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    内村航平「“モラハラ離婚”、ウーバー頼んで家族と別で食事」報道にスポーツ紙記者「驚きはない」

     体操男子の個人総合で2012年のロンドン五輪、16年リオデジャネイロの五輪で個人総合2連覇を飾るなど、世界が認める体操界の王者として活躍してきた内村航平が1月14日に都内で引退会見を開いた。今後について、「日本代表の選手、後輩たちに自分が今まで経験してきたことを伝え、小さい子どもたちに『体操って楽しいんだよ』って普及活動したり、体操に関わるすべてのことをやっていけたら。僕自身も完全に体を動かすことをストップしないと思うので、自分が動いてみせてやるっていうのも1つあると思うので、体操に関わるすべてのことにチャレンジしていきたいという気持ちです」と気持ちを新たにしていたが、その数日後の19日に、妻と離婚をめぐるトラブルになっているという衝撃的なニュースが報じられた。 「文春オンライン」の記事によると、妻の千穂さんが手料理を作っても『ウーバー頼んだから』と告げて、内村が自分の分だけピザや牛丼を頼むことなどが夫妻の知人によって語られており、千穂さんは精神的に追い込まれて体重が一時33キロ台にまで激減。昨年11月に内村から離婚の意思とともに「別居します」というLINEが送られてきたという。  内村は引退会見で食生活に関して質問が及んだ際、「会見を僕は勝負だとは思っていないので。そもそも僕、一食しか食べないし。食べてないです、朝」と語り、「水ですね、水、勝負水です。勝負水できょうやらせていただいています」と午前10時から行われた会見前も食事をとっていないことを明かしている。 「現役時代から1日1食であることは有名です。体操に関しては誰よりもストイックですが、食事は好きなものを食べたいという考えで、野菜もあまり好きではない。偏食で知られていますが、トップアスリートの世界では珍しい話ではありません。サッカー元日本代表の中田英寿さんも野菜嫌いで、お菓子が好物であることで有名だった。今回の報道は内村の言い分を聞かないと何とも言えません。記事の内容が事実だったとして、奥さんが作った後にウーバーを頼むのはどうかなと思いますが、食生活が独特なので家族と別にウーバーで好きな食べ物を注文することには驚きはない。体操で自分を追い込んでいる姿を見てきたので、食事はストレスから解放されたい思いがあったのかなと感じます」(スポーツ紙記者)  内村は五輪4大会に出場し、個人総合2連覇を含む7つのメダルを獲得。また、09年世界体操競技選手権から16年リオデジャネイロ五輪までの個人総合で前人未到の8連覇を達成するなど、世界のトップに長年君臨してきた。近年は故障が目立ち、種目別の鉄棒に専念することを決断。昨夏の東京五輪ではまさかの落下で予選落ちを喫したが、故郷・北九州で開催された世界選手権で完璧な着地を見せて6位に。晴れやかな表情を浮かべていた。  ネット上では、「本当のところはわからないけど、気分転換とかストレス解消とか苦手そうだし、一度気分が落ち込むとなかなか上昇しなさそう。手料理よりウーバーはさすがにひどい。せめて作る前に言えよって思う(原文ママ)」という意見がある一方で、「飛び抜けたアスリートは偏食の人多いみたいだよね。飲食店でもいつも同じメニューしか食べないとか。ブレないって点で一つの才能なんだと思う。食事に関しては、お互い了承してれば良いじゃないな。問題は他にあるんだろうな(原文ママ)」という指摘が。  はたして、体操界の元王者は今回の騒動でも完璧な”着地”を見せてくれるだろうか。(西川秀之)

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    「モラハラ離婚」報道の内村航平の母が反論で泥沼化…「本人は口を開くつもりない」

     現役引退を発表した男子体操の第一人者・内村航平の「モラハラ離婚報道」について、内村の実母・周子さんが猛反論していることが報じられた。  内村のモラハラ離婚トラブルが「文春オンライン」で報じられたのは19日。引退会見を14日に行ったばかりで、晴れやかな表情で現役に別れを告げただけに衝撃が大きかった。同誌によると、妻の千穂さんが手料理を作っても『ウーバー頼んだから』と告げて、内村が自分の分だけピザや牛丼を頼むことも。食事以外でも色々な悩みを抱えた千穂さんは精神的に追い込まれ、体重が一時33キロ台にまで激減。昨年11月に内村から離婚の意思とともに「別居します」というLINEが送られてきたという。  この一報が報じられると、女性週刊誌「女性自身」(2022年2月8日号)が内村の母・周子さんへの電話取材を報じた。周子さんは「(週刊文春で)報じられていることは、どうもあちらさんのご両親などがお話ししたことのようですね」と推測した上で、「私たち、あちらのご両親とは、ちゃんとお話ししたことが今までもないし。きっと、自分のお嬢さんに都合のいいことをお話ししたんじゃないかと思うんですよ」と複雑な人間関係を明かした。  さらに「航平本人に直接お聞きになるのが正しいのだと思いますよ。ごめんなさいね、そういうことですから」と話したという。  内村と日本体育大学大体操部の1学年後輩だった千穂さんは結婚したのは、9年以上前の12年11月。その後2人の娘が誕生したが、両家の親同士は疎遠だということになる。 「色々事情があるだろうし、決して珍しいことではないと思います。仮に離婚に向けて話が進んでいるとしても、内村と奥さんで互いの主張は違ってくるでしょう。週刊文春の『モラハラ離婚』という報道だけで内村を一方的に攻めるのは違うかなと。純粋に体操が好きで頂点を目指してストイックにトレーニングを積んでいたことは間違いない。そのために食事などで家族にも迷惑を掛けたことはあるかもしれません。内村はこの件について口を開くつもりはないと思います。自分の知っている限り相手を傷つけるようなことを言わない性格なので…」(テレビ局スポーツ部関係者)  最近は五輪メダリストが指導者ではなく、タレントに転身するケースが目立つが、内村は違う。目指すのは「体操の伝道師」だ。  引退会見では今後について、「日本代表の選手、後輩たちに自分が今まで経験してきたことを伝え、小さい子どもたちに『体操って楽しいんだよ』って普及活動したり、体操に関わるすべてのことをやっていけたら。僕自身も完全に体を動かすことをストップしないと思うので、自分が動いてみせてやるっていうのも1つあると思うので、体操に関わるすべてのことにチャレンジしていきたいという気持ちです」と熱弁している。 「体操以外のことで取り上げられるのは本意でないし、こういった報道が出ることに責任を感じているでしょう。夫婦が話し合えばいい問題で、第3者が口をはさむことではない。もうこの一件は騒がずに幕を閉じる形で良いのではないでしょうか」(体操団体関係者)  思いがけない形で注目されることになった内村だが、指導者として今後の活躍が注目される。(安西憲春)

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    5時間前

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    乃木坂46・賀喜遥香「これからも好きでいて」“センター”の重みを新しい光に

     先の見えないこんなご時世でも、先が楽しみなスター候補たちは大勢いる。今まさに蕾をほころばせる彼、彼女らは今年、どんな大輪の花を咲かせるだろうか。「2022年の顔」として、乃木坂46の賀喜遥香さんに抱負を聞いた。 *  *  *  乃木坂46の最新曲、28thシングル「君に叱られた」で、表題曲のセンターとして抜擢された。初代センターの生駒里奈から白石麻衣、西野七瀬、生田絵梨花など……10年にわたり連綿と継承される乃木坂46歴代センター。“センター”という響きを一言で言い表してもらうと、 「重圧……」  少し笑いながら答えた。 「10年という年月による重み。うれしさや喜びを感じるよりも、どうしよう……という気持ちのほうが大きかったです」  2018年に乃木坂46の4期生として加入、昨年8月には二十歳になった。 「二十歳になり、自分についてあらためて見つめ直したいタイミングで、やらせていただいたセンター。乃木坂46としても、4期生にとっては初めての東京ドームでのライブを経験できたり、東京国立博物館さんでの企画展『春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46』で、春夏秋冬の花が描かれた日本美術とのコラボに参加させていただいたり。印象に残る出来事がひとつにしぼりきれない楽しい1年になりました」  昨年夏にグループ結成10周年。2月にはデビュー10周年という節目をむかえる。 「昨年12月には、結成10周年を記念した初のベストアルバム(「Time files」)の発売に合わせて東京タワーをグループカラーの紫色にライトアップしていただきました。そういうお祭り感のある雰囲気で10周年をお祝いしていただける機会がこの先も多くあるといいなと楽しみにしています」 22年、個人としての目標は、 「絵を描くのが好きなので、それを生かせるようにして貢献していきたいなと思っています。油絵やデッサン、本格的な絵にも挑戦してみたいです」  今年は新たに5期生が加入する予定だ。 「私が入ったころは初代キャプテンの桜井玲香さんをはじめ、1期生・2期生の先輩もまだまだたくさんいらっしゃって、いろんな背中を見る機会に恵まれました。これからは、私たち4期生も、そういう背中に加わることになるのかと思うとプレッシャーもあります。でもちょっと見栄をはっちゃうかもしれません(笑)」  2022年は、「光」あふれる1年にしたい。 「乃木坂46の10周年で、変化や新しい挑戦もたくさんあると思います。みなさんと一緒に新しい光を放つ賀喜遥香、乃木坂46をつくっていけるようがんばります。これからも好きでいてください!」 ◆かき・はるか 2001年大阪府生まれ、栃木県出身。18年、坂道合同オーディションに合格し、乃木坂46・4期生として加入。趣味はイラスト。愛称は「かっきー」。19年の24thシングル「夜明けまで強がらなくてもいい」で表題曲初選抜、21年の28thシングル「君に叱られた」で表題曲のセンターに選出された。ラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」(TOKYO FM・JFN)出演中。 (取材・文 太田サトル[本誌])※週刊朝日  2022年1月28日号に加筆

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    2時間前

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    小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”【2021年下半期ベスト20】

     2021年も年の瀬に迫った。そこで、AERA dot.上で下半期に読まれた記事ベスト20を振り返る。1位は「【独自】小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”」(9月8日配信)だった。(※肩書年齢等は配信時のまま) 「小室圭さんの実力では無理だと思います」  こう話すのは、全米で「トップ100」と呼ばれる大手弁護士事務所(ビッグロー)のパートナー弁護士のA氏。専門は、海外企業同士のM&Aなど。米国を拠点に世界を飛び回り、収入も桁違い。この姿こそ、小室さんが思い描く将来でもあるようだ。  昨年の秋ごろ、A氏の事務所に、働かせてほしい、と小室さんの「経歴書」のようなレジュメが別の弁護士を通じて届いたという。小室さんは、ニューヨークなど大都市での弁護士の仕事を探しており、ビッグローか、その下の規模のミッドローでM&Aなどをやりたいという。  A氏がそのレジュメを見て思ったのが、冒頭の言葉だ。なかでも、A氏が首をかしげたのがニューヨークのフォーダム大ロースクール(法科大学院)への留学の部分だ。「疑問なのは、彼がLLM(法学修士)のコースに入ったことです。しかも1年学んだ後に、JD(法務博士)コースに編入している。大きな事務所を目指してて、こんな動き方をするなんて聞いたことがない」  LLMとJDというのは、ロースクールでのコース名だ。米国の大学には法学部がなく、弁護士を目指す人は、大学卒業後にJDに入る。ここで3年間学び、事務所に入るのが一般的なパターンだという。  一方、LLMは、法律の資格を持つ外国人留学生が多いといい、「表現として正しいかわかりませんが、キャリアに“箔(はく)をつける”ようなイメージです」。  A氏によると、米国で弁護士となるのに重要なのはJDでの1年目だ。 「米国での就職活動は、2年生の終わりの夏休みで終わります。事務所のサマープログラム(インターン)で働き、その後よほどのことがない限り、その事務所からオファーを受けて就職します。どの事務所のプログラムに入れるかは、1年時の成績で決まります。だから学生の競争も壮絶です。本を隠すなどの足の引っ張り合いもあります。小室さんはその1年をLLMに入っています」  ビッグローのインターンの募集は、ハーバードやエール、コロンビアといった有名大学で公募し、最初の書類選考で成績優秀者に絞り、次の面接で決まる。A氏が言う。 「採用された学生には、1年目から19万数千ドル(2千万円以上)の給与が支払われます。それも5年くらいは半人前で、彼らから利益は出ません。それでも欲しい人材ということなんです。だから相当厳選します。原則でいえば、ビッグローはインターン以外の方法では採用しないです」  チャンスをつかめる学生は、ほんの一握りだ。小室さんは、そもそもLLMに入った時点で、希望するビッグローへの道は閉ざされたといっていい。なぜLLMに入ったのだろうか? A氏が話す。 「こう言っては何ですが、彼の経歴に目を見張るモノはありません。あるとすれば眞子さまのフィアンセという一点。それでも奨学金を取得できたり、JDへ編入したり、弁護士が出てきて仕事を探したり。知恵をつけている人がいるんでしょう」  では、ビッグローは無理でも、M&Aは他でもできるのだろうか? 「米国には約43万の事務所がありますが、M&Aの70%超は『トップ100』が扱っています。小室さんが弁護士として働くにはM&Aにこだわらないことですね。移民法の弁護士などは圧倒的に多い。日本人も多いです。もうからないので人気はないのですが」  そして、こう続けた。 「詳しいことは申し上げられませんが、彼の『経歴書』を見る限り、とても“権威”が好きなんだと思います。M&Aも彼からすれば格好良く見えるんでしょうけど、実際は相当厳しい世界です。パートナー弁護士になるのは10年後くらい。それまで生き残っているのはわずかです。彼がそもそも弁護士という職業に向いているのか……。野心家だと思うので、ベンチャーのような起業家とかが向いているような気がします」 (本誌・矢崎慶一) ※週刊朝日  2021年9月17日号に加筆

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    モラハラ被害者の揺れる心理「離婚できない」「性格は変えられない」 専門家が分析、逃げる前にすべきこと 

     一種の洗脳ともいえるモラハラ。被害者は相手から離れることが理想だが、夫や妻などパートナーとなると現実はなかなか難しい。モラハラ被害にあっているかも、と思ったらまずは何をすべきなのか。また周囲はどんなかたちで支えるべきなのか。専門家にアドバイスを求めた。 *  *  * パートナーから受ける言動が「つらい」と感じたら、どうしたらいいのだろうか。本当にモラハラかどうか、悩むかもしれない。  モラハラは被害の実態を説明しても、他人に伝わりづらい。例えば、静かなモラハラ。「本当にあなたはどうしようもないね」と静かな口調で非難したり、仕草やちょっとした言動を失笑したり、何も間違ったことをしていないのに、顔をしかめたりする。言葉では何も言わないけれど、顔を見ればため息をつく。身近な存在に毎日そうした言動を繰り返されると、人は徐々に追い詰められていく。しかし、それは他人には伝わりづらい。それどころか「あなたの気にしすぎ」と言われてしまうこともある。  「カウンセラーが語るモラルハラスメント」などの著書があるカウンセラーの谷本惠美さんは、「モラハラなのかどうかというジャッジよりも、まずは自分がどう感じているかを大切にして」と話す。 「大切なことはジャッジすることよりも、傷ついている自分に気づいたなら、自分はどうしたいのかをしっかり見つめること。そしてこれからの自分の行動を、自分の意思で選択していくことです」 「自分の意思で選択した」という納得感が持てないままに加害者の元から離れると、後からさまざまな弊害に悩まされやすい。自分が想定しなかった事態に陥った時に、「あの時の選択は間違っていたのではないか」と激しい後悔を生んだりする。  谷本さんは言う。 「誰かの意見で動いてしまった人の中には、『モラハラ環境にいた時より、今の方が辛い』と、加害者の元へ戻ってしまう被害者もいる。『あの時、あの人があんな風に言ったせいだ』と支援者やマニュアルの責任にして、愚痴や怒りを溜め込んだまま、無為に過ごしてしまう人もいます」   そうならないためには、モラハラ環境の中で閉じ込めてきたものと、刷り込まれてきたものを見つめ、自分が今後どうしていきたいのかを考える必要がある。 「モラハラだと気づいた瞬間、すぐに自分を取り戻せる被害者はほとんどいません。その次にどう動くかを決めるには、時間がかかって当然です」(谷本さん)  モラハラ相手には何を言ってもムダとよくいわれているが、谷本さんは自分がどう思っているのかを素直に相手に伝えることも大事だと話す。例えば「あなたの言い方によって傷ついている」「怖いと感じている」など、自分が感じていることについて、勇気を出して相手に伝えてみる。いわば、相手の足下に転がすように。相手が自分の問題・モラハラに向き合おうとしているかどうかは、相手がそのボールを拾おうとするかどうかで判断できるという。 「相手があなたの発言・転がしたボールに見向きもしないようなら、自分の行為、つまりモラハラ加害に向き合う気がないということです。そもそも言葉のボールを投げてみること自体が怖いという場合も、深刻なモラハラを受けている状態。逆に少しでも理解しようとする姿勢が垣間見え、あなたが相手との関係に揺れているなら、あなた自身が納得を得るために相手と向き合う時間をもう少し持ってみてもいいでしょう。そもそも自分の思いを伝えること自体が怖いという場合、深刻なモラハラを受けている状態。別れる、別れないに関わらず、一度離れた方がいい」(同)  この“試し”の過程は、相手にわかってもらうためにするのではなく自分のための確認作業だ。相手からモラハラ態度が返ってきたら、がっかりするのではなく、「ああ、やっぱりな」と自分の納得を得るためにする。「相手が変わってくれるかもしれない」という期待を捨てる作業にもなる。さらに、この自分の気持ちを伝えるという段階を踏めば、「あの時、相手にきちんと伝えていたら、少しはわかってくれたのではないか」と、後で“あの時”に執着することを抑えてくれることにもなるという。  ただ、深刻化している例では、最初の“試し”の過程である言葉のボールを転がす時点で、相手に受け止めてもらおうと必死で投げ、たとえ相手からどんな風に返されても「コミュニケーションがとれている」という誤った感覚に陥ることも少なくないという。罵詈雑言や無視でさえも、自分へのコミュニケーションの一つであると錯覚してしまう。密室化された家庭内で、ある種の洗脳状態に陥ってしまうと、第三者の支援なしでそこから脱出することが難しくなってくる。  第一の試しの過程を経たら、次は、それでも共存の道を選ぶのか、一度離れてみるのか、離婚という道を選ぶしかないのか、自分が今後どうしたいのかをしっかり考えること。  モラハラ行動をする人は、狭い範囲では正論であることも多く、何より本人がそれを信じているので、妙に説得力がある。『妻のトリセツ』などの著書で知られる脳科学・AI研究者の黒川伊保子さんは言う。 「モラハラ被害の対処法は、逃げるか、徹底してやり過ごすか、基本的にはその二者択一になる。モラハラ加害者は、全体を掴む能力が低い傾向にあり、いくら説明しても“その場の正論”だけでしか状況をみられません。逃げずに共存するなら、徹底してやり過ごし、自分の尊厳を傷つけられないようにすること。加害者とは生活空間をなるべく分けて、相手が口を出すチャンス機会を減らした方がいい」(黒川さん)  相手から離れることがベストだが、モラハラ被害者は経済的な問題や子どものことを考えて、「今は離婚できない」と共存の道を選ぶ人が多いという。谷本さんによると、被害者の中には、“仕事”として難しい客の対処をするという意味合いで、「旅館の女将さんのような気持ちで夫に接している」という人もいるそうだ。相手の言動に引っ張られずに、自分の考えを守るためには、それだけの割り切り力と強い客観性、そして意思が必要なのだ。 「改善されるかどうかが分からない、長い道のりになるため、自分の中で期限を決めて共存の道を試してみるのも一つの手です」(同)  ただ、それは危ういバランスの上に成り立つ結婚生活だということも認識しておくべきだろう。いざという時のために、日ごろから“証拠”を用意できるよう動くこと。例えばレコーダーなどで会話を録音したり、壊された器物の写真を撮っておいたり、日記をつけるなどしておく。そうすると、いざ離婚という時にモラハラの証拠になる。  夫婦問題カウンセラーの高草木陽光さんは言う。 「モラハラ加害者は、モラハラをしている自覚に欠けていることも多く、モラハラを理由に離婚を求めても応じないことが多い。協議離婚や調停離婚による場合でも、配偶者にモラハラを自覚させ、離婚を認めさせるために、証拠は重要です。モラハラは身体的暴力と違って、目に見える傷は残らない。前もって証拠を残そうと動く必要があります」  また、モラハラ攻撃を受けてきた被害者は、自分を否定するようになりがちだ。被害者だと気付き、今の生活から逃れたいのに、なかなかそこから離れられない。自分に自信が持てず、「この先一人でやっていくなんて無理だ」と考えてしまう。昨日は「モラハラなんて嫌だ、脱出したい」と思っていたのに、今日は「やはり相手を怒らせる私が悪い」「一人で生きていくことができない」とうつむいてしまう。このように相反する二つの思いを行き来し、揺れ動く状態もまた被害者心理だ。  前出の谷本さんは言う。 「モラハラに気づけたということは、モラハラ環境の中でも破壊されないで、本来の心が根強く残っている証拠。こうした揺れは、モラハラ環境から脱出しようとする多くの被害者が経験することです」  モラハラのもっとも恐ろしい点は、被害者の性格を変えてしまいかねないことにある。否定的な発言を浴びせられた結果、自分が悪いと思い込む考え方に変わってしまうのだ。  周囲は投げかける言葉を誤らないように注意したい。  例えば、「そんな風に思っていたら前に進めない。そんな考えは捨てたほうがいい」という言葉。被害者からすれば、ダメ人間だと言われているように感じ、「自分が依存的で弱い人間だから次に進めないのだ」という思いを強くし、ますます抜け出しにくくなる。また、「依存的になっているのでは」「臆病になっていないか」と、早く前を向かせようとする言葉も被害者を追い詰める。 「支援者は、被害者心理がどのように動くのかを理解していないと、接し方を誤ってしまう。接し方一つで、被害者が被害者心理を自分のパーソナリティとして固定化させてしまうことに一役買ってしまいかねないので、モラハラだからとにかく脱却、ではなく一人ひとりの心の状態をきちんと見た上で声をかけなければなりません」(谷本さん)   またようやく、モラハラ環境から脱した後も気を付けてほしい。モラハラを受けている時の経験を一切合切、心の奥に封印し、「私はもう大丈夫だ」と自分に言い聞かせる人は多い。無理に封じ込めようとすると、思いがけないところで意図せず吹き出てしまうことがある。 「モラハラ経験による過去の感情が、別の相手によって浮き上がり、その相手に怒りの感情を流し込んでしまうことはよく見られます。過去を封印している被害者は、どうして自分の心が波立つのか分からないまま、無自覚に目の前の相手にぶつけてしまうのです。そのため、人間関係をこじらせることも多く、そんな自分に疲弊してしまう」(谷本さん)  そうならないためには、きちんと自分の心に向き合うことが大事だ。モラハラという被害を経験して、どんな影響を自分が受けているのか、その影響でどんな行動を自分がとっているかを知る。その上で、それは本来の自分の生き方やモラルに沿ったものなのか、この先どう生きていきたいのかを考える。谷本さんは言う。 「知り、考えたことを胸に抱いて、自分を信じて自分の人生を歩くこと。そうすることで、自然とモラハラ問題から遠ざかっていく」  自分を生きる。結局のところこれに尽きる。自分の人生は、誰かが決めるのではなく、自分で作る。そう信じて、一歩を踏み出してみてほしい。(松岡かすみ) >>連載「夫婦間モラハラ・歪んだ甘えに囚われた妻と夫」を最初から読む 【1】4歳年上銀行員の夫のモラハラ「君はダメな人間だ」 Yシャツのボタンの縫い方を朝まで説教 【2】夫のモラハラ、被害に遭いやすい妻は魅力的な人? 「相手を支配したい」加害者の歪んだ甘え 【3】夫の布団だけ廊下に出す、モラハラ妻の非情な仕打ち 「無視しないでくれ」懇願にも冷たい目  【4】モラハラ妻の懺悔の告白 「私のほうが何倍も仕事ができる」夫にダメ出し、説教が止まらない 【5】再婚相手もモラハラ気質のなぜ 「私は悪くない」とリベンジ?本当の苦しみは離婚後

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    4時間前

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    DeNAオースティンの助っ人らしからぬ“献身性” 「仲間思い」の根底にある野球哲学

     勇猛果敢なビッグハート――。 「僕にとって個人的な成績というのはあまり関係ないんだ。個人が数字を目指しプレーしてしまうとチームの雰囲気は悪くなる。とにかく大事なのはチームの勝利に貢献すること。そのために僕は100パーセントの力でプレーをするだけさ」  絵になるベースボールプレイヤー。来日3年目、横浜DeNAベイスターズのタイラー・オースティンは勝利に欠かせないスラッガーであることはもちろん、今や選手たちの精神的支柱としてなくてはならない存在だ。  昨年末、シーズンが終わってもしばらく去就が発表されなかったオースティンだったが、今季の契約オプションは球団側が持っていたため細かい契約項目で難航しているのかと思いきや、蓋を開けてみれば新たに3年契約(4年目は球団側にオプション)をしたという朗報が届き、ファンは大いに歓喜した。  球団側がそれだけオースティンの存在価値を評価したわけだが、東京オリンピックではアメリカ代表としてチームの中心選手として活躍し銀メダル獲得に貢献したオースティンであれば将来的にメジャー復帰という道を考えていたとしてもおかしくはないが、それでもDeNAと長期契約を結んだことは驚きに値した。  かつてオースティンが語っていた言葉を思い出す。 「横浜スタジアムでプレーするのはすごく好きなんだ。ファンはグレイトだし、チームメイトは若く優秀な選手たちが多い。優勝できる可能性は高いと思っている」  もちろん条件面を加味した上での契約延長だとは思うが、オースティンがDeNAを気に入っており、チームに明るい未来を感じているのは確かなようだ。  2年目の昨シーズンはコロナ禍により出遅れたものの、4番をメインに107試合に出場し打率.303、28本塁打、74打点、OPS1.006といかんなくその実力を発揮した。日本の野球にアジャストするために同僚の2年連続本塁打王になったネフタリ・ソトからのアドバイスやゲームアナリスト(スコアラー)に相手投手の特徴を聞き研究するなどできるかぎりの準備をしてきた。また日本の投手に適応するためバッティングのタイミングやスイングの軌道などテクニカルな部分を変える外国人バッターは多いが、オースティンはその点に関しアメリカ時代からまったく変えてはないという。 「数年前、カリフォルニアで(MLBヒッティング・コンサルタントの)ブラッド・ボイヤーとクレイグ・ウォーレンブロックのチームにバッティングの指導を受けたんだけど、それが大きなインパクトになっていて、スイングやタイミングに関しては、それを継続しているんだ」  クレイグ・ウォーレンブロックといえばメジャーを席巻した『フライボール革命』の元祖といわれる打撃インストラクター。十分な打球速度と発射角度を兼ね揃えたオースティンの迫力のあるバッティングは、名伯楽の指導から生まれている。  またオースティンの持ち味は打撃ばかりではなく、走塁や守備における貢献も見逃せない。三浦大輔監督は「走塁でも守備でも全力でプレーする外国人は、僕が今まで見た中では一番。打って、走って、守って。外国人だけど日本人のお手本になる選手」と高い評価を下している。  他の選手に刺激を与える存在としてプレゼンスを高めてきた2年間、昨季オースティンにグラウンド外で変化が生まれたとすればチームメイトとのコミュニケーションがより密になったことだろう。  開幕直後の大連敗中にチームに合流したオースティンは、消沈するチームメイトやスタッフたちを鼓舞しようとお揃いのTシャツを全員に配ったり、また勝ち試合を落とす投球をしてしまいバックヤードでひとり落ち込むピッチャーにそっと寄り添い「おまえのピッチングはすごい。自信を持て」と声をかけるなど仲間思いの気配りを見せていた。  また牧秀悟や森敬斗といった将来性豊かな若手にも笑顔で積極的にコミュニケーションをとり、なかでも前半戦の終わりのころ、右の大砲候補として期待されながらなかなか結果を出せず苦しんでいた5年目の細川成也にオースティンは「オフになったらアメリカで一緒にトレーニングをしよう」と声をかけている。実際、11月に細川はオースティンらとカリフォルニアで合流し、ともに汗を流した。同じ右のパワーヒッターの細川に可能性を感じたオースティンの粋なはからいだった。  自分の野球哲学についてオースティンは次のように語る。 「アメリカ時代から自分らしく、自分のゲームをやろうとプレーしている。そして、野球をしっかりと楽しむこと。力むこともない、背伸びすることもない。自分のできることを全力でやるだけだよ」  自分が野球を楽しむためには、チームメイトも同様に野球の素晴らしさを享受してほしい。だからこそオーティンは仲間たちとコミュニケーションをとり、頼れる存在としてチームを盛り上げるのだ。  シーズンも押し迫った10月5日、阪神戦で左ふくらはぎを肉離れし、戦線離脱をしてしまう。場合によっては全治まで1カ月以上かかってしまう負傷。残りのシーズンを約3週間と考えれば、このまま帰国してもおかしくはなかったが、オースティンはチームから離れることなく帯同され治療に専念した。規定打席数をクリアするまであと4打席ということもあったが、最後まで諦めることなく一緒に戦いたいという気持ちを露わにしてバックヤードで懸命にリハビリをしていたオースティンをチームの誰もが目撃している。  明るいキャラクターとリーダーシップで誰からも愛されたホセ・ロペスがかつてそうだったように、オースティンは今やチームにとって精神的支柱だといっても過言ではない。 “メガプロスペクト”と呼ばれメジャーで活躍していた若き日は気性の激しさが目立っていたが、今は誰もが認めるジェントルマン。全力プレーが身上なだけに故障はつきまとうが、今季DeNAが24年ぶりの悲願を達成するためにはオースティンの存在は欠かすことはできない。2年前の初来日直後、オースティンは真っすぐな眼でこう語ってくれた。 「いかなる方法であってもチームの勝利に貢献するのが自分の役割。そして最終的にはチャンピオンシップを獲得するんだ」  アグレッシヴでハートウォームなオースティンの献身は、果たしてチームを頂点へと導くことができるのか、ぜひ注目したい。(文・石塚隆)

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    「お礼に」と笑いながら避妊具を渡され…大学生アンケートで約半数が“性被害を経験”

     大学生が性被害や性暴力に遭い、それが軽視されている。なぜ大学生が性被害に遭うのか、なくすにはどうすればいいか。多くの大学で今、学生が主体となった挑戦が始まっている。AERA2022年1月31日号の記事を紹介する。 *  *  *  大学院生の時、レイプ被害に遭った。 「抵抗したら殺されるかもしれないと思ったので、抵抗できませんでした」  小川優(ゆう)さん(29)は振り返る。  当時、都内の私立大学に通っていた。性的同意など知る機会はなかった。ある日、カナダ人の男友だちから、部屋で一緒にご飯を食べないかと誘われ相手の部屋に行った。すると突然、体を触られ、首を絞められレイプされた。その間、ずっと「いや」と言ったが「日本人のいやはYesなんでしょ」と言われた。  レイプされたことは頭ではわかっても、受け入れることができなかった。親には心配させたくないので話すことができず、警察に届け出ようか迷ったが届けても証明できるものがないのであきらめた。以来、フラッシュバックに苦しめられる。男性を避け、ジェンダーに関する社会活動もできなくなり、挑戦したいキャリアの選択肢も狭まった。小川さんは言う。 「性的同意が何なのかが分かっていたら、こんなことは起きなかったと思います」  大学生の性被害や性暴力が深刻になっている。 ■性的同意の理解不足  早稲田大学の学生で組織された「Voice Up Japan早稲田支部」と「シャベル:早稲田で性暴力の根を切る」が共同で活動する「性的同意プロジェクト」が2021年6月、インターネットを通じて行った「大学の性被害・目撃経験の実態を調べるアンケート」では、同大の学生・院生・教職員ら278人が回答、うち約半数の47%に当たる130人が性被害に遭っていたことがわかった。 「飲んだ後、無理やりホテルの前まで連れて行かれたりした」 「大学構内で道を尋ねられ、教えたら『お礼に』と笑いながらコンドームを渡された」  といった回答があった。  なぜ、大学生が性被害を受けるのか。Voice Up Japan早稲田支部共同代表で国際教養学部4年の蛭田ヤマダ理紗さんは、こう見る。 「大学は成人年齢に達したばかりの年齢層が比較的多く集まり、新しい出会いや交流が生まれる場所でもあります。代表的な場所がサークルですが、サークルは閉鎖的な空間で、良いことも悪いことも慣習として残り続けます。その中で性別に基づいた差別的言動やルッキズム、性暴力が起きても外部から指摘されることがないため改善されません。個人やパートナー間での性被害は、性的同意の理解不足や性の知識の誤解があることが原因となっています」  アンケート結果で蛭田さんが特に注目したのが、半数近い42%の回答者が性的同意の概念を十分に理解していなかった点だ。中には、「性的同意の定義や行動を説明できる」と回答しながら、「2人きりで食事または飲酒をする」「露出の多い服装をしている」などを、性的同意が成立していないのに成立した状況と答えた人もいた。  性行為やボディータッチなどの性的行為の前に、互いの意思を確認し合い気持ち良い関係を築く──。「性的同意」という考え方だ。海外では、「同意のない性行為」自体を犯罪とする国も増えているが日本は、刑法で性的同意年齢は13歳と定められるなど、性的同意の概念の認識が低いと指摘されている。 (編集部・野村昌二)※AERA 2022年1月31日号より抜粋

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    眞子さんのNY目撃談相次ぐ「バイバイと両手で手を振る姿」も キャロライン・ケネディ氏宅へ?

     米ニューヨークで新生活を送る秋篠宮家の長女、小室眞子さんと夫の小室圭さん。ニューヨークに到着した11月14日から、およそ1カ月半を迎えた。眞子さんはニューヨークの街を一人で歩く姿が何度か、海外メディアに写真や動画を撮られてきた。今回はAERAdot.が独自で現地在住日本人の目撃情報をキャッチした。 *  *  * 「街歩きの眞子さんを目撃した」と言うのは、長年の間、ニューヨークに住む50代の日本人男性。12月22日と23日の2回、見たという。  まず22日午後3時から4時頃、場所はマンハッタンにある公園「セントラル・パーク」だ。 「私がちょうど犬の散歩でセントラル・パークの5番街辺りにいました。眞子さんに何となく似たシルエットの女性がペディ・キャブ(自転車タクシー)の男性運転手と話していたので、しばらく様子を見ていました」  その女性は男性運転手と10数分間、立ち話をしていたという。 「女性が立ち去った後に男性運転手に聞いたら、『彼女から道を聞かれた。(自宅のある)西の方へ行きたいと言っていた。マコと名乗っていた』と話してくれました。ちょうど、その地点から西へ抜けると、ダコタ地区。ジョン・レノンの妻のオノ・ヨーコさんの住まいでも知られています。その周辺を通って、ご自宅のあるヘルズキッチンへ向かったのではないでしょうか。女性は帰り際に茶目っ気たっぷりに両手でバイバイと別れの挨拶をしていました」 ■水色のハンドバッグを肩からかけて  翌23日にも、眞子さんとおぼしき女性をパーク・アベニューで目撃した。 「今度はパーク・アベニューの通りを、眞子さんが歩いていたんです。ちょうど交差点のところで、一緒にいた妻が『あっ、眞子さんじゃない』と言ったので、パッと見たら彼女と目が合ったんですよ。1メートルくらいの近さでした。眞子さん一人でしたね。その後、足早に自宅のある方向へ歩いていきました」  この日本人男性はとっさにスマホで撮影。それを見ると女性は長い髪、黒いコート、水色の長い紐のハンドバッグ、紙袋を持って歩いていた。英デイリーメールが12月25日に報じた、眞子さんの数枚の写真と酷似していた。  デイリーメールによれば12月23日、眞子さんはクリスマスの贈り物が入っていると見られる紙袋を持って、1人でニューヨークの街を歩いていたと、数枚の写真入りで報じた。その時、紐の長い水色のハンドバッグを肩からかけていた。  同紙によると、眞子さんはアッパーイーストサイドに住まいがある米国外交官のキャロライン・ケネディさんが住む高級アパートを訪れたという。キャロラインさんの住まいは2500万ドル(約28億5000万円)する住まいであることが知られていて、眞子さんは午後1時から約3時間滞在したという。前出の日本人男性が目撃したのは同日午後4時頃。眞子さんが用事を済ませ、帰路につく時間帯だった。 ■キャロラインさんとの交流  また、同紙によれば眞子さんはキャロライン・ケネディさんが住むアパートに入ったが、「キャロライン氏宅を訪ねたかは不明」としている。  キャロラインさんは今年秋の叙勲で、「旭日大綬章(きょくじつだいじゅしょう)」を授賞。12月8日には、ニューヨークの総領事・大使公邸で叙勲伝達式が行なわれた。  皇室ジャーナリストの神田秀一氏はこう見る。 「もし、眞子さんがキャロラインさんの自宅を訪れたのなら、叙勲のお祝いをしたかもしれませんね」  キャロラインさんは暗殺された元大統領のジョン・F・ケネディさんの長女。キャロラインさんは80年にメトロポリタン美術館に勤務。美術館勤務中の86年に結婚、1男2女をもうけた。日本にとっておなじみになったのは、オバマ政権下の2013年11月から17年1月まで、女性として初の駐日大使を務めたことから。当時、外相だった岸田文雄首相とも交流があったという。  バイデン大統領は12月15日、キャロラインさんを新しいオーストラリア大使に指名、今後、上院での承認が得られれば正式に就任する。 「キャロラインさんが駐日大使として東京にいた時、眞子さんがもう成年皇族になられていたのがポイントですね。成年皇族であれば、キャロラインさんと会う機会はいくらでもあります。たとえば、1月1日の新年祝賀の儀では全ての海外外交官が皇居に集まりますからね。宮殿にあるすべての部屋を開放して朝早くから午後まで目一杯時間を使って新年を祝います。そこに皇族も出ますから。他にも宮中晩餐会などでも会う機会はあります」(神田氏) ■小室夫妻へのアドバイス可能な人  キャロラインさんは環境保護などに強い弁護士としても活動していたことがある。眞子さんの就職先の一つとして、女性誌はメトロポリタン美術館を上げていたことがある。しかも、夫の圭さんは来年2月に司法試験の再受験を控えている。 「キャロラインさんはメトロポリタン美術館に勤務した経験があるわけですから、もし、眞子さんから聞かれれば、何でも答えられるのではないでしょうか。弁護士資格も持っているので、小室夫妻のどちらにもアドバイス可能な人ですね」(同前)  眞子さんの妹の佳子さまは12月29日、27歳の誕生日を迎えた。眞子さんのしていた公務を引き継ぐ予定だという。  小室圭さんが来年2月の弁護士試験にもしも落ちた場合、早期帰国説も取り沙汰されている。 「ニューヨークにいたいというのが2人の希望。皇室から開放されて、異国の地で過ごそうというわけですから、2人とも、就職先を見つけることが大事。そうしないと長続きしないと思います。お金もない、仕事もないからやっぱり日本に帰るということがないように、進もうとしている道を切り開いて下さい。ニューヨークの冬は厳しいので、お体にくれぐれも気をつけてお過ごし下さい」(同前) (AERAdot.編集部・上田耕司)

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    【独自】天皇家の和歌御用掛が明かす歌会始の儀の後、両陛下から届いたメモの中身と愛子さまの歌の意味

