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    ミッツ・マングローブ「紅白を批評したがる愚か者たちへ」

     ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「紅白歌合戦」について。 *  *  *  年も明けて2週間以上が経つというのに、相変わらず去年の紅白に関するニュース記事が溢れています。飽きもせずに次から次へと同じようなことをつらつらと。「史上最低視聴率」に始まり、「つまらなかった」だの「失敗」だのと、仮に事実に基づくものだとしても完全に馬鹿のひとつ覚えです。しかし、こうした「年明け紅白批評」もまた、何十年にもわたって紅白歌合戦が築き上げてきた「様式美」のひとつなのかもしれません。  一昨年同様コロナの影響、そしてNHKホールの改修工事のため、だいぶ様変わりした此度の紅白でしたが、ひとたび観る側が「紅白」を意識すれば、それは紅白歌合戦以外の何ものでもなくなる。たとえ裏番組を観ている人や、テレビのない場所で過ごしている人たちにとっても、大晦日の夜帯というのは多かれ少なかれ「紅白をやっている時間」として認識されているわけで、もはや単純に視聴率だけを算出してどうこう言う次元でもないような気がします。  花見もお盆もクリスマスも、いわゆる風物詩なんてものは、どんなに形骸化されてもいつも決まった時間と場所にあることが最大の存在意義です。テレビ番組でその境地に達しているのは、「7時のニュース」と「紅白歌合戦」だけではないでしょうか。  変わらなければ「マンネリ」と言われ、変えたら変えたで「らしくない」と言われて久しい紅白ですが、前述通り「何をやっても紅白は紅白なんだ」というのを痛感させられたのが1987年の第38回でした。前年辺りから「視聴率の下落」が世の中的にも広く知られ始め、今なお続く「紅白離れ」や「紅白迷走」といった概念が、新聞・週刊誌上でお約束化し始めた頃。確かに、バブル景気に沸き立っていた日本社会において、ずっと「戦後復興のシンボル」的意味合いが強かった紅白のスタンスも大きく変容する時機だったのかもしれません。  その年は、長らく常連だった島倉千代子さんや水前寺清子さん、三波春夫さんの出場がなく、新たにニューミュージックやシャンソンからオペラに至るまで、ジャンルの多様性を打ち出し、さらには目玉演出のひとつとして、当時最先端だったディスコと同じ巨大照明装置を導入するなど、あの手この手で「ナウで洗練された新しい紅白」への変貌に躍起になっていました。しかし、それを観ていた12歳の私には、ただただ紅白の持つ野暮ったさや田舎臭さみたいなものしか印象に残りませんでした。と同時に「紅白はお洒落で都会的であってはならない」という真実を知ったのです。まさに87年は「紅白の永遠性」を見た回だったと言えます。  で、昨年はというと、元日の朝から仕事だったため、早々に寝支度をしながら何となく視聴した紅白でしたが、名前も聞いたことのない歌手が歌っていようと、藤井風さんのような旬でレアな人が出てこようと、そこには安定の野暮ったさが漂っており安心した次第です。私が最も紅白っぽさを感じたのは「まふまふ」という歌い手でした。紅白が「一世一代の夢舞台」であるにふさわしい雰囲気に満ちていて、とても良かった。やはり芸能には悲壮感が必要不可欠です。 ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する※週刊朝日  2022年1月28日号

    週刊朝日

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    【ゲッターズ飯田】1月の開運のつぶやき「自信をつけるために動く」銀の羅針盤座

     占いは人生の地図のようなもの。芸能界最強の占い師、ゲッターズ飯田さんの「五星三心占い」が、あなたが自分らしく日々を送るためのお手伝いをします。12タイプ別に、毎週月曜日にその日の運勢、毎月5のつく日(毎月5、15、25日)に開運のつぶやきをお届けします。 【タイプチェッカー】あなたはどのタイプ?自分のタイプを調べる 【金の羅針盤座】寝る前くらいはプラスの妄想をするといい 【銀の羅針盤座】「自信がないから動かない」のではなく、「自信をつけるために動く」 【金のインディアン座】他人に与え、教え、託すことができると、一歩前に進み、生活が変わりはじめる 【銀のインディアン座】成功している人の足を引っ張っても、自分の人生は何もよくならない 【金の鳳凰座】雑用がしっかりできないと、いつまでも雑用をすることになる 【銀の鳳凰座】自分を大切に。自分の気持ちはもっと大切に 【金の時計座】小さなことを積み重ねた人だけが、大きな勝利を得ることができる 【銀の時計座】運は、いい言葉が好き。運は、素敵な言葉を発する人のところに集まるもの 【金のカメレオン座】「運がいい」と思える人を、もっと観察するといい。必ず共通点があるもの 【銀のカメレオン座】許すことは、己が一番楽になる方法のひとつ 【金のイルカ座】「よく頑張ってきた」「よく頑張ろうとした」と心で思って、また少し頑張ればいい 【銀のイルカ座】悩み、挫折、後悔があるから、幸運の輪郭が際立ってくる (『ゲッターズ飯田の五星三心占い2022』より一部抜粋) ※毎週月曜日に占いが届きます!AERAdot.の公式LINEの友達申請はこちら↓↓↓https://lin.ee/trWiCvV

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    「心の病気」の兆候にできるだけ早く気づくには? 早期症状チェックリスト【精神科医監修】

     うつ病、統合失調症、不安症といった精神疾患は、早期発見をして適切な治療を受ければ十分回復が期待できる病気です。しかし、体の病気と違い、心の病気はその兆候に気づきにくいようです。精神科医で東京都立松沢病院院長の水野雅文医師が執筆した書籍『心の病気にかかる子どもたち』(朝日新聞出版)から、精神疾患の早期症状チェックリストなどを一部抜粋してお届けします。 *  *  *  病気はより早い段階から治療を始めるほど治りやすいものです。「がん」はその典型例で、早期に治療を開始すれば、命にかかわることなく治る可能性が高くなります。  精神疾患もこうした体の病気と同じで、「治療を始める時期」が「病気の治りやすさ」を左右します。たとえば統合失調症による脳の変化は、発症後2~5年のうちに進行することがわかっています。そのため発症後できるだけ早く、遅くとも3年以内に治療を始めることが理想的とされています。脳の器質的変化が明らかになっていないうつ病や不安症といった、ほかの精神疾患も同様です。早期から適切な治療を受けることで、より早い回復を期待することができるのです。  早い段階で治療を始めるにはまず、できるだけ早く病気の兆候に気づくこと、そして時間をおかずに医療機関を受診する必要があります。たとえば統合失調症の場合は幻覚や妄想が現れるとか、うつ病であれば気分が落ち込んだり、何をしても楽しめなかったりする日が続く、というように病気ごとの特徴的な症状を知っておけば病気に気づきやすくなります。  こうした症状は病気が始まってから現れますが、実はその前に「病気の予兆」とされる症状が出ていることが多いのです。この症状を知っておけば、さらなる早期発見が可能です。  よく見られるのは、「不眠」や「食欲不振」「気分の落ち込み(うつ状態)」「不安やイライラ」「集中力の低下」です。いずれも健康な人でも日常的に体験する不調です。  しかし、健康な人では何週間も続くことはありません。不眠といってもいつもと比べて寝つきが悪いとか、朝の寝覚めが悪いなど、「なんとなくおかしい」ということで気づければ、体調を整えやすくなります。  いずれの症状も疲れているときや調子が悪いときによく経験するありふれたものなので、そのままにしてしまう人が少なくありません。実際、精神疾患の患者さんに、「こういう症状が出ていませんでしたか?」と聞いてみると、「そういえば……」とたいていの人が思い当たりますが、当時は気にも留めていなかったという人がほとんどです。  この「いつもとは違う」「ちょっとおかしい」という超早期の変化を見逃さずに医療機関を受診し、適切な治療を受けることができれば、精神疾患の発症を防げる可能性も十分にあるのです。 ■うつ状態=うつ病ではない  近年は「うつ(depression)」という言葉が広く浸透し、「気分が落ち込んでいるからうつ病だ」などと、なんでもかんでもうつ病にしてしまうケースも増えています。インターネットで集めた情報をもとに、「私はうつ病なんです!」と自己診断をする人もいるほどです。  たとえば試験に失敗したり、好きな人に振られるなど、何かショックを受けて気分が落ち込んだ状態、つまり「うつ状態」になるのはよくあること。  ショックな出来事に対する心の反応なので、原因が解消されたり、気分転換をしたり、ある程度時間が経過したりすることで次第にショックはやわらぎ、回復していくものです。うつ病の場合は、たとえ原因となっていた問題が解決しても気分が回復せず、仕事や学校に行けなかったり動くことができなかったり、日常の生活に大きな支障が生じるので、治療が必要になります。  うつ状態はうつ病の症状の一つですが、うつ状態=うつ病ではないのです。 ※『心の病気にかかる子どもたち』(朝日新聞出版)より抜粋 水野雅文(みずのまさふみ)東京都立松沢病院院長 1961年東京都生まれ。精神科医、博士(医学)。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院博士課程修了。イタリア政府国費留学生としてイタリア国立パドヴァ大学留学、同大学心理学科客員教授、慶應義塾大学医学部精神神経科専任講師、助教授を経て、2006年から21年3月まで、東邦大学医学部精神神経医学講座主任教授。21年4月から現職。著書に『心の病、初めが肝心』(朝日新聞出版)、『ササッとわかる「統合失調症」(講談社)ほか。

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    桝太一アナが日テレ退社で同志社大の研究員に「鉄腕ダッシュ」出演継続望む声

     日本テレビの桝太一アナウンサーが3月末で同局を退社することを発表した。  桝アナは23日に自身がMC務める「真相報道バンキシャ!」の番組冒頭で報告。「私は3月をもって日本テレビを退職し、大学の研究所員に転職することにいたしました。これまで16年間アナウンサーとして皆さまにさまざまな情報をお伝えしてきましたが、自分の中でずっと課題であると感じてきたことは、科学的なことをテレビでもっと分かりやすく的確に伝えることができないかという部分でした」と自身の思いを明かした上で、「これからより良い科学の伝え方についてもっと深く考えて、それを実践していくためにはどうすればよいか考えた結果、新年度からは同志社大学ハリス理化学研究所の助教として、サイエンスコミュニケーションと呼ばれる学問分野に取り組んでいきます。なおバンキシャのキャスター自体は継続し、分かりやすく的確に科学を伝える方法を番組を通して皆さんと一緒に考えて実践していくことを目指したいと思っています」と今後の自身の進路について語った。  桝アナは東京大学大学院農学生命科学研究科修了後、06年に日本テレビに入社という異色の経歴を持つ。  2011年から朝の情報番組「ZIP!」の総合司会を務め、13年は「24時間テレビ」の総合司会を担当。オリコン調査による「好きな男性アナウンサーランキング」で11年から5年間、1位に選ばれ「殿堂入り」した。物腰が柔らかく、共演者の魅力を引き出す能力に長けている。視聴者にはこのような印象が強いが、テレビ制作会社のスタッフは違った見方をする。 「とにかくストイックですね。番組前に下調べを入念に行い、緊張感のある雰囲気を漂わせていた。プロ意識が非常に高く、疑問点があれば制作スタッフに聞いて話を突き詰める。番組作りに携わるスタッフたちの信頼が非常に厚かったです。フリーに転身する人は華やかなイメージがありますが、桝さんは本当に実直で縁の下の力持ちという役回りに徹していた。だから視聴者の心もつかんだのでしょう。そんな桝さんの違った一面が見られるのが、自然や生物と接するロケの時ですね。ハイテンションになり、声のトーンも普段より1オクターブ上がる。桝さんは伝え方がうまいので、科学の世界を身近に感じて興味を持った視聴者も多いと思います」  桝アナの「素の姿」が見られると好評なのが、日本テレビ系バラエティー番組「ザ!鉄腕!DASH!」だ。人気コーナー「DASH海岸」に、アイドルグループ・TOKIOのメンバーと出演。横浜市の工業地帯付近で水質を浄化しながら、東京湾に生息する海洋生物を調査する企画で、桝アナは専門家も驚く海洋生物の知識を披露している。幻の古代サメ・ラブカの捕獲に成功した際は、「マジか!マジか!ホントにいるんだ…しかも生きてるよ!」と頭を抱えて絶叫するなど、DASH海岸のロケでは少年のように無邪気に興奮している姿が話題になった。  日テレ退社後も、「真相報道バンキシャ!」のキャスターは継続するという。気になるのは「ザ!鉄腕!DASH!」の出演だ。  ネット上では、「枡アナ、バンキシャだけじゃなく鉄腕ダッシュにも続投してほしい 私の願いはただそれだけです(原文ママ)」、「枡さん、鉄腕ダッシュにも出てくれたらいいなあ…。生物ヲタクがダダ漏れていて楽しく見てました(原文ママ)」などのコメントが。  研究者とキャスターという「二刀流」で新たなフィールドに挑戦する桝アナ。視聴者が楽しみにしていた「ザ!鉄腕!DASH!」でも、その勇姿が引き続きみられるか注目される。(西川秀之)

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    オミクロン患者、頭のモヤ状態「ブレインフォグ」の症状も 思考力や集中力が低下

     新型コロナウイルスのオミクロン株の流行が収まらない。そのなかで、「ブレインフォグ」という見逃せない症状が広がっているという。AERA 2022年1月31日号の記事を紹介。 *  *  *  新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者の症状に、従来株とは異なる「ある特徴」が報告されている。  英国の感染状況を分析している「ゾエCOVIDシンプトム・スタディー」が1月6日に公表したデータによると、オミクロン株の主な症状は(1)鼻水(73%)、(2)頭痛(68%)、(3)倦怠感(けんたいかん、64%)、(4)くしゃみ(60%)、(5)のどの痛み(60%)となっている。上位五つの症状よりも低いものの、見逃せないのが、24%の人が訴えている「ブレインフォグ」(脳の霧)だ。  ブレインフォグは文字通り、頭にモヤがかかったような状態に陥り、思考力や集中力が低下する症状だ。従来、新型コロナの後遺症として注目されてきたが、オミクロンの場合、感染初期から「一般的な症状」として表れるという。この報告に衝撃を受けた一人が、国立精神・神経医療研究センター神経研究所の山村隆・特任研究部長だ。 「オミクロン患者の4分の1にブレインフォグの症状が出るというのは、想像するだけでも恐ろしいことです。初期対応を誤れば一定の人が慢性化し、働き盛りの人たちの人生を奪うことになりかねません」 ■家族にも理解されない  ブレインフォグは診断がなかなかつかないのが実情だ。患者は医師や職場、家族にすら症状を理解されず、精神的に追い詰められるケースもある。医療関係者が運動を勧めたり、「怠けずに仕事に行きなさい」といった指導をしたりすれば、症状が一気に悪化して慢性化するリスクもあるという。山村さんは「発症メカニズムをしっかり理解した上で、早期に医療関係者向けの治療ガイドラインなどを策定する必要があります」と訴える。  全身の極度の疲労やブレインフォグは「筋痛性脳脊髄(せきずい)炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」という免疫疾患でよくみられる症状だ。発熱やのどの痛みといった風邪の症状の後に発症することが多いため、主に呼吸器に感染するウイルスが引き金となって起きると考えられている。  ME/CFSの外来診療にあたってきた山村さんのもとには、40歳前後を中心に新型コロナの後遺症に悩む患者が全国から訪れている。それだけ症状が似ているからだ。米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長も2020年7月の会見で、後遺症に悩む人の症状について「ME/CFSの患者にみられる症状に似ている」と言及している。  山村さんは言う。 「共通する症状は、疲れて仕事に行けなくなることです。無理をして出勤しても、ボーッとしてしまって集中力が全くなく、会議にもついていけない。数行のセンテンスも頭に残らないため、本も読めない。労災申請の書類も書けない人がいます」 ■「自己免疫反応」に注目  ME/CFSは本来、体内に入ってきた異物を攻撃するはずの抗体が、間違って自分の体のたんぱく質を攻撃する「自己免疫反応」によって、免疫が正常に働かなくなるために引き起こされると考えられている。  山村さんらの研究グループはこの点に着目。15~19年にME/CFSの患者89人の血液中の自律神経に反応する自己抗体濃度と、脳内構造ネットワークの関連を調べた。その結果、自己抗体の濃度が高いほど脳のネットワーク構造に多くの異常が起きていることを確認。具体的には交感神経系のβ1、β2と呼ばれる受容体の抗体の濃度が高いほど、ME/CFSを発症する脳の特定の部位の異常が顕著に見られることを明らかにした。 「新型コロナでも様々な自己抗体の血中濃度が高い患者が報告されています。新型コロナ感染後の倦怠感やブレインフォグも、自律神経が関係する脳の血流障害、つまり自己免疫反応によるものがかなりの割合を占める、とほぼ確信しています」  山村さんがこう話すのは、いわゆる「免疫療法」で症状が緩和されるケースを確認しているからだ。医療現場でいま試みられているのは上咽頭(いんとう)擦過療法。耳鼻科では多くの患者に鼻の奥の上咽頭に炎症が確認される。この患部を洗浄する治療法だ。 ■海外では10%超に症状 「上咽頭の炎症を治療することで症状が改善するケースがかなりあるようです。上咽頭の炎症で出る炎症物質はブレインフォグの誘因かもしれず、炎症を取り除くことで脳への悪影響を緩和できる可能性があります。また、上咽頭の周囲には脳神経の迷走神経が走っており、上咽頭擦過療法では自律神経が刺激されます。これが脳血流を増やすことにつながりブレインフォグを改善させるのではないか、と考えています」(山村さん)  ほかにも、ステロイド剤や免疫抑制剤も治療に使う。炎症を抑える効果に加え、自己抗体の産生を抑える効果も期待しての措置だという。WHO(世界保健機関)は今年1月、オミクロン株について、鼻やのどといった上気道の炎症を引き起こしやすいものの、ほかの変異株に比べて肺まで達して重症化するリスクは低い、との見解を示した。これについて山村さんは言う。 「病原性ウイルスが肺に入って症状を悪化させるのと、後遺症を起こすメカニズムは別と考えています。後遺症には上咽頭の炎症を治療するアプローチが必要です。これはオミクロン株でますます重要なポイントになるはずです」  新型コロナの後遺症でブレインフォグを患っている人はどれぐらいいるのか。  山村さんは「海外の統計では10~20%と言われています。東京都世田谷区が後遺症の調査をしていますが、全身の倦怠感を訴えた人のうち、かなりの割合がブレインフォグになっている可能性があります」と指摘する。  世田谷区が昨年9月に公表した、新型コロナの後遺症に関するアンケートによると、回答者のうち、「後遺症がある」と答えたのは1786人(48%)。30~50代で「ある」がいずれも半数を超えていた。後遺症の症状別でトップの嗅覚(きゅうかく)障害(971件)に続いて、全身の倦怠感(893件)が多かった。 ■早期治療が鍵を握る  慢性的な自己免疫反応を防ぐには早期治療が重要だという。 「感染してから半年はすごく重要です。遅くとも1年以内にはブレインフォグの治療が必要です。安静にしておくべき初期段階に勤務先の都合で激務にさらされたり、いじめにあってストレスを受けたりした人たちが難治化しています」(同)  ちなみに、オミクロン株の感染拡大が先行している沖縄で新型コロナの診察に当たる沖縄県医師会理事の医師によると、倦怠感を訴える患者は目立つが、ブレインフォグの症状を訴える患者はいない、という。  この医師は「倦怠感とブレインフォグの症状は全く別ですから、混同することはありません」と話した。  医師の間でも判断は分かれており、実態をつかむのは難しい。ただ、社会や周囲の理解がないために難治化してしまう実態を踏まえれば、海外の情報も踏まえて議論を深め、ブレインフォグの患者が症状を訴えにくい状況を改める必要はあるだろう。(編集部・渡辺豪)※AERA 2022年1月31日号

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    室井佑月「ただ辛い」

     作家・室井佑月氏は息子を持つ母として、東大前刺傷事件を起こした少年の更生を願う。 *  *  *  1月15日、名古屋市の高校2年の少年が、東京大学前の路上で、共通テストを受けに来た高校3年の男女2人と72歳の男性を刃物で切り付けるという痛ましい事件が起こった。17日の「テレ朝news」では、 「警視庁によりますと、少年は逮捕時の取り調べで『医者になるために東大を目指していたが、成績が上がらず自信を失(な)くしていた』『医者になれないなら自殺しようと思った。自殺する前に人を殺して罪悪感を背負って切腹しようと思った』などと供述しているということです」 「警視庁は、少年が学業で悩みを抱えていたとみて捜査しています」  心が不安定だったのだろうか。まったく関係のない人たちを刃物で切り付けるという発想はおかしい。  あたしも息子を持つ母だ。この事件で人の命が失われなくて、本当によかったと思う。親であるあたしが考えることは、もし息子が事件を起こしたら、そしてもし息子が被害にあったら、その両方だ。  子を育てた経験と、自分の当時の記憶に頼れば、17歳前後というのは、非常にデリケートな時期だ。でも、みんなそこを乗り越え大人になる。  この少年は、無抵抗な人を刺し、道を踏み外してしまったけれど。この先の彼の人生は長い。更生できるのなら更生してほしい、といったら被害者に100%寄り添えと怒られるだろうか。  しかし、被害者やその家族だったとしても、あたしはこの少年が、心の病であるならきちんと治療し、施設(少年刑務所や少年院など)で自分のしでかしたことと真摯(しんし)に向き合って欲しいと思う。(被害者やその家族だったと想像して)自分の心の了解が得られるなら、一つの物事の区切りとして、少年に謝罪を求めたくなるかもしれない。  なにごとも時間だ。もちろん、被害者たちの絶対に許さないという感情も、少年は受け入れなくてはならない。被害者側にそのどちらをも選択できる余地があるというのは、少年にとってギリギリラインの救いであるかもしれない。  と、いうようなことをニュースを見ながらぼんやりと考えていた。そのとき、昔なじみのメディア関係者から電話がかかってきた。たわいもない話から、この事件の話になり、「じつは今、この件を追ってる」といっていた。少年の人間関係を探って、どういう子であったのかを調べているという。同級生の親の承諾を得て、同級生からの意見が欲しいんだとか。 「どうかやりすぎないでくれ」  そうあたしは懇願した。それは一時、人の好奇心を満たすけど、世の中の傷口を広げてしまう、誰のためにもならない行為であるような気がして。 室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中※週刊朝日  2022年2月4日号

    週刊朝日

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    ゆうちょ銀「大量硬貨両替」手数料で防衛策 大阪の神社「商店主とコインチェンジ」作戦 

    「ゆうちょ銀行」が1月17日から硬貨を窓口やATMで入金する際、手数料の徴収を開始し、波紋が広がっている。  ATMでは1枚から25枚が110円、26枚から50枚が220円、51枚から100枚が330円と枚数が増えるごとに手数料はアップ。窓口では50枚まで無料だが、51枚から100枚まで550円とATMよりも割高だ。  すでにメガバンクでも、手数料の徴収は導入されており、三井住友銀行は300枚まで、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行は100枚までが無料。その枚数を超えると、窓口では有料となるが、ATMでは無料という点がゆうちょ銀行とは大きな違いだ。  こうした手数料に頭を悩ませているのは1月の初詣、2月の節分などの行事が多い神社や寺院だ。  大阪府交野市の住吉神社では毎年、初詣は数多くの参拝者でにぎわう。地元では、1月1日に日付が変わるころに境内の鈴を鳴らして参拝しようと行列ができるそうだ。 「1月は普段の月より、お賽銭は多くなりますね。かなりの金額になります。ゆうちょ銀行はじめ金融機関の硬貨入金の手数料有料化は正直、困ったものです。これは、他の神社やお寺なども共通の悩みだと思います。かといって、とても硬貨のお賽銭はお控えくださいなんて言えません。スマホ決裁と言ってもまだ先でしょうし…」(住吉神社)  硬貨の扱いが多いのは、寄付などを募るボランティア団体も同様だ。関東のあるボランティア団体ではこれまで、設置している募金箱や街頭募金で集まった硬貨はそのままゆうちょ銀行に持ち込んでいたという。ボランティア団体代表はこう語る。 「硬貨は重いのと、数えるのに時間がかかります。集まった募金の硬貨をずっと保管するのもセキュリティの問題があります。ゆうちょ銀行のATMに投入すれば、すぐに集まった金額がわかるので便利でした。それにコロナの感染拡大で、できるだけ接触機会を抑えたい。ボランティア団体なので銀行口座への振り込みなどの寄付もある。一番、利便性が高かったのがゆうちょ銀行でした。しかし、今後はATMで手数料がかかるということで、不要な銀行を探して口座を開設しました」    同じく、硬貨を頻繁に取り扱う和歌山県の廃品回収業者もこう嘆く。 「家庭や小さな業者からものを買い取る際には硬貨がたくさん必要です。毎日、在庫の硬貨を残して、管理をするのにゆうちょ銀行のATMに入金して、重宝していました。手数料がかかるようになり、頭が痛いですね。都会ではないので、ゆうちょ銀行以外の金融機関がなかなか見つからない。毎日、硬貨が多くなりすぎて、大変ですよ」 ◆地元でウインウインな新戦略  その対応策として前出の住吉神社は2月13日から「コインチェンジ」という新しい試みをはじめるという。初詣などで寄せられた硬貨を地元の商店主などと組んで紙幣に両替するというものだ。  1円玉から500円硬貨まで、すべてを取りそろえ、それぞれ、50枚に包装したものと紙幣を両替するという。手数料は無料だ。  メガバンクなどで紙幣を硬貨に両替する場合、当該銀行に口座がある場合は、枚数制限はあるが10枚までは無料。それ以上の数量になると、有料となることが一般的だ。  ゆうちょ銀行の場合、預け入や払い込みの際、硬貨を窓口に持ち込む場合、1~50枚は無料。51枚~100枚は550円、101枚~500枚は825枚、501~1000枚は1100円、1001枚以上は500枚毎に550円の加算となる。住吉神社の取り組みは硬貨の取り扱いに困惑する神社や寺院、商売で硬貨が必要な商店主、お互いがウインウインのアイデアだという。住吉神社担当者がこう説明する。 「この時期は普段と比べて、硬貨の在庫が非常に多いのです。商店主など、硬貨が必要な方と両替する。これをきっかけにして、ご参拝をいただければ、ありがたいということで企画しました。2月13日以降も在庫があれば日曜日ごとに実施しようと思っています。両替に手数料がかかるということで、お互いのメリットにつながればと思っております。硬貨の包装をする機械メーカーにご協力をいただけたことも、実現した大きなポイントです」 『商店主のみなさん、手数料に困っていませんか』と呼びかけるポスターを境内に掲示するという。住吉神社の取り組みが注目される。 (AERAdot.編集部 今西憲之)

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    山本、宮城が揃うオリックスは文句なし! 最下位は? “若手充実度”ランキング【パ・リーグ編】

