さんが与党の政治家であることが私は恐いが、それでも「どのような考えに立っているのか」ということを説明することをこの人は逃れなかったという印象は残った。 一方、岸田氏は国民の声を聞いてきたという薄く小さなノートを振りかざして「私にとりまして大切な財産。このノートを読み返した上で、私は改めてやるべきことがあると感じています」と豪語する。外国特派員協会で記者会見を開くなど、去年の総裁選よりもパフォーマンス力があがっているように見えるが、選択的夫婦別姓についての意見を問われ、「引きつづき議論しなければならない課題」と言うなど、いったい誰の声を聞いてきたのか問いたい。今年の共同通信の調査によれば選択的夫婦別姓は国民世論で6割が賛成している(30代では7割)。だいたい選択的夫婦別姓は80年代からずっと提案され、深く積み重なった議論の歴史があるのだ。国会での議論を拒否し続けてきた自民党の単なる勉強不足が、選択的夫婦別姓を邪魔しているだけ。まだ、「自分ごと」として通称使用拡大の具体的実践に全力を尽くしてきた高市氏のほうが勉強しているし、わかっているように見える。 河野太郎氏の記者会見が一番、今までの自民党の威圧的政治家の流れをくんでいるように見えた。質問は1社一つというルールを一方的に強いては、「(河野さんは)脱原発派ですか?」という質問に対して「どういう定義で脱原発というか人によって違うので、何か一つの言葉でくくるのはやめておいたほうがいい」と打ち切り、それ以上の質問を許さなかった。記者が本当に聞きたいことは分かっているはずだし、そこから深まる議論もあるはずなのに、意味のない答えを短めに返すのが目立った。  河野氏は若手からの期待が大きいと、報道では言われている。「河野さんは発信力があります」と30代の議員が胸を張るようにテレビカメラに向かって話しているのを見た。発信力とは単純にテレビに出る回数とか、Twitterのフォロワー数とか、なんとなくの人気のことを言っているのではないかと思うが、それは政治家にとって必要な力なのだろうか。記者会見で衝撃だったのは、韓国メディアの記者が「特に韓国を含めた、近隣国に向けての外交政策のビジョンを聞かせてほしい」と質問した時の答えだ。外務大臣を務めたこともある河野氏の答えは、こういうものだった。「G7の中で日本はユニークな立ち位置。キリスト教をベースとした文明の上に成り立っていない国は日本だけ。だから外務大臣として自分はアジア、中近東、アフリカといった国々の思いを代弁できる日本でありたーい、と思ってきた。自由民主主義、基本的人権、法の支配、こうした価値観を共有して一緒に前に進みたーいと思っている。それぞれの国にはそれぞれの歴史がある。一足飛びにみんなが同じことをできるわけではありませんー。そういうなかで、ヨチヨチ歩きであっても同じ方向を進もうとしている国にしっかりと寄り添える、そういう日本でありたーいと思っている」 ……これは外交政策なのでしょうか。ヨチヨチ歩きだけど一緒に寄り添っていこうね、って。これは元外務大臣による総裁選立候補の時に語るような言葉なのだろうか。高市氏を推すわけでは決してないが(というか、私にその権利もないが)、高市氏だったら具体的に質問に正確に答えようとするのではないか、大人の言葉で。 最近、「高市早苗の昔を知っているよ」という人と立て続けに話をする機会があった。20代のころ、高市氏は400ccのバイクを乗り回していたという。30年以上前、400ccのバイクに乗る女性は少なかった。私も10代のころ、400ccのバイクに乗りたくて教習所に行ったのだが、「女は小型から」と中型免許すら取らせてもらえない空気があり、一日でやめた。「中型取りに来たんです」と言っても、「じゃあ、起こしてみな」と道路に転がる400ccをコツも教えてもらえず起こせと言われて憤慨した。あの時の悔しさは今もまだ心のどこかに残っている。80年代のことだ。そういう時代のなかで、中型・大型バイクに乗る女性たちは道で出会っては、自然に話しかけるようなことがあったという。当時のバイク仲間の女性は、若かった高市さんが目を輝かせながら「私は保守系の政治家になるんだ」と、夢を語っていたのを覚えている。   高市氏を見ていると、胸がざわつく。「政治家を知るためには、その人の選挙区と選挙歴を知らなければならない」とは、無戸籍問題に取り組み続け衆議院議員になった井戸まさえ氏の言葉だが、高市氏がもし、奈良という保守が強い土地ではなく、都市部の選挙区の人だったらどうだったろうか。選択的夫婦別姓、女性天皇・女系天皇容認などについて肯定派の多い都市部のような場所で保守派の政治家として立っていたら、どうだったろうか。安倍さんへの、悲しいほどのすり寄りは、二世議員である小渕優子議員や、祖父が政治家だった野田聖子議員だったらしなくてもよい媚びにも見える。高市氏自身の葛藤を勝手に想像しながら、そういう女性議員の姿を見てこちらも引き裂かれるような葛藤を味わう。女性がのびのびと政治ができる国になってほしい、そして正当に評価されるようになってほしい。今起きているのは、自民党の大物男性の庇護のもとでの自由と、それでも女性であるゆえに正当に評価されない日本社会の女性嫌悪だ。精神衛生上よくないので、早く終わらせて、衆議院選挙で自民党政治は終わってほしい。■北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。女性のためのセクシュアルグッズショップ「ラブピースクラブ」、シスターフッド出版社「アジュマブックス」の代表

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    木村拓哉が外した“仮面”  SMAP時代「彼女いんのー?」にマジ回答

     圧倒的なオーラに、クールな孤高の人というキャラクター、そして美しいルックス。誰もが認めるトップスター、木村拓哉さんは「木村拓哉」を演じる努力を人知れず続けてきたのか? 映画「マスカレード・ナイト」で主演を務める木村さんに、素の自分を隠すマスカレード(仮面)は必要なのかと尋ねると──。 【前編/木村拓哉「この年になってもまだこんな思いをするんだ」と落ち込んだ】より続く *  *  * ──「マスカレード」は仮面の意味。世間が期待する木村拓哉像に応えるため、素の自分に仮面をかぶせることは?  みんなが木村拓哉をどんなふうに見てくれているのかはわからないけど、素の自分とそんなに離れていないと思います。心にシールドをつけて無理して仕事をしている感覚は全くないので。  でも、昔はそうじゃなかったかな。ペンライトを振って声援を送ってくれるファンの子たちに笑顔で手を振り返していた20代前半の頃は、知らず知らずのうちに仮面をつけていた気がします。自分からかぶるというよりは、現場に行くと必ず用意されているんですよ。「これが君の衣装で、キャラで、イメージだからね」って感じで。最初はそんなものかと思っていたけど、だんだん「これ変じゃね?」って思い始めて、外していった。  当時の自分はハードロックにド影響を受けていました。あんなに髪を伸ばしてる奴は他にいなかったでしょ。目見えてんの?ってくらい額のバンダナをずり下げたり。でもそうやって、かっけーな、素敵だなって思うものを自分のサイドに引きずり込んで表現していったら、仮面なんて必要なくなった。嘘っぽいのが嫌になったんです。  一つ、懐かしいエピソードがあって。SMAPのコンサートの途中、お客さんからの質問コーナーになったんですよ。「3階席の白いブラウスを着てる、そう、今うちわ振ってくれた君、でっかい声で質問言って」っていう感じで振ってみたら、「彼女いんのー?」って。 「いるに決まってんでしょ」って答えたら、会場中がキャーッて大変なことになり。終わってから、事務所の人に「何言ってんのあんた」って怒られました(笑)。 ──自分を自由に表現できるようになったきっかけは?  20代半ばでドラマ「ロングバケーション」(フジテレビ系)に出たことですね。それまで、自分にとって役を演じることはどこかポージングだった。でもヒロインの山口(智子)さんをはじめ共演者の方に恵まれて、生の現場を楽しむ感覚を知ったんです。  相手がこっちを見ているから、何が言いたいんだろうって見返す。目をそらしたら、なんでそらしたのか考えて反応する。変に計算して予定調和にプレイするのではなく、目の前の相手を全身で感じとるんです。  それと同時に、自分の中に生まれる、悲しいつらい楽しい好きといった感情をすべてひっくるめて思いっきり味わい、楽しむ。あの時あの現場であのメンバーに出会ってから、自分はやたら変わった気がします。  本当の表情や気持ち、自分というものを提示しなくても物事が進んでいくことに対して違和感をおぼえるようになった。それが、結果的に仮面を外すことにつながっていったんじゃないかな。  ファンの方との関わり方も変わりました。キャーッて手を振ってくれる人に、あえて「え?」「あ?」とかって意地悪したり(笑)。本当は、笑顔で手を振り返せばより喜んでもらえるんだろうけど、それってその場にいるみんなに向けたポーズだと思うんですよ。選挙前の政治家みたいな。でも、自分は一瞬だけでも相手とタイマンになりたいから、そういうリアクションになるんです。 ──休みの日は仕事モードをオフに?  完全にだらっとリラックスしちゃうと逆にストレスになるんです。少し緩めたい時は、ゆったり腰を下ろして真剣に映画を見るくらいの感じでバランスをとってます。  基本的には休みの日のほうが動いてますね。1万歩以上は歩くかな。動いている状態が一番快適なんです。じっとしていたら自分が澱んで濁っていく感じがして、歩くことで循環させている。頭がクリアになるので考え事にもいいですね。  ただ、一人で黙々と散歩するのは嫌なのでパートナーと一緒に。うちの犬ですよ。外に出ると喜んでくれるんだから、最高の相棒です。 (構成/本誌・大谷百合絵)※週刊朝日  2021年9月24日号より抜粋

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    クロちゃんが家賃29万の物件へ引っ越し 「水曜日のダウンタウン」がカメラ設置でも納得の理由