     愛子さまのデビューとなった歌会始の儀は、久々に皇室の明るいニュースとして人びとを笑顔にした。和歌の御用掛を務める篠弘さんが、両陛下と愛子さまの和歌に隠された意味を解説した。  英国の学び舎に立つ時迎へ開かれそむる世界への窓  今年の歌会始のお題は、「窓」。  愛子さまは、初めて「歌会始の儀」で披講した詠進歌(詩歌を作って宮中や神社などに奉ること)となった。  学習院女子高等科二年生の夏休みに、英国のイートン校の寮に滞在する「イートン・サマースクール」での体験を詠んだ和歌だ。  歴史の重みを感じる建物を前に今、ご自身の体験から世界が開かれようとしている。弾むような気持ちが詠まれている。  イートン校といえば、英国のウィリアム王子やハリー王子も学ぶなど世界の王族が学ぶ名門校だ。 「和歌は個人的な体験だけを詠むと、歌が小さくなってしまいます。愛子さまが選んだ『世界の窓』は、ご自身の垣根を越えて、同世代の若者の前に開かれる可能性や期待感を表現なさったものです」(篠さん)  篠さんが宮内庁御用掛を拝命したのは、平成から令和への代替わりが近づく2018年のことだ。  本来は、天皇陛下や皇族方に直にお会いして和歌の相談を受けること多い。  しかしコロナ禍のいまは、おもにFAXが連絡手段だ。天皇や皇族方より送られてきた和歌に丁重に目を通す。より重みを増すよう、歌の調べが滑らかになるよう、お立場に相応しいお歌に添削をすることもある。  天皇陛下と皇后雅子さまは、どのように和歌を詠むのだろうか。 「天皇陛下と雅子さまは、おふたりで同じ日に、仲睦まじく作っておられるようです」(同)  というのも、いつも同じタイミングで篠さんに和歌を出すのだという。   こんなことがあった。  令和に入って迎えた雅子さまのお誕生日。お祝いに際して行われる月次(つきなみ)歌会のお題を、陛下は篠さんと相談していた。 ところが、なかなか決まらない。篠さんも困っていると、陛下がこう口を開いた。 「雅子に希望を聞いてから決めようと思います」   陛下はお優しくていらっしゃるーー。雅子さまへの愛情がにじむ言葉に、篠さんはこう思った。  歌会始のお題を決めるのは、天皇陛下だ。  まずは、歌会始の5人の選者が過去のお題を参考に、二つにしぼる。  一般の人びとが歌にしやすいか、理解しやすいかといった視点が大切だ。  最終的に決定するのは、天皇の役目だ。  今回、「窓」という題に対して、天皇陛下は次のように歌を詠んだ。天皇陛下が公表した和歌は、御製と呼ばれる。 世界との往き来難(がた)かる世はつづき窓開く日を偏(ひとへ)に願ふ  コロナ禍が収束したその先に、いま大きく落ち込んでいる世界との人々の往来が再び盛んになる日の訪れを願って詠まれた和歌だ。 「結句の第5句目が説明的でなく、真実味が深い」  篠さんは今年の陛下の和歌をそう説明する。 「皇太子でいらしたころは、山の情景をお詠みになることも多くありました。天皇に即位してからは、歌を締めくくる用語として『望む』『祈る』『願う』など、人びとと共にある言葉をお選びになっています」  ことし陛下が詠んだのは1首。ご自身で痛感なさったことが主題であり、お人柄がにじむと感じたという。 「陛下が本格的な作歌活動に入るのはこれからでしょう。令和という時代をどう表現なさるのか、楽しみです」  続いて、皇后雅子さまの御歌。 新しき住まひとなれる吹上の窓から望む大樹のみどり  昨年9月に天皇ご一家は、改装された吹上御所に移った。上皇ご夫妻への感謝とともに、御所から皇居の木々の緑深さを詠まれた。宮内庁のホームページには、そう解説がなされている。  和歌をご指導した篠さんは、「もう少し内なる気持ちが込められた御歌である」と話す。篠さんが、「吹上御所の窓から、けやきの巨樹が見えます」と話したところ、皇后さまは、その光景をお気に召したのだという。しかし、ただ皇居の緑の情景を詠んだ和歌ではないと篠さんは解説する。 「ようやく心身ともに落ち着いて国のために尽くすことが出来る。良い出発となったことへの感謝と、皇后陛下の自己認識が投影されています。和歌でお使いになった『望む』という表現は、単に見るという意味ではない。『しげしげと見渡す』といった実感をともなった言葉です」  結句は「大樹のみどり」と体言止めにした。それによっていっそう、瑞々しさが広がっている話す。  18日、歌会始の儀が終わると、召人や選者など関係者だけで小さな懇談の場が設けられた。  篠さんは他の歌人に、両陛下の今年の和歌は、特に良かったと発言していた。  この日の諸行事が終わったあと、侍従がそばに来た。手には、両陛下からのお言葉を記した紙が見える。  侍従は、書かれた文章を読み上げた。 「褒めていただいて嬉しかった」  記されていたのは、両陛下の素直なお気持ちだ。 「今上陛下として、和歌を詠進なさることに、すこしご緊張もあるのかもしれません。和歌の指南役や儀式に集う歌人から、今上天皇に相応しい一首として評価されたことを心から喜んでおられたのでしょう」  ざっくばらんで人間味あふれるお人柄。それが令和皇室の魅力なのかもしれない。(AERAdot.編集部 永井貴子)

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    36歳キャリア妻のモラハラ懺悔 夫の仕事にダメ出し「私のほうが何倍も優秀」と説教が止まらない

     妻から夫へのモラハラ被害が深刻化している。女性の社会進出に伴い、男性が加害者、女性が被害者という構図がかわりつつあるのだ。ジェンダーの問題ともいいきれなくなってきている。どのような意識なのか。今回は、夫にモラハラ行為をしてしまった女性の告白から、夫婦間のモラハラを考える >>【夫の布団を廊下に出す、モラハラ妻の非情な仕打ちを43歳男性が告白 「無視しないでくれ」懇願にも冷たい目】より続く *  *  *「夫のぐちを友人に話していたら、『それってモラハラじゃない?』と言われて、ハッとしました」  東京都在住の会社員、Cさん(36)。現在、共働きの夫婦二人暮らしだ。若くして管理職に抜擢されるなど、職場での人望も厚く、仕事も順調。結婚時には夫と同等の収入だったが、昇進を機に、夫より稼ぎがぐっと増えた。家事は一応、分担制ということにしているが、実質の負担はCさんが8割、夫が2割といったところだ。それでも「家事は仕事の息抜き」だと楽しめる器用なCさんにとって、生活に特に不満はなかったという。  その気持ちに陰りが見え始めたのが、新型コロナウイルスの感染拡大で、夫婦ともに自宅でのリモートワークが始まったころからだ。リビングで夫婦肩を並べて仕事するのは新鮮で、最初のころは楽しかった。しかし、横で見ていて夫の仕事への取り組み方が、どうしても気になるようになった。  例えば、オンライン会議での発言。要点を得ず、まどろっこしい説明を並べる夫の声を聞きながら、心の中で「もっとうまく説明しなさいよ」と突っ込んでしまう自分がいる。また、夫が朝始めた資料作成が夕方になってもほとんど進んでいなかったりすると、「こんなに集中力が続かないなんて」と心の中でため息。そのうち、胸の内にとどめていられなくなり、自分の部下にするように夫に説教し始めるようになった。 「まだこれだけしか進んでないの?」「もっと効率的に進めないと」「今までどうやって仕事してたの?」「私が上司だったら怒るよ」  夫の仕事の進め方を見るにつれ、イライラして黙っていられない。最初のころは夫も「頑張るよ」「そんなに言わなくても」と反応していたが、妻と同じ空間で仕事がしづらくなり、近所のカフェに出向いて仕事するようになった。家事は相変わらずCさんの負担度合いが多いまま。次第に「私の方が忙しいんだから、もっと家事を手伝って当然でしょ」という、これまでに感じなかった不満が膨らんでいったという。 「夫が働いている姿を初めて実際に目にして、正直なところ『私の方が何倍も仕事ができる』と思ってしまった自分がいます。それに伴って、家庭内の夫の見え方が変わってきた部分もある。これ以上言うと良くないと分かっていても、部下に接するように、つい夫に対して強く言ってしまう自分がいます」  Cさんはいまも自分の言動に悩んでいる。 ◆モラハラ行為をしてしまう妻・4つのタイプ  夫婦問題カウンセラーの高草木陽光さんによれば、モラハラ行動に出る妻は、大きく4つのタイプに分けられるという。 【上司型】 夫の話すことに、ことごとく否定的な言葉を投げかける。家事や育児に協力的な夫に対しても、一気にやる気が失せてしまうようなダメ出しをする。夫の発言や行動に共感したり賛同することは滅多にないが、マイナス要素を探し出しては意見してくる。自分流のルールがあり、そのルールから外れたことをするのを極端に嫌がる。否定的な言葉を発することが癖になっている人が多く、「だって」「でも」「ていうか」といった言葉を多用する傾向にあるという。一見、自分に自信があるように思われがちだが、幼少の頃から常に親に高レベルを求められて育った人が多く、自分自身に対し、人並みではなかなかOKを出すことができない人もいる。Cさんはこのタイプだろう。 【GPS型】 常に夫の行動を把握していないと気が済まず、不安になると思いもよらない過激な行動をとる。「いつ、どこで、誰と、何をした」ということを知りたがり、仕事中でも構わず電話やラインをしてくる。夫の財布やカバンをチェックするのは当たり前。夫の行動を把握し、管理することが“妻の愛”であり、夫が事細かに自分の身の回りで起きたことや会った人のことを報告してくれることが“夫の愛”であると信じているタイプだ。人に嫌われることを恐怖に感じるため、「人からどう見られているか」ということを非常に気にする傾向にあり、自分軸より他人軸中心で物事を考えがちなため、人の意見に流されやすい。 【マイペース型】 その時の気分や感情で言動が変化し、予定を台無しにしがち。人のことを考えず自分中心に物事を判断するため、周りが振り回られて疲弊する。弁が立ち、もっともらしい言い訳をするのが得意で、いつの間にか妻に都合がいいように話をまとめられる。気に入らないことがあると行き先も告げずに子どもを連れて家を飛び出し、そのまま1週間も連絡が取れなくなったり、実家に行ったきり長期間帰ってこなかったりする。 【暴発型】 物に当たったり、突然切れたり、夫の人間性を否定する暴言を吐く「暴発型」。言葉の暴力だけでなく、夫の話や存在を無視したり、夫の食事だけ用意しなかったりする。何気ない言葉にも過剰に反応しがちで、被害者意識が強い傾向にあることから、友達が少ない傾向にあるという。 「全ての方が必ずしもこの4タイプに当てはまるというわけではないですが、相談に訪れる夫が問題として挙げる妻のタイプにはこうした共通点があります。当事者になるとなかなか気づけないものですが、同じような状況やパターンで悩んでいる人が案外多いのです」(高草木さん) ◆仕事も家事も器用にこなせるタイプが多い  妻はなぜ、夫に対しこうしたモラハラ行動に出てしまうのか。  幼少期の両親との関係や教育環境が起因しているケースがあるのは、男女ともに共通するポイントだ。その他、過去のトラウマや生まれ育った気質なども男女ともに関係していることが多い。  そんな中、女性に多い特徴として見られるのが、(1)ギリギリまで溜め込んで爆発する、(2)社会に出て働き始めてからなど後天的にモラハラ気質になるケース。いずれも、女性は家事も仕事も器用にこなせるタイプが多く、自立心が強い傾向にあるという。結婚や出産後も仕事を続ける妻が増え、妻の家事や育児への負担が高まっている背景もある。こうした流れから夫に対する家事育児の要求レベルも高くなり、妻が攻撃的な態度に出てしまうとも推察できる。  夫婦問題カウンセラーの岡野あつこさんは言う。 「元来、器用であるがゆえに、仕事も家事も子育ても、何でも完璧にやろうとする女性が、突然夫に対しモラハラスイッチが入ることが多い。何でも自分でできるからこそ、人に頼ることに慣れておらず、夫に手伝ってほしい時も『言わずとも分かって動いてほしい』となる。夫がそれに気づかぬまま、妻が黙ってギリギリまで溜め込んでしまった時、爆発してしまう」  岡野さんの元を訪れた相談者の中には、「2年にわたって妻から無視されている」という夫もいたという。その妻から原因を聞くと、「過去に育児や家事を手伝ってくれなかった」と何年も前のことがきっかけとなり、ある日突然何もかもが嫌になり、夫を無視し始めたそうだ。  (2)の後天的にモラハラ気質になるタイプは、夫並みか、夫以上に稼ぎがあり、いつの間にか夫を自分より下に見ている妻が多いという。高学歴であることが多く、有名大学を卒業し、大手企業で男性と肩を並べて頑張ってここまできたという自負があるタイプがなりやすい。冒頭のCさんは「自分はこのタイプかもしれない」と悩む。  優秀で器用であるがゆえに、自分より器用ではない夫に対して厳しく接しがちな妻。前出の高草木さんは、女性が男性と対等に働いていく上で、「強くならざるを得ない社会の構造もある」としながらも、「妻が夫に自分のルールを押し付け過ぎて破綻してしまう夫婦は増えている」と指摘する。 「職場では常に冷静で、仕事ができるバリキャリ妻ほど、周囲から面倒見がよく常識的だと思われることが多い。ですが身内に対しては、感情を抑えられなくなってヒステリックになりやすい傾向もあります。こうした妻は、まさか自分の発言が夫を苦しめているとは思っていないことも多い。Cさんのように自分で『モラハラかも』と気づけたら、早い段階で脱却できる可能性も高い」  だが、Cさんのように「モラハラをしているかもしれない」と気づけない人が多いからこそ、事態が深刻化している。パートナーのモラハラに悩む被害者も実は、本当の脱却が難しいという。次回は、モラハラ気質の男性から逃れられず苦しむ女性のケースを紹介する。(松岡かすみ)

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    【岩合光昭】ヨットのロープをのぼる猫!! シドニー湾のやんちゃ坊主

     動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい猫(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、オーストラリア・シドニーの「ニャクロバット」です。 *  *  * シドニー湾を訪れ、思わず我が目を疑った。ロープをよじのぼる猫なんて見たことがない。  ヨットオーナーのもとで暮らす1歳のガスくん。「船に乗るにはこれが近道」と、ロープに飛びついた。尻尾をぴんと伸ばし、必死に上を目指す。たまに失敗して海に落ちても、泳ぎは得意なのでへっちゃらだ。  なのに、ご主人がパドルを漕ぐサーフボードに乗るときは、緊張した面持ちに。「誰かに身を任せるより自分で冒険がしたいんだ!」。やんちゃ盛りの声が聞こえた気がした。 デジタル岩合 http://www.digitaliwago.com/※週刊朝日  2022年1月28日号

    週刊朝日

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    東大刺傷事件 東大医学部卒の精神科医・和田秀樹氏が語る「医学部志望の苦しみ」

     15日に大学入学共通テストの会場である東京大学農学部の正門前で起きた刺傷事件は、世間に衝撃をもたらした。殺人未遂容疑で逮捕された名古屋市内の私立高校2年生の少年(17)は、東大医学部志望だったと言われている。  少年は警察の取り調べに対して、「医者になるために東大を目指して勉強を続けていたが、1年くらい前から成績が上がらず、自信をなくしていた」「東大を受験する予定だったが、勉強しろとの圧力が強く勉強が嫌だった」などと供述しているとされる。なぜ少年はこれほど追い詰められてしまったのか。医学部志望特有の苦しみやプレッシャーについて、東大医学部出身で精神科医の和田秀樹氏に聞いた。 *  *  * 逮捕された男子高校生は 愛知県内でもトップレベルの進学校に通う2年生。灘高校出身で数多くの受験テクニック本の著書もある和田氏は、超進学校の雰囲気をこう振り返る。「私の高校でも、医学部を志望する人の多くは(医学部にあたる)東大理科III類(以下、理III)を目標にしていて、最低でも京大医学部といった雰囲気がありました。灘、開成、筑駒といった超進学校では、医学部を目指すなら東大理IIIに行くべきだという刷り込みがあって、そうではないと成功したとは言えないような風潮がある。ですが、いざ医者になってみると、医学部ほど大学名が役に立たない分野はないと感じることは多いですよ」  しかし、進学校の医学部志望の生徒の間では、偏差値第一主義の考え方が根強く残っているという。偏差値順に上から受けていくようなスタイルは、塾による刷り込みも影響しているのではないかとみる。 「偏差値第一主義の傾向は、特に理IIIを多数輩出している塾に顕著です。こうした塾では昔よりも生徒や保護者が、学校より塾の言うことを聞くようになっていると感じます。ですが本来、医者になるのなら特定の大学にこだわるほうがおかしい。私が受験指導をしているときは、志望校と併せて他の医学部との併願を勧めています。ですが愛知県はもともと国公立志向が強く、より偏差値の高い国立の医学部を目指すことがゴールだと思っている子は少なくない。プレッシャーは大きいと思います」  今回事件を起こした少年は、1年後に受験を控えた2年生だ。まだ時間はあるようにも思えるが、「面談で東大は無理という話になって心が折れた」と供述しているように、当人としては自身の成績に絶望していたようだ。 「中高一貫校では、高2までに高3の勉強を終える学校が多く、高2あたりで一気に勉強内容が難しくなります。そのため、早い段階で行き詰まりやすい。おそらく、この男子生徒はものすごく頑張って努力するタイプで、猛勉強してきたのだと思います。ですが、成績が上がらないまま努力しても、たいていは(悩みの)解決にはつながりません。やり方を変えないまま猛勉強を続けても、どうしても限界があるからです。そんな時、(成績が伸びないのは)地頭やセンスの問題だと思い込んでしまい、『俺はバカなのだ』と自己否定につながってしまう」  和田氏自身、行き詰まった時は受験テクニックで乗り越えた。その後、受験テクニックに関する数々の著書を世に送り出してきたが、最近はかつてと比べるとテクニック本が売れなくなったという。「テクニックを変えれば受かるかもと思ってくれる受験生がすごく少なくなったと感じます。2005年のテレビドラマ『ドラゴン桜』(1期)の放送時には東大受験ブームが起きましたが、昨年に『ドラゴン桜2』が放送された際には全くと言っていいほど東大受験ブームが起きていないのが象徴的です。今の子たちは、行き詰まったときにテクニックではなく根性で乗り越えようとしてしまう傾向があると感じます。ですが、的外れな努力ではダメ。成績が上がらないのなら、根性よりもやり方を変えたほうがいいという発想がないといけません。今は本やインターネットで受験テクニックの情報がたくさん出ているので、地頭が悪い、センスがないと嘆く前に、別の方法を試すだけ試してほしい」  スポーツなどでは根性論では勝てないことがわかって科学的なアプローチをするようになったものの、受験の分野ではいまだに根性論の考え方が根付いているという。根性論が浸透している限り、精神的に音をあげてしまう学生は後を絶たない。 「学校や塾も旧態依然としたやり方で指導していては、結果的に子供の自尊感情を傷つけてしまうと思います。努力で勉強を乗り切ろうとさせず、勉強への向き合い方を教えてあげたり、実際の医者の世界について教えてあげたりするなど、広い視野を与えるようなアドバイスが重要だと思います」  そして、改めて「医者ほど大学名が役に立たない分野はない」と強調する。和田氏によると、医療分野における学歴主義からの脱却の転換点となったのは、2004年の「臨床研修制度の必修化」だという。制度の導入前は、東大病院をはじめとする複数の名門病院では、東大卒業生以外が研修医として入るのは難しい状況だった。だが、必修化以降は大学名ではなく、大学の成績が重要視されるようになったのだという。 「結果的に、希望の病院で研修をするためには、偏差値の低い大学のほうが(相対的な成績が高くなり)、かえって有利になることもある。東大理IIIに入れる実力があったとしても、あえて下の大学に行ったほうが得をする可能性もあるのです。その後の病院の出世や大学教授へのなりやすさも、必ずしも偏差値の通りになっていない。ほかの学部なら官僚になりやすい、会社で出世しやすいといったように学歴が有利に働く状況も多少はあると思いますが、医学部の場合は、たとえば東北大や慶応大と比べても、東大出身者が医者として出世できるとは言えません。ある意味で、東大の中では医学部が一番割に合わないと思います」  先を見通す広い視野を持っていれば、人生に絶望することも、過度のプレッシャーを感じることもなかったのではないか。 「ほとんどの医学部受験生たちは入学後の事情を知らず、少しでも偏差値の高い大学に入りたい。保護者も同じで、医者の世界を知らないまま学校名にこだわっている親は多いと思います。理IIIを輩出するような塾では毎日5時間もかかるような膨大な量の宿題が出されることもあり、受験生には世の中のことを知るための時間がない。実際、東大医学部に入る学生たちの多くは、世の中のことを知らないまま勉強をしてきた人が多いと感じます。だからこそ、受験生にはその狭い視野を広げる大人の存在が必要なのです」 事件を起こした少年にそうした大人の存在がなかったのだとすれば、残念に思えてならない。(AERA dot.編集部・飯塚大和)

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    オリラジ中田の妻・福田萌がシンガポールから帰国 「岩手の実家で隔離生活」で水際対策に疑問の声

     シンガポールに移住したお笑い芸人・オリエンタルラジオ中田敦彦の妻でタレントの福田萌が14日、音声プラットフォーム「Voicy」を更新し、日本に一時帰国したことを報告した。  福田は14日夜に「先日、日本に一時帰国いたしまして、今は隔離先の実家の方に来ております。無事に入国することができました。よかったです」と報告。帰国直前に長女のPCR検査をしていなかったことを思い出し、あわててPCR検査を手配し、間に合わせたという。入国後は公共交通機関を使わず、ハイヤーで実家に移動。「常夏の国からたまに雪の降る岩手県にやってきて、ホッとしているというのが率直な感想ですね」と語った。福田は家から出ず、家族や母との時間を過ごしているという。中田は仕事の準備などがあるため、東京で部屋に1人滞在して隔離生活を送っていることを明かした。  中田が相方の藤森慎吾と共に所属していた吉本興業とのマネジメント契約を昨年いっぱいで終了したのに伴い、福田と子供たちも3月からシンガポールへ移住。ただ、異国の地の不慣れない生活に戸惑いがあったようだ。4月に「Voicy」でシンガポールの兵役義務に言及し、このまま現地に住んで長男が永住権を取得した場合は兵役が課せられることに「今は全然、信じられなくて、『イヤイヤイヤ、それはさすがにご勘弁』って感じなんですけど」などと発言して波紋を呼んだ。その音声は現在消されているが、「映画を話せる友だちもいない」、「生活に早く馴染まなきゃとか、慣れなきゃみたいな感じで。焦る気持ちが自分の中であったので、体調崩したり、精神的に参ってしまったりってこともきっとあったと思う」と悩みを吐露した時期もあった。 「中田さんのYouTubeチャンネルは登録者数が422万を超え、オンラインサロンも会員数が6000人近くと大人気です。頭の回転が速く、異端の芸人として大成功を収めていますが、海外に住んで現地の環境に適応しなければいけない家族の苦労、ストレスは想像以上だと思います。英語が話せないとなかなか現地のコミュニティーに入れないですし、子供は大丈夫か不安に感じるでしょう。その苦労を覚悟しての海外生活ですが、楽しいことばかりではないと思います。コロナが完全に収束したわけではないので帰国には賛否両論の声はありますが、実家に戻って心身をリフレッシュしたかったのでしょう」(スポーツ紙芸能担当記者)  ただ、ネット上では実家で隔離生活を送っていることについて疑問の声が。 「岩手県民です。県民の努力によって現在30日以上もコロナ罹患者0の日が続いているのに、海外から来て隔離されずに家族と一緒に生活…という記事を見てがっかりしました。オミクロン株が出てきて、迷惑をかけないよう今年も東京からの帰省は控えるという人もいるのに」 「実家で、特に行動制限されていないご家族と一緒の空間にいたら、それは隔離ではないのでは?入国された方は外出しなくても、同居のご家族が媒介して、って可能性があるのに、なんで日本の隔離要請ってこんなにザルなんだろう」  今回の福田のように帰国後、実家で隔離生活を送ることに問題はあるのだろうか。 「帰国者の方の隔離場所は同居人がいる自宅でも問題ありません。ただ、厚生労働省のHPに掲載されているように、感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける、日中はできるだけ換気をする、できるだけ全員がマスクを使用する、小まめにうがい・手洗いをするなど感染防止の徹底を呼び掛けています」(厚生労働省新型コロナワクチンコールセンター)  福田は実家で感染防止に細心の注意を払って生活していると思われるが、政府の水際対策に疑問を感じた人が多いのかもしれない。(松木歩)

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    夫のモラハラ、被害に遭いやすい妻は魅力的な人? 「相手を支配したい」加害者の歪んだ甘え

     夫婦間のモラハラがいま、大きな問題になっている。離婚の大きな理由になるが、それに気づかない被害者も多い。なぜ望んで一緒になった相手を傷つけてしまうのか。結婚後に豹変する夫にはどんな特徴があるのか、また被害にあいやすい人はいるのだろうか。夫から妻へのモラハラの事例を紹介しつつ、専門家の分析をまとめた。 >>【4歳年上銀行員の夫のモラハラ「君はダメな人間だ」 Yシャツのボタンの縫い方で朝まで説教】より続く *  *  *<Aさん女性35歳の場合>元夫は4歳年上の銀行員。同居後しばらくして、元夫は言動が攻撃的に。些細な事で「君はダメな人間だ」と責められるようになった。長時間説教が常態化し、不機嫌な態度で1か月に渡って無視されることもあった。Aさんは「夫は私のためを思って言ってくれている」と解釈し、自分が悪いと思い込みはじめた。“洗脳”が解けるきっかけは1年ぶりに会った母親。そこでようやく被害に気づき、離婚に至る。ただ、最後まで元夫は自分の非は認めなかった。  夫から妻へのモラハラでよく見られる言動には、「何でも相手が悪いと怒る」「人格を否定する」「自分のルールが絶対」「長時間に渡り説教する」といった項目に加え、「実家や友人との交流を禁止する」「外で仕事することを禁止する」という傾向も見られる。Aさんの場合も、母親とは1年会っていなかった。元夫が嫌がったためだ。  外とのつながりが薄れ、妻が家庭内に閉じこもっていくにつれ、モラハラ環境の密室化がますます強まってしまう。そうした妻の精神的ダメージは深刻化するケースが多いという。  さらに厄介な言動が、「ひどく罵った後で、優しくする」という特徴だ。夫からの「君はいつも辛いことから逃げようとするから、僕が鍛えてあげている」「君のためを思って言っている」という発言を“優しさ”と信じて受け取ってしまい、被害者である妻は「前は優しかったし、厳しいのは私のため。私がちゃんとした人間になれば、あの人も優しく戻ってくれるはず」となる。実際は、「君のためを思っている」「君を尊重している」といった仮面をかぶり、「君が選んだ」「君は納得したはず」と、モラハラというコントロールで導き出した被害者の選択や態度を強いているのだが、モラハラを受けている最中はそれに気づけないのだ。  Aさんがそうであったように「夫は私のためを思って言ってくれている」と思うことで、どれだけひどいことを言われてもなかなか離れられないことが多い。こうした場合、周囲がいくら心配しても被害者である本人が聞く耳を持たないこともある。 ◆妻は「自分の持ち物」と認識  好きで結婚した相手なのに、なぜ苦しい目にあわせるのか。「カウンセラーが語るモラルハラスメント」などの著書があるカウンセラーの谷本惠美さんは、「モラハラをする夫は、妻を自分の“持ち物”だと認識している」と指摘する。 「モラハラをするのは、葛藤処理やストレス対処が未熟な人。普通なら、自分にとって大切な存在に対し、自分の心の問題をぶつけたりせず、大事に扱うものです。ですが心の処理が未熟な人は、自分の大事な存在を、まるで自分の所有物であるかのように、自分のために使ってしまう」(谷本さん)  未熟とはつまり、葛藤やストレスの処理が幼児期の状態でストップしていること。幼児が自分の非を認められず、「誰々が悪い」と責任転嫁してしまうことは、よくある。だがそこから成長せず、幼児期のままで精神状態が止まってしまうと、他人への責任転嫁が当たり前となり、相手へのいたわりが欠落した大人になってしまう。プライドが高く、自分が一番大事なので、相手を見下す態度がにじみ出やすく、結果「友達が少ない」という傾向もあるという。 「モラハラをするような人は、客観的認知能力が著しく欠けていると思われます。この世をごく単純に見ていて、正解が一つだと信じているのです」  と分析するのは、『妻のトリセツ』などの著書で知られる脳科学・AI研究者の黒川伊保子さん。客観的認知能力が欠けているとは、「自分と別の見方があるとは思いも寄らない」こと。そうなると自分が万能で偉いと思い込み、自分と価値観の違う相手を蔑む傾向にある。その場合、話し合いにならず、歩み寄ることが難しいという。 「想像力、思いやりなどの客観性認知能力は、4歳から8歳のころに育ちます。これらの能力は、外界認知を司る小脳の発達と深くかかわっていると考えられ、小脳の発達臨界である8歳までに経験によって獲得することが重要です。つまり、以降にその力を育てようと思っても残念ながらなかなか難しい。4歳から8歳の頃に、親とのコミュニケーションが不足したり、親がたった一つの正解を押し付けてきたりすると、客観性認知が著しく欠けてしまったまま大人になることがあります」(黒川さん) ◆やってもやっても認めてもらえない  意外なことに、モラハラをする男性には、高学歴で医師や弁護士、経営者など、社会的地位の高い人が多い傾向にあるという。仕事ができる人が多く、外面も良いため、プライベートの友人は少ないものの、仕事を通じた関係性は良好である場合が多い。  相手が自分のテリトリーに入ってきた時に初めて本性が現れるため、表面的な付き合いの上ではモラハラ気質を見抜くことが難しい。そのため、結婚前にモラハラの予兆に気づけない場合が多いのだ。  モラハラに関する相談実績も多い夫婦問題カウンセラーの高草木陽光さんは次のように指摘する。 「100点を取らないと認めてもらえないという教育環境で育っていたり、親の押し付けが強かったりして、実は大きなコンプレックスを抱えているという人が少なくない。『やってもやっても認めてもらえない』という幼いころの経験から、自己肯定感がとても低い傾向も見られます。だから常に自分が誰かの上位に立つことで、歪んだ安心感を手に入れたがる。その“誰か”が、一番近い相手である妻で、矛先が向かってしまう」  前出の谷本さんの分析も同様だ。 「モラハラをする人は、いわば大人の仮面を被った幼児。究極の赤ちゃん的な甘えで、『僕の言うことを聞いて!僕に構って!』という言葉が、モラハラという言動に置き換わっている」  Aさんの話を思い起こすと、元夫の人格否定言動の数々は「誰かに認めてもらいたい」という欲求の裏返しにも思える。  何かを決めるときには、Aさんの提案に対して、必ず「本当にそれでいいと思ってるの?」と疑問を投げかけてくる。そこで提案し直しても、夫が考えている内容と異なれば、決して良い返事を返さない。OKが出るのは、夫が考える内容と一致した時のみだ。その決定が良い結果をもたらせば、「僕がアドバイスしたおかげ」となり、うまくいかなければ「君の決定はいつもうまくいかないよね」とAさんのせいにする。  被害者からすれば、たとえ幼稚であろうと教育環境が起因していようと、正当な理由もなしに歪んだ矛先を向けられては、たまったものじゃない。 ◆モラハラ攻撃によって人格を変えられた  その矛先が向かいやすいタイプはどんな人なのだろうか。意外なことに、モラハラ被害者は、もともとは自分をしっかり持った魅力的な人であることが多いという。「ターゲットをコントロールしたい」、「支配したい」という歪んだ“甘え”は、それが簡単に叶いそうもない相手にこそ向けられるのだ。 「被害者はもともと受け身だったのだろう」「被害者に選ばれやすいタイプがいるのだろう」と思われがちだが、決してそうではない。そう誤解されるほど、被害者のパーソナリティがモラハラ攻撃によって変えられてしまうだけなのだ。  たとえばAさんは、人格を否定する発言を浴び続けた結果、「自分が悪い」と思うようになり、元夫の言動を全て自分に関連づけて考えるようになった。自分がどうしたいか、どう感じるかということよりも、元夫が何を言ったらOKを出すか、不機嫌にならないかを始終考える。夫の機嫌が悪いのは、私が何もできないからだ。できない私が悪い。怒らせてしまった私に原因がある。私がちゃんとすれば、優しい夫に戻ってくれるーー。いつの間にか、自分の価値観や感覚、考えがなくなり、自分自身を責める思考ループに入っていたという。  相手への思いやりがある人ほど、加害者の言動に振り回され、いつしか自分を見失ってしまう。「モラハラ被害者になりやすい人」といった傾向はなく、誰もが被害者になる可能性があるのだ。  今、そうした矛先は、妻のみならず、夫側に向けられるケースも増えているという。次回は、妻から夫へのモラハラについて紹介しよう。(松岡かすみ)

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    中村メイコが80歳でどうしても捨てられなかったもの 田中角栄、美空ひばりの思い出の品、もう一つは

    「エノケンさん、高倉健さん、チエミちゃん……。一番大切な思い出の品からきっぱり捨てました」  昭和9年に生まれ、2歳で映画デビュー!それから80年以上にわたって映画や舞台、テレビ番組で活躍してきた中村メイコさん。80歳になったとき、昭和の大スターたちとの大事な思い出の品を一斉に処分しました。今回はメイコさんの思う「笑って死ぬため」の準備について伺いました。 *  * * ■エノケンさんからもらったキューピー人形 「大切なものたちとお別れしよう」  そう決めたのは80歳のとき。といっても、いまはやりの断捨離とか、終活とは少し違います。夫(作曲家、神津善行さん)から「もう、身の丈にあった家に引っ越しましょう」と提案されたのがきっかけです。  何しろ、それまでの私たちの住まいは、夫婦と3人の子どもたちで住んでいた大きな家。子どもは皆独立したので、夫婦2人で住むには、あまりに広すぎたんです。だけど引っ越すにあたって一番の問題が、これまでためてきた膨大な思い出の品たち。新しいマンションには、とてもじゃないけど入りきらないので、処分しなければいけません。  だけど急に割り切って、捨てられるものではありません。仲の良かった江利チエミちゃんと高倉健さんの写真を手に取って、しばらく「懐かしいなー」と眺めていると、当時の思い出が蘇ってきます。そんな私を横目に、夫は作曲家の命ともいえるグランドピアノや電子楽器など、どんどん処分していきます。 「もうピアノで作曲する時代ではないから」と夫。  負けず嫌いの私は、夫に負けていられないと、急にスイッチが入り、「どうせ処分するなら、最初に一番大切なものから捨てていこう」と、心を決めました。  私にとって一番大切なもの。それは2歳のときから持っていた、セルロイド製のキューピー人形です。くださったのは、昭和の喜劇王・エノケン(榎本健一)さん。  エノケンさんと初めてお会いしたのは1937(昭和12)年。「江戸ッ子健ちゃん」という映画で芸能界デビューした私は、2歳8カ月というまだオシメも取れていない年齢。幼い私が頑張っている姿を見てか、ご褒美にエノケンさんはたくさんおもちゃをくれました。  その中の1つがキューピー人形です。戦禍を免れ、結婚したときも、子育てしている間もずっと私のそばで見守ってくれた守り神のような存在。このキューピー人形とお別れすることができれば、あとはどんなものでも処分できると思ったのです。「ありがとう。そしてごめんなさい。お別れのときがきたの」。そう言ってボロボロ涙をこぼしながらキューピー人形とお別れしました。  エノケンさん以外にも古川ロッパさん、徳川夢声さん、森繁久彌さん、三波伸介さんなど、喜劇役者の方々との共演が多かったんですが、皆さんとてもおしゃれで、普段は二枚目なんです。優しい方ばかりで、たくさんのものをいただきました。当時の出来事を懐かしみながら、「いままでありがとう」「ごめんね」と一つひとつに声を掛けてお別れしていきました。  他にも洋服や靴、食器やお酒など、人にあげられるものはさしあげて、自分が出演した映画やドラマの台本やビデオなども処分しました。  その量、なんとトラック7台分。処分して気づいたのは、ものがなくなっても、その人との思い出は決して消えないということ。そして人生がぐっと身軽になって、前に進む気持ちになれるということでした。 ■どうしても捨てられない、ひばりさんの思い出の品  捨てられなかったものもいくつかあります。1つは、夫の神津さんから結婚前にいただいた山のようなラブレターです(笑い)。捨てるのは気分的に嫌ですし、他人に見られるのは神津さんも困るでしょうから、娘のカンナに預けました。  困惑するカンナに、「あなたは物書きなんだから、何かの役に立つかもしれないでしょ。煮るなり焼くなりしてちょうだい」と、半ば強引に押し付けた感じです(笑い)。  2つめが、田中角栄さんからもらったお皿。雑誌の対談で一度お会いしたら、なぜだかとても気が合ってしまって……。以来、家族ぐるみでお付き合いがありました。  気さくできっぷの良いおじさんという印象で、夫によれば「自分以外で中村メイコと一緒に暮らせるのは田中角栄さんくらいしかいない」と、よく笑っていました。  そして、何よりも美空ひばりさんとの思い出の品々は捨てられずに、「私が死んだらいっしょにお棺に入れてちょうだい」と伝えています。  ひばりさんは、私の長い芸能生活において、唯一、親友と呼べる存在です。初めて会ったのは私が16歳、ひばりさんは13歳。私よりも年下にもかかわらず、芸能人というのはファンの夢を絶対に裏切ってはいけないと話をしていて「スターは違うな」と感心したものです。いつの間にか仲良くなって、家に泊まりにきたりすることもありました。 「ひばりは、いつもセンターなのよ」と、新婚家庭のベッドの真ん中に陣取って寝てましたっけ(笑い)。  亡くなった日、病院に駆けつけると息子さんの和也さんから手渡されたのが、「泣き虫メイコが来たら、これを渡してください」というメモと、黒のサングラスとハンカチでした。それまでの人生の中で一番悲しい出来事がひばりさんの死であったことは間違いありません。 ■おしゃれで笑顔のたえないおばあちゃんでいたい  86歳のときに、大腿骨を骨折して1カ月間入院、今でも自由に歩き回るのはできないんですが、それ以外はいたって健康。肉も魚も野菜もお米もなんでも食べます。ただ、昔から少食なので食べるのは、他の人の3分の1くらいの量。もちろん、毎日晩酌は欠かしません(笑い)。  私は放っておくとずっと飲んでいるんですが、同じ話を何度も繰り返すようになったり、声が大きくなったりしてきたら、夫が指摘してくれて「今日はここまで」となります。  これからは、お説教しない、清潔でおしゃれで、いつも笑っている。そんな、そばにいても嫌にならないおばあちゃんでいたいですね。 (構成・文/山下 隆) ※「朝日脳活マガジン ハレやか」(2022年2月号)より抜粋 なかむら・めいこ/1934(昭和9)年に作家、中村正常の長女として生まれる。2歳のときに映画「江戸ッ子健ちゃん」で芸能界デビュー。天才子役として注目され、榎本健一や古川ロッパ、森繁久彌など昭和を代表するコメディアン・俳優と共演した。1957(昭和32)年に作曲家、神津善行と結婚し1男2女をもうけ、「神津ファミリー」として親しまれる。映画、舞台、テレビでの活躍のほか著書も多数。近著に『大事なものから捨てなさい メイコ流笑って死ぬための33のヒント』(講談社)など。

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    2時間前

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    大阪桐蔭が“復権”の予感、対抗し得るチームは? 2022年高校野球の勢力図を占う