     プロ野球のキャンプインも目前となり、各球団オフの補強はひと段落した印象を受けるが、シーズンを大きく左右するのが現有戦力、特に若手選手の上積みである。昨年もヤクルトでは奥川恭伸、オリックスでは宮城大弥、紅林弘太郎が一気に中心選手へと成長を遂げ、チームの優勝に大きく貢献している。  そんな次世代のチームを担う若手について、今後が期待できる選手の充実度をランキング形式で評価してみたいと思う。若手選手の対象としては2022年の満年齢が24歳以下とし、一覧の()内の選手は育成選手となっている。また、今年のルーキーについては対象として考えず、あくまで昨年の成績で評価した。今回はパ・リーグの6球団についてだ。/セ・リーグはこちら→広島はスター候補多し、巨人は野手育成が不可欠! “若手充実度”ランキング【セ・リーグ編】 *  *  * 1位:オリックス 一軍主力投手:山本由伸、宮城大弥一軍主力野手:紅林弘太郎一軍戦力投手:山崎颯一郎一軍戦力野手:太田椋二軍主力投手:本田仁海、山下舜平大、中川颯、(東晃平)、(榊原翼)二軍主力野手:元謙太、宜保翔、来田涼斗、佐野如一  今や球界のエースと言える山本と昨年大ブレイクした宮城の2人が揃い、文句なしで1位に選んだ。ともにまだまだ成長の余地があり、右と左でタイプも異なるという点も強みだ。故障さえなければ、今後も他球団にとって脅威の二枚看板となる可能性は高い。投手陣でもう1人楽しみなのが昨年終盤に先発の一角に定着した山崎だ。2019年にトミー・ジョン手術を受けて一時は育成契約となったが、リハビリ期間のトレーニングの成果からか見違えるほどボールが力強くなった。今年は一気に成績を伸ばす可能性もあるだろう。二軍でもまだ結果は出ていないが本田、山下などがイニング数を重ねており、近い将来のブレイク候補として期待がかかる。  一方の野手も紅林が高卒2年目にしてレギュラーに定着。2018年ドラフト1位の太田も存在感を示しており、二軍でも宜保、来田、元など高校卒の若手が経験を積んでいる。彼らの中から紅林に次ぐレギュラーが出てくることも十分に期待できるだろう。 2位:西武 一軍主力投手:今井達也、平良海馬一軍主力野手:一軍戦力投手:渡辺勇太朗、水上由伸一軍戦力野手:若林楽人二軍主力投手:浜屋将太、(上間永遠)二軍主力野手:渡部健人、ブランドン、山村崇嘉、川野涼多、高木渉、鈴木将平※上間は昨年11月にトミー・ジョン手術を受けて2022年シーズンはリハビリの予定  昨年は42年ぶりの最下位に沈んだ西武だが、若手に限ればリーグでもトップクラスの顔ぶれとなった。投手は平良がリーグを代表するリリーフへと成長。今井もポテンシャルを考えると物足りない部分はあるものの、昨年は初めて規定投球回をクリアするなどキャリアハイの成績を残している。今年22歳の渡辺も昨年は一軍で4勝をマークし、育成で入団した水上も1年目から中継ぎで貴重な戦力となった。二軍の主力投手が少ないのは気がかりだが、昨年のドラフトで大学球界を代表するサウスポーの隅田知一郎と佐藤隼輔が獲得できたことも大きなプラスとなりそうだ。  一方の野手も投手と比べると一軍の戦力になっている選手は少ないが、今後が楽しみな選手は非常に多い。特に目立つのが一昨年のドラフトで指名した選手たちだ。若林は膝の怪我で離脱するまではレギュラーとして活躍し、渡部、ブランドン、山村も1年目から二軍で結果を残している。現在のレギュラーは中堅、ベテランが大半なだけに、彼らの成長がチームの命運を握っていることは間違いないだろう。 3位:ロッテ 一軍主力投手:一軍主力野手:安田尚憲一軍戦力投手:鈴木昭汰、佐々木朗希一軍戦力野手:佐藤都志也、藤原恭大、山口航輝、和田康士朗二軍主力投手:森遼大朗、(佐藤奨真)、(小沼健太)二軍主力野手:西巻賢二、(山本大斗)  井口資仁監督が就任してから若手の抜擢が目立つロッテ。投手でやはり大きいのは佐々木朗希の存在だ。2年目の昨年はシーズン終盤にエース格へと成長し、今年はさらなる飛躍が期待できる。近い将来、球界を代表する投手となる可能性も高いだろう。二軍ではいずれも育成出身の森、佐藤奨真、小沼が結果を残し、まず森が支配下登録を勝ち取った。他にも故障からの復活を目指す種市篤暉、古谷拓郎などが控えているのも心強い。  野手は安田がサードのレギュラーに定着。期待の高さを考えると昨年の成績はかなり物足りないが、今年で23歳ということを考えるとまだまだ成長は期待できる。他にも育成出身の和田が盗塁王を獲得するなど、一軍の戦力となっている若手は多い。山口、山本と強打者タイプが出てきたこともプラスだ。安田、藤原のドラフト1位コンビが中軸となり、他の選手が脇を固めるような布陣でシーズンを通して戦えるようになれば、一気に黄金時代も見えてくるだろう。 4位:日本ハム 一軍主力投手:堀瑞輝一軍主力野手:野村佑希一軍戦力投手:河野竜生、立野和明一軍戦力野手:万波中正二軍主力投手:吉田輝星、望月大希二軍主力野手:田宮裕涼、清宮幸太郎、上野響平、(難波侑平)  実績のある選手を次々と放出するのはもはやお家芸とも言える日本ハムだが、若手の輩出スピードは一時期と比べて少し鈍っている印象を受ける。それでも昨年は堀が最優秀中継ぎのタイトルを獲得し、野村がチーム4位の99安打を放つなど徐々に新たな芽が出てきたのはプラス材料だ。河野と立野の投手2人もシーズン終盤は先発ローテーションに定着しており、今年は飛躍が期待できる。  そんな中でやはり気になるのが吉田と清宮のドラフト1位コンビの2人だ。吉田はルーキーイヤーに初登板初勝利をマークしてからは一軍で結果を残すことができず、清宮も4年目の昨年はプロ入り初の一軍出場なしに終わっている。ともに二軍ではそれなりに結果を残しているものの、それでファンが満足するような立ち位置でないことは明らかである。新庄剛志新監督を迎えた今年が大きな転機であり、逆に言えばこのチャンスを逃せばズルズルと低迷する危険性も高いだろう。 5位:ソフトバンク 一軍主力投手:一軍主力野手:一軍戦力投手:津森宥紀一軍戦力野手:三森大貴、リチャード二軍主力投手:スチュワート・ジュニア二軍主力野手:増田珠、野村大樹、水谷瞬、佐藤直樹  毎年のように楽しみな選手が出てくるソフトバンクだが、選手層の厚さもあってどうしても一軍定着までに時間がかかり、昨年の時点で主力となっている選手は投手、野手ともに不在という結果となった。そんな中でも野手は三森が準レギュラーと言えるところまで成長し、待望の大砲候補であるリチャードが一軍で7本塁打を放ったのは大きなプラスだ。二軍でも増田、野村、水谷の3人は高校卒でまだまだ若いだけに今後の成長も期待できる。今年は彼らの中から一軍の戦力となる選手を輩出したいところだ。  一方の投手は野手以上に中堅層が厚く、若手で結果を残している選手は非常に少ない。大きな希望の星と言えるのが今年で来日4年目を迎えるスチュワート・ジュニアだ。二軍では完全に格の違いを見せており、昨年は一軍デビューも果たしている。ただ、外国人選手ということでどうしてもメジャー復帰の危険性はあるため、他にも太い柱となる存在は必要である。そういう意味でもドラフト1位ルーキーの風間球打にかかる期待は大きい。 6位:楽天 一軍主力投手:早川隆久一軍主力野手:一軍戦力投手:一軍戦力野手:二軍主力投手:高田孝一、(王彦程)二軍主力野手:水上桂、黒川史陽、武藤敦貴  一覧に名前が挙がった選手は12球団で最少となる6人。ここ数年FAなどで積極的に戦力を補強した結果一軍の戦力は充実したが、若手に関してはかなり寂しい状況と言える。特に厳しいのが投手陣だ。昨年は早川が一軍で9勝、高田も二軍でチーム2位となる6勝とルーキーの2人が存在感を示したが、それ以外では二軍まで含めて戦力となっている若手は育成契約の外国人選手である王しかいない。支配下で指名している高校生投手がそもそも少なく、その中でも期待されていた藤平尚真が停滞していることも大きく響いている。現在のローテーションはベテラン中心だけに、数年後を考えるとかなり危険な状況と言えるだろう。  一方の野手も黒川と武藤は楽しみな存在だが、それ以外はかなり手薄な状況となっている。期待されながら停滞している内田靖人、オコエ瑠偉などは既に中堅に差し掛かっており、二軍の主力メンバーもこれからの成長が期待できる選手は少ない。昨年のドラフトでは1位で吉野創士、3位で前田銀治と高校生野手を高い順位で指名したが、彼らをいかに早く主力にできるかがチームの命運を握ることになりそうだ。 (文・西尾典文) セ・リーグも併せてお読みください→広島はスター候補多し、巨人は野手育成が不可欠! “若手充実度”ランキング【セ・リーグ編】 ●プロフィール西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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    房総半島沖に「巨大地震の未知の震源」を発見 大津波が発生した痕跡も

     トンガの海底火山の大噴火から間もない1月22日未明、宮崎県と大分県を震度5強の地震が襲った。震源は日向灘沖で南海トラフ地震の想定震源域だ。一方、首都圏では未知の巨大地震の痕跡が。「アルマゲドン地震」は来るのか。  静岡県から宮崎県までの広範囲にわたって震度7の揺れを引き起こす「南海トラフ地震」。北海道から東北地方の太平洋沖の「日本海溝・千島海溝地震」。いずれも東日本大震災と同等のマグニチュード(M)8、9クラスの「アルマゲドン地震」と呼ばれる巨大地震だ。南海トラフ地震の発生確率は今後30年で70~80%、千島海溝では今後30年間で40%の確率で発生すると言われている。  だが、近年、「巨大地震の未知の震源」として注目されているエリアがある。しかもそれは、首都・東京に近い千葉県の房総半島沖にあった。産業技術総合研究所(産総研、茨城県つくば市)の宍倉正展・海溝型地震履歴研究グループ長は言う。 「房総半島の東側にはフィリピン海、太平洋、北米の三つのプレートがぶつかる『プレートの三重点』と呼ばれる領域があります。そのうち、フィリピン海プレートの下に太平洋プレートが沈み込む領域があり、そこが破壊されると津波が発生する可能性があります。最近の調査では、約千年前に九十九里浜(千葉県)に巨大津波が発生していたことがわかりました。関東に大きな被害をもたらす地震としては、相模トラフの関東地震が知られていますが、それとは異なる震源です」  調査を担当した産総研らのチームによると、震源域は房総半島沖20~50キロの深さにあり、約1千年前に発生した津波は、九十九里浜の当時の海岸から約2~3キロの地点まで浸水したという。  なぜ、これほどの巨大地震がこれまで見過ごされてきたのか?  実は、宍倉氏らは「古地震学」という学問分野の手法を用いて調査をしている。宍倉氏が言う。 「古地震学では、主に明治以前の地震について研究しています。古文書などの歴史記録をたどりながら、地形や地層に残された地震や津波の痕跡を探して、過去の地震を探ることを主眼としていますが、それにより未知の巨大地震の存在が明らかになってきました」  869年に日本海溝沖で発生した「貞観地震」については、2011年3月に東日本大震災が発生する以前に、大きな津波が来たことを宍倉氏らの調査チームは発見していた。そのため、東日本大震災以降、過去の巨大地震を調査する動きが増え、今回の房総半島沖での未知の震源地の発見につながった。  今回の産総研らの調査では、約300年前に発生した巨大津波の痕跡も発見されている。  実は、房総半島の北端に位置する千葉県銚子市でも、同様の調査結果が出ているという。東北学院大や東北大の調査によると、銚子市では沿岸の一部で津波の高さが約17メートルに達していた。波が陸をかけあがる「遡上(そじょう)高」は20メートルに達した可能性があると分析している。  こういった研究成果が次々と出てきたことで、茨城県東海村の日本原子力発電・東海第二原発が対応に追われている。東海第二原発は、房総半島を北上した茨城県沿岸に位置するが、東日本大震災のときには5.4メートルの津波が襲い、6.1メートルの高さの防潮壁を危うく超えそうになった。  11年以降、15メートルの津波にも耐えられるように防潮壁を強化したため、房総半島沖の巨大津波について、原子力規制委員会は「施設の安全機能に影響を及ぼさない」との判断を下した。だが、「引き続き、研究動向に注視し、情報収集を行う」(同)との見解も示している。  房総半島沖の巨大地震に、どう対応すればいいのか。前出の宍倉氏はこう話す。 「房総半島沖の津波は、数百年に一度のペースで発生しており、前回からすでに300年以上が経過しています。津波が発生した場合、どのような影響を与えるのかについて、具体的にシミュレーションし、警戒する段階に入っています」  房総半島沖が震源でも、東京の都心部に致命的な打撃を与える可能性もある。地震による堤防破壊で洪水が起こる「地震洪水」だ。水害対策に詳しいリバーフロント研究所の土屋信行・技術審議役は、こう警告する。 「東日本大震災では、震源が三陸沖であったにもかかわらず、東京都江戸川区の旧中川は堤防段差が70メートル、延長300メートルにわたって破壊されました。そのほか、全国で3475カ所の堤防が破壊されています。千葉県浦安市や江戸川区では液状化被害も多発し、生活インフラに大きな影響を与えました」  大都市に脆弱(ぜいじゃく)な堤防が多いのは、歴史的な理由がある。土屋氏が続ける。 「土で造られた堤防は耐用年数が長く、千年を超える堤防は日本国内でたくさんあります。一方、戦後の高度経済成長期に急いで造られた堤防はコンクリートやブロック製で、寿命は50年程度。堤防の厚みが薄く、災害時に壊れやすい『カミソリ堤防』です。地震の影響で壊れた堤防から洪水が起きれば、首都圏に大きな被害をもたらします」  特に怖いのが、台風シーズンに巨大地震が発生した場合だ。  堤防が広範囲にわたって崩壊した場合、修復に数週間かかる可能性もある。修復中に豪雨が襲えば、被害はさらに拡大する。土屋氏は言う。 「阪神・淡路大震災の際、淀川の堤防は約2千メートル破壊され、本格復旧まで約1年かかりました。台風と高潮が重なって潮位が上がった海水が、河口を逆流して東京に浸入した場合、東京の東側にあるゼロメートル地帯はすべて浸水してしまいかねません。堤防が決壊すれば、10メートル級の破壊力を持つ津波が襲います」 (本誌・西岡千史) >>【首都圏でM7クラスの地震発生確率「30年間で70%」 死者2万3千人!?】へ続く※週刊朝日  2022年2月4日号より抜粋

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    広島はスター候補多し、巨人は野手育成が不可欠! “若手充実度”ランキング【セ・リーグ編】

     プロ野球のキャンプインも目前となり、各球団オフの補強はひと段落した印象を受けるが、シーズンを大きく左右するのが現有戦力、特に若手選手の上積みである。昨年もヤクルトでは奥川恭伸、オリックスでは宮城大弥、紅林弘太郎が一気に中心選手へと成長を遂げ、チームの優勝に大きく貢献している。  そんな次世代のチームを担う若手について、今後が期待できる選手の充実度をランキング形式で評価してみたいと思う。若手選手の対象としては2022年の満年齢が24歳以下とし、一覧の()内の選手は育成選手となっている。また、今年のルーキーについては対象として考えず、あくまで昨年の成績で評価した。今回はセ・リーグの6球団についてだ。/パ・リーグはこちら→山本、宮城が揃うオリックスは文句なし! 最下位は? “若手充実度”ランキング【パ・リーグ編】 *  *  * 1位:広島 一軍主力投手:森浦大輔一軍主力野手:坂倉将吾、小園海斗、林晃汰一軍戦力投手:玉村昇悟、高橋昂也、大道温貴一軍戦力野手:石原貴規、羽月隆太郎二軍主力投手:遠藤淳志二軍主力野手:中村奨成、矢野雅哉、韮沢雄也、(木下元秀)  野手の充実度から広島をリーグナンバーワンの評価とした。昨年はプロ入り5年目の坂倉がリーグ2位の高打率(.315)をマーク。そしてともに3年目の小園と林が三遊間のレギュラーに定着すると、小園は打率3割に届かなかったものの規定打席に到達し、林も二桁本塁打を放つ見事な活躍を見せた。主砲の鈴木誠也が抜けるのは大きなマイナスだが、中村奨成にも開花の兆しが見られており、二軍で主力となっている若手が多いのはプラス材料だ。  投手は森浦がセットアッパーに定着。同じくルーキーだった大道も素材の良さを見せ、玉村と高橋のサウスポー2人も先発として成長を見せている。しかし二軍の主力としてカウントした遠藤は前年から大きく成績を落とし、アドゥワ誠、山口翔、田中法彦なども停滞が続いている。今年2年目となる小林樹斗は楽しみな存在だが、そろそろ高校生の大物投手をドラフトで狙いたいところだ。 2位:ヤクルト 一軍主力投手:奥川恭伸一軍主力野手:村上宗隆一軍戦力投手:金久保優斗、梅野雄吾一軍戦力野手:古賀優大、元山飛優二軍主力投手:木沢尚文、寺島成輝二軍主力野手:内山壮真、武岡龍世、長岡秀樹、(赤羽由紘)  チームはおろかセ・リーグの主砲へと成長した村上の存在が何よりも大きい。プレーの面はもちろんだが、チームを牽引する姿勢もとても今年で22歳とは思えない貫禄がある。しばらくは4番打者に困ることはないだろう。野手は他にも元山、武岡、長岡、赤羽と内野手に有望株が多く揃った。特に元山は今年で2年目だが、ショートのレギュラー獲得も期待できそうだ。一方で強打者タイプがやや不足しているだけに、村上に続く大砲候補もそろそろ指名を検討したいところだ。  一方の投手は昨年奥川が2年目ながらエース格へと成長したが、野手に比べると少し手薄な感は否めない。二軍の主力として名前を挙げた木沢と寺島の2人もイニング数こそ投げているものの成績は芳しくなく、一軍の戦力となれるかはかなり不透明な状況だ。奥川が不動のエースになることはもちろんだが、それに続く柱の確立も大きな課題と言える。 3位:阪神 一軍主力投手:一軍主力野手:佐藤輝明一軍戦力投手:及川雅貴一軍戦力野手:二軍主力投手:西純矢、村上頌樹、浜地真澄、(牧丈一郎)二軍主力野手:栄枝裕貴、小幡竜平、遠藤成、井上広大、小野寺暖  最も目立つのはやはり1年目にいきなり24本塁打を放った佐藤だが、それ以外にも着実に若手の層は厚くなった印象を受ける。2019年のドラフトでは1位から5位まで高校生という思い切った指名を敢行。その中から及川が早くも一軍で欠かせない戦力となり、西、井上、遠藤の3人も二軍で着実に成績を残している。昨年の佐藤以外の大学卒選手も村上と栄枝が1年目から二軍の中心となったこともプラス材料だ。  佐藤と及川の2人もまだ万全とは言い難く、不確定要素が多いぶんヤクルトよりも低い評価としたが、全体的にスケールの大きい選手が多く、楽しみな部分は多い。ドラフト1位ルーキーの森木大智も含めて、ここに名を連ねた選手たちが順調に主力へと成長すれば、チームの将来はかなり明るくなるだろう。 4位:DeNA 一軍主力投手:一軍主力野手:牧秀悟一軍戦力投手:京山将弥、伊勢大夢、桜井周斗一軍戦力野手:山本祐大、森敬斗二軍主力投手:(宮城滝太)二軍主力野手:益子京右、小深田大地、田部隼人、細川成也  チームは完全に打高投低の状況だが、若手に関しても同様の傾向がはっきりと見られる。野手では牧の存在がやはり大きい。昨年もシーズン終盤に成績を上げているだけに、他のルーキーと比べても2年目のジンクスにはまる心配も少なそうだ。また手薄なキャッチャーとショートも山本と森が昨年成長を見せており、二軍の野手も楽しみな選手が少なくない。ソト、宮崎敏郎などの力が落ちてきた時にここに名前がある選手がレギュラーにおさまるのが理想的な形と言えそうだ。  一方で投手陣は一軍の戦力不足以上に二軍の主力となっているのが育成選手の宮城だけという状況が大きな不安要素だ。入江大生、阪口皓亮、高田琢登などが相次いで故障に見舞われており、数年後の投手陣を背負って立つ太い柱はまだ見えてこない。そんな中で昨年のドラフトで高校ナンバーワンの評価を受けた小園健太を獲得できたことは大きいが、今後もエース候補になれる人材を積極的に獲得する必要があるだろう。 5位:巨人 一軍主力投手:戸郷翔征一軍主力野手:一軍戦力投手:大江竜聖一軍戦力野手:二軍主力投手:戸田懐生、平内龍太、(横川凱)、(堀岡隼人)二軍主力野手:秋広優人、湯浅大、中山礼都、(喜多隆介)  毎年のように他球団の主力が入団するのはお家芸と言えるが、その影響もあって一軍の戦力となっている野手は0という結果になった。主砲の岡本和真が今年で26歳とまだ若さがあるのは心強いが、若手野手の底上げは必要不可欠である。昨年、高卒1年目ながら二軍で積極的に起用されてある程度の結果を残した秋広と中山の成長が大きなカギを握ることになるだろう。  トータルで見れば6位の中日と比べても厳しい状況に見えるが、わずかに上と評価したのは今年で22歳ながら主戦へと成長した戸郷の存在があるからだ。昨年は一軍に定着してから数えて“2年目のジンクス”に苦しんだが、それでも2年連続で9勝をマークしたのは評価できる。しかしまだまだ次代のエースと呼ぶには心許ない状況であり、二軍の主力投手に名を連ねた選手以外にも山崎伊織、堀田賢慎、そして今年入団した翁田大勢(※登録名は大勢)、山田龍聖など上位指名の選手をどう戦力にしていくかが重要になりそうだ。 6位:中日 一軍主力投手:一軍主力野手:一軍戦力投手:藤嶋健人、橋本侑樹一軍戦力野手:高松渡、根尾昂二軍主力投手:清水達也、山本拓実、森博人二軍主力野手:土田龍空、石垣雅海、伊藤康祐、岡林勇希  セ・リーグの6球団で唯一24歳以下の主力選手が不在ということで最下位となった。一軍の戦力となっている4人の選手も藤嶋が主力に近い位置にいるものの(48試合登板で防御率1.59の好成績もホールド数はチーム6位)、それ以外の3人はまだまだ一軍に定着したとは言えない状況だ。少し年齢層を上げて27歳までを見ても完全に一軍の戦力となっているのは小笠原慎之介(25歳)と外国人選手のR.マルティネス(26歳)だけ。入団してから一軍に定着するまでに時間がかかるケースが非常に多い印象を受ける。特に昨年はリーグトップの防御率を誇った投手陣も次代のエース候補が少ないだけに、一昨年のドラフト1位である高橋宏斗を何とか早く戦力へと成長させたいところだ。  今回は昨年の成績をもとに評価したため6位となったが、それでも野手は根尾、土田、岡林、昨年は故障に苦しんだ石川昂弥など、将来が楽しみな選手は少なくない。彼らと高橋宏斗の成長次第では、今シーズンが終わった時点では一気にリーグ上位へ浮上することも期待できるだろう。(文・西尾典文) パ・リーグも併せてお読みください→山本、宮城が揃うオリックスは文句なし! 最下位は? “若手充実度”ランキング【パ・リーグ編】 ●プロフィール西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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    8年ぶり改訂の三省堂国語辞典の「フェミニズム」にザワつく心 「適当なこと言わないで」北原みのり