     安田大サーカスのクロちゃんが、気になるトピックについて“真実”のみを語る連載「死ぬ前に話しておきたい恋の話」。今回のテーマは「引っ越し」。「水曜日のダウンタウン」(TBS系)の協力もあり、15年ぶりに引っ越しをしたクロちゃん。新居は、以前の部屋よりも、かなりグレードアップしたようだが、なんとリビングと寝室には「水曜日のダウンタウン」が「カメラ」を仕掛けているという。「24時間365日」監視される刑務所のような暮らしだが、クロちゃんはまったく動じていないようだ。その理由とは? *  *  *  先日、ボクは15年ぶりに引っ越しをした。「水曜日のダウンタウン」(以下:水曜日)を見てくれた人ならもう知っているよね。  簡単に経緯を説明すると、ボクがこれまで住んでいたマンションが老朽化によって取り壊しになることが決まっちゃったんだ。で、その情報を聞きつけた「水曜日」がボクのために「物件探し」の企画をやってくれたってわけ。それだけ聞くと、「『水曜日』、優しいじゃん」って思う人もいるだろうけど、「物件探し」の企画に行き着くまでに、一人で無人島に行かされたり、危険な崖を登らされたり、海を泳がされたりと、過酷なロケをやらされてるから、ちょっとその優しさは複雑(笑)。まあでも、ボク一人だったら、こんなにスムーズに引っ越しできなかったと思うから、そこはほんとうに感謝してる。  ちなみに、ボクが、これまで住んでいた部屋は、築60年を超える2DKのマンション。古い物件だったから、エレベーターなんてなかったし、外観はボロボロで、お化け屋敷みたいだった。これまで何度か女の子を連れてきたこともあったけど、どの子も「え…?ここなの?」みたいな、微妙なリアクションばかりだったね。「室内はリフォームされてるからキレイなんだよー」とかって、必死にごまかすのが大変だった。最近では、そうやってごまかすのもしんどいから、女の子を部屋に連れ込む時は、外観がはっきりと見えない夜にしていたからね(笑)。  「それなら、もっと早く引っ越せばよかったのに」って思う人もいるだろうけど、ボクは、とにかく引っ越しが大嫌いなんだ。この連載でも伝えたこともあるけど、この世で、最も嫌いなものが、引っ越しといってもいいかもしれない。だって、とにかく面倒くさいでしょ?   不動産屋に足を運んで、色んな物件を見て、もろもろ書類を書いて、引っ越し業者に依頼して、荷物をダンボールに詰めて、新しい部屋の家具の配置とかを決めて…とか、もう面倒くさいことだらけ。こんなものに時間をかけるくらいなら、もうずっと同じ部屋でいいやって思っていたくらいだからね。  そんなボクが、今回、引っ越しができたのは、こういう面倒くさい作業を、「水曜日」のスタッフやボクのマネージャーが手伝ってくれたっていうのが、めちゃくちゃ大きい。だって、ゴミが100袋以上も出たんだよ? 冒頭でも伝えたけど、絶対ボク一人では、引っ越しできていない。ほんとに助かったよ。  新しい部屋の広さは87平米で、間取りは2SLDK。しかも屋上までついている。ワンフロアに一戸だから、隣人ことを気にしなくていいのも魅力。家賃は29万円。以前のマンションが家賃12万円だったから倍以上の価格だね。  以前の部屋は、至るところにモノが散乱して、とにかく汚かったから、今回の部屋は、なるべくキレイな状態を保つことが目標。リビングと寝室がちゃんと分かれているから、これまでみたいにベッドの上でご飯を食べるような行為はもうやめたよ。タレなどをこぼしたりすると、すぐにシミとかできちゃうしね。「ベッドは食卓じゃないんだな」っていうのを、今回の引っ越しで改めて気づけたよ。  15年も住んだんだから、退去する日はけっこう寂しくなったりするんだろうなって思っていたんだけど…正直、まったく何も感じなかったなー。これには、ボクも驚いたよ(笑)。逆に、「すっきりした」っていう気持ちのほうが大きいかも。  改めて、ボクってアップデートが早い人間なんだなって痛感した。15年も住んだのに、自分の手から離れた途端、興味がなくなっちゃった。正直、もう、どんな部屋だったかも、あんまり覚えていない。部屋の電気の位置って、どこだったっけな…。 ●24時間365日カメラで監視  新しい部屋は大満足なんだけど、1つだけ、おかしな点があったりもする。それは、リビングと寝室にカメラが取り付けられていること。設置したのは、もちろん「水曜日」のスタッフ。以前の部屋でも、新たな企画のたびに隠しカメラをつけたり外したりしていたみたいなんだけど、もうその作業がいちいち面倒くさいから、最初からつけておくということみたい。もう言い分がむちゃくちゃだよね。  これで24時間365日、「水曜日」のスタッフはいつでもボクの部屋を監視できる状態らしいんだ。ボクのプライバシーはどこにいったの!って、すごい嫌だったよ。  ただ、今では、カメラがあることに、もうすっかり慣れちゃって、何とも思わなくなってるんだけどね。むしろ、ボクが体調悪くなって倒れたりしたら、救急車を呼んでくれるかもしれないから、逆にプラスに考えてたりもしている。泥棒が入ってきても見つけてくれるかもしれないから防犯上も良いしね。よくよく考えたら、監視されるのって、すごいありがたいことなのかも。  とにかく、せっかく広くて、キレイな部屋に引っ越してきたんだから、ゆくゆくは女の子が好きそうなオシャレな部屋にしてやるつもりだしん! (構成/AERA dot.編集部・岡本直也)

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    渡部建、49歳になって仕事ゼロでもなぜか余裕 復帰を焦らなくてもいい「うらやましい理由」

     昨年6月までは8本のレギュラー番組を抱える売れっ子だったアンジャッシュの渡部建(49)だが、不倫騒動で芸能活動を自粛して以降、復帰の道筋は見えてこない。  渡部の近況を報じた週刊誌「FLASH」(9月28日・10月5日号)によると、普段は総額35万円のハイブランドコーデで“主夫”をこなしているという。  一方、一家の大黒柱となった佐々木希(33)は、三池崇史監督が演出を手掛ける舞台「酔いどれ天使」に出演中だ。東京公演の千秋楽を迎えた20日には、3歳の長男がサプライズで花束をプレゼントしてくれたことをインスタグラムで報告した。 「佐々木は4億円のマンションをキャッシュで購入し、息子を年間の授業料が200万円以上といわれる幼稚園へ転園させたことが報じられました。10月からは舞台の大阪公演が始まりますが、今の彼女は精力的に仕事をこなしています。もちろん佐々木が仕事の間は渡部が家事と育児をこなしているそうです」(女性誌記者)  渡部の復帰に関しては昨年末の「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」(日本テレビ系)への出演情報が流れたことで、渡部も慌てて“謝罪会見”を開いたが、これが完全に裏目に。しどろもどろの受け答えに終始し、結局、騒動を蒸し返されるだけに終わった。 「『ガキ使』の出演はお蔵入り、さらに『有吉反省会』(同・9月で終了)の最終回にサプライズ出演のうわさも流れましたが、これは有吉本人が否定しました。渡部自身は、テレビへの未練はあると思いますが、実際、以前のような形で復帰するのは難しいと感じているようですね。昨年の会見で懲りたというか、このまま表舞台に出たところで、一生“トイレ不倫”は言われ続けるでしょうし、忘れた頃にまた蒸し返されたり、あるいは別の女性が告白したりという不安は絶えないでしょう。YouTubeでの復帰なども、オファーはあったみたいですがすべて断っているそうで、今は静かに暮らしたいそうです」(テレビ関係者)  スポーツ紙記者も「宮迫(博之)さんのケースを目の当たりにしているので、YouTubeなどでも露出は控えたいようです」と話す。 「得意のグルメも今では、イメージダウンで厳しいですし、相方の児嶋一哉のYouTubeが好評なので、その邪魔をしたくない、という思いもあるのかもしれません。一方で佐々木の仕事は順調で、今の舞台の演技も好評なので、すでに映画やドラマのオファーも来ているようです。佐々木も渡部には『復帰は焦らなくていい』と話しているそうですし、渡部にしてみれば、やっと生活のリズムが落ち着いてきたところなのではないでしょうか。今は将来的なことも考え、子どもの送り迎えや家のことをこなす合間に、資格取得のための勉強も始めたという話もあります」  23日に49歳を迎えた渡部だが、1年後の50歳でも芸能界復帰はしていない可能性もありそうだ。もう復帰とは別の道を歩むための準備を始めたのかもしれない。(坂口友香)

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    恩師が語る 小室圭くんは「モテていました。人を引きつける何かがあった」

     小室圭さん(29)は国立音楽大学附属小学校(音小、東京都国立市)の卒業生だ。小学校時代の恩師は、一連のバッシングに心を痛めていたという。約3年ぶりに帰国して、小室さんは何を語るのか。教え子を案じる恩師に、思いを聞いた。 ──小室圭さんはどんなお子さんでしたか。  圭くんのことは、よく覚えています。小さいころはおかっぱ頭でね、とても可愛かったですよ。悪い印象なんて一つもないです。担任の先生の指導もあり、礼儀正しくて職員室や校長室に入るときのあいさつもしっかりしていました。週刊誌やテレビなんかでいろいろ言われているようですが、私の記憶では、全くそんなイメージはありません。  優しい子でした。特に女子からは人気がありましたね。モテていました。何でしょうね、目立つわけではないんだけれど、今の言葉で言うと「持ってる」というのかな。圭くんには人を引きつける何かがありました。 ──婚約内定の発表時には。  お名前で「圭くんと同じ名前だ」と思い、テレビで顔を見てすぐ気が付きました。学校関係者で一番早く気が付いたんじゃないでしょうか。 ──ある報道では、小学校時代に小室さんからいじめ被害にあったという告発がありました。  音小は1クラスに男子が4~6人と少ないのですが、子ども同士のトラブルはそれなりにあったかもしれません。ただ、当時はいじめ的なものとしてはとらえていませんでした。時代もあるのかもしれませんけれども……。私たちに見えていない部分もあるでしょうし、深い内面まではわかりません。それを前提として言えば、私たちにとってはごく普通の子どもです。リーダーシップを発揮して皆を引っ張っていくというタイプでもありませんし、特別目立つということもありません。 ──小室さんが4年生のころ、父親が亡くなっています。  子どもながらに大変だったと思います。国立の家から横浜に引っ越すことになって、通い続けられるか、学費のこともありますし、お母さまを含めて心労も大きかったと思います。でも、最終的にはお母さまは「圭は音小が大好きだし、通い続けられるようにしたい」とおっしゃり、いろいろ尽力されたのだと思います。圭くんは卒業まで横浜から国立まで毎日通ってきていました。 ──小室さんの親御さんはどんな方でしたか。  子どもとは別人格ですから、そのことはコメントはしません。深いことはわかりません。お母さまが「外車を乗り回して服装も派手で……」なんていう報道があるようですが、音小には外車に乗る親御さんはいらっしゃいますし、特別視されるようなことはないです。インターナショナルスクールへの進学も、彼だけではありません。卒業生には何人かいます。 ──卒業後の交流は。  卒業後に一度かな、会いました。中学受験して国際的な学校に進学して、多国籍の人たちのなかで切磋琢磨しながら、大変な努力をしたのでしょう。幸せになってほしいと思います。 (本誌取材班)※週刊朝日  2021年10月1日号

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    小林麻耶が離婚へ 夫から解放されても修復が難しい「海老蔵一家」と「TBS」

     今年3月から別居状態にあった小林麻耶(41)と夫の國光吟氏(37)が離婚に向けて協議を始めたという。7月1日発売の「女性セブン」によると、当初は麻耶自身も別居が一時的なものになるか、離婚への準備期間となるかはわかっていなかったが、周囲のサポートもあり自分の意思で結論を出す段階に入ったようだ。 2人が結婚を発表したのは2018年7月。出会って2カ月、“交際ゼロ日”での電撃婚は周囲を驚かせたのはもちろんだが、國光さんの行うスピリチュアル色の強いセラピーやカウンセリングなどに傾倒する麻耶を心配する声も少なくなかった。「それ以降の2人の行動といえば、まるで麻耶さんのマネジャーのようにどこへ行くのにも國光さんが同行し、次第に仕事場でも國光さんが口を出すようになったといいます。そして昨年11月に『グッとラック!』(TBS系)の電撃降板と所属事務所との契約解除があり、麻耶さんの彼への依存ぶりが心配され始めました」(女性誌記者) 一時期は麻耶が「洗脳状態」にあるのでは?などと心配もされたが、次第に2人の関係は冷めていったようだ。結局、3月には別居となったが、國光氏と距離をとった麻耶を誰よりもサポートして見守り続けたのは、麻耶の母親だったという。「お母さんの元に戻ってからは、麻耶さんも徐々にこれまでのことを冷静に振り返ることができるようになったそうですが、最も彼女の心を揺り動かしたのは麗禾ちゃん(9)と勸玄くん(8)の存在です。國光さんと結婚してからは、海老蔵さん一家とも以前のように頻繁に関わることがなくなり、あれほどかわいがっていた子どもたちともここ1年ぐらいは会っていないといいます。お母さんは、麻央さんの闘病中には麗禾ちゃんと勸玄くんの面倒を見て家事一切を取り仕切っていました。お母さんから伝え聞く2人の様子やYouTubeで見る成長ぶりに会えない辛さが募ったのでしょう。そんな麻耶さんの異変に気づいて、お母さんはメンタル面も含めてフォローし続けているそうです」(同前) だが、仮に離婚が成立したとしても、今後の麻耶の状況が元通りになるかといえば、「すぐには難しいかもしれない」と芸能ジャーナリストは話す。「まずは麗禾ちゃんと勸玄くんとの関係です。麻央さんの闘病中はお母さんと共に彼女もよく面倒を見ていて、子どもたちも懐いていましたが、海老蔵さんが現在の状態のまま、麻耶さんと距離をとり続けるのであれば、以前のような家族ぐるみの関係に戻るには時間がかかるでしょう。海老蔵さんはこれからは『十三代目市川團十郎白猿』と『八代目市川新之助』の襲名披露公演も控えていますから、あまり“雑音”は入れたくないのではないでしょうか」 また、広告代理店関係者は麻耶の復帰をこう心配する。「いずれ麻耶さんも仕事復帰を考えているでしょうが、義理を欠くようなことをしてしまった古巣のTBSや前の所属事務所からのバックアップは期待できないでしょう。それ以上に、はたしてタレントとして需要があるのかも疑問です。國光氏とのお騒がせカップルのイメージがまだ根強く残っていますから、CMや司会などで起用するのは厳しいのでは」 麻耶はこの日、自身のブログを更新したが、離婚報道には言及しなかった。“目が覚めた”麻耶が目の前に待ち受ける新たな壁に気づき、それを乗り越えた時に、彼女は本当に自由になれるのかもしれない。(宮本エミ)

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    【独自】小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”