     3月18日に開幕する第94回選抜高校野球大会。その出場校32校を決める選考委員会が1月28日に行われる。本格的な高校野球シーズンの到来はまだ先だが、選抜大会への出場が絶望的となっているチームも含め、2022年の高校野球界の勢力図について、昨年の秋季大会での戦いぶりをもとの探ってみたいと思う。  秋の時点で最も力のあるチームと言えば、やはり大阪桐蔭になるだろう。大阪府大会では4回戦の東大阪大柏原戦では5対4、準決勝の履正社戦では5対3と苦しんだものの、近畿大会では4試合で31得点、2失点と危なげない内容で優勝。続く明治神宮大会でも3試合連続二桁安打の猛攻で見事に秋の頂点をつかみ取って見せた。旧チームからのレギュラーは捕手の松尾汐恩だけだが、それ以外にも伊藤櫂人、海老根優大、丸山一喜など力のある打者が揃い、打線の迫力はとても秋の新チームとは思えないレベルだった。  投手では新2年生の前田悠伍が近畿大会の3試合、17回を投げて自責点0と抜群の安定感を見せるなどエース格へと成長。早くも来年のドラフト上位候補という声も聞かれる。しかしそんな大阪桐蔭も不安要素がないわけではない。まず大きな課題は前田以外の投手陣だ。明治神宮大会でも川原嗣貴、川井泰志、藤田和也の3人が短いイニングでの登板ながら失点し、決勝戦で先発した別所孝亮も3回を無失点に抑えたものの、被安打3、1四球と安定感には欠ける内容だった。  いくら前田が素晴らしいと言ってもまだ下級生だけに、3年生の奮起がなければ甲子園で勝ち抜くことは難しいだろう。もう一つの不安材料が守備面だ。神宮大会でも内野の要である二遊間がエラーを記録するなど、細かいミスが目立った。公式戦の経験が少ないメンバーだけに仕方のない部分はあるが、この冬の間にレベルアップしていなければ、足元をすくわれる危険性もあるだろう。  選抜出場が濃厚となっているチームで、大阪桐蔭に続く存在となるのチームとしては花巻東、山梨学院、木更津総合、京都国際、広陵、九州国際大付などが挙がる。花巻東は新2年生ながら既に高校通算50本塁打を放っている佐々木麟太郎とその後ろを打つ強打のキャッチャー田代旭を中心にした強力打線が持ち味だ。技巧派左腕のエース萬谷大輝の特徴を生かすためにも、スピードのある本格派投手の台頭が待たれる。  山梨学院は榎谷礼央、木更津総合は越井颯一郎とプロ注目のエースの存在が大きい。ともにスピードだけでなくコントロール、投球術も高レベルで、簡単に打ち崩せる投手ではない。ちなみに両チームとも関東大会で優勝した明秀日立に敗れたが、榎谷と越井は先発を回避しての敗戦だった。この2人が力を発揮すれば、甲子園でも上位進出の可能性は高いだろう。  昨年夏の甲子園でベスト4に進出した京都国際は旧チームから主戦を務める森下瑠大、平野順大の左右の安定した投手を揃える。特に森下は近畿大会の2試合、13イニングを無失点、17奪三振と圧倒的な成績を残しており、その安定感は全国でも上位だ。打線に繋がりが出てくれば、一気に全国の頂点も見えてくるだろう。  神宮大会準優勝の広陵も投打にタレントが揃う。投手では秋に大きく成長を見せたエースの森山陽一郎、神宮大会で146キロをマークした松林幸紀、新2年生ながら安定感が光る岡山勇斗、ライトを守る大型左腕の内海優太と4人の力のある投手を揃える。打線も3番内海、新2年生ながら4番を打つ真鍋慧の左の大砲2人を中心に得点力は高い。上手く投打が噛み合えば、4度目の選抜優勝、そして悲願の夏の甲子園制覇も視野に入ってくるだろう。  神宮大会でベスト4に進出した九州国際大付もタレント揃いのチームだ。捕手の野田海人は全国でもトップクラスの強肩で、投手としても145キロを超えるスピードを誇る。野田とともに旧チームから中心打者の黒田義信も高いレベルで三拍子揃った外野手で、神宮大会でも一発を放つなど存在感を見せた。下級生ながら4番を打つ佐倉侠史朗は佐々木、真鍋と並ぶ注目のスラッガーで、エース左腕の香西一希もコントロールは抜群だ。神宮大会では大阪桐蔭に大敗したが、中盤まではリードを奪っていただけに、選抜でもリベンジを狙う気持ちは強いだろう。  選抜出場が微妙、また絶望となったチームでは仙台育英、東海大相模、東海大菅生、近江、智弁和歌山、明徳義塾、明豊などが有力校となりそうだ。この7校は昨年の甲子園を経験したメンバーが残っており、ここ数年の安定感は全国でも上位である。特に仙台育英と明豊は秋の地区大会で思わぬ大敗を喫しただけに、そこからの巻き返しに注目だ。またそれ以外のチームでは桐生第一、東邦などもバッテリーに力があるだけに野手陣が上手く成長してくれば、一気に浮上してくる可能性もあるだろう。   昨年もこの時期は大阪桐蔭の前評判が高かったが、ふたを開けてみれば選抜は関東・東京の6校目で選ばれた東海大相模が制し、夏は選抜出場を逃した智弁和歌山が全国制覇を果たしている。高校生の成長スピードは大人の想像をはるかに超えるケースも多いだけに、今年も秋に苦戦したチームが冬から夏にかけて劇的な進化を遂げることを期待したい。(文・西尾典文) ●プロフィール西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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    「物取られ妄想」に悩まされる認知症患者の頭の中

    「財布盗ったでしょう!」認知症にかかると、何も盗まれていないのに「物取られ妄想」を見る人がいる。なぜそんな考えに陥るのか? ここでは認知症患者が何を考えているのか、その「頭の中」を覗いてみよう。横浜鶴見リハビリテーション病院院長の吉田勝明氏による新書『認知症が進まない話し方があった』より一部抜粋・再構成してお届けする。 認知症の方の「頭の中」  想像してみてください。あなたは、たった一人で初めての海外旅行をしています。その国の言葉は一切わからず、地図もありません。それなのに、あなたは迷子になってしまいました。周りには知らない言葉を話す、見たこともない人ばかり。 「どうしたらいいんだ、これからどうなるんだろう?」「ああ、情けない。一人じゃ何もできない」「お願い、誰か私に気づいて! 話を聞いて!」  まさにこれが、認知症の方の思いです。特に認知症の初期では、ご自身の異変を自覚している方も多いといわれています。今まではラクラクできていたことができなくなり、誰かの手助けが必要となった現実を、「情けない」と嘆くのも当然です。  認知症の方は、病人であると同時に一人の大人でもあります。サポートしてくれる家族に対して「迷惑をかけて申し訳ない」、そして「何か役に立ちたい」と思っているのです。  記憶障害や見当識障害など、さまざまな不具合を抱える認知症の方が、「役に立ちたい」と考えているというと不思議でしょうか?  認知症を発症しても、一個人としての尊厳やプライドは消えません。一方的に面倒をかける存在ではなく、社会や他者のために貢献したいという、人として当たり前の思いがあるのです。  毎日接していると、余裕がなくなったり、疲れたりして難しいときもあると思うのですが、認知症の方に接するとき、尊厳やプライドの存在を、どうか忘れないでください。  以前、約300人の認知症の入院患者さんにアンケートを実施しました。「たまには院外にお出かけしてみたいですか?」と問うと、多くの方が、「はい、したいです」と答えました。 「自分の家に外泊したいですか?」の質問にも「はい」の答えの方が多数。ある方に、「どのくらいの外泊を希望されますか?」と聞くと「2、3日くらい」と答えられました。「では、退院を希望されますか?」と続けて聞くと、「いいえ、叱られちゃうから……」とおっしゃったのです。  認知症の方には、上手にできないことがいろいろあります。食事一つとっても、箸やスプーンがうまく使えなくなって食べこぼしたり、食べるときにクチャクチャ音をたてたり、お皿をひっくり返したり。 「2泊3日」ぐらいでしたら、家族から「よく帰ってきたね、おばあちゃん!!」と歓迎され、「あらあら、大丈夫?」と快く面倒を見てもらえる期間と、ご自身でも思っていらっしゃるのですね。  ただ、さすがに3日を過ぎると、家族もため息交じりになって、「汚いからこぼさないでください」「食べるときは音をたてないで!」と、叱られてしまうと感じている方が多いようです。  本来は自分のタイミングで自由に行えるはずの排泄でさえ、「おむつ替えが大変だから、おしっことうんちは一度にしてくださいよ!」と言われてしまうと、認知症の方の心が折れるのは当然です。 「喜怒哀楽」まで失うわけではない 「心が折れる? 認知症の人は何もわからなくなっているのに?」  これは全くの誤解です。認知症の方も、介護者と同じです。叱られると怖い、悲しい。できることならば、叱られるのは避けたい。認知機能が低下したからといって、喜怒哀楽の感情までなくなるわけではありません。ですから先ほどのエピソードのように、いくら家が恋しくても、退院ではなく2泊3日という期間限定の帰宅を望むのでしょう。  すべての人間は、人としての尊厳を保ち、心豊かな人生を送れるように、「QOL」、つまり「生活の質」を向上させることが重要です。  日々の介護に明け暮れていると、どうしてもつらいときが出てきて、忘れがちになってしまうこともあるでしょう。ただ、認知症の方であれ介護者であれ、QOLの向上は人として同等の願いであることを、心に留めておいていただけたら……と、思っています。 「認知症の人も、感情は欠落しているわけではないことはわかった。しかし、非常識な行動を起こされるとやさしくなどできない!」  介護者も認知症の方と同じく人間ですから、困ったことばかり起こされれば怒りがわき、叱りつけたくなるのも当然です。どうか、イライラしたり、「もう嫌だ!」と思う自分を責めたりしないでくださいね。  ただ、それでもお伝えしたいのは、認知症の方の困った行動には、なんの企みも悪意もないということです。  話が通じないのも、こちらを困らせる行動も、その人が意図的にやっているわけではなく、認知症の中の一つの症状なのです。  行為を受け止める側としては、「そんなことして、どういうつもり?」と言いたくなるでしょうが、「どんなつもりもない」のです。認知症の段階にもよりますが、基本的に問題となる行動を起こしたという自覚すらないと思ってください。  なぜなら、その自覚のなさこそが、さまざまな感覚や理性を司る脳の部位を侵されてしまう、認知症の本質なのです。認知症の行動・心理症状(BPSD)は「周辺症状」とも呼び、中核症状がもととなって現れます。ただし、認知症の方のもともとの性格や現在の心理状態、環境によって出方はさまざま。「あっちのおじいちゃんはおとなしいのに、なんでうちの父は!」などと、ほかの方と比較しないことも大切です。  たとえば、認知症の症状の一つに、勝手に出かけてしまい、その挙句に行方不明になってしまう危険性もある「徘徊」というものがあります。介護をする方にとって、精神的にも体力的にもつらい症状ですね。 「外に出ちゃダメだって言っているのに!」「どこに行くの! ここがあなたの家なのに!」と、いくら説得してもらちがあきません。  しかし、徘徊を繰り返す認知症の方には、その方なりの理由があるのです。よくあるのは、記憶障害および見当識障害のため「今」ではなく「過去」に戻ってしまい、現在の住まいが人の家のように居心地悪く感じるケース。 「人の家にずっといたくない」「自分の家に帰りたい」、だから「この家を出ねば!」となるわけです。ご本人にとってはまっとうな理由ですが、周囲からすると、徘徊という行動になってしまいます。 「物取られ妄想」に悩む人の頭の中 「財布盗ったでしょう!」と怒りだす「物盗られ妄想」は認知症の初期に多く見られますが、この時期は認知症が進行していく不安に苛まれがちなとき。 「大事なものはなくさないようにしよう」と、財布をしまうまではよいものの、その後、記憶障害によって「いつ、どこに、何をしまったか」が、丸まる欠落してしまうのです。  それでも認知症の方の中には、「大事なものをなくしたくない」という強い思いは残っているので、欠落した記憶を補完するために、「誰かが盗んだに違いない!」と結論付けるのです。  そして、その「誰か」は最も親しい人、甘えても大丈夫な人……つまり、いちばん面倒をみている家人になってしまうことがほとんど。つらいですね。  このように、すべての困った行動は認知症がさせていること。「違うでしょ」「やめてよ!」「反省して!」と叫んでも、こられの行動が少なくなることは期待できないうえ、関係性が悪化するだけなのです。 吉田 勝明(よしだ かつあき)Katsuaki Yoshida横浜鶴見リハビリテーション病院院長1956年福岡県生まれ。日本老年医学会専門医、精神科専門医。1982年金沢医科 大学医学部卒業。1988年東京医科大学大学院卒業。医学博士。横浜相原病院にて、院長として25年以上勤務後、横浜鶴見リハビリテーション病院院長。現在、産業医、学校医、神奈川県教育委員としても活動。精神保健指定医、日本医師会認定産業医、全日本音楽療法連盟認定音楽療法士。著書に『認知症は接し方で100%変わる!』などがある。

    東洋経済

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    桝太一アナが日テレ退社で同志社大の研究員に「鉄腕ダッシュ」出演継続望む声

     日本テレビの桝太一アナウンサーが3月末で同局を退社することを発表した。  桝アナは23日に自身がMC務める「真相報道バンキシャ!」の番組冒頭で報告。「私は3月をもって日本テレビを退職し、大学の研究所員に転職することにいたしました。これまで16年間アナウンサーとして皆さまにさまざまな情報をお伝えしてきましたが、自分の中でずっと課題であると感じてきたことは、科学的なことをテレビでもっと分かりやすく的確に伝えることができないかという部分でした」と自身の思いを明かした上で、「これからより良い科学の伝え方についてもっと深く考えて、それを実践していくためにはどうすればよいか考えた結果、新年度からは同志社大学ハリス理化学研究所の助教として、サイエンスコミュニケーションと呼ばれる学問分野に取り組んでいきます。なおバンキシャのキャスター自体は継続し、分かりやすく的確に科学を伝える方法を番組を通して皆さんと一緒に考えて実践していくことを目指したいと思っています」と今後の自身の進路について語った。  桝アナは東京大学大学院農学生命科学研究科修了後、06年に日本テレビに入社という異色の経歴を持つ。  2011年から朝の情報番組「ZIP!」の総合司会を務め、13年は「24時間テレビ」の総合司会を担当。オリコン調査による「好きな男性アナウンサーランキング」で11年から5年間、1位に選ばれ「殿堂入り」した。物腰が柔らかく、共演者の魅力を引き出す能力に長けている。視聴者にはこのような印象が強いが、テレビ制作会社のスタッフは違った見方をする。 「とにかくストイックですね。番組前に下調べを入念に行い、緊張感のある雰囲気を漂わせていた。プロ意識が非常に高く、疑問点があれば制作スタッフに聞いて話を突き詰める。番組作りに携わるスタッフたちの信頼が非常に厚かったです。フリーに転身する人は華やかなイメージがありますが、桝さんは本当に実直で縁の下の力持ちという役回りに徹していた。だから視聴者の心もつかんだのでしょう。そんな桝さんの違った一面が見られるのが、自然や生物と接するロケの時ですね。ハイテンションになり、声のトーンも普段より1オクターブ上がる。桝さんは伝え方がうまいので、科学の世界を身近に感じて興味を持った視聴者も多いと思います」  桝アナの「素の姿」が見られると好評なのが、日本テレビ系バラエティー番組「ザ!鉄腕!DASH!」だ。人気コーナー「DASH海岸」に、アイドルグループ・TOKIOのメンバーと出演。横浜市の工業地帯付近で水質を浄化しながら、東京湾に生息する海洋生物を調査する企画で、桝アナは専門家も驚く海洋生物の知識を披露している。幻の古代サメ・ラブカの捕獲に成功した際は、「マジか!マジか!ホントにいるんだ…しかも生きてるよ!」と頭を抱えて絶叫するなど、DASH海岸のロケでは少年のように無邪気に興奮している姿が話題になった。  日テレ退社後も、「真相報道バンキシャ!」のキャスターは継続するという。気になるのは「ザ!鉄腕!DASH!」の出演だ。  ネット上では、「枡アナ、バンキシャだけじゃなく鉄腕ダッシュにも続投してほしい 私の願いはただそれだけです(原文ママ)」、「枡さん、鉄腕ダッシュにも出てくれたらいいなあ…。生物ヲタクがダダ漏れていて楽しく見てました(原文ママ)」などのコメントが。  研究者とキャスターという「二刀流」で新たなフィールドに挑戦する桝アナ。視聴者が楽しみにしていた「ザ!鉄腕!DASH!」でも、その勇姿が引き続きみられるか注目される。(西川秀之)

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    2時間前

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    結婚5年半「一度も肉体関係がない」と告白した36歳女性 鴻上尚史がいくつもの質問で浮かび上がらせた“悩みの本質”

     結婚して5年半、「私は怖がり、痛がりで、一度も性交がない」と告白した36歳女性。「私のような者は存在するのか」と苦しむ相談者に、鴻上尚史がまず訊ねた「大切な質問」とは。 【相談124】結婚して5年半になります。交際以来、一度も肉体関係がありません(36歳 女性 こに)  鴻上さん、はじめまして。悩みに悩み、ご相談させて頂きます。私は、結婚して5年半になる女性です。25歳の頃、夫とお付き合いをはじめて、5年3カ月ほどで結婚に至りました。共働きですが、休日が重なることが多く、物理的にも常にすれ違いということはありません。また、夫婦仲は良く、お互いに仕事のグチをこぼしあったり、家事を協力して行ったりと、どこにでもいる夫婦だろうと思います。  ただひとつのことを除いては……。実は、交際が始まってからこれまでずっと、一度も肉体関係がないのです。もっといえば、生まれてから一度も、夫に限らず、私はそういった体験がありません。私は、とにかく怖がり、痛がりで、一番の原因はそこだろうと思うのです。あとは、分からないというのも正直なところです。どうして自分はこんななのだろう、情けない、辛い、悲しい、申し訳ない、悔しい、どこかおかしいのではないか……そういった思いが常にあり、毎日苦しいです。  子どもが欲しいという気持ちも強く、年齢のこともあるので焦りもかなりあり、夫と共に、少しずつそういったことにつながるようなスキンシップをとるようにしていますが、なぜ他の人が当たり前にできることが自分だけできないのかと辛いです。これまでに性的なことでトラウマになるような体験はありません(レイプや痴漢など)。  このことは、夫と信頼できる元同僚一人しか知らず、親や親戚は、そんなことは夢にも思っていないと思います。子どもができにくいのかなと思っていると思います。職場の上司にも子どもが欲しい旨は伝えており、気にせず休んだらいいんだからとあたたかい言葉を頂いています。まわりを騙しているようで心苦しいです。よく若いカップル(女性側)の話で、結婚までは性行為をしたくない、恐怖があるという話を聞きます。子どもが欲しくても、身体のことでできないという方がいらっしゃるのは、もちろん知っています。  しかし、結婚し、仲が悪いわけでもなく、トラウマがあるわけでもなく、物理的に時間がないわけでもなく……行為が何年も、1回も、できないという私は、異常だと思います。どうにかできるようになりたい、子どもも欲しい、その気持ちは確かであり非常に強いものなのです。世の中に、私のような者は存在するのでしょうか。できずに一生を終えることもありうるのでしょうか……。夫は、自分がうまくリードできてない、毎晩スキンシップを重ねていくなかで前進していると自分は思っている、大好きだということは言ってくれています。 【鴻上さんの答え】 こにさん。大変な相談ですが、じつは、この文章だけではまだよく分かりません。「私は、とにかく怖がり、痛がりで」と書かれていますが、具体的にどういう風にできないのかが分かりません。「分からないというのも正直なところです」と書かれていますが、自分の精神状態が分からないのか、身体的な理由が分からないのか、何がどう分からないのかが重要だと思います。  先に言えば、肉体関係を持たなくても子供を作ることは可能です。ネットで調べれば、すぐにいろんな方法が出てきます。ですから、子供を作るために肉体関係を持たなければ、と焦ることはないと思います。  それよりは、「どうしてできないのか?」をゆっくりと探っていくことが大切だと思います。  こにさん。僕はカウンセリングを受けることをお勧めします。恥ずかしいと思われるかもしれませんが、僕に相談しても、結局、一人で悶々としていては、解決の方法は見つからないと思います。  どのレベルで肉体関係が持てないのか、そもそも肉体関係に興味がないのか、肉体関係を持とうとするとどういう精神状態になるのか。身体的にはどんな拒否反応を見せるのか。 「LGBTQ+」の分類に、「アセクシュアル」があります。「恋愛感情の有無に関わらず、他者への性的欲求を経験しない人」です。恋愛感情も性的欲求も感じない人もいれば、恋愛感情はあるけれど、性的欲求をまったく感じない人もいます。統計的には、一定数、アセクシュアルの人はいて、別に珍しいことではないのです。  こにさんは、性的欲求はありますか? それとも、「肉体関係は必要だ」と頭で思っているけれど、具体的な欲求はあまり感じませんか? 「夫婦は肉体関係があるもの。ないことはとてもおかしい」と頭から決めつけて、自分の欲求とか感覚を無視していますか? それとも、はっきりとした性的欲求はありますか? 大切な質問ですが、マスターベーションはしますか? したことはありませんか?  ね、尋ねたいことは山ほどあるのです。ですから、この相談の文章だけだと何も分からないのです。  こにさんのような状態は、珍しくないと思います。みんな、性的なことは恥ずかしいから黙っているだけです。ぜひ、メンタルクリニックか心療内科、精神科のカウンセリングを受けることをお勧めします。  僕に相談のメールを送れたんです。カウンセリングを受けるのは、あとちょっとした勇気です。  ぜひ、一人で悩まず、相談して下さい。きっと、何かが見えてくると思いますよ。 ■本連載の書籍化第3弾!『鴻上尚史のますますほがらか人生相談』が発売中です!

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    稲垣えみ子「新年の初トラブル!パソコンの電源が入らないだけで前途多難……」

     元朝日新聞記者でアフロヘア-がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。 *  *  *  正月早々、背筋の凍る体験をした。マイパソコン(マック)が突然、電源に繋(つな)げなくなったのだ。繋いでも反応しないのである。  間の悪いことに、それが発覚したのがパソコンを持ち込んでのリモート講演の仕事の現場で、先方の機転で何とか講演はやり遂げてホッと一息ついたものの、ふと考えれば本当のピンチはここからではないか!  問題が接続機器にあるなら買えば済むが、古いパソコンなので本体に問題がある可能性もある。もしそうならオオゴトだ。修理できるのか、できるとしてもどのくらいお金と時間がかかるのか……いや考えていても答えは出ない。会場を出たその足で、講演スタッフに教わった近くの大型電器店へ駆け込んだ。  アップルストアへ行き、アップルマーク入りの黒服を来たお兄さんに事情を説明するとサッと接続機器売り場へ連れて行ってくれたが、いやもしかして本体に問題がある可能性もありますよネと言うと、あ、それなら修理になります受付はアチラと指差され、そこで黒服の人を捕まえてまた一から事情を説明。すると、予約はされてますかと。いやしてませんが……。「修理受付は予約制で、今日と明日はいっぱいなので明後日以降になります」  なぬっ、受け付けてもらうだけで明後日以降? しかもそれはあくまで受付なのだ、首尾よく修理にこぎつけたとて、正常化するのは天文学的に先のことに思える。  いやいやいや、その間私、どーしたらいーの? だってパソコンが使えなかったら、重要な収入源である原稿書きが一切できないのだ。短い文章(例・アフロ画報)ならケータイで書き送ることもできようが、長文のネット連載となればお手上げである。手書き? いやそんな長いやつ、そもそも手で書いたことない。それにもし必死にやり遂げたとて、それを一体誰が電子データに打ち替えるのか?  パソコンの電源が入らない程度のことで、たちまち路頭に迷いかねない自分に気づいて愕然(がくぜん)とする(つづく)。 稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行※AERA 2022年1月24日号

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    21時間前

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    【独自】天皇家の和歌御用掛が明かす歌会始の儀の後、両陛下から届いたメモの中身と愛子さまの歌の意味

     愛子さまのデビューとなった歌会始の儀は、久々に皇室の明るいニュースとして人びとを笑顔にした。和歌の御用掛を務める篠弘さんが、両陛下と愛子さまの和歌に隠された意味を解説した。  英国の学び舎に立つ時迎へ開かれそむる世界への窓  今年の歌会始のお題は、「窓」。  愛子さまは、初めて「歌会始の儀」で披講した詠進歌(詩歌を作って宮中や神社などに奉ること)となった。  学習院女子高等科二年生の夏休みに、英国のイートン校の寮に滞在する「イートン・サマースクール」での体験を詠んだ和歌だ。  歴史の重みを感じる建物を前に今、ご自身の体験から世界が開かれようとしている。弾むような気持ちが詠まれている。  イートン校といえば、英国のウィリアム王子やハリー王子も学ぶなど世界の王族が学ぶ名門校だ。 「和歌は個人的な体験だけを詠むと、歌が小さくなってしまいます。愛子さまが選んだ『世界の窓』は、ご自身の垣根を越えて、同世代の若者の前に開かれる可能性や期待感を表現なさったものです」(篠さん)  篠さんが宮内庁御用掛を拝命したのは、平成から令和への代替わりが近づく2018年のことだ。  本来は、天皇陛下や皇族方に直にお会いして和歌の相談を受けること多い。  しかしコロナ禍のいまは、おもにFAXが連絡手段だ。天皇や皇族方より送られてきた和歌に丁重に目を通す。より重みを増すよう、歌の調べが滑らかになるよう、お立場に相応しいお歌に添削をすることもある。  天皇陛下と皇后雅子さまは、どのように和歌を詠むのだろうか。 「天皇陛下と雅子さまは、おふたりで同じ日に、仲睦まじく作っておられるようです」(同)  というのも、いつも同じタイミングで篠さんに和歌を出すのだという。   こんなことがあった。  令和に入って迎えた雅子さまのお誕生日。お祝いに際して行われる月次(つきなみ)歌会のお題を、陛下は篠さんと相談していた。 ところが、なかなか決まらない。篠さんも困っていると、陛下がこう口を開いた。 「雅子に希望を聞いてから決めようと思います」   陛下はお優しくていらっしゃるーー。雅子さまへの愛情がにじむ言葉に、篠さんはこう思った。  歌会始のお題を決めるのは、天皇陛下だ。  まずは、歌会始の5人の選者が過去のお題を参考に、二つにしぼる。  一般の人びとが歌にしやすいか、理解しやすいかといった視点が大切だ。  最終的に決定するのは、天皇の役目だ。  今回、「窓」という題に対して、天皇陛下は次のように歌を詠んだ。天皇陛下が公表した和歌は、御製と呼ばれる。 世界との往き来難(がた)かる世はつづき窓開く日を偏(ひとへ)に願ふ  コロナ禍が収束したその先に、いま大きく落ち込んでいる世界との人々の往来が再び盛んになる日の訪れを願って詠まれた和歌だ。 「結句の第5句目が説明的でなく、真実味が深い」  篠さんは今年の陛下の和歌をそう説明する。 「皇太子でいらしたころは、山の情景をお詠みになることも多くありました。天皇に即位してからは、歌を締めくくる用語として『望む』『祈る』『願う』など、人びとと共にある言葉をお選びになっています」  ことし陛下が詠んだのは1首。ご自身で痛感なさったことが主題であり、お人柄がにじむと感じたという。 「陛下が本格的な作歌活動に入るのはこれからでしょう。令和という時代をどう表現なさるのか、楽しみです」  続いて、皇后雅子さまの御歌。 新しき住まひとなれる吹上の窓から望む大樹のみどり  昨年9月に天皇ご一家は、改装された吹上御所に移った。上皇ご夫妻への感謝とともに、御所から皇居の木々の緑深さを詠まれた。宮内庁のホームページには、そう解説がなされている。  和歌をご指導した篠さんは、「もう少し内なる気持ちが込められた御歌である」と話す。篠さんが、「吹上御所の窓から、けやきの巨樹が見えます」と話したところ、皇后さまは、その光景をお気に召したのだという。しかし、ただ皇居の緑の情景を詠んだ和歌ではないと篠さんは解説する。 「ようやく心身ともに落ち着いて国のために尽くすことが出来る。良い出発となったことへの感謝と、皇后陛下の自己認識が投影されています。和歌でお使いになった『望む』という表現は、単に見るという意味ではない。『しげしげと見渡す』といった実感をともなった言葉です」  結句は「大樹のみどり」と体言止めにした。それによっていっそう、瑞々しさが広がっている話す。  18日、歌会始の儀が終わると、召人や選者など関係者だけで小さな懇談の場が設けられた。  篠さんは他の歌人に、両陛下の今年の和歌は、特に良かったと発言していた。  この日の諸行事が終わったあと、侍従がそばに来た。手には、両陛下からのお言葉を記した紙が見える。  侍従は、書かれた文章を読み上げた。 「褒めていただいて嬉しかった」  記されていたのは、両陛下の素直なお気持ちだ。 「今上陛下として、和歌を詠進なさることに、すこしご緊張もあるのかもしれません。和歌の指南役や儀式に集う歌人から、今上天皇に相応しい一首として評価されたことを心から喜んでおられたのでしょう」  ざっくばらんで人間味あふれるお人柄。それが令和皇室の魅力なのかもしれない。(AERAdot.編集部 永井貴子)

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    DeNAオースティンの助っ人らしからぬ“献身性” 「仲間思い」の根底にある野球哲学

     勇猛果敢なビッグハート――。 「僕にとって個人的な成績というのはあまり関係ないんだ。個人が数字を目指しプレーしてしまうとチームの雰囲気は悪くなる。とにかく大事なのはチームの勝利に貢献すること。そのために僕は100パーセントの力でプレーをするだけさ」  絵になるベースボールプレイヤー。来日3年目、横浜DeNAベイスターズのタイラー・オースティンは勝利に欠かせないスラッガーであることはもちろん、今や選手たちの精神的支柱としてなくてはならない存在だ。  昨年末、シーズンが終わってもしばらく去就が発表されなかったオースティンだったが、今季の契約オプションは球団側が持っていたため細かい契約項目で難航しているのかと思いきや、蓋を開けてみれば新たに3年契約(4年目は球団側にオプション)をしたという朗報が届き、ファンは大いに歓喜した。  球団側がそれだけオースティンの存在価値を評価したわけだが、東京オリンピックではアメリカ代表としてチームの中心選手として活躍し銀メダル獲得に貢献したオースティンであれば将来的にメジャー復帰という道を考えていたとしてもおかしくはないが、それでもDeNAと長期契約を結んだことは驚きに値した。  かつてオースティンが語っていた言葉を思い出す。 「横浜スタジアムでプレーするのはすごく好きなんだ。ファンはグレイトだし、チームメイトは若く優秀な選手たちが多い。優勝できる可能性は高いと思っている」  もちろん条件面を加味した上での契約延長だとは思うが、オースティンがDeNAを気に入っており、チームに明るい未来を感じているのは確かなようだ。  2年目の昨シーズンはコロナ禍により出遅れたものの、4番をメインに107試合に出場し打率.303、28本塁打、74打点、OPS1.006といかんなくその実力を発揮した。日本の野球にアジャストするために同僚の2年連続本塁打王になったネフタリ・ソトからのアドバイスやゲームアナリスト(スコアラー)に相手投手の特徴を聞き研究するなどできるかぎりの準備をしてきた。また日本の投手に適応するためバッティングのタイミングやスイングの軌道などテクニカルな部分を変える外国人バッターは多いが、オースティンはその点に関しアメリカ時代からまったく変えてはないという。 「数年前、カリフォルニアで(MLBヒッティング・コンサルタントの)ブラッド・ボイヤーとクレイグ・ウォーレンブロックのチームにバッティングの指導を受けたんだけど、それが大きなインパクトになっていて、スイングやタイミングに関しては、それを継続しているんだ」  クレイグ・ウォーレンブロックといえばメジャーを席巻した『フライボール革命』の元祖といわれる打撃インストラクター。十分な打球速度と発射角度を兼ね揃えたオースティンの迫力のあるバッティングは、名伯楽の指導から生まれている。  またオースティンの持ち味は打撃ばかりではなく、走塁や守備における貢献も見逃せない。三浦大輔監督は「走塁でも守備でも全力でプレーする外国人は、僕が今まで見た中では一番。打って、走って、守って。外国人だけど日本人のお手本になる選手」と高い評価を下している。  他の選手に刺激を与える存在としてプレゼンスを高めてきた2年間、昨季オースティンにグラウンド外で変化が生まれたとすればチームメイトとのコミュニケーションがより密になったことだろう。  開幕直後の大連敗中にチームに合流したオースティンは、消沈するチームメイトやスタッフたちを鼓舞しようとお揃いのTシャツを全員に配ったり、また勝ち試合を落とす投球をしてしまいバックヤードでひとり落ち込むピッチャーにそっと寄り添い「おまえのピッチングはすごい。自信を持て」と声をかけるなど仲間思いの気配りを見せていた。  また牧秀悟や森敬斗といった将来性豊かな若手にも笑顔で積極的にコミュニケーションをとり、なかでも前半戦の終わりのころ、右の大砲候補として期待されながらなかなか結果を出せず苦しんでいた5年目の細川成也にオースティンは「オフになったらアメリカで一緒にトレーニングをしよう」と声をかけている。実際、11月に細川はオースティンらとカリフォルニアで合流し、ともに汗を流した。同じ右のパワーヒッターの細川に可能性を感じたオースティンの粋なはからいだった。  自分の野球哲学についてオースティンは次のように語る。 「アメリカ時代から自分らしく、自分のゲームをやろうとプレーしている。そして、野球をしっかりと楽しむこと。力むこともない、背伸びすることもない。自分のできることを全力でやるだけだよ」  自分が野球を楽しむためには、チームメイトも同様に野球の素晴らしさを享受してほしい。だからこそオーティンは仲間たちとコミュニケーションをとり、頼れる存在としてチームを盛り上げるのだ。  シーズンも押し迫った10月5日、阪神戦で左ふくらはぎを肉離れし、戦線離脱をしてしまう。場合によっては全治まで1カ月以上かかってしまう負傷。残りのシーズンを約3週間と考えれば、このまま帰国してもおかしくはなかったが、オースティンはチームから離れることなく帯同され治療に専念した。規定打席数をクリアするまであと4打席ということもあったが、最後まで諦めることなく一緒に戦いたいという気持ちを露わにしてバックヤードで懸命にリハビリをしていたオースティンをチームの誰もが目撃している。  明るいキャラクターとリーダーシップで誰からも愛されたホセ・ロペスがかつてそうだったように、オースティンは今やチームにとって精神的支柱だといっても過言ではない。 “メガプロスペクト”と呼ばれメジャーで活躍していた若き日は気性の激しさが目立っていたが、今は誰もが認めるジェントルマン。全力プレーが身上なだけに故障はつきまとうが、今季DeNAが24年ぶりの悲願を達成するためにはオースティンの存在は欠かすことはできない。2年前の初来日直後、オースティンは真っすぐな眼でこう語ってくれた。 「いかなる方法であってもチームの勝利に貢献するのが自分の役割。そして最終的にはチャンピオンシップを獲得するんだ」  アグレッシヴでハートウォームなオースティンの献身は、果たしてチームを頂点へと導くことができるのか、ぜひ注目したい。(文・石塚隆)

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    11時間前

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    超お買い得…「偏差値50台なのに」東大・京大含む国公立大に最大6割が受かる中高一貫校ランキング50

     開成、桜蔭、灘、早慶付属といった中高一貫校の偏差値は60を超える。だが、50台でも東京大、京都大を含む国公立大合格率が極めて高い一貫校もある。プレジデントFamily編集部が大学通信の協力を得て調べたところ、合格率1位は茨城の公立校である並木中等教育学校で合格率は6割を超えた。偏差値50台で「難関グローバル系」「難関理系大」への合格実績の高い一貫校とともに紹介しよう――。 ※進学実績は2021年春の数値。大学通信調べ。同率で順位が異なるのは、小数点第2位以下の差。偏差値は日能研のものを採用(2020年12月までに公表された2021年予想偏差値)。入試日が複数ある学校の場合は最も低い偏差値を採用。 ※本稿は、『プレジデントFamily2021秋号』の記事の一部を再編集したものです。 首都圏偏差値50台のお得校「トップ国公立大学に強い学校」編 1~50位  旧帝大を含む国公立大に合格者が多い上位50校を紹介しよう。大学通信常務取締役の安田賢治氏は次のように分析する。 「同じくらいのレベルでも、学校のカラーにより、国公立大志望者が多い学校と私立大志望者が多い学校があります」(以下すべて安田氏)  注目は18位の帝京大。帝京大学付属(最低偏差値53、国公立大合格率32.4%)の共学校だが、進学校として位置づけられており、大学受験に対して手厚いサポート体制がある。59人の国公立大合格者のうち9割近くが現役合格だ。  また25位の暁星(最低偏差値54、国公立大合格率26.8%)は医学部志望者が多く、44人のうち16人が医学部進学者だ。30位の高輪(最低偏差値51、国公立大合格率25.5%)は近年国公立大進学者が増えている学校。高輪ゲートウェイ駅ができて、埼玉や神奈川方面からの利便性がよくなり人気も上がっている。 1位の茨城・並木中教ほか「公立中高一貫校」がランキング上位に  女子校では23位の頌栄女子学院(最低偏差値58、国公立大合格率26.9%)。 「早慶などの難関私大の合格率はもともと高いですが、近年、国公立大の合格実績も上がっています」  36位には横浜共立学園(最低偏差値55、国公立大合格率19.9%)、40位には横浜雙葉(最低偏差値53、国公立大合格率17.6%)と、神奈川の女子校がランクイン。  28位の大宮開成(最低偏差値52、国公立大合格率26.3%)にも注目だ。 「埼玉県の私学では6位の栄東(最低偏差値57、国公立大合格率43.3%)、24位の開智(最低偏差値53、国公立大合格率26.9%)に続く存在となっています」  1位の並木中教(最低偏差値57、国公立大合格率61.1%)をはじめ古河中教(最低偏差値52、国公立大合格率50.9%)、立川国際中教(最低偏差値55、国公立大合格率47.7%)、三鷹中教(最低偏差値58、国公立大合格率42.7%)、桜修館中教(最低偏差値59、国公立大合格率38.4%)など、公立の中等教育学校も目立つ。 「1学年150人前後の小規模校なので、きめ細かな指導が行われています」 ※偏差値50台の学校の、東京大、京都大ほか10国公立大別の合格者数などのデータ詳細は、『プレジデントFamily2021秋号』に掲載している。 首都圏の偏差値50台のお得校「グローバル系に強い学校」編 1~20位  早稲田大国際教養学部、東京外国語大、国際基督教大など難関グローバル系大学への合格者が多い「グローバル系に強い学校」の1位は帰国子女が20~25%を占める頌栄女子学院(最低偏差値58、難関グローバル系合格率12.4%)。 「11人が早稲田大の国際教養学部(定員600人)に進学しています。英語教育に定評があり、帰国子女がグローバル教育をけん引しているのでしょう」  また、7位サレジオ学院(最低偏差値59、難関グローバル系合格率4.7%)、10位晃華学園(最低偏差値50、難関グローバル系合格率4.1%)、11位暁星(最低偏差値54、難関グローバル系合格率3.7%)、13位東洋英和女学院(最低偏差値58、難関グローバル系合格率3.3%)などキリスト教系の学校が目立つ。 「キリスト教系の学校は英語教育に熱心です。晃華学園は東京・調布にある女子校で、校内でスピーチコンテストを実施したり、英検やTOEICの取得に力を入れたりと、国際教育に取り組んでいます」 ※偏差値50台の学校の、早稲田大国際教養学部、東京外国語大、国際基督教大学ほか5大学別の合格者数などデータ詳細は、『プレジデントFamily2021秋号』に掲載している。 首都圏の偏差値50台のお得校「理系に強い学校」編 1~30位  東大・京大・早慶の理系学部、東京工業大、東京理科大などの難関理系大学への合格者が多い「理系に強い学校」の上位に目立つのは男子校だ。 「理系への進学者は女子も増えましたが、全体的には男子が多いことから、ランキングには男子校や共学校が目立ちます。3位攻玉社(最低偏差値55、難関理系合格率62.8%)、4位本郷(最低偏差値58、難関理系合格率54.4%)、8位の桐朋(最低偏差値56、難関理系合格率48.7%)は東工大への進学者が多いですね。東工大は大学院を含めた6年一貫教育で理系の専門教育を行っており、理系の人材育成には定評があります。また7位の東京都市大付(男子校・最低偏差値56、難関理系合格率49.1%)、17位の芝浦工業大柏(共学校・最低偏差値52、難関理系合格率30.9%)は理系大学の付属校ということもあり、理系志望者が集まっているのでしょう」 ※偏差値50台の学校の、東京大理系、京都大理系、東京工業大、早稲田大理系、慶應義塾大理系ほか6大学別の合格者数などデータ詳細は、『プレジデントFamily2021秋号』に掲載している。 (文=本誌編集部 データ協力=大学通信)

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    2400人に聞いた『呪術廻戦』『鬼滅の刃』で好きな声優 1位は「女心をくすぐる」イケボ!