     作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、「フェニミスト」の定義について。 *     *  * 改訂出版されたばかりの三省堂国語辞典の「フェミニズム」の項目がSNSで話題になっている。「暮らしの中にあふれることばを集めました。辞書はかがみ。8年ぶりの全面改訂」をうたう新しい三省堂国語辞典によれば「フェミニズム」とは、「男も女も性的少数者も平等にあつかわれるべきだという<考え方/運動>。[以前は『女権(拡張)論』などと訳された]」だそうだ。   SNSでは、「フェミニズムを説明するのに、なぜ『男』が先にくるのか」「フェミニズムは女性のものだ」というフェミニストたちのまっとうな怒りが見受けられるが、三省堂の新定義によれば、「男」が「女」より先に記述されるくらいで腹を立てるのは古いタイプのフェミニスト……ということになってしまいそうだ。  もちろん、私もハ?の思いである。人生の大半、フェミニズム思想に触れ、フェミニストたちと交流をしてきた者からすれば、三省堂さん、フェミニズムにそこまで期待しないで……と言いたい。男も女も性的少数者も……ってつまりは全人類のことだと思うが、人類誰もが平等に扱われるべきだと私も願ってはいるものの、フェミニズムの定義としては雑過ぎるし、荷が重いでしょ。  ちなみに2018年に改訂された最も権威ある日本語辞典とされる広辞苑によれば、フェミニズムとは「女性の社会的・政治的・法律的・性的な自己決定権を主張し、性差別からの解放と両性の平等とを目指す思想・運動。女性解放思想。女権拡張論」である。オックスフォード辞典(英語)でも、「女性も男性と同じ権利と機会を持つべきであるという信念と目標、この目標を達成するための闘い」と記されている。そう、これがフェミニズム。フェミニズムとは、昔も今も、両性の平等を目指す思想、なのだ。そしてそれを築いてきたのは、当事者の女性たちである。三省堂のフェミニズムの定義は、その歴史をなかったことにするかのような、ゆる過ぎるフェミ定義というものだろう。  SNSでは三省堂の辞典制作の過程に女性がいないのではないか、という声もあったが、同じ三省堂から出版されている「新明解国語辞典」の編者は男性しかいないが、フェミニズムを「政治的・経済的・社会的に、性別による差別を解消し、女性の権利を確立することで平等の実現を目指す理論と運動」と定義している。今回の改訂された三省堂国語辞典については、いつもの“オジサン”がやらかしてしまった事件というよりも、もしかしたら、新しさや「今の時代のかがみ感」を意識するあまりに、そしてまたもしかしたらフェミに関心のある人が関わったからこそ「改定」されてしまった記述である可能性もある。  というのも、このくらいのゆるく雑な定義のほうが、今のフェミの感覚なのかもしれない……と思わされることはリアル社会でもよくあるからだ。  例えば、性暴力を抗議する運動の場でもよく見受けられることだが、女性の被害を訴えるときに必ず「男性にも被害者はいます」と補足したり、男性からのハラスメント問題を語っているときに、「女性が加害者になることもあります」と言ったりする人は少なくない。「女性差別反対!」というプラカードを掲げる人に、「すべての差別に反対、と書くべきでは?」と言う人もいた。それが間違っているとまでは思わないが、自分の身に起きた理不尽を語る女性に対し、これは女性だけの問題ではないですよ、と注意深く全方向に配慮しながら語らせようとする「正しい力」とはいったい何だろう。  私が知るフェミニズムは、性差別の構造的問題を明らかにしてきた理論であり実践である。例えば、男がセックスを買うのはあたりまえ、という「あたりまえ」を支えている構造の解体を試み、「性売買」の定義を変えてきたのはフェミニズムだ。1970年代に「売春」を「買春」と言い換えて、さらに今は、性売買の現場で行われていることを明確にするために「性搾取」という言い方が一部のフェミニストの中では定着してきている。また以前は、「痴話ゲンカ」「夫婦ゲンカ」とされてきたもののなかに、権力構造があり、深刻な性暴力があることを「発掘」し、それを司法で解決できるように運動してきたのもフェミニズムの成果だ。  そのような「女権拡張」の運動では当然、「あたりまえ」に恩恵を受けている人たちの利益を侵害することもあるだろう。例えば、最近のことでいえば「温泉むすめ」や千葉県警の交通安全PR動画などだ。女性の身体的特徴を過剰にデフォルメしたセクシーな二次元の表象物に「元気づけられる」人々もこの社会には一定層いるが、一方でその表象に身の危険や心理的恐怖を感じる人もいる。そういう表現物が公的な場所で表象されることや、公的な資金が投入されることに疑問を感じるフェミニストたちの声があがるたびに、SNSやメディアでフェミニストたちの声は「保守的で倫理的で時代錯誤の過剰な反応」として嘲笑されてきた。  もちろんこういったことは日本だけの現象ではない。例えば、アメリカでは、ゲームの中での性差別表現について声をあげたフェミニストが、人生を破壊されるまで攻撃されるような事件が起きている。韓国でもポルノサイトを批判する女性たちが、逆に名誉毀損で訴えられるようなことはいくらでもある。圧倒的に男性目線で仕立てられた社会のなかで、少しでも「あたりまえ」を変えようとする女性たちの闘いは、いつの時代も、どの社会も、どんな地域でも命がけだと思う。  そういうなかで、今の日本のフェミ的な問題は、「女性が差別されている」という事実すら、女性たちが遠慮がちに言っていることかもしれない。「女性だけが差別されているわけではないですが……」「男性と恋愛する女性なので私はマジョリティー側ですが……」と、全方向に配慮しながら遠慮がちに自らの被差別体験を声に出すという、加害者の存在をあぶり出すことのない「ちょうどいいフェミニズム」が求められていることだ。  そういう意味で、三省堂の定義は、多くの人にとって邪魔にならない、違和感のない、フェミニストにとっても“社会に受け入れてもらいやすくなる”ちょうどいいフェミニズムなのだろう。そう思いたい、そう思ってほしいのはいったい誰の欲望なのかは、分からないけれど。  ところで世界は広いもので、フェミニズム事典というのもある。私の手元には98年に改訂された「新版フェミニズム事典」(明石書店)があるが、原書は80年代初頭、英語圏の女性たちがつくったものだ。70年代の実践的運動をもとに80年代に理論的構築されたフェミニズムが世界をどう解釈しているかが、この事典では面白いように分かる。  例えば「性暴力」は、新版フェミニズム事典ではこう定義されている。 「男性が女性を故意に脅かし抑圧するために、組織的に使う性的なテロ行為」  テロ行為である……。その言葉の強さに圧倒されそうになるが、例えば10歳の自分が突然エレベーターの中でオジサンにお尻を触られた気持ち悪さや、アルバイト先のスーパーで「包丁のさばき方を教えてあげる」と背後から抱きつかれたりなど、それはあまりにも一方的で、人生を中断させる暴力行為であったことをジワジワとこの言葉によって肯定されるような思いになる。やる側にとっては大した覚悟もない、テロと言うにはあまりにも軽い、ちょっとしたお楽しみ程度の気軽さだろうが、やられた側からすればテロ行為、というのがふさわしい重さだ。実際の行為をもって自ら持つ権力を行使し、力ずくで分からせる恐怖政治と考えれば、性暴力=テロ、はむしろ胸にストンと落ちるような定義にも読めてくるだろう。  そう、こんなふうにフェミニズムは、今の世の中からかなりはみ出るくらいの本来、過激な思想である。そして「女とは誰か」「女であるとはどういうことか」をずーっと自問し続ける哲学でもある。そういう者たちに対して「男も女も性的少数者も」と、適当なことは言わないでほしい。ちょうどいいフェミニズム、にはおさまりきれない痛みから始まったのが、フェミニストの思想なのだ。 ■北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。女性のためのセクシュアルグッズショップ「ラブピースクラブ」、シスターフッド出版社「アジュマブックス」の代表

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    小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”【2021年下半期ベスト20】

     2021年も年の瀬に迫った。そこで、AERA dot.上で下半期に読まれた記事ベスト20を振り返る。1位は「【独自】小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”」(9月8日配信)だった。(※肩書年齢等は配信時のまま) 「小室圭さんの実力では無理だと思います」  こう話すのは、全米で「トップ100」と呼ばれる大手弁護士事務所(ビッグロー)のパートナー弁護士のA氏。専門は、海外企業同士のM&Aなど。米国を拠点に世界を飛び回り、収入も桁違い。この姿こそ、小室さんが思い描く将来でもあるようだ。  昨年の秋ごろ、A氏の事務所に、働かせてほしい、と小室さんの「経歴書」のようなレジュメが別の弁護士を通じて届いたという。小室さんは、ニューヨークなど大都市での弁護士の仕事を探しており、ビッグローか、その下の規模のミッドローでM&Aなどをやりたいという。  A氏がそのレジュメを見て思ったのが、冒頭の言葉だ。なかでも、A氏が首をかしげたのがニューヨークのフォーダム大ロースクール(法科大学院)への留学の部分だ。「疑問なのは、彼がLLM(法学修士)のコースに入ったことです。しかも1年学んだ後に、JD(法務博士)コースに編入している。大きな事務所を目指してて、こんな動き方をするなんて聞いたことがない」  LLMとJDというのは、ロースクールでのコース名だ。米国の大学には法学部がなく、弁護士を目指す人は、大学卒業後にJDに入る。ここで3年間学び、事務所に入るのが一般的なパターンだという。  一方、LLMは、法律の資格を持つ外国人留学生が多いといい、「表現として正しいかわかりませんが、キャリアに“箔(はく)をつける”ようなイメージです」。  A氏によると、米国で弁護士となるのに重要なのはJDでの1年目だ。 「米国での就職活動は、2年生の終わりの夏休みで終わります。事務所のサマープログラム(インターン)で働き、その後よほどのことがない限り、その事務所からオファーを受けて就職します。どの事務所のプログラムに入れるかは、1年時の成績で決まります。だから学生の競争も壮絶です。本を隠すなどの足の引っ張り合いもあります。小室さんはその1年をLLMに入っています」  ビッグローのインターンの募集は、ハーバードやエール、コロンビアといった有名大学で公募し、最初の書類選考で成績優秀者に絞り、次の面接で決まる。A氏が言う。 「採用された学生には、1年目から19万数千ドル(2千万円以上)の給与が支払われます。それも5年くらいは半人前で、彼らから利益は出ません。それでも欲しい人材ということなんです。だから相当厳選します。原則でいえば、ビッグローはインターン以外の方法では採用しないです」  チャンスをつかめる学生は、ほんの一握りだ。小室さんは、そもそもLLMに入った時点で、希望するビッグローへの道は閉ざされたといっていい。なぜLLMに入ったのだろうか? A氏が話す。 「こう言っては何ですが、彼の経歴に目を見張るモノはありません。あるとすれば眞子さまのフィアンセという一点。それでも奨学金を取得できたり、JDへ編入したり、弁護士が出てきて仕事を探したり。知恵をつけている人がいるんでしょう」  では、ビッグローは無理でも、M&Aは他でもできるのだろうか? 「米国には約43万の事務所がありますが、M&Aの70%超は『トップ100』が扱っています。小室さんが弁護士として働くにはM&Aにこだわらないことですね。移民法の弁護士などは圧倒的に多い。日本人も多いです。もうからないので人気はないのですが」  そして、こう続けた。 「詳しいことは申し上げられませんが、彼の『経歴書』を見る限り、とても“権威”が好きなんだと思います。M&Aも彼からすれば格好良く見えるんでしょうけど、実際は相当厳しい世界です。パートナー弁護士になるのは10年後くらい。それまで生き残っているのはわずかです。彼がそもそも弁護士という職業に向いているのか……。野心家だと思うので、ベンチャーのような起業家とかが向いているような気がします」 (本誌・矢崎慶一) ※週刊朝日  2021年9月17日号に加筆

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    過重労働に苦しむ同級生の姿にいてもたってもいられず…教員の激務を軽減したいと起業する“教員の卵”たち

     学校の長時間労働が長らく社会問題となっている。教員たちを支援しようと、教育系の学生を中心に立ち上がり、起業する動きが出始めている。AERA 2022年1月31日号の記事を紹介する。 *  *  * 「キャンパスベンチャーグランプリ中部大会の大賞を受賞」  学生起業家の登竜門とされるコンテストの受賞を知ったとき、岐阜大学大学院1年の杉江萌花さん(23)は喜びと共に不思議な感慨に襲われた。小学校4年のときから教員志望で、1年ほど前まで起業は別世界のことだと思っていた。そんな自分が今月28日にはコンテストの全国大会に出場する──。  受賞したのは、教員の授業準備を支援するウェブアプリ「JUST10min」だ。授業の進め方の指導案を入力すると、黒板の板書レイアウトが同時作成される。ユーザー同士が指導案を共有することもできるため、互いに参考にしたり、アレンジしたりすることで入力の省力化も可能だ。これによって日々、2時間強かかるとされる授業準備の時間を1時間弱に短縮できるのがポイントだ。  杉江さんは言う。 「教員の9割が校務などに忙殺され、授業準備の時間が足りないと感じています。『いい授業をしたいと思って教員になったのに、時間が確保できず、ろくな準備ができないまま授業をする自分が許せない』という、新人教員の自身を責める言葉を聞き、胸に刺さりました。デジタル化によって授業準備の時間を短縮し、教員が心と時間の余裕を持てるようにしたいと思ったのがアプリ開発の動機です」 ■採用試験クラスで6割  杉江さんが、起業の世界に踏み出したのは2020年夏。教員採用試験がきっかけだ。当時、岐阜大学教育学部4年で、自身は受験し合格した。だが、クラスで受けたのは6割程度だった。 「大学に入学したとき、級友はみんな教員になることを夢見て目を輝かせていました。ところが、『いまの学校の労働環境では、家庭や子育てと両立できると思えない』と、教育に熱い思いを抱いていた友人や、採用試験に合格した人の中にも別の道を選ぶ人がいてショックでした」(杉江さん)  杉江さんは大学院進学を決めていたため、小学校の教壇に立つまでの学生の期間をこの問題に使えないかと考えた。コロナ禍でさまざまなオンラインセミナーに参加するなか、半年間で事業を立ち上げる、名古屋市主催のスタートアップ支援プログラムを知り参加。そこで得た仲間と「JUST10min」を開発し、同プログラムのコンペで優秀賞を受賞した。 ■同級生が苦しむ姿  アプリは4月リリースが目標。「起業家の卵」になった杉江さんだが、教員志望に変わりはないという。 「教員の仕事そのものは魅力的です。それだけに、それ以外の理由で後輩たちが教職をあきらめたり、教職に就いた人が休職や退職に追い込まれたりする状況を変えたいです」(同)  いまや社会問題となっている学校の長時間労働。小学校の3割、中学校の6割の教員が過労死ラインとされる月80時間以上の残業をしている。毎年、約5千人が精神疾患で休職し、教員採用試験の倍率も低下の一途をたどっている。こうしたなか、教員志望者を中心に学生たちが立ち上がり、学校の労働環境改善のため起業する動きが出始めている。  18年12月に設立された、教員を助ける学生団体「Teacher Aide(ティーチャー エイド)」は、その源流の一つだ。当時、京都教育大学4年(現・京都大学大学院生)の櫃割(ひつわり)仁平さん(26)が同級生と立ち上げた。  櫃割さんは言う。 「当初は綿密なプランがあったわけではありません。僕は1年留学したので同級生が先に教員になりました。過重労働に苦しんでいる様子に、いてもたってもいられず団体を作りました」  ティーチャーエイドでは教員の働き方の勉強会や講演会などを開催。3年を経て現在、全国に35の支部があり、約300人の会員がいる。 ■公務災害の抑止力に  東京学芸大学4年で、現在休学中の石原悠太さん(25)は初期からのメンバーだ。活動を通して、教員だった夫を過労死で亡くした遺族の話を聞く機会があった。石原さんは言う。 「公務災害の申請の際、勤務時間の把握と認定に大変苦労したと聞きました。そこで、スマホの位置情報機能を活用し、出退勤時間を自動記録するアプリ『Wormat(ウォーマット))』を仲間と開発。昨年4月にリリースしました」  長い間、多くの学校にタイムカードはなかった。公立校教員は残業代がつかない給与体系になっているため、厳密な時間管理がされてこなかったのだ。だが、ここ数年、働き方改革の一環で学校へのタイムカード導入が進められている。 「ところが、学校にタイムカードが入っても、管理職による改ざんや過少申告の強要。果ては教員自身が面倒くさいと過少申告する話も耳に入ってきます。それでは公務災害の際、適正な判断はなされません。そうしたときにこのアプリが役立ちますが、それ以前に、このアプリの存在が、公務災害を招かないための『抑止力』になることを願っています」(石原さん)  学校現場を助けたいと起業するのは、教員志望者に限らない。埼玉県戸田市では、全国でも珍しい、学生インターンによる支援の取り組みが始まっている。この仕組みを開発したのは、デジタルハリウッド大学3年の田中あゆみさん(22)が代表を務める、一般社団法人「lightful(ライトフル)」だ。前出の石原さんが副代表を務める戸田市内の一般社団法人と連携し20年から実施している。  田中さんは言う。 「生徒一人一人にスポットライトの当たる教育を理念にライトフルを設立しました。それには、教員が子どもたちと向き合える時間の余裕がまず必要。支援策としてインターン派遣事業『TEST』を考えました。教員志望の学生にとっても1回の教育実習だけで教員になることの不安は大きく、もっと学校現場に入りたいというニーズがありました」  昨年12月下旬、戸田市立戸田第一小学校を訪ねると、5年1組の理科の授業に学習院大学4年の西脇春花さん(21)がインターンで入っていた。西脇さんは昨年に続き2度目の参加で、9~3月に週1日携わる。 ■国は抜本的な解決を  この日は水溶液の実験と考察がテーマ。教室の前で教科担任の神田聡美教諭が授業を進める間、西脇さんはひとりひとりの児童のノートを見ながら「どうしてそう思ったの?」「前の授業では何をしたかな?」と声がけをしていた。  同校の高橋博美校長は言う。 「適切なタイミングに声をかけ、児童の気づきを引き出すことがとても大事です。しかし教員がひとりで40人を相手にしているときにはなかなか手がまわりきりません。インターン生の役割は大きいです。インターン生にとっても学校で児童と触れ合う中から学ぶことは多いはずで、いい事業だと思います」  西脇さんは今春から小学校の教員になる予定で、こう話す。 「このインターンの教育実習にない魅力は、色々な先生の授業を見られることと、長期間児童と関わり成長を見られる点です。戸田第一小学校はICTを取り入れた授業も進んでいるので、その実践を知っておくことも貴重だと考えています」  教員の働き方について、文部科学省も改革を進めている。だが、抜本的な解決にほど遠く、しびれを切らした学生たちが起業に踏み出したのが、今ある動きだといえる。  前出のティーチャーエイド代表の櫃割さんは言う。 「3年前に団体を立ち上げたときには、学生が教員を助けるという趣旨に違和感を覚える教員の方々もいました。でも今は状況がだいぶ変わりました。国は一刻も早く教員や教員志望者が安心して働ける労働環境を整えてほしい。そのことが子どもたちにとって健やかな成長と学びにつながるはずです」 (編集部・石田かおる)※AERA 2022年1月31日号

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    史上最低「紅白歌合戦」視聴率34.3%の衝撃 業界人も驚いた“最悪の失敗”とは

     昨年大みそかに放送された「第72回NHK紅白歌合戦」は、午後9時からの第2部の平均世帯視聴率が34.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と過去最低を記録した。  そもそも、今年の「紅白」は長年のライバルである日本テレビの「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないシリーズ」が放送を休止するといった“追い風”もあり、当初の下馬評では高視聴率も期待されていた。  だが、ふたを開けて見れば高視聴率どころか、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて初の無観客開催となり、演出も簡略化された前年よりも6ポイントもダウンすることとなった。  民放テレビ局の情報番組スタッフは語る。 「昨年よりステイホームの機運は下火になっていたとはいえ、2021年も12月からはオミクロン株の脅威が広がってきたこともあり、おととし以前と比べたら年末年始を家で過ごしていた人は多かったはずです。加えて、『ガキ使』SPの放送休止などもあったわけですから、『紅白』の視聴率に関しては“大惨敗”といっても過言ではないでしょう」  その原因について、ネット上でも「出場歌手の選定が若者に媚び過ぎている」「無駄な演出が多すぎて見にくい。純粋に歌を楽しみたい」「白組、紅組の司会を廃止して多様化を進めると言いつつ、紅白対決はそのままで矛盾を感じる」などさまざまな意見が飛び交っている。前出の民放情報番組スタッフはこう話す。 「昨年秋ごろは、業界内では『今年の紅白は高視聴率が期待できそう』との見方が強かったのですが、年末に向けて出場歌手が発表されて徐々に番組の全貌が明らかになってくると、“大丈夫か?”と不安の声が高まりました。さすがに過去最低視聴率までは予想できませんでしたが、放送前から苦戦を予想する声は少なくありませんでした」  そのうえで、こう続ける。 「NHKさんが将来的な受信料獲得の観点から『紅白』の若者シフトを強化しているのは今に始まったことではありませんが、今年は特にその傾向が顕著でした。動画配信などで人気のまふまふさんや人気シンガー・ソングライターの藤井風さんは、ネット世代にはそれなりの反響が見込めても、視聴者層を考えると大きな目玉とはならない。それは番組サイドも分かっていたはず。それに『紅白』恒例の大物歌手のサプライズ投入も今年は“時間切れ”で不発になったことがすでに12月30日の時点で制作統括のチーフプロデューサーの口から明かされていました。松田聖子さんの出場辞退が発表された時点で、『今年の紅白はヤバそうだ』という空気になっていました」  その結果は、平均世帯視聴率だけでなく、瞬間最高視聴率の低さにも表れている。 「瞬間視聴率が40%を切ったのも衝撃的でした。“テレビ離れ”が叫ばれる中、そもそも『紅白』という番組自体に関心がないという人が増えている証左ではないでしょうか。ここまでくると、来年以降の『紅白』の存在意義も問われる可能性すらあります」(同)  また、テレビ番組を手掛ける放送作家からはこうした意見も。 「ジェンダーレスを意識して紅組司会、白組司会を廃止して『司会』に呼称を統一しておきながら、男性歌手は白組、女性歌手は紅組という従来の枠組みや投票により優劣を競う歌合戦形式はそのままというところが、いかにも中途半端でコンセプトがよく分かりません。それに、たたでさえ演歌勢が減っているのに氷川きよしさんや水森かおりさんらにオリジナル曲でない懐メロを歌わせたのも微妙でした。それなら以前のようにオリジナル曲を歌うパートも作ってあげて、懐メロは特別企画として別枠でやればいい。ただでさえ、『紅白』は歌を楽しむ以外の無駄な演出が多いイメージがあるなかで、打つ施策がことごとく逆効果になったと思います」  目新しさばかりを追求した結果、長らく番組を支えてきた“偉大なるマンネリ”の良さも失われてしまった紅白。まさに迷走状態に入った観もあるが、来年の巻き返しはあるのだろうか。(立花茂)

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    中村メイコが80歳でどうしても捨てられなかったもの 田中角栄、美空ひばりの思い出の品、もう一つは

    「エノケンさん、高倉健さん、チエミちゃん……。一番大切な思い出の品からきっぱり捨てました」  昭和9年に生まれ、2歳で映画デビュー!それから80年以上にわたって映画や舞台、テレビ番組で活躍してきた中村メイコさん。80歳になったとき、昭和の大スターたちとの大事な思い出の品を一斉に処分しました。今回はメイコさんの思う「笑って死ぬため」の準備について伺いました。 *  * * ■エノケンさんからもらったキューピー人形 「大切なものたちとお別れしよう」  そう決めたのは80歳のとき。といっても、いまはやりの断捨離とか、終活とは少し違います。夫(作曲家、神津善行さん)から「もう、身の丈にあった家に引っ越しましょう」と提案されたのがきっかけです。  何しろ、それまでの私たちの住まいは、夫婦と3人の子どもたちで住んでいた大きな家。子どもは皆独立したので、夫婦2人で住むには、あまりに広すぎたんです。だけど引っ越すにあたって一番の問題が、これまでためてきた膨大な思い出の品たち。新しいマンションには、とてもじゃないけど入りきらないので、処分しなければいけません。  だけど急に割り切って、捨てられるものではありません。仲の良かった江利チエミちゃんと高倉健さんの写真を手に取って、しばらく「懐かしいなー」と眺めていると、当時の思い出が蘇ってきます。そんな私を横目に、夫は作曲家の命ともいえるグランドピアノや電子楽器など、どんどん処分していきます。 「もうピアノで作曲する時代ではないから」と夫。  負けず嫌いの私は、夫に負けていられないと、急にスイッチが入り、「どうせ処分するなら、最初に一番大切なものから捨てていこう」と、心を決めました。  私にとって一番大切なもの。それは2歳のときから持っていた、セルロイド製のキューピー人形です。くださったのは、昭和の喜劇王・エノケン(榎本健一)さん。  エノケンさんと初めてお会いしたのは1937(昭和12)年。「江戸ッ子健ちゃん」という映画で芸能界デビューした私は、2歳8カ月というまだオシメも取れていない年齢。幼い私が頑張っている姿を見てか、ご褒美にエノケンさんはたくさんおもちゃをくれました。  その中の1つがキューピー人形です。戦禍を免れ、結婚したときも、子育てしている間もずっと私のそばで見守ってくれた守り神のような存在。このキューピー人形とお別れすることができれば、あとはどんなものでも処分できると思ったのです。「ありがとう。そしてごめんなさい。お別れのときがきたの」。そう言ってボロボロ涙をこぼしながらキューピー人形とお別れしました。  エノケンさん以外にも古川ロッパさん、徳川夢声さん、森繁久彌さん、三波伸介さんなど、喜劇役者の方々との共演が多かったんですが、皆さんとてもおしゃれで、普段は二枚目なんです。優しい方ばかりで、たくさんのものをいただきました。当時の出来事を懐かしみながら、「いままでありがとう」「ごめんね」と一つひとつに声を掛けてお別れしていきました。  他にも洋服や靴、食器やお酒など、人にあげられるものはさしあげて、自分が出演した映画やドラマの台本やビデオなども処分しました。  その量、なんとトラック7台分。処分して気づいたのは、ものがなくなっても、その人との思い出は決して消えないということ。そして人生がぐっと身軽になって、前に進む気持ちになれるということでした。 ■どうしても捨てられない、ひばりさんの思い出の品  捨てられなかったものもいくつかあります。1つは、夫の神津さんから結婚前にいただいた山のようなラブレターです(笑い)。捨てるのは気分的に嫌ですし、他人に見られるのは神津さんも困るでしょうから、娘のカンナに預けました。  困惑するカンナに、「あなたは物書きなんだから、何かの役に立つかもしれないでしょ。煮るなり焼くなりしてちょうだい」と、半ば強引に押し付けた感じです(笑い)。  2つめが、田中角栄さんからもらったお皿。雑誌の対談で一度お会いしたら、なぜだかとても気が合ってしまって……。以来、家族ぐるみでお付き合いがありました。  気さくできっぷの良いおじさんという印象で、夫によれば「自分以外で中村メイコと一緒に暮らせるのは田中角栄さんくらいしかいない」と、よく笑っていました。  そして、何よりも美空ひばりさんとの思い出の品々は捨てられずに、「私が死んだらいっしょにお棺に入れてちょうだい」と伝えています。  ひばりさんは、私の長い芸能生活において、唯一、親友と呼べる存在です。初めて会ったのは私が16歳、ひばりさんは13歳。私よりも年下にもかかわらず、芸能人というのはファンの夢を絶対に裏切ってはいけないと話をしていて「スターは違うな」と感心したものです。いつの間にか仲良くなって、家に泊まりにきたりすることもありました。 「ひばりは、いつもセンターなのよ」と、新婚家庭のベッドの真ん中に陣取って寝てましたっけ(笑い)。  亡くなった日、病院に駆けつけると息子さんの和也さんから手渡されたのが、「泣き虫メイコが来たら、これを渡してください」というメモと、黒のサングラスとハンカチでした。それまでの人生の中で一番悲しい出来事がひばりさんの死であったことは間違いありません。 ■おしゃれで笑顔のたえないおばあちゃんでいたい  86歳のときに、大腿骨を骨折して1カ月間入院、今でも自由に歩き回るのはできないんですが、それ以外はいたって健康。肉も魚も野菜もお米もなんでも食べます。ただ、昔から少食なので食べるのは、他の人の3分の1くらいの量。もちろん、毎日晩酌は欠かしません(笑い)。  私は放っておくとずっと飲んでいるんですが、同じ話を何度も繰り返すようになったり、声が大きくなったりしてきたら、夫が指摘してくれて「今日はここまで」となります。  これからは、お説教しない、清潔でおしゃれで、いつも笑っている。そんな、そばにいても嫌にならないおばあちゃんでいたいですね。 (構成・文/山下 隆) ※「朝日脳活マガジン ハレやか」(2022年2月号)より抜粋 なかむら・めいこ/1934(昭和9)年に作家、中村正常の長女として生まれる。2歳のときに映画「江戸ッ子健ちゃん」で芸能界デビュー。天才子役として注目され、榎本健一や古川ロッパ、森繁久彌など昭和を代表するコメディアン・俳優と共演した。1957(昭和32)年に作曲家、神津善行と結婚し1男2女をもうけ、「神津ファミリー」として親しまれる。映画、舞台、テレビでの活躍のほか著書も多数。近著に『大事なものから捨てなさい メイコ流笑って死ぬための33のヒント』(講談社)など。

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    巨大地震起きたらどうする? 最も大事なのは「自分の安全を確保すること」