    「小室圭さんの実力では無理だと思います」 こう話すのは、全米で「トップ100」と呼ばれる大手弁護士事務所(ビッグロー)のパートナー弁護士のA氏。専門は、海外企業同士のM&Aなど。米国を拠点に世界を飛び回り、収入も桁違い。この姿こそ、小室さんが思い描く将来でもあるようだ。 昨年の秋ごろ、A氏の事務所に、働かせてほしい、と小室さんの「経歴書」のようなレジュメが別の弁護士を通じて届いたという。小室さんは、ニューヨークなど大都市での弁護士の仕事を探しており、ビッグローか、その下の規模のミッドローでM&Aなどをやりたいという。 A氏がそのレジュメを見て思ったのが、冒頭の言葉だ。なかでも、A氏が首をかしげたのがニューヨークのフォーダム大ロースクール(法科大学院)への留学の部分だ。「疑問なのは、彼がLLM(法学修士)のコースに入ったことです。しかも1年学んだ後に、JD(法務博士)コースに編入している。大きな事務所を目指してて、こんな動き方をするなんて聞いたことがない」 LLMとJDというのは、ロースクールでのコース名だ。米国の大学には法学部がなく、弁護士を目指す人は、大学卒業後にJDに入る。ここで3年間学び、事務所に入るのが一般的なパターンだという。 一方、LLMは、法律の資格を持つ外国人留学生が多いといい、「表現として正しいかわかりませんが、キャリアに“箔(はく)をつける”ようなイメージです」。 A氏によると、米国で弁護士となるのに重要なのはJDでの1年目だ。「米国での就職活動は、2年生の終わりの夏休みで終わります。事務所のサマープログラム(インターン)で働き、その後よほどのことがない限り、その事務所からオファーを受けて就職します。どの事務所のプログラムに入れるかは、1年時の成績で決まります。だから学生の競争も壮絶です。本を隠すなどの足の引っ張り合いもあります。小室さんはその1年をLLMに入っています」 ビッグローのインターンの募集は、ハーバードやエール、コロンビアといった有名大学で公募し、最初の書類選考で成績優秀者に絞り、次の面接で決まる。A氏が言う。「採用された学生には、1年目から19万数千ドル(2千万円以上)の給与が支払われます。それも5年くらいは半人前で、彼らから利益は出ません。それでも欲しい人材ということなんです。だから相当厳選します。原則でいえば、ビッグローはインターン以外の方法では採用しないです」 チャンスをつかめる学生は、ほんの一握りだ。小室さんは、そもそもLLMに入った時点で、希望するビッグローへの道は閉ざされたといっていい。なぜLLMに入ったのだろうか? A氏が話す。「こう言っては何ですが、彼の経歴に目を見張るモノはありません。あるとすれば眞子さまのフィアンセという一点。それでも奨学金を取得できたり、JDへ編入したり、弁護士が出てきて仕事を探したり。知恵をつけている人がいるんでしょう」 では、ビッグローは無理でも、M&Aは他でもできるのだろうか?「米国には約43万の事務所がありますが、M&Aの70%超は『トップ100』が扱っています。小室さんが弁護士として働くにはM&Aにこだわらないことですね。移民法の弁護士などは圧倒的に多い。日本人も多いです。もうからないので人気はないのですが」 そして、こう続けた。「詳しいことは申し上げられませんが、彼の『経歴書』を見る限り、とても“権威”が好きなんだと思います。M&Aも彼からすれば格好良く見えるんでしょうけど、実際は相当厳しい世界です。パートナー弁護士になるのは10年後くらい。それまで生き残っているのはわずかです。彼がそもそも弁護士という職業に向いているのか……。野心家だと思うので、ベンチャーのような起業家とかが向いているような気がします」(本誌・矢崎慶一)※週刊朝日  2021年9月17日号に加筆

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    眞子さま「駆け落ち婚」の何がいけないのか 森暢平教授、国民「小姑」化を憂う

     婚約内定発表から約4年のときを経て、ようやく成就する眞子さまの結婚は、手放しの「祝福ムード」とはいかぬままゴールを迎えそうだ。2人の結婚をどうとらえればいいのだろうか。皇室の結婚に詳しい森暢平教授に寄稿してもらった。 *  *  *  眞子さまとの婚約が内定している小室圭さん(29)が近く、米国から帰国する。10月中にも自治体に婚姻届が提出されるはずである。  週刊誌やSNSにはいまだに「駆け落ち婚」への非難が多いが、バッシングを続けても2人が結ばれることには変わりがない。  それよりも、なぜ2人が結婚し、それに対し、あまりよくない思いを持つ人が多いのはなぜかを考える方が、生産的ではないか。 「『私』を抑えて国民のために尽くしてきたことで敬愛され、信頼を得てこられたのが皇室です。ところが眞子さまは『好きだから結婚する』というお考えを最後まで崩しませんでした。(略)『わがままを通した』ということ。『私』を優先したことにより、裏切られたと感じる国民も少なからずいます」  静岡福祉大の小田部雄次名誉教授のコメントである(『週刊新潮』9月16日号)。申し訳ないが、共感できない。この論理に沿うと、滅私奉公が皇室の務めだということになる。結婚においても好きな人を選んではならないということになる。天皇・皇族の自由意思は否定されるべきなのか。  皇室にはかつて「同等性の原則」「婚姻勅許(ちょっきょ)制」というルールがあった。同等性の原則は、明治の皇室典範が「皇族の婚嫁(こんか)は同族、又は勅旨(ちょくし)に由り特に認許せられたる華族(かぞく)に限る」(39条)と定めたものである。皇族は、同族(つまり皇族同士)か、認められた華族としか結婚できなかった。さらに、40条が「皇族の婚嫁は勅許に由る」と婚姻勅許制を明記した。皇族の結婚は、天皇の許可が必要だった。  明治日本は2つのルールを主にドイツから取り入れた。同等性の原則は、ドイツ皇帝が連邦諸侯の王女と結婚するように、身分が近い者と結婚しなければならないと限る通婚制限原則である。上位貴族以外との通婚は許されない。婚姻勅許制は、身分違いの結婚を望んでも国王から許可されないし、それでも結婚したいのならば、生まれた子に王位継承権は与えられないという決まりである。いずれも帝位・王位の正統性を保つために定められた。  ルールにもとる婚姻は、貴賤結婚・不正結婚である。英語ではレフト・ハンディッド婚(左手の結婚)と呼ばれた。こうした19世紀的通婚制限は、20世紀になると欧州でも古びた慣行になっていった。  日本においても、1928(昭和3)年、秩父宮が平民籍にあった松平節子(のち勢津子妃)と結婚するなど規制緩和が進んでいく。戦後の正田美智子(現・上皇后さま)の結婚が、非華族(平民)との通婚だとして国民的祝賀を受けたのは、ご存知の通りである。  婚姻勅許制は現在も形式的に残っている。2017年、眞子さまと小室さんの結婚について天皇の裁可(さいか)があったと報じられたことである。  この件は、戦後初めての女性皇族の結婚、和子内親王の事例に遡(さかのぼ)る。1950年、鷹司平通(たかつかさとしみち)との結婚が裁可されるとき、婚姻は両性の合意のみに基く、と定めた日本国憲法24条との整合性が問題となった。そこで、裁可は皇室内部の手続きとして簡略化し、外部に公表しないことを決めた。  だから、その後の女性皇族の結婚で裁可が公表された例はない。眞子さまのときだけ、なぜか公表されたのである。  近代の皇室の歴史は、国民とのフラットな関係への志向(皇室平民化路線)と、権威化路線とのせめぎ合いのなかにあった。戦後皇室は基本的には、平民化路線へと向かっていた。  だが、近年、怪しくなってきた。それは、災害や経済的苦境が続き、日本の国際的地位が低下したことと無関係ではない。人は、何かに確信が持てないとき、過去とのつながりを確認したくなる。正統性、伝統、国家というアイデンティティーにすがりたくなるのだ。従来の通婚範囲から大きく外れた場所から出現した小室さんを受け入れにくいのは、私たちが、不安の時代を生きているからである。  眞子さまの結婚の裁可が公表されてしまったのは、宮内庁が前例を忘れたという単純な理由によるものだろう。 ありのままであるために必要  だが、その深層には、天皇に権威性を求めてしまう社会の変化がある。不安定な政治に飽き飽きする私たちは、不変なものを皇室に求めてしまう。皇室は無私(わがままを言わない存在)だと信じたくなってしまうのだ。  そもそも、孫娘の結婚に、祖父の許可が必要な家庭など今の日本にはほぼ存在しない。皇室の存在意義は、日本の家族の鏡であることだ。そこからの逸脱こそ、皇室の存続にかかわる。  確かに、小室さんは同等性の原則からは大きく外れる。しかし、21世紀の私たちは、100年以上前の原則を皇族に押し付け続けるべきなのか。  息苦しい日本で、若者たちは、相手の地位や年収や容姿といったステレオタイプ化した異性の魅力を重視していない。一緒にいて居心地のいいこと、ありのままの自分でいられることが最も重要である。社会学はこれをコンフルエント・ラブ(融合する愛)と呼び、従来型の恋愛と区別している。  眞子さまが選んだ小室さんは、まさに、ありのままの眞子さまであるために必要な存在である。眞子さまの言葉を借りれば、小室さんは「かけがえのない存在」であり、2人の結婚は「自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択」である。この言葉に、国民は戸惑っていると言う人がいる。社会の不安を眞子さまの結婚への期待に置き換えるべきではない。  国民と皇族は違うという人もある。同じである。逆に、同じであろうとしたことこそ皇室と国民を結ぶ回路であった。皇族にもプライバシーもあれば、個人的な欲望もある。恋もする。  国民が総小姑(こじゅうと)状態になり、眞子さまの結婚に注文を付けること自体、異様である。『週刊朝日』を含めたメディア報道もおかしかった。  結婚を両親が認めたことも明らかで「駆け落ち婚」と呼ぶのはもはや適切ではない。仮に「駆け落ち婚」だとしても、そのどこが問題なのか。  彼女の結婚を見守ることしか、私たちがなしうることはない。※週刊朝日  2021年10月1日号

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    『鬼滅の刃』特別編集版で注目された「柱合会議」で風柱・不死川実弥が怒り狂った本当の理由