     2020年10月に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、興行収入400億円を突破し日本映画の記録を塗り替えた。また、昨年12月24日から公開されている『劇場版 呪術廻戦 0』もすでに興収85億円を突破(1月18日時点)し、大ヒットを続けている。両映画では、人気キャラクターの声優たちにも注目が集まり、その巧みな演技は多くの観客を魅了した。  そこでAERA dot.では、人気アニメ『鬼滅の刃』と『呪術廻戦』に出演する声優陣のなかで、「最も好きな声優」を聞くアンケートを実施。どの声優の、どんな所が好きかを調査した。計2414の回答から選ばれた1位は……。 *  *  * アンケートは2021年12月9日~12月23日にインターネットで行い、計2414の回答が集まった。回答者の性別は、女性93%、男性4.9%、どちらでもない2.1%。年齢層は40代が29%と最も多く、20代=23%、30代=22%、10代=17%と続いた(回答者を無作為抽出する方法ではなく、インターネット上で広く回答を集める方法で実施し、期間中は何度でも回答できる形式)。なお、今回のランキングはAERAdot.編集部が一定期間に集めたアンケートの結果であり、声優の人気や実力を序列化したものではないことを付記しておく。  回答者の9割以上を女性が占めたことも影響してか、上位トップ10に入ったのはすべて男性声優だった。最近の人気声優の傾向について、アニメウオッチャーの小新井涼さんはこう話す。 「特に男性声優さんの場合、女性ファンが声優さんきっかけでアニメ作品を見始め、その声優さんの作品を追いかけることもあります。あと、最近はアニメとは別にソシャゲ(ソーシャルゲーム)や音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』のような音楽プロジェクトなど、アニメ以外の分野で活動する場合も多い。そうした作品では、まずキャストを発表して、女性ファンの興味を集めるようなプロモーションも展開されます。そうなると、必然的に声優さんきっかけでそのコンテンツに触れる機会が多くなる。ランキングに入っている声優さんをみるだけでも、皆さんアニメ以外の露出や活躍も多い方々です」  では、人気トップ5に入った声優を、回答者が「推し」に選んだ理由と合わせてみていこう。 ■5位 津田健次郎 147票  津田健次郎さんは、『呪術廻戦』の七海健人役や『極主夫道』の元極道専業主夫・龍役など、数多くの人気作に出演。声優業だけでなく、NHK連続テレビ小説「エール」などに出演する俳優でもある。特に、30代、40代の女性からの支持が高かった。回答者からは「好きな理由」としてこんな声が寄せられた。 「本当に恐ろしくなるようなヴィラン(悪役)から、冷静でありながら温かい七海健人のような役まで幅広く演じられるのが魅力。Twitterで毎週月曜日に『今週も頑張っちゃう?』とファンに向けてツイートしてくれたり、ファンが元気になれる企画を考えてくれたりする人柄も惹かれるポイントです」(30代女性、専業主婦)「演技力がとても高く、極端に声を変えなくても各キャラクターを演じ分けることができる。声がすごく魅力的なのにルックスもすごく良くて、声も顔も大人の色気がダダ漏れ」(40代女性、会社員) ■4位 松岡禎丞 173票  松岡禎丞(よしつぐ)さんは、『鬼滅の刃』の嘴平伊之助のほか、『呪術廻戦』の究極メカ丸などを演じている。4月から放送のアニメ『ヒロインたるもの!~嫌われヒロインと内緒のお仕事~』の追加キャストにも選ばれた。松岡さんは20代女性からの支持が3割以上を占めた。 「最近の人気作に軒並み出ていて、いつもキャラクターの魅力を引き出すお芝居をする。キャラクターの一番の理解者であることが、インタビューでも伝わってきます。近年の話題作には中低音あたりの強め太めな声が多いけれど、はかなげな演技やかわいらしい演技も抜群!」(20代女性、学生)「お芝居の素晴らしさはもちろん、役に向き合う誠実な姿勢、ピュアなお人柄。口数は少ないけれど、涙もろく感性がとても豊かなのがトークイベントなどで漏れていて、作品にのめり込みながら演じているのがよく分かる。個性的なダミ声も、ピュアキャラが多いのにセクシーさが出て好きです」(30代女性、自営業) ■3位 櫻井孝宏 352票  櫻井孝宏さんは『鬼滅の刃』で冨岡義勇、『呪術廻戦』で夏油傑を演じているほか、『おそ松さん』の松野おそ松役など、多数の作品に出演するベテラン声優。昨年10月、声優デビュー25周年に初エッセー『47歳、まだまだボウヤ』を出版した。支持は10代~50代まで幅広い。 「かれこれ20年以上、主演級を演じてきており、そのどれもがハマリ役。かっこいい役からかわいい系、情けなくカッコ悪い敵役から、果てはおばあさん役まで幅広いのに、どれも櫻井さんだって声でわかる」(30代女性、公務員)「気がつけば私の推しは、櫻井さんが演じているキャラばかりだった。今では櫻井さんのお声を求めて、いろんな作品を探すほど。あの、息を吐きながらしゃべるのがたまらなく好き」(40代女性、主婦)「ラジオで話すことはあっても、地上波やネット番組など公の場には出ず、自分のことはあまり話さないイメージ。(キャラクターの)中の人が透けないので演技に没頭できる」(10代女性、学生)  5位から3位にランクインした声優について、前出の小新井さんはこう話す。 「津田さんは、声がかっこいいと男女問わず人気です。声だけでなく、『顔出しのお仕事もいけるよね』というのは、ファンの間でも常々言われていて、実写ドラマでのご活躍が増えたことに加え、朝ドラ『エール』のナレーションによって、一般的な知名度も上昇しました。松岡さんも女性だけでなく男性人気も高い声優さんという印象です。『鬼滅の刃』の伊之助役の印象も強いですが、『ソードアート・オンライン』の主人公役で知名度が上がった頃から、男性からの支持も厚い。『ソードアート・オンライン』は海外での知名度も高いので、海外のアニメファンからの人気も高い方ですね。櫻井さんは、歌を出す声優さんが多い中で『めったに歌わない』ことで有名だったり、ツイッターなどで発信される方が多い中でSNSもやっていないなど、少しミステリアスなところも魅力のひとつかもしれません。それなのに多くの人気キャラを演じられている。極端にいえば、アニメ好きの女性で、櫻井さんのキャラを通ってない人はいないのでは?と思えるくらい、好きなキャラクターを櫻井さんが演じていたという経験を持つ女性ファンは多いはずです」 ■2位 中村悠一 406票  中村悠一さんは、『呪術廻戦』の五条悟や『ハイキュー!!』の黒尾鉄朗など数々の人気キャラクターを演じるかたわら、YouTubeチャンネル『わしゃがなTV』でさまざまな企画を配信しており、ゲストに星野源を迎えたこともある。アンケートで「推し」と答えたのは30代、40代の女性が多かった。 「声を聞いただけで、一瞬で振り向いてしまう最推し。『ハイキュー!!』の黒尾鉄朗で中村さんを知って以来、他のアニメを見ても中村さんがやるキャラばかり自然と好きになってしまっている。漫画を読みながら、これは中村さんしか合わないと思っていたキャラを中村さんが実際にアニメで演じることが結構ある」(10代女性、高校生)「YouTubeチャンネルに出演されている中村さんは、クールかと思いきや少年のように笑ったり、学生時代の懐かしいコンテンツの話をしていたりと、同世代の視聴者としてとてつもなく親近感を覚えています。ぶっきらぼうにみえて優しいところもある、すてきなお人柄なのも大好きなところです」(40代女性、パート)「ボイスはもちろんすてきですが、声で演技されている。特に五条先生は、抱えているものが複雑で最強なのに子どもっぽい、なのに生徒の前では大人。ヘラヘラした声なんかを自然に感じられるのは、やっぱり中村さんじゃなきゃできないと思います!!好き!!」(30代女性、パート)  小新井さんは中村さんの魅力をこう語る。 「中村さんは、女性人気はもちろん『ジョジョの奇妙な冒険』のブチャラティなど男性人気も高いキャラを演じていたりと、男女問わず支持されているイメージです。ご本人もゲームやアニメがお好きで、そうしたオタク文化に関するツイートや、YouTube動画等も発信しているので、アニメファンやゲームファンからは『同じものが好きな同志』のように慕われてもいます。昨年は話題の『ウマ娘』もプレイされていて、関連の投稿も増えて話題になっていました。自分と同じ趣味を持っているとファンはうれしいもので、そうした親しみやすさも人気の理由でしょう」 ■1位 下野紘 642票  堂々の1位に輝いたのは、下野紘(ひろ)さん。下野さんは『鬼滅の刃』で我妻善逸、『進撃の巨人』シリーズではコニー・スプリンガーなど、数々のヒット作で活躍してきた。さらに、昨年7月には「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)にゲスト出演し、唐揚げ愛を熱弁するなど、アニメ以外でも知名度を上げている。10代~60代まで幅広い層から支持を受け、200票以上の差をつけて圧倒的1位となった。 「声優“沼堕ち”のきっかけとなった人物。アニメや漫画に縁のなかった自分がこんなにハマるなんて。小学生から声フェチだったのを思い出させてくれて、見事に深い沼に引きずり落としてくれた恩人。この人から発せられる音全てが女心と子宮をくすぐるツボ。吐息、せき払い、ブレス、何でもあり。下野紘のおかげでこの先の人生楽しくなるのが確定しました。ありがとうございます」(40代女性、会社員)「アニメはもちろん、絵のない朗読劇などでは、情景がそこに浮かぶような演技、表現力が素晴らしいです。アーティスト下野紘としてのかっこよさ、『うたの☆プリンスさまっ♪』のキャラに扮し歌って踊る姿のかわいさは最高です」(40代女性、医療事務)「テレビにラジオにと忙しい下野さんですが、職業は声優であるという芯はぶれない。我妻善逸の幼い声から、コミカル、シリアス、絶叫まで、多くの声を使い分けながらも一人の役としてこなせるのは下野さんしかいません。どんなに人気が出ても、一つ一つを丁寧にする姿勢、ファンの気持ちや喜ぶことを常に考えてくれる優しさ。すべてが大好きなので最も好きな声優さんです」(30代女性、会社員)  小新井さんも、下野さんの声優の枠を超えた活躍ぶりが人気の裾野を広げたと話す。 「下野さんは『鬼滅の刃』ブーム以降、バラエティー番組への露出が一気に増えました。もともと、ラジオで先輩声優にいじられたりする愛されキャラだったのですが、バラエティーに出ても同じようなキャラで浸透したことから、アニメファン以外からも愛されキャラとして人気が出ているんだと思います。下野さんの活躍が、今の声優人気の背景にも関係してくるのですが、昨年から声優さんがバラエティーやドラマ、映画、ナレーションなどで露出が増えたのは、それらに対応可能なスキルを声優の方々が持っていることにメディアが気付いたことも大きい。仕事を振られれば対応できる素地が声優側にもあり、各方面からニーズが高まった。そのニーズが増えた根本には『鬼滅の刃』と『呪術廻戦』の大ヒットがあったわけです。セルフプロデュースにたけている声優さんも多いので、そういう人はまだまだ人気が続くと思います」  空前の「声優ブーム」の火はしばらく消えることはなさそうだ。(AERAdot.編集部・岩下明日香)

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    20年後に家計破綻が続出 晩婚がとどめ「老後資金まで手が回らない」

    「このままでは今から20年後、30年後に老後破綻する家計が続出するのではないでしょうか」  こんな物騒な予想をするのは、ファイナンシャルプランナー(FP)の澤木明氏だ。数多くの企業で、50代以上の社員に定年後の生き方を考えさせる「ライフプラン研修」を行ってきた。 「研修に合わせて家計相談も行っていますが、老後に備えた貯蓄は成り行き任せの人がほとんどです。今、自分がどれぐらい準備できているかも整理できていません。皆さん、危機感だけはお持ちなのですが……。まるで真実を知るのが怖いと思っていらっしゃるようにも見えます」  澤木氏の見立ては、おそらく正しい。60歳を前に、「もし準備不足がわかってしまったら……」と思うと怖くなるのだろう。  ただし、「危機感」を持つこと自体は正解だ。近年、老後資金をめぐる考え方は大きく変わり、準備しなければならないお金は増える一方だからだ。  言うまでもないことだが、長寿が進んで「老後」の期間が大きく延びた。日本人の平均寿命は現在、男性で81.64歳、女性は87.74歳。65歳の人があと何年生きるかを示す平均余命で見ると男性20.05年、女性24.91年で、男性は「85歳」、女性は「90歳」が視野に入ってきている。  このためライフプランを考えるさいも、つい4~5年前までは「90歳、心配なら95歳まで見ておけば十分」だったのが、今ではそれが「100歳まで」が常識になってしまった。  ところが、老後資金を準備するお金の原資となる賃金は増えない。経済協力開発機構(OECD)によると、2020年の日本の平均賃金は約424万円。驚くべきことに、この30年で米国が47.7%、英国が44.2%も賃金が増えているのに、日本は同じ30年でわずか4.4%増。ほぼ横ばいなのだ。賃金額ではすでに韓国にも抜かれてしまっている。  準備すべき期間が延びているのに、資金の原資となるお金は増えない。これでは必要な老後資金が準備できなくなる。  加えて日本人のライフスタイルの変化が、この流れに「とどめ」をさしつつある。現在の50歳代以下にみられる「晩婚・晩産」だ。  内閣府の「少子化社会対策白書」によると、19年の平均初婚年齢は夫が31.2歳、妻が29.6歳。1985年と比較すると夫は3.0歳、妻は4.1歳上昇している。また、赤ちゃん出生時の母親の平均年齢を見ると、19年は第1子が30.7歳、第2子が32.7歳で、同じく85年との比較では、第1子で4.0歳、第2子で3.6歳上昇する結果となった。  老後資金に詳しいFPの長尾義弘氏が言う。 「かつてのように20歳代での結婚・出産パターンですと、住宅資金→教育資金→老後資金と大きな支出は順番にクリアしていけました。ところが、結婚が30歳前後となれば、出産は30代前半、住宅購入は40代前半にずれ込んでしまいます。子供の大学は50代になってからですから、50代は教育資金と住宅ローンで手いっぱいで、老後資金まで手が回らなくなってしまいます」 ◆教育費ずれ込み80歳で家計破綻  最近では出産が30代後半のこともあり、なおさら50代で老後資金は貯められなくなる。こうした傾向から、長尾さんがこのほど上梓した本のタイトルは『60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』だ。すでに、老後資金は60歳までにまったく準備できないことが前提になっている。  さすがに「貯蓄ゼロ」の家計は多くはないだろうが、それでも教育費が50代半ばまで食い込んでくると、80歳前後で力がつきてしまう家計は容易に想像がつく。  例えば、50歳代前半は収入が年700万円、55歳の役職定年で50代後半は3割減の同500万円、60歳以降は65歳まで再雇用で同240万円の会社員がいたとしよう。家族は妻と子供2人で、下の子が大学を卒業するのは56歳とする。50歳で貯蓄は1千万円、60歳で退職金1500万円が入ってくる。年金は夫婦2人で標準的な年280万円だ(65歳以降)。  一方、支出は生活費が50歳代前半は年400万円で同後半は同360万円、60歳代前半は同330万円とダウンサイズしていき、年金生活に入ると同300万円に抑えるとする。問題の2人の子供の教育費が50歳代前半に年100万~200万円かかり、住宅ローンは年100万円で60歳で完済とする。また、60歳で500万円かけて自宅をリフォーム、生活の潤いのために3年に1回、海外旅行などの資金として「100万円」の一時支出もできるとしよう。  教育費がやや後ずれすることを除くと、何の変哲もない一般的な家計、いや収入面では平均よりやや高めのプチリッチな家計のように見える。ところがこれを「家計の長期予想表」(FPの世界では「キャッシュフロー表」と呼んでいる)に落とし込むと、80歳で資産残高がマイナスに転じてしまう。  家計破綻である。「家計の長期予想表」とは、将来の家計の収入と支出を予想し、それを続けていくと「資産残高」(資産の合計)がどう推移するかを見るものだ。資産残高がマイナスになれば「アウト」である。この世の中、そんな家計にお金を貸してくれる人は誰もいない。マイナスになることがわかれば、収入や支出を見直してマイナスにならないような家計を作っていく。「家計の長期予想表」は、そうした家計見直しをするためのツールだ。  話を破綻した先の家計に戻そう。プチリッチな家計でさえ80歳で破綻するのだから、ほかの家計は推して知るべしである。 「これからの世代は、自分の親世代などこれまでの世代と同じような老後生活を送ることはできないと思ったほうがいい。過去のロールモデルはまったく参考にならなくなりました」(先の長尾氏)  ここが、これからの老後資金の新しいところだ。現役時代の準備だけではすべてのお金を用意できない時代に入ったのだ。(本誌・首藤由之)※週刊朝日  2022年1月28日号より抜粋

    週刊朝日

    21時間前

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    36歳キャリア妻のモラハラ懺悔 夫の仕事にダメ出し「私のほうが何倍も優秀」と説教が止まらない

     妻から夫へのモラハラ被害が深刻化している。女性の社会進出に伴い、男性が加害者、女性が被害者という構図がかわりつつあるのだ。ジェンダーの問題ともいいきれなくなってきている。どのような意識なのか。今回は、夫にモラハラ行為をしてしまった女性の告白から、夫婦間のモラハラを考える >>【夫の布団を廊下に出す、モラハラ妻の非情な仕打ちを43歳男性が告白 「無視しないでくれ」懇願にも冷たい目】より続く *  *  *「夫のぐちを友人に話していたら、『それってモラハラじゃない?』と言われて、ハッとしました」  東京都在住の会社員、Cさん(36)。現在、共働きの夫婦二人暮らしだ。若くして管理職に抜擢されるなど、職場での人望も厚く、仕事も順調。結婚時には夫と同等の収入だったが、昇進を機に、夫より稼ぎがぐっと増えた。家事は一応、分担制ということにしているが、実質の負担はCさんが8割、夫が2割といったところだ。それでも「家事は仕事の息抜き」だと楽しめる器用なCさんにとって、生活に特に不満はなかったという。  その気持ちに陰りが見え始めたのが、新型コロナウイルスの感染拡大で、夫婦ともに自宅でのリモートワークが始まったころからだ。リビングで夫婦肩を並べて仕事するのは新鮮で、最初のころは楽しかった。しかし、横で見ていて夫の仕事への取り組み方が、どうしても気になるようになった。  例えば、オンライン会議での発言。要点を得ず、まどろっこしい説明を並べる夫の声を聞きながら、心の中で「もっとうまく説明しなさいよ」と突っ込んでしまう自分がいる。また、夫が朝始めた資料作成が夕方になってもほとんど進んでいなかったりすると、「こんなに集中力が続かないなんて」と心の中でため息。そのうち、胸の内にとどめていられなくなり、自分の部下にするように夫に説教し始めるようになった。 「まだこれだけしか進んでないの?」「もっと効率的に進めないと」「今までどうやって仕事してたの?」「私が上司だったら怒るよ」  夫の仕事の進め方を見るにつれ、イライラして黙っていられない。最初のころは夫も「頑張るよ」「そんなに言わなくても」と反応していたが、妻と同じ空間で仕事がしづらくなり、近所のカフェに出向いて仕事するようになった。家事は相変わらずCさんの負担度合いが多いまま。次第に「私の方が忙しいんだから、もっと家事を手伝って当然でしょ」という、これまでに感じなかった不満が膨らんでいったという。 「夫が働いている姿を初めて実際に目にして、正直なところ『私の方が何倍も仕事ができる』と思ってしまった自分がいます。それに伴って、家庭内の夫の見え方が変わってきた部分もある。これ以上言うと良くないと分かっていても、部下に接するように、つい夫に対して強く言ってしまう自分がいます」  Cさんはいまも自分の言動に悩んでいる。 ◆モラハラ行為をしてしまう妻・4つのタイプ  夫婦問題カウンセラーの高草木陽光さんによれば、モラハラ行動に出る妻は、大きく4つのタイプに分けられるという。 【上司型】 夫の話すことに、ことごとく否定的な言葉を投げかける。家事や育児に協力的な夫に対しても、一気にやる気が失せてしまうようなダメ出しをする。夫の発言や行動に共感したり賛同することは滅多にないが、マイナス要素を探し出しては意見してくる。自分流のルールがあり、そのルールから外れたことをするのを極端に嫌がる。否定的な言葉を発することが癖になっている人が多く、「だって」「でも」「ていうか」といった言葉を多用する傾向にあるという。一見、自分に自信があるように思われがちだが、幼少の頃から常に親に高レベルを求められて育った人が多く、自分自身に対し、人並みではなかなかOKを出すことができない人もいる。Cさんはこのタイプだろう。 【GPS型】 常に夫の行動を把握していないと気が済まず、不安になると思いもよらない過激な行動をとる。「いつ、どこで、誰と、何をした」ということを知りたがり、仕事中でも構わず電話やラインをしてくる。夫の財布やカバンをチェックするのは当たり前。夫の行動を把握し、管理することが“妻の愛”であり、夫が事細かに自分の身の回りで起きたことや会った人のことを報告してくれることが“夫の愛”であると信じているタイプだ。人に嫌われることを恐怖に感じるため、「人からどう見られているか」ということを非常に気にする傾向にあり、自分軸より他人軸中心で物事を考えがちなため、人の意見に流されやすい。 【マイペース型】 その時の気分や感情で言動が変化し、予定を台無しにしがち。人のことを考えず自分中心に物事を判断するため、周りが振り回られて疲弊する。弁が立ち、もっともらしい言い訳をするのが得意で、いつの間にか妻に都合がいいように話をまとめられる。気に入らないことがあると行き先も告げずに子どもを連れて家を飛び出し、そのまま1週間も連絡が取れなくなったり、実家に行ったきり長期間帰ってこなかったりする。 【暴発型】 物に当たったり、突然切れたり、夫の人間性を否定する暴言を吐く「暴発型」。言葉の暴力だけでなく、夫の話や存在を無視したり、夫の食事だけ用意しなかったりする。何気ない言葉にも過剰に反応しがちで、被害者意識が強い傾向にあることから、友達が少ない傾向にあるという。 「全ての方が必ずしもこの4タイプに当てはまるというわけではないですが、相談に訪れる夫が問題として挙げる妻のタイプにはこうした共通点があります。当事者になるとなかなか気づけないものですが、同じような状況やパターンで悩んでいる人が案外多いのです」(高草木さん) ◆仕事も家事も器用にこなせるタイプが多い  妻はなぜ、夫に対しこうしたモラハラ行動に出てしまうのか。  幼少期の両親との関係や教育環境が起因しているケースがあるのは、男女ともに共通するポイントだ。その他、過去のトラウマや生まれ育った気質なども男女ともに関係していることが多い。  そんな中、女性に多い特徴として見られるのが、(1)ギリギリまで溜め込んで爆発する、(2)社会に出て働き始めてからなど後天的にモラハラ気質になるケース。いずれも、女性は家事も仕事も器用にこなせるタイプが多く、自立心が強い傾向にあるという。結婚や出産後も仕事を続ける妻が増え、妻の家事や育児への負担が高まっている背景もある。こうした流れから夫に対する家事育児の要求レベルも高くなり、妻が攻撃的な態度に出てしまうとも推察できる。  夫婦問題カウンセラーの岡野あつこさんは言う。 「元来、器用であるがゆえに、仕事も家事も子育ても、何でも完璧にやろうとする女性が、突然夫に対しモラハラスイッチが入ることが多い。何でも自分でできるからこそ、人に頼ることに慣れておらず、夫に手伝ってほしい時も『言わずとも分かって動いてほしい』となる。夫がそれに気づかぬまま、妻が黙ってギリギリまで溜め込んでしまった時、爆発してしまう」  岡野さんの元を訪れた相談者の中には、「2年にわたって妻から無視されている」という夫もいたという。その妻から原因を聞くと、「過去に育児や家事を手伝ってくれなかった」と何年も前のことがきっかけとなり、ある日突然何もかもが嫌になり、夫を無視し始めたそうだ。  (2)の後天的にモラハラ気質になるタイプは、夫並みか、夫以上に稼ぎがあり、いつの間にか夫を自分より下に見ている妻が多いという。高学歴であることが多く、有名大学を卒業し、大手企業で男性と肩を並べて頑張ってここまできたという自負があるタイプがなりやすい。冒頭のCさんは「自分はこのタイプかもしれない」と悩む。  優秀で器用であるがゆえに、自分より器用ではない夫に対して厳しく接しがちな妻。前出の高草木さんは、女性が男性と対等に働いていく上で、「強くならざるを得ない社会の構造もある」としながらも、「妻が夫に自分のルールを押し付け過ぎて破綻してしまう夫婦は増えている」と指摘する。 「職場では常に冷静で、仕事ができるバリキャリ妻ほど、周囲から面倒見がよく常識的だと思われることが多い。ですが身内に対しては、感情を抑えられなくなってヒステリックになりやすい傾向もあります。こうした妻は、まさか自分の発言が夫を苦しめているとは思っていないことも多い。Cさんのように自分で『モラハラかも』と気づけたら、早い段階で脱却できる可能性も高い」  だが、Cさんのように「モラハラをしているかもしれない」と気づけない人が多いからこそ、事態が深刻化している。パートナーのモラハラに悩む被害者も実は、本当の脱却が難しいという。次回は、モラハラ気質の男性から逃れられず苦しむ女性のケースを紹介する。(松岡かすみ)

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    東大卒お笑い芸人・石井てる美 理数系が不得手でも文IIIから「理転」した理由

     東京大学のリケジョたちが、必ずしも理数系が得意だからと理系を選んだわけではない。実は苦手だった人もいる。卒業生たちはどんな理由から理系学部を志望したのか。AERA 2022年1月24日号は、東大工学部社会基盤学科卒、お笑い芸人の石井てる美さんに聞いた。 *  *  *  白百合学園に中学から入って、中3まで、数学IAまでは楽しかったです。数学定理を覚えて、知能クイズみたいに解きました。図形も角度も実際にあるものだからイメージしやすかったです。   高校で数IIBになって、概念的なものが苦手だと思うようになりました。複素数って実体がない。化学の元素も見えない。英語はコツをつかめたので、校内テストで160人中10位以内の成績だったのですが、数IIBはどうしても30~40位台。頑張っても報われません。学校の中でも上にいけないなんて、「あっ、私、苦手なんだ」と。化学なんて最初に置いていかれたから、好きになるタイミングもなかったです。   しかも、塾に行くと、数学は私立の男子校の生徒がものすごくできるんです。それで「ますます私は苦手なんだな」って。男女で違うとは語りたくないけど、そう思わざるを得ない状況でした。   中学まで数学も理科も成績がよかったから、苦手になったことは、とてもショックでした。私は文系だと思いました。もう理数系を勉強したくなくなって、英語重視の私立文系に行こうかと一時は思ったほどです。   東大文科・類に入学したときは国際関係論コースに進んで、英語力を生かせる外交官になろうとなんとなく思っていました。でも、学部を選ぶときになって、安全保障の概念を机の上で学ぶのは実感がわかなかったんです。   工学部の説明会を聞きに行きました。社会にどう役に立てるかを具体的に追究する学問だなと思いました。私が気になった工学部社会基盤学科国際プロジェクトコースは、インフラを通して社会問題を解決します。海外で活躍するエンジニアを育てようとしていたから、国際的な仕事ができると思いました。   でも、私は文系です。理転する人は学内でもあまりいません。授業についていけるか、たくさんの先輩に相談しました。「やめなよ」と心配してくれる友だちもいました。   文系にも門戸は開かれているのだから、できるのかもしれない。そう思って工学部に入りました。たしかに橋の構造計算や流体力学の授業はありましたが、ダムを造るときは住民の合意形成も必要です。人文科学寄りの授業も多くありました。勉強してみたいことが、たまたま理系の学科にあったなと思います。   高校1、2年のとき、学校で紙が配られて、文系、理系の希望するほうにマルを書きました。あのマルが大きな分かれ道となりました。今となっては得意不得意だけで決めなくてもよかったのではと思います。  (構成/編集部・井上有紀子)※AERA 2022年1月24日号

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    段ボール小僧から東京芸大学長へ 日比野克彦「芸大に戻る気なんてなかった」

     4月に、東京芸術大学の学長にご就任予定のアーティストの日比野克彦さん。作家・林真理子さんとは、「段ボール小僧」と呼ばれ、先端を行くアートで注目され始めた、20代のころからのおつき合いだとか。 *  *  * 林:きょうお召しのスーツ、ふつうのとちょっと違いますね。スーツのようでスーツでないような。スーツとインナーのそんなすてきな組み合わせがあるんですね。 日比野:ええ、ネクタイがなくても、いかにオシャレ感を出せるかという……。 林:とてもお似合いです。このたびは東京芸大の学長になられるとのこと、おめでとうございます。 日比野:ありがとうございます。 林:正式な就任は4月ですが、デザイン系からの学長は初めてですよね。 日比野:はい。現学長の澤(和樹)先生は音楽学部ですね。その前の工芸の宮田(亮平)先生や、日本画の平山郁夫先生、彫刻の澄川(喜一)先生は美術学部ですから、昔の東京美術学校時代からの先生たちが学長になることが多かったんですね。僕みたいに先端芸術表現科という専攻からの学長は初めてです。 林:最近、芸大って志望者は増えてるんですか。 日比野:いちばん多いときから比べると、少子化にともない順調に減ってます(笑)。いま倍率は11倍ぐらいかな。 林:日本の大学でいちばん倍率が高いのが、芸大のデザイン科だと聞いたことがありますけど、いま何倍ぐらいですか。 日比野:13倍ぐらいじゃないかな。 林:私のころは45倍とか。 日比野:そうそう、試験会場に45人いると、そこから1人しか入れない時代がありました。 林:芸大って、技術だけじゃダメで、頭もよくなきゃ入れないイメージがありますよね。日本の有名なテノール歌手でも、学科で落とされたから芸大に入れなかった、なんて聞いたことがあります。 日比野:僕は共通一次がなかった時代の最後の世代です。そのときは、実技に受かって、最後の最後に芸大独自の学科試験があったんです。最後にだいたい半分落ちる、っていうイメージだったかな。いまは大学入学共通テストがあるので、学科を受けたあとに、実技に挑みますよね。 林:やっぱり国立大学を受かるぐらいの実力がないとダメなんだ。5浪、6浪の人もいっぱいいるわけでしょう? 日比野:いて不思議じゃないし、実際にいますよね。純粋な浪人じゃなくて、社会人になっていろんな仕事をしながら受ける人もいますし。ほかの大学と比べると、現役の割合はかなり少ないと思う。 林:芸大といえば、音楽も牙城ですよね。 日比野:作曲、器楽、邦楽、声楽、指揮などあらゆる領域がありますが、その周辺の魅力もあります。日常の中でふれる音楽とかね。 林:ゲーム音楽とか? 日比野:それもこれからの分野ですよね。 林:私は、バイオリンを持った学生さんが歩いていたりする、あの上野の森の雰囲気、とても大好きなんです。 日比野:芸大って上野のイメージがすごく強いけど、四つあるんですよ、キャンパスが。 林:えっ、知りませんでした。 日比野:上野と、取手(茨城県)、北千住(東京・足立)、横浜の四つで、特に取手は郊外にあって、駅から車で10分ぐらい行ったところの利根川のほとりなんです。のどかで、ヤギを飼って建築科の学生が柵をつくったり、地域の人たちと一緒に野菜をつくったり、それを学食で出したり、アートプロジェクトの実践みたいなことができるんです。それは上野じゃなかなかできないことですよね。それぞれのキャンパスが「らしさ」を持っているのが、芸大の一つの魅力かなと思いますね。 林:学長にはお迎えの車が来るんですか。 日比野:昔は公用車があったようですが、いまはそういうの、ないんですよ。いま全国的にないんじゃないのかな? 学長の公用車。 林:あるのは日大の理事長ぐらいか……。あ、よけいなことを言いました(笑)。でも、学長になると居酒屋とかにはあんまり行けなくなるんじゃないですか。 日比野:どうなんでしょう。宮田さんとか澤さんが学長のころ、みんな上野で飲んでましたよ。 林:私、「ジャポニスム2018」(日本文化を紹介する日仏友好160周年のイベント)の委員をやっているとき、宮田さんにもよくおめにかかりました。日比野さんもこれから、官邸で岸田さんから「大阪万博についてちょっとご意見を」とか言われたり、官邸との距離も近くなるんじゃないですか。 日比野:それはどうでしょう……。林さんのほうがお詳しいんじゃないですか? 林:私もよくわかりませんが、日比野さんみたいな方が、総理の横にいるって、あんまり想像できないな。 日比野:アーティストって世の中にたくさんいて、それぞれの役割があると思うんだけど、僕はきわめることを目指すんじゃなくて、アートの可能性を広めるのが役割じゃないかなと思っています。たとえばいまやっている「福祉と芸術」についてのプロジェクトでは、「多様性」とか「誰一人取り残さない」とか、そういうことをテーマにしているんです。そっちのほうが自分のアーティストとしての役割だと思っているんですよね。だから、あんまり偉そうにするのが似合うタイプじゃないかもしれませんね。 林:日比野さん、もう63歳なんですね。「段ボール小僧」のころから私たちは知っていますけど。 日比野:そうですよね。20代のころからね。 林:日比野さんは段ボールを使った作品で有名ですけど、なんで段ボールだったんですか。 日比野:入学してからはいろんな課題をやるんですけど、大学1、2年生のころ、僕は「自分らしさ」がなかなかわからなかったんです。あるとき、わら半紙みたいな紙に下書きして、ちゃんとしたキャンバスやイラストボードに清書しようとしていたら、大学の友達が、「日比野の性格からすると、わら半紙の下書きのほうが、おまえらしいよ」って。「そうか。こっちのほうがラクだし、いいかも」と思って、画材じゃないもので作品をつくろう、という考えの延長線上に、段ボールが出てきたんです。それが大学3年のとき。 林:そうなんですか。 日比野:そして、当時パルコがやっていた「日本グラフィック展」で大賞をとったのが大学院の1年生のときで、それが1982年。そのころストリートアートとか、雑誌「ポパイ」「ブルータス」なんかが流行り、サブカル的なものがどんどん街にあふれ出していったんですよね。セゾングループの感性に訴える広告展開が時代に受け入れられ、糸井(重里)さんがコピーを書いたり、浅井慎平さんが写真を撮ったりしていました。企業がメセナ(芸術や文化の支援)的な取り組みで、次の若いスターを探していましたよね。林さんのデビューって何年でしたっけ? 林:「ルンルン」(『ルンルンを買っておうちに帰ろう』)のときだから、82年かな。 日比野:まさにそのぐらいに文学界では林さん、演劇界では野田秀樹さん、鴻上尚史さん、アカデミズムでは浅田彰さん、いろんな領域から若いスターが出てきた。そのとき、筑紫哲也さんが「新人類」と呼んでいましたよね。 林:朝日ジャーナルの「若者たちの神々」ですね。日比野さんもあのころパーッと有名になって、メディアにもよくお出になって。「段ボール小僧」だった方がまさか芸大の学長になろうとは。 日比野:アハハ、ほんとだよね。 (構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄) 日比野克彦(ひびの・かつひこ)/1958年、岐阜県生まれ。東京芸術大学大学院(デザイン専攻)修了。82年、在学中に段ボールを使ったアート作品で注目を浴び、95年ベネチア・ビエンナーレに出品。現代美術家として、舞台美術・パブリックアートなど、多岐にわたる分野で活動。日本グラフィック展大賞、毎日デザイン賞グランプリ、芸術選奨文部科学大臣賞など受賞多数。岐阜県美術館館長。2016年から東京芸術大学美術学部長、22年4月に同学長に就任予定。※週刊朝日  2022年1月28日号より抜粋

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    「志望校が無理なら地元の公立?偏差値下げて私立?」と悩む小5母に、中学受験のプロが教える公立私立の差

    「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。連載7回目の今回は、私立か、公立かを悩む親御さんからの相談です。 *  *  * 【相談7】息子は行きたい学校が決まっていてそこがダメなら地元の公立に、と考えていましたが、志望校より偏差値が下の学校でも、公立より学びの質がいいのかもしれない?とまだ迷いの中におります。そもそも公立より私立が優れている面って何でしょうか。(東京都在住、小5男子の母) 安浪:これは都内にお住まいならではの悩みですね。選択肢が多いからこそいろいろ悩んでしまうという。 矢萩:私立は設備の質や、理念が統一されているところがいいところですかね。理念が合う学校を選択できます。公立の場合は良くも悪くも構造的に統一されているところを、どう判断するかですね。 安浪:公立は基本的に同じ枠組みというか、同じカリキュラムや教材を使いますしね。私学の場合は大学受験を見据えて進度が速かったり、副教材が充実したりしている場合も多いですね。 ■公立は「平等」、私立は「自由」 矢萩:それにも関連しますが、公立の学校って平等第一なんですよ。だから、例えば今回のコロナ禍の中でのオンライン授業もそうなんですけど、全員が平等に提供できないのだったら「やらない」っていう選択を取るんです。インターネット環境が整っていないご家庭があります。じゃあそういうご家庭に差がついちゃうんだったらいっそやらないほうがいいですね、宿題はプリントを各家庭に届けるのでそれをやってください、それだったら平等ですよね、って。 安浪:公立の先生の中には自分たちで教材を作ろう、と動こうとしても「他の先生と差が出てしまう」ということで潰されてしまった人も多いようです。 矢萩:とりあえず今の時点で実現しやすい平等を取るっていうのが公立の特徴です。ただ間違えちゃいけないのはそれが本当に平等なのか、って話で。行政的な大義名分として「これだったら平等です」と言えるかどうかで判断しているだけです。 安浪:保護者に「それは不公平じゃないですか」って突っ込まれないかどうかっていう判断基準ですよね。 矢萩:そう。そこに本当に意味があるかどうかというのは二の次三の次で。いっぽう私立はパーッと対応していましたね。まあ内容の良し悪しはあれ、何らかの対策をやった学校が多かったです。 安浪:私立の先生からよくお聞きするのは、「公立は平等、私立は自由」ということ。私立は学校裁量で何でもできる。このコロナ禍で中学受験の人気が上がった理由もそこなのかな、と思います。 矢萩:今まで中学受験に関心がなかった新たな層を開拓した感じはありますね。 ■私立も「桃源郷」ではない 安浪:あと公立の先生は公務員なので、勤務校がコロコロ変わりますよね。だから、新しい取り組みをしても続けられないという嘆きも聞きます。校長先生が何かしら学校改革をしても、3~4年後には別の学校に移動になる。新しい校長先生がまた一から別のことを始めるので、それまでの積み上げが継承されない、と…。とはいえ、私立も桃源郷ではなくて、私立の方が公立より絶対優れている、ということはない。こんなに学費を払っているのに、何この内容?と腹立たしく思っている人もいると思います。 矢萩:そうそう。私立は自由だからこそバラつきも大きいんですよ。 安浪:でも、そこはパンフレットを見るだけではわからないんですよね。だから、設備や大学合格実績だけを見るのではなく、実際に学校に足を運んで、先生の話や在校生の話を聞いたりして、雰囲気を掴むしかない。とある私立の先生は「職員室を見ればだいたいわかる」と仰っていました。 矢萩:職員室の雰囲気は本当に大事。先生たちがきちんとコミュニケーション取れているかどうか。これこそ学校運営の肝ですから。 安浪:職員室自体が、先生同士でコミュニケーションを取りやすい机の配置になっているかも一目でわかりますしね。ついでに、不必要に書類が積み上がっていて、隣の先生と壁を作っている職員室は危ない(笑)。 矢萩:まあ、それは私立も公立も同じだけどね。 ■公立に行ってもやってきたことは絶対無駄にならない 安浪:逆に、公立が私立より優れている点って、これはもう究極のダイバーシティーがあることですね。私立はどうしても似たような所得層、似たような考えを持つ親御さんの子どもが集まってくるので、それが居心地いい、というのもあるかもしれませんが。 矢萩:質問者さんの相談に戻ると、志望校に合格できなかったら地元の公立、と決めなくても、あと一年の間にいろいろ学校を見てみてもいいんじゃないかな。それこそ偏差値にとらわれずに。結果、公立に行くことになってもやってきたことは全然無駄にはならないので。 安浪:そうそう。ちなみに勉強について言えば、真剣に中学受験の勉強をした上で公立中学に進学したらアドバンテージは絶対高いですから。勉強に余裕があるので、部活や生徒会などにも力を入れられるし。実際、中学受験の勉強をしてきたけれど志望校にご縁がなくて公立に進学し、3年後の高校受験で、びっくりするような合格を取ってきた子を何人も見ています。 矢萩:地元の中学がどんな状態かも知り合いに聞いてみた方がいいですね。 安浪:学力上位層が抜けちゃって、授業がまともに成立しないところもあるみたいですからね。逆にそれが「早くここから抜け出してやる」という勉強のモチベーションになる子もいるから、本当にそれぞれ。でも、何度も言いますけれど、「私立=桃源郷」じゃない。 ■学校の中身を知っている塾の先生はわずか 矢萩:塾の先生はやっぱり「私立がいいよ」っていう話をすると思いますけど、塾の先生で私立にどんな先生がいて、どんな授業しているのか知っている人って本当にわずかです。試験にどんな問題が出てくるか、ということは皆プロだから知っています。でも塾の先生から「あの学校の先生と友達だからよく知っているよ」という話はほとんど聞かないですよね。となるとやっぱりイメージで学校のこと見ているんですよ。そこを親もしっかり認識しないとね。 安浪:私立には学費を払う以上、理想を何でもかんでも求めがちですが、そもそも学校に全部を求めるのは難しいです。 矢萩:そうですね。ベストを選ぼうとするより、ベターを選んでいこう、とするイメージかな。それを親子で試行錯誤してやっていく、そのプロセスにこそ意義があると思います。親子でステップアップできる経験になりますしね。 (構成/教育エディター・江口祐子) ※安浪京子さん、矢萩邦彦さんへの質問を募集しています。お気軽にお寄せください。↓↓↓https://dot.asahi.com/info/2021120800052.html