     首都圏を襲う巨大地震はいずれやってくる。では、そのときにどう対応すればいいのか。  最も大事なことは、地震が発生したらすぐに自らの身の安全を確保することだ。古くから地震が起きたときは「まず火の始末」と言われてきたが、それはちょっと違うという。防災科学技術研究所の平田直参与が説明する。 「現在のガス設備は、大きな揺れを感知すると自動的にガスの供給が止まる仕組みになっています。地震が起きたときには、まず安全な場所に移動すること。1981年の建築基準法改正以降の建物であれば、建物の耐震性は高いので、ただちに崩れることはありません。最初の3分間は身の安全の確保をしてください。耐震化されていない建物であれば、外の安全な場所に退避する必要があります。強い揺れがいったんおさまってから、家の外に出る必要があればガスや電気のブレーカーを切って外出してください」  東日本大震災では、地震発生直後に職場などから自宅に歩いて帰ろうとする大量の「帰宅困難者」が生まれ、交通インフラをマヒさせた。これにも対策が必要だという。 「鉄道などの公共交通機関がストップしているなかで多くの人が自宅に帰ろうとすると、駅や道路が混雑します。消防車や救急車も動けなくなってしまう。そこで、都では震災時にむやみに移動せず、職場や安全な場所にとどまるよう、条例で水などの必要物資の備蓄を義務づけています。大きな地震が発生したときは、会社などに残り、一斉帰宅は控えてください」(平田氏)  2018年の大阪府北部地震では、ブロック塀の下敷きとなって9歳の女児が死亡した。揺れが起きたときは、こういった危険な箇所に近づかないことも重要だ。  日本中どこに住んでいても、大きな地震はやってくる。天災は避けることはできないが、被害を減らすことはできる。水害対策に詳しいリバーフロント研究所の土屋信行・技術審議役は言う。 「災害対策の基本は、自分の住んでいる地域の特性を理解し、あらゆる事態を想定して対策をしていくことです。災害が発生したとき、どこに逃げればいいのか。避難所に行く場合はどのような持ち物が必要なのか。『知って、恐れて、備えよ』がすべての基本です」 (本誌・西岡千史) >>【関連記事/首都圏でM7クラスの地震発生確率「30年間で70%」 死者2万3千人!?】はこちら>>【関連記事/房総半島沖に「巨大地震の未知の震源」を発見 大津波が発生した痕跡も】はこちら ※週刊朝日  2022年2月4日号より抜粋

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    トッド氏が語る「女性の解放」の現在地 #MeToo運動にショックを受けた

     フランスの知性である歴史家、人類学者のエマニュエル・トッド氏。トッド氏が最新作で取り上げたテーマは「女性の解放の歴史」だった。人間の長い歴史の中で女性の解放は今どんな地点にたどり着いているのか。ジャーナリストの大野博人氏がオンラインでトッド氏に聞いた。AERA 2022年1月31日号は「性と社会」特集。 *  *  * ──この本を書くきっかけは?  1951年生まれの私がバカロレア(大学入学資格試験)を受けたのは68年。この年はじめて、女性の合格者が男性を上回りました。私は、男女の平等は当然だと考える世代に属しているのです。  しかし、#MeToo運動にショックを受けました。男女間を対決的に考える運動はフランスにはなじまないと思ったからです。でも、歴史家、人類学者としてはこのテーマに興味がわきました。 ──本では、今のフェミニズムの動きを逆説的と指摘していますね。女性解放の目的がほぼ達成されつつあるときに激しい異議申し立て運動が起きていると。目的達成とはどういう点で?  本で主に研究対象としているのは狭義の西欧(英米、フランス、北欧)ですが、たとえばフランスの政界を見ても女性議員の数は急速に増えています。閣僚もそう。次の大統領選挙では、ヴァレリ・ペクレス氏が初の女性大統領になる可能性だって出てきています。あらゆる職業に女性は進出しています。  もちろん、男性が抵抗している領域はまだあります。民間企業の幹部、資本主義の担い手たち……。まだしぶとく残る男性支配の薄皮はあります。  けれども、男女平等への動きはかなり前から進んでいます。バカロレアの例でわかるように、高等教育の領域で女性が男性を追い越したのが私の世代。もう50年以上前です。今、女性は男性よりさらに多い。 ■女性生きる環境は複雑  この結果、妻の方が夫より社会的に上位に立つカップルが増えています。女性が自分より年上で学歴があり金持ちの相手と結婚するハイパガミー(上昇婚)は今や過去のモデルで、今は逆にハイポガミー(下降婚)があちこちで見られます。私の友人の政治家もそれは自分のことだと言っていましたよ。  たしかに社会上層部の男性はまだ優位性を維持しようとしています。しかし、西欧ではそれは男性全体の意思ではない。高等教育を受ける女性が多いのは、娘の教育をだいじだと考える父親がいるからでもあります。  女性のいらだちは、女性が置かれた社会的な条件も原因になっています。女性の生きる環境はとても複雑になりました。高等教育を受けたり、興味深い仕事に就いたりする機会は増えました。その一方で、子どもを産む機会も変わらずにある。  加えて、女性解放が進む今は、経済が傾き、生活水準が落ちている時代です。  このいらだちがすべての女性に見られるわけでもありません。知的な環境で生活している人、大学人といった立場にある女性によく見られます。それは古典的なプチブルジョアに特有の満たされない思いでもあるのです。今やプチブルジョアとは男性だけではありません。  もちろんまだ残っている男性優位についてのいらだちもある。けれど、社会階層がはらむ問題と混同している部分もあるのです。  フランスや米国などで、対決的なフェミニズムを担っているのは、経済界などの上層にまだ残る支配的な男性に怒っていて教育水準が高いプチブルジョアの女性たちなのです。 ──今のフェミニズム運動とともに広がった「ジェンダー」という用語に批判的ですね。 「ジェンダー」は「性」という言葉と置き換わったけれど、意味が流動的で現実をうまく捉えられない。ピューリタン革命みたい。この言葉は、性的なことを連想させませんからね。(構成/ジャーナリスト・大野博人)※AERA 2022年1月31日号より抜粋

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    「モラハラ離婚」報道の内村航平の母が反論で泥沼化…「本人は口を開くつもりない」

     現役引退を発表した男子体操の第一人者・内村航平の「モラハラ離婚報道」について、内村の実母・周子さんが猛反論していることが報じられた。  内村のモラハラ離婚トラブルが「文春オンライン」で報じられたのは19日。引退会見を14日に行ったばかりで、晴れやかな表情で現役に別れを告げただけに衝撃が大きかった。同誌によると、妻の千穂さんが手料理を作っても『ウーバー頼んだから』と告げて、内村が自分の分だけピザや牛丼を頼むことも。食事以外でも色々な悩みを抱えた千穂さんは精神的に追い込まれ、体重が一時33キロ台にまで激減。昨年11月に内村から離婚の意思とともに「別居します」というLINEが送られてきたという。  この一報が報じられると、女性週刊誌「女性自身」(2022年2月8日号)が内村の母・周子さんへの電話取材を報じた。周子さんは「(週刊文春で)報じられていることは、どうもあちらさんのご両親などがお話ししたことのようですね」と推測した上で、「私たち、あちらのご両親とは、ちゃんとお話ししたことが今までもないし。きっと、自分のお嬢さんに都合のいいことをお話ししたんじゃないかと思うんですよ」と複雑な人間関係を明かした。  さらに「航平本人に直接お聞きになるのが正しいのだと思いますよ。ごめんなさいね、そういうことですから」と話したという。  内村と日本体育大学大体操部の1学年後輩だった千穂さんは結婚したのは、9年以上前の12年11月。その後2人の娘が誕生したが、両家の親同士は疎遠だということになる。 「色々事情があるだろうし、決して珍しいことではないと思います。仮に離婚に向けて話が進んでいるとしても、内村と奥さんで互いの主張は違ってくるでしょう。週刊文春の『モラハラ離婚』という報道だけで内村を一方的に攻めるのは違うかなと。純粋に体操が好きで頂点を目指してストイックにトレーニングを積んでいたことは間違いない。そのために食事などで家族にも迷惑を掛けたことはあるかもしれません。内村はこの件について口を開くつもりはないと思います。自分の知っている限り相手を傷つけるようなことを言わない性格なので…」(テレビ局スポーツ部関係者)  最近は五輪メダリストが指導者ではなく、タレントに転身するケースが目立つが、内村は違う。目指すのは「体操の伝道師」だ。  引退会見では今後について、「日本代表の選手、後輩たちに自分が今まで経験してきたことを伝え、小さい子どもたちに『体操って楽しいんだよ』って普及活動したり、体操に関わるすべてのことをやっていけたら。僕自身も完全に体を動かすことをストップしないと思うので、自分が動いてみせてやるっていうのも1つあると思うので、体操に関わるすべてのことにチャレンジしていきたいという気持ちです」と熱弁している。 「体操以外のことで取り上げられるのは本意でないし、こういった報道が出ることに責任を感じているでしょう。夫婦が話し合えばいい問題で、第3者が口をはさむことではない。もうこの一件は騒がずに幕を閉じる形で良いのではないでしょうか」(体操団体関係者)  思いがけない形で注目されることになった内村だが、指導者として今後の活躍が注目される。(安西憲春)

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    理数系の力を伸ばすために「12歳までにすべきこと」 3男1女が東大理IIIの佐藤ママ×開成前校長・柳沢幸雄

     算数・数学に苦手意識を持たせず、楽しめる子を育てるにはどうすればいいのか。子ども3男1女が東大理IIIに合格した“佐藤ママ”こと佐藤亮子さんと開成中学・高校前校長の柳沢幸雄さん(現在は北鎌倉女子学園中学・高校の学園長)。教育界のカリスマ2人が語り合った。「理系を育てる」特集したAERA 2022年1月24日号から。 *  *  * ──算数・数学の力を伸ばすために、親としては何を心掛けたらいいでしょうか? 佐藤:まずは小1のスタートダッシュをきちんとすること。理想は小学校に入る6歳までに1桁の計算ができるようにしておいたほうがいいです。「4足す7は?」と聞いて反射的に答えられるくらいに。あと、うちの子たちにはずっと「ノートを広々と使いなさい」と言ってきました。計算問題であれば1ページにつき3題、文章問題であれば1ページにつき1題。そうすれば問題の下の広いスペースを使ってゆっくり考えることができます。 ■「検算しやすい」と説明 柳沢:手を動かして紙に落とすのはすごく大事ですね。人間って頭の中で考えているだけではわからないから。開成の入試でも部分点を重要視していて、いわば解答用紙の余白に書いてあることを好意的に見るわけです。なぜ書くことが必要なのかと疑問を持つ子には「検算しやすいから」という実利的な説明をするとやる気が出ると思います。 佐藤:それから、学校にすべてをお任せするのではなく、親が教科書と宿題をもっと見てあげてほしい。教科書がわかりにくいがために勉強についていけないケースもあると思います。 柳沢:もしつまずいてしまったら、2学年前の問題集のなるべく薄いものを買って解いてみるといい。どこで自分がつまずいたのか確かめることができます。 佐藤:同感ですね。そうやって勉強し直すときは、問題集の最後のページまで早くたどり着くことがやる気を保つコツです。例えば偶数の問題だけを解くとか、10問飛ばしでやるとかして、とにかく全体を何回も繰り返す。そうすることで、理解するというよりも見慣れるんです。 柳沢:そしてぜひやってもらいたいのは子どもを褒めること。点数に対してではなく、その子が以前と比べてどう進歩したかを具体的に褒めてあげるんです。 佐藤:「この前は5問しか解けなかったけど、今回は同じ時間で10問も解けたね。すごいね」みたいな褒め方がいいですよね。やはり子どものことをよく見てあげることが大事。 柳沢:あとね、子どもにとってしゃべることは最大の復習なんですよ。どうやって問題を解いたのかを論理的にしゃべろうとすると、すごく脳を使うから。 ■12歳までに計算の訓練 佐藤:算数を日常のものと結び付けてあげることも効果的です。「重さ50グラム」とか「1キログラム」って言われても子どもはあまりピンとこない。でも、砂糖だとこのくらいだよと言うとすっと覚えられる。 柳沢:私は小さい頃、体が弱くて寝てばかりいたんですが、小学校に入る前には九九を知っていたんです。なぜかというと、天井に縦九つ、横八つのラインがあって、そのマス目を毎日数えていたから。ただ、8×9までしかなかったから、小学校の九九の授業で「9の段があったのか!」と驚きました(笑)。 佐藤:私は「算数が楽しい」と思えるかどうかの究極のところは、1桁の足し算が瞬時にできるかどうかだと思っています。それが勝負の分かれ目。算数が苦手な子は、そこに行き当たることが多い。私は4人の子どもを育てて、12歳までの計算の訓練が大事だなと痛感しました。 柳沢:そこを重視するのがアジアの教育の特徴です。例えばアメリカの小学校では、九九を強制的に覚えさせることはしない。 佐藤:確かにアメリカの教育に詳しい方と話をすると、「九九なんて全部覚えなくても、3の段か4の段ぐらいまで覚えておけばどんな計算でもできる」って言いますよね。そうかもしれないけど、便利なんだから9の段まで覚えればよくない?って思っちゃうんですけど。 柳沢:覚えることは頭の無駄遣いだと考えられているんです。 佐藤:でも、インドなんかでは2桁×2桁まで覚えさせているし、九九を覚えることが後々になって数学的な想像力を邪魔するかと言ったら、そんなことはないと思うんですよ。 柳沢:九九についてだけいえば私もそう思います。ただ、算数・数学嫌いというものがこれほど明確に日本の子どもたちの意識の中にあることは、しっかり考えないといけない。アメリカ人にはほとんどいないですから。 ■入学試験の問題の傾向 ──日本の子どもの算数・数学嫌いの原因は何でしょうか? 柳沢:日本の場合、学校で教えるものを何によって決めているかというと、入学試験の問題の傾向なんです。形式的には学習指導要領に基づいて決められていますけど、実態はそうではない。一時期、入試問題に難問奇問がよく出題されましたけど、ああいうものも含めて「入試問題の傾向がこうだから、それに合わせて勉強しましょう」というのが日本の教育なんです。いわば本音と建前みたいな部分で子どもたちがアップアップしているところはあると思います。 佐藤:だから私は文部科学省にもっとしっかりしてほしいと思います。環境問題など未来のことをみんなで考えていかなきゃいけないのに、いつまでも教育が変わらないのはおかしいです。 ──21年度から早稲田大学政治経済学部の一般選抜で数学(数学I・数学A)が必須化されたことが大きな話題となりました。 佐藤:すごくいいことだなと思います。これからの時代は文系でも情報処理能力が必要だし、表やグラフを見て分析する力も大事。そうやって入試の段階で「うちの大学はこういう学生がほしいんだ。こんな人材を育てるんだ」というビジョンを示してくれれば、それに向けて子どもたちも頑張ります。そして大学に入ったら文系・理系に関係なく、融合した知識を身につけて視野を広げてほしい。 柳沢:私もこれからの時代は理系も文系もともに重要だと思います。例えば電気自動車にしても技術が高いだけではダメで、さまざまな交渉を重ねながら国際規格にのせないといけない。「失われた30年」と呼ばれる経済の低迷から回復するためには、理系嫌いを作らない教育の形が求められると思います。 >>【前編はこちら】開成前校長が語る「算数・数学でつまずきやすい単元」と解消法 3男1女が東大理IIIの佐藤ママも納得 (構成/編集部・藤井直樹)※AERA 2022年1月24日号より抜粋

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    「心が弱いから精神疾患になった」は誤り 10代、20代が「心の病気」になる原因とは?

     うつ病、統合失調症、不安症といった精神疾患は、何が原因で発症するのでしょうか? 海外の研究では精神疾患を持つ人の半数は10代半ばまでに発症しており、全体の約75%が20代半ばまでに発症しています。精神科医で東京都立松沢病院院長の水野雅文医師が執筆した書籍『心の病気にかかる子どもたち』(朝日新聞出版)から一部を抜粋してお届けします。 *  *  *  精神疾患では、「脳」の機能と心の働きに支障が出ます。  脳は、体全体をコントロールする「司令塔」のような役割をしています。呼吸をしたり、心臓を動かしたりといった、命にかかわる指令だけでなく、「情報を認識する」「考える」「判断する」「意欲を生み出す」「感情や行動をコントロールする」といったこともすべて脳の仕事。脳のさまざまな領域がつながって情報を伝えあうネットワークを形成し、複雑な心の働きを可能にしているのです。  精神疾患は、脳の構造や機能が不調を起こして、脳本来の仕事が十分にできなくなり、さまざまな症状が現れる病気です。「心の病気」とも言われるのは、脳が気持ちや感情といった「心(精神)」の働きも担っているから。精神疾患は「脳の病気」であり、「心の病気」でもあるのです。 「精神疾患」はさまざまな病気を集めたグループ名のようなもの。よく知られている病気にうつ病や認知症がありますが、てんかん、統合失調症、摂食障害、双極性障害(躁うつ病)、パーソナリティ障害、パニック症や社交不安症などの不安症、発達障害、強迫症、睡眠覚醒障害、ゲーム依存やアルコール依存、薬物依存といった依存症も精神疾患です。 ■なぜ精神疾患になるの? ― 原因―  精神疾患の多くは発症原因がはっきりとはわかっていません。  これまでの研究から、▽情報を伝達する役割を果たしている神経伝達物質 ▽性格▽育ってきた環境 ▽現在置かれている環境 ▽生活習慣 ▽ストレスに対する弱さ▽遺伝的な要因といったさまざまな要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。  大切なのは、どれもたくさんある要因の一つにすぎないということです。  また、周囲の大人が、精神疾患にかかった子どもに対して、「心が弱いから精神疾患になったんだ」と責めたり、「精神を鍛えろ」「薬なんか飲むな」などと発破をかけていたりする場合があります。ストレスに対する弱さという一つの要因はありますが、それは心(気持ち)が弱いわけではありません。また病気なので、根性で治せるものでもありません。精神疾患について学ぶ際には、心の働きを現代科学(サイエンス)の成果で理解するという姿勢も身につけたいものです。  精神疾患の中には認知症のように高齢になるほど発症しやすい病気もありますが、多くは10代、20代に発症のピークがあります。なぜこの年代に多いのでしょうか? 「思春期」には体が単純に大きくなるだけでなく、性ホルモンが分泌され、大人の体へと変化していきます。急激な変化を遂げるこの時期は体調が不安定になりがちで、精神疾患に限らずさまざまな病気にかかりやすいもの。  また思春期は、社会の影響を受けながら一人の大人として自分を確立していく時期でもあります。自立に向けてこれまで自分を守ってくれていた家族と距離を置きたくなる一方で、友だちとの関係を重視し、異性を意識するようになるなど、周囲とのかかわり方も急速に変わっていきます。脳も成長しますが、そのスピードは比較的ゆっくりで、22~23歳くらいに完成します。つまり、体や自分を取り巻く環境が変化していくスピードに脳の発育が追いついていけず、「ズレ」が生じてしまうことになります。このズレが大きなストレスとなり、心や体のバランスにも影響を与えてしまうことも少なくありません。こうした思春期  特有の事情も、精神疾患を発症しやすくさせていると言えるでしょう。 ※『心の病気にかかる子どもたち』(朝日新聞出版)より抜粋 水野雅文(みずのまさふみ)東京都立松沢病院院長 1961年東京都生まれ。精神科医、博士(医学)。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院博士課程修了。イタリア政府国費留学生としてイタリア国立パドヴァ大学留学、同大学心理学科客員教授、慶應義塾大学医学部精神神経科専任講師、助教授を経て、2006年から21年3月まで、東邦大学医学部精神神経医学講座主任教授。21年4月から現職。著書に『心の病、初めが肝心』(朝日新聞出版)、『ササッとわかる「統合失調症」(講談社)ほか。

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    山本、宮城が揃うオリックスは文句なし! 最下位は? “若手充実度”ランキング【パ・リーグ編】

     プロ野球のキャンプインも目前となり、各球団オフの補強はひと段落した印象を受けるが、シーズンを大きく左右するのが現有戦力、特に若手選手の上積みである。昨年もヤクルトでは奥川恭伸、オリックスでは宮城大弥、紅林弘太郎が一気に中心選手へと成長を遂げ、チームの優勝に大きく貢献している。  そんな次世代のチームを担う若手について、今後が期待できる選手の充実度をランキング形式で評価してみたいと思う。若手選手の対象としては2022年の満年齢が24歳以下とし、一覧の()内の選手は育成選手となっている。また、今年のルーキーについては対象として考えず、あくまで昨年の成績で評価した。今回はパ・リーグの6球団についてだ。/セ・リーグはこちら→広島はスター候補多し、巨人は野手育成が不可欠! “若手充実度”ランキング【セ・リーグ編】 *  *  * 1位:オリックス 一軍主力投手:山本由伸、宮城大弥一軍主力野手:紅林弘太郎一軍戦力投手:山崎颯一郎一軍戦力野手:太田椋二軍主力投手:本田仁海、山下舜平大、中川颯、(東晃平)、(榊原翼)二軍主力野手:元謙太、宜保翔、来田涼斗、佐野如一  今や球界のエースと言える山本と昨年大ブレイクした宮城の2人が揃い、文句なしで1位に選んだ。ともにまだまだ成長の余地があり、右と左でタイプも異なるという点も強みだ。故障さえなければ、今後も他球団にとって脅威の二枚看板となる可能性は高い。投手陣でもう1人楽しみなのが昨年終盤に先発の一角に定着した山崎だ。2019年にトミー・ジョン手術を受けて一時は育成契約となったが、リハビリ期間のトレーニングの成果からか見違えるほどボールが力強くなった。今年は一気に成績を伸ばす可能性もあるだろう。二軍でもまだ結果は出ていないが本田、山下などがイニング数を重ねており、近い将来のブレイク候補として期待がかかる。  一方の野手も紅林が高卒2年目にしてレギュラーに定着。2018年ドラフト1位の太田も存在感を示しており、二軍でも宜保、来田、元など高校卒の若手が経験を積んでいる。彼らの中から紅林に次ぐレギュラーが出てくることも十分に期待できるだろう。 2位:西武 一軍主力投手:今井達也、平良海馬一軍主力野手:一軍戦力投手:渡辺勇太朗、水上由伸一軍戦力野手:若林楽人二軍主力投手:浜屋将太、(上間永遠)二軍主力野手:渡部健人、ブランドン、山村崇嘉、川野涼多、高木渉、鈴木将平※上間は昨年11月にトミー・ジョン手術を受けて2022年シーズンはリハビリの予定  昨年は42年ぶりの最下位に沈んだ西武だが、若手に限ればリーグでもトップクラスの顔ぶれとなった。投手は平良がリーグを代表するリリーフへと成長。今井もポテンシャルを考えると物足りない部分はあるものの、昨年は初めて規定投球回をクリアするなどキャリアハイの成績を残している。今年22歳の渡辺も昨年は一軍で4勝をマークし、育成で入団した水上も1年目から中継ぎで貴重な戦力となった。二軍の主力投手が少ないのは気がかりだが、昨年のドラフトで大学球界を代表するサウスポーの隅田知一郎と佐藤隼輔が獲得できたことも大きなプラスとなりそうだ。  一方の野手も投手と比べると一軍の戦力になっている選手は少ないが、今後が楽しみな選手は非常に多い。特に目立つのが一昨年のドラフトで指名した選手たちだ。若林は膝の怪我で離脱するまではレギュラーとして活躍し、渡部、ブランドン、山村も1年目から二軍で結果を残している。現在のレギュラーは中堅、ベテランが大半なだけに、彼らの成長がチームの命運を握っていることは間違いないだろう。 3位:ロッテ 一軍主力投手:一軍主力野手:安田尚憲一軍戦力投手:鈴木昭汰、佐々木朗希一軍戦力野手:佐藤都志也、藤原恭大、山口航輝、和田康士朗二軍主力投手:森遼大朗、(佐藤奨真)、(小沼健太)二軍主力野手:西巻賢二、(山本大斗)  井口資仁監督が就任してから若手の抜擢が目立つロッテ。投手でやはり大きいのは佐々木朗希の存在だ。2年目の昨年はシーズン終盤にエース格へと成長し、今年はさらなる飛躍が期待できる。近い将来、球界を代表する投手となる可能性も高いだろう。二軍ではいずれも育成出身の森、佐藤奨真、小沼が結果を残し、まず森が支配下登録を勝ち取った。他にも故障からの復活を目指す種市篤暉、古谷拓郎などが控えているのも心強い。  野手は安田がサードのレギュラーに定着。期待の高さを考えると昨年の成績はかなり物足りないが、今年で23歳ということを考えるとまだまだ成長は期待できる。他にも育成出身の和田が盗塁王を獲得するなど、一軍の戦力となっている若手は多い。山口、山本と強打者タイプが出てきたこともプラスだ。安田、藤原のドラフト1位コンビが中軸となり、他の選手が脇を固めるような布陣でシーズンを通して戦えるようになれば、一気に黄金時代も見えてくるだろう。 4位:日本ハム 一軍主力投手:堀瑞輝一軍主力野手:野村佑希一軍戦力投手:河野竜生、立野和明一軍戦力野手:万波中正二軍主力投手:吉田輝星、望月大希二軍主力野手:田宮裕涼、清宮幸太郎、上野響平、(難波侑平)  実績のある選手を次々と放出するのはもはやお家芸とも言える日本ハムだが、若手の輩出スピードは一時期と比べて少し鈍っている印象を受ける。それでも昨年は堀が最優秀中継ぎのタイトルを獲得し、野村がチーム4位の99安打を放つなど徐々に新たな芽が出てきたのはプラス材料だ。河野と立野の投手2人もシーズン終盤は先発ローテーションに定着しており、今年は飛躍が期待できる。  そんな中でやはり気になるのが吉田と清宮のドラフト1位コンビの2人だ。吉田はルーキーイヤーに初登板初勝利をマークしてからは一軍で結果を残すことができず、清宮も4年目の昨年はプロ入り初の一軍出場なしに終わっている。ともに二軍ではそれなりに結果を残しているものの、それでファンが満足するような立ち位置でないことは明らかである。新庄剛志新監督を迎えた今年が大きな転機であり、逆に言えばこのチャンスを逃せばズルズルと低迷する危険性も高いだろう。 5位:ソフトバンク 一軍主力投手:一軍主力野手:一軍戦力投手:津森宥紀一軍戦力野手:三森大貴、リチャード二軍主力投手:スチュワート・ジュニア二軍主力野手:増田珠、野村大樹、水谷瞬、佐藤直樹  毎年のように楽しみな選手が出てくるソフトバンクだが、選手層の厚さもあってどうしても一軍定着までに時間がかかり、昨年の時点で主力となっている選手は投手、野手ともに不在という結果となった。そんな中でも野手は三森が準レギュラーと言えるところまで成長し、待望の大砲候補であるリチャードが一軍で7本塁打を放ったのは大きなプラスだ。二軍でも増田、野村、水谷の3人は高校卒でまだまだ若いだけに今後の成長も期待できる。今年は彼らの中から一軍の戦力となる選手を輩出したいところだ。  一方の投手は野手以上に中堅層が厚く、若手で結果を残している選手は非常に少ない。大きな希望の星と言えるのが今年で来日4年目を迎えるスチュワート・ジュニアだ。二軍では完全に格の違いを見せており、昨年は一軍デビューも果たしている。ただ、外国人選手ということでどうしてもメジャー復帰の危険性はあるため、他にも太い柱となる存在は必要である。そういう意味でもドラフト1位ルーキーの風間球打にかかる期待は大きい。 6位:楽天 一軍主力投手:早川隆久一軍主力野手:一軍戦力投手:一軍戦力野手:二軍主力投手:高田孝一、(王彦程)二軍主力野手:水上桂、黒川史陽、武藤敦貴  一覧に名前が挙がった選手は12球団で最少となる6人。ここ数年FAなどで積極的に戦力を補強した結果一軍の戦力は充実したが、若手に関してはかなり寂しい状況と言える。特に厳しいのが投手陣だ。昨年は早川が一軍で9勝、高田も二軍でチーム2位となる6勝とルーキーの2人が存在感を示したが、それ以外では二軍まで含めて戦力となっている若手は育成契約の外国人選手である王しかいない。支配下で指名している高校生投手がそもそも少なく、その中でも期待されていた藤平尚真が停滞していることも大きく響いている。現在のローテーションはベテラン中心だけに、数年後を考えるとかなり危険な状況と言えるだろう。  一方の野手も黒川と武藤は楽しみな存在だが、それ以外はかなり手薄な状況となっている。期待されながら停滞している内田靖人、オコエ瑠偉などは既に中堅に差し掛かっており、二軍の主力メンバーもこれからの成長が期待できる選手は少ない。昨年のドラフトでは1位で吉野創士、3位で前田銀治と高校生野手を高い順位で指名したが、彼らをいかに早く主力にできるかがチームの命運を握ることになりそうだ。 (文・西尾典文) セ・リーグも併せてお読みください→広島はスター候補多し、巨人は野手育成が不可欠! “若手充実度”ランキング【セ・リーグ編】 ●プロフィール西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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    広島はスター候補多し、巨人は野手育成が不可欠! “若手充実度”ランキング【セ・リーグ編】