    【※ネタバレ注意】以下の内容には、既刊のコミックスのネタバレ、今後放映予定のアニメの内容が含まれます。 23日、アニメ1期特別編集版の最後となる「柱合会議・蝶屋敷編」が放送された。この柱合会議では、主人公の炭治郎が鬼になった妹を連れていることが問題となった。これに対して風柱・不死川実弥は怒り狂い、禰豆子を串刺しにするというショッキングなシーンもあった。静観の構えをみせる「柱」もいた中で、なぜ彼はここまで激しい怒りをあらわにしたのか。それには、実弥の過去にまつわる“重大な理由”があった。(本記事はアニメ特別編集版と、原作の漫画『鬼滅の刃』を参照しています) *  *  * ■紛糾する柱合会議  鬼狩り組織・鬼殺隊の中で、屈指の実力者は「柱」と呼ばれている。その柱たちが集う柱合会議で、竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が鬼の禰豆子(ねずこ)を連れていることが問題になった。9名の柱たちは竈門兄妹に厳しい言葉を口にする。 煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)は竈門兄妹の斬首を主張し、宇髄天元(うずい・てんげん)も悲鳴嶼行冥(ひめじま・ぎょうめい)もそれに同調した。伊黒小芭内(いぐろ・おばない)は炭治郎をかばった冨岡義勇(とみおか・ぎゆう)の責任にも言及する。裁きに無関心な時透無一郎(ときとう・むいちろう)と、炭治郎に同情的な甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり)は、冒頭場面では他の柱の制止等はしていない。 混乱する柱合会議の中、禰豆子が入った箱を持った不死川実弥(しなずがわ・さねみ)が、恐ろしい形相でその場にやってきた。<鬼を連れてた馬鹿隊員はそいつかいィ>(不死川実弥/6巻・第45話『鬼殺隊柱合裁判』) ■不死川実弥の異様な態度 <鬼が何だって?坊主ゥ 鬼殺隊として人を守るために戦えるゥ? そんなことはなァ ありえねぇんだよ馬鹿がァ>(不死川実弥/6巻・第45話『鬼殺隊柱合裁判』)  そう叫ぶや否や、実弥は箱もろとも禰豆子を日輪刀で突き刺した。この実弥の行為に反応したのは、義勇、しのぶ、蜜璃、そして炭治郎だった。禰豆子は苦痛の声すら発することもできない。 ここまでの場面から分かるのは、おそらく禰豆子についてはできる限り裁判の場には連れ出さない予定だった、ということだ。そして、それを指示していたのは蟲柱の胡蝶しのぶだったと思われる。鬼殺隊後方支援を担当している「隠」(かくし)が禰豆子の箱を戻すように実弥に頼んでおり、さらにしのぶにむけて「胡蝶様 申し訳ありません…」と謝っているからだ。また、実弥に対してしのぶは「不死川さん 勝手なことをしないで下さい」と普段の笑顔とは異なる厳しめの表情で、その行為を牽制した。 しかし、実弥は「鬼化した禰豆子と、それを連れている炭次郎」への怒りを止めることはできなかった。伊黒も実弥と同じような意見で、同様の態度を見せている。 ■加速する実弥の怒り  実弥は鬼殺隊の総領である産屋敷耀哉(うぶやしき・かがや)には大恩があり、信頼していた。しかし、その尊敬するお館様・耀哉が「炭治郎と禰豆子のことは私が容認していた」と答えたため、驚きを隠せなかった。<鬼を滅殺してこその鬼殺隊 竈門・冨岡両名の処罰を願います>(不死川実弥/6巻・第46話『お館様』) 耀哉は禰豆子容認の根拠として、冨岡義勇とその師である鱗滝左近次(うろこだき・さこんじ)が、竈門兄妹の助命嘆願のために切腹をかけているという手紙を読み上げさせた。同じ柱として、ともに鬼の滅殺に命をかけてきた義勇までもが、鬼をかばっていることが、実弥にはどうしても理解できない。 鬼殺隊の構成員たちは、ごくわずかな者をのぞいて、ほとんどが家族や兄弟、恋人や友人など、大切な人間を鬼に食われている。鬼のいない世を作るために、鬼殺隊の隊士たちは命をかけて戦っているのだ。最前線で戦う実弥は死にゆくたくさんの仲間たちを目にしている。感じている責任の重さも並大抵のものではないだろう。  日々失われる仲間の命、大切な人を殺された過去。その思いを共有しているはずの耀哉と義勇が鬼をかばうことに、実弥は激しくいきどおった。これは不死川実弥という人物の本質が、仲間思いで、柱としての責任感が強いことの裏返しだ。 ■実弥と禰豆子 <わかりません お館様 人間ならば生かしておいてもいいが 鬼は駄目です 承知できない>(不死川実弥/6巻・第46話『お館様』) そして、実弥は自らの腕を傷つけ、その血を禰豆子に見せつけた。禰豆子は直前に実弥の日輪刀でケガをさせられており、傷の修復のために飢餓状態も高まっていた。しかし、禰豆子は実弥への攻撃と捕食をなんとか思いとどまる。この一件をもって、禰豆子が人間を襲わないことの証明は終わり、実弥もいったんは竈門兄妹の処罰を諦めるしかなくなった。 なぜ、実弥はこんなにも鬼に怒るのか。他の隊士たちも、同じような境遇で苦しんでいるのに、一応は我慢し、実弥ほどは禰豆子への処罰を強くは主張していない。 ■実弥の怒りの理由  実は実弥は、自分が「もっとも信頼する人物」が鬼化させられており、その時に大切な人を複数失っている。実弥の傷は、鬼殺の任務中に負ったものもあるが、その中には、当時の事件の傷も残っている。 鬼化がもたらす「人格的変化」を目の当たりにしているからこそ、実弥はすべての鬼を信用できない。かつて鬼化した「もっとも信頼する人物」への愛情の深さゆえに、鬼化=その人物の人格の死、と理解しているのだ。 さらに実弥は、自分の実弟を鬼の脅威から守るために鬼殺隊へ入隊している。鬼には知性があり、言葉をあやつり、時に人間に擬態もするため、人間をだますことも容易である。鬼の強大なパワーも考慮すると、鬼殺隊隊士は、鬼に遭遇した瞬間すぐに滅殺する体勢をとらないと、被害が増えることは明白なのだ。 これらの理由から「鬼を全て駆逐すること」を誓っている実弥の思考と判断は間違っていない。 ■不死川実弥の「柱」らしさ  柱合会議の時の竈門兄妹への暴力、攻撃を見ると、不死川実弥には「狂気」があることは間違いない。しかし、場面をよく確認すると、彼にはやはり柱に選ばれるだけの度量や思慮深さがあることが分かる。 最初に禰豆子の箱を他の柱たちの前に持ってきた時、本当に問答無用であれば、その時点で禰豆子に致命傷を負わせることは実弥には簡単だったはずだ。鬼の帯同など許せるはずもない、という感情を持ちながらも、状況を正確に見極めようとしたために、炭治郎の前にわざわざ禰豆子を連れ、義勇としのぶの言葉にいったんは耳を貸し、耀哉の考えを聞こうとした。一見、暴れ狂っているように見える実弥の言葉からは、深い悲しみと恨み、そして葛藤がにじみ出ている。 今後、物語が進む中で、不死川実弥の過去が徐々に明らかになっていくが、これは『鬼滅の刃』においても屈指の悲しいエピソードである。読者とアニメ視聴者は、その過去を知れば知るほど、この「柱合会議」の際の実弥の忍耐力と、彼の真意に思いをはせることになる。今後のアニメの展開が楽しみでならない。 ◎植朗子(うえ・あきこ)1977年生まれ。現在、神戸大学国際文化学研究推進センター研究員。専門は伝承文学、神話学、比較民俗学。著書に『「ドイツ伝説集」のコスモロジー ―配列・エレメント・モティーフ―』、共著に『「神話」を近現代に問う』、『はじまりが見える世界の神話』がある。

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    沢田研二は「どんなときでもプライドを貫く」 岸部一徳が語る人となり

     映画「総理の夫」に政界のドン役で出演する俳優の岸部一徳さん。作家の林真理子さんもファンだというザ・タイガースの沢田研二さんついて語りました。 【「芝居の勉強はしないほうがいい」と言われ…岸部一徳の役へのアプローチとは?】より続く *  *  * 林:沢田研二さん、先日映画(「キネマの神様」山田洋次監督)で主演をなさいましたね。だから今回の話題の2作、偶然ですけど、どちらもザ・タイガースのメンバーの方がお出になって、どちらも原作が原田マハさんで。 岸部:林さんは、沢田さんのファンだったんですか。 林:もちろんステキ、と思ってはいましたけど、そんなに熱烈ではなかったんです。田舎の女の子ですから、みんなキャーキャー言って、同級生はファンレターやプレゼントを送ったりしていましたけど、私は「どんなに好きでも、一生会えない人に手紙を書いてもしょうがないかな」と思って、さめた目で見ていました。 岸部:でも、沢田さんと会ったことはあるんでしょう? 林:はい。沢田さんのマネジャーだった方のお嬢さんが……。 岸部:ああ、森本さんですね。 林:そうです。7、8年前、森本千絵さんという売れっ子アートディレクターの方の結婚式に呼ばれて行ったのですが、そのときたまたま同じテーブルに沢田さんがいらしたんです。前に1回、若いころ対談させていただいたんですけど、そんなことはもちろんお忘れでした(笑)。 岸部:アハハハ。 林:ひげをのばしていらして、すごくカッコよかったですよ。若さに執着しないで思うがままの姿が、めちゃくちゃカッコよかったです。 岸部:ああなったらああなったで“スター顔”ですよね。 林:そして最後に沢田さんが「勝手にしやがれ」をお歌いになって、みんなで歌って踊って、その披露宴は終わったんです。すごく楽しかったです。 岸部:へぇ~、そうですか。それは貴重な体験ですね。彼はそういう場で、なかなか歌わないんですけどね。 林:わっ、ほんとですか。すごい話だな。10年くらい前、ザ・タイガースの皆さんが集まってコンサートをなさったんですよね。 岸部:そうでした。楽しかったですよ。もうやる機会はないかもしれないですけどね。 林:ご自身は、音楽活動のほうはいかがですか。「ライブ、ちょっとやろうかな」という思いもあるんですか。 岸部:いやぁ、どうですかね。あのときみたいに、集まってコンサートをやろう、という話になったらちょっと練習すると思うんですが、いまはいっさい楽器にさわらないんですよね。でも、沢田さんは、今でもコンサートやっていますからね。 林:沢田さん、以前コンサートの当日に「お客さんが少ない」って怒って帰っちゃったことがあるんですって? それもすごい話ですよね。 岸部:「らしい」って言えば「らしい」ですよね。さいたまスーパーアリーナで、7千人も入っていたんですが、会場が広いのでスカスカに見えちゃうんですよ。ふつうなら「7千人来てくれたら十分じゃない?」ってところが、「7千人じゃやらない」と言って自分を通す。そういうところ、みんなが好きな部分ではありますね。どんなときでもプライドを貫くという。 林:今も電話なんかでお話するんですか。 岸部:ときどき電話しますかね。1年に何回かは直接会います。彼のコンサートは、必ず見に行きますしね。 林:岸部さんが見に行くと、お客さんに気づかれちゃうんじゃないですか。 岸部:いやいや、僕は周りに気づかれてもぜんぜん大丈夫ですよ。沢田さんのコンサートに来ているのは、ほとんど彼のファンだけですからね。今度機会があったら見に行きますか? ジュリーのコンサート。 林:はい! ぜひぜひ! (構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄) 岸部一徳(きしべ・いっとく)/1947年、京都府生まれ。67年、ザ・タイガースのベーシストとしてデビュー。グループ解散後、PYGや井上堯之バンドを経て、75年にドラマ「悪魔のようなあいつ」で俳優に転身。90年にカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した「死の棘」で、第14回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞。ドラマ「相棒」シリーズ、「医龍」シリーズ、「ドクターX」シリーズ、映画「必死剣鳥刺し」「舞妓はレディ」「一度も撃ってません」など出演多数。映画「総理の夫」が9月23日全国公開。※週刊朝日  2021年10月1日号より抜粋

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    改革者か暴君か…河野太郎の素顔  側近議員は「脱原発封印」批判に反論「主張変わっていない」