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    大阪桐蔭が“復権”の予感、対抗し得るチームは? 2022年高校野球の勢力図を占う

     3月18日に開幕する第94回選抜高校野球大会。その出場校32校を決める選考委員会が1月28日に行われる。本格的な高校野球シーズンの到来はまだ先だが、選抜大会への出場が絶望的となっているチームも含め、2022年の高校野球界の勢力図について、昨年の秋季大会での戦いぶりをもとの探ってみたいと思う。  秋の時点で最も力のあるチームと言えば、やはり大阪桐蔭になるだろう。大阪府大会では4回戦の東大阪大柏原戦では5対4、準決勝の履正社戦では5対3と苦しんだものの、近畿大会では4試合で31得点、2失点と危なげない内容で優勝。続く明治神宮大会でも3試合連続二桁安打の猛攻で見事に秋の頂点をつかみ取って見せた。旧チームからのレギュラーは捕手の松尾汐恩だけだが、それ以外にも伊藤櫂人、海老根優大、丸山一喜など力のある打者が揃い、打線の迫力はとても秋の新チームとは思えないレベルだった。  投手では新2年生の前田悠伍が近畿大会の3試合、17回を投げて自責点0と抜群の安定感を見せるなどエース格へと成長。早くも来年のドラフト上位候補という声も聞かれる。しかしそんな大阪桐蔭も不安要素がないわけではない。まず大きな課題は前田以外の投手陣だ。明治神宮大会でも川原嗣貴、川井泰志、藤田和也の3人が短いイニングでの登板ながら失点し、決勝戦で先発した別所孝亮も3回を無失点に抑えたものの、被安打3、1四球と安定感には欠ける内容だった。  いくら前田が素晴らしいと言ってもまだ下級生だけに、3年生の奮起がなければ甲子園で勝ち抜くことは難しいだろう。もう一つの不安材料が守備面だ。神宮大会でも内野の要である二遊間がエラーを記録するなど、細かいミスが目立った。公式戦の経験が少ないメンバーだけに仕方のない部分はあるが、この冬の間にレベルアップしていなければ、足元をすくわれる危険性もあるだろう。  選抜出場が濃厚となっているチームで、大阪桐蔭に続く存在となるのチームとしては花巻東、山梨学院、木更津総合、京都国際、広陵、九州国際大付などが挙がる。花巻東は新2年生ながら既に高校通算50本塁打を放っている佐々木麟太郎とその後ろを打つ強打のキャッチャー田代旭を中心にした強力打線が持ち味だ。技巧派左腕のエース萬谷大輝の特徴を生かすためにも、スピードのある本格派投手の台頭が待たれる。  山梨学院は榎谷礼央、木更津総合は越井颯一郎とプロ注目のエースの存在が大きい。ともにスピードだけでなくコントロール、投球術も高レベルで、簡単に打ち崩せる投手ではない。ちなみに両チームとも関東大会で優勝した明秀日立に敗れたが、榎谷と越井は先発を回避しての敗戦だった。この2人が力を発揮すれば、甲子園でも上位進出の可能性は高いだろう。  昨年夏の甲子園でベスト4に進出した京都国際は旧チームから主戦を務める森下瑠大、平野順大の左右の安定した投手を揃える。特に森下は近畿大会の2試合、13イニングを無失点、17奪三振と圧倒的な成績を残しており、その安定感は全国でも上位だ。打線に繋がりが出てくれば、一気に全国の頂点も見えてくるだろう。  神宮大会準優勝の広陵も投打にタレントが揃う。投手では秋に大きく成長を見せたエースの森山陽一郎、神宮大会で146キロをマークした松林幸紀、新2年生ながら安定感が光る岡山勇斗、ライトを守る大型左腕の内海優太と4人の力のある投手を揃える。打線も3番内海、新2年生ながら4番を打つ真鍋慧の左の大砲2人を中心に得点力は高い。上手く投打が噛み合えば、4度目の選抜優勝、そして悲願の夏の甲子園制覇も視野に入ってくるだろう。  神宮大会でベスト4に進出した九州国際大付もタレント揃いのチームだ。捕手の野田海人は全国でもトップクラスの強肩で、投手としても145キロを超えるスピードを誇る。野田とともに旧チームから中心打者の黒田義信も高いレベルで三拍子揃った外野手で、神宮大会でも一発を放つなど存在感を見せた。下級生ながら4番を打つ佐倉侠史朗は佐々木、真鍋と並ぶ注目のスラッガーで、エース左腕の香西一希もコントロールは抜群だ。神宮大会では大阪桐蔭に大敗したが、中盤まではリードを奪っていただけに、選抜でもリベンジを狙う気持ちは強いだろう。  選抜出場が微妙、また絶望となったチームでは仙台育英、東海大相模、東海大菅生、近江、智弁和歌山、明徳義塾、明豊などが有力校となりそうだ。この7校は昨年の甲子園を経験したメンバーが残っており、ここ数年の安定感は全国でも上位である。特に仙台育英と明豊は秋の地区大会で思わぬ大敗を喫しただけに、そこからの巻き返しに注目だ。またそれ以外のチームでは桐生第一、東邦などもバッテリーに力があるだけに野手陣が上手く成長してくれば、一気に浮上してくる可能性もあるだろう。   昨年もこの時期は大阪桐蔭の前評判が高かったが、ふたを開けてみれば選抜は関東・東京の6校目で選ばれた東海大相模が制し、夏は選抜出場を逃した智弁和歌山が全国制覇を果たしている。高校生の成長スピードは大人の想像をはるかに超えるケースも多いだけに、今年も秋に苦戦したチームが冬から夏にかけて劇的な進化を遂げることを期待したい。(文・西尾典文) ●プロフィール西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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    理数系の力を伸ばすために「12歳までにすべきこと」 3男1女が東大理IIIの佐藤ママ×開成前校長・柳沢幸雄

     算数・数学に苦手意識を持たせず、楽しめる子を育てるにはどうすればいいのか。子ども3男1女が東大理IIIに合格した“佐藤ママ”こと佐藤亮子さんと開成中学・高校前校長の柳沢幸雄さん(現在は北鎌倉女子学園中学・高校の学園長)。教育界のカリスマ2人が語り合った。「理系を育てる」特集したAERA 2022年1月24日号から。 *  *  * ──算数・数学の力を伸ばすために、親としては何を心掛けたらいいでしょうか? 佐藤:まずは小1のスタートダッシュをきちんとすること。理想は小学校に入る6歳までに1桁の計算ができるようにしておいたほうがいいです。「4足す7は?」と聞いて反射的に答えられるくらいに。あと、うちの子たちにはずっと「ノートを広々と使いなさい」と言ってきました。計算問題であれば1ページにつき3題、文章問題であれば1ページにつき1題。そうすれば問題の下の広いスペースを使ってゆっくり考えることができます。 ■「検算しやすい」と説明 柳沢:手を動かして紙に落とすのはすごく大事ですね。人間って頭の中で考えているだけではわからないから。開成の入試でも部分点を重要視していて、いわば解答用紙の余白に書いてあることを好意的に見るわけです。なぜ書くことが必要なのかと疑問を持つ子には「検算しやすいから」という実利的な説明をするとやる気が出ると思います。 佐藤:それから、学校にすべてをお任せするのではなく、親が教科書と宿題をもっと見てあげてほしい。教科書がわかりにくいがために勉強についていけないケースもあると思います。 柳沢:もしつまずいてしまったら、2学年前の問題集のなるべく薄いものを買って解いてみるといい。どこで自分がつまずいたのか確かめることができます。 佐藤:同感ですね。そうやって勉強し直すときは、問題集の最後のページまで早くたどり着くことがやる気を保つコツです。例えば偶数の問題だけを解くとか、10問飛ばしでやるとかして、とにかく全体を何回も繰り返す。そうすることで、理解するというよりも見慣れるんです。 柳沢:そしてぜひやってもらいたいのは子どもを褒めること。点数に対してではなく、その子が以前と比べてどう進歩したかを具体的に褒めてあげるんです。 佐藤:「この前は5問しか解けなかったけど、今回は同じ時間で10問も解けたね。すごいね」みたいな褒め方がいいですよね。やはり子どものことをよく見てあげることが大事。 柳沢:あとね、子どもにとってしゃべることは最大の復習なんですよ。どうやって問題を解いたのかを論理的にしゃべろうとすると、すごく脳を使うから。 ■12歳までに計算の訓練 佐藤:算数を日常のものと結び付けてあげることも効果的です。「重さ50グラム」とか「1キログラム」って言われても子どもはあまりピンとこない。でも、砂糖だとこのくらいだよと言うとすっと覚えられる。 柳沢:私は小さい頃、体が弱くて寝てばかりいたんですが、小学校に入る前には九九を知っていたんです。なぜかというと、天井に縦九つ、横八つのラインがあって、そのマス目を毎日数えていたから。ただ、8×9までしかなかったから、小学校の九九の授業で「9の段があったのか!」と驚きました(笑)。 佐藤:私は「算数が楽しい」と思えるかどうかの究極のところは、1桁の足し算が瞬時にできるかどうかだと思っています。それが勝負の分かれ目。算数が苦手な子は、そこに行き当たることが多い。私は4人の子どもを育てて、12歳までの計算の訓練が大事だなと痛感しました。 柳沢:そこを重視するのがアジアの教育の特徴です。例えばアメリカの小学校では、九九を強制的に覚えさせることはしない。 佐藤:確かにアメリカの教育に詳しい方と話をすると、「九九なんて全部覚えなくても、3の段か4の段ぐらいまで覚えておけばどんな計算でもできる」って言いますよね。そうかもしれないけど、便利なんだから9の段まで覚えればよくない?って思っちゃうんですけど。 柳沢:覚えることは頭の無駄遣いだと考えられているんです。 佐藤:でも、インドなんかでは2桁×2桁まで覚えさせているし、九九を覚えることが後々になって数学的な想像力を邪魔するかと言ったら、そんなことはないと思うんですよ。 柳沢:九九についてだけいえば私もそう思います。ただ、算数・数学嫌いというものがこれほど明確に日本の子どもたちの意識の中にあることは、しっかり考えないといけない。アメリカ人にはほとんどいないですから。 ■入学試験の問題の傾向 ──日本の子どもの算数・数学嫌いの原因は何でしょうか? 柳沢:日本の場合、学校で教えるものを何によって決めているかというと、入学試験の問題の傾向なんです。形式的には学習指導要領に基づいて決められていますけど、実態はそうではない。一時期、入試問題に難問奇問がよく出題されましたけど、ああいうものも含めて「入試問題の傾向がこうだから、それに合わせて勉強しましょう」というのが日本の教育なんです。いわば本音と建前みたいな部分で子どもたちがアップアップしているところはあると思います。 佐藤:だから私は文部科学省にもっとしっかりしてほしいと思います。環境問題など未来のことをみんなで考えていかなきゃいけないのに、いつまでも教育が変わらないのはおかしいです。 ──21年度から早稲田大学政治経済学部の一般選抜で数学(数学I・数学A)が必須化されたことが大きな話題となりました。 佐藤:すごくいいことだなと思います。これからの時代は文系でも情報処理能力が必要だし、表やグラフを見て分析する力も大事。そうやって入試の段階で「うちの大学はこういう学生がほしいんだ。こんな人材を育てるんだ」というビジョンを示してくれれば、それに向けて子どもたちも頑張ります。そして大学に入ったら文系・理系に関係なく、融合した知識を身につけて視野を広げてほしい。 柳沢:私もこれからの時代は理系も文系もともに重要だと思います。例えば電気自動車にしても技術が高いだけではダメで、さまざまな交渉を重ねながら国際規格にのせないといけない。「失われた30年」と呼ばれる経済の低迷から回復するためには、理系嫌いを作らない教育の形が求められると思います。 >>【前編はこちら】開成前校長が語る「算数・数学でつまずきやすい単元」と解消法 3男1女が東大理IIIの佐藤ママも納得 (構成/編集部・藤井直樹)※AERA 2022年1月24日号より抜粋

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    小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”【2021年下半期ベスト20】

     2021年も年の瀬に迫った。そこで、AERA dot.上で下半期に読まれた記事ベスト20を振り返る。1位は「【独自】小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”」(9月8日配信)だった。(※肩書年齢等は配信時のまま) 「小室圭さんの実力では無理だと思います」  こう話すのは、全米で「トップ100」と呼ばれる大手弁護士事務所(ビッグロー)のパートナー弁護士のA氏。専門は、海外企業同士のM&Aなど。米国を拠点に世界を飛び回り、収入も桁違い。この姿こそ、小室さんが思い描く将来でもあるようだ。  昨年の秋ごろ、A氏の事務所に、働かせてほしい、と小室さんの「経歴書」のようなレジュメが別の弁護士を通じて届いたという。小室さんは、ニューヨークなど大都市での弁護士の仕事を探しており、ビッグローか、その下の規模のミッドローでM&Aなどをやりたいという。  A氏がそのレジュメを見て思ったのが、冒頭の言葉だ。なかでも、A氏が首をかしげたのがニューヨークのフォーダム大ロースクール(法科大学院)への留学の部分だ。「疑問なのは、彼がLLM(法学修士)のコースに入ったことです。しかも1年学んだ後に、JD(法務博士)コースに編入している。大きな事務所を目指してて、こんな動き方をするなんて聞いたことがない」  LLMとJDというのは、ロースクールでのコース名だ。米国の大学には法学部がなく、弁護士を目指す人は、大学卒業後にJDに入る。ここで3年間学び、事務所に入るのが一般的なパターンだという。  一方、LLMは、法律の資格を持つ外国人留学生が多いといい、「表現として正しいかわかりませんが、キャリアに“箔(はく)をつける”ようなイメージです」。  A氏によると、米国で弁護士となるのに重要なのはJDでの1年目だ。 「米国での就職活動は、2年生の終わりの夏休みで終わります。事務所のサマープログラム(インターン)で働き、その後よほどのことがない限り、その事務所からオファーを受けて就職します。どの事務所のプログラムに入れるかは、1年時の成績で決まります。だから学生の競争も壮絶です。本を隠すなどの足の引っ張り合いもあります。小室さんはその1年をLLMに入っています」  ビッグローのインターンの募集は、ハーバードやエール、コロンビアといった有名大学で公募し、最初の書類選考で成績優秀者に絞り、次の面接で決まる。A氏が言う。 「採用された学生には、1年目から19万数千ドル(2千万円以上)の給与が支払われます。それも5年くらいは半人前で、彼らから利益は出ません。それでも欲しい人材ということなんです。だから相当厳選します。原則でいえば、ビッグローはインターン以外の方法では採用しないです」  チャンスをつかめる学生は、ほんの一握りだ。小室さんは、そもそもLLMに入った時点で、希望するビッグローへの道は閉ざされたといっていい。なぜLLMに入ったのだろうか? A氏が話す。 「こう言っては何ですが、彼の経歴に目を見張るモノはありません。あるとすれば眞子さまのフィアンセという一点。それでも奨学金を取得できたり、JDへ編入したり、弁護士が出てきて仕事を探したり。知恵をつけている人がいるんでしょう」  では、ビッグローは無理でも、M&Aは他でもできるのだろうか? 「米国には約43万の事務所がありますが、M&Aの70%超は『トップ100』が扱っています。小室さんが弁護士として働くにはM&Aにこだわらないことですね。移民法の弁護士などは圧倒的に多い。日本人も多いです。もうからないので人気はないのですが」  そして、こう続けた。 「詳しいことは申し上げられませんが、彼の『経歴書』を見る限り、とても“権威”が好きなんだと思います。M&Aも彼からすれば格好良く見えるんでしょうけど、実際は相当厳しい世界です。パートナー弁護士になるのは10年後くらい。それまで生き残っているのはわずかです。彼がそもそも弁護士という職業に向いているのか……。野心家だと思うので、ベンチャーのような起業家とかが向いているような気がします」 (本誌・矢崎慶一) ※週刊朝日  2021年9月17日号に加筆

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    夫のモラハラ、被害に遭いやすい妻は魅力的な人? 「相手を支配したい」加害者の歪んだ甘え

     夫婦間のモラハラがいま、大きな問題になっている。離婚の大きな理由になるが、それに気づかない被害者も多い。なぜ望んで一緒になった相手を傷つけてしまうのか。結婚後に豹変する夫にはどんな特徴があるのか、また被害にあいやすい人はいるのだろうか。夫から妻へのモラハラの事例を紹介しつつ、専門家の分析をまとめた。 >>【4歳年上銀行員の夫のモラハラ「君はダメな人間だ」 Yシャツのボタンの縫い方で朝まで説教】より続く *  *  *<Aさん女性35歳の場合>元夫は4歳年上の銀行員。同居後しばらくして、元夫は言動が攻撃的に。些細な事で「君はダメな人間だ」と責められるようになった。長時間説教が常態化し、不機嫌な態度で1か月に渡って無視されることもあった。Aさんは「夫は私のためを思って言ってくれている」と解釈し、自分が悪いと思い込みはじめた。“洗脳”が解けるきっかけは1年ぶりに会った母親。そこでようやく被害に気づき、離婚に至る。ただ、最後まで元夫は自分の非は認めなかった。  夫から妻へのモラハラでよく見られる言動には、「何でも相手が悪いと怒る」「人格を否定する」「自分のルールが絶対」「長時間に渡り説教する」といった項目に加え、「実家や友人との交流を禁止する」「外で仕事することを禁止する」という傾向も見られる。Aさんの場合も、母親とは1年会っていなかった。元夫が嫌がったためだ。  外とのつながりが薄れ、妻が家庭内に閉じこもっていくにつれ、モラハラ環境の密室化がますます強まってしまう。そうした妻の精神的ダメージは深刻化するケースが多いという。  さらに厄介な言動が、「ひどく罵った後で、優しくする」という特徴だ。夫からの「君はいつも辛いことから逃げようとするから、僕が鍛えてあげている」「君のためを思って言っている」という発言を“優しさ”と信じて受け取ってしまい、被害者である妻は「前は優しかったし、厳しいのは私のため。私がちゃんとした人間になれば、あの人も優しく戻ってくれるはず」となる。実際は、「君のためを思っている」「君を尊重している」といった仮面をかぶり、「君が選んだ」「君は納得したはず」と、モラハラというコントロールで導き出した被害者の選択や態度を強いているのだが、モラハラを受けている最中はそれに気づけないのだ。  Aさんがそうであったように「夫は私のためを思って言ってくれている」と思うことで、どれだけひどいことを言われてもなかなか離れられないことが多い。こうした場合、周囲がいくら心配しても被害者である本人が聞く耳を持たないこともある。 ◆妻は「自分の持ち物」と認識  好きで結婚した相手なのに、なぜ苦しい目にあわせるのか。「カウンセラーが語るモラルハラスメント」などの著書があるカウンセラーの谷本惠美さんは、「モラハラをする夫は、妻を自分の“持ち物”だと認識している」と指摘する。 「モラハラをするのは、葛藤処理やストレス対処が未熟な人。普通なら、自分にとって大切な存在に対し、自分の心の問題をぶつけたりせず、大事に扱うものです。ですが心の処理が未熟な人は、自分の大事な存在を、まるで自分の所有物であるかのように、自分のために使ってしまう」(谷本さん)  未熟とはつまり、葛藤やストレスの処理が幼児期の状態でストップしていること。幼児が自分の非を認められず、「誰々が悪い」と責任転嫁してしまうことは、よくある。だがそこから成長せず、幼児期のままで精神状態が止まってしまうと、他人への責任転嫁が当たり前となり、相手へのいたわりが欠落した大人になってしまう。プライドが高く、自分が一番大事なので、相手を見下す態度がにじみ出やすく、結果「友達が少ない」という傾向もあるという。 「モラハラをするような人は、客観的認知能力が著しく欠けていると思われます。この世をごく単純に見ていて、正解が一つだと信じているのです」  と分析するのは、『妻のトリセツ』などの著書で知られる脳科学・AI研究者の黒川伊保子さん。客観的認知能力が欠けているとは、「自分と別の見方があるとは思いも寄らない」こと。そうなると自分が万能で偉いと思い込み、自分と価値観の違う相手を蔑む傾向にある。その場合、話し合いにならず、歩み寄ることが難しいという。 「想像力、思いやりなどの客観性認知能力は、4歳から8歳のころに育ちます。これらの能力は、外界認知を司る小脳の発達と深くかかわっていると考えられ、小脳の発達臨界である8歳までに経験によって獲得することが重要です。つまり、以降にその力を育てようと思っても残念ながらなかなか難しい。4歳から8歳の頃に、親とのコミュニケーションが不足したり、親がたった一つの正解を押し付けてきたりすると、客観性認知が著しく欠けてしまったまま大人になることがあります」(黒川さん) ◆やってもやっても認めてもらえない  意外なことに、モラハラをする男性には、高学歴で医師や弁護士、経営者など、社会的地位の高い人が多い傾向にあるという。仕事ができる人が多く、外面も良いため、プライベートの友人は少ないものの、仕事を通じた関係性は良好である場合が多い。  相手が自分のテリトリーに入ってきた時に初めて本性が現れるため、表面的な付き合いの上ではモラハラ気質を見抜くことが難しい。そのため、結婚前にモラハラの予兆に気づけない場合が多いのだ。  モラハラに関する相談実績も多い夫婦問題カウンセラーの高草木陽光さんは次のように指摘する。 「100点を取らないと認めてもらえないという教育環境で育っていたり、親の押し付けが強かったりして、実は大きなコンプレックスを抱えているという人が少なくない。『やってもやっても認めてもらえない』という幼いころの経験から、自己肯定感がとても低い傾向も見られます。だから常に自分が誰かの上位に立つことで、歪んだ安心感を手に入れたがる。その“誰か”が、一番近い相手である妻で、矛先が向かってしまう」  前出の谷本さんの分析も同様だ。 「モラハラをする人は、いわば大人の仮面を被った幼児。究極の赤ちゃん的な甘えで、『僕の言うことを聞いて!僕に構って!』という言葉が、モラハラという言動に置き換わっている」  Aさんの話を思い起こすと、元夫の人格否定言動の数々は「誰かに認めてもらいたい」という欲求の裏返しにも思える。  何かを決めるときには、Aさんの提案に対して、必ず「本当にそれでいいと思ってるの?」と疑問を投げかけてくる。そこで提案し直しても、夫が考えている内容と異なれば、決して良い返事を返さない。OKが出るのは、夫が考える内容と一致した時のみだ。その決定が良い結果をもたらせば、「僕がアドバイスしたおかげ」となり、うまくいかなければ「君の決定はいつもうまくいかないよね」とAさんのせいにする。  被害者からすれば、たとえ幼稚であろうと教育環境が起因していようと、正当な理由もなしに歪んだ矛先を向けられては、たまったものじゃない。 ◆モラハラ攻撃によって人格を変えられた  その矛先が向かいやすいタイプはどんな人なのだろうか。意外なことに、モラハラ被害者は、もともとは自分をしっかり持った魅力的な人であることが多いという。「ターゲットをコントロールしたい」、「支配したい」という歪んだ“甘え”は、それが簡単に叶いそうもない相手にこそ向けられるのだ。 「被害者はもともと受け身だったのだろう」「被害者に選ばれやすいタイプがいるのだろう」と思われがちだが、決してそうではない。そう誤解されるほど、被害者のパーソナリティがモラハラ攻撃によって変えられてしまうだけなのだ。  たとえばAさんは、人格を否定する発言を浴び続けた結果、「自分が悪い」と思うようになり、元夫の言動を全て自分に関連づけて考えるようになった。自分がどうしたいか、どう感じるかということよりも、元夫が何を言ったらOKを出すか、不機嫌にならないかを始終考える。夫の機嫌が悪いのは、私が何もできないからだ。できない私が悪い。怒らせてしまった私に原因がある。私がちゃんとすれば、優しい夫に戻ってくれるーー。いつの間にか、自分の価値観や感覚、考えがなくなり、自分自身を責める思考ループに入っていたという。  相手への思いやりがある人ほど、加害者の言動に振り回され、いつしか自分を見失ってしまう。「モラハラ被害者になりやすい人」といった傾向はなく、誰もが被害者になる可能性があるのだ。  今、そうした矛先は、妻のみならず、夫側に向けられるケースも増えているという。次回は、妻から夫へのモラハラについて紹介しよう。(松岡かすみ)

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    愛子さまのティアラ姿はオーラがすごい!雅子さまと「山あり谷あり」20年に追っかけ主婦が感涙

     先日、20歳の誕生日を迎えた愛子さま。多くの人はテレビの映像を通して祝賀行事での愛子さまを見守ったが、運よく、ティアラにローブ・デコルテの正装姿を直接目にした国民もいる。皇族方の写真を撮り続けてきた「追っかけ主婦」もその一人。どんなご様子だったのか、貴重なショットとともに当日のことを振り返ってもらった。 *       *   *「成年の祝賀の日の笑顔は20歳とは思えない慈愛に満ちた温かいものでしたね。愛子さまは今までは控えめな感じでしたけれども、急に大人っぽくなったような気がしますね。お化粧もいままではほとんどされていなかった。今回もお化粧は薄めでしたね。でも、今までとは違う雰囲気になりましたね」  と言うのは、雅子さまや愛子さまの写真を撮ってきた神奈川県横浜市の村上園子さん。20歳の誕生日を迎えた天皇家の長女、愛子さまの成年皇族の祝賀行事(12月5日)では、皇居の乾門前で、村上さんは午前11時半から、“出待ち”した。 「天皇陛下ご一家が9月に赤坂御所から皇居へ引っ越されてからは、出入りがめっきり減り、本当に寂しい思いをしてきたんです。5日は、久しぶりに乾門までの道を歩き、すがすがしい気分になれました」  愛子さまが上皇ご夫妻のお住まいの仙洞仮御所に向かうために、車で乾門を出たのは午後1時頃。待っていた村上さんは夢中でシャッターを切った。 「ニコンの明るいレンズをつけて、連写しました。フラッシュなしだったので、撮れた写真を見たら真っ暗で、愕然としました。それを見た出待ち友達が『もっと明るくすることができるよ』と言ってくれ、明るく補正してくれたんです。愛子さまのティアラが撮れていて感激でした」  愛子さまのティアラはコロナ禍であることを考え、今回は新調せず、天皇陛下の妹の黒田清子さんが所有するものを借用。ティアラに関しては、ネット上では無駄遣いなどという批判もあったが、宮内庁の西村康彦長官は11月25日の定例会見で、「ティアラは必要なもの。無駄遣いにあたらない」と話すとともに、今後、国費でのティアラ製作も検討するとした。  村上さんは愛子さまの頭上で輝いていたティアラについてこう話す。 「細かな模様が入っていて、清楚で上品な感じで、20歳の愛子さまにはお似合いだったと思います。愛子さまと比べて清子さまは小柄。もしも、愛子さまがティアラを新調するのであれば、もう少し大きめでボリュームのあるゴージャスなティアラが見てみたいと、密かに思っています。皇室で保管されているティアラもあるならば、そういったものをリメイクするのもいいのではないでしょうか」  愛子さまが着ていたローブ・デコルテについてはこう話す。 「やわらかな白色で、ふくれ織でしょうか、地模様がふっくらと浮き上がったように現れる生地で、威厳のある格式を感じましたね」  愛子さまの成人については、雅子さまも母親として感慨深かったのだろう。58歳の誕生日の際、ご感想を公表されたが、その中で、こうつづった。 <幼かった愛子がもう成年かと思いますと、信じられないような気持ちもいたします>  雅子さまがつづられた言葉について、村上さんはこう感想を話した。 「雅子さまからお母様としての愛子さまへのメッセージとも受け取れます。愛子さまにとっても記念になる文章ではないかと思います」  20年間、母娘で山あり谷ありでさまざまなことがあった。 「愛子さまの登校が難しくなった時、一緒に付き添って学校へ行ったとか、本当にいろんなことがあったのだと思います。そういう一つ一つの日々に思いを馳せて、ここまで辿りついたのが夢のようだと、そういう意味合いだと解釈しています。雅子さまはもともと人の役に立ちたいという気持ちの強い方だと思われるので、愛子さまにも人の役に立つような人になってほしいという教育もなさってきたでしょう」  愛子さまの成人の祝賀行事は無事に終わった。今後、成人皇族として、公の場に出る機会も増えるだろう。これからは愛子さまの追っかけもあるのだろうか。 「これからあると思いますね。愛子さまを拝見していると、とても清々しい気持ちになります。母親の雅子さまや父親の陛下と一緒にいらっしゃる様子を拝見すると、幸福感に満ちた気持ちになります」   村上さんが初めて皇室の写真を撮ったのは2009年にまでさかのぼる。  横浜市の「こどもの国」に来られた上皇ご夫妻(当時は天皇皇后両陛下)や雅子さま、天皇陛下、秋篠宮さま、秋篠宮家の長女・小室眞子さんら皇室ご一家が遊園地の電車に乗っているところを写真におさめた。 「もともとは、バスケットボールをしている息子を撮りたくて買ったカメラでした。そのカメラで皇室を追いかけるようになりました」  村上さんには夫との間に2人の子供がいて、雅子さまと天皇陛下がご結婚された1993年、ちょうど長男が生まれた。 「雅子さまファンなので、うちの子の名前には雅子さまの『雅』の1文字をいただいてつけました」  今年1月1日の新年祝賀の日は始発電車に乗って、皇居の半蔵門へ行き、雅子さまを待った。 「当時、愛子さまは成年になっていないので、まだティアラがなかったです。また、例年は新年祝賀の日には女性皇族の方はみなさまがティアラをつけていますが、今年はコロナを考慮し、つけていませんでした」  雅子さまもティアラをつけていなかった。 「結局、早朝から待ってもティアラは撮れずじまい。コロナになって、半蔵門前に並ぶところも規制されてしまい、最前列が4人から2人になりました。1月1日は始発電車で行っても最前列は取れず、2列目の場所だったため、写真自体もうまく撮れませんでした」  そこで、2月23日の天皇誕生日は始発電車の前に出発した。 「主人に車で送ってもらい、横浜の自宅を午前3時に出て、午前3時半過ぎに半蔵門に着きました。誰もいなかったですね。そこからずっと寒さに震えながら待っていました。天皇皇后両陛下がお揃いで皇居に入られたのは午前10時過ぎでした。この日は最前列が取れたので、とてもいい写真が撮れました」  村上さんは仕事をしているので、平日はなかなか、皇族の写真を撮るチャンスがない。 「今年のご養蚕、何度かありましたが、6月2日は私の仕事がちょうどお休みで行けました。雅子さまはワゴン車に乗って来られました。明るい表情が印象的でしたね。仕事のない日は行っていますし、今後も撮り続けたい」  車で通り過ぎる姿はほんの一瞬だが、「いい気がもらえる」のだという。  写真のファインダーをのぞいていて、「天皇陛下と雅子さまと仲むつまじい感じでお話されている姿とか、寄り添っている姿がすごく安らぎになりました」。  村上さんとしては愛子さまに女性天皇になって欲しいという。 「女性天皇にぜひなって欲しいです。海外では男女にかかわらず、王様の最初のお子さまが継ぐと決まっている国もありますよね。日本もそうなったらいいと思います。愛子さまには人を引きつけるオーラがあると思うのです。周囲は愛子さまについて行きたいと思うのではないでしょうか」  これからの愛子さま。まだ学習院大学の2年生なので学業優先だが、公務は徐々に増え、国民の期待に応えてくれそうだ。(AERAdot.編集部 上田耕司)

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    開成前校長が語る「算数・数学でつまずきやすい単元」と解消法 3男1女が東大理IIIの佐藤ママも納得

     理数系に苦手意識を持つ人は多い。原因がわかれば、大人でもやり直せる。3男1女が東大理IIIに合格した“佐藤ママ”こと佐藤亮子さんと開成中学・高校前校長の柳沢幸雄さん。教育界のカリスマ2人が語り合った。AERA 2022年1月24日号は「理系を育てる」特集。 *  *  *  3男1女が最難関の東京大学理科・類に合格した“佐藤ママ”こと佐藤亮子さんと、東大合格者ランキング40年連続1位の開成中学・高校で校長を務めた経験がある柳沢幸雄さん(現在は北鎌倉女子学園中学・高校の学園長)の対談は、算数・数学の力を伸ばす方法をめぐって熱を帯びていった。 ──算数・数学や理科に苦手意識を持つ子どもは多いと感じますか? 柳沢:開成高校の場合は全体の約7割の生徒が理系です。残りの3割の文系のうち「数学が苦手」などの消極的な理由によって文系を選択した生徒が半分くらいだと思います。ただ、おそらく一般的には全然違う割合でしょうね。数学が嫌いだから文系を選ぶ生徒はもっと多いはず。 佐藤:そういう印象はありますね。うちの子ども(男子3人)が通っていた灘高校も4分の3は理系なんですが、それは灘の中学入試の算数と理科が難しいので理系が得意な子が集まってくるから。実際、私の講演会にいらっしゃるお母さん方から直接話を聞くと、「子どもの数学嫌いをどうにかしたい」という声はすごく多いです。 ──2019年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)を見ても、理系嫌いが日本の子どもたちの中に根強くあるようです。算数・数学の「勉強は楽しい」「得意だ」と答えた子どもの割合は国際平均を下回っています。 柳沢:教える立場からすると、苦手意識を持たせないようにするのが一番重要です。例えば今は小学校で英語を教えますけど、そこで最も気をつけるべきは英語嫌いを作らないこと。 ■分数は原則を教える 佐藤:でも算数・数学の難しいところは、本当に積み重ねじゃないですか。どこかでつまずくと一気に崩れてしまう。足し算ができなかったら引き算もできないし、九九が苦手だとその後ずっとバタバタしてしまいます。 柳沢:風邪で1週間休んだだけで途端にちんぷんかんぷんになったりね。 佐藤:ちゃんと順を追ってやらないとダメで、九九が苦手なまま小5まできてしまった子に「小数の割り算をやりなさい」と言ってもできないんです。 ──具体的にどの単元でつまずく子どもが多いのでしょうか。 柳沢:分数がポイントだと思います。分数っていうのは割り算の表現ですよね。例えば100分の1は、1÷100のこと。で、分数を分数で割る場合、割るほうの分母と分子をひっくり返して掛け算をしますけど、大人でもその理由をすらすら説明できる人はほとんどいない。あれは「分数の分母と分子に同じ数を掛けても、同じ数で割っても、答えは変わらない」という原則さえ教えればわかるんです。 佐藤:約分や通分もまったく同じ理屈です。 柳沢:はい。あとは小6でやる方程式の移項。プラスとマイナスを反対にするでしょ? あれも「等号の左と右に同じ数を足しても、同じ数を引いても、あるいは全体に同じ数を掛けても、同じ数で割っても、等号は変わらない」という原則さえ理解できていれば迷わない。例えばX-3=8だとして、等号の左と右に3を足すと、X-3+3=8+3。すると左の-3と+3が消えて、結果として移項したことになる。私は小学校の算数はこの2点さえきちんと押さえておけば大丈夫だと思います。 ■ルートでつまずく理由 ──では中高の数学でつまずきやすい単元はどこでしょうか? 柳沢:二つあって一つは√(ルート)ですね。√A+Bは、√が全体にかかっているんですけど、それを√A+√Bにしてしまう子が多い。もう一つは解の公式。あれを自分で展開できるようになると大体の計算はできます。 佐藤:おっしゃるとおり、公式は自分で導き出せないとダメですね。うちの子たちには「公式は暗記するな」と言っていました。単に暗記しただけだと、プラスとマイナスを一つ間違えて覚えたら一巻の終わりですからね。数学が苦手な子に限って「公式を忘れちゃう」って言うけど、自分で導き出せればどこでどう使うのかわかるはずなんです。でも、学校ではそこを丁寧に教えてくれない場合が多い。 柳沢:逆に、中学でやる90度までの三角関数は余計ですよね。高校で一緒に教えたほうがはるかに理解しやすい。 佐藤:つまみ食いみたいなことは本当にやめてほしいですね。つまずきのもとですよ。 柳沢:中高一貫校だと6年間かけて数学を教えるから、そういうおかしなことにはなりづらい。そこはメリットだと思います。 (構成/編集部・藤井直樹)※AERA 2022年1月24日号より抜粋

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    眞子さんのNY目撃談相次ぐ「バイバイと両手で手を振る姿」も キャロライン・ケネディ氏宅へ?