     プロ野球のキャンプインも目前となり、各球団オフの補強はひと段落した印象を受けるが、シーズンを大きく左右するのが現有戦力、特に若手選手の上積みである。昨年もヤクルトでは奥川恭伸、オリックスでは宮城大弥、紅林弘太郎が一気に中心選手へと成長を遂げ、チームの優勝に大きく貢献している。  そんな次世代のチームを担う若手について、今後が期待できる選手の充実度をランキング形式で評価してみたいと思う。若手選手の対象としては2022年の満年齢が24歳以下とし、一覧の()内の選手は育成選手となっている。また、今年のルーキーについては対象として考えず、あくまで昨年の成績で評価した。今回はセ・リーグの6球団についてだ。/パ・リーグはこちら→山本、宮城が揃うオリックスは文句なし! 最下位は? “若手充実度”ランキング【パ・リーグ編】 *  *  * 1位:広島 一軍主力投手:森浦大輔一軍主力野手:坂倉将吾、小園海斗、林晃汰一軍戦力投手:玉村昇悟、高橋昂也、大道温貴一軍戦力野手:石原貴規、羽月隆太郎二軍主力投手:遠藤淳志二軍主力野手:中村奨成、矢野雅哉、韮沢雄也、(木下元秀)  野手の充実度から広島をリーグナンバーワンの評価とした。昨年はプロ入り5年目の坂倉がリーグ2位の高打率(.315)をマーク。そしてともに3年目の小園と林が三遊間のレギュラーに定着すると、小園は打率3割に届かなかったものの規定打席に到達し、林も二桁本塁打を放つ見事な活躍を見せた。主砲の鈴木誠也が抜けるのは大きなマイナスだが、中村奨成にも開花の兆しが見られており、二軍で主力となっている若手が多いのはプラス材料だ。  投手は森浦がセットアッパーに定着。同じくルーキーだった大道も素材の良さを見せ、玉村と高橋のサウスポー2人も先発として成長を見せている。しかし二軍の主力としてカウントした遠藤は前年から大きく成績を落とし、アドゥワ誠、山口翔、田中法彦なども停滞が続いている。今年2年目となる小林樹斗は楽しみな存在だが、そろそろ高校生の大物投手をドラフトで狙いたいところだ。 2位:ヤクルト 一軍主力投手:奥川恭伸一軍主力野手:村上宗隆一軍戦力投手:金久保優斗、梅野雄吾一軍戦力野手:古賀優大、元山飛優二軍主力投手:木沢尚文、寺島成輝二軍主力野手:内山壮真、武岡龍世、長岡秀樹、(赤羽由紘)  チームはおろかセ・リーグの主砲へと成長した村上の存在が何よりも大きい。プレーの面はもちろんだが、チームを牽引する姿勢もとても今年で22歳とは思えない貫禄がある。しばらくは4番打者に困ることはないだろう。野手は他にも元山、武岡、長岡、赤羽と内野手に有望株が多く揃った。特に元山は今年で2年目だが、ショートのレギュラー獲得も期待できそうだ。一方で強打者タイプがやや不足しているだけに、村上に続く大砲候補もそろそろ指名を検討したいところだ。  一方の投手は昨年奥川が2年目ながらエース格へと成長したが、野手に比べると少し手薄な感は否めない。二軍の主力として名前を挙げた木沢と寺島の2人もイニング数こそ投げているものの成績は芳しくなく、一軍の戦力となれるかはかなり不透明な状況だ。奥川が不動のエースになることはもちろんだが、それに続く柱の確立も大きな課題と言える。 3位:阪神 一軍主力投手:一軍主力野手:佐藤輝明一軍戦力投手:及川雅貴一軍戦力野手:二軍主力投手:西純矢、村上頌樹、浜地真澄、(牧丈一郎)二軍主力野手:栄枝裕貴、小幡竜平、遠藤成、井上広大、小野寺暖  最も目立つのはやはり1年目にいきなり24本塁打を放った佐藤だが、それ以外にも着実に若手の層は厚くなった印象を受ける。2019年のドラフトでは1位から5位まで高校生という思い切った指名を敢行。その中から及川が早くも一軍で欠かせない戦力となり、西、井上、遠藤の3人も二軍で着実に成績を残している。昨年の佐藤以外の大学卒選手も村上と栄枝が1年目から二軍の中心となったこともプラス材料だ。  佐藤と及川の2人もまだ万全とは言い難く、不確定要素が多いぶんヤクルトよりも低い評価としたが、全体的にスケールの大きい選手が多く、楽しみな部分は多い。ドラフト1位ルーキーの森木大智も含めて、ここに名を連ねた選手たちが順調に主力へと成長すれば、チームの将来はかなり明るくなるだろう。 4位:DeNA 一軍主力投手:一軍主力野手:牧秀悟一軍戦力投手:京山将弥、伊勢大夢、桜井周斗一軍戦力野手:山本祐大、森敬斗二軍主力投手:(宮城滝太)二軍主力野手:益子京右、小深田大地、田部隼人、細川成也  チームは完全に打高投低の状況だが、若手に関しても同様の傾向がはっきりと見られる。野手では牧の存在がやはり大きい。昨年もシーズン終盤に成績を上げているだけに、他のルーキーと比べても2年目のジンクスにはまる心配も少なそうだ。また手薄なキャッチャーとショートも山本と森が昨年成長を見せており、二軍の野手も楽しみな選手が少なくない。ソト、宮崎敏郎などの力が落ちてきた時にここに名前がある選手がレギュラーにおさまるのが理想的な形と言えそうだ。  一方で投手陣は一軍の戦力不足以上に二軍の主力となっているのが育成選手の宮城だけという状況が大きな不安要素だ。入江大生、阪口皓亮、高田琢登などが相次いで故障に見舞われており、数年後の投手陣を背負って立つ太い柱はまだ見えてこない。そんな中で昨年のドラフトで高校ナンバーワンの評価を受けた小園健太を獲得できたことは大きいが、今後もエース候補になれる人材を積極的に獲得する必要があるだろう。 5位:巨人 一軍主力投手:戸郷翔征一軍主力野手:一軍戦力投手:大江竜聖一軍戦力野手:二軍主力投手:戸田懐生、平内龍太、(横川凱)、(堀岡隼人)二軍主力野手:秋広優人、湯浅大、中山礼都、(喜多隆介)  毎年のように他球団の主力が入団するのはお家芸と言えるが、その影響もあって一軍の戦力となっている野手は0という結果になった。主砲の岡本和真が今年で26歳とまだ若さがあるのは心強いが、若手野手の底上げは必要不可欠である。昨年、高卒1年目ながら二軍で積極的に起用されてある程度の結果を残した秋広と中山の成長が大きなカギを握ることになるだろう。  トータルで見れば6位の中日と比べても厳しい状況に見えるが、わずかに上と評価したのは今年で22歳ながら主戦へと成長した戸郷の存在があるからだ。昨年は一軍に定着してから数えて“2年目のジンクス”に苦しんだが、それでも2年連続で9勝をマークしたのは評価できる。しかしまだまだ次代のエースと呼ぶには心許ない状況であり、二軍の主力投手に名を連ねた選手以外にも山崎伊織、堀田賢慎、そして今年入団した翁田大勢(※登録名は大勢)、山田龍聖など上位指名の選手をどう戦力にしていくかが重要になりそうだ。 6位:中日 一軍主力投手:一軍主力野手:一軍戦力投手:藤嶋健人、橋本侑樹一軍戦力野手:高松渡、根尾昂二軍主力投手:清水達也、山本拓実、森博人二軍主力野手:土田龍空、石垣雅海、伊藤康祐、岡林勇希  セ・リーグの6球団で唯一24歳以下の主力選手が不在ということで最下位となった。一軍の戦力となっている4人の選手も藤嶋が主力に近い位置にいるものの(48試合登板で防御率1.59の好成績もホールド数はチーム6位)、それ以外の3人はまだまだ一軍に定着したとは言えない状況だ。少し年齢層を上げて27歳までを見ても完全に一軍の戦力となっているのは小笠原慎之介(25歳)と外国人選手のR.マルティネス(26歳)だけ。入団してから一軍に定着するまでに時間がかかるケースが非常に多い印象を受ける。特に昨年はリーグトップの防御率を誇った投手陣も次代のエース候補が少ないだけに、一昨年のドラフト1位である高橋宏斗を何とか早く戦力へと成長させたいところだ。  今回は昨年の成績をもとに評価したため6位となったが、それでも野手は根尾、土田、岡林、昨年は故障に苦しんだ石川昂弥など、将来が楽しみな選手は少なくない。彼らと高橋宏斗の成長次第では、今シーズンが終わった時点では一気にリーグ上位へ浮上することも期待できるだろう。(文・西尾典文) パ・リーグも併せてお読みください→山本、宮城が揃うオリックスは文句なし! 最下位は? “若手充実度”ランキング【パ・リーグ編】 ●プロフィール西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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    8年ぶり改訂の三省堂国語辞典の「フェミニズム」にザワつく心 「適当なこと言わないで」北原みのり

     作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、「フェニミスト」の定義について。 *     *  * 改訂出版されたばかりの三省堂国語辞典の「フェミニズム」の項目がSNSで話題になっている。「暮らしの中にあふれることばを集めました。辞書はかがみ。8年ぶりの全面改訂」をうたう新しい三省堂国語辞典によれば「フェミニズム」とは、「男も女も性的少数者も平等にあつかわれるべきだという<考え方/運動>。[以前は『女権(拡張)論』などと訳された]」だそうだ。   SNSでは、「フェミニズムを説明するのに、なぜ『男』が先にくるのか」「フェミニズムは女性のものだ」というフェミニストたちのまっとうな怒りが見受けられるが、三省堂の新定義によれば、「男」が「女」より先に記述されるくらいで腹を立てるのは古いタイプのフェミニスト……ということになってしまいそうだ。  もちろん、私もハ?の思いである。人生の大半、フェミニズム思想に触れ、フェミニストたちと交流をしてきた者からすれば、三省堂さん、フェミニズムにそこまで期待しないで……と言いたい。男も女も性的少数者も……ってつまりは全人類のことだと思うが、人類誰もが平等に扱われるべきだと私も願ってはいるものの、フェミニズムの定義としては雑過ぎるし、荷が重いでしょ。  ちなみに2018年に改訂された最も権威ある日本語辞典とされる広辞苑によれば、フェミニズムとは「女性の社会的・政治的・法律的・性的な自己決定権を主張し、性差別からの解放と両性の平等とを目指す思想・運動。女性解放思想。女権拡張論」である。オックスフォード辞典(英語)でも、「女性も男性と同じ権利と機会を持つべきであるという信念と目標、この目標を達成するための闘い」と記されている。そう、これがフェミニズム。フェミニズムとは、昔も今も、両性の平等を目指す思想、なのだ。そしてそれを築いてきたのは、当事者の女性たちである。三省堂のフェミニズムの定義は、その歴史をなかったことにするかのような、ゆる過ぎるフェミ定義というものだろう。  SNSでは三省堂の辞典制作の過程に女性がいないのではないか、という声もあったが、同じ三省堂から出版されている「新明解国語辞典」の編者は男性しかいないが、フェミニズムを「政治的・経済的・社会的に、性別による差別を解消し、女性の権利を確立することで平等の実現を目指す理論と運動」と定義している。今回の改訂された三省堂国語辞典については、いつもの“オジサン”がやらかしてしまった事件というよりも、もしかしたら、新しさや「今の時代のかがみ感」を意識するあまりに、そしてまたもしかしたらフェミに関心のある人が関わったからこそ「改定」されてしまった記述である可能性もある。  というのも、このくらいのゆるく雑な定義のほうが、今のフェミの感覚なのかもしれない……と思わされることはリアル社会でもよくあるからだ。  例えば、性暴力を抗議する運動の場でもよく見受けられることだが、女性の被害を訴えるときに必ず「男性にも被害者はいます」と補足したり、男性からのハラスメント問題を語っているときに、「女性が加害者になることもあります」と言ったりする人は少なくない。「女性差別反対!」というプラカードを掲げる人に、「すべての差別に反対、と書くべきでは?」と言う人もいた。それが間違っているとまでは思わないが、自分の身に起きた理不尽を語る女性に対し、これは女性だけの問題ではないですよ、と注意深く全方向に配慮しながら語らせようとする「正しい力」とはいったい何だろう。  私が知るフェミニズムは、性差別の構造的問題を明らかにしてきた理論であり実践である。例えば、男がセックスを買うのはあたりまえ、という「あたりまえ」を支えている構造の解体を試み、「性売買」の定義を変えてきたのはフェミニズムだ。1970年代に「売春」を「買春」と言い換えて、さらに今は、性売買の現場で行われていることを明確にするために「性搾取」という言い方が一部のフェミニストの中では定着してきている。また以前は、「痴話ゲンカ」「夫婦ゲンカ」とされてきたもののなかに、権力構造があり、深刻な性暴力があることを「発掘」し、それを司法で解決できるように運動してきたのもフェミニズムの成果だ。  そのような「女権拡張」の運動では当然、「あたりまえ」に恩恵を受けている人たちの利益を侵害することもあるだろう。例えば、最近のことでいえば「温泉むすめ」や千葉県警の交通安全PR動画などだ。女性の身体的特徴を過剰にデフォルメしたセクシーな二次元の表象物に「元気づけられる」人々もこの社会には一定層いるが、一方でその表象に身の危険や心理的恐怖を感じる人もいる。そういう表現物が公的な場所で表象されることや、公的な資金が投入されることに疑問を感じるフェミニストたちの声があがるたびに、SNSやメディアでフェミニストたちの声は「保守的で倫理的で時代錯誤の過剰な反応」として嘲笑されてきた。  もちろんこういったことは日本だけの現象ではない。例えば、アメリカでは、ゲームの中での性差別表現について声をあげたフェミニストが、人生を破壊されるまで攻撃されるような事件が起きている。韓国でもポルノサイトを批判する女性たちが、逆に名誉毀損で訴えられるようなことはいくらでもある。圧倒的に男性目線で仕立てられた社会のなかで、少しでも「あたりまえ」を変えようとする女性たちの闘いは、いつの時代も、どの社会も、どんな地域でも命がけだと思う。  そういうなかで、今の日本のフェミ的な問題は、「女性が差別されている」という事実すら、女性たちが遠慮がちに言っていることかもしれない。「女性だけが差別されているわけではないですが……」「男性と恋愛する女性なので私はマジョリティー側ですが……」と、全方向に配慮しながら遠慮がちに自らの被差別体験を声に出すという、加害者の存在をあぶり出すことのない「ちょうどいいフェミニズム」が求められていることだ。  そういう意味で、三省堂の定義は、多くの人にとって邪魔にならない、違和感のない、フェミニストにとっても“社会に受け入れてもらいやすくなる”ちょうどいいフェミニズムなのだろう。そう思いたい、そう思ってほしいのはいったい誰の欲望なのかは、分からないけれど。  ところで世界は広いもので、フェミニズム事典というのもある。私の手元には98年に改訂された「新版フェミニズム事典」(明石書店)があるが、原書は80年代初頭、英語圏の女性たちがつくったものだ。70年代の実践的運動をもとに80年代に理論的構築されたフェミニズムが世界をどう解釈しているかが、この事典では面白いように分かる。  例えば「性暴力」は、新版フェミニズム事典ではこう定義されている。 「男性が女性を故意に脅かし抑圧するために、組織的に使う性的なテロ行為」  テロ行為である……。その言葉の強さに圧倒されそうになるが、例えば10歳の自分が突然エレベーターの中でオジサンにお尻を触られた気持ち悪さや、アルバイト先のスーパーで「包丁のさばき方を教えてあげる」と背後から抱きつかれたりなど、それはあまりにも一方的で、人生を中断させる暴力行為であったことをジワジワとこの言葉によって肯定されるような思いになる。やる側にとっては大した覚悟もない、テロと言うにはあまりにも軽い、ちょっとしたお楽しみ程度の気軽さだろうが、やられた側からすればテロ行為、というのがふさわしい重さだ。実際の行為をもって自ら持つ権力を行使し、力ずくで分からせる恐怖政治と考えれば、性暴力=テロ、はむしろ胸にストンと落ちるような定義にも読めてくるだろう。  そう、こんなふうにフェミニズムは、今の世の中からかなりはみ出るくらいの本来、過激な思想である。そして「女とは誰か」「女であるとはどういうことか」をずーっと自問し続ける哲学でもある。そういう者たちに対して「男も女も性的少数者も」と、適当なことは言わないでほしい。ちょうどいいフェミニズム、にはおさまりきれない痛みから始まったのが、フェミニストの思想なのだ。 ■北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。女性のためのセクシュアルグッズショップ「ラブピースクラブ」、シスターフッド出版社「アジュマブックス」の代表

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    房総半島沖に「巨大地震の未知の震源」を発見 大津波が発生した痕跡も

     トンガの海底火山の大噴火から間もない1月22日未明、宮崎県と大分県を震度5強の地震が襲った。震源は日向灘沖で南海トラフ地震の想定震源域だ。一方、首都圏では未知の巨大地震の痕跡が。「アルマゲドン地震」は来るのか。  静岡県から宮崎県までの広範囲にわたって震度7の揺れを引き起こす「南海トラフ地震」。北海道から東北地方の太平洋沖の「日本海溝・千島海溝地震」。いずれも東日本大震災と同等のマグニチュード(M)8、9クラスの「アルマゲドン地震」と呼ばれる巨大地震だ。南海トラフ地震の発生確率は今後30年で70~80%、千島海溝では今後30年間で40%の確率で発生すると言われている。  だが、近年、「巨大地震の未知の震源」として注目されているエリアがある。しかもそれは、首都・東京に近い千葉県の房総半島沖にあった。産業技術総合研究所(産総研、茨城県つくば市)の宍倉正展・海溝型地震履歴研究グループ長は言う。 「房総半島の東側にはフィリピン海、太平洋、北米の三つのプレートがぶつかる『プレートの三重点』と呼ばれる領域があります。そのうち、フィリピン海プレートの下に太平洋プレートが沈み込む領域があり、そこが破壊されると津波が発生する可能性があります。最近の調査では、約千年前に九十九里浜(千葉県)に巨大津波が発生していたことがわかりました。関東に大きな被害をもたらす地震としては、相模トラフの関東地震が知られていますが、それとは異なる震源です」  調査を担当した産総研らのチームによると、震源域は房総半島沖20~50キロの深さにあり、約1千年前に発生した津波は、九十九里浜の当時の海岸から約2~3キロの地点まで浸水したという。  なぜ、これほどの巨大地震がこれまで見過ごされてきたのか?  実は、宍倉氏らは「古地震学」という学問分野の手法を用いて調査をしている。宍倉氏が言う。 「古地震学では、主に明治以前の地震について研究しています。古文書などの歴史記録をたどりながら、地形や地層に残された地震や津波の痕跡を探して、過去の地震を探ることを主眼としていますが、それにより未知の巨大地震の存在が明らかになってきました」  869年に日本海溝沖で発生した「貞観地震」については、2011年3月に東日本大震災が発生する以前に、大きな津波が来たことを宍倉氏らの調査チームは発見していた。そのため、東日本大震災以降、過去の巨大地震を調査する動きが増え、今回の房総半島沖での未知の震源地の発見につながった。  今回の産総研らの調査では、約300年前に発生した巨大津波の痕跡も発見されている。  実は、房総半島の北端に位置する千葉県銚子市でも、同様の調査結果が出ているという。東北学院大や東北大の調査によると、銚子市では沿岸の一部で津波の高さが約17メートルに達していた。波が陸をかけあがる「遡上(そじょう)高」は20メートルに達した可能性があると分析している。  こういった研究成果が次々と出てきたことで、茨城県東海村の日本原子力発電・東海第二原発が対応に追われている。東海第二原発は、房総半島を北上した茨城県沿岸に位置するが、東日本大震災のときには5.4メートルの津波が襲い、6.1メートルの高さの防潮壁を危うく超えそうになった。  11年以降、15メートルの津波にも耐えられるように防潮壁を強化したため、房総半島沖の巨大津波について、原子力規制委員会は「施設の安全機能に影響を及ぼさない」との判断を下した。だが、「引き続き、研究動向に注視し、情報収集を行う」(同)との見解も示している。  房総半島沖の巨大地震に、どう対応すればいいのか。前出の宍倉氏はこう話す。 「房総半島沖の津波は、数百年に一度のペースで発生しており、前回からすでに300年以上が経過しています。津波が発生した場合、どのような影響を与えるのかについて、具体的にシミュレーションし、警戒する段階に入っています」  房総半島沖が震源でも、東京の都心部に致命的な打撃を与える可能性もある。地震による堤防破壊で洪水が起こる「地震洪水」だ。水害対策に詳しいリバーフロント研究所の土屋信行・技術審議役は、こう警告する。 「東日本大震災では、震源が三陸沖であったにもかかわらず、東京都江戸川区の旧中川は堤防段差が70メートル、延長300メートルにわたって破壊されました。そのほか、全国で3475カ所の堤防が破壊されています。千葉県浦安市や江戸川区では液状化被害も多発し、生活インフラに大きな影響を与えました」  大都市に脆弱(ぜいじゃく)な堤防が多いのは、歴史的な理由がある。土屋氏が続ける。 「土で造られた堤防は耐用年数が長く、千年を超える堤防は日本国内でたくさんあります。一方、戦後の高度経済成長期に急いで造られた堤防はコンクリートやブロック製で、寿命は50年程度。堤防の厚みが薄く、災害時に壊れやすい『カミソリ堤防』です。地震の影響で壊れた堤防から洪水が起きれば、首都圏に大きな被害をもたらします」  特に怖いのが、台風シーズンに巨大地震が発生した場合だ。  堤防が広範囲にわたって崩壊した場合、修復に数週間かかる可能性もある。修復中に豪雨が襲えば、被害はさらに拡大する。土屋氏は言う。 「阪神・淡路大震災の際、淀川の堤防は約2千メートル破壊され、本格復旧まで約1年かかりました。台風と高潮が重なって潮位が上がった海水が、河口を逆流して東京に浸入した場合、東京の東側にあるゼロメートル地帯はすべて浸水してしまいかねません。堤防が決壊すれば、10メートル級の破壊力を持つ津波が襲います」 (本誌・西岡千史) >>【首都圏でM7クラスの地震発生確率「30年間で70%」 死者2万3千人!?】へ続く※週刊朝日  2022年2月4日号より抜粋

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    22時間前

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    首都圏でM7クラスの地震発生確率「30年間で70%」 死者2万3千人!?