     4人の候補者による舌戦が続く自民党総裁選。中でも台風の目と見られているのが河野太郎行革担当相だ。はたして河野氏とは一体何者なのか。 >>【前編:河野太郎氏「小石河連合」結集で党内勢力図に大異変 決選投票で勝つのは…】よりづづく  河野氏が生まれ育ったのは神奈川県平塚市。父は自民党総裁も務めた河野洋平・元衆院議長だ。祖父は河野派を率い、農林相や建設相を歴任した河野一郎氏で、3代続く政界のサラブレッドだ。  小学校は地元の花水小学校に6年間通った後、慶応義塾中等部、高等部と進んで慶大経済学部に入ったが、留学のためにわずか2カ月で退学。渡米後に、ジョージタウン大学に入学した。この頃に知り合ったのが、元自民党参院議員の山本一太群馬県知事だ。  「一番最初に会った時に『総理大臣になりたい』と言われて、『何だコイツは』と思ったのを今でも覚えています。当時から大胆で、決めたらすぐに行動に移す。良い意味で、情熱で突っ走る人でした」   85年に大学を卒業し、富士ゼロックスに入社。その後、96年の衆院選に33歳で初当選した。当時は父の洋平氏が現職。選挙前は河野家から2人の候補者が出ることに、洋平氏が猛反対したという。地元の後援者は言う。  「洋平さんとは選挙区は違っても、世襲議員ということで最初は批判があったのも確かです。それでも、本人は1期目から『総理大臣になる』と言い続け、努力を重ねてきた。そのことは地元の人もよく理解していて、次第に世襲で批判されることはなくなりました」   河野氏の代名詞となった原発政策批判は、2011年に東日本大震災が発生する前から取り組んでいたライフワークだ。   だが、これが党内で嫌われる原因になる。原発推進派を厳しく批判していた河野氏は、身内の自民党の政治家も容赦なく攻撃したからだ。   11年5月には、朝日新聞のインタビューで甘利明衆院議員(現・党税調会長)を批判。「次の選挙でそういう議員を落とすしかない」とまで言い放った。   この発言への反発は激しかった。今回の総裁選でも、甘利氏は河野氏について「(菅首相への批判の原因が)ワクチンの迷走と言われ、ワクチン担当相の評価が上がるってどういう構図になっているのかよくわからない」と、皮肉交じりに語っていた。その背景には、原発をめぐる対立があったのだ。   官僚への当たりも強い。最近も「週刊文春」が、河野氏がオンライン会議で資源エネルギー庁の幹部職員に対し「日本語わかる奴出せよ」などと高圧的に迫った一件を「パワハラの疑い」と報じた。ある経産官僚が語る。  「河野さんは強引で人の話を聞かずにああいう物言いをするから嫌われている。官僚の言うことを何でも聞く必要はないが、聞く耳を持たないと、安倍前首相や菅首相のように周りを自分のブレーンで固め、もっと官邸主導が強まるのではないか」   苛烈な性格ゆえに官僚から恐れられる一方、“激しさ”が突破力となり、改革につながることもある。飯塚盛康全経済産業労働組合中央執行委員は言う。  「国家公務員の残業は予算で限度額が決まっているので、100時間残業しても30時間分しか出ないなんてことは当たり前でした。それが、河野さんが『公務員の働き方を変えよう』と旗を振ってくれたおかげで無駄な残業が減り、人事院も残業未払いの人の名前を調査して、省庁に指導してくれるようになりました」   派閥を嫌う河野氏だが、仲間がいないわけではない。秋本真利衆院議員は、市議時代に河野氏からエネルギー政策の知識の深さを評価され、国会議員になるよう助言された。秋本氏は言う。  「12年に初めて衆院選に出た時は、選挙区に10回以上応援に来てくれました。面倒見が良く懐が深い。といっても選挙資金を配るとかではなく、後輩議員を友人として助ける人。当選回数のような国会議員の序列も気にしない人です」   今回の総裁選では、河野氏が「脱原発を封印した」という批判が出ている。これに対して、秋本氏はこう反論する。  「河野さんと私は10年以上エネルギー問題について議論していますが、『即時脱原発』という話は一度も聞いていない。一方で、使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクルの見直しは明言しています。新増設を認めなければ原発はいずれなくなっていく。これは、河野さんのこれまでの主張と何も変わっていません」   前出の山本知事は、群馬県内の自民党議員や経済界の有力者に河野支持を訴えている。その理由について、こう話す。  「河野太郎は『変わった人』と思われていたけど、それが変わった。今という時代が河野太郎を求めているのだと思う」  (本誌・西岡千史、亀井洋志)※週刊朝日  2021年10月1日号に加筆

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    高市早苗氏の意外な過去にフェミニストも震えた 総理の座を狙う過程で何があったのか

     作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、自民党総裁選に正式に出馬表明した高市早苗氏について。*    *  * 近しい人がデルタ株のコロナ陽性になったり、友人の同僚や、通っている美容院のお客さんが亡くなったりなど、夏以降、急速にコロナの危機が迫っているのを実感している。健康観察をされずに自宅で死亡した50代の方の話などを聞くと、東京五輪・パラリンピックに時間とお金と人材を費やすべきではなかったのではないかとつくづく悔しい思いになる。適切な処置を医療機関で受けられていたら、亡くならないですんだかもしれない命は少なくない。 Go Toキャンペーンやオリパラを強行することに専念してきた自民党政権が、トップの顔を代えただけで変われるとは思えず、期待には程遠い自民党総裁選。岸田文雄さんは、ボロボロの小さいノートを振りかざしては「国民の声を書き留めてきた、1年間で3冊、10年間で30冊」と様々なメディアでアピールしているが、正直、少ないと思う。薄いノートを1年でたった3冊埋めたくらいで、国民の声を聞いたとか言えるって、どんだけ聞いてこなかったかという話なのでは。河野太郎さんは、先日週刊誌でそのパワハラ言動が取りざたされていたが、ワクチン接種という、申し訳ないが素人目線でそこまで難しいとも思えない仕事でつまずいている人に期待するのはムリという話だし、高市早苗さんにいたっては、選択的夫婦別姓に強硬に反対するアンチフェミ女のイメージしかない。女性の人権に無関心な女性総理候補にいったい何の価値があるというのでしょう。 とはいえ、高市早苗議員、いったいどんな人なのか。32歳で衆議院議員に若くして初当選(※)。しかも同期の田中真紀子議員や野田聖子議員のように、親や祖父が国会議員だったというわけではなく、自民党員だったわけでもなく、サラリーマンの父と警察官の母という一般家庭から出てきた無所属の女性議員が、今、最も総理の椅子に近い女性となっている。なぜ高市さんは、政治家の道を選んだのだろう。どのように政治の道を歩いてきたのだろう。政治家としては多い著作のなかから国際政治評論家としてテレビで活躍していた頃に書かれた『30歳のバースディ―その朝、おんなの何かが変わる』(大和出版)、政治家2年目に記された『高市早苗のぶっとび永田町日記』(サンドケー出版局)を読んだ。 高市氏が大学を卒業したのは1984年。1986年に男女雇用機会均等法が施行されるが、この2年の差はやはりとても大きいものがある。女性が生涯にわたる仕事を手にすることも、そもそも親が大学に行かせてくれるかどうかも「女の子」であるというだけで諦めることがまだまだ当たり前にあった世代だ。特に地方であればなおのこと。保守的な奈良に育った高市氏も、当然のように「諦めさせられて」きた。例えば大学もそうだ。高市氏は第1希望だった早稲田と慶応のどちらも合格したにもかかわらず、「女の子のあなたを東京の私学で学ばせる余裕はない。弟の学費に回してほしい」と親に諦めさせられ、「女の子だから一人暮らしはさせられない」と通学に往復6時間かかる神戸大学に入学するのだ。 たとえ難関国立大学出身であっても、女性がその能力と希望に見合う就職先を見つけるのが難しい時代だった。「身の丈」よりもずっと小さく窮屈な型に押し込められる女性たちの悔しさは計り知れないが、高市氏の著書からはその類いの悔しさは強調されない。それは高市氏に並外れた行動力と決断力があり、自らの人生を切り開いてきた自負があるからだろう。たとえば、たまたま大学で目にした松下政経塾のポスターを目にして、直感に導かれるように松下政経塾に“就職”したり。たまたまテレビで見た女性議員で史上初の米国大統領候補指名争いに立候補準備を進めていたパトリシア・シュローダーに惹かれ、その2週間後にはワシントンに旅立ち、その情熱だけでシュローダー議員のオフィスで働き始めたり……若さゆえの大胆さと希望に満ちあふれた当時の高市氏のエピソード一つひとつに圧倒されてしまう。「女だから」と諦めさせられてきたのは大学まで、それ以降は絶対に諦めないという粘り強さで今の地位を築いていくのである。『30歳のバースディ』は文字通り30歳を迎えた高市氏がそれまでの人生を「ポップ」に振り返る本である。「BGMはいつもユーミンだった」「寂しいのはあなただけじゃない」「空港でまたまた恋人と涙の別れ」「男かペットがいなくちゃダメな私」「女と日の丸と視聴率の相関関係」「三〇女が孤独を感じるとき」といった目次からもわかるように、女友だちに話しかけるように書かれた軽く、優しいノリのものだ。アメリカから帰国し、若い政治評論家としてメディアに露出していたころで、日本の男性社会へのいら立ちも率直に記されている。「アメリカ議会では日本流のバカバカしい会議がないのが良かった。(略)ところが日本の企業では会議の場では何も決められない。本当は既に決まっているし、とっくに根回しが済んでいることを確認しあうだけの、儀式的な会議のなんと多いことか。でも、私たち女性は妙に正義感が強いので、このような巧妙な人間関係のテクニックとは相性が悪い」 90年代に若い女性が書いたテキストを追いかけながら、私は何度か噴き出したり、そうそうと共感したりと震えるような思いになる。ねぇ、高市さん、「女が入ると会議が長くなる」とほざく森喜朗さんに「あんたの会議はバカバカしい」とはやっぱり言えないものだったの? こういうまっとうないら立ちを文章にしてきた女性が、最も「わきまえる女」になっていく過程に、いったい何があったというの? さらにこういう率直さは、国会議員になった後に書かれた「高市早苗ぶっとび永田町日記」にも残っている。高市氏は歯に衣着せずに永田町のダメなところをきちんと切っている。「この一年間に永田町で一番多く耳にした言葉は次の二つ。『挨拶がない』『俺は聞いてないぞ』。委員会の審議日程が流れたり、大切な法案の採決がパーになったりする理由は大抵この二つだったりする」「笑い話のようなことばかりだが、事実、永田町政治は『理屈』ではなく、『メンツ』で動いている」 さらに、夜の会食や女性がいるクラブなどで行われる男たちの根回しで物事が決まっていく永田町で、女の自分が不利であることも記し、サッチャーのこんな言葉を引用し共感を表明するのだ。「私は最後まで党内基盤が弱かった。それは男性の世界の根回しに加えてもらえなかったからよ」 なにこの人……すごくまともな「一般人」の感覚で、すごくまともな「女の悔しさ」をストレートに出すフェミじゃないの? しかもそのまともさで、「総理大臣の資質」というものを論じ、当時の村山政権を真っ正面から批判している。明言しているわけではないが、高市氏自身が政治家として一番になること=総理になることを30代から目指しているのも伝わってくる内容なのだった。根回しから排除されてきたサッチャーが首相になれたように、パトリシア・シュローダーが80年代に大統領を目指したように、高市氏は政治家としてトップに行くことを最初から視野に入れていたのだ。 ……と、昔の高市氏の本を読んでいると、うっかり「がんばれ、早苗!」と言いたくなってしまう私がいるのだった。「総理になろうよ!!」と早苗の女友だちポジションに立って拍手したくもなってしまうのであった。まずい、まずい。正気に戻るために2011年に出版された『渡部昇一、「女子会」に挑む!』(WAC)も読んだ。櫻井よしこ氏、山谷えり子氏、高市早苗氏、小池百合子氏、丸川珠代氏・・・といった早々たる「わきまえ女」(帯には「なでしこ軍団」とある)たちと渡部昇一氏との対談本だ。 渡部氏との対談で、「総理になったら、まず何をしますか?」と聞かれた高市氏はこう答えている。「最初に、政府歴史見解の見直しをします。新たな歴史見解を発表して、村山談話を無効にします」 東日本大震災のあった年の9月に出版されている本だ。震災後から、こういう歴史修正主義を堂々とうたう本や、韓国ヘイト、「慰安婦」運動への過剰な攻撃は度を越していったという実感が私にある。保守政治家から極右政治家に舵を切るように発言をより過激化させていく高市氏の横顔が、対談にはしっかりと刻まれている。夫婦が別の姓を名乗ったら家族が崩壊すると適当なことを言い、戦時性暴力の責任を問わないどころかなかったことにすることが、高市さんの「目指した政治」だったのだろうか。この国の女性たちが権力に近づこうとするならば、率先して選択的夫婦別姓を批判し、「慰安婦」被害者をおとしめる発言をいとわず、女性の権利を口にするフェミを冷笑するというマニュアルでもあるのだろうか。 今いる自民党の女性議員の顔を、一人ひとり思い浮かべてみる。わきまえなければ権力に近づくこともできなかった女性たち。夜の会議や根回しから排除されながらも、その立場を維持するための努力は、二世・三世の男性議員たちとは全く違うものがあったはずだ。それでも、それほどの努力をしても、彼女たちが自らの後ろを振りかえったとき、彼女たちの後ろを歩きたいと思う女性はどのくらいいるだろうか。というかそもそも、その道は後続の女性のために開かれていたことはあったのだろうか。 かつて高市氏が憧れ渡米したパトリシア・シュローダーはテレビカメラの前で涙を流した。そのことによって20年以上「女の政治家は感情的だから、ダメだ」と言われ続け、「あなたの涙のせいで、女の地位が悪くなる」と責められ続けたという。女であるというだけでその「涙」が事件になるのは、昔のアメリカも今の日本も変わらない。そういう政治の世界でトップを目指す女性たちが、女性の味方であることを忘れるのは「仕方ない」ことなのだろうか。それとも、アンチフェミニズムの顔で女性をたたくような女性政治家しか出せない自民党政治そのものが終わっている、ということなのか。※訂正配信時の「32歳で衆議院議員に初当選、女性議員としては、当時憲政史上最年少だった」という一文を、「32歳で衆議院議員に若くして初当選」と訂正しました。高市氏の著書『高市早苗のぶっとび永田町日記』に「女性として憲政史上最年少当選」と記してありましたが、実際は1946年4月10に三木キヨ子氏が20代(当時)で当選していたため削除、修正します。■北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。女性のためのセクシュアルグッズショップ「ラブピースクラブ」、シスターフッド出版社「アジュマブックス」の代表

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    「芝居の勉強はしないほうがいい」と言われ…岸部一徳の役へのアプローチとは?