     米ニューヨークで新生活を送る秋篠宮家の長女、小室眞子さんと夫の小室圭さん。ニューヨークに到着した11月14日から、およそ1カ月半を迎えた。眞子さんはニューヨークの街を一人で歩く姿が何度か、海外メディアに写真や動画を撮られてきた。今回はAERAdot.が独自で現地在住日本人の目撃情報をキャッチした。 *  *  * 「街歩きの眞子さんを目撃した」と言うのは、長年の間、ニューヨークに住む50代の日本人男性。12月22日と23日の2回、見たという。  まず22日午後3時から4時頃、場所はマンハッタンにある公園「セントラル・パーク」だ。 「私がちょうど犬の散歩でセントラル・パークの5番街辺りにいました。眞子さんに何となく似たシルエットの女性がペディ・キャブ(自転車タクシー)の男性運転手と話していたので、しばらく様子を見ていました」  その女性は男性運転手と10数分間、立ち話をしていたという。 「女性が立ち去った後に男性運転手に聞いたら、『彼女から道を聞かれた。(自宅のある)西の方へ行きたいと言っていた。マコと名乗っていた』と話してくれました。ちょうど、その地点から西へ抜けると、ダコタ地区。ジョン・レノンの妻のオノ・ヨーコさんの住まいでも知られています。その周辺を通って、ご自宅のあるヘルズキッチンへ向かったのではないでしょうか。女性は帰り際に茶目っ気たっぷりに両手でバイバイと別れの挨拶をしていました」 ■水色のハンドバッグを肩からかけて  翌23日にも、眞子さんとおぼしき女性をパーク・アベニューで目撃した。 「今度はパーク・アベニューの通りを、眞子さんが歩いていたんです。ちょうど交差点のところで、一緒にいた妻が『あっ、眞子さんじゃない』と言ったので、パッと見たら彼女と目が合ったんですよ。1メートルくらいの近さでした。眞子さん一人でしたね。その後、足早に自宅のある方向へ歩いていきました」  この日本人男性はとっさにスマホで撮影。それを見ると女性は長い髪、黒いコート、水色の長い紐のハンドバッグ、紙袋を持って歩いていた。英デイリーメールが12月25日に報じた、眞子さんの数枚の写真と酷似していた。  デイリーメールによれば12月23日、眞子さんはクリスマスの贈り物が入っていると見られる紙袋を持って、1人でニューヨークの街を歩いていたと、数枚の写真入りで報じた。その時、紐の長い水色のハンドバッグを肩からかけていた。  同紙によると、眞子さんはアッパーイーストサイドに住まいがある米国外交官のキャロライン・ケネディさんが住む高級アパートを訪れたという。キャロラインさんの住まいは2500万ドル(約28億5000万円)する住まいであることが知られていて、眞子さんは午後1時から約3時間滞在したという。前出の日本人男性が目撃したのは同日午後4時頃。眞子さんが用事を済ませ、帰路につく時間帯だった。 ■キャロラインさんとの交流  また、同紙によれば眞子さんはキャロライン・ケネディさんが住むアパートに入ったが、「キャロライン氏宅を訪ねたかは不明」としている。  キャロラインさんは今年秋の叙勲で、「旭日大綬章(きょくじつだいじゅしょう)」を授賞。12月8日には、ニューヨークの総領事・大使公邸で叙勲伝達式が行なわれた。  皇室ジャーナリストの神田秀一氏はこう見る。 「もし、眞子さんがキャロラインさんの自宅を訪れたのなら、叙勲のお祝いをしたかもしれませんね」  キャロラインさんは暗殺された元大統領のジョン・F・ケネディさんの長女。キャロラインさんは80年にメトロポリタン美術館に勤務。美術館勤務中の86年に結婚、1男2女をもうけた。日本にとっておなじみになったのは、オバマ政権下の2013年11月から17年1月まで、女性として初の駐日大使を務めたことから。当時、外相だった岸田文雄首相とも交流があったという。  バイデン大統領は12月15日、キャロラインさんを新しいオーストラリア大使に指名、今後、上院での承認が得られれば正式に就任する。 「キャロラインさんが駐日大使として東京にいた時、眞子さんがもう成年皇族になられていたのがポイントですね。成年皇族であれば、キャロラインさんと会う機会はいくらでもあります。たとえば、1月1日の新年祝賀の儀では全ての海外外交官が皇居に集まりますからね。宮殿にあるすべての部屋を開放して朝早くから午後まで目一杯時間を使って新年を祝います。そこに皇族も出ますから。他にも宮中晩餐会などでも会う機会はあります」(神田氏) ■小室夫妻へのアドバイス可能な人  キャロラインさんは環境保護などに強い弁護士としても活動していたことがある。眞子さんの就職先の一つとして、女性誌はメトロポリタン美術館を上げていたことがある。しかも、夫の圭さんは来年2月に司法試験の再受験を控えている。 「キャロラインさんはメトロポリタン美術館に勤務した経験があるわけですから、もし、眞子さんから聞かれれば、何でも答えられるのではないでしょうか。弁護士資格も持っているので、小室夫妻のどちらにもアドバイス可能な人ですね」(同前)  眞子さんの妹の佳子さまは12月29日、27歳の誕生日を迎えた。眞子さんのしていた公務を引き継ぐ予定だという。  小室圭さんが来年2月の弁護士試験にもしも落ちた場合、早期帰国説も取り沙汰されている。 「ニューヨークにいたいというのが2人の希望。皇室から開放されて、異国の地で過ごそうというわけですから、2人とも、就職先を見つけることが大事。そうしないと長続きしないと思います。お金もない、仕事もないからやっぱり日本に帰るということがないように、進もうとしている道を切り開いて下さい。ニューヨークの冬は厳しいので、お体にくれぐれも気をつけてお過ごし下さい」(同前) (AERAdot.編集部・上田耕司)

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    【ゲッターズ飯田】1月24日の運勢は?五星三心占い「のんびり過ごすのがおススメ」金のインディアン座

     占いは人生の地図のようなもの。芸能界最強の占い師、ゲッターズ飯田さんの「五星三心占い」が、あなたが自分らしく日々を送るためのお手伝いをします。12タイプ別に、毎週月曜日にその日の運勢、毎月5のつく日(毎月5、15、25日)に開運のつぶやきをお届けします。 【タイプチェッカー】あなたはどのタイプ?自分のタイプを調べる 【金の羅針盤座】やる気が出ない感じが続いている人や、よい結果につながっていない人も、「今日からやり直せる」と思って気持ちを切り替えることが大切な日。いまの自分にできることに全力で取り組んでみると、楽しくなってくるはず。 【銀の羅針盤座】すべての意見を通そうとしないで、「1、2割が採用されればいいや」と思って話してみるといいでしょう。遠慮する場面と図太くなるところを使い分けられるようになりましょう。 【金のインディアン座】外出の予定がある人は暖かい服装を心がけ、こまめな休息を忘れないように。予定がない人は、家で映画や動画などを観てのんびり過ごすのがオススメです。できれば昼寝をして、日ごろの疲れをしっかりとりましょう。 【銀のインディアン座】今日と明日は、あまり頑張りすぎず、計画的に行動しましょう。急な予定変更を簡単に受け入れないで、ハッキリ断ることも大切です。心にも体にも疲れをためないようにしましょう。 【金の鳳凰座】余計なことを考えてしまいそうな日。考え事ばかりしているとミスが増えるだけなので、目の前の物事に一生懸命取り組むことを心がけて。また、忘れ物にも気をつけること。 【銀の鳳凰座】「なんでもひとりでやる」のもいいですが、些細なことでも「お願い上手」になることを覚えましょう。お願いすることで信頼関係が生まれて、のちにあなたの人生が豊かになることもあるでしょう。 【金の時計座】仕事運が最高の日。どんな仕事でも本気で取り組み、いまの自分の力を出し切ってみてください。挨拶やお礼を心を込めてすることで、のちに大抜擢される流れをつくれそうです。 【銀の時計座】あなたの成功パターンがうまくハマる日。積極的に行動し、自分の得意な感じに押し切ってみると、恋も仕事もいい流れになるでしょう。今日は、「遠慮はいらない」と思って生活しましょう。 【金のカメレオン座】納得のいかない出来事や裏切りを受けることがありそうな日です。「不運」の一言で片付けず、きちんと原因を探るようにしましょう。体調も崩しやすいので、無理はしないで。 【銀のカメレオン座】自分の目標や目的を忘れないことが大事。「何のために」仕事をしているのか、じっくり考えてみたり、「誰のためなら」頑張れるのか、その人の顔を思い浮かべてみたりするといいでしょう。 【金のイルカ座】時間が少しでもあるときは、スマホを見るのではなく、掃除や片付けをしましょう。気分も運気もよくなるはず。突然の来訪があってもいいように、身の回りをきちんと整え、磨けるところはピカピカにしておきましょう。 【銀のイルカ座】弱点や欠点を突っ込まれてしまったり、雑に扱われてムッとしたりすることがあるかも。今日は、ガッカリする出来事も起きそうなので、過度な期待は禁物です。何があっても平常心で過ごすように心がけましょう。 (『ゲッターズ飯田の五星三心占い2022』より一部抜粋) ※毎週月曜日に占いが届きます!AERAdot.の公式LINEの友達申請はこちら↓↓↓https://lin.ee/trWiCvV

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    数学II・Bが36点でも北大医学部へ 豊島岡女子学園が理系学部に強い秘密は「苦手と感じさせない工夫」

     理系の生徒が約6割を占め、進学先に理工系学部を選択する生徒が多いという私立中高一貫の東京・豊島岡女子学園。学校ではどのような工夫をしているのだろうか。AERA 2022年1月24日号は卒業生や教諭に取材した。 *  *  * 「高校時代、どんなに努力しても数学の成績が上がりませんでした。1997年の(大学入試)センター試験本番も、数学II・Bは36点でした」  北海道大学医学部出身の大西良佳医師(43)は言う。 「国語と社会が得意な文系タイプだったのに、苦手な理系科目を諦めずにいられたのは、切磋琢磨できる仲間がいたから。友人たちが目標を持って頑張っていたので、私も自然と頑張れる環境でした。また、数学や化学が得意な友人も多かったので、理系に対する特別感がなかったこともあると思います」 ■「苦手を感じさせない」  出身校は私立中高一貫の東京・豊島岡女子学園だ。2021年度は全医学部医学科合格者が全国2位で、東京大学合格者は21人。進学先の学部で最も多いのは理工系で33.9%、次が医学の16.5%で、例年、理系の生徒が過半数を占める。竹鼻志乃校長(55)はこう話す。 「21年度は少ないですが、高校3年生における理系の人数比は58%、前年度は67%でした」  世間では「女子は文系、男子は理系」のイメージがある。実際に、東京大学とベネッセ教育総合研究所の18年の調査(小中高生約1万人が回答)で、理系だと自認する高校1年男子は49.5%に対して、高校1年女子はわずか26.5%だった。  竹鼻校長はこう話す。 「特別なことはしていませんし、理系を増やそうと意識したわけでもありません」  ただ、ある工夫をしている。 「生徒に苦手を感じさせないようにしています。質問しやすい環境を作り、つまずきを早期解決できるようにしています。数学の幾何分野では、グループ学習を通して生徒たちが発言しやすい授業をしています」 ■夢を描いて文理決める  同校OGでもある理科の藤野優佳教諭(27)は言う。 「小学生はたいてい、実験に興味があるし、理科が好きです。それが中学、高校となるにつれて難しくなって嫌いになる。そうならないように、中学生の低学年のうちに実験をなるべく見せるようにしています。実験をして、中学受験で覚えた知識が腑(ふ)に落ちるときがある。『あの知識はそういう意味だったんだ』と声が上がります。好奇心を刺激しています」  15年には「T-STEAM」というモノづくりプロジェクトを始めた。初年度は自動車メーカーのホンダと連携して、電磁気力の「クリップモーターカー」を作った。希望生徒が参加し、学年混合のコンテストをして競う。藤野教諭は言う。 「自分事として、自分が持つ知識と経験を総動員させる取り組みは記憶に強く残り、将来に生きていきます」  こうした積み重ねの結果、理系に強い女子校として知られるようになった。「子どもを理系に進ませたい」と相談する親がいたり、入学前から医師志望の生徒がいたりするという。  ただ、やみくもに理系を選ばせない。文理を決める前に、中学では生徒が興味のある卒業生の職場を訪れて、話を聞く機会を設ける。竹鼻校長は言う。 「なりたい職業に医師を挙げる生徒が多いのは、身近な存在だからということもあります。どの診療科がいいか、本当に自分は何をしたいのか、までは考えられていない。そこで現場の医師に会って話を聞くと、自分が将来働くイメージがわきます」  夢を描いてから文理を決める。 「苦手だから理系を諦めようという安易な選択をせずにすみます。自分の夢があるならどの科目も頑張ろうと思えるのです」 (編集部・井上有紀子)※AERA 2022年1月24日号

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    2022年シーズンを制するのは!? 2位予想DeNA、1位は?<セ・リーグ編>

     謹賀新年。新たな1年の始まりに合わせて、2022年のペナントレースを大予想! どこよりも早い順位予想として、今季のセ・リーグ各球団を分析したい。 【1位】阪神  矢野燿大監督体制4年目を迎える2022年。これまで3位、2位、2位とAクラスを続けているが、今度こそ優勝を果たさなければならない。戦力的に見ても、西勇輝、秋山拓巳、青柳晃洋、高橋遥人、ガンケルに伊藤将司が加わった先発陣が非常に強力。懸念は42セーブを挙げたスアレスが退団したことだが、後釜としてケラーを獲得。鈴木勇斗、桐敷拓馬の大卒ルーキー左腕2人も即戦力として期待できる。野手陣では、佐藤輝明、中野拓夢の存在が打線を分厚くしており、梅野隆太郎の残留が大きな後押しになる。ゲーム差なしの5厘差で2位となった2021年。チーム全員が噛み締めたその悔しさを、「17年ぶりの歓喜」で晴らしてもらおう。 【2位】DeNA “番長”三浦大輔新監督の下で挑んだ2021年は借金19の6位だった。だが、4月終了時点(31試合)で借金15を背負っており、5月以降の戦いだけを見れば、十分にAクラス入りが可能なチームだったと言える。投手陣では今永昇太、東克樹の復活が非常に大きく、2年目を迎えるロメロにも上積みを期待できる。野手陣では、牧秀悟が早くもチームの顔となり、森敬斗にもブレイクの予感。課題の機動力をアップできれば、得点パターンも増える。上位進出の鍵はリリーフ陣を再整備できるかどうか。まだ未完成のチームではあるが、勢いに乗れば優勝争いは可能。「2年目の番長」が台風の目となると予想したい。 【3位】ヤクルト  就任2年目で見事なリーグ優勝&日本一を成し遂げた高津臣吾監督。このまま「黄金期」へと突入したいところだが、勝負の世界は決して甘くなく、3年目も「絶対大丈夫」とは言えない。もちろん、力はある。山田哲人、村上宗隆の2人の存在感は非常に大きく、奥川恭伸のさらなる成長も見込める。ただ、選手層は厚いとは言えず、2021年の優勝の要因のひとつには「怪我人が少なかったこと」もある。それ以上に心配なのが、「連覇の難しさ」だ。1990年以降、7度の優勝を果たしたが、連覇は1度(1992、1993)のみ。それ以外の優勝翌年の順位は4位、4位、2位、5位。2022年は、果たしてどうなるか。 【4位】巨人  9月以降に急失速してリーグ3連覇を逃す結果となった2021年のジャイアンツ。若き4番・岡本和真の充実ぶりは頼もしく、高橋優貴、戸郷翔征のさらなる成長も楽しみだが、他の若手陣の台頭が乏しく、原辰徳監督の人材活用術にも限界があるというのが現状だ。さらに、主将の坂本勇人が33歳で、絶対的エースの菅野智之と優勝請負人の丸佳浩が32歳と、主力の高齢化が気がかり。実力者が揃い、戦力値は高い。だが、近年のドラフト、FA補強が成功しているとは言えず、シーズン終盤の失速は単なる“不振”で片付けられないのではないか。新外国人がハマればV奪回は可能だが、現段階ではその道のりは険しい状況にあると言わざるを得ない。 【5位】広島  佐々岡真司監督就任後、5位、4位で迎える勝負の3年目のシーズン。投手では大瀬良大地、九里亜蓮、森下暢仁の先発陣に、守護神・栗林良吏とタレントが揃い、野手では坂倉将吾、小園海斗、林晃汰と若手が台頭し、世代交代が大きく進んでいる。これらの“好材料”がチームをさらに成長させるはずだが、それ以上に大きなマイナスになるのが鈴木誠也のポスティングシステムでのメジャー挑戦だ。6年連続で打率3割&25本塁打&75打点以上をマークしてきた男の穴を埋めるのは簡単ではなく、得点力の低下は避けて通れない。新たな助っ人砲が爆発すればAクラス争いには加われるだろうが、現状では推せる要素が少ない。 【6位】中日  与田剛監督のもとで8年ぶりのAクラス入りを果たしたのも束の間、再びBクラスの5位に沈んだ中日。新たに球団のレジェンド、立浪和義氏を新監督に迎えて新シーズンに挑む。新監督はまず、「強いチームを作る、そして勝つ野球をする。そのためには妥協はしません」と宣言してチームの意識改革に励むが、果たしてそれが結果に現れるかどうかは不透明だ。特に就任1年目で即、結果を出すのは至難の業。投手陣は柳裕也、大野雄大の2人が頼れる存在だが、又吉克樹がFA流出。野手陣では、根尾昂、岡林勇希、石垣雅海、石川昂弥ら楽しみな若手は揃うが、現状では長打力不足の方が目立つ。“立浪改革”に成果が出るのは、もう数年先だと予想する。

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    稲垣えみ子「新年の初トラブル!パソコンの電源が入らないだけで前途多難……」

     元朝日新聞記者でアフロヘア-がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。 *  *  *  正月早々、背筋の凍る体験をした。マイパソコン(マック)が突然、電源に繋(つな)げなくなったのだ。繋いでも反応しないのである。  間の悪いことに、それが発覚したのがパソコンを持ち込んでのリモート講演の仕事の現場で、先方の機転で何とか講演はやり遂げてホッと一息ついたものの、ふと考えれば本当のピンチはここからではないか!  問題が接続機器にあるなら買えば済むが、古いパソコンなので本体に問題がある可能性もある。もしそうならオオゴトだ。修理できるのか、できるとしてもどのくらいお金と時間がかかるのか……いや考えていても答えは出ない。会場を出たその足で、講演スタッフに教わった近くの大型電器店へ駆け込んだ。  アップルストアへ行き、アップルマーク入りの黒服を来たお兄さんに事情を説明するとサッと接続機器売り場へ連れて行ってくれたが、いやもしかして本体に問題がある可能性もありますよネと言うと、あ、それなら修理になります受付はアチラと指差され、そこで黒服の人を捕まえてまた一から事情を説明。すると、予約はされてますかと。いやしてませんが……。「修理受付は予約制で、今日と明日はいっぱいなので明後日以降になります」  なぬっ、受け付けてもらうだけで明後日以降? しかもそれはあくまで受付なのだ、首尾よく修理にこぎつけたとて、正常化するのは天文学的に先のことに思える。  いやいやいや、その間私、どーしたらいーの? だってパソコンが使えなかったら、重要な収入源である原稿書きが一切できないのだ。短い文章(例・アフロ画報)ならケータイで書き送ることもできようが、長文のネット連載となればお手上げである。手書き? いやそんな長いやつ、そもそも手で書いたことない。それにもし必死にやり遂げたとて、それを一体誰が電子データに打ち替えるのか?  パソコンの電源が入らない程度のことで、たちまち路頭に迷いかねない自分に気づいて愕然(がくぜん)とする(つづく)。 稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行※AERA 2022年1月24日号

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    12時間前

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    眞子さんのNY目撃談相次ぐ「バイバイと両手で手を振る姿」も キャロライン・ケネディ氏宅へ?

     米ニューヨークで新生活を送る秋篠宮家の長女、小室眞子さんと夫の小室圭さん。ニューヨークに到着した11月14日から、およそ1カ月半を迎えた。眞子さんはニューヨークの街を一人で歩く姿が何度か、海外メディアに写真や動画を撮られてきた。今回はAERAdot.が独自で現地在住日本人の目撃情報をキャッチした。 *  *  * 「街歩きの眞子さんを目撃した」と言うのは、長年の間、ニューヨークに住む50代の日本人男性。12月22日と23日の2回、見たという。  まず22日午後3時から4時頃、場所はマンハッタンにある公園「セントラル・パーク」だ。 「私がちょうど犬の散歩でセントラル・パークの5番街辺りにいました。眞子さんに何となく似たシルエットの女性がペディ・キャブ(自転車タクシー)の男性運転手と話していたので、しばらく様子を見ていました」  その女性は男性運転手と10数分間、立ち話をしていたという。 「女性が立ち去った後に男性運転手に聞いたら、『彼女から道を聞かれた。(自宅のある)西の方へ行きたいと言っていた。マコと名乗っていた』と話してくれました。ちょうど、その地点から西へ抜けると、ダコタ地区。ジョン・レノンの妻のオノ・ヨーコさんの住まいでも知られています。その周辺を通って、ご自宅のあるヘルズキッチンへ向かったのではないでしょうか。女性は帰り際に茶目っ気たっぷりに両手でバイバイと別れの挨拶をしていました」 ■水色のハンドバッグを肩からかけて  翌23日にも、眞子さんとおぼしき女性をパーク・アベニューで目撃した。 「今度はパーク・アベニューの通りを、眞子さんが歩いていたんです。ちょうど交差点のところで、一緒にいた妻が『あっ、眞子さんじゃない』と言ったので、パッと見たら彼女と目が合ったんですよ。1メートルくらいの近さでした。眞子さん一人でしたね。その後、足早に自宅のある方向へ歩いていきました」  この日本人男性はとっさにスマホで撮影。それを見ると女性は長い髪、黒いコート、水色の長い紐のハンドバッグ、紙袋を持って歩いていた。英デイリーメールが12月25日に報じた、眞子さんの数枚の写真と酷似していた。  デイリーメールによれば12月23日、眞子さんはクリスマスの贈り物が入っていると見られる紙袋を持って、1人でニューヨークの街を歩いていたと、数枚の写真入りで報じた。その時、紐の長い水色のハンドバッグを肩からかけていた。  同紙によると、眞子さんはアッパーイーストサイドに住まいがある米国外交官のキャロライン・ケネディさんが住む高級アパートを訪れたという。キャロラインさんの住まいは2500万ドル(約28億5000万円)する住まいであることが知られていて、眞子さんは午後1時から約3時間滞在したという。前出の日本人男性が目撃したのは同日午後4時頃。眞子さんが用事を済ませ、帰路につく時間帯だった。 ■キャロラインさんとの交流  また、同紙によれば眞子さんはキャロライン・ケネディさんが住むアパートに入ったが、「キャロライン氏宅を訪ねたかは不明」としている。  キャロラインさんは今年秋の叙勲で、「旭日大綬章(きょくじつだいじゅしょう)」を授賞。12月8日には、ニューヨークの総領事・大使公邸で叙勲伝達式が行なわれた。  皇室ジャーナリストの神田秀一氏はこう見る。 「もし、眞子さんがキャロラインさんの自宅を訪れたのなら、叙勲のお祝いをしたかもしれませんね」  キャロラインさんは暗殺された元大統領のジョン・F・ケネディさんの長女。キャロラインさんは80年にメトロポリタン美術館に勤務。美術館勤務中の86年に結婚、1男2女をもうけた。日本にとっておなじみになったのは、オバマ政権下の2013年11月から17年1月まで、女性として初の駐日大使を務めたことから。当時、外相だった岸田文雄首相とも交流があったという。  バイデン大統領は12月15日、キャロラインさんを新しいオーストラリア大使に指名、今後、上院での承認が得られれば正式に就任する。 「キャロラインさんが駐日大使として東京にいた時、眞子さんがもう成年皇族になられていたのがポイントですね。成年皇族であれば、キャロラインさんと会う機会はいくらでもあります。たとえば、1月1日の新年祝賀の儀では全ての海外外交官が皇居に集まりますからね。宮殿にあるすべての部屋を開放して朝早くから午後まで目一杯時間を使って新年を祝います。そこに皇族も出ますから。他にも宮中晩餐会などでも会う機会はあります」(神田氏) ■小室夫妻へのアドバイス可能な人  キャロラインさんは環境保護などに強い弁護士としても活動していたことがある。眞子さんの就職先の一つとして、女性誌はメトロポリタン美術館を上げていたことがある。しかも、夫の圭さんは来年2月に司法試験の再受験を控えている。 「キャロラインさんはメトロポリタン美術館に勤務した経験があるわけですから、もし、眞子さんから聞かれれば、何でも答えられるのではないでしょうか。弁護士資格も持っているので、小室夫妻のどちらにもアドバイス可能な人ですね」(同前)  眞子さんの妹の佳子さまは12月29日、27歳の誕生日を迎えた。眞子さんのしていた公務を引き継ぐ予定だという。  小室圭さんが来年2月の弁護士試験にもしも落ちた場合、早期帰国説も取り沙汰されている。 「ニューヨークにいたいというのが2人の希望。皇室から開放されて、異国の地で過ごそうというわけですから、2人とも、就職先を見つけることが大事。そうしないと長続きしないと思います。お金もない、仕事もないからやっぱり日本に帰るということがないように、進もうとしている道を切り開いて下さい。ニューヨークの冬は厳しいので、お体にくれぐれも気をつけてお過ごし下さい」(同前) (AERAdot.編集部・上田耕司)

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    小室眞子さん「NYの休日」を圭さんと楽しむ姿を海外メディアが相次ぎ「激写」 

     秋篠宮家の長女、小室眞子さん(30)が夫の小室圭さん(30)とアメリカのニューヨークへ旅立ってから1カ月が経過した。  ニューヨークの街はすっかり冬景色。小室夫妻はマンハッタンのヘルズキッチンのマンションに住むが、2人で散歩デートする姿はしばしば目撃されているという。  12月13日には小室夫妻が色違いのセーターでニューヨークの街を散策する姿が米ピープル誌に掲載され、話題となった。小室夫妻の現地での様子が海外メディアに撮影されたのは、11月22日に配信された英デイリー・メール紙以来となる。  眞子さんが一人で日用品を購入するため買い物に出かけた様子や圭さんと散歩するツーショットなどが動画付きで報じられた。デイリー・メールは眞子さんがジーンズにコートのラフな格好で、スーパーでカートを押して買い物をしている姿も報じた。そのカートには「BEDBATH&BEYOND(ベッドバス・アンド・ビヨンド)」と、スーパーの名前があった。  台所、浴室、寝室など、ニューヨーカーが生活雑貨を購入するスーパーだ。小室さんが通うフォーダム大やリンカーンセンターからも近い。店は日本にある「IKEA」や「コーナン」などのホームセンターの雰囲気があるお店だ。 「小室夫妻のお住まいは、マンハッタンの中心街からはちょっと離れているんです。歩いて7~8分くらいのところにもスーパーはありますが、中心街の方へ行くとたくさんスーパーが並んでます」(NY在住の日本人)  同紙によると、眞子さんはベッドバス・アンド・ビヨンドで50個入りのスリムハンガー、ペーパータオル、台所にも使えるオーガナイザー(整理箱)、バスタオルなどをカートに入れながら、スマホも見ていた。その後、現地では真っ赤な的のマークで知られる生活用品大手スーパー「target(ターゲット)」にも寄って買い物をしたという。  帰りにはターゲットの紙袋を手に持ち、両肩に買い物バッグをぶら下げて歩いていた。両手両肩に4個もの買い物バッグを持ちながら、帰り道で迷い、道を尋ねる様子も動画で報じられた。  さらには小室夫妻がヘルズキッチンにある「日系ラーメン店IPPUDO(一風堂)で夫婦仲良くラーメンをすすっていた」(東スポWeb13日配信)という目撃情報も報じられた。  ニューヨークに長く住む、日本人の会社経営者はこう話す。 「ラーメン店の『一風堂』は、小室夫妻のお住まいから歩いて5分くらい。すぐ近くにある日本料理屋さんなので、行かれたのかもしれませんね。私も行ったことがありますが、『一風堂』の店内にはほとんど日本人客はおらず、アメリカ人のお客さんばかりなので、目立たないと思いますよ」  現地のラーメンの相場は日本と比べると高い。 「普通は19ドルくらい。それに税金とチップを合わせたら25ドルくらいになりますので、日本円では3000円くらいですね」  皇室ジャーナリストの神田秀一氏は、眞子さんはオードリ・ヘップバーンが演じた映画「ローマの休日」のアン王女みたいだという。アン王女は滞在中のローマで大使館を抜け出し、一人で市内の市場などでの散策を楽しみ、サンダルを買い、美容室へ行く。 「眞子さんはアン王女のように、自由を満喫しているのでしょう。スーパーの梯子をするなど、買い物が楽しくて仕方がないんじゃないのかな。日本ではショッピングなんて一人ですることはありませんでしたから」  眞子さんがどっさりと買い込んだものについてはこう話す。 「ハンガーを50個というのは、クリーニングに出さずに自分で洗濯して干すためかもしれません。食品がなかったのは、小室さんが仕事終りに、食材を買って帰るのかもしれません。私もニューヨークへ行ったことがありますが、家賃、物価も高いから生活する外国人は倹約する生活を覚えるんですね」(神田氏)  住まいのマンションがあるというヘルズキッチンという場所について、前出のニューヨーク在住の会社経営者はこう話す。 「ひとことでヘルズキッチンと言っても、南は34thストリートから北は59 地区まで広く、いろんなエリアがあります。小室さんの住まいの近くにあるエイトアベニューという場所は、30年くらい前までは男性客に夜のサービスを提供するバーがズラーッと並んでいた。その頃は危ないエリアだったんですけど、2000年以降はジュリアーニ元市長が浄化をしました」    眞子さんは警護なしで身の安全は大丈夫なのか。 「昼は眞子さん一人で歩いていても大丈夫だと思います。危ないのは夜、誰もいない通りは危険です。昼間はどこを歩いても人がいますが、夜の0時過ぎは人がいなくなるので」(同前)  小室夫妻を見かけたという情報が他にもあるのだろうか。 「追いかけているのはマスコミの方だけで、ニューヨークに住んでいる日本人は興味持ってないです。歩いていたとしても何とも思わないんじゃないですかね」(同前)  自由を満喫する眞子さんについて、前出の神田氏はこう言う。 「眞子さんは皇室の新たな1ページを切り開いた。これまでの日本の皇室になかったことです。元皇族という品位を保ちながら、アメリカで自分の人生を歩むんですからね。海外の王室の中で、日本の皇室と一番、似ているのが英王室と思います。新しいことへの対処の仕方、世界の中でどう生きるかなど、英王室は巧みに対応してきた。そういう姿に学んで、眞子さんには巧みに生きて欲しい」 (AERAdot.編集部 上田耕司)

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    【独自】天皇家の和歌御用掛が明かす歌会始の儀の後、両陛下から届いたメモの中身と愛子さまの歌の意味

     愛子さまのデビューとなった歌会始の儀は、久々に皇室の明るいニュースとして人びとを笑顔にした。和歌の御用掛を務める篠弘さんが、両陛下と愛子さまの和歌に隠された意味を解説した。  英国の学び舎に立つ時迎へ開かれそむる世界への窓  今年の歌会始のお題は、「窓」。  愛子さまは、初めて「歌会始の儀」で披講した詠進歌(詩歌を作って宮中や神社などに奉ること)となった。  学習院女子高等科二年生の夏休みに、英国のイートン校の寮に滞在する「イートン・サマースクール」での体験を詠んだ和歌だ。  歴史の重みを感じる建物を前に今、ご自身の体験から世界が開かれようとしている。弾むような気持ちが詠まれている。  イートン校といえば、英国のウィリアム王子やハリー王子も学ぶなど世界の王族が学ぶ名門校だ。 「和歌は個人的な体験だけを詠むと、歌が小さくなってしまいます。愛子さまが選んだ『世界の窓』は、ご自身の垣根を越えて、同世代の若者の前に開かれる可能性や期待感を表現なさったものです」(篠さん)  篠さんが宮内庁御用掛を拝命したのは、平成から令和への代替わりが近づく2018年のことだ。  本来は、天皇陛下や皇族方に直にお会いして和歌の相談を受けること多い。  しかしコロナ禍のいまは、おもにFAXが連絡手段だ。天皇や皇族方より送られてきた和歌に丁重に目を通す。より重みを増すよう、歌の調べが滑らかになるよう、お立場に相応しいお歌に添削をすることもある。  天皇陛下と皇后雅子さまは、どのように和歌を詠むのだろうか。 「天皇陛下と雅子さまは、おふたりで同じ日に、仲睦まじく作っておられるようです」(同)  というのも、いつも同じタイミングで篠さんに和歌を出すのだという。   こんなことがあった。  令和に入って迎えた雅子さまのお誕生日。お祝いに際して行われる月次(つきなみ)歌会のお題を、陛下は篠さんと相談していた。 ところが、なかなか決まらない。篠さんも困っていると、陛下がこう口を開いた。 「雅子に希望を聞いてから決めようと思います」   陛下はお優しくていらっしゃるーー。雅子さまへの愛情がにじむ言葉に、篠さんはこう思った。  歌会始のお題を決めるのは、天皇陛下だ。  まずは、歌会始の5人の選者が過去のお題を参考に、二つにしぼる。  一般の人びとが歌にしやすいか、理解しやすいかといった視点が大切だ。  最終的に決定するのは、天皇の役目だ。  今回、「窓」という題に対して、天皇陛下は次のように歌を詠んだ。天皇陛下が公表した和歌は、御製と呼ばれる。 世界との往き来難(がた)かる世はつづき窓開く日を偏(ひとへ)に願ふ  コロナ禍が収束したその先に、いま大きく落ち込んでいる世界との人々の往来が再び盛んになる日の訪れを願って詠まれた和歌だ。 「結句の第5句目が説明的でなく、真実味が深い」  篠さんは今年の陛下の和歌をそう説明する。 「皇太子でいらしたころは、山の情景をお詠みになることも多くありました。天皇に即位してからは、歌を締めくくる用語として『望む』『祈る』『願う』など、人びとと共にある言葉をお選びになっています」  ことし陛下が詠んだのは1首。ご自身で痛感なさったことが主題であり、お人柄がにじむと感じたという。 「陛下が本格的な作歌活動に入るのはこれからでしょう。令和という時代をどう表現なさるのか、楽しみです」  続いて、皇后雅子さまの御歌。 新しき住まひとなれる吹上の窓から望む大樹のみどり  昨年9月に天皇ご一家は、改装された吹上御所に移った。上皇ご夫妻への感謝とともに、御所から皇居の木々の緑深さを詠まれた。宮内庁のホームページには、そう解説がなされている。  和歌をご指導した篠さんは、「もう少し内なる気持ちが込められた御歌である」と話す。篠さんが、「吹上御所の窓から、けやきの巨樹が見えます」と話したところ、皇后さまは、その光景をお気に召したのだという。しかし、ただ皇居の緑の情景を詠んだ和歌ではないと篠さんは解説する。 「ようやく心身ともに落ち着いて国のために尽くすことが出来る。良い出発となったことへの感謝と、皇后陛下の自己認識が投影されています。和歌でお使いになった『望む』という表現は、単に見るという意味ではない。『しげしげと見渡す』といった実感をともなった言葉です」  結句は「大樹のみどり」と体言止めにした。それによっていっそう、瑞々しさが広がっている話す。  18日、歌会始の儀が終わると、召人や選者など関係者だけで小さな懇談の場が設けられた。  篠さんは他の歌人に、両陛下の今年の和歌は、特に良かったと発言していた。  この日の諸行事が終わったあと、侍従がそばに来た。手には、両陛下からのお言葉を記した紙が見える。  侍従は、書かれた文章を読み上げた。 「褒めていただいて嬉しかった」  記されていたのは、両陛下の素直なお気持ちだ。 「今上陛下として、和歌を詠進なさることに、すこしご緊張もあるのかもしれません。和歌の指南役や儀式に集う歌人から、今上天皇に相応しい一首として評価されたことを心から喜んでおられたのでしょう」  ざっくばらんで人間味あふれるお人柄。それが令和皇室の魅力なのかもしれない。(AERAdot.編集部 永井貴子)

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    小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”【2021年下半期ベスト20】

     2021年も年の瀬に迫った。そこで、AERA dot.上で下半期に読まれた記事ベスト20を振り返る。1位は「【独自】小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”」(9月8日配信)だった。(※肩書年齢等は配信時のまま) 「小室圭さんの実力では無理だと思います」  こう話すのは、全米で「トップ100」と呼ばれる大手弁護士事務所(ビッグロー)のパートナー弁護士のA氏。専門は、海外企業同士のM&Aなど。米国を拠点に世界を飛び回り、収入も桁違い。この姿こそ、小室さんが思い描く将来でもあるようだ。  昨年の秋ごろ、A氏の事務所に、働かせてほしい、と小室さんの「経歴書」のようなレジュメが別の弁護士を通じて届いたという。小室さんは、ニューヨークなど大都市での弁護士の仕事を探しており、ビッグローか、その下の規模のミッドローでM&Aなどをやりたいという。  A氏がそのレジュメを見て思ったのが、冒頭の言葉だ。なかでも、A氏が首をかしげたのがニューヨークのフォーダム大ロースクール(法科大学院)への留学の部分だ。「疑問なのは、彼がLLM(法学修士)のコースに入ったことです。しかも1年学んだ後に、JD(法務博士)コースに編入している。大きな事務所を目指してて、こんな動き方をするなんて聞いたことがない」  LLMとJDというのは、ロースクールでのコース名だ。米国の大学には法学部がなく、弁護士を目指す人は、大学卒業後にJDに入る。ここで3年間学び、事務所に入るのが一般的なパターンだという。  一方、LLMは、法律の資格を持つ外国人留学生が多いといい、「表現として正しいかわかりませんが、キャリアに“箔(はく)をつける”ようなイメージです」。  A氏によると、米国で弁護士となるのに重要なのはJDでの1年目だ。 「米国での就職活動は、2年生の終わりの夏休みで終わります。事務所のサマープログラム(インターン)で働き、その後よほどのことがない限り、その事務所からオファーを受けて就職します。どの事務所のプログラムに入れるかは、1年時の成績で決まります。だから学生の競争も壮絶です。本を隠すなどの足の引っ張り合いもあります。小室さんはその1年をLLMに入っています」  ビッグローのインターンの募集は、ハーバードやエール、コロンビアといった有名大学で公募し、最初の書類選考で成績優秀者に絞り、次の面接で決まる。A氏が言う。 「採用された学生には、1年目から19万数千ドル(2千万円以上)の給与が支払われます。それも5年くらいは半人前で、彼らから利益は出ません。それでも欲しい人材ということなんです。だから相当厳選します。原則でいえば、ビッグローはインターン以外の方法では採用しないです」  チャンスをつかめる学生は、ほんの一握りだ。小室さんは、そもそもLLMに入った時点で、希望するビッグローへの道は閉ざされたといっていい。なぜLLMに入ったのだろうか? A氏が話す。 「こう言っては何ですが、彼の経歴に目を見張るモノはありません。あるとすれば眞子さまのフィアンセという一点。それでも奨学金を取得できたり、JDへ編入したり、弁護士が出てきて仕事を探したり。知恵をつけている人がいるんでしょう」  では、ビッグローは無理でも、M&Aは他でもできるのだろうか? 「米国には約43万の事務所がありますが、M&Aの70%超は『トップ100』が扱っています。小室さんが弁護士として働くにはM&Aにこだわらないことですね。移民法の弁護士などは圧倒的に多い。日本人も多いです。もうからないので人気はないのですが」  そして、こう続けた。 「詳しいことは申し上げられませんが、彼の『経歴書』を見る限り、とても“権威”が好きなんだと思います。M&Aも彼からすれば格好良く見えるんでしょうけど、実際は相当厳しい世界です。パートナー弁護士になるのは10年後くらい。それまで生き残っているのはわずかです。彼がそもそも弁護士という職業に向いているのか……。野心家だと思うので、ベンチャーのような起業家とかが向いているような気がします」 (本誌・矢崎慶一) ※週刊朝日  2021年9月17日号に加筆

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    歌会始で金木犀を詠んだ佳子さまの悲鳴 小室眞子さん思い「悔しくて涙が出た」