     日本時間の1月15日。南太平洋のトンガ諸島であった海底火山の大規模噴火は、千年に一度クラスという巨大噴火だった。日本の近くにある海溝にも火山は多い。火山と地震は関係あるのか。産業技術総合研究所(産総研、茨城県つくば市)の宍倉正展・海溝型地震履歴研究グループ長は言う。 【房総半島沖に「巨大地震の未知の震源」を発見 大津波が発生した痕跡も】より続く 「1707年10月に発生した宝永地震の後、同年12月に富士山の宝永大噴火が起きています。これには何らかの関連があると思われていますが、南太平洋の海溝で火山が噴火しても、日本の地震に与える影響はほぼないと思われます」  それでは、関東地方に大きな打撃を与える巨大地震はいつ起きるのか。実は、房総半島沖や相模トラフを震源とする巨大地震の発生確率は、今後30年で0~6%程度。警戒を緩めてはならないが、過度に恐れる必要はない。  ところが、マグニチュード(M)7クラスの地震が首都圏で発生する確率は、今後の30年間で70%と言われている。防災科学技術研究所の平田直参与は、こう話す。 「南関東でのM7クラスの地震平均発生間隔は27.5年。今後も、南関東のどこかで発生する可能性が高い。そのなかでも、都心南部直下が震源となった場合、最も被害が大きくなると予想されています」  政府の中央防災会議が2013年にまとめた報告書によると、都心南部を震源とするM7クラスの直下型地震が発生した場合、死者は最大約2万3千人、建物の被害は最大61万棟にのぼる。  さらに、日本の経済の中心である東京のインフラがストップすることの影響は大きく、生産ラインやサービス提供などがストップし、約48兆円の経済被害が発生する。建物の被害額約47兆円と合わせると、計95兆円の経済損失が出るという。  都心南部が震源だった場合、住宅や店舗、オフィスの密集地を強い揺れが襲う。だが、被害はもっと広い範囲に及ぶ。 「東京都内の住家の耐震化率は92%まで上がり、都市は安全になっています。しかし、都の人口は増え、残り8%の住宅には高齢者が住んでいることが多い。山手線のすぐ外側に多いのですが、都内には都が認定している、木造住宅が密集していて整備の必要な地域が28カ所あり、その整備は終わっていません。ここに、23区の人口の約2割が住んでいます。高齢化が進んだことで、単身世帯も増加する傾向にあり、震災発生時の支援が課題となっています」(平田氏)  1923年の関東大震災の死者・行方不明者は約10万5千人。そのうち、約9万2千人は火災が原因だった。  関東大震災時に比べれば、都の地震対策は進んだのは間違いない。だが、対策が遅れている地域はまだまだ多い。  都が5年に一度作成している地域危険度測定調査の結果を見ると、葛飾区や荒川区など、山手線の外側で地震被害の危険度が高いことがわかる。  木造住宅密集地域では、全体の70%の建物で不燃化が達成されれば延焼が防げるとされている。19年度の28地域の平均不燃領域率は63.5%。東日本大震災直後の11年度に58.4%だったのに比べれば増えたが、目標の70%には届いていない。(本誌・西岡千史) ※週刊朝日  2022年2月4日号より抜粋

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    22時間前

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    桝太一アナが日テレ退社で同志社大の研究員に「鉄腕ダッシュ」出演継続望む声

     日本テレビの桝太一アナウンサーが3月末で同局を退社することを発表した。  桝アナは23日に自身がMC務める「真相報道バンキシャ!」の番組冒頭で報告。「私は3月をもって日本テレビを退職し、大学の研究所員に転職することにいたしました。これまで16年間アナウンサーとして皆さまにさまざまな情報をお伝えしてきましたが、自分の中でずっと課題であると感じてきたことは、科学的なことをテレビでもっと分かりやすく的確に伝えることができないかという部分でした」と自身の思いを明かした上で、「これからより良い科学の伝え方についてもっと深く考えて、それを実践していくためにはどうすればよいか考えた結果、新年度からは同志社大学ハリス理化学研究所の助教として、サイエンスコミュニケーションと呼ばれる学問分野に取り組んでいきます。なおバンキシャのキャスター自体は継続し、分かりやすく的確に科学を伝える方法を番組を通して皆さんと一緒に考えて実践していくことを目指したいと思っています」と今後の自身の進路について語った。  桝アナは東京大学大学院農学生命科学研究科修了後、06年に日本テレビに入社という異色の経歴を持つ。  2011年から朝の情報番組「ZIP!」の総合司会を務め、13年は「24時間テレビ」の総合司会を担当。オリコン調査による「好きな男性アナウンサーランキング」で11年から5年間、1位に選ばれ「殿堂入り」した。物腰が柔らかく、共演者の魅力を引き出す能力に長けている。視聴者にはこのような印象が強いが、テレビ制作会社のスタッフは違った見方をする。 「とにかくストイックですね。番組前に下調べを入念に行い、緊張感のある雰囲気を漂わせていた。プロ意識が非常に高く、疑問点があれば制作スタッフに聞いて話を突き詰める。番組作りに携わるスタッフたちの信頼が非常に厚かったです。フリーに転身する人は華やかなイメージがありますが、桝さんは本当に実直で縁の下の力持ちという役回りに徹していた。だから視聴者の心もつかんだのでしょう。そんな桝さんの違った一面が見られるのが、自然や生物と接するロケの時ですね。ハイテンションになり、声のトーンも普段より1オクターブ上がる。桝さんは伝え方がうまいので、科学の世界を身近に感じて興味を持った視聴者も多いと思います」  桝アナの「素の姿」が見られると好評なのが、日本テレビ系バラエティー番組「ザ!鉄腕!DASH!」だ。人気コーナー「DASH海岸」に、アイドルグループ・TOKIOのメンバーと出演。横浜市の工業地帯付近で水質を浄化しながら、東京湾に生息する海洋生物を調査する企画で、桝アナは専門家も驚く海洋生物の知識を披露している。幻の古代サメ・ラブカの捕獲に成功した際は、「マジか!マジか!ホントにいるんだ…しかも生きてるよ!」と頭を抱えて絶叫するなど、DASH海岸のロケでは少年のように無邪気に興奮している姿が話題になった。  日テレ退社後も、「真相報道バンキシャ!」のキャスターは継続するという。気になるのは「ザ!鉄腕!DASH!」の出演だ。  ネット上では、「枡アナ、バンキシャだけじゃなく鉄腕ダッシュにも続投してほしい 私の願いはただそれだけです(原文ママ)」、「枡さん、鉄腕ダッシュにも出てくれたらいいなあ…。生物ヲタクがダダ漏れていて楽しく見てました(原文ママ)」などのコメントが。  研究者とキャスターという「二刀流」で新たなフィールドに挑戦する桝アナ。視聴者が楽しみにしていた「ザ!鉄腕!DASH!」でも、その勇姿が引き続きみられるか注目される。(西川秀之)

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    小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”【2021年下半期ベスト20】

     2021年も年の瀬に迫った。そこで、AERA dot.上で下半期に読まれた記事ベスト20を振り返る。1位は「【独自】小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”」(9月8日配信)だった。(※肩書年齢等は配信時のまま) 「小室圭さんの実力では無理だと思います」  こう話すのは、全米で「トップ100」と呼ばれる大手弁護士事務所(ビッグロー)のパートナー弁護士のA氏。専門は、海外企業同士のM&Aなど。米国を拠点に世界を飛び回り、収入も桁違い。この姿こそ、小室さんが思い描く将来でもあるようだ。  昨年の秋ごろ、A氏の事務所に、働かせてほしい、と小室さんの「経歴書」のようなレジュメが別の弁護士を通じて届いたという。小室さんは、ニューヨークなど大都市での弁護士の仕事を探しており、ビッグローか、その下の規模のミッドローでM&Aなどをやりたいという。  A氏がそのレジュメを見て思ったのが、冒頭の言葉だ。なかでも、A氏が首をかしげたのがニューヨークのフォーダム大ロースクール(法科大学院)への留学の部分だ。「疑問なのは、彼がLLM(法学修士)のコースに入ったことです。しかも1年学んだ後に、JD(法務博士)コースに編入している。大きな事務所を目指してて、こんな動き方をするなんて聞いたことがない」  LLMとJDというのは、ロースクールでのコース名だ。米国の大学には法学部がなく、弁護士を目指す人は、大学卒業後にJDに入る。ここで3年間学び、事務所に入るのが一般的なパターンだという。  一方、LLMは、法律の資格を持つ外国人留学生が多いといい、「表現として正しいかわかりませんが、キャリアに“箔(はく)をつける”ようなイメージです」。  A氏によると、米国で弁護士となるのに重要なのはJDでの1年目だ。 「米国での就職活動は、2年生の終わりの夏休みで終わります。事務所のサマープログラム(インターン)で働き、その後よほどのことがない限り、その事務所からオファーを受けて就職します。どの事務所のプログラムに入れるかは、1年時の成績で決まります。だから学生の競争も壮絶です。本を隠すなどの足の引っ張り合いもあります。小室さんはその1年をLLMに入っています」  ビッグローのインターンの募集は、ハーバードやエール、コロンビアといった有名大学で公募し、最初の書類選考で成績優秀者に絞り、次の面接で決まる。A氏が言う。 「採用された学生には、1年目から19万数千ドル(2千万円以上)の給与が支払われます。それも5年くらいは半人前で、彼らから利益は出ません。それでも欲しい人材ということなんです。だから相当厳選します。原則でいえば、ビッグローはインターン以外の方法では採用しないです」  チャンスをつかめる学生は、ほんの一握りだ。小室さんは、そもそもLLMに入った時点で、希望するビッグローへの道は閉ざされたといっていい。なぜLLMに入ったのだろうか? A氏が話す。 「こう言っては何ですが、彼の経歴に目を見張るモノはありません。あるとすれば眞子さまのフィアンセという一点。それでも奨学金を取得できたり、JDへ編入したり、弁護士が出てきて仕事を探したり。知恵をつけている人がいるんでしょう」  では、ビッグローは無理でも、M&Aは他でもできるのだろうか? 「米国には約43万の事務所がありますが、M&Aの70%超は『トップ100』が扱っています。小室さんが弁護士として働くにはM&Aにこだわらないことですね。移民法の弁護士などは圧倒的に多い。日本人も多いです。もうからないので人気はないのですが」  そして、こう続けた。 「詳しいことは申し上げられませんが、彼の『経歴書』を見る限り、とても“権威”が好きなんだと思います。M&Aも彼からすれば格好良く見えるんでしょうけど、実際は相当厳しい世界です。パートナー弁護士になるのは10年後くらい。それまで生き残っているのはわずかです。彼がそもそも弁護士という職業に向いているのか……。野心家だと思うので、ベンチャーのような起業家とかが向いているような気がします」 (本誌・矢崎慶一) ※週刊朝日  2021年9月17日号に加筆

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    「心の病気」の兆候にできるだけ早く気づくには? 早期症状チェックリスト【精神科医監修】

     うつ病、統合失調症、不安症といった精神疾患は、早期発見をして適切な治療を受ければ十分回復が期待できる病気です。しかし、体の病気と違い、心の病気はその兆候に気づきにくいようです。精神科医で東京都立松沢病院院長の水野雅文医師が執筆した書籍『心の病気にかかる子どもたち』(朝日新聞出版)から、精神疾患の早期症状チェックリストなどを一部抜粋してお届けします。 *  *  *  病気はより早い段階から治療を始めるほど治りやすいものです。「がん」はその典型例で、早期に治療を開始すれば、命にかかわることなく治る可能性が高くなります。  精神疾患もこうした体の病気と同じで、「治療を始める時期」が「病気の治りやすさ」を左右します。たとえば統合失調症による脳の変化は、発症後2~5年のうちに進行することがわかっています。そのため発症後できるだけ早く、遅くとも3年以内に治療を始めることが理想的とされています。脳の器質的変化が明らかになっていないうつ病や不安症といった、ほかの精神疾患も同様です。早期から適切な治療を受けることで、より早い回復を期待することができるのです。  早い段階で治療を始めるにはまず、できるだけ早く病気の兆候に気づくこと、そして時間をおかずに医療機関を受診する必要があります。たとえば統合失調症の場合は幻覚や妄想が現れるとか、うつ病であれば気分が落ち込んだり、何をしても楽しめなかったりする日が続く、というように病気ごとの特徴的な症状を知っておけば病気に気づきやすくなります。  こうした症状は病気が始まってから現れますが、実はその前に「病気の予兆」とされる症状が出ていることが多いのです。この症状を知っておけば、さらなる早期発見が可能です。  よく見られるのは、「不眠」や「食欲不振」「気分の落ち込み(うつ状態)」「不安やイライラ」「集中力の低下」です。いずれも健康な人でも日常的に体験する不調です。  しかし、健康な人では何週間も続くことはありません。不眠といってもいつもと比べて寝つきが悪いとか、朝の寝覚めが悪いなど、「なんとなくおかしい」ということで気づければ、体調を整えやすくなります。  いずれの症状も疲れているときや調子が悪いときによく経験するありふれたものなので、そのままにしてしまう人が少なくありません。実際、精神疾患の患者さんに、「こういう症状が出ていませんでしたか?」と聞いてみると、「そういえば……」とたいていの人が思い当たりますが、当時は気にも留めていなかったという人がほとんどです。  この「いつもとは違う」「ちょっとおかしい」という超早期の変化を見逃さずに医療機関を受診し、適切な治療を受けることができれば、精神疾患の発症を防げる可能性も十分にあるのです。 ■うつ状態=うつ病ではない  近年は「うつ(depression)」という言葉が広く浸透し、「気分が落ち込んでいるからうつ病だ」などと、なんでもかんでもうつ病にしてしまうケースも増えています。インターネットで集めた情報をもとに、「私はうつ病なんです!」と自己診断をする人もいるほどです。  たとえば試験に失敗したり、好きな人に振られるなど、何かショックを受けて気分が落ち込んだ状態、つまり「うつ状態」になるのはよくあること。  ショックな出来事に対する心の反応なので、原因が解消されたり、気分転換をしたり、ある程度時間が経過したりすることで次第にショックはやわらぎ、回復していくものです。うつ病の場合は、たとえ原因となっていた問題が解決しても気分が回復せず、仕事や学校に行けなかったり動くことができなかったり、日常の生活に大きな支障が生じるので、治療が必要になります。  うつ状態はうつ病の症状の一つですが、うつ状態=うつ病ではないのです。 ※『心の病気にかかる子どもたち』(朝日新聞出版)より抜粋 水野雅文(みずのまさふみ)東京都立松沢病院院長 1961年東京都生まれ。精神科医、博士(医学)。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院博士課程修了。イタリア政府国費留学生としてイタリア国立パドヴァ大学留学、同大学心理学科客員教授、慶應義塾大学医学部精神神経科専任講師、助教授を経て、2006年から21年3月まで、東邦大学医学部精神神経医学講座主任教授。21年4月から現職。著書に『心の病、初めが肝心』(朝日新聞出版)、『ササッとわかる「統合失調症」(講談社)ほか。

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    富士山噴火「すでにスタンバイ状態」と京大名誉教授 南海トラフと連動する可能性

     活火山の富士山の動向に専門家の注目が集っている。昨年放映されたドラマ『日本沈没』(TBS系列)の最終回では富士山が大噴火するシーンが描かれたが、絵空事ではない。専門家らは近い将来噴火するとみており、今年の可能性もあるという。 *  *  *  昨年12月3日午前2時過ぎに山梨県東部を震源とする震度4の地震が発生。さらに、午前6時半過ぎに最大震度5弱の地震も起った。気象庁は記者会見で「富士山の火山活動との関連性はないとみている」としたが、専門家の見立ては少し違うようだ。  認定NPO法人富士山測候所を活用する会理事で、東海大海洋研究所地震予知・火山津波研究部門の長尾年恭客員教授は、将来的には一つの不安材料だと見ている。 「昨年12月以降の地震を見ると、富士山周辺地域で地震活動が活発化しているようにも見える。近い将来、噴火が起きてもおかしくありません。今年起こる可能性もゼロではない」  富士山はかつて休火山と見られていたが、全国の火山活動を評価する火山噴火予知連絡会が1975年に活火山として選定。いつ噴火してもおかしくない活火山に指定されている。現在、活火山の数は111あるが、そのうちの50は気象庁に噴火の兆候がないか監視されている。富士山もその一つだ。  気象庁がまとめた資料によると、古文書などで富士山の噴火が確認できるのは781年から。今日までに17回、噴火と見られる現象があったとされる。その中で大規模に噴火したのは、864年に起こった貞観噴火と、1707年に起こった宝永噴火だ。宝永噴火以降、富士山は平穏を保っている。つまり、最後の噴火からかなり時間が経っており、次がいつおきてもおかしくない状態だと推測できる。  さらに、長尾客員教授が、特に注目しているのは「巨大地震と富士山噴火の関連」だ。長尾氏によると「巨大地震と噴火に関係があるというのが、現在では主流な考え」で、「巨大地震が起きると数年以内に周辺でかなり大きな噴火が起こっています。東日本大震災では各地で火山活動が活発化しました。13年に噴火して面積が拡大している西之島もその事例の一つと見ています」と指摘する。  実際、歴史を紐解くと、富士山も巨大地震は同時期に起きている。  864年の大噴火の後には、869年に東北で貞観地震(M8・3)、878年に関東で相模・武蔵地震(M7・4)、887年(M8・0~8・5)に西日本を中心に広い範囲で仁和地震が相次いで起きている。貞観地震は東日本大震災と似た地震、相模・武蔵地震は南関東の大地震、仁和地震は南海トラフ沿いで起った巨大地震と推定されている。  同じように1707年の大噴火の際には、49日前に南海トラフ沿いで宝永地震(M8・6)が起きている。4年前の1703年にも元禄地震(M7・9~8・2)が起きている。それぞれ南海トラフ大地震、関東大震災と似た地震だったと見られている。  こうした歴史を踏まえ、長尾客員教授はこう指摘する。 「政府は今後30年以内に70~80%の確率で南海トラフ巨大地震が起きるとしていますが、連動して富士山も噴火する可能性が高いとみています」  実は富士山の噴火の危機は2度訪れている。1回目は2000年だ。00年には有珠山と三宅島が噴火し、富士山の直下でも火山性地震が増加。半年ほど活発な状況が続いたが、専門家の間ではいつ噴火してもおかしくない状況だった。  2回目は2011年3月11日に起きた東日本大震災直後だ。4日後の3月15日に富士宮市(静岡県)で震度6強の地震が発生した。これは富士山の直下での地震で、多くの火山学者が富士山噴火を覚悟したようだ。長尾客員教授はこういう。 「富士山は300年間噴火しておらず、パワーを溜めている状態です。富士山の噴火のシナリオはドラマの中だけにとどまりません。近い将来噴火するというのは、火山学者100人中100人が同意するところです」  いつ噴火してもおかしくない状況ならば、その前兆を知りたいところ。いきなりドカンといくわけではないという。『富士山噴火と南海トラフ』の著書がある京都大名誉教授の鎌田浩毅氏は「噴火の数週間から1カ月前に必ず前兆がある」と話す。  鎌田氏によると、最初に起こるのは、低周波地震と呼ばれる小さな地震だ。富士山には山頂から20キロ地下に「マグマだまり」と呼ばれるマグマに満たされた場所がある。マグマが活動を始まると、マグマだまりの上部、地下15キロ付近で小さな地震が起きる。  さらにマグマが上昇すると、「高周波地震」が起きる。人が揺れを感じることのできる地震だ。マグマが上昇するに従い、地震が起きる深さはどんどん浅くなっていく。  そして最後に、「火山性微動」と呼ばれる細かい揺れが発生する。火口から数百メートルほどの深さで、マグマが地表に出る直前の状態だ。ここまでくると、30分から半日程度で噴火することになる。  鎌田氏はこう語る。 「東日本大震災の4日後に起きた富士山直下の地震は、マグマだまりの少し上で起きた高周波地震です。マグマだまりの天井が割れたと考えられています。すでに富士山は噴火のスタンバイ状態です。南海トラフ地震が起きて再び大きく揺れれば、噴火の引き金になる。南海トラフ地震は2030年代、遅くても2040年までに確実に起きると見ています。地震対策と同じ程度に噴火の対策もするべきです」 (AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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    上品で礼儀正しい異色ギャルタレント「めるる」 「みちょぱ」と「ニコル」との相違点

     12月15日に最終回を迎えたドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(日本テレビ系)では、メインキャストとして出演していたモデルでタレントの“めるる”こと生見愛瑠(19)。ヒロイン(杉咲花)の恋敵という憎まれ役を演じたが、若手実力派女優の筆頭である杉咲とのやりとりも全く違和感がなく、SNS上では「めるる演技うまくてビックリ」「自然体だし浮いてない」と、演技力を称賛する声があがった。  ファッション誌「Popteen」(角川春樹事務所)を経て、3月から「CanCam」(小学館)の専属モデルを務める一方、数々のバラエティー番組にも出演しているめるる。最初は「おバカなギャルタレント」という印象が強かったが、最近は愛嬌のある笑顔もお茶の間に浸透。また、ドラマでの好演も相まって、人気が急上昇中だ。今年は「Yahoo!検索大賞2021」のモデル部門で1位を受賞し、初となる写真集が来年3月に発売されることも発表されたばかりだ。  その人気の理由は何なのか。テレビ情報誌の編集者は言う。 「めるるさんは、意外とギャルっぽくない内面を持っているんです。最近は1人でのおうち時間を充実させているそうで、編み物をしてコースターを編んだり、アクセサリーや花瓶などを作ったりしているとバラエティー番組で話していました。また、トーク番組でサッカー部や野球部など部活の話題になった際、『かっこいいと思うスポーツ』を聞かれためるるは『私、美術部とかがいいんですよ』と告白。文化系の人がタイプだと明かしていました」  “パリピ”な見た目とは裏腹に、陽キャっぽさはあまり感じさせない。そこが、他のギャルタレントとは違った魅力として視聴者に映っているのかもしれない。また、堅実さをうかがわせる一面も。 「アナザースカイ」(日本テレビ系、6月17日放送)では、買い物について「めちゃくちゃ慎重に買います」と話していためるる。価格が高いものは買わず、安くて着回しできるモノをたくさん買い、「いつか使えるかなと思って処分しない」というポリシーも持っているそうで、そんなところに親近感を覚えた人も多いようだ。 「上品さがあることも魅力です。7月から放送されていた日本郵便のCMで芦田愛菜さんと共演していましたが、ガールズトークでCMが進行する内容で、2人が互いに丁寧な敬語を使っているのが印象的でした。2人は初対面で、芦田さんは最初緊張していたようですが、めるるさんが気さくに話し、やさしくリードしていました。めるるさんも『自然になじむことができたので、さすが“芦田愛菜さん”だなと思いました』と語っていて、年下の芦田さんと仲良くできるところからも育ちの良さが感じられました」(同) ■礼儀を教えたのはギャルモデルの先輩!?  ギャルタレントといえば、みちょぱや藤田ニコルの独壇場だったが、モデルの先輩にも礼儀正しく接しているようだ。女性週刊誌の記者は言う。 「8月に放送された『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)で、『Popteen』モデルとして先輩にあたるニコルやみちょぱと共演したのですが、3人そろっての番組出演は初めてで、めるるは『今までのテレビでいちばん緊張してます』と恐縮しきりでした。朝ご飯がのどを通らないほどだったそうで、『憧れです』『ポージングとか、あいさつや礼儀とか教えて頂きました』と敬意を表していました。今まではギャルタレントといえばタメ口や攻撃的な言動が注目されがちでしたが、めるるの場合、それを感じさせないところが視聴者にとって新鮮に映り、支持を得ているのだと思います」  芸能評論家の三杉武氏は、めるるについてこう語る。 「みちょぱさんやニコルさんは他のギャルタレントに比べて、同性ウケするカッコ良さがあります。その点ではめるるさんはやや劣るかもしれませんが、そのぶん柔らかい雰囲気があり、親しみやすさという点で年配層や男性ウケは先輩2人よりもいいかもしれません。バラエティー番組ではとっぴな発言をしたり、ポンコツぶりを披露したりとキャラが立っている一方、若手タレントにありがちな前のめりなガツガツ感がなく、自然体で臨んでいるの姿も好感度が高い。また努力家としての一面もあります。モデルになった当初は人見知りな性格が災いして、自分の個性をなかなか打ち出せなかったという苦労もあったようです。根は真面目な努力家というイメージも徐々に広まり、今後もドラマなどマルチな活躍をみせてくれるのではないでしょうか」  ドラマで演技の才能を開花させためるるにとって、2022年はさらなる飛躍の年になりそうだ。(丸山ひろし)

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    内村航平「“モラハラ離婚”、ウーバー頼んで家族と別で食事」報道にスポーツ紙記者「驚きはない」

     体操男子の個人総合で2012年のロンドン五輪、16年リオデジャネイロの五輪で個人総合2連覇を飾るなど、世界が認める体操界の王者として活躍してきた内村航平が1月14日に都内で引退会見を開いた。今後について、「日本代表の選手、後輩たちに自分が今まで経験してきたことを伝え、小さい子どもたちに『体操って楽しいんだよ』って普及活動したり、体操に関わるすべてのことをやっていけたら。僕自身も完全に体を動かすことをストップしないと思うので、自分が動いてみせてやるっていうのも1つあると思うので、体操に関わるすべてのことにチャレンジしていきたいという気持ちです」と気持ちを新たにしていたが、その数日後の19日に、妻と離婚をめぐるトラブルになっているという衝撃的なニュースが報じられた。 「文春オンライン」の記事によると、妻の千穂さんが手料理を作っても『ウーバー頼んだから』と告げて、内村が自分の分だけピザや牛丼を頼むことなどが夫妻の知人によって語られており、千穂さんは精神的に追い込まれて体重が一時33キロ台にまで激減。昨年11月に内村から離婚の意思とともに「別居します」というLINEが送られてきたという。  内村は引退会見で食生活に関して質問が及んだ際、「会見を僕は勝負だとは思っていないので。そもそも僕、一食しか食べないし。食べてないです、朝」と語り、「水ですね、水、勝負水です。勝負水できょうやらせていただいています」と午前10時から行われた会見前も食事をとっていないことを明かしている。 「現役時代から1日1食であることは有名です。体操に関しては誰よりもストイックですが、食事は好きなものを食べたいという考えで、野菜もあまり好きではない。偏食で知られていますが、トップアスリートの世界では珍しい話ではありません。サッカー元日本代表の中田英寿さんも野菜嫌いで、お菓子が好物であることで有名だった。今回の報道は内村の言い分を聞かないと何とも言えません。記事の内容が事実だったとして、奥さんが作った後にウーバーを頼むのはどうかなと思いますが、食生活が独特なので家族と別にウーバーで好きな食べ物を注文することには驚きはない。体操で自分を追い込んでいる姿を見てきたので、食事はストレスから解放されたい思いがあったのかなと感じます」(スポーツ紙記者)  内村は五輪4大会に出場し、個人総合2連覇を含む7つのメダルを獲得。また、09年世界体操競技選手権から16年リオデジャネイロ五輪までの個人総合で前人未到の8連覇を達成するなど、世界のトップに長年君臨してきた。近年は故障が目立ち、種目別の鉄棒に専念することを決断。昨夏の東京五輪ではまさかの落下で予選落ちを喫したが、故郷・北九州で開催された世界選手権で完璧な着地を見せて6位に。晴れやかな表情を浮かべていた。  ネット上では、「本当のところはわからないけど、気分転換とかストレス解消とか苦手そうだし、一度気分が落ち込むとなかなか上昇しなさそう。手料理よりウーバーはさすがにひどい。せめて作る前に言えよって思う(原文ママ)」という意見がある一方で、「飛び抜けたアスリートは偏食の人多いみたいだよね。飲食店でもいつも同じメニューしか食べないとか。ブレないって点で一つの才能なんだと思う。食事に関しては、お互い了承してれば良いじゃないな。問題は他にあるんだろうな(原文ママ)」という指摘が。  はたして、体操界の元王者は今回の騒動でも完璧な”着地”を見せてくれるだろうか。(西川秀之)