     新作映画「総理の夫」で、初の女性総理と連立を組む政界のドンを演じる俳優の岸部一徳さん。作家の林真理子さんが、口数が少なかった子ども時代のこと、ザ・タイガース時代の記憶や演技への思いなどをうかがいました。 *  *  * 岸部:林さんのこの対談、もう長いんでしょう? 林:はい。去年のはじめに1千回を超えました。岸部さんには、10年前に一度出ていただいたんですよね。 岸部:あ、そんなに前になりますか? 林:映画「大鹿村騒動記」のときでした。あれはあの年の映画の賞を総なめにしましたよね。 岸部:そうでした。あの作品は、原田(芳雄)さんの遺作になったんですよ。 林:そうだったんですね。今度の「総理の夫」という映画(9月23日全国公開)で、岸部さんは、日本初の女性総理(中谷美紀)と連立を組む政界のドンの役をなさってますね。私、野田聖子さんと親しくて、このあいだこの映画のことを話したら、野田さん、「原作(『総理の夫 First Gentleman』原田マハ)を読んでるから、映画、見てみたいな」と言っていましたよ。 岸部:そうですか。 林:この映画みたいな夫(田中圭)がいてくれたらどんなに素晴らしいかと思いますよ。奥さんの成功を自分のことのように思って、愛しながらサポートをしていて。 岸部:はい。政治が題材なので、マジメといえばマジメな映画ですけど、ちょっとコメディーっぽいところもあるから、楽しく見られると思いますね。 林:この作品には、基本的にいい人ばっかり出てくるなかで、いかにも政界の奥深い闇をあらわしているのが岸部さんですよね。岸部さんが出てくると、それだけで存在感があって、「政界の鵺(ぬえ)」と言われている二階(俊博=自民党幹事長)さんを想像してしまいましたよ(笑)。 岸部:そうですか(笑)。まあ、実際の政界では、むしろフィクション以上にいろんなことがあるんでしょうけどね。 林:そうですね。映画に出てくる、総理の記者会見場とか、国会議事堂の中の委員会室とかがとてもリアルで、映像がよくできていますよね。あれは学士会館で撮ったんですか。 岸部:そうです。でも、本当に議事堂の中にいるように見えますよね。首相公邸の外観については、周辺のビル群などCGも使っていると聞きましたけどね。 林:政治や経済には、やっぱりご興味がありますか。 岸部:まあ、ふつうに、ね。たとえば金融関係の映画に出るとしたら、金融って一体どういう仕組みなんだろうと思って、日経新聞をしばらく読んでみるとかね。そういうことから、見えてくるものもあると思っています。今度の映画は、政治の世界について、ちょっと見方を変えて考える機会になりましたしね。安倍(晋三)さんが総理になる前は、食事会や勉強会にときどき誘われることがあったんですよ。 林:あ、そうなんですか。 岸部:総理大臣になってからは、会う機会もなくなりましたけどね。芸能人が総理大臣と仲良くするのは、変だな、と思いましてね。安倍さんは意外と、映画にかかわる人が好きらしいんですよ。津川雅彦さんと仲がよかったそうですしね。 林:朝日新聞の「首相動静」を見ても、安倍さんはわりと映画をごらんになったりしてるので、映画がお好きなんだろうなとは思っていました。 岸部:そうみたいですね。 林:津川雅彦さんは、3年ぐらい前、私も参加させていただいたジャポニスムの「日本の美」総合プロジェクト懇談会の座長をなさって、日本の文化をフランスに持っていく活動に尽力なさっていました。そういう方だから、安倍さんとも親しかったんでしょうね。 岸部:僕がザ・タイガースのとき、そのころは佐藤(栄作)総理でしたけど、軽井沢で年に一度、芸能人がたくさん集まる「佐藤さんをたたえる会」というのがありましてね。 林:ああ、その話、聞いたことがあります。 岸部:みんなで集まって佐藤さんをたたえるんです。そして、会の最後になると、そこにいる全員で「佐藤さんをたたえる歌」というのを歌うんですよ。昔の歌の歌詞を変えて、「♪佐藤さんありがとう」って。 林:それってちょっとヤな感じですね(笑)。 岸部:芸能界と政界とをつなぐ象徴的な出来事ですよね。僕はまだ19かハタチぐらいでしたけどね。ザ・タイガースのメンバーも当時、京都や大阪から出てきた子どもたちですから、「政治家ってすごいな」「見たことあるな、あの人」って感じで、まるで「真夏の夜の夢」ですよ。 林:おもしろい話ですね。 岸部:ともかく、こういう映画をとっかかりにして、政治に関心を持つ人が少しでも増えてくれればいいですよね。 林:そうですね。私は、早く女性に総理大臣になってもらいたいと思っているんです。女性総理が誕生したら、日本はものすごく変わると思いますよ。早くその日が来ればいいなと思ってます。 岸部:そうですね。でも、いまのところ、日本ではなかなか難しいんじゃないでしょうか。やっぱり、いま上にいる長老の人たちが引退してからじゃないと、簡単に状況は変わらないんじゃないかと思います。 林:たしかに、そうかもしれませんね。ところで、話が変わりますけど、岸部さんの昔のインタビュー記事を読んだら「演技は勉強することでもない」とおっしゃっていたのが印象に残っています。そうなんですか。 岸部:僕は30歳ぐらいになってから、TBSの久世(光彦=プロデューサー)さんという人に俳優の道に進むことをすすめられて、樹木希林さんの事務所を紹介されたんです。そこで、面接を受けて入ったんですが、久世さんからも希林さんからも、早坂(暁)さんという脚本家の方からも「今から芝居の勉強はしないほうがいい」って言われたんです。 林:そうだったんですね。 岸部:だから、あえてというか、本格的に芝居の勉強はしたことがないんです。映画というものは、監督によって何を大事にするかがそれぞれ違うんですよね。僕みたいに、いわゆる芝居の基礎を学んでいない俳優は起用しない監督もいます。ちゃんとした芝居の技術を、体系的に学んだ俳優を好む監督もいれば、むしろそういう人ばかりでなく、いろんな背景を持つ俳優を好む監督もいるという感じですね。 林:「ちゃんとした芝居」って、俳優座とか文学座とか、そういうところから来たような人ですか。仲代達矢さんの無名塾とか。 岸部:うーん、それは難しいところですね。僕は音楽から来ている人間ですから、脚本を読むと、リズムがいいとか悪いとか、「音楽のほうから見ると、こういうことかな」っていう感覚があるんですよね。 林:ああ、音楽のほうから見るんですか。 岸部:はい。芝居を始めたころからいままで、ずっとそういう感覚でやってきたので、まあこれでいいかな、とは思っているんですけどね。僕、小学校のころ親の都合で4回ぐらい引っ越ししているんですよ。 林:そうなんですか。 岸部:京都で生まれて、熊本に行って、友達ができるころには転校するんですね。そういう状況を繰り返すうちに、何となく人としゃべらない子どもになっていったんです。そういうこともあって、とくに子どものころは、言葉を使って人に何かを伝えることが苦手なほうだったんです。 林:ええ。 岸部:今でも、「言葉に代えたらこういうことかな」という、その言葉が見つからないときがあるんです。たとえば音楽では、作詞をするときに、「これにぴったりの言葉がないかな」と思っても、思いつかないんです。芝居でも同じで、心の中では言葉に代わる何かが生まれているんですけど、それを伝えにくい。だから黙っていると、「それがいい」と言う監督もいるんですよね。たとえば小栗康平さんだと、「言葉を使うと感情が小さくなる。言葉を使わないで、感情が体に残っているほうがいいんだ」と言うんです。 林:なるほど。 岸部:希林さんも「私は変わった子どもで、コミュニケーションがうまくとれなかった」みたいなことを言っていましたけど、そういう人は意外と多いんです。 林:そういう人が「名優」と言われる人になっていくんですね。多弁じゃなく、心の中に感情を残して、その余白が私たちに伝わってくるという……。 岸部:今まで一緒に仕事をした映画監督は、そういうのが大事なんだ、という人が多かったように思いますね。今はあんまり考えなくなりましたけど、希林さんの事務所で一緒にやっていた若いころは、四六時中そんなことを考えてました。脚本家の早坂さんと一緒にやっているころ、彼に「一日中バスに乗って、外を歩いてる人をずっと見る。それが本当の勉強じゃないの?」って言われたことがあったんです。そういう人と出会えたことが大きかったなと思いますね。希林さんも含めて。 (構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄) 岸部一徳(きしべ・いっとく)/1947年、京都府生まれ。67年、ザ・タイガースのベーシストとしてデビュー。グループ解散後、PYGや井上堯之バンドを経て、75年にドラマ「悪魔のようなあいつ」で俳優に転身。90年にカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した「死の棘」で、第14回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞。ドラマ「相棒」シリーズ、「医龍」シリーズ、「ドクターX」シリーズ、映画「必死剣鳥刺し」「舞妓はレディ」「一度も撃ってません」など出演多数。映画「総理の夫」が9月23日全国公開。 >>【沢田研二は「どんなときでもプライドを貫く」 岸部一徳が語る人となり】へ続く※週刊朝日  2021年10月1日号より抜粋

    週刊朝日

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    巨人、阪神は“別の”超高校級右腕 「ドラ1」で指名すべきは誰だ【セ・リーグ編】

     プロ野球のドラフト会議まであと約1カ月(10月11日開催)となり、高校生と大学生のプロ志望届提出者も発表される時期となった。各球団の最優先すべき補強ポイントはどこなのか。またそれに見合う選手は誰になるのか。真っ先に指名すべき1位指名候補を探ってみたいと思う。今回はセ・リーグの6球団だ。*  *  *・広島:小園健太(市和歌山・投手) 2016年からのリーグ3連覇後にチームは低迷。今季も9月9日終了時点で3位ヤクルトに10.5ゲーム差の4位と3年連続のBクラスが濃厚となっている。投手は若手の先発候補、野手は鈴木誠也のメジャー移籍を考えて右の強打者タイプが補強ポイントとなるが、2009年の今村猛(清峰)を最後に一人も高校生投手を1位指名していないことを考えると、そろそろスケールの大きいエース候補を獲得したい。そこで推したいのが小園だ。広島は投手であれば粗削りでもボールの強い選手を好む傾向が強いが、粗削りなまま伸び悩むケースも目立つ。やはりある程度のバランスは必要なだけに、高校生でも完成度が高く制球力の高い小園を獲得して将来のエース候補に育てたいところだ。・DeNA:達孝太(天理・投手) 野手陣は助っ人外国人への依存度は気になるものの、打線は強力で若手にも有望株が揃っていることからやはり最優先は投手となる。親会社がDeNAとなった2012年からはとにかく上位で大学生、社会人の投手を獲得し、一定の効果は出ているものの停滞している選手も目立つ。今年は高校生投手に好素材が多いだけに、1位指名では高校生を狙いたいところだ。競合を避ける傾向も強いが、それも球団の個性として尊重するのであれば、単独指名で狙えそうな投手としては達が筆頭候補となる。スケールの大きさは高校球界でも屈指で、190cmを超える大型右腕だが器用さも持ち合わせているのも魅力だ。チームに少ない大型の本格派だけに、ぜひ指名を検討したい投手である。・中日:正木智也(慶応大・外野手) 昨年は8年ぶりのAクラス入りを果たしたが、今年はBクラスへと逆戻り。低迷の原因は野手、特に長打力不足というのは火を見るよりも明らかだろう。一昨年は石川昂弥の獲得に成功したが、まだまだ若手の強打者タイプが少ないだけに、とにかく長打力のある野手を優先して獲得したい。今年の筆頭候補となるとやはり正木になるだろう。確実性は少し課題が残るものの、とらえた時の飛距離は間違いなく大学ナンバーワン。高い弾道で飛ばすことができ、広い本拠地でもホームランを量産できる可能性がある。高校生ではオリックスで候補に挙げた阪口樂(岐阜第一)も当然候補だろう。ともに守備、走塁は不安が残るが、それを度外視しても長打のある選手に振り切るべきではないだろうか。・ヤクルト:森木大智(高知・投手) 2年連続の最下位から優勝争いに浮上したが、同じ流れのオリックスと比べると投手、野手ともに若手の有望株は少ない印象は否めない。外野の世代交代も必要だが、やはり最優先は投手となる。手薄な左の先発タイプとしては佐藤隼輔(筑波大)、隅田知一郎(西日本工大)ももちろん候補だが、過去2年間は大学生の投手を多く指名しているだけに、年齢構成を考えても奥川恭伸と並ぶスケールの大きい高校生を優先したい。そこで候補としたのが森木だ。甲子園出場こそないものの、150キロを超えるストレートと変化球はいずれも高校生離れしたものがあり、投手としての総合力は高い。中学時代から注目されてきたというのも奥川との共通点であり、この2人が並び立てば強力な二枚看板を形成できるだろう。・巨人:風間球打(明桜・投手) 投手、野手とも選手層は厚く、若手の有望株もそれなりに揃っているが、やはり欲しいのは太い柱となる選手だ。過去5年間のドラフトでは9回連続で抽選に外れるなど運が味方していないということもあるが、それでもやはり大物選手に向かうべきである。特に気になるのがエースの菅野智之の後釜だけに、ここは高校生投手でトップ評価と見られる3人の中でも最も本格派らしい本格派である風間を狙いたい。ボールの力は言うまでもないが、多くの球数を投げても球威が落ちず、これまで大きな故障がないというのも魅力だ。近年上位で指名した投手は素材の良さはあるものの故障に苦しんでいることも多いだけに、風間の体の強さも評価ポイントとなりそうだ。・阪神:森木大智(高知・投手) 昨年は佐藤輝明、伊藤将司など即戦力路線の指名が奏功したが、そう振り切ることができたのも一昨年の高校生中心の指名があったからである。投手、野手ともに中堅層は充実しているだけに、今年は再び将来性を重視した指名を目指したい。野手は佐藤、井上広大と若手の大砲が2人揃うだけに、優先したいのは投手だ。高校生であれば風間、小園、森木の3人の誰かを狙うというのが規定路線だが、あえて甲子園経験のない森木を推したのは阪神という特殊な球団が理由だ。地元での注目度の高さは12球団トップであり、その中で結果を残すには自分を見失わない精神面の強さが必要となるが、中学時代から注目され続けてきた経験は森木の大きな武器である。高校時代に練習試合で対戦した西純矢とともに、チームを背負って立つ先発投手として期待したい。(文・西尾典文)●プロフィール西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員