     1月18日に「歌会始の儀」が執り行われた。  秋篠宮家の次女、佳子さまが詠進したのは、年頃の女性らしく花を題材にした和歌だった。  窓開くれば金木犀の風が入り甘き香りに心がはづむ  秋のある日にお部屋の窓を開けると、金木犀の香りが風にのって漂ってきた。甘い香りにふれて嬉しい気持ちになったことを詠んだ和歌だ。  穏やかな日常のひとコマだ。  しかし、金木犀の花が開くのは、9月から10月。和歌に詠んだ昨年のこの時、姉の眞子さんの結婚問題は急展開を見せた。  9月に入ると大手マスコミが「結婚が決まった」と国民に周知させるような報道を雨のように降らせ、16日にはNHKが「小室さんの帰国」を報じる。そして10月1日、宮内庁は眞子さんと小室圭さんの結婚を正式に発表した。  佳子さまが金木犀の甘い香りに心を和ませた時期、秋篠宮家は、結婚への非難の矢面に立ち、まさに嵐の真っただ中にいた。  歌会始の儀の関係者のひとりは、和歌を詠んだ佳子さまの心の内をこう推し量る。 「お姉さまの眞子さんの結婚問題が進むことに安堵すると同時にこみ上げるのは、結婚して家を離れてしまうという現実です。そうした佳子さまの寂しさが金木犀の香りによって癒されたというお気持ちがにじむお歌です」  和歌の最後の「はづむ」という表現からは、自らの気持ちを奮い立たせるような決心が伝わる、と話す。   佳子さまは、姉の眞子さんの結婚を応援し見守り続けてきた。  眞子さんが結婚の日を迎えた10月26日。  眞子さんは、赤坂御用地で家族と最後の時間を過ごし、結婚会見を行うホテルグランドアーク半蔵門に向った。  宮邸を出発する眞子さんを、秋篠宮ご夫妻と佳子さまが見送った。  お別れの場面で佳子さまは、両腕をいっぱいに広げて姉を抱きしめた。テレビで流れたその光景は、見る人の心を打った。  このときの「ハグ」について秋篠宮家に詳しい人物は、こう振り返る。 「佳子さまは、母の紀子さまや姉の眞子さん、そして皇室に激しい批判を浴びせるマスコミについて、強い警戒心をお持ちです。報道に端を発した情報がSNSなどで一人歩きをし、眞子さまへの批判が雪だるま式に膨れ上がった。批判に傷ついた姉の眞子さんが複雑性PTSDと診断される過酷な状況が続いた。そのなかで佳子さまは、どうすればマスコミや『情報』と上手く共存出来るか、という戦略的な思考を養ってゆかれたのでしょう。あの日の、『ハグ』ーー。あれは、印象的な場面が人びとに伝わるように、と意図してなさったものだそうです」  姉を「ハグ」し見送ると、佳子さまはすぐに会見場であるグランドアーク半蔵門に向かった。会見の間は、ホテルで待機して姉を精神的に支えた。佳子さまは、姉を応援すると決めて、その姿勢を貫いた。  そして11月、眞子さんと小室さんは米国に出発した。  佳子さまは、大切な姉が民間人として第2の人生を静かに送ることを心から願っていた。  批判と喧噪渦巻く日本から逃れて、新天地で静かな暮らしが始まるはずだった。  だが、米国の地を踏んでも眞子さんは執拗に追いかけまわされた。  英タブロイド紙のデイリー・メールは、小室夫妻がニューヨークに到着した昨年11月14日には、2人の新居を建物が判明するような写真を付けていち早く報じた。  日本の雑誌メディアも街を歩くふたりを追いかけ写真を掲載した。  デイリー・メールの他に、いくつかのメディアがそれに続いた。  眞子さんがタオルなど日用品を買い物する動画もオンライン記事で流された。  クリスマスには、高級住宅が立ち並ぶニューヨーク・アッパー・イースト・サイドにあるキャロライン・ケネディ元駐日大使の自宅があるアパートに立ち寄った様子も撮影された。  民間人として新天地で暮らしても新居を暴かれ、日常生活を盗み撮りされて動画をさらされる。  そんな光景を目にした佳子さまは、こう口にしていたという。 「姉が気の毒で、悔しくて涙が出た」  2月下旬には、小室圭さんのニューヨーク州の司法司法試験への2度目の挑戦が予定されている。  合否が判明するのは4月から5月と見られる。  日本のみならず、英米のメディアからの注目が再び集まるだろう。  佳子さまの願い通り、眞子さんが静かに暮らせる日は、もうすこし先になりそうだ。 (AERAdot.編集部 永井貴子)

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    開成前校長が語る「算数・数学でつまずきやすい単元」と解消法 3男1女が東大理IIIの佐藤ママも納得

     理数系に苦手意識を持つ人は多い。原因がわかれば、大人でもやり直せる。3男1女が東大理IIIに合格した“佐藤ママ”こと佐藤亮子さんと開成中学・高校前校長の柳沢幸雄さん。教育界のカリスマ2人が語り合った。AERA 2022年1月24日号は「理系を育てる」特集。 *  *  *  3男1女が最難関の東京大学理科・類に合格した“佐藤ママ”こと佐藤亮子さんと、東大合格者ランキング40年連続1位の開成中学・高校で校長を務めた経験がある柳沢幸雄さん(現在は北鎌倉女子学園中学・高校の学園長)の対談は、算数・数学の力を伸ばす方法をめぐって熱を帯びていった。 ──算数・数学や理科に苦手意識を持つ子どもは多いと感じますか? 柳沢:開成高校の場合は全体の約7割の生徒が理系です。残りの3割の文系のうち「数学が苦手」などの消極的な理由によって文系を選択した生徒が半分くらいだと思います。ただ、おそらく一般的には全然違う割合でしょうね。数学が嫌いだから文系を選ぶ生徒はもっと多いはず。 佐藤:そういう印象はありますね。うちの子ども(男子3人)が通っていた灘高校も4分の3は理系なんですが、それは灘の中学入試の算数と理科が難しいので理系が得意な子が集まってくるから。実際、私の講演会にいらっしゃるお母さん方から直接話を聞くと、「子どもの数学嫌いをどうにかしたい」という声はすごく多いです。 ──2019年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)を見ても、理系嫌いが日本の子どもたちの中に根強くあるようです。算数・数学の「勉強は楽しい」「得意だ」と答えた子どもの割合は国際平均を下回っています。 柳沢:教える立場からすると、苦手意識を持たせないようにするのが一番重要です。例えば今は小学校で英語を教えますけど、そこで最も気をつけるべきは英語嫌いを作らないこと。 ■分数は原則を教える 佐藤:でも算数・数学の難しいところは、本当に積み重ねじゃないですか。どこかでつまずくと一気に崩れてしまう。足し算ができなかったら引き算もできないし、九九が苦手だとその後ずっとバタバタしてしまいます。 柳沢:風邪で1週間休んだだけで途端にちんぷんかんぷんになったりね。 佐藤:ちゃんと順を追ってやらないとダメで、九九が苦手なまま小5まできてしまった子に「小数の割り算をやりなさい」と言ってもできないんです。 ──具体的にどの単元でつまずく子どもが多いのでしょうか。 柳沢:分数がポイントだと思います。分数っていうのは割り算の表現ですよね。例えば100分の1は、1÷100のこと。で、分数を分数で割る場合、割るほうの分母と分子をひっくり返して掛け算をしますけど、大人でもその理由をすらすら説明できる人はほとんどいない。あれは「分数の分母と分子に同じ数を掛けても、同じ数で割っても、答えは変わらない」という原則さえ教えればわかるんです。 佐藤:約分や通分もまったく同じ理屈です。 柳沢:はい。あとは小6でやる方程式の移項。プラスとマイナスを反対にするでしょ? あれも「等号の左と右に同じ数を足しても、同じ数を引いても、あるいは全体に同じ数を掛けても、同じ数で割っても、等号は変わらない」という原則さえ理解できていれば迷わない。例えばX-3=8だとして、等号の左と右に3を足すと、X-3+3=8+3。すると左の-3と+3が消えて、結果として移項したことになる。私は小学校の算数はこの2点さえきちんと押さえておけば大丈夫だと思います。 ■ルートでつまずく理由 ──では中高の数学でつまずきやすい単元はどこでしょうか? 柳沢:二つあって一つは√(ルート)ですね。√A+Bは、√が全体にかかっているんですけど、それを√A+√Bにしてしまう子が多い。もう一つは解の公式。あれを自分で展開できるようになると大体の計算はできます。 佐藤:おっしゃるとおり、公式は自分で導き出せないとダメですね。うちの子たちには「公式は暗記するな」と言っていました。単に暗記しただけだと、プラスとマイナスを一つ間違えて覚えたら一巻の終わりですからね。数学が苦手な子に限って「公式を忘れちゃう」って言うけど、自分で導き出せればどこでどう使うのかわかるはずなんです。でも、学校ではそこを丁寧に教えてくれない場合が多い。 柳沢:逆に、中学でやる90度までの三角関数は余計ですよね。高校で一緒に教えたほうがはるかに理解しやすい。 佐藤:つまみ食いみたいなことは本当にやめてほしいですね。つまずきのもとですよ。 柳沢:中高一貫校だと6年間かけて数学を教えるから、そういうおかしなことにはなりづらい。そこはメリットだと思います。 (構成/編集部・藤井直樹)※AERA 2022年1月24日号より抜粋

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    女子御三家・桜蔭中高が制服に「スラックス」を採用した理由とは? 「想定外の反響」と校長語る

     男子はズボン、女子はスカートという制服の“常識”が変わりつつある。「性別に関係なく制服を選びたい」という生徒の声に応え、女子生徒の制服にスラックスを採用する学校が出てきているのだ。そんななか、創立からまもなく100年を迎える伝統ある女子校、桜蔭中学校高等学校(東京都文京区)が昨年、スラックスの採用を決めた。全国有数の進学校として知られ、由緒ある制服を誇りにしてきた同校でスラックス採用に踏み切った背景について、同校の校長、教頭に話を聞いた。 *   *   * 近年、女子生徒がスカートかスラックスを選べる制度を導入する学校の動きが加速している。その理由は、防寒対策や痴漢被害の防止、自転車通学者への配慮などさまざまだが、最大の目的は、「制服のデザインが身体的な性別に基づいたものなので着るのが苦痛」という、学校生活のなかで息苦しさを感じているトランスジェンダーの生徒たちの声に応えたものだ。  だが東京都内を例にとると、私立女子中学校・高校約150校のうち、スラックスを採用する学校はまだ十数校と、少数派だ。  桜蔭中学校、高校の制服は、これまで夏服・冬服ともにスカートのみだった。そこに新たにスラックスを選択できるようにしたのは昨年秋だ。 「スラックスを採用して制服の選択肢を増やせたことは、私たち教員もよかったと思っていますけれど、それ以上に生徒の反応が大きくて驚きました」  齊藤由紀子校長はこう話す。  昨年9月、学校はスラックス制服の申し込み受け付けを開始。齊藤校長は当初、「申し込むのは1クラスに1、2人かなとか思っていた」というが、ふたを開けてみると、全校生徒の約1割、140人あまりが申し込んだという。なかなか生産が間に合わず、スラックスが生徒の手元に届いたのは、昨年11月をすぎてからだった。  さらに想定外だったのは、学校外からの反響だ。 「進学塾の先生は、『まさか』と思ったのでしょう。『スラックスを採用すると聞きましたが、本当ですか?』と、お問い合わせをいただいたりしました。また、卒業生がとても喜んでくれました。彼女たちの感覚からすると『すごく進んだことをやった』と受け止めてくれて。『母校が時代とともに変化したことについて、たいへん誇りを感じています』と、年賀状をいただいたりしました。でも、私たちからすると、そんなに大きなことだったかな、という感じなんですけれど」 ■制服の原型は大正モダン  桜蔭の創立は大正時代の1924年。当初、同校には制服がなかったという。 「関東大震災のすぐ後にがんばってつくった学校なので、最初は制服がなかったんです。開校後しばらくして、制服を決めようということになりました」  齊藤校長が見せてくれた写真には、歴史の教科書で目にするような大正モダンな帽子をかぶった女学生の姿が木造校舎を背景に写っている。「ハイカラ」にみえるが「当時は生徒にはとても不評だったみたいです」という。 「オシャレなんですけれど、この位置のひもが結びにくいんですよ。ちょっとお腹の下で」と言いながら、齊藤校長はジャンパースカートのウエストよりも低い位置にあるひもを指さす。 「大正末期から昭和初期は『モボ』『モガ』の時代。この『ローウエスト』がとってもはやったようです」 「モボ」「モガ」というのは「モダンボーイ」「モダンガール」の略称で、当時はまだ珍しかった洋装のファッションが一世を風靡した。その特徴の1つが「ローウエスト」で、同校の制服もそれを取り入れたものだったという。 ■初代校長から受け継がれる伝統  桜蔭の制服が現在のかたちになったのは、戦後間もない1949(昭和24)年のことだという。 「昔の制服はジャンパースカートとブラウスだけで、冬は教室の中でも寒かったので、上着がほしいという生徒の希望を取り入れました。不評だったローウエストを通常の位置に直しました。ウエストのひもの結び方は片方だけ輪があって、リボン結びとは違うんです。初代校長の後閑キクノは宮中に多少ながらご縁があり、香淳皇后のご教育係をしておりました。そのときの袴のひもの結び方なんです。それはいまも変わりません」  伝統の制服に新たな選択肢が加わったのは、このとき以来70余年ぶりということになる。  小林裕子教頭は、従来の制服について、「由緒ある制服なので、歴史的な意味があります」と前置きしたうえで、「どうしてもズボンをはきたいという生徒がいる以上、それを作るべきだという気持ちがありました」と打ち明ける。 ■制服を増やさない理由はなかった  スラックスを導入した直接のきっかけは、コロナ禍だった。  2020年3月、新型コロナウイルスの拡大防止策として「全国小中高等学校等の一斉休校措置」がとられた。その後、同校では分散登校が行われたが、その際、保護者から「学校から帰宅したら、着ていた服をすべて洗濯したい」という強い要望が寄せられた。そのため学校は、白いポロシャツとズボンであれば、私服で登校することを期間限定で許可した。 「ところがその期間が終わっても、スカートに戻るのはもう嫌だと、強い気持ちを持つ生徒がいたんです。だからといって制服がある以上、それを許すわけにはいかない。私たちもつらかった。しかし、現実的にスカートをはくことに抵抗ができてしまった人がいる以上、スラックスを選べるようにしてもいいんじゃないか、という話になりました」(小林教頭)  齊藤校長は、こう話す。 「その子が制服を選べることによって、安心して学校に来られるなら、そのほうがずっといいですよね。ですから、制服の選択肢を増やさない理由はなかったわけです」 ■検討からたった2カ月で受注開始  学内でコンセンサスを得るのに十分な時間をかけたうえで、具体的にスラックス導入に向けて動き出したのは昨年7月。 「制服の業者さんに相談したら、桜蔭のジャケットは丈が長めなので、それをスラックスと合わせて『第一礼装』とすることも可能じゃないかとご提案いただいて。やってみたら、案外よかった。要するに、あまり大きな変更をせずに、制服を選べるようにできることがわかった。それからは早かったですね」  スラックスの検討を始めてから生徒から受注を開始するまでたった2カ月と、その動きはスピーディーだった。 「生徒たちはとても実利的で、暖かくていいからとか、小学生のときにずっとズボンをはいていたからとか、多少行儀悪くしても目立たないからとか、さまざまな理由でスラックスをはいている。そのなかで、スラックスに特別こだわりのある生徒が際立った存在にならずにすんだのはとてもよかったと思います」(齊藤校長)  スラックスを選んだ生徒が特に多かったのは、これからの在校期間が長い中学低学年の生徒だという。今後、スラックス率は年々高まりそうだ。  ちなみに、スラックスとベスト、夏用のジャンパースカートは家庭での洗濯が可能で、冬用の制服もウォッシャブルな生地に切り替え中という。「制服に対する時代の要請というのは、『多様性』への対応だけではなくて、『清潔』ということも含めてですね」(齊藤校長)  今春にはスラックスをはいた生徒たちが初めて入学式を迎える。 「保護者には、ジャンパースカートとスラックス、どちらも正式な制服です、とお伝えしています」(小林教頭)  いま、社会ではトランスジェンダーが直面する壁を取り除こうとする動きが進んでいる。多感な青春時代を過ごす学校で制服の悩みが減ることも、当事者にとっては大きな福音だろう。桜蔭中学校高等学校の英断にエールを送りたい。(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

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    大病乗り越えたが後遺症が…「どう生きていくべきか」自分を見失った46歳女性に、鴻上尚史が「半分無茶を承知で」勧めたいこと

     大病を経て回復したが後遺症があり、仕事や家事を満足にこなす体力も無くなったという46歳女性。「これから何を頑張って、何を楽しみに生きていけばいいのか」と苦しむ相談者に鴻上尚史が「半分無茶を承知で」勧めたいこととは。 【相談130】大病を経て、運よく回復できたが後遺症もあり、どう生きていけばいいのか分からなくなりました(46歳 女性 なお)  昨年(2020年)、病気で大きな手術をしました。  主治医には5年生きられないかもしれないと言われていましたが、腫瘍を取り除く手術をしたところ、余命は気にしなくてよい(5年以上生きられる)状態になりました。とても運良く回復できたということらしいです。  とはいえ、元通りの体に戻ったわけではなく、後遺症でご飯を今までの半分も食べられない体になり、傷あとの違和感や痛みもあります。  病気の前みたいに仕事や家事を満足にこなす体力も無くなりました。休日に友達とライブに行ったりすることも無くなり、疎遠になりつつあります。私はこれから何を頑張って、何を楽しみに生きていけばいいのか分からなくなりました。  一度は5年以内に死ぬことを覚悟したのだから、なんでもできるという根性論でもないし、「このために生き残った」というようなドラマも今のところありません。ただ、気の抜けた自分がいるだけです。  自分を見失ったとき、どうやって生きていけばいいのでしょうか。 【鴻上さんの答え】 なおさん。余命を気にしなくてもよくなったんですね。素晴らしいじゃないですか。でも、自分を見失ってしまったんですね。  体調はどうですか? 体調が悪いと、なかなか気力がわかず、なにもかも嫌になりがちですよね。  でも、体力を完全に回復する、ということが難しい場合は、どうしたらいいか、ということですよね。  なおさんの文章を読むと、「生き延びた」喜びより「元通りの体にならなかった」嘆きの方が大きいと感じます。  話は変わるんですが、身の回りの70歳を越した人と話していると、「体が自分の体じゃない」とか「自分でも考えられないぐらい体力が落ちている」「体のあちこちが痛い」なんてことを言う人が多いです。  ただ、そのことを「まあ、年を取るというのはそういうものだ」と受け入れながらボヤく人と、「絶対におかしい。もうダメだ」と悲しみながらグチる人に分かれます。  簡単に言うと、「前向きなお年寄り」と「後ろ向きなお年寄り」の違いです。どちらも病院に行くし、体も大変なんですけどね。  なおさん。ですからここはひとつ、「後ろ向きな病後の人」じゃなくて、「前向きな病後の人」になるのはどうでしょうか。  体が元通りにならなくて、食事量が半分になり、傷あとの違和感や痛みもあって、充分な体力が無くなった時に「もう終わりだ。なにもやる気が起きない」と考えるのではなく、「それでも、死なないで生き延びたんだ。生きてりゃ、なんとかなるだろう」と考える人になるということです。 「そんな無茶な」と思いましたか? 僕も半分、無茶を承知で言っています。それは、残酷なようですが、なおさんの体が完全に以前の状態に戻る可能性が低いからこそ、こう考えるのがいいと思っているのです。  高齢者の人にとって、自分の健康状態とか体力、筋力が時間と共に劇的に回復・向上する、ということはなかなか望めないことでしょう。時間は、さらに状況を悪化させる方向に導くことが多いでしょう。だから単純に「もうダメだ。未来がない」と「後ろ向きなお年寄り」になることは簡単だと思います。でも、周りを見れば「だんだんと劣化してくる。それが人間。でも、嘆いてもしょうがないことは嘆かない」と毎日を充実させて生きようとしている「前向きなお年寄り」も大勢います。  ですから、体調が完全に戻らなくても「後ろ向きな病後の人」ではなく「前向きな病後の人」になるのがいいんじゃないかと考えるのです。 「前向きな病後の人」になると、気持ちに余裕が生まれてくると僕は思います。  そうすると、少しずつ、毎日の生活のいろいろを感じることができるようになります。「このために生き残った」なんていうドラマじゃなくて、「このコーヒー、美味しい」とか「青空が気持ちいい」とか「みかんが甘い」とか「この花、きれい」とか「この曲、素敵」なんて小さな喜びを意識できるようになると思うのです。それは、もし、腫瘍が悪化して亡くなっていたら、経験できなかった、小さな、けれど大切な喜びだと思います。  自分を見失った時、自分を導く大きなものを求めがちです。でも、大きなものが見つからないからといってすべてをあきらめるのではなく、毎日の小さな喜びは、充分、なおさんの生活を変えていく力になるんじゃないかと僕は思います。  それでね、なおさん。前向きになっても、なおさんは「前向きな病後の人」です。そこは、友達に伝える必要があると思います。高齢者は見た目で分かりますから、「前向きなお年寄り」の素敵さや素晴らしさを、周りは理解します。でも、「病後の人」はなかなか分かりません。まず、なおさんが、自分自身が病後の人であることをちゃんと受け入れて、友達と「以前のような無茶なスケジュールの旅行やドライブは行けなくなった。でも、私が参加できるスケジュールの時にはぜひ一緒に遊びたい」と伝えるのがいいと思います。  小さな小さな喜びを、日々重ねていくこと。それが生きる意味だと考えるのは、とても素敵なことだと思うのです。なおさん、どうですか? ■本連載の書籍化第3弾!『鴻上尚史のますますほがらか人生相談』が発売中です!

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    理数系の力を伸ばすために「12歳までにすべきこと」 3男1女が東大理IIIの佐藤ママ×開成前校長・柳沢幸雄

     算数・数学に苦手意識を持たせず、楽しめる子を育てるにはどうすればいいのか。子ども3男1女が東大理IIIに合格した“佐藤ママ”こと佐藤亮子さんと開成中学・高校前校長の柳沢幸雄さん(現在は北鎌倉女子学園中学・高校の学園長)。教育界のカリスマ2人が語り合った。「理系を育てる」特集したAERA 2022年1月24日号から。 *  *  * ──算数・数学の力を伸ばすために、親としては何を心掛けたらいいでしょうか? 佐藤:まずは小1のスタートダッシュをきちんとすること。理想は小学校に入る6歳までに1桁の計算ができるようにしておいたほうがいいです。「4足す7は?」と聞いて反射的に答えられるくらいに。あと、うちの子たちにはずっと「ノートを広々と使いなさい」と言ってきました。計算問題であれば1ページにつき3題、文章問題であれば1ページにつき1題。そうすれば問題の下の広いスペースを使ってゆっくり考えることができます。 ■「検算しやすい」と説明 柳沢:手を動かして紙に落とすのはすごく大事ですね。人間って頭の中で考えているだけではわからないから。開成の入試でも部分点を重要視していて、いわば解答用紙の余白に書いてあることを好意的に見るわけです。なぜ書くことが必要なのかと疑問を持つ子には「検算しやすいから」という実利的な説明をするとやる気が出ると思います。 佐藤:それから、学校にすべてをお任せするのではなく、親が教科書と宿題をもっと見てあげてほしい。教科書がわかりにくいがために勉強についていけないケースもあると思います。 柳沢:もしつまずいてしまったら、2学年前の問題集のなるべく薄いものを買って解いてみるといい。どこで自分がつまずいたのか確かめることができます。 佐藤:同感ですね。そうやって勉強し直すときは、問題集の最後のページまで早くたどり着くことがやる気を保つコツです。例えば偶数の問題だけを解くとか、10問飛ばしでやるとかして、とにかく全体を何回も繰り返す。そうすることで、理解するというよりも見慣れるんです。 柳沢:そしてぜひやってもらいたいのは子どもを褒めること。点数に対してではなく、その子が以前と比べてどう進歩したかを具体的に褒めてあげるんです。 佐藤:「この前は5問しか解けなかったけど、今回は同じ時間で10問も解けたね。すごいね」みたいな褒め方がいいですよね。やはり子どものことをよく見てあげることが大事。 柳沢:あとね、子どもにとってしゃべることは最大の復習なんですよ。どうやって問題を解いたのかを論理的にしゃべろうとすると、すごく脳を使うから。 ■12歳までに計算の訓練 佐藤:算数を日常のものと結び付けてあげることも効果的です。「重さ50グラム」とか「1キログラム」って言われても子どもはあまりピンとこない。でも、砂糖だとこのくらいだよと言うとすっと覚えられる。 柳沢:私は小さい頃、体が弱くて寝てばかりいたんですが、小学校に入る前には九九を知っていたんです。なぜかというと、天井に縦九つ、横八つのラインがあって、そのマス目を毎日数えていたから。ただ、8×9までしかなかったから、小学校の九九の授業で「9の段があったのか!」と驚きました(笑)。 佐藤:私は「算数が楽しい」と思えるかどうかの究極のところは、1桁の足し算が瞬時にできるかどうかだと思っています。それが勝負の分かれ目。算数が苦手な子は、そこに行き当たることが多い。私は4人の子どもを育てて、12歳までの計算の訓練が大事だなと痛感しました。 柳沢:そこを重視するのがアジアの教育の特徴です。例えばアメリカの小学校では、九九を強制的に覚えさせることはしない。 佐藤:確かにアメリカの教育に詳しい方と話をすると、「九九なんて全部覚えなくても、3の段か4の段ぐらいまで覚えておけばどんな計算でもできる」って言いますよね。そうかもしれないけど、便利なんだから9の段まで覚えればよくない?って思っちゃうんですけど。 柳沢:覚えることは頭の無駄遣いだと考えられているんです。 佐藤:でも、インドなんかでは2桁×2桁まで覚えさせているし、九九を覚えることが後々になって数学的な想像力を邪魔するかと言ったら、そんなことはないと思うんですよ。 柳沢:九九についてだけいえば私もそう思います。ただ、算数・数学嫌いというものがこれほど明確に日本の子どもたちの意識の中にあることは、しっかり考えないといけない。アメリカ人にはほとんどいないですから。 ■入学試験の問題の傾向 ──日本の子どもの算数・数学嫌いの原因は何でしょうか? 柳沢:日本の場合、学校で教えるものを何によって決めているかというと、入学試験の問題の傾向なんです。形式的には学習指導要領に基づいて決められていますけど、実態はそうではない。一時期、入試問題に難問奇問がよく出題されましたけど、ああいうものも含めて「入試問題の傾向がこうだから、それに合わせて勉強しましょう」というのが日本の教育なんです。いわば本音と建前みたいな部分で子どもたちがアップアップしているところはあると思います。 佐藤:だから私は文部科学省にもっとしっかりしてほしいと思います。環境問題など未来のことをみんなで考えていかなきゃいけないのに、いつまでも教育が変わらないのはおかしいです。 ──21年度から早稲田大学政治経済学部の一般選抜で数学(数学I・数学A)が必須化されたことが大きな話題となりました。 佐藤:すごくいいことだなと思います。これからの時代は文系でも情報処理能力が必要だし、表やグラフを見て分析する力も大事。そうやって入試の段階で「うちの大学はこういう学生がほしいんだ。こんな人材を育てるんだ」というビジョンを示してくれれば、それに向けて子どもたちも頑張ります。そして大学に入ったら文系・理系に関係なく、融合した知識を身につけて視野を広げてほしい。 柳沢:私もこれからの時代は理系も文系もともに重要だと思います。例えば電気自動車にしても技術が高いだけではダメで、さまざまな交渉を重ねながら国際規格にのせないといけない。「失われた30年」と呼ばれる経済の低迷から回復するためには、理系嫌いを作らない教育の形が求められると思います。 >>【前編はこちら】開成前校長が語る「算数・数学でつまずきやすい単元」と解消法 3男1女が東大理IIIの佐藤ママも納得 (構成/編集部・藤井直樹)※AERA 2022年1月24日号より抜粋

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    36歳キャリア妻のモラハラ懺悔 夫の仕事にダメ出し「私のほうが何倍も優秀」と説教が止まらない

     妻から夫へのモラハラ被害が深刻化している。女性の社会進出に伴い、男性が加害者、女性が被害者という構図がかわりつつあるのだ。ジェンダーの問題ともいいきれなくなってきている。どのような意識なのか。今回は、夫にモラハラ行為をしてしまった女性の告白から、夫婦間のモラハラを考える >>【夫の布団を廊下に出す、モラハラ妻の非情な仕打ちを43歳男性が告白 「無視しないでくれ」懇願にも冷たい目】より続く *  *  *「夫のぐちを友人に話していたら、『それってモラハラじゃない?』と言われて、ハッとしました」  東京都在住の会社員、Cさん(36)。現在、共働きの夫婦二人暮らしだ。若くして管理職に抜擢されるなど、職場での人望も厚く、仕事も順調。結婚時には夫と同等の収入だったが、昇進を機に、夫より稼ぎがぐっと増えた。家事は一応、分担制ということにしているが、実質の負担はCさんが8割、夫が2割といったところだ。それでも「家事は仕事の息抜き」だと楽しめる器用なCさんにとって、生活に特に不満はなかったという。  その気持ちに陰りが見え始めたのが、新型コロナウイルスの感染拡大で、夫婦ともに自宅でのリモートワークが始まったころからだ。リビングで夫婦肩を並べて仕事するのは新鮮で、最初のころは楽しかった。しかし、横で見ていて夫の仕事への取り組み方が、どうしても気になるようになった。  例えば、オンライン会議での発言。要点を得ず、まどろっこしい説明を並べる夫の声を聞きながら、心の中で「もっとうまく説明しなさいよ」と突っ込んでしまう自分がいる。また、夫が朝始めた資料作成が夕方になってもほとんど進んでいなかったりすると、「こんなに集中力が続かないなんて」と心の中でため息。そのうち、胸の内にとどめていられなくなり、自分の部下にするように夫に説教し始めるようになった。 「まだこれだけしか進んでないの?」「もっと効率的に進めないと」「今までどうやって仕事してたの?」「私が上司だったら怒るよ」  夫の仕事の進め方を見るにつれ、イライラして黙っていられない。最初のころは夫も「頑張るよ」「そんなに言わなくても」と反応していたが、妻と同じ空間で仕事がしづらくなり、近所のカフェに出向いて仕事するようになった。家事は相変わらずCさんの負担度合いが多いまま。次第に「私の方が忙しいんだから、もっと家事を手伝って当然でしょ」という、これまでに感じなかった不満が膨らんでいったという。 「夫が働いている姿を初めて実際に目にして、正直なところ『私の方が何倍も仕事ができる』と思ってしまった自分がいます。それに伴って、家庭内の夫の見え方が変わってきた部分もある。これ以上言うと良くないと分かっていても、部下に接するように、つい夫に対して強く言ってしまう自分がいます」  Cさんはいまも自分の言動に悩んでいる。 ◆モラハラ行為をしてしまう妻・4つのタイプ  夫婦問題カウンセラーの高草木陽光さんによれば、モラハラ行動に出る妻は、大きく4つのタイプに分けられるという。 【上司型】 夫の話すことに、ことごとく否定的な言葉を投げかける。家事や育児に協力的な夫に対しても、一気にやる気が失せてしまうようなダメ出しをする。夫の発言や行動に共感したり賛同することは滅多にないが、マイナス要素を探し出しては意見してくる。自分流のルールがあり、そのルールから外れたことをするのを極端に嫌がる。否定的な言葉を発することが癖になっている人が多く、「だって」「でも」「ていうか」といった言葉を多用する傾向にあるという。一見、自分に自信があるように思われがちだが、幼少の頃から常に親に高レベルを求められて育った人が多く、自分自身に対し、人並みではなかなかOKを出すことができない人もいる。Cさんはこのタイプだろう。 【GPS型】 常に夫の行動を把握していないと気が済まず、不安になると思いもよらない過激な行動をとる。「いつ、どこで、誰と、何をした」ということを知りたがり、仕事中でも構わず電話やラインをしてくる。夫の財布やカバンをチェックするのは当たり前。夫の行動を把握し、管理することが“妻の愛”であり、夫が事細かに自分の身の回りで起きたことや会った人のことを報告してくれることが“夫の愛”であると信じているタイプだ。人に嫌われることを恐怖に感じるため、「人からどう見られているか」ということを非常に気にする傾向にあり、自分軸より他人軸中心で物事を考えがちなため、人の意見に流されやすい。 【マイペース型】 その時の気分や感情で言動が変化し、予定を台無しにしがち。人のことを考えず自分中心に物事を判断するため、周りが振り回られて疲弊する。弁が立ち、もっともらしい言い訳をするのが得意で、いつの間にか妻に都合がいいように話をまとめられる。気に入らないことがあると行き先も告げずに子どもを連れて家を飛び出し、そのまま1週間も連絡が取れなくなったり、実家に行ったきり長期間帰ってこなかったりする。 【暴発型】 物に当たったり、突然切れたり、夫の人間性を否定する暴言を吐く「暴発型」。言葉の暴力だけでなく、夫の話や存在を無視したり、夫の食事だけ用意しなかったりする。何気ない言葉にも過剰に反応しがちで、被害者意識が強い傾向にあることから、友達が少ない傾向にあるという。 「全ての方が必ずしもこの4タイプに当てはまるというわけではないですが、相談に訪れる夫が問題として挙げる妻のタイプにはこうした共通点があります。当事者になるとなかなか気づけないものですが、同じような状況やパターンで悩んでいる人が案外多いのです」(高草木さん) ◆仕事も家事も器用にこなせるタイプが多い  妻はなぜ、夫に対しこうしたモラハラ行動に出てしまうのか。  幼少期の両親との関係や教育環境が起因しているケースがあるのは、男女ともに共通するポイントだ。その他、過去のトラウマや生まれ育った気質なども男女ともに関係していることが多い。  そんな中、女性に多い特徴として見られるのが、(1)ギリギリまで溜め込んで爆発する、(2)社会に出て働き始めてからなど後天的にモラハラ気質になるケース。いずれも、女性は家事も仕事も器用にこなせるタイプが多く、自立心が強い傾向にあるという。結婚や出産後も仕事を続ける妻が増え、妻の家事や育児への負担が高まっている背景もある。こうした流れから夫に対する家事育児の要求レベルも高くなり、妻が攻撃的な態度に出てしまうとも推察できる。  夫婦問題カウンセラーの岡野あつこさんは言う。 「元来、器用であるがゆえに、仕事も家事も子育ても、何でも完璧にやろうとする女性が、突然夫に対しモラハラスイッチが入ることが多い。何でも自分でできるからこそ、人に頼ることに慣れておらず、夫に手伝ってほしい時も『言わずとも分かって動いてほしい』となる。夫がそれに気づかぬまま、妻が黙ってギリギリまで溜め込んでしまった時、爆発してしまう」  岡野さんの元を訪れた相談者の中には、「2年にわたって妻から無視されている」という夫もいたという。その妻から原因を聞くと、「過去に育児や家事を手伝ってくれなかった」と何年も前のことがきっかけとなり、ある日突然何もかもが嫌になり、夫を無視し始めたそうだ。  (2)の後天的にモラハラ気質になるタイプは、夫並みか、夫以上に稼ぎがあり、いつの間にか夫を自分より下に見ている妻が多いという。高学歴であることが多く、有名大学を卒業し、大手企業で男性と肩を並べて頑張ってここまできたという自負があるタイプがなりやすい。冒頭のCさんは「自分はこのタイプかもしれない」と悩む。  優秀で器用であるがゆえに、自分より器用ではない夫に対して厳しく接しがちな妻。前出の高草木さんは、女性が男性と対等に働いていく上で、「強くならざるを得ない社会の構造もある」としながらも、「妻が夫に自分のルールを押し付け過ぎて破綻してしまう夫婦は増えている」と指摘する。 「職場では常に冷静で、仕事ができるバリキャリ妻ほど、周囲から面倒見がよく常識的だと思われることが多い。ですが身内に対しては、感情を抑えられなくなってヒステリックになりやすい傾向もあります。こうした妻は、まさか自分の発言が夫を苦しめているとは思っていないことも多い。Cさんのように自分で『モラハラかも』と気づけたら、早い段階で脱却できる可能性も高い」  だが、Cさんのように「モラハラをしているかもしれない」と気づけない人が多いからこそ、事態が深刻化している。パートナーのモラハラに悩む被害者も実は、本当の脱却が難しいという。次回は、モラハラ気質の男性から逃れられず苦しむ女性のケースを紹介する。(松岡かすみ)

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    村元哉中・高橋大輔組ら日本選手団が旋風を起こすか フィギュア四大陸選手権

     1月18日、エストニアの首都タリンでフィギュアスケート四大陸選手権が開幕する(競技開始は20日)。  四大陸とは、アジア・オセアニア・アフリカ・アメリカを指す。ヨーロッパの選手のみが出場する欧州選手権に対応する形で、1999年に始まった大会だ。歴史は浅いが、国際スケート連盟による格付けでは世界選手権に次ぐ位置の大会とされる。  昨年は、新型コロナの世界的大流行により中止。今回も、当初の開催地である中国・天津から「運営不可能」との申し入れがあり、一時は開催が危ぶまれた。域内では代替地が決まらず、同格の欧州選手権(1月10日~16日)が行われるタリンにおいて、会場をそのまま引き継いで開催される。「四大陸選手権」でありながら、欧州の都市で開催されるという異例の形だ。  同大会の男女シングルでは、これまでも多くの日本人選手が活躍してきた。男子の初代王者は本田武史。女子も、浅田真央や安藤美姫、松永(旧姓太田)由希奈などが優勝している。  しかし、ことアイスダンスとなると、北米が圧倒的な成績を収めてきた。ここまで22回開催、66個のメダルのうち、カナダの獲得数は28個、アメリカが37個。北米総計で65個と、ほぼ独占状態だ。  2国以外で表彰台に上ったのは、日本の村元哉中/クリス・リードの1組だけ。村元・リード組は、2018年台北で行われた同大会で銅メダルに輝き、結成3季目にして快挙を成し遂げた。ここで自信をつけた2人は、翌月の平昌五輪で15位、続く世界選手権では11位と、相次いで日本人最高位タイとなる成績を獲得する。四大陸選手権は、村元にとって飛躍の足掛かりとなった大会なのである。  ちなみに、村元の現パートナー高橋大輔は、同大会の男子シングルで、優勝2回を含むメダル4個を獲得している。村元、高橋ともに、四大陸選手権の表彰台は馴染みのある場所、というわけだ。  今回、村元・高橋組は、出場10組中今季ベストスコアで1位、パーソナルベストでも全体2位という成績を引っ提げての参戦。表彰台に上れば、高橋は複数カテゴリでのチャンピオンシップメダル獲得ということになる。  四大陸選手権の場合、順位に応じて付与されるポイントは五輪や世界選手権に次いで高く、グランプリファイナルを上回る。このポイントから算定されるランキングは世界選手権の滑走順にも影響するため、出場が決まっている「かなだい」にとっては、次にもつながる重要な一戦だ。  シングルの代表には、三原舞依や友野一希、三浦佳生らが名を連ねている。三原、友野の両名は、いずれもパーソナルベストスコアで参加全選手中2位。三原は過去3回の出場すべてで表彰台に上がっており、四大陸とは相性がいい。友野は、今季のISU公認スコアでは参加の19選手中トップ。三浦は、その友野を全日本選手権で10ポイント以上リードして4位に入った(国内大会はISU非公認)。  派遣したカテゴリ全てで代表選手がメダル獲得となれば、日本初の快挙。北京五輪を前に、一足早く北欧の地で日本旋風が巻き起こりそうだ。(菱守葵) ※週刊朝日オンライン限定記事

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    眞子さんの変わりようにドン小西、驚く 小室夫妻をファッションチェック

     11月14日、司法試験不合格や、離日直前の金銭問題解決など、多くの話題を振りまいたあと、米国の新居に向けて出発した小室圭さんと眞子さん。ファッションデザイナーのドン小西さんがチェックした。 *  *  *  2人の出発を見て、昭和の童話を思い出しちゃったよ。生活苦の家族が3人で一杯の蕎麦をすするっていう一杯のかけそばだよ。王室の肩書を利用する気満々の英国のハリー&メーガンとは正反対。すべてを捨てて、小さな幸せを見つけに行くぞっていう覚悟が、2人のファッションに見えるもんな。  なんたって驚くのは、眞子さんの変わりようだね。会見のザ・皇室ワンピースから一転、丸首のセーターにワイドパンツっていう紺と黒のコーデに、肩にはショルダーバッグ。よくあるOLの旅行スタイルだけど、おろした髪もツッヤツヤだし、前よりずっと輝いて見えるじゃん。  一方の圭さんは、丸ヨーク柄のニットブルゾン。ダース・ベイダーのTシャツがのぞいているが、普段ビシッとスーツを着ている人ほど、カジュアル服のセンスが悪いのはお約束だもの。年相応のファッションだよ。ま、普通が一番かっこいい時代の象徴のような2人。どうぞお幸せに。 ■評価は……? 4DON! 「特別感ゼロのイデタチが好感」 (構成/福光恵)※週刊朝日  2021年12月3日号

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    超お買い得…「偏差値50台なのに」東大・京大含む国公立大に最大6割が受かる中高一貫校ランキング50