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    「ふるさと納税」で損をする3つの落とし穴

     ほとんどの人に共通する悩み、それは「お金の悩み」だ。「お小遣いが足りない」、「毎月家計が赤字」、「家を買いたいけど頭金がない」、「老後のお金をどうしよう」……。そして誰もが、こう思う。「一生、お金に困らない生活をするにはどうすれば良いのだろう」と。そんな悩みに応える1冊が、経済ジャーナリスト荻原博子氏の『一生お金に困らない お金ベスト100』だ。この1冊に、いろいろなお金の秘策が詰め込まれている。いよいよ今月に期限を迎えるふるさと納税について話を伺った。 (取材・構成/鈴木雅光、撮影/疋田千里) やらなきゃ損!「ふるさと納税」 ―――年内にやらなければならないこととしては「ふるさと納税」もそのひとつだと思います。ふるさと納税は本当におトクなのですか? 荻原博子さん(以下、荻原):もちろんです。これは積極的に活用しましょう。何がおトクかって、2000円の自己負担で、寄付したお金に対して3割程度のお礼の品がもらえる点です。 ―――いったい、どのくらいトクなんですか? 荻原:具体的に数字を挙げて説明しましょう。たとえば独身または共働き世帯で、年収が400万円の人の場合、上限4万2000円までの寄付に対して、3割程度のお礼の品がもらえます。つまり2000円の自己負担で1万2600円程度のお礼を受け取れるわけです。 「ふるさと納税」は国や地方自治体に支払う所得税や住民税を、寄付金制度を使って自分の好きな自治体に寄付できるという制度で、よく「節税」と勘違いされますが、厳密には違います。ただ、お財布から出ていくお金は2000円多くなるものの、代わりに「お礼の品」がもらえるので、その分がおトクです。 「ふるさと納税」には落とし穴がある! ―――2021年のふるさと納税を利用するには2021年12月31日までに申し込めば良いのですね。 荻原:はい、そうです。ただ、ふるさと納税って、年末に駆け込みで申し込む人が結構いて、そういう方は落とし穴がいくつかあるので注意しましょう。 ―――落とし穴! 気になります。いったいいくつあるのでしょう。 荻原:大きくは「3つ」あります。たしかに納税の期限は12月31日までです。でもこれは、申し込んだ日ではなく、入金日がベース。ふるさと納税を行うと、寄付先の自治体が「受領証明書」を発行しますが、ここに記載される「寄付日付」が12月31日までであることが必要なのです。  年内の寄付受付は、自治体によって異なって、2021年の地方自治体の御用納めは12月25日、自治体によっては12月20日あたりです。それまでに入金確認してもらわないと、2021年のふるさと納税には間に合いません。これが1つ目の落とし穴。  ですからもし、年末ギリギリになってふるさと納税を行う場合は、クレジットカードで決済することをお勧めします。銀行振込だと、入金日と受領日にズレが出る恐れがありますが、クレジットカードなら、決済日が証明書の「寄付日付」になりますから12月31日に決済しても大丈夫です。 年末に間に合わないとどうなるか? ―――もし12月31日に間に合わなかった場合、どうなるのでしょう? 荻原:年末に申し込んでも、年始に申し込んでも、寄付は1年中できますから、ふるさと納税自体は可能です。ただ12月31日に遅れると、その年は「ふるさと納税」 をしなかったことになります。 ―――なるほど。たとえば今年の年末に間に合わないと、2022年に寄付したことになるわけですね。 荻原:また年末は、駆け込みの申込者が増えるので、お礼の品の発送が遅れたり、品切れになったりすることもあります。  ですから、もしどうしても欲しい品があるなら、年末ギリギリに申し込むのではなく、10月~11月くらいには申し込んだ方が良いでしょうね。今はもう12月なので、これは来年の教訓にしてください。 ―――商品は毎年同じなんですか? 荻原:自治体はあらゆる決め事を年度、つまり4月から翌年3月という期間で考えます。そのため、お礼の品も4月になると別のものに切り替えられるケースがあります。狙いを定めている品がある人は、これも覚えておくと良いでしょう。 ―――人気が集中するのものってありますか? 荻原:お礼の品では「お米」の人気がとりわけ高いですね。お米は9月~10月が収穫時期なので、新米をもらいたいなら、6月前後に申し込む必要がありますし、年末年始に食べるカニやイクラが欲しいなら、11月くらいに申し込む必要があります。食べ物をもらいたい場合は、それぞれの「旬の時期」を把握しておくと、もらいそびれを防げます。 上限額を超えてはいけない ―――他にふるさと納税初心者がやってしまいがちなミスってありますか? 荻原:寄付の上限額は年収によって決まるのですが、この上限額を超えて寄付すると、単なる寄付、単なる高い買い物になってしまいます。これが2つ目の落とし穴。  たとえば年収が400万円で寄付の上限額が4万2000円なのに、10万円をふるさと納税で寄付したらどうなるか。  この場合、上限を超えた5万8000円が純粋な寄付になってしまいます。つまり、自己負担分の2000円と、5万8000円の合計額である6万円を財布から出して、3万円相当のお礼の品を受け取ることになりますから、損得で考えれば大きな損になってしまいます。 ―――それは避けたい! 荻原:上限額の目安については、ふるさと納税のポータルサイトでシミュレーションができますから、必ず確認してください。 忘れちゃいけない確定申告 荻原:あと、もうひとつ。絶対に忘れてはならないのが「確定申告」。これを忘れると、寄付した金額を税金から控除できなくなります。これが3つ目の落とし穴。  これにもぜひ注意してください。こちらもふるさと納税のポータルサイトに案内が載っていますから、忘れずに確認してくださいね。 荻原博子(おぎわら・ひろこ)1954(昭和29)年、長野県生まれ。経済ジャーナリスト。大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。経済のしくみを生活に根ざして解説する、家計経済のパイオニアとして活躍。著書に『役所は教えてくれない定年前後「お金」の裏ワザ』(SB新書)、『50代で決める! 最強の「お金」戦略』(NHK出版新書)、『投資なんか、おやめなさい』『払ってはいけない』(新潮新書)、『私たちはなぜこんなに貧しくなったのか』(文藝春秋)など。

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    トンガ噴火は日本に「令和の米騒動」引き起こすか? 米教授が指摘する“圧倒的に少ない”物質とは

     15日、巨大噴火が起きた南太平洋のトンガ。現地での被害の状況はいまだにわからないが、今回の噴火は火山灰による日射量不足などの影響で「世界的にも寒冷化による被害をもたらすのでは」という声が上がっている。最新の情報をもとに、日本への影響などを調べた。 *  *  *  今回の噴火は人工衛星からもはっきりと見えるほど、巨大な噴火だった。日本の気象衛星「ひまわり8号」が捉えた映像では、13時過ぎに爆発した一部始終を見ることができる。噴煙の高さは約20キロ、半径260キロにも広がったと見られている。  噴火の前の映像だが、トンガ気象サービスがフェイスブックに投稿した動画では、大量の黒煙を上げる火山の姿が見える(動画)。これだけでも十分に恐怖を感じる映像だが、15日の噴火の際にはこれ以上の噴煙が上がったと見られる。  こうした噴火の状況を前に、いまこんな発言がSNS上で出てきている。 <トンガ海底火山の大爆発で地球気候が寒冷化するかもしれない><また日本のコメが凶作になるのか>  火山が大規模に噴火すると、寒冷化を引き起こすと言われているからだ。 ■ピナツボ火山噴火の衝撃  寒冷化のメカニズムは、こうだ。  火山ガス中に二酸化硫黄が含まれる。それが地上から10~50キロにある成層圏に達すると、化学反応によって「硫酸エアロゾル」という液体のつぶが多量に生成される。この硫酸エアロゾルが太陽光を反射してしまうため、数年にわたり日射量を不足させたり、平均気温を低下させたりすると言われている。  実際に大規模な噴火による気温低下が起こっている。1991年にフィリピンで起きたピナツボ噴火だ。噴火の規模を表す噴火マグニチュード(噴火M)は5.8で、かつて日本の富士山で起きた大規模噴火である宝永噴火(噴火M5.26)よりも巨大な噴火で、「20世紀最大の噴火」とも言われる。  ピナツボ噴火の噴煙は高度26キロまで到達した。数年にわたり影響を出したとされており、例えば太陽光が最大で5%減少、北半球の平均気温が0.5~0.6度低下、地球全体でも約0.4度も下がったと知られている。  0.4度というとあまり変わらないようにも思えるが、日本では噴火から2年後の93年に、夏の平均気温が例年より2~3度ほど低くなり、記録的な冷夏に襲われた。その結果、米が大凶作となり、タイ米を緊急輸入する「平成の米騒動」が起きている。また、毎日の気温や日射量が大切になる農作物には大きなダメージを与えることがわかっている。  こうした記憶もあり、今回の噴火が「令和の米騒動」になるのではないかと懸念が出ているのだ。こうした混乱を予想してか、コメ卸会社の株価が一時上がるなど、市場にも影響が出た。  専門家はどう見るか。火山噴火と小天体衝突による気候変動に詳しい東北大の海保邦夫名誉教授は「二酸化硫黄がどのくらいの量入っていたかが重要だ」と指摘する。 ■サイモン教授「影響はない」  では、今回どのくらいの二酸化硫黄が噴火によって出たのか。  人工衛星による火山ガス観測に詳しいミシガン工科大のサイモン・カーン教授(火山学)は「二酸化硫黄の放出は40万トン程度だ」とAERAdot.の取材に対して説明する。その根拠は人工衛星「TROPOMI」によって観測された二酸化硫黄の量だ。16日に観測されたデータでは39万8千トンの二酸化硫黄が出ていることが示されている。  91年のピナツボ噴火では1500万~2千万トンの二酸化硫黄が搬出し、1500万トンが成層圏に入ったとされる。ピナツボの噴火に比べると、今回のトンガの噴火は明らかに二酸化硫黄の量が少ないといえる。  サイモン教授はこう断言する。 「これは地球の表面温度に明らかに影響を与えるほどの二酸化硫黄の量ではない。気候に影響を与えるには、少なくとも500万トンの量が必要だと考えています。今回の噴火は、気候に影響を与えたピナツボ火山の噴火より、30~40倍程度少ないです」  海保名誉教授もこう説明する。 「現時点では、成層圏に入る二酸化硫黄が少なく、生成される硫酸エアロゾルによる世界の気候への影響はほとんどないと考えられます。ただ、火山灰の粒子が小さく、かつそれが成層圏に入った場合、硫酸エアロゾルと違い、時間差がなしで日射量が減少する影響が出る。ただ、その期間は短く、今後1~2カ月日射量の減少が起きる可能性があり、南半球の近隣地域で農作物などに何らかの影響がでるかもしれません。今後どのくらいの大きさの火山灰の粒子だったのか注目する必要があります」  歴史をひもとくと、寒冷化の事例は少なくない。例えば、1783年にアイスランド南部にある火山で大規模な噴火が起こり、世界が寒冷化。その後、同年に日本でも浅間山が天明大噴火を起こしている。火山灰による直接的な被害だけではなく、寒冷化によって天明の大飢饉と呼ばれる事態になっている。日本でも富士山などが大規模噴火や巨大噴火を起こすリスクがあり、首都圏への降灰だけではなく、広い範囲での冷害にも備える必要はある。  トンガで今後再び大きな噴火が起きれば、当然、事態は変わる可能性はある。引き続き状況を注視する必要がある。 (AERAdot.編集部・吉崎洋夫)

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    ミッツ・マングローブ「紅白を批評したがる愚か者たちへ」

     ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「紅白歌合戦」について。 *  *  *  年も明けて2週間以上が経つというのに、相変わらず去年の紅白に関するニュース記事が溢れています。飽きもせずに次から次へと同じようなことをつらつらと。「史上最低視聴率」に始まり、「つまらなかった」だの「失敗」だのと、仮に事実に基づくものだとしても完全に馬鹿のひとつ覚えです。しかし、こうした「年明け紅白批評」もまた、何十年にもわたって紅白歌合戦が築き上げてきた「様式美」のひとつなのかもしれません。  一昨年同様コロナの影響、そしてNHKホールの改修工事のため、だいぶ様変わりした此度の紅白でしたが、ひとたび観る側が「紅白」を意識すれば、それは紅白歌合戦以外の何ものでもなくなる。たとえ裏番組を観ている人や、テレビのない場所で過ごしている人たちにとっても、大晦日の夜帯というのは多かれ少なかれ「紅白をやっている時間」として認識されているわけで、もはや単純に視聴率だけを算出してどうこう言う次元でもないような気がします。  花見もお盆もクリスマスも、いわゆる風物詩なんてものは、どんなに形骸化されてもいつも決まった時間と場所にあることが最大の存在意義です。テレビ番組でその境地に達しているのは、「7時のニュース」と「紅白歌合戦」だけではないでしょうか。  変わらなければ「マンネリ」と言われ、変えたら変えたで「らしくない」と言われて久しい紅白ですが、前述通り「何をやっても紅白は紅白なんだ」というのを痛感させられたのが1987年の第38回でした。前年辺りから「視聴率の下落」が世の中的にも広く知られ始め、今なお続く「紅白離れ」や「紅白迷走」といった概念が、新聞・週刊誌上でお約束化し始めた頃。確かに、バブル景気に沸き立っていた日本社会において、ずっと「戦後復興のシンボル」的意味合いが強かった紅白のスタンスも大きく変容する時機だったのかもしれません。  その年は、長らく常連だった島倉千代子さんや水前寺清子さん、三波春夫さんの出場がなく、新たにニューミュージックやシャンソンからオペラに至るまで、ジャンルの多様性を打ち出し、さらには目玉演出のひとつとして、当時最先端だったディスコと同じ巨大照明装置を導入するなど、あの手この手で「ナウで洗練された新しい紅白」への変貌に躍起になっていました。しかし、それを観ていた12歳の私には、ただただ紅白の持つ野暮ったさや田舎臭さみたいなものしか印象に残りませんでした。と同時に「紅白はお洒落で都会的であってはならない」という真実を知ったのです。まさに87年は「紅白の永遠性」を見た回だったと言えます。  で、昨年はというと、元日の朝から仕事だったため、早々に寝支度をしながら何となく視聴した紅白でしたが、名前も聞いたことのない歌手が歌っていようと、藤井風さんのような旬でレアな人が出てこようと、そこには安定の野暮ったさが漂っており安心した次第です。私が最も紅白っぽさを感じたのは「まふまふ」という歌い手でした。紅白が「一世一代の夢舞台」であるにふさわしい雰囲気に満ちていて、とても良かった。やはり芸能には悲壮感が必要不可欠です。 ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する※週刊朝日  2022年1月28日号

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    13時間前

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    羽生結弦が“政治利用”され違法グッズが蔓延!? 北京五輪前の中国で巻き起こる異常な羽生フィーバー

     北京冬季オリンピックの開催が目前に迫っている。オミクロン株感染拡大の影響が懸念されるなか、日本からは122人の選手が派遣される予定で、メダルの行方が注目される。  フィギュアスケート日本代表・羽生結弦(27)は今大会で最も注目さる選手の1人だが、実は開催国の中国でも大人気。連日、国営メディアは羽生関連のニュースを報じ、中国SNSでも「柚子(羽生の中国での愛称)の頑張っている姿を見ると感動して泣いてしまう」「4Aの成功を祈っています。北京五輪の金メダルはあなたのもの。大好きです」など応援メッセージであふれている。五輪では“ライバル”となる日本人選手をここまで応援するのはなぜか。中国事情に詳しいライターの広瀬大介氏は言う。 「羽生選手が中国で有名になったのは2014年のこと。上海で開催されたフィギュアスケートのグランプリシリーズの公式練習中、中国代表の閻涵(エン・カン)選手と衝突し、顔面から流血する事故がありました。このとき、羽生選手は閻選手のけがの状況を心配したと中国メディアが報じました。その後、羽生選手がけがをおして、テーピングを頭に巻いて演技を披露する姿は、多くの中国人の心を打ちました。もうひとつは、2017年の世界フィギュアスケート選手権。この大会で優勝した羽生選手は、国旗掲揚の際、3位だった中国代表が掲げていた中国国旗が反転していたことに気付き、すぐに駆け寄って向きを正したんです。この出来事は国営メディアでも大きく報じられ、細やかな気配りに多くの中国人が感動を覚えました」  中国SNSでは羽生に関する話題は北京五輪が近づくにつれて盛り上がりをみせており、彼の情報を専門につぶやくファンアカウントのフォロワー数は156万人以上に達する。あの華春瑩(か・しゅんえい)中国外務省報道官もツイッターで「羽生結弦選手のファンの皆さまへ、『現地応援は中国の皆さんに託す』との声を目にしました。お任せください!」と、名指しで言及したほどだ。  一方で、加熱した人気の“弊害”も出始めている。最近、中国ECサイトでは羽生の違法グッズが多数、取引され始めた。無関係の中国業者や個人によって製造されたこうした商品の多くは、中国ネット通販大手・アリババ傘下のECサイトなどで出品されており、例えばキーホルダーは720円、ハンコは800円、人形は1400円ほどで売られている。さらに手作り感満載の写真を巻きつけただけの加湿器や、自作のフィギュアのようなものまである。肖像権を侵害したこうしたグッズが堂々と取引され、それなりに購入している人もいるようだ。 ■羽生の名前が商標登録された!?  違法グッズだけではない。羽生の名前で勝手に商売しようという不逞(ふてい)の輩も現れている。 「中国の商標権を管轄する国家知識産権局では、すでに『羽生結弦』という名称が2017年~2019年の間に、10件も商標登録申請が行われています。ただし、ほとんどは申請の取り消し措置が取られています。一方、中国での羽生の愛称である『羽生柚子』については、申請が受理されているんです。申請登録を行った中国企業は、飲食店や喫茶店などの商標カテゴリーで登録を行っており、商標の使用期限は2029年までとなっています。北京五輪後に、羽生の名前を冠した飲食店が中国各地で誕生する可能性もあります」(広瀬氏)  便乗ビジネスにまで発展しそうな勢いだが、ジャーナリストの周来友氏は中国での羽生人気についてこう述べる。 「中国のフィギュアスケート選手はどちらかというとマッチョ系が多く、羽生選手のような色白で繊細そうなタイプの美男子はあまりいないのです。氷上のパフォーマンスはもちろんですが、とにかく『かわいい』と中国の20~40代の女性たちから熱狂的に支持されています。さらに中国政府にとっても、羽生選手が欠かせない“目玉”であることは間違いありません。彼は欧米の有名選手と違ってボイコットや人権問題に関する発言はしていないので、中国政府にとっても“優等生”なのです。五輪を成功させるため、国内外に向けて羽生フィーバーを盛り上げていくのではないでしょうか」  中国でも大きな影響力を持つ羽生。いよいよ10日後に迫った冬季五輪で、どんな活躍を見せてくれるのか楽しみだ。(山重慶子)

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    17時間前

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    中村メイコが80歳でどうしても捨てられなかったもの 田中角栄、美空ひばりの思い出の品、もう一つは

    「エノケンさん、高倉健さん、チエミちゃん……。一番大切な思い出の品からきっぱり捨てました」  昭和9年に生まれ、2歳で映画デビュー!それから80年以上にわたって映画や舞台、テレビ番組で活躍してきた中村メイコさん。80歳になったとき、昭和の大スターたちとの大事な思い出の品を一斉に処分しました。今回はメイコさんの思う「笑って死ぬため」の準備について伺いました。 *  * * ■エノケンさんからもらったキューピー人形 「大切なものたちとお別れしよう」  そう決めたのは80歳のとき。といっても、いまはやりの断捨離とか、終活とは少し違います。夫(作曲家、神津善行さん)から「もう、身の丈にあった家に引っ越しましょう」と提案されたのがきっかけです。  何しろ、それまでの私たちの住まいは、夫婦と3人の子どもたちで住んでいた大きな家。子どもは皆独立したので、夫婦2人で住むには、あまりに広すぎたんです。だけど引っ越すにあたって一番の問題が、これまでためてきた膨大な思い出の品たち。新しいマンションには、とてもじゃないけど入りきらないので、処分しなければいけません。  だけど急に割り切って、捨てられるものではありません。仲の良かった江利チエミちゃんと高倉健さんの写真を手に取って、しばらく「懐かしいなー」と眺めていると、当時の思い出が蘇ってきます。そんな私を横目に、夫は作曲家の命ともいえるグランドピアノや電子楽器など、どんどん処分していきます。 「もうピアノで作曲する時代ではないから」と夫。  負けず嫌いの私は、夫に負けていられないと、急にスイッチが入り、「どうせ処分するなら、最初に一番大切なものから捨てていこう」と、心を決めました。  私にとって一番大切なもの。それは2歳のときから持っていた、セルロイド製のキューピー人形です。くださったのは、昭和の喜劇王・エノケン(榎本健一)さん。  エノケンさんと初めてお会いしたのは1937(昭和12)年。「江戸ッ子健ちゃん」という映画で芸能界デビューした私は、2歳8カ月というまだオシメも取れていない年齢。幼い私が頑張っている姿を見てか、ご褒美にエノケンさんはたくさんおもちゃをくれました。  その中の1つがキューピー人形です。戦禍を免れ、結婚したときも、子育てしている間もずっと私のそばで見守ってくれた守り神のような存在。このキューピー人形とお別れすることができれば、あとはどんなものでも処分できると思ったのです。「ありがとう。そしてごめんなさい。お別れのときがきたの」。そう言ってボロボロ涙をこぼしながらキューピー人形とお別れしました。  エノケンさん以外にも古川ロッパさん、徳川夢声さん、森繁久彌さん、三波伸介さんなど、喜劇役者の方々との共演が多かったんですが、皆さんとてもおしゃれで、普段は二枚目なんです。優しい方ばかりで、たくさんのものをいただきました。当時の出来事を懐かしみながら、「いままでありがとう」「ごめんね」と一つひとつに声を掛けてお別れしていきました。  他にも洋服や靴、食器やお酒など、人にあげられるものはさしあげて、自分が出演した映画やドラマの台本やビデオなども処分しました。  その量、なんとトラック7台分。処分して気づいたのは、ものがなくなっても、その人との思い出は決して消えないということ。そして人生がぐっと身軽になって、前に進む気持ちになれるということでした。 ■どうしても捨てられない、ひばりさんの思い出の品  捨てられなかったものもいくつかあります。1つは、夫の神津さんから結婚前にいただいた山のようなラブレターです(笑い)。捨てるのは気分的に嫌ですし、他人に見られるのは神津さんも困るでしょうから、娘のカンナに預けました。  困惑するカンナに、「あなたは物書きなんだから、何かの役に立つかもしれないでしょ。煮るなり焼くなりしてちょうだい」と、半ば強引に押し付けた感じです(笑い)。  2つめが、田中角栄さんからもらったお皿。雑誌の対談で一度お会いしたら、なぜだかとても気が合ってしまって……。以来、家族ぐるみでお付き合いがありました。  気さくできっぷの良いおじさんという印象で、夫によれば「自分以外で中村メイコと一緒に暮らせるのは田中角栄さんくらいしかいない」と、よく笑っていました。  そして、何よりも美空ひばりさんとの思い出の品々は捨てられずに、「私が死んだらいっしょにお棺に入れてちょうだい」と伝えています。  ひばりさんは、私の長い芸能生活において、唯一、親友と呼べる存在です。初めて会ったのは私が16歳、ひばりさんは13歳。私よりも年下にもかかわらず、芸能人というのはファンの夢を絶対に裏切ってはいけないと話をしていて「スターは違うな」と感心したものです。いつの間にか仲良くなって、家に泊まりにきたりすることもありました。 「ひばりは、いつもセンターなのよ」と、新婚家庭のベッドの真ん中に陣取って寝てましたっけ(笑い)。  亡くなった日、病院に駆けつけると息子さんの和也さんから手渡されたのが、「泣き虫メイコが来たら、これを渡してください」というメモと、黒のサングラスとハンカチでした。それまでの人生の中で一番悲しい出来事がひばりさんの死であったことは間違いありません。 ■おしゃれで笑顔のたえないおばあちゃんでいたい  86歳のときに、大腿骨を骨折して1カ月間入院、今でも自由に歩き回るのはできないんですが、それ以外はいたって健康。肉も魚も野菜もお米もなんでも食べます。ただ、昔から少食なので食べるのは、他の人の3分の1くらいの量。もちろん、毎日晩酌は欠かしません(笑い)。  私は放っておくとずっと飲んでいるんですが、同じ話を何度も繰り返すようになったり、声が大きくなったりしてきたら、夫が指摘してくれて「今日はここまで」となります。  これからは、お説教しない、清潔でおしゃれで、いつも笑っている。そんな、そばにいても嫌にならないおばあちゃんでいたいですね。 (構成・文/山下 隆) ※「朝日脳活マガジン ハレやか」(2022年2月号)より抜粋 なかむら・めいこ/1934(昭和9)年に作家、中村正常の長女として生まれる。2歳のときに映画「江戸ッ子健ちゃん」で芸能界デビュー。天才子役として注目され、榎本健一や古川ロッパ、森繁久彌など昭和を代表するコメディアン・俳優と共演した。1957(昭和32)年に作曲家、神津善行と結婚し1男2女をもうけ、「神津ファミリー」として親しまれる。映画、舞台、テレビでの活躍のほか著書も多数。近著に『大事なものから捨てなさい メイコ流笑って死ぬための33のヒント』(講談社)など。

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    岸田政権「コロナ診断、治療は自己責任」に現場は大混乱 「検査できず、政府の失敗」と医師

     1月25日、全国の感染者数が6万人を突破し、未曽有の感染拡大が続いている。保育園では全国で327カ所(20日時点)が全面休園、病院でもクラスター発生する事態になっている。そんな中、24日に政府が各都道府県などに出した通知が「亡くなっても個人の自己責任しようとしている」「政府は責任を投げ出した」などと波紋を呼んでいる。現場で何が起こっているのか。 *  *  * 「保健所がパンパンで、濃厚接触かどうかの判断はいつになるかわからないと言われました」  こういうのは川崎市(神奈川県)に住む40代の男性会社員だ。子どもが通う保育園から22日に「コロナの感染者が出た」とメールで連絡が入った。「自分の息子は濃厚接触者ではないか」と心配になり、保育園にすぐに連絡を入れると、保育園の先生から冒頭の言葉を言われたという。  翌23日には子どもが発熱。39度を超える高熱を出した。川崎市の相談窓口に連絡すると「かかりつけ医に相談してほしい」と言われ、かかりつけ医に相談すると「PCR検査はやっていない。近くの大学病院で診てもらってほしい」と対応された。そこで大学病院に電話したが、「濃厚接触者として確定していないなら、様子を見てほしい」と言われたという。  その後、子どもの熱が下がり、一安心したが、保健所からの連絡はいまだに保育園に来ていない状況が続いている。男性はこう語る。 「自分も濃厚接触者かもしれず、在宅勤務で自宅に待機している状況です。無料のPCR検査も人が殺到していて受けれないですよね。ネットで抗原検査キットも購入しましたが、今週末に届くかどうか。保健所からの連絡がくるまでに10日間(濃厚接触者の自宅待機期間)を過ぎてしまいそうな感じ。中途半端な状況にどうしたらいいのかと悩ましいです」  厚労省によると、全面休園している保育所が20日時点で327カ所。保育士が濃厚接触者となり、人員確保ができないようなケースも相次いでいる。  保育園だけではなく、医療機関でも感染が広がっている。政府分科会の尾身茂会長が理事長を務める地域医療機能推進機構の傘下にある横浜中央病院では、25日時点で34名の院内感染が判明した。担当者は「クラスターが起きた」という。  こんな非常事態の中で、厚労省が24日に出した新たな外来診療の対応が大きな波紋を呼んでいる。 「同居家族などの感染者の濃厚接触者が有症状となった場合には、医師の判断で検査を行わなくても臨床症状をもって診断することも可能」 「病状が軽く重症化リスクが低い方について、自ら検査した結果を自治体が設置する健康フォローアップセンターなどに連絡していただくことで、迅速に健康観察などを提供する対応が可能であることをお示ししたい」  24日、後藤茂之厚生労働相は記者団を前に、感染急拡大に伴う外来診療の新たな対応についてこう語った。「PCR検査などをしなくても、症状を見るだけで新型コロナの診断が可能」「医師の診断がなくても自宅療養に移ることが可能」といった内容だ。厚労省から各都道府県などに出された通知には、<自治体の判断でこうした判断が可能>と書かれている。  これに対して現場の医師からは疑問の声が上がっている。新型コロナの診療を行うインターパーク倉持呼吸器内科の倉持仁院長は「国民は国民皆保険のもと『受診する権利』を持つが、それを放棄させる発言だ」と指摘する。  国民健康保険は、医療を受ける権利を国が保障する制度の一つだ。国民には「受診する権利」や「健康になる権利」があるとされる。こうした考えのもと、必要な人に医師が診察、診断をするという体制がこれまで整えられてきた。倉持院長はこう語る。 「症状がなくても肺炎を起こしている人もいるわけで、本当に重症化リスクを持っているのか、本人だけで判断できるものではない。日本のこれまでの医療のあり方を覆すような考え方です。第6波までにこれまで出てきた課題を一つ一つ検証して対策を考えていれば、このような事態は避けられたはず。後藤大臣の発言からは『1人でも命を救う』という気概が感じられず、逃げを打ったようにも見える」  旅行医学などが専門のナビタスクリニックの久住英二医師は「これでは社会の活動が止まってしまう。この通知は世の中の流れと逆行する内容だ」と危惧する。  最近の濃厚接触者の対応は社会機能を維持するために、自宅待機期間を短くする方向で動いてきた。例えば、医療関係者や学校関係者などエッセンシャルワーカーは、PCR検査を6日目に受けて、陰性が確認されれば、自宅待機が解除されるといったものだ。久住医師はこう指摘する。 「本来であれば、濃厚接触者も全員検査して、問題なければ仕事に戻ってもらうという対応をとるべき。いまコロナの疑いのある人を検査すると、だいたい半分は陰性です。臨床診断だけだと感染者や濃厚接触者数が倍増し、医療現場や学校などで働けない人が増え、あらゆる社会機能の低下を加速させる恐れがある。検査しないのはナンセンスですが、いま検査キットは在庫不足で、検査できない現状もある。これは明らかに政府の失敗。その失敗を隠すように、社会機能を低下させるような通知を出すのは、愚の骨頂です」  自治体からも疑問の声が上がる。感染拡大が続く首都圏のある自治体担当者はこう語る。 「いきなりフォローアップセンターをつくっていいよ、と言われてもできません。通知には『自治体から有症状者に検査キットを配布する』などとありますが、無理ですよ。在庫がないのに、どうしろと言うんですかね。今回の通知はよくできていて、『本人が希望する場合には受診可能』ともなっている。つまり、急に容態が悪化して亡くなっても、受診しなかった人の自己責任ということです。政府はやることをやった、あとは自治体と個人の責任というためのアリバイ作りにも見える」  官邸関係者もこう苦言を呈する。 「今回の通知は、医療ひっ迫でこの先どうにもならなくなることを想定して、政府として責任を回避するために事前に張った予防線そのものです。国民個人と自治体の責任で、政府の関知しないところで頑張れ、ということです。岸田首相は『聞く耳』を持って『柔軟に対応』などと言っていますが、『世論の批判回避に敏感』になり、『何でもあり』の状況になっています」  現場ではすでに混乱が生じているが、オミクロンの感染拡大のピークは2月上旬とも言われる。岸田首相がこの難局をどう乗り切るのか問われている。 (AERAdot.編集部 吉崎洋夫)