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    稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の「ワルイコあつまれ」はいかにして作られたのか 鈴木おさむ

     放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、話題を呼んだEテレの「ワルイコあつまれ」について。鈴木さんが番組の構成をしたという。 *   * * 9月13日の朝、Eテレで放送された「ワルイコあつまれ」。出演は「新しい地図」の3人、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾。何の予告もなしに放送され、その日の夜に再放送され、第2回がその翌週の夜に放送になった。Twitterトレンドは番組名や「慎吾ママ」などの言葉が一位になり、想像以上にネットニュースにもなっていた。  夜の放送の同時間帯にレギュラー番組の構成を持つ自分としては胸が痛むが、この「ワルイコあつまれ」の構成をさせてもらった。  元々は、NHKのスタッフがEテレで、「新しい地図」の3人で番組を作りたいということだったらしく、僕は彼らをマネジメント&プロデユースする飯島美智さんに呼ばれて会議に出た。飯島さんとは25年を超えるお付き合いになる。  22歳で出会った僕をおもしろがって、見つけて、鍛えて伸ばしてくれた。  1996年、「SMAP×SMAP」という番組が始まるので参加してほしいと言われた時、僕はまだ23歳。フジテレビに連れて行かれ、僕はその番組に入ることになった。「若い力で自由に暴れてきなさい!」と口で言われたわけではないけれども、そんな空気を感じて、僕より年上のスタッフさんの中で、「おもしろい」と思ったことを自由に伝えさせてもらい、それが形になっていくのがうれしかった。  多分、僕のことを若くてイタいやつだと思った人も多かったかもしれないが、そんなイタい僕をおもしろいと思ってくれる大人がたくさんいたおかげで、経験しながら勉強することができた。  あれから25年以上がたち、23歳だった僕は49歳になった。そして飯島さんに呼ばれて、NHKのEテレで作る番組の会議に出る。この年と立場になり、テレビの会議だといつもはどうしても「まとめる」ことが多くなってしまう。成立するためにはどうしたらいいか?失敗しないためにはどうしたらいいか?に向かって進んでしまうことが多く、それが今の自分の一番の弱点だと思っていたところに、この番組。  NHKのスタッフは全員初対面の方々。  飯島さんが会議が始まる時に「GO」というような合図を出した気がした。この「GO」という空気。「おもしろいものを考えてね」「暴れなさい」という空気。初めてフジテレビのスマスマのプロデユーサーに会わせてもらったときの無言のプレッシャー。そんな感じ。  久々である。  番組の方向性がまだ全然決まってない中、「子供番組」というパッケージで、どんなものを作っていくか考えていく。  僕は久々に自由にプレイヤーをやらせてもらう気持ちになった。Eテレだから違和感のあること。Eテレだからできることを考える。僕もスタッフさんも、自由に発想していく。  制約があってそこでおもしろいものを考えることが多い中、自由は不安だがやはり作り甲斐がある。  子供を記者にして、大人の記者会見を開く企画をやりたいです!と言い、そこに座ったら一番違和感のある人をと考え、元週刊文春の編集長である文藝春秋社の新谷学さんに出ていただくことになった。  新谷さんに子供記者たちが素朴なことを聞きまくる。新谷さんが子供たちに真剣に向き合って言葉を伝える姿に胸が熱くなったりして。  想像を超えたものが作られていく。  稲垣吾郎が絵本を読む「芸能界むかしばなし」。桃太郎、金太郎、浦島太郎、ここで紹介するのは勝新太郎。勝新太郎の豪快伝説を昔話風に紹介する。話は勝新太郎なのに、絵の雰囲気はEテレだ。ここでも想像を超えるものに仕上がる。  NHKだから出来ること。慎吾ママと草なぎ剛演じる徳川慶喜の対談番組。大河ドラマが終わったならまだしも放送中に、徳川慶喜を背負ってこんなことをやる。NHKだからできること。  NHKだから出来るキャスティング。人間国宝の人に出てもらえないのか?しかもそんな人に、「人間らしい」部分を聞いていけないのか?この秋に人間国宝になる人に本当に出てもらえた。これぞNHKだからできること。  番組を通して、やはりNHKスタッフの制作能力はとんでもないなと驚く。すごかったです。  そして、なにより、新しい地図の3人の表現力、翻訳力、やはりとんでもなくすばらしい。  エンターティナーだなと。改めて感動。  まだ何も書かれてない白紙の上で、彼らがここに立ち、どう動いたらおもしろいか、そんな地図を考えていくことは楽しい。ワクワクする。  たった2回だけ放送された「ワルイコあつまれ」は大きな反響を得た  このあとどうなっていくかは分からない。また続編が作れたらおもしろい。  何より、今回、あの頃の気持ちでテレビというものに向かい合えたこと。感謝してます。  たくさんの不安を希望と期待に出来る。そんなものづくりをできたことに感謝してます。 ■鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。毎週金曜更新のバブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」と毎週水曜更新のラブホラー漫画「お化けと風鈴」の原作を担当し、自身のインスタグラムで公開中。コミック「ティラノ部長」(マガジンマウス)が10/4に発売決定。「お化けと風鈴」はLINE漫画でも連載スタート。YOASOBI「ハルカ」の原作「月王子」を書籍化したイラスト小説「ハルカと月の王子様」が好評発売中。作演出を手掛ける舞台「もしも命が描けたら」が9/17(金)20:00 より配信が決定(見逃し配信:~2021/9/23木23:59)。長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が発売中。

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    「どうせ好きな人とは結婚は出来ない」眞子さま結婚問題で佳子さまが漏らした悲痛な声

    「ここ(皇室)にいる限り、どうせ好きな人とは結婚を出来ないと思っている」 「皇室から出たい。出るためには、結婚しかない」 「自分でいいと思える相手と結婚できるならば、(細かい欠点など)構わない。姉が『いい』と思うならば、結婚すればいい」  秋篠宮家の次女、佳子さま(26)は、周囲にこう語っていたという。  国民の反発をよそに、眞子さま(29)と小室圭さん(29)の結婚への準備は、力業で進んでいる。  9月27日の帰国を前に、フジテレビがニューヨークで小室さんを直撃した映像が流れた。長髪を無造作に束ねた小室さんが、質問を投げかける記者を無視して立ち去る様子は、視聴者に衝撃を与えた。  皇族が通う学校として知られた学習院女子中・高等科の同窓会の役員を務めた女性は映像を見てこうつぶやいた。 「女性皇族のお相手となる方ならば、品位をもった行動を求められるはずです」  だが、冒頭であげたように、そこに重きを置いていないご様子なのだ。  2017年に眞子さまと小室圭さんの婚約内定会見が行われた。実はその時期に佳子さまは、こう悔しそうに口にしていたという。 「どうして、(姉は、結婚について)何も相談してくれなかったのか」  姉の結婚話にためらいつつも気持ちを整理していったのだろうか。  2019年に国際基督教大学(ICU)を卒業した佳子さまは、記者会の質問に答えた文書回答で、眞子さまの結婚にこうエールを送った。  <姉が結婚に関する儀式を延期していることについてですが、私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています>  秋篠宮家の事情に詳しい人物はこう話す。 「佳子さまは、早く皇室を出て民間の世界で生きて行きたいというお考えを持っておられたようです。皇室を出る手段のひとつが結婚であるのでしょう」  ただし、皇族である限り好きな相手と結婚することは簡単ではない。姉の眞子さまの結婚相手は、世間で言う「ふさわしいお相手」ではない。 「しかし、家と家の結婚で相手が決められるぐらいならば、自分の意思で結婚したい。自分たちが納得した相手であれば、多少の問題があっても構わないー。私は佳子さまのお気持ちを、そう受け取りました」(前出の関係者)  実際、過去の皇族女性の結婚を振り返ると、家同士の結びつきから離れた、自由な恋愛結婚はかなり難しい。皇族女性のお相手は、旧皇族か旧華族、もしくはその家に連なる家柄だ。  2005年に結婚した上皇ご夫妻の長女の黒田清子さん(52)は、「ふつうの市民と結ばれたはじめての皇女」と言われた。  そうはいっても夫の黒田慶樹さんの伯母は、旧華族の税所家に嫁ぎ、伯父の妻は旧華族・秋月家の出身。黒田さん自身も大学まで学習院で、秋篠宮さまとは初等科時代からの親友なのだから普通の家庭とは言い難い。  14年、日本最古の旧家同士の慶事と祝福されたのが、高円宮家の次女、典子さん(33)と出雲大社の宮司の長男である千家国麿さん(48)との結婚だ。 「憲仁親王が02年に亡くなってから、久子さまご一家を支援してきたのが、千家宮司夫妻であったのは、有名な話です」(神社関係者)  18には、高円宮家の三女絢子さん(31)と日本郵船社員の守谷慧さん(35)が結婚。守谷さんの母・季美枝さんと親しい久子さまが、絢子さんに紹介して結婚の運びとなっている。高円宮家の姉妹は、自らの結婚感についてこう話していたという。 ◆女性皇族の運命とは? 「結婚と恋愛は別」  三笠宮家の長女、彬子さま(39)と次女の瑶子さま(37)は未婚の女性皇族だ。  しかし父の故・寛仁親王は娘に対して、条件をつけていた。 「結婚するならば、旧皇族が相手だ」   彬子さまご本人も周囲にこう話しているという。 「結婚はしない。三笠宮家に人生をささげるつもりだ」  皇族女性の将来について興味深い記事を共同通信(9月6日付)が報じている。 <天皇ご一家と4宮家存続の構想 政府、女性皇族が継ぐ案を想定>  記事では、眞子さまが結婚をして皇籍を離れることによる皇族の減少を防ぐために、天皇ご一家と今ある4つの宮家を存続させる構想を政府は持っていると書いている。構想の中身は、女性皇族が結婚後も皇籍を維持する有識者会議の案を基に、愛子さま(19)が天皇ご一家に残り、佳子さまが秋篠宮家を継ぐというものだ。  残る3宮家について記事では触れていなかったが、「現存の4宮家」となると、高円宮家は未婚の長女の承子(35)さま、三笠宮家は長女の彬子さま、お子さまのいない常陸宮家は、三笠宮家の次女である瑶子さまが継ぐということになる。  記事は、<本人の意向に最大限配慮する内容とすることを想定している>と結んでいる。  しかし、ご本人方は、「自由がある」とは考えていないようだ。 「多くの皇族方は、皇室に生まれた以上、定められたなかでの結婚や人生であると、理解しておられる」(かつて天皇家に仕えた人物)  皇族でありながら「私」に生きることを決めた眞子さま。宮内庁が調整している小室さんと臨む記者会見で、内親王は最後に、国民に何を語るのか。 (AERAdot.編集部 永井貴子) 