     開成、桜蔭、灘、早慶付属といった中高一貫校の偏差値は60を超える。だが、50台でも東京大、京都大を含む国公立大合格率が極めて高い一貫校もある。プレジデントFamily編集部が大学通信の協力を得て調べたところ、合格率1位は茨城の公立校である並木中等教育学校で合格率は6割を超えた。偏差値50台で「難関グローバル系」「難関理系大」への合格実績の高い一貫校とともに紹介しよう――。 ※進学実績は2021年春の数値。大学通信調べ。同率で順位が異なるのは、小数点第2位以下の差。偏差値は日能研のものを採用(2020年12月までに公表された2021年予想偏差値)。入試日が複数ある学校の場合は最も低い偏差値を採用。 ※本稿は、『プレジデントFamily2021秋号』の記事の一部を再編集したものです。 首都圏偏差値50台のお得校「トップ国公立大学に強い学校」編 1~50位  旧帝大を含む国公立大に合格者が多い上位50校を紹介しよう。大学通信常務取締役の安田賢治氏は次のように分析する。 「同じくらいのレベルでも、学校のカラーにより、国公立大志望者が多い学校と私立大志望者が多い学校があります」(以下すべて安田氏)  注目は18位の帝京大。帝京大学付属(最低偏差値53、国公立大合格率32.4%)の共学校だが、進学校として位置づけられており、大学受験に対して手厚いサポート体制がある。59人の国公立大合格者のうち9割近くが現役合格だ。  また25位の暁星(最低偏差値54、国公立大合格率26.8%)は医学部志望者が多く、44人のうち16人が医学部進学者だ。30位の高輪(最低偏差値51、国公立大合格率25.5%)は近年国公立大進学者が増えている学校。高輪ゲートウェイ駅ができて、埼玉や神奈川方面からの利便性がよくなり人気も上がっている。 1位の茨城・並木中教ほか「公立中高一貫校」がランキング上位に  女子校では23位の頌栄女子学院(最低偏差値58、国公立大合格率26.9%)。 「早慶などの難関私大の合格率はもともと高いですが、近年、国公立大の合格実績も上がっています」  36位には横浜共立学園(最低偏差値55、国公立大合格率19.9%)、40位には横浜雙葉(最低偏差値53、国公立大合格率17.6%)と、神奈川の女子校がランクイン。  28位の大宮開成(最低偏差値52、国公立大合格率26.3%)にも注目だ。 「埼玉県の私学では6位の栄東(最低偏差値57、国公立大合格率43.3%)、24位の開智(最低偏差値53、国公立大合格率26.9%)に続く存在となっています」  1位の並木中教(最低偏差値57、国公立大合格率61.1%)をはじめ古河中教(最低偏差値52、国公立大合格率50.9%)、立川国際中教(最低偏差値55、国公立大合格率47.7%)、三鷹中教(最低偏差値58、国公立大合格率42.7%)、桜修館中教(最低偏差値59、国公立大合格率38.4%)など、公立の中等教育学校も目立つ。 「1学年150人前後の小規模校なので、きめ細かな指導が行われています」 ※偏差値50台の学校の、東京大、京都大ほか10国公立大別の合格者数などのデータ詳細は、『プレジデントFamily2021秋号』に掲載している。 首都圏の偏差値50台のお得校「グローバル系に強い学校」編 1~20位  早稲田大国際教養学部、東京外国語大、国際基督教大など難関グローバル系大学への合格者が多い「グローバル系に強い学校」の1位は帰国子女が20~25%を占める頌栄女子学院(最低偏差値58、難関グローバル系合格率12.4%)。 「11人が早稲田大の国際教養学部(定員600人)に進学しています。英語教育に定評があり、帰国子女がグローバル教育をけん引しているのでしょう」  また、7位サレジオ学院(最低偏差値59、難関グローバル系合格率4.7%)、10位晃華学園(最低偏差値50、難関グローバル系合格率4.1%)、11位暁星(最低偏差値54、難関グローバル系合格率3.7%)、13位東洋英和女学院(最低偏差値58、難関グローバル系合格率3.3%)などキリスト教系の学校が目立つ。 「キリスト教系の学校は英語教育に熱心です。晃華学園は東京・調布にある女子校で、校内でスピーチコンテストを実施したり、英検やTOEICの取得に力を入れたりと、国際教育に取り組んでいます」 ※偏差値50台の学校の、早稲田大国際教養学部、東京外国語大、国際基督教大学ほか5大学別の合格者数などデータ詳細は、『プレジデントFamily2021秋号』に掲載している。 首都圏の偏差値50台のお得校「理系に強い学校」編 1~30位  東大・京大・早慶の理系学部、東京工業大、東京理科大などの難関理系大学への合格者が多い「理系に強い学校」の上位に目立つのは男子校だ。 「理系への進学者は女子も増えましたが、全体的には男子が多いことから、ランキングには男子校や共学校が目立ちます。3位攻玉社(最低偏差値55、難関理系合格率62.8%)、4位本郷(最低偏差値58、難関理系合格率54.4%)、8位の桐朋(最低偏差値56、難関理系合格率48.7%)は東工大への進学者が多いですね。東工大は大学院を含めた6年一貫教育で理系の専門教育を行っており、理系の人材育成には定評があります。また7位の東京都市大付(男子校・最低偏差値56、難関理系合格率49.1%)、17位の芝浦工業大柏(共学校・最低偏差値52、難関理系合格率30.9%)は理系大学の付属校ということもあり、理系志望者が集まっているのでしょう」 ※偏差値50台の学校の、東京大理系、京都大理系、東京工業大、早稲田大理系、慶應義塾大理系ほか6大学別の合格者数などデータ詳細は、『プレジデントFamily2021秋号』に掲載している。 (文=本誌編集部 データ協力=大学通信)

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    「違う景色も見てみたい」村元哉中、高橋大輔組が四大陸選手権2位 アイスダンス日本勢初の銀メダル

     エストニアのタリンで開催されたフィギュアスケートの四大陸選手権で、村元哉中、高橋大輔組が日本のアイスダンス界に新たな歴史を刻んだ。総合2位となり、日本のアイスダンサーとして過去最高の順位を手にしたのだった。村元は2018年大会で、当時のパートナーのクリス・リードと3位に入り、日本勢初のISU(国際スケート連盟)チャンピオンシップメダルを手にした。今回はそれを上回る快挙。だが、楽々と手に入れたメダルではなかった。 *  *  * 1月20日のリズムダンス「ソーラン節」は、予想外の出だしになってしまった。冒頭でタイミングが合わず、村元が転倒というミスが出たのだ。昨年12月の全日本選手権の時には滑っている最中にブレードが引っかかるというアクシデントだったが、ここでのミスはまったく違う種類のものだった。  原因は一体何だったのか。そう聞くと高橋は、 「お互いのタイミング。ちょっとぼくが一瞬出遅れてしまった。お互い逆方向に行くところがあるので、哉中ちゃんの足が下がってしまって……」  と説明した。村元は、 「あそこはスピードがないのでバランスとの勝負で、ちょっとしたタイミングで、ミスにつながる。改めてあそこは考えなくてはいけない」  と続けた。 「今日は僕のミス。いまめちゃくちゃへこんでいています」  と高橋がうつむくと、村元が横で「いやいや」と慰めるようにフォローする。たとえ思い通りの演技ができなかった時でもお互いを思いやる気持ちは、パートナーシップを続けていくのに不可欠な要素だ。その点、2人の相性はとても良いように見える。  全日本選手権、今大会とミスが重なった理由をマリーナ・ズエワ・コーチは、このように説明した。 「アイスダンスというのは、何回演じても全く同じようにやらなくてはいけないんです。カナはもうだいぶ経験を積んできたけれど、ダイスケはまだまだこれから経験を積んでいく必要があります。これは簡単なことではない。時間が必要なんです」  高橋大輔という名前を目にしたとき、ファンも一般世間もつい過大な期待をしたくなる。だが、彼はまだアイスダンサーに転向して、たった2年しかたっていないのだ。  結局、転倒の1点減点はあったものの、リフトでレベル4、他のエレメンツ(要素)ではすべてレベル3を得てリズムダンスは72・43点を獲得。アメリカのキャロライン・グリーン、マイケル・パーソンズ組に次いで、2位スタートになった。  翌21日のフリーは、昨年から継続しているバレエ組曲「ラ・バヤデール」からのメドレーだ。クラシックバレエの素養がある村元の体のラインの美しさ、踊ることに天賦の才を持つ高橋の身体の動きが際立つプログラムだ。トゥイズルの最中にちょっとバランスが後ろに行くなど、細かいミスはあったものの、最後まで大きく崩れることなく滑り切った。フリーは109・48点で、総合181.91点。リズムダンスでのミスがあったにもかかわらず、今季初戦のNHK杯よりもトータルで2・41点上がった。 「大きなミスはしていないんですけど、ちょっとしたところでタイミングが合わなかったり、ちょっとバラバラしたところもあったので、気持ち的に100%出せたかと言うと出せなかったところもあった。でも、全日本から四大陸まで時間もない中で、うまくまとめられたんじゃないかなと思います」  高橋は試合後、そんな感想をもらした。 「本当にまだ2シーズン目で、こんな世界と戦って2位というは、大ちゃんすごいなと改めて感じています」  村元はそう語った。  2人ともそう喜びを表現しながらも、演技の内容には満足していない。それは練習での成果を本番で出し切ったという実感がまだないからだ。 「表彰台にのれたのに自分たちの演技ができなかったのが悔しい。私が感じているのは、2人ともまだまだ上のレベルを狙っていきたいんだなというのをすごい感じています」(村元)  グリーン、パーソンズ組はコンテンポラリーの素晴らしいフリーをノーミスで滑り切り、総合200.59点でトップを保った。3位はリズムダンスからの順位をキープした、アメリカのクリスティナ・キャレイラ、アンソニー・ポノマレンコ組だった。  五輪メダリストの高橋がアイスダンサーに転向して一緒に競っているという不思議な状況をどう感じるかと聞くと、パーソンズは「彼(高橋)はレジェンド。それ以外の言葉が見つからない」。ポノマレンコは「僕は初めて記憶に残っている五輪は(高橋が銅メダルを手にした)2010年(バンクーバー五輪)の時のこと。その彼とこうして表彰台にのることができて、とても光栄に感じています」とうれしそうに話した。  2週間後に北京五輪を控えているだけあり、今年の四大陸選手権には五輪代表の選手はほとんど出場しなかった。それでもこの大舞台でメダルを手にしたことは、大きな自信につながったのではないだろうか。そう聞くと、高橋はこう答えた。 「五輪を大きな目標にしていて、行くことはかなわなかったんですけど、四大陸選手権に選んでいただいた。ぼくたちがアイスダンスを組んでからコロナシーズンになってしまって試合もほとんどできていない中で、こうやって世界と戦う貴重な場面を与えていただいた。そこで試合でしかしないようなミスをしてしまったりとか、本当に経験すること、学ぶことをたくさんこの場で出来ているのはすごく大切なこと。うまくいかないこともありましたけれど、その中でこういう結果を残したことは自信につながる。あと世界選手権があるので、これを一つの自信にして世界選手権に向かいたいと思います」  ファンにとって気になるのは、このシーズンの後の予定はどうするのかということだ。とりあえずは目の前にある世界選手権に集中する、と言った後に高橋はこう付け加えた。 「慎重にゆっくり落ち着いて考えて……。2人で作り上げるものなので、2人の気持ちがマッチして同じ方向を向いていかないといけない。いろんな今シーズンを通して色んな悔しい気持ちがどんどんできてきた中で、まだ違う景色を見てみたいという自分自身もいるし、ただその気持ちだけで向かっていけるわけではない。だから世界選手権が終わってからゆっくり考えたいと思いますけど、ただアイスダンサーとしてパフォーマンスするのは楽しくて、本当に素敵な時間だなと思っています」  高橋は穏やかな表情でそう言葉を結んだ。  次の2人の挑戦は、3月に南フランスのモンペリエで開催される世界選手権だ。 (ライター・田村明子) ※AERAオンライン限定記事

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    夫のモラハラ、被害に遭いやすい妻は魅力的な人? 「相手を支配したい」加害者の歪んだ甘え

     夫婦間のモラハラがいま、大きな問題になっている。離婚の大きな理由になるが、それに気づかない被害者も多い。なぜ望んで一緒になった相手を傷つけてしまうのか。結婚後に豹変する夫にはどんな特徴があるのか、また被害にあいやすい人はいるのだろうか。夫から妻へのモラハラの事例を紹介しつつ、専門家の分析をまとめた。 >>【4歳年上銀行員の夫のモラハラ「君はダメな人間だ」 Yシャツのボタンの縫い方で朝まで説教】より続く *  *  *<Aさん女性35歳の場合>元夫は4歳年上の銀行員。同居後しばらくして、元夫は言動が攻撃的に。些細な事で「君はダメな人間だ」と責められるようになった。長時間説教が常態化し、不機嫌な態度で1か月に渡って無視されることもあった。Aさんは「夫は私のためを思って言ってくれている」と解釈し、自分が悪いと思い込みはじめた。“洗脳”が解けるきっかけは1年ぶりに会った母親。そこでようやく被害に気づき、離婚に至る。ただ、最後まで元夫は自分の非は認めなかった。  夫から妻へのモラハラでよく見られる言動には、「何でも相手が悪いと怒る」「人格を否定する」「自分のルールが絶対」「長時間に渡り説教する」といった項目に加え、「実家や友人との交流を禁止する」「外で仕事することを禁止する」という傾向も見られる。Aさんの場合も、母親とは1年会っていなかった。元夫が嫌がったためだ。  外とのつながりが薄れ、妻が家庭内に閉じこもっていくにつれ、モラハラ環境の密室化がますます強まってしまう。そうした妻の精神的ダメージは深刻化するケースが多いという。  さらに厄介な言動が、「ひどく罵った後で、優しくする」という特徴だ。夫からの「君はいつも辛いことから逃げようとするから、僕が鍛えてあげている」「君のためを思って言っている」という発言を“優しさ”と信じて受け取ってしまい、被害者である妻は「前は優しかったし、厳しいのは私のため。私がちゃんとした人間になれば、あの人も優しく戻ってくれるはず」となる。実際は、「君のためを思っている」「君を尊重している」といった仮面をかぶり、「君が選んだ」「君は納得したはず」と、モラハラというコントロールで導き出した被害者の選択や態度を強いているのだが、モラハラを受けている最中はそれに気づけないのだ。  Aさんがそうであったように「夫は私のためを思って言ってくれている」と思うことで、どれだけひどいことを言われてもなかなか離れられないことが多い。こうした場合、周囲がいくら心配しても被害者である本人が聞く耳を持たないこともある。 ◆妻は「自分の持ち物」と認識  好きで結婚した相手なのに、なぜ苦しい目にあわせるのか。「カウンセラーが語るモラルハラスメント」などの著書があるカウンセラーの谷本惠美さんは、「モラハラをする夫は、妻を自分の“持ち物”だと認識している」と指摘する。 「モラハラをするのは、葛藤処理やストレス対処が未熟な人。普通なら、自分にとって大切な存在に対し、自分の心の問題をぶつけたりせず、大事に扱うものです。ですが心の処理が未熟な人は、自分の大事な存在を、まるで自分の所有物であるかのように、自分のために使ってしまう」(谷本さん)  未熟とはつまり、葛藤やストレスの処理が幼児期の状態でストップしていること。幼児が自分の非を認められず、「誰々が悪い」と責任転嫁してしまうことは、よくある。だがそこから成長せず、幼児期のままで精神状態が止まってしまうと、他人への責任転嫁が当たり前となり、相手へのいたわりが欠落した大人になってしまう。プライドが高く、自分が一番大事なので、相手を見下す態度がにじみ出やすく、結果「友達が少ない」という傾向もあるという。 「モラハラをするような人は、客観的認知能力が著しく欠けていると思われます。この世をごく単純に見ていて、正解が一つだと信じているのです」  と分析するのは、『妻のトリセツ』などの著書で知られる脳科学・AI研究者の黒川伊保子さん。客観的認知能力が欠けているとは、「自分と別の見方があるとは思いも寄らない」こと。そうなると自分が万能で偉いと思い込み、自分と価値観の違う相手を蔑む傾向にある。その場合、話し合いにならず、歩み寄ることが難しいという。 「想像力、思いやりなどの客観性認知能力は、4歳から8歳のころに育ちます。これらの能力は、外界認知を司る小脳の発達と深くかかわっていると考えられ、小脳の発達臨界である8歳までに経験によって獲得することが重要です。つまり、以降にその力を育てようと思っても残念ながらなかなか難しい。4歳から8歳の頃に、親とのコミュニケーションが不足したり、親がたった一つの正解を押し付けてきたりすると、客観性認知が著しく欠けてしまったまま大人になることがあります」(黒川さん) ◆やってもやっても認めてもらえない  意外なことに、モラハラをする男性には、高学歴で医師や弁護士、経営者など、社会的地位の高い人が多い傾向にあるという。仕事ができる人が多く、外面も良いため、プライベートの友人は少ないものの、仕事を通じた関係性は良好である場合が多い。  相手が自分のテリトリーに入ってきた時に初めて本性が現れるため、表面的な付き合いの上ではモラハラ気質を見抜くことが難しい。そのため、結婚前にモラハラの予兆に気づけない場合が多いのだ。  モラハラに関する相談実績も多い夫婦問題カウンセラーの高草木陽光さんは次のように指摘する。 「100点を取らないと認めてもらえないという教育環境で育っていたり、親の押し付けが強かったりして、実は大きなコンプレックスを抱えているという人が少なくない。『やってもやっても認めてもらえない』という幼いころの経験から、自己肯定感がとても低い傾向も見られます。だから常に自分が誰かの上位に立つことで、歪んだ安心感を手に入れたがる。その“誰か”が、一番近い相手である妻で、矛先が向かってしまう」  前出の谷本さんの分析も同様だ。 「モラハラをする人は、いわば大人の仮面を被った幼児。究極の赤ちゃん的な甘えで、『僕の言うことを聞いて!僕に構って!』という言葉が、モラハラという言動に置き換わっている」  Aさんの話を思い起こすと、元夫の人格否定言動の数々は「誰かに認めてもらいたい」という欲求の裏返しにも思える。  何かを決めるときには、Aさんの提案に対して、必ず「本当にそれでいいと思ってるの?」と疑問を投げかけてくる。そこで提案し直しても、夫が考えている内容と異なれば、決して良い返事を返さない。OKが出るのは、夫が考える内容と一致した時のみだ。その決定が良い結果をもたらせば、「僕がアドバイスしたおかげ」となり、うまくいかなければ「君の決定はいつもうまくいかないよね」とAさんのせいにする。  被害者からすれば、たとえ幼稚であろうと教育環境が起因していようと、正当な理由もなしに歪んだ矛先を向けられては、たまったものじゃない。 ◆モラハラ攻撃によって人格を変えられた  その矛先が向かいやすいタイプはどんな人なのだろうか。意外なことに、モラハラ被害者は、もともとは自分をしっかり持った魅力的な人であることが多いという。「ターゲットをコントロールしたい」、「支配したい」という歪んだ“甘え”は、それが簡単に叶いそうもない相手にこそ向けられるのだ。 「被害者はもともと受け身だったのだろう」「被害者に選ばれやすいタイプがいるのだろう」と思われがちだが、決してそうではない。そう誤解されるほど、被害者のパーソナリティがモラハラ攻撃によって変えられてしまうだけなのだ。  たとえばAさんは、人格を否定する発言を浴び続けた結果、「自分が悪い」と思うようになり、元夫の言動を全て自分に関連づけて考えるようになった。自分がどうしたいか、どう感じるかということよりも、元夫が何を言ったらOKを出すか、不機嫌にならないかを始終考える。夫の機嫌が悪いのは、私が何もできないからだ。できない私が悪い。怒らせてしまった私に原因がある。私がちゃんとすれば、優しい夫に戻ってくれるーー。いつの間にか、自分の価値観や感覚、考えがなくなり、自分自身を責める思考ループに入っていたという。  相手への思いやりがある人ほど、加害者の言動に振り回され、いつしか自分を見失ってしまう。「モラハラ被害者になりやすい人」といった傾向はなく、誰もが被害者になる可能性があるのだ。  今、そうした矛先は、妻のみならず、夫側に向けられるケースも増えているという。次回は、妻から夫へのモラハラについて紹介しよう。(松岡かすみ)

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    数学II・Bが36点でも北大医学部へ 豊島岡女子学園が理系学部に強い秘密は「苦手と感じさせない工夫」

     理系の生徒が約6割を占め、進学先に理工系学部を選択する生徒が多いという私立中高一貫の東京・豊島岡女子学園。学校ではどのような工夫をしているのだろうか。AERA 2022年1月24日号は卒業生や教諭に取材した。 *  *  * 「高校時代、どんなに努力しても数学の成績が上がりませんでした。1997年の(大学入試)センター試験本番も、数学II・Bは36点でした」  北海道大学医学部出身の大西良佳医師(43)は言う。 「国語と社会が得意な文系タイプだったのに、苦手な理系科目を諦めずにいられたのは、切磋琢磨できる仲間がいたから。友人たちが目標を持って頑張っていたので、私も自然と頑張れる環境でした。また、数学や化学が得意な友人も多かったので、理系に対する特別感がなかったこともあると思います」 ■「苦手を感じさせない」  出身校は私立中高一貫の東京・豊島岡女子学園だ。2021年度は全医学部医学科合格者が全国2位で、東京大学合格者は21人。進学先の学部で最も多いのは理工系で33.9%、次が医学の16.5%で、例年、理系の生徒が過半数を占める。竹鼻志乃校長(55)はこう話す。 「21年度は少ないですが、高校3年生における理系の人数比は58%、前年度は67%でした」  世間では「女子は文系、男子は理系」のイメージがある。実際に、東京大学とベネッセ教育総合研究所の18年の調査(小中高生約1万人が回答)で、理系だと自認する高校1年男子は49.5%に対して、高校1年女子はわずか26.5%だった。  竹鼻校長はこう話す。 「特別なことはしていませんし、理系を増やそうと意識したわけでもありません」  ただ、ある工夫をしている。 「生徒に苦手を感じさせないようにしています。質問しやすい環境を作り、つまずきを早期解決できるようにしています。数学の幾何分野では、グループ学習を通して生徒たちが発言しやすい授業をしています」 ■夢を描いて文理決める  同校OGでもある理科の藤野優佳教諭(27)は言う。 「小学生はたいてい、実験に興味があるし、理科が好きです。それが中学、高校となるにつれて難しくなって嫌いになる。そうならないように、中学生の低学年のうちに実験をなるべく見せるようにしています。実験をして、中学受験で覚えた知識が腑(ふ)に落ちるときがある。『あの知識はそういう意味だったんだ』と声が上がります。好奇心を刺激しています」  15年には「T-STEAM」というモノづくりプロジェクトを始めた。初年度は自動車メーカーのホンダと連携して、電磁気力の「クリップモーターカー」を作った。希望生徒が参加し、学年混合のコンテストをして競う。藤野教諭は言う。 「自分事として、自分が持つ知識と経験を総動員させる取り組みは記憶に強く残り、将来に生きていきます」  こうした積み重ねの結果、理系に強い女子校として知られるようになった。「子どもを理系に進ませたい」と相談する親がいたり、入学前から医師志望の生徒がいたりするという。  ただ、やみくもに理系を選ばせない。文理を決める前に、中学では生徒が興味のある卒業生の職場を訪れて、話を聞く機会を設ける。竹鼻校長は言う。 「なりたい職業に医師を挙げる生徒が多いのは、身近な存在だからということもあります。どの診療科がいいか、本当に自分は何をしたいのか、までは考えられていない。そこで現場の医師に会って話を聞くと、自分が将来働くイメージがわきます」  夢を描いてから文理を決める。 「苦手だから理系を諦めようという安易な選択をせずにすみます。自分の夢があるならどの科目も頑張ろうと思えるのです」 (編集部・井上有紀子)※AERA 2022年1月24日号

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    プチ「編み物」ブーム到来? 認知症予防の「脳トレ」手芸キットも人気

     棒針やかぎ針で、さまざまなものを編み出せる編み物。昔は「おばあちゃんの趣味」の代名詞だったが、今はプチ編み物ブームが起きているという。さらには、手先を使う動きから脳への刺激となり、「脳トレ」の効果もあるという。 *  *  *  東京五輪で、男子シンクロ高飛び込み金メダリストのトーマス・デーリー選手(イギリス)が観客席で編み物をしている姿が話題になった。  また、ケガで陸上部を辞めてしまった男子高校生が、あるきっかけから編み物を始めるマンガ『ニッターズハイ!』(KADOKAWA)も登場。じわじわと編み物ブームが高まっている。  そんな中、大手手芸専門店「ユザワヤ」が、「脳トレ手芸シリーズ第2弾 編み物キット」を昨年10月に発売。認知機能の向上に役立つといい、好調な売れ行きを見せている。  これは、2020年12月に発売された「クロスステッチキット」の続編。クロスステッチキットは、発売9カ月で8800点という予想以上の売り上げを記録した。  いずれも「脳トレ」で知られる川島隆太さん(NeU=ニュー取締役CTO、東北大加齢医学研究所所長《医学博士》)の監修。NeUは脳の活動に関連する研究・商品開発などをする企業で、東北大、日立ハイテクなどが出資している。 「昔から手先を使う手芸は脳の刺激になると言われてきましたが、エビデンス(根拠)がありませんでした。そこで、手芸をしているときの脳の活動を測定して実証し、『脳トレ』になると明記すれば、より手芸に興味を持っていただけるのではないかと考えました」  そう話すのは、ユザワヤ商事専務取締役の畑中宏元さん。新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出自粛が長引く中、自宅でできる手芸が刺激になればと考えたのも理由の一つだ。 「店に来られない人もいらっしゃるので、必要な材料がすべてそろったキットにして自宅で気軽に楽しめるようにしました」(畑中さん)  キットは初級(マフラー)、中級(帽子)、上級(靴下と巾着)の3レベルで各3960円(税込み)。針などを持っていて、好きな毛糸を選びたい人向けに、編み図のみの販売もある。  かつて手芸が好きだった母に買う人や、親の認知症が気になる人たちも購入しているという。 「ただ『脳トレ』のためではなく、作るものが素敵じゃないと楽しい気持ちで取り組めません。なので、デザインを編み物作家に依頼し、魅力的なものを用意しました」(同)  開発段階では、NeUと実験を行った。編み物経験者の女性約30人に測定装置をつけ、編み物によって脳が活性化していることを確認した。実験に携わった川島さんは語る。 「脳の前頭前野という部分には『記憶する』『考える』『行動や感情を抑制する』『人とコミュニケーションをとる』といった行動をつかさどる役割があります。前頭前野が加齢などで衰え、認知機能が低下すると認知症のリスクが高まります。編み物などの手芸で指先を動かすと前頭前野の動きが活発化することが明らかになりました。編み図を読み取ることも、空間認知能力を鍛えるのに役立ちます。楽しい気持ちで活動することが、脳にいい刺激になります」  ユザワヤの一部店舗(蒲田、吉祥寺、立川、横浜、津田沼、浦和)では、NeUが開発した、脳血流を測定できる超小型脳活動センサーを設置。頭にセンサーをつけ、約10分間編み物をして、脳が活性化しているかを確認できるサービスを無料で行っている。  記者(編み物経験あり)も実際にやってみた。頭につけたセンサーはタブレット端末とつながっており、脳が活性化すると、画面の色が青(鎮静状態)から緑や黄を経て、赤(活性状態)に変化する。  作り目や表編みなど単純作業のときは青や緑のままだったが、目を数えたり、模様編みをしたり、編みながら人と会話したりすると、赤に変わった。脳の活性化がひと目でわかるとちょっとうれしい気分になる。 「今後はデイサービスを展開する企業や、薬局問屋などと連携して、普段、手芸と接点のない人にも手にとってもらえるよう、アプローチしていく予定です」(畑中さん)  ツイッターやYouTubeで編んだ作品を紹介している“アラ還”の「爆編み爺Coda」さんは、編み物歴50年の大ベテラン。  実は長年、自分が編み物をしていることをあまり人に言わずにいたが、19年10月にツイッターに「『男のくせに編み物なんて!』とよく言われました。でも今は恥ずかしくありません。自分らしくて良いと思います。『個性』は『魅力』です」と、自分で編んだカーディガンやストールの写真とともに投稿したところ、大反響があった。 「ゲイであったことも、編み物のことも明かしていませんでしたが、どちらも自分。編み物は自分の人生に寄り添い、支えられてきた大事なものなので、思い切ってツイートしたら、好意的に受け止めてもらえました」(Codaさん)  編み物講師だった母の影響で、独学で編み物を習得した。カラフルな色使いが特徴で、さまざまな作品を作り出している。  Codaさんは、編み物の楽しみとして(1)ヒーリング効果(2)ワクワク感(3)実用性(4)プレゼントするよろこび(5)人との交流──を挙げる。 「編み物をしていると精神的に落ち着き、ヒーリング効果が得られます。編んでいるときは完成が楽しみですし、完成したら使えるので実用的です。人にプレゼントしたらよろこんでもらえます。SNSを使うようになって、編み物仲間ができて、お互いの作品を見せ合う楽しみができました。編み物の素晴らしさを実感しています」(同)  編み物といえば長らく女性の趣味という印象が強かったかもしれないが、本来はトーマス・デーリー選手やCodaさんのように、性別関係なく楽しめるもの。この冬、「脳トレ」も兼ねて、編む楽しみを味わってみては。(ライター・吉川明子)※週刊朝日  2022年1月28日号

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    結婚5年半「一度も肉体関係がない」と告白した36歳女性 鴻上尚史がいくつもの質問で浮かび上がらせた“悩みの本質”

     結婚して5年半、「私は怖がり、痛がりで、一度も性交がない」と告白した36歳女性。「私のような者は存在するのか」と苦しむ相談者に、鴻上尚史がまず訊ねた「大切な質問」とは。 【相談124】結婚して5年半になります。交際以来、一度も肉体関係がありません(36歳 女性 こに)  鴻上さん、はじめまして。悩みに悩み、ご相談させて頂きます。私は、結婚して5年半になる女性です。25歳の頃、夫とお付き合いをはじめて、5年3カ月ほどで結婚に至りました。共働きですが、休日が重なることが多く、物理的にも常にすれ違いということはありません。また、夫婦仲は良く、お互いに仕事のグチをこぼしあったり、家事を協力して行ったりと、どこにでもいる夫婦だろうと思います。  ただひとつのことを除いては……。実は、交際が始まってからこれまでずっと、一度も肉体関係がないのです。もっといえば、生まれてから一度も、夫に限らず、私はそういった体験がありません。私は、とにかく怖がり、痛がりで、一番の原因はそこだろうと思うのです。あとは、分からないというのも正直なところです。どうして自分はこんななのだろう、情けない、辛い、悲しい、申し訳ない、悔しい、どこかおかしいのではないか……そういった思いが常にあり、毎日苦しいです。  子どもが欲しいという気持ちも強く、年齢のこともあるので焦りもかなりあり、夫と共に、少しずつそういったことにつながるようなスキンシップをとるようにしていますが、なぜ他の人が当たり前にできることが自分だけできないのかと辛いです。これまでに性的なことでトラウマになるような体験はありません(レイプや痴漢など)。  このことは、夫と信頼できる元同僚一人しか知らず、親や親戚は、そんなことは夢にも思っていないと思います。子どもができにくいのかなと思っていると思います。職場の上司にも子どもが欲しい旨は伝えており、気にせず休んだらいいんだからとあたたかい言葉を頂いています。まわりを騙しているようで心苦しいです。よく若いカップル(女性側)の話で、結婚までは性行為をしたくない、恐怖があるという話を聞きます。子どもが欲しくても、身体のことでできないという方がいらっしゃるのは、もちろん知っています。  しかし、結婚し、仲が悪いわけでもなく、トラウマがあるわけでもなく、物理的に時間がないわけでもなく……行為が何年も、1回も、できないという私は、異常だと思います。どうにかできるようになりたい、子どもも欲しい、その気持ちは確かであり非常に強いものなのです。世の中に、私のような者は存在するのでしょうか。できずに一生を終えることもありうるのでしょうか……。夫は、自分がうまくリードできてない、毎晩スキンシップを重ねていくなかで前進していると自分は思っている、大好きだということは言ってくれています。 【鴻上さんの答え】 こにさん。大変な相談ですが、じつは、この文章だけではまだよく分かりません。「私は、とにかく怖がり、痛がりで」と書かれていますが、具体的にどういう風にできないのかが分かりません。「分からないというのも正直なところです」と書かれていますが、自分の精神状態が分からないのか、身体的な理由が分からないのか、何がどう分からないのかが重要だと思います。  先に言えば、肉体関係を持たなくても子供を作ることは可能です。ネットで調べれば、すぐにいろんな方法が出てきます。ですから、子供を作るために肉体関係を持たなければ、と焦ることはないと思います。  それよりは、「どうしてできないのか?」をゆっくりと探っていくことが大切だと思います。  こにさん。僕はカウンセリングを受けることをお勧めします。恥ずかしいと思われるかもしれませんが、僕に相談しても、結局、一人で悶々としていては、解決の方法は見つからないと思います。  どのレベルで肉体関係が持てないのか、そもそも肉体関係に興味がないのか、肉体関係を持とうとするとどういう精神状態になるのか。身体的にはどんな拒否反応を見せるのか。 「LGBTQ+」の分類に、「アセクシュアル」があります。「恋愛感情の有無に関わらず、他者への性的欲求を経験しない人」です。恋愛感情も性的欲求も感じない人もいれば、恋愛感情はあるけれど、性的欲求をまったく感じない人もいます。統計的には、一定数、アセクシュアルの人はいて、別に珍しいことではないのです。  こにさんは、性的欲求はありますか? それとも、「肉体関係は必要だ」と頭で思っているけれど、具体的な欲求はあまり感じませんか? 「夫婦は肉体関係があるもの。ないことはとてもおかしい」と頭から決めつけて、自分の欲求とか感覚を無視していますか? それとも、はっきりとした性的欲求はありますか? 大切な質問ですが、マスターベーションはしますか? したことはありませんか?  ね、尋ねたいことは山ほどあるのです。ですから、この相談の文章だけだと何も分からないのです。  こにさんのような状態は、珍しくないと思います。みんな、性的なことは恥ずかしいから黙っているだけです。ぜひ、メンタルクリニックか心療内科、精神科のカウンセリングを受けることをお勧めします。  僕に相談のメールを送れたんです。カウンセリングを受けるのは、あとちょっとした勇気です。  ぜひ、一人で悩まず、相談して下さい。きっと、何かが見えてくると思いますよ。 ■本連載の書籍化第3弾!『鴻上尚史のますますほがらか人生相談』が発売中です!

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    オリラジ中田の妻・福田萌がシンガポールから帰国 「岩手の実家で隔離生活」で水際対策に疑問の声

     シンガポールに移住したお笑い芸人・オリエンタルラジオ中田敦彦の妻でタレントの福田萌が14日、音声プラットフォーム「Voicy」を更新し、日本に一時帰国したことを報告した。  福田は14日夜に「先日、日本に一時帰国いたしまして、今は隔離先の実家の方に来ております。無事に入国することができました。よかったです」と報告。帰国直前に長女のPCR検査をしていなかったことを思い出し、あわててPCR検査を手配し、間に合わせたという。入国後は公共交通機関を使わず、ハイヤーで実家に移動。「常夏の国からたまに雪の降る岩手県にやってきて、ホッとしているというのが率直な感想ですね」と語った。福田は家から出ず、家族や母との時間を過ごしているという。中田は仕事の準備などがあるため、東京で部屋に1人滞在して隔離生活を送っていることを明かした。  中田が相方の藤森慎吾と共に所属していた吉本興業とのマネジメント契約を昨年いっぱいで終了したのに伴い、福田と子供たちも3月からシンガポールへ移住。ただ、異国の地の不慣れない生活に戸惑いがあったようだ。4月に「Voicy」でシンガポールの兵役義務に言及し、このまま現地に住んで長男が永住権を取得した場合は兵役が課せられることに「今は全然、信じられなくて、『イヤイヤイヤ、それはさすがにご勘弁』って感じなんですけど」などと発言して波紋を呼んだ。その音声は現在消されているが、「映画を話せる友だちもいない」、「生活に早く馴染まなきゃとか、慣れなきゃみたいな感じで。焦る気持ちが自分の中であったので、体調崩したり、精神的に参ってしまったりってこともきっとあったと思う」と悩みを吐露した時期もあった。 「中田さんのYouTubeチャンネルは登録者数が422万を超え、オンラインサロンも会員数が6000人近くと大人気です。頭の回転が速く、異端の芸人として大成功を収めていますが、海外に住んで現地の環境に適応しなければいけない家族の苦労、ストレスは想像以上だと思います。英語が話せないとなかなか現地のコミュニティーに入れないですし、子供は大丈夫か不安に感じるでしょう。その苦労を覚悟しての海外生活ですが、楽しいことばかりではないと思います。コロナが完全に収束したわけではないので帰国には賛否両論の声はありますが、実家に戻って心身をリフレッシュしたかったのでしょう」(スポーツ紙芸能担当記者)  ただ、ネット上では実家で隔離生活を送っていることについて疑問の声が。 「岩手県民です。県民の努力によって現在30日以上もコロナ罹患者0の日が続いているのに、海外から来て隔離されずに家族と一緒に生活…という記事を見てがっかりしました。オミクロン株が出てきて、迷惑をかけないよう今年も東京からの帰省は控えるという人もいるのに」 「実家で、特に行動制限されていないご家族と一緒の空間にいたら、それは隔離ではないのでは?入国された方は外出しなくても、同居のご家族が媒介して、って可能性があるのに、なんで日本の隔離要請ってこんなにザルなんだろう」  今回の福田のように帰国後、実家で隔離生活を送ることに問題はあるのだろうか。 「帰国者の方の隔離場所は同居人がいる自宅でも問題ありません。ただ、厚生労働省のHPに掲載されているように、感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける、日中はできるだけ換気をする、できるだけ全員がマスクを使用する、小まめにうがい・手洗いをするなど感染防止の徹底を呼び掛けています」(厚生労働省新型コロナワクチンコールセンター)  福田は実家で感染防止に細心の注意を払って生活していると思われるが、政府の水際対策に疑問を感じた人が多いのかもしれない。(松木歩)

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    負の環境を変えたい…「家問題」を動かす時に大事な2つのこと しいたけ.さんがアドバイス

     AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。 *  *  * Q:悩みは父のことです。実家で車椅子の母と3人暮らしですが、父は自制が利かず毎週のように飲み歩いています。一度コロナにかかり母にうつしたことがあるのに、何を言っても改善されません。こんな家が嫌でたまらなく、一人暮らしをしようと思いますが、母や父のことも気がかりで踏ん切りがつきません。(女性/フリーター/29歳/しし座) A:「家」というものには、人の恨みとか悲しみとかやるせなさとか、いろんなものが定着しています。「家族」というのは単なる人間関係の一つですが、そこに「家」がプラスされると泥沼化しがち。割と多くの因縁がたまっている場所だからこそ、鬼の決意をしないと抜け出せません。  本当ににっちもさっちもいかなくなって家を出なきゃいけないとなった時でも、不思議と科学で説明できないことが起きて、その人をその場にとどまらせようとする力が働いたりします。その人が家を出る3日前におじいちゃんが倒れたり、引っ越す先の隣の家が火事になったり。そういう負の連鎖みたいな、不思議な現象が本当に起こるんですね。  じゃあ具体的にどうすればいいかというお話なんですが、家族を動かす時に大事なことは二つあります。  一つは自分の隙をなくしていくこと。相手に変わってほしいと期待をするんじゃなくて、自分が例えば「来年の何月までにこの家を出る」と決めて、そのための手段を一つひとつ探す。ネットだけじゃなく、区役所に相談に行ったり、転職先を探したり、足を使って動いてください。何年かかろうと隙をなくしていく努力をする覚悟が必要です。  このご相談の場合はお母さんが味方になるはずだから、お母さんと一緒に車椅子でも住める家を探すべきだと思います。二人で協力してお金をためて、内見に行ってみてください。これが二つ目の大事なことですが、こういう負の環境を変えたい時に、絶対に「わぁー」という感動や歓声が必要になります。  新しく住む家を見て「こんな家があるんだ、わぁー」って。ドアを開けた瞬間にそこには新しい世界が広がっているはずで、そこから希望を持つことができる。受験生がオープンキャンパスに行くのと同じ。そこにいる自分を想像して「わぁ」と思えたら、夢に近づく推進力をつけることができます。  途中でお母さんが「やっぱり無理」と脱落しても、突き進んでください。ゼロか100かの非情な決意をした時に初めて50の着地点に到達できる、それが家問題だと僕は思っています。  ある種の人たちが相手をその場に縛り付ける最後の手段は、怒りと失望を相手に与えることです。「何でこんなことやってんの」と思わせて、相手がその場にいざるを得ない状況を作ってきます。縛り付けるためのコミュニケーションを感じたら、シンプルにそこから離れるのが大事です。 しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気※AERA 2022年1月24日号

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