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    「自民党総裁選」書店では高市早苗が河野太郎を圧倒のワケ 『岸田ビジョン』は埋没

     17日に告示された自民党総裁選(29日投開票)は、いよいよ候補者同士の論戦がスタートした。その舞台は、テレビや記者会見だけではない。実は書店の場でも、候補者の著書が“デッドヒート”を繰り広げている。特に好調なのは、高市早苗前総務相の著書だ。9月15日の発売以降、万単位での重版を重ね、“河野本”に2倍以上の部数差をつけている。実売でみても、アマゾンの総合ランキングで1位が続き、若い女性層にも売れるという政治本では異例の展開をみせている。なぜこれほどまでに売れるのか。実態を取材した。 *  *  * 候補者の著書の中でとりわけ売れているのが、高市早苗氏の『美しく、強く、成長する国へ。―私の「日本経済強靱化計画」―』だ。出版社は、雑誌『Will』などを発行する株式会社ワック。同社の出版局長は、「爆売れです。当初の想定をはるかに上回る。ここまで売れるのはびっくりです」と喜びを口にする。  アマゾンでは発売前から予約が相次ぎ、9月5日から総合ランキング1位。22日時点まで、一時的に2位に下がることはあったが、ほとんどの期間で1位が続いている。 「アマゾンの総合ランキングで1位を2週間も続けている状態は、日本中で今一番売れている本だと言っても過言ではないと思います。書店には店頭在庫を行き渡らせるようにしていますが、アマゾンの方では配達までに時間がかかるケースもありました。注文が一気に集中して、さばききれなかったのだと思います」(同)  22日16時時点でも、高市氏の著書は1位をキープ。一方、8月27日に発売された河野太郎行政改革相の著書『日本を前に進める』(PHP新書)は74位。発売日にずれがあるとはいえ、売れ行きは高市氏が突出している。  リアル書店ではどうか。書店の展開では、高市氏の著書が発売される9月15日以前までは、河野氏の「一強」だった。ほかの候補者では、岸田文雄前政調会長が昨年9月に出版した『岸田ビジョン 分断から協調へ』(講談社)や、野田聖子幹事長代行が2018年に出した『みらいを、つかめ多様なみんなが活躍する時代に』(CCCメディアハウス)があるが、発売から月日がたっていることも影響しているのか、河野氏には及ばない。  だが、高市氏の著書が発売された15日以降、書店での勢力図が一気に変わった。15日と18日、丸善丸の内本店に足を運んだところ、15日時点では、エントランスのある1階で河野氏・高市氏の著書が4面ずつと均等に配置されていたが、18日時点では、1階では河野氏が3面、高市氏が5面に。2階の新書スペースでは、“高市本”が“河野本”の5倍ほどの面数で大々的に積まれていた。  三省堂書店神保町本店では、新書の週間ランキング(22日時点)で、高市氏の著書が1位。河野氏は5位だった。岸田氏の著書は両氏に比べると展開が薄く、野田氏の著書は在庫がなかった。  部数面では、河野氏の著書『日本を前に進める』は初版5万部と強気で、出版社からの期待の高さがうかがえた。8月27日の発売以来、何度も重版を重ね、今月17日時点で累計発行部数は5万9000部(4刷)だという。 「テレビなどメディアで紹介されることも多く、おかげさまで売れています」(PHP研究所広報担当者)  だが、高市氏の勢いはそれを凌駕している。  前出のワック出版局長によれば、初版は1万7000部だったが、6回にわたる重版で部数を一気に増やし、21日時点で13万7000部。実売もすでに6万部を超えており、刷り部数の5割近くに達しているという。  発売当初から毎日重版しているような状況です。たった1週間で10万部超えとなった本は弊社でも初めてです。ある大手チェーンの売り上げでは、2位の東野圭吾さんの新刊小説と桁が一つ違います」  発売後、書店からの評価もがらりと変わったという。 「政治本は売れないイメージを持たれている書店さんは多い。9月5日に先行販売を始めた紀伊國屋書店さんでも、当初はあまり気乗りしない様子でしたが、結果的に大変好調な売れ行きでした。安倍晋三前首相が高市さんの支持に回るというニュースが出てから、風向きが変わったように思います。書店さんからは『政治本でこれだけ売れてるのは驚き』という声もいただいていますし、政治本でこれだけ売れるのは、田中角栄の『列島改造論』以来なんじゃないかと言われたほどです」(同)  読者層でみると、男性読者は50代が多い。一方、女性の読者層では特異なデータが出たという。 「弊社の本の購買層は、通常であれば年配の方が多いのですが、高市さんの本に関しては30~40代の女性が多く、10代~20代の若い女性も買われているのが特徴です。『10代~40代女性』の合計値が、人口の多い層の『50代以上』の女性の約2.5倍というデータも出ています。若い女性からは、『高市さんが総理になれば痛快だ』といった声も聞かれました」  同出版局長は「個人的な意見ですが」と前置きした上で、高市氏への思いも語る。  テレビや新聞では河野さんが優勢という報道も多いですが、読者からの感想や書店での売れ行きを見ていると、高市さんが勝つ可能性も十分あると感じています。本の売れ行きだけで見たら総裁確実です。100代目の総理が初の女性となれば、さらに盛り上がると思います。ぜひ総裁になってほしいですね」  河野氏と高市氏の著書で、ここまで差が開いたのはどうしてなのか。出版物の動態調査などを手がける出版科学研究所の担当者は次のように推測する。 「高市さんの著書は、総裁選の公示日の少し前の9月15日の発売というタイミングが良かったのかもしれません。また、河野さんはこれまでもメディアやSNSなど、自らが前面に出て発信してきましたが、高市さんはそれまでメディアに出る機会はあまりなく、新鮮味がある。どんなことを考えているのか知りたい方も多いのではないか」  出版業界に関する数々の著書があるフリーライターの永江朗氏は、別の視点からこう分析する。 「保守思想のネット民たちと親和性の高い本は固定ファンがいて、ある程度確実に売れる数が見込めます。そのジャンルの人の本や、あるいは似た匂いのする本は必ず買うという人が一定数います。これまでも百田尚樹氏の著書や、明治天皇の玄孫である竹田恒泰氏の著書などが売れてきました。今回の候補者の中で高市さんの本が突出しているのは、それだけ彼女の保守主義的な言動や唱える歴史観が、保守的思考のネット民のマインドと親和性が高いからでしょう。高市さんと思想の近い安倍さんの支持層を中心に購買につながっているのだと思います」  自民党総裁の座に就けば、著書はさらなる売り伸ばしのチャンスを得る。それぞれの出版社は総裁選の動向を、固唾(かたず)をのんで見守っている。(AERA dot.編集部・飯塚大和)

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    前代未聞!派閥から3人候補推し「キングメーカー」二階幹事長の評判 地元の「引退勧告」もどこ吹く風

     9月29日に投開票の自民党総裁選は折り返し点を迎え、終盤戦に突入した。河野太郎ワクチン担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行が火花を散らす。メディア各社では投票権がある自民党の党員に対しての世論調査も実施された。  集計された数字をみると、河野氏がダブルスコアで岸田氏を引き離し、次いで高市氏、野田氏という順番だ。この数字を見て、ご機嫌なのが二階俊博幹事長だという。 「河野氏が大差リードと聞かされて『これでいい』『河野でいける』と嬉しそうに二階氏は話しています。キングメーカーが続くと夢見ているんでしょうかね」(二階派の国会議員)  二階派は今回の総裁選で派閥で特定候補者は推さずに自主投票となった  推薦人を出したのは、河野氏に2人、高市氏へ3人、野田氏には8人だ。出馬会見で党役員人事の改革案を発表し「二階外し」に打って出た岸田氏にはゼロというわかりやすい対応だ。  自民党の幹事長になって5年以上、在任記録を更新し続ける二階氏。菅義偉首相が辞めると同時に、二階氏も幹事長の座から降りることになる。二階氏の存在は一気に小さくなっているというのだ。  野田氏に8人もの推薦人を出したのは、推薦人集めに汗をかいた二階派の幹部・鶴保庸介参院議員が野田氏の元夫という背景もある。しかし、あまりに突出している。 「野田氏に推薦人を多く出したことで、高市氏を推す安倍前首相に女性票が分散すると不評を買っています。二階氏は河野氏が優勢と喜んでいるのですが、派閥内ではあまり反応がありません。総裁選後、二階氏は幹事長という大きな権力を手放すわけで、派閥内では2人寄れば、今後は誰が派閥を仕切るのか、という話題ばかりですよ」(前出・二階派の国会議員)  二階氏には派閥内でも冷たい風が吹きつつある。それは二階氏の地元、衆院和歌山3区でも同様だ。10月に衆院議員の任期は満了となり、総選挙が行われる。      今回は大島理森衆院議長や二階派でもある伊吹文明元衆院議長、塩崎恭久元官房長官など大物が次々と高齢を理由に引退を表明している。だが、82歳の二階氏はどこ吹く風。次期衆院選への出馬意向は変わらないという。和歌山3区の地方議員は地元の「二階離れ」をこう語る。 「二階先生は昔から口癖のように『副総裁とか、そういうのはやらん』と言っていた。要するに名誉職はイヤ、幹事長のように権力がないとダメということです。次、誰が首相になっても二階先生が幹事長になることはない。引退にはいいタイミングと地元ではささやかれている」  和歌山3区は「一票の格差」問題で、いずれ選挙区が2つになり、定数減となる公算が大きい。そうなれば、選挙区が広くなり、より幅広い活動が必要になってくる。和歌山3区では圧倒的な強さを誇る二階氏も、油断できない情勢だ。  二階氏の地元、御坊市の市長選では16年に二階氏の長男が立候補。二階氏の威光もあって小泉進次郎環境相まで応援にやってきたが、大差で敗れた。この敗北が二階氏の後継問題に大きな影響を与えているという。 「今の感じでは二階先生の秘書の三男が後継でしょう。しかし、二階後援会を地元で仕切っているのは長男で、選挙に出たがっている。二階先生もなかなか、後継を決めることができない感じですよ」(前出・地方議員)  また、参院和歌山選挙区には衆院への転出が噂される世耕弘成・自民党参院幹事長がいる。 「世耕氏は参院のライバル、林芳正氏が衆院山口3区に転出することになり、いろいろと考えることもあるようです。無派閥の高市氏が総裁選に出馬し、所属する派閥・清和会を率いる安倍晋三前首相が熱心に推している状況もある。世耕氏がもともと強い地域は和歌山3区です。二階氏本人がいる間は我慢するでしょうが、世襲で息子が出るとなれば、考えるでしょう。二階氏も心配で仕方ないでしょう。また地元では『陳情は世耕氏に』という二階離れの流れになりつつありますね」(自民党幹部)  総裁選でリードしている河野氏がそのまま総裁、首相になった際、二階氏は菅義偉首相の時と同様に、キングメーカーとして振る舞えるのか?河野陣営の国会議員は冷淡な評価だ。 「二階派の支援はありがたいが、寝技師、権謀術数的な派閥で河野氏のカラーとは相いれない。推薦人を出してもらっているので、無下にできないが、菅首相の継承と言っても、二階派を厚遇とはいかないでしょう。キングメーカーもあり得ない。それに野田氏へ推薦人を8人も出してあまりに風見鶏じゃないですか。党員票が分散するので、河野氏の形勢が不利になった。うちが負けたら、勝つのは岸田氏じゃないのかな。二階派はいったい、何をやりたいのか…」  安倍前首相、菅首相と長く勝ち馬に乗り続け、キングメーカーとして権勢を振るってきた二階氏。だが、今回は永田町、地元で強烈な逆風にさらされているようだ。総裁選後、新たなキングメーカーとして誰が君臨するのか。(AERAdot.編集部 今西憲之)

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