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    21時間前

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    「モラハラ離婚」報道の内村航平の母が反論で泥沼化…「本人は口を開くつもりない」

     現役引退を発表した男子体操の第一人者・内村航平の「モラハラ離婚報道」について、内村の実母・周子さんが猛反論していることが報じられた。  内村のモラハラ離婚トラブルが「文春オンライン」で報じられたのは19日。引退会見を14日に行ったばかりで、晴れやかな表情で現役に別れを告げただけに衝撃が大きかった。同誌によると、妻の千穂さんが手料理を作っても『ウーバー頼んだから』と告げて、内村が自分の分だけピザや牛丼を頼むことも。食事以外でも色々な悩みを抱えた千穂さんは精神的に追い込まれ、体重が一時33キロ台にまで激減。昨年11月に内村から離婚の意思とともに「別居します」というLINEが送られてきたという。  この一報が報じられると、女性週刊誌「女性自身」(2022年2月8日号)が内村の母・周子さんへの電話取材を報じた。周子さんは「(週刊文春で)報じられていることは、どうもあちらさんのご両親などがお話ししたことのようですね」と推測した上で、「私たち、あちらのご両親とは、ちゃんとお話ししたことが今までもないし。きっと、自分のお嬢さんに都合のいいことをお話ししたんじゃないかと思うんですよ」と複雑な人間関係を明かした。  さらに「航平本人に直接お聞きになるのが正しいのだと思いますよ。ごめんなさいね、そういうことですから」と話したという。  内村と日本体育大学大体操部の1学年後輩だった千穂さんは結婚したのは、9年以上前の12年11月。その後2人の娘が誕生したが、両家の親同士は疎遠だということになる。 「色々事情があるだろうし、決して珍しいことではないと思います。仮に離婚に向けて話が進んでいるとしても、内村と奥さんで互いの主張は違ってくるでしょう。週刊文春の『モラハラ離婚』という報道だけで内村を一方的に攻めるのは違うかなと。純粋に体操が好きで頂点を目指してストイックにトレーニングを積んでいたことは間違いない。そのために食事などで家族にも迷惑を掛けたことはあるかもしれません。内村はこの件について口を開くつもりはないと思います。自分の知っている限り相手を傷つけるようなことを言わない性格なので…」(テレビ局スポーツ部関係者)  最近は五輪メダリストが指導者ではなく、タレントに転身するケースが目立つが、内村は違う。目指すのは「体操の伝道師」だ。  引退会見では今後について、「日本代表の選手、後輩たちに自分が今まで経験してきたことを伝え、小さい子どもたちに『体操って楽しいんだよ』って普及活動したり、体操に関わるすべてのことをやっていけたら。僕自身も完全に体を動かすことをストップしないと思うので、自分が動いてみせてやるっていうのも1つあると思うので、体操に関わるすべてのことにチャレンジしていきたいという気持ちです」と熱弁している。 「体操以外のことで取り上げられるのは本意でないし、こういった報道が出ることに責任を感じているでしょう。夫婦が話し合えばいい問題で、第3者が口をはさむことではない。もうこの一件は騒がずに幕を閉じる形で良いのではないでしょうか」(体操団体関係者)  思いがけない形で注目されることになった内村だが、指導者として今後の活躍が注目される。(安西憲春)

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    乃木坂46・賀喜遥香「これからも好きでいて」“センター”の重みを新しい光に

     先の見えないこんなご時世でも、先が楽しみなスター候補たちは大勢いる。今まさに蕾をほころばせる彼、彼女らは今年、どんな大輪の花を咲かせるだろうか。「2022年の顔」として、乃木坂46の賀喜遥香さんに抱負を聞いた。 *  *  *  乃木坂46の最新曲、28thシングル「君に叱られた」で、表題曲のセンターとして抜擢された。初代センターの生駒里奈から白石麻衣、西野七瀬、生田絵梨花など……10年にわたり連綿と継承される乃木坂46歴代センター。“センター”という響きを一言で言い表してもらうと、 「重圧……」  少し笑いながら答えた。 「10年という年月による重み。うれしさや喜びを感じるよりも、どうしよう……という気持ちのほうが大きかったです」  2018年に乃木坂46の4期生として加入、昨年8月には二十歳になった。 「二十歳になり、自分についてあらためて見つめ直したいタイミングで、やらせていただいたセンター。乃木坂46としても、4期生にとっては初めての東京ドームでのライブを経験できたり、東京国立博物館さんでの企画展『春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46』で、春夏秋冬の花が描かれた日本美術とのコラボに参加させていただいたり。印象に残る出来事がひとつにしぼりきれない楽しい1年になりました」  昨年夏にグループ結成10周年。2月にはデビュー10周年という節目をむかえる。 「昨年12月には、結成10周年を記念した初のベストアルバム(「Time files」)の発売に合わせて東京タワーをグループカラーの紫色にライトアップしていただきました。そういうお祭り感のある雰囲気で10周年をお祝いしていただける機会がこの先も多くあるといいなと楽しみにしています」 22年、個人としての目標は、 「絵を描くのが好きなので、それを生かせるようにして貢献していきたいなと思っています。油絵やデッサン、本格的な絵にも挑戦してみたいです」  今年は新たに5期生が加入する予定だ。 「私が入ったころは初代キャプテンの桜井玲香さんをはじめ、1期生・2期生の先輩もまだまだたくさんいらっしゃって、いろんな背中を見る機会に恵まれました。これからは、私たち4期生も、そういう背中に加わることになるのかと思うとプレッシャーもあります。でもちょっと見栄をはっちゃうかもしれません(笑)」  2022年は、「光」あふれる1年にしたい。 「乃木坂46の10周年で、変化や新しい挑戦もたくさんあると思います。みなさんと一緒に新しい光を放つ賀喜遥香、乃木坂46をつくっていけるようがんばります。これからも好きでいてください!」 ◆かき・はるか 2001年大阪府生まれ、栃木県出身。18年、坂道合同オーディションに合格し、乃木坂46・4期生として加入。趣味はイラスト。愛称は「かっきー」。19年の24thシングル「夜明けまで強がらなくてもいい」で表題曲初選抜、21年の28thシングル「君に叱られた」で表題曲のセンターに選出された。ラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」(TOKYO FM・JFN)出演中。 (取材・文 太田サトル[本誌])※週刊朝日  2022年1月28日号に加筆

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    ゆうちょ銀「大量硬貨両替」手数料で防衛策 大阪の神社「商店主とコインチェンジ」作戦 

    「ゆうちょ銀行」が1月17日から硬貨を窓口やATMで入金する際、手数料の徴収を開始し、波紋が広がっている。  ATMでは1枚から25枚が110円、26枚から50枚が220円、51枚から100枚が330円と枚数が増えるごとに手数料はアップ。窓口では50枚まで無料だが、51枚から100枚まで550円とATMよりも割高だ。  すでにメガバンクでも、手数料の徴収は導入されており、三井住友銀行は300枚まで、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行は100枚までが無料。その枚数を超えると、窓口では有料となるが、ATMでは無料という点がゆうちょ銀行とは大きな違いだ。  こうした手数料に頭を悩ませているのは1月の初詣、2月の節分などの行事が多い神社や寺院だ。  大阪府交野市の住吉神社では毎年、初詣は数多くの参拝者でにぎわう。地元では、1月1日に日付が変わるころに境内の鈴を鳴らして参拝しようと行列ができるそうだ。 「1月は普段の月より、お賽銭は多くなりますね。かなりの金額になります。ゆうちょ銀行はじめ金融機関の硬貨入金の手数料有料化は正直、困ったものです。これは、他の神社やお寺なども共通の悩みだと思います。かといって、とても硬貨のお賽銭はお控えくださいなんて言えません。スマホ決裁と言ってもまだ先でしょうし…」(住吉神社)  硬貨の扱いが多いのは、寄付などを募るボランティア団体も同様だ。関東のあるボランティア団体ではこれまで、設置している募金箱や街頭募金で集まった硬貨はそのままゆうちょ銀行に持ち込んでいたという。ボランティア団体代表はこう語る。 「硬貨は重いのと、数えるのに時間がかかります。集まった募金の硬貨をずっと保管するのもセキュリティの問題があります。ゆうちょ銀行のATMに投入すれば、すぐに集まった金額がわかるので便利でした。それにコロナの感染拡大で、できるだけ接触機会を抑えたい。ボランティア団体なので銀行口座への振り込みなどの寄付もある。一番、利便性が高かったのがゆうちょ銀行でした。しかし、今後はATMで手数料がかかるということで、不要な銀行を探して口座を開設しました」    同じく、硬貨を頻繁に取り扱う和歌山県の廃品回収業者もこう嘆く。 「家庭や小さな業者からものを買い取る際には硬貨がたくさん必要です。毎日、在庫の硬貨を残して、管理をするのにゆうちょ銀行のATMに入金して、重宝していました。手数料がかかるようになり、頭が痛いですね。都会ではないので、ゆうちょ銀行以外の金融機関がなかなか見つからない。毎日、硬貨が多くなりすぎて、大変ですよ」 ◆地元でウインウインな新戦略  その対応策として前出の住吉神社は2月13日から「コインチェンジ」という新しい試みをはじめるという。初詣などで寄せられた硬貨を地元の商店主などと組んで紙幣に両替するというものだ。  1円玉から500円硬貨まで、すべてを取りそろえ、それぞれ、50枚に包装したものと紙幣を両替するという。手数料は無料だ。  メガバンクなどで紙幣を硬貨に両替する場合、当該銀行に口座がある場合は、枚数制限はあるが10枚までは無料。それ以上の数量になると、有料となることが一般的だ。  ゆうちょ銀行の場合、預け入や払い込みの際、硬貨を窓口に持ち込む場合、1~50枚は無料。51枚~100枚は550円、101枚~500枚は825枚、501~1000枚は1100円、1001枚以上は500枚毎に550円の加算となる。住吉神社の取り組みは硬貨の取り扱いに困惑する神社や寺院、商売で硬貨が必要な商店主、お互いがウインウインのアイデアだという。住吉神社担当者がこう説明する。 「この時期は普段と比べて、硬貨の在庫が非常に多いのです。商店主など、硬貨が必要な方と両替する。これをきっかけにして、ご参拝をいただければ、ありがたいということで企画しました。2月13日以降も在庫があれば日曜日ごとに実施しようと思っています。両替に手数料がかかるということで、お互いのメリットにつながればと思っております。硬貨の包装をする機械メーカーにご協力をいただけたことも、実現した大きなポイントです」 『商店主のみなさん、手数料に困っていませんか』と呼びかけるポスターを境内に掲示するという。住吉神社の取り組みが注目される。 (AERAdot.編集部 今西憲之)

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    眞子さんのNY目撃談相次ぐ「バイバイと両手で手を振る姿」も キャロライン・ケネディ氏宅へ?

     米ニューヨークで新生活を送る秋篠宮家の長女、小室眞子さんと夫の小室圭さん。ニューヨークに到着した11月14日から、およそ1カ月半を迎えた。眞子さんはニューヨークの街を一人で歩く姿が何度か、海外メディアに写真や動画を撮られてきた。今回はAERAdot.が独自で現地在住日本人の目撃情報をキャッチした。 *  *  * 「街歩きの眞子さんを目撃した」と言うのは、長年の間、ニューヨークに住む50代の日本人男性。12月22日と23日の2回、見たという。  まず22日午後3時から4時頃、場所はマンハッタンにある公園「セントラル・パーク」だ。 「私がちょうど犬の散歩でセントラル・パークの5番街辺りにいました。眞子さんに何となく似たシルエットの女性がペディ・キャブ(自転車タクシー)の男性運転手と話していたので、しばらく様子を見ていました」  その女性は男性運転手と10数分間、立ち話をしていたという。 「女性が立ち去った後に男性運転手に聞いたら、『彼女から道を聞かれた。(自宅のある)西の方へ行きたいと言っていた。マコと名乗っていた』と話してくれました。ちょうど、その地点から西へ抜けると、ダコタ地区。ジョン・レノンの妻のオノ・ヨーコさんの住まいでも知られています。その周辺を通って、ご自宅のあるヘルズキッチンへ向かったのではないでしょうか。女性は帰り際に茶目っ気たっぷりに両手でバイバイと別れの挨拶をしていました」 ■水色のハンドバッグを肩からかけて  翌23日にも、眞子さんとおぼしき女性をパーク・アベニューで目撃した。 「今度はパーク・アベニューの通りを、眞子さんが歩いていたんです。ちょうど交差点のところで、一緒にいた妻が『あっ、眞子さんじゃない』と言ったので、パッと見たら彼女と目が合ったんですよ。1メートルくらいの近さでした。眞子さん一人でしたね。その後、足早に自宅のある方向へ歩いていきました」  この日本人男性はとっさにスマホで撮影。それを見ると女性は長い髪、黒いコート、水色の長い紐のハンドバッグ、紙袋を持って歩いていた。英デイリーメールが12月25日に報じた、眞子さんの数枚の写真と酷似していた。  デイリーメールによれば12月23日、眞子さんはクリスマスの贈り物が入っていると見られる紙袋を持って、1人でニューヨークの街を歩いていたと、数枚の写真入りで報じた。その時、紐の長い水色のハンドバッグを肩からかけていた。  同紙によると、眞子さんはアッパーイーストサイドに住まいがある米国外交官のキャロライン・ケネディさんが住む高級アパートを訪れたという。キャロラインさんの住まいは2500万ドル(約28億5000万円)する住まいであることが知られていて、眞子さんは午後1時から約3時間滞在したという。前出の日本人男性が目撃したのは同日午後4時頃。眞子さんが用事を済ませ、帰路につく時間帯だった。 ■キャロラインさんとの交流  また、同紙によれば眞子さんはキャロライン・ケネディさんが住むアパートに入ったが、「キャロライン氏宅を訪ねたかは不明」としている。  キャロラインさんは今年秋の叙勲で、「旭日大綬章(きょくじつだいじゅしょう)」を授賞。12月8日には、ニューヨークの総領事・大使公邸で叙勲伝達式が行なわれた。  皇室ジャーナリストの神田秀一氏はこう見る。 「もし、眞子さんがキャロラインさんの自宅を訪れたのなら、叙勲のお祝いをしたかもしれませんね」  キャロラインさんは暗殺された元大統領のジョン・F・ケネディさんの長女。キャロラインさんは80年にメトロポリタン美術館に勤務。美術館勤務中の86年に結婚、1男2女をもうけた。日本にとっておなじみになったのは、オバマ政権下の2013年11月から17年1月まで、女性として初の駐日大使を務めたことから。当時、外相だった岸田文雄首相とも交流があったという。  バイデン大統領は12月15日、キャロラインさんを新しいオーストラリア大使に指名、今後、上院での承認が得られれば正式に就任する。 「キャロラインさんが駐日大使として東京にいた時、眞子さんがもう成年皇族になられていたのがポイントですね。成年皇族であれば、キャロラインさんと会う機会はいくらでもあります。たとえば、1月1日の新年祝賀の儀では全ての海外外交官が皇居に集まりますからね。宮殿にあるすべての部屋を開放して朝早くから午後まで目一杯時間を使って新年を祝います。そこに皇族も出ますから。他にも宮中晩餐会などでも会う機会はあります」(神田氏) ■小室夫妻へのアドバイス可能な人  キャロラインさんは環境保護などに強い弁護士としても活動していたことがある。眞子さんの就職先の一つとして、女性誌はメトロポリタン美術館を上げていたことがある。しかも、夫の圭さんは来年2月に司法試験の再受験を控えている。 「キャロラインさんはメトロポリタン美術館に勤務した経験があるわけですから、もし、眞子さんから聞かれれば、何でも答えられるのではないでしょうか。弁護士資格も持っているので、小室夫妻のどちらにもアドバイス可能な人ですね」(同前)  眞子さんの妹の佳子さまは12月29日、27歳の誕生日を迎えた。眞子さんのしていた公務を引き継ぐ予定だという。  小室圭さんが来年2月の弁護士試験にもしも落ちた場合、早期帰国説も取り沙汰されている。 「ニューヨークにいたいというのが2人の希望。皇室から開放されて、異国の地で過ごそうというわけですから、2人とも、就職先を見つけることが大事。そうしないと長続きしないと思います。お金もない、仕事もないからやっぱり日本に帰るということがないように、進もうとしている道を切り開いて下さい。ニューヨークの冬は厳しいので、お体にくれぐれも気をつけてお過ごし下さい」(同前) (AERAdot.編集部・上田耕司)

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    【独自】天皇家の和歌御用掛が明かす歌会始の儀の後、両陛下から届いたメモの中身と愛子さまの歌の意味

     愛子さまのデビューとなった歌会始の儀は、久々に皇室の明るいニュースとして人びとを笑顔にした。和歌の御用掛を務める篠弘さんが、両陛下と愛子さまの和歌に隠された意味を解説した。  英国の学び舎に立つ時迎へ開かれそむる世界への窓  今年の歌会始のお題は、「窓」。  愛子さまは、初めて「歌会始の儀」で披講した詠進歌(詩歌を作って宮中や神社などに奉ること)となった。  学習院女子高等科二年生の夏休みに、英国のイートン校の寮に滞在する「イートン・サマースクール」での体験を詠んだ和歌だ。  歴史の重みを感じる建物を前に今、ご自身の体験から世界が開かれようとしている。弾むような気持ちが詠まれている。  イートン校といえば、英国のウィリアム王子やハリー王子も学ぶなど世界の王族が学ぶ名門校だ。 「和歌は個人的な体験だけを詠むと、歌が小さくなってしまいます。愛子さまが選んだ『世界の窓』は、ご自身の垣根を越えて、同世代の若者の前に開かれる可能性や期待感を表現なさったものです」(篠さん)  篠さんが宮内庁御用掛を拝命したのは、平成から令和への代替わりが近づく2018年のことだ。  本来は、天皇陛下や皇族方に直にお会いして和歌の相談を受けること多い。  しかしコロナ禍のいまは、おもにFAXが連絡手段だ。天皇や皇族方より送られてきた和歌に丁重に目を通す。より重みを増すよう、歌の調べが滑らかになるよう、お立場に相応しいお歌に添削をすることもある。  天皇陛下と皇后雅子さまは、どのように和歌を詠むのだろうか。 「天皇陛下と雅子さまは、おふたりで同じ日に、仲睦まじく作っておられるようです」(同)  というのも、いつも同じタイミングで篠さんに和歌を出すのだという。   こんなことがあった。  令和に入って迎えた雅子さまのお誕生日。お祝いに際して行われる月次(つきなみ)歌会のお題を、陛下は篠さんと相談していた。 ところが、なかなか決まらない。篠さんも困っていると、陛下がこう口を開いた。 「雅子に希望を聞いてから決めようと思います」   陛下はお優しくていらっしゃるーー。雅子さまへの愛情がにじむ言葉に、篠さんはこう思った。  歌会始のお題を決めるのは、天皇陛下だ。  まずは、歌会始の5人の選者が過去のお題を参考に、二つにしぼる。  一般の人びとが歌にしやすいか、理解しやすいかといった視点が大切だ。  最終的に決定するのは、天皇の役目だ。  今回、「窓」という題に対して、天皇陛下は次のように歌を詠んだ。天皇陛下が公表した和歌は、御製と呼ばれる。 世界との往き来難(がた)かる世はつづき窓開く日を偏(ひとへ)に願ふ  コロナ禍が収束したその先に、いま大きく落ち込んでいる世界との人々の往来が再び盛んになる日の訪れを願って詠まれた和歌だ。 「結句の第5句目が説明的でなく、真実味が深い」  篠さんは今年の陛下の和歌をそう説明する。 「皇太子でいらしたころは、山の情景をお詠みになることも多くありました。天皇に即位してからは、歌を締めくくる用語として『望む』『祈る』『願う』など、人びとと共にある言葉をお選びになっています」  ことし陛下が詠んだのは1首。ご自身で痛感なさったことが主題であり、お人柄がにじむと感じたという。 「陛下が本格的な作歌活動に入るのはこれからでしょう。令和という時代をどう表現なさるのか、楽しみです」  続いて、皇后雅子さまの御歌。 新しき住まひとなれる吹上の窓から望む大樹のみどり  昨年9月に天皇ご一家は、改装された吹上御所に移った。上皇ご夫妻への感謝とともに、御所から皇居の木々の緑深さを詠まれた。宮内庁のホームページには、そう解説がなされている。  和歌をご指導した篠さんは、「もう少し内なる気持ちが込められた御歌である」と話す。篠さんが、「吹上御所の窓から、けやきの巨樹が見えます」と話したところ、皇后さまは、その光景をお気に召したのだという。しかし、ただ皇居の緑の情景を詠んだ和歌ではないと篠さんは解説する。 「ようやく心身ともに落ち着いて国のために尽くすことが出来る。良い出発となったことへの感謝と、皇后陛下の自己認識が投影されています。和歌でお使いになった『望む』という表現は、単に見るという意味ではない。『しげしげと見渡す』といった実感をともなった言葉です」  結句は「大樹のみどり」と体言止めにした。それによっていっそう、瑞々しさが広がっている話す。  18日、歌会始の儀が終わると、召人や選者など関係者だけで小さな懇談の場が設けられた。  篠さんは他の歌人に、両陛下の今年の和歌は、特に良かったと発言していた。  この日の諸行事が終わったあと、侍従がそばに来た。手には、両陛下からのお言葉を記した紙が見える。  侍従は、書かれた文章を読み上げた。 「褒めていただいて嬉しかった」  記されていたのは、両陛下の素直なお気持ちだ。 「今上陛下として、和歌を詠進なさることに、すこしご緊張もあるのかもしれません。和歌の指南役や儀式に集う歌人から、今上天皇に相応しい一首として評価されたことを心から喜んでおられたのでしょう」  ざっくばらんで人間味あふれるお人柄。それが令和皇室の魅力なのかもしれない。(AERAdot.編集部 永井貴子)

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    小室眞子さん「NYの休日」を圭さんと楽しむ姿を海外メディアが相次ぎ「激写」 

     秋篠宮家の長女、小室眞子さん(30)が夫の小室圭さん(30)とアメリカのニューヨークへ旅立ってから1カ月が経過した。  ニューヨークの街はすっかり冬景色。小室夫妻はマンハッタンのヘルズキッチンのマンションに住むが、2人で散歩デートする姿はしばしば目撃されているという。  12月13日には小室夫妻が色違いのセーターでニューヨークの街を散策する姿が米ピープル誌に掲載され、話題となった。小室夫妻の現地での様子が海外メディアに撮影されたのは、11月22日に配信された英デイリー・メール紙以来となる。  眞子さんが一人で日用品を購入するため買い物に出かけた様子や圭さんと散歩するツーショットなどが動画付きで報じられた。デイリー・メールは眞子さんがジーンズにコートのラフな格好で、スーパーでカートを押して買い物をしている姿も報じた。そのカートには「BEDBATH&BEYOND(ベッドバス・アンド・ビヨンド)」と、スーパーの名前があった。  台所、浴室、寝室など、ニューヨーカーが生活雑貨を購入するスーパーだ。小室さんが通うフォーダム大やリンカーンセンターからも近い。店は日本にある「IKEA」や「コーナン」などのホームセンターの雰囲気があるお店だ。 「小室夫妻のお住まいは、マンハッタンの中心街からはちょっと離れているんです。歩いて7~8分くらいのところにもスーパーはありますが、中心街の方へ行くとたくさんスーパーが並んでます」(NY在住の日本人)  同紙によると、眞子さんはベッドバス・アンド・ビヨンドで50個入りのスリムハンガー、ペーパータオル、台所にも使えるオーガナイザー(整理箱)、バスタオルなどをカートに入れながら、スマホも見ていた。その後、現地では真っ赤な的のマークで知られる生活用品大手スーパー「target(ターゲット)」にも寄って買い物をしたという。  帰りにはターゲットの紙袋を手に持ち、両肩に買い物バッグをぶら下げて歩いていた。両手両肩に4個もの買い物バッグを持ちながら、帰り道で迷い、道を尋ねる様子も動画で報じられた。  さらには小室夫妻がヘルズキッチンにある「日系ラーメン店IPPUDO(一風堂)で夫婦仲良くラーメンをすすっていた」(東スポWeb13日配信)という目撃情報も報じられた。  ニューヨークに長く住む、日本人の会社経営者はこう話す。 「ラーメン店の『一風堂』は、小室夫妻のお住まいから歩いて5分くらい。すぐ近くにある日本料理屋さんなので、行かれたのかもしれませんね。私も行ったことがありますが、『一風堂』の店内にはほとんど日本人客はおらず、アメリカ人のお客さんばかりなので、目立たないと思いますよ」  現地のラーメンの相場は日本と比べると高い。 「普通は19ドルくらい。それに税金とチップを合わせたら25ドルくらいになりますので、日本円では3000円くらいですね」  皇室ジャーナリストの神田秀一氏は、眞子さんはオードリ・ヘップバーンが演じた映画「ローマの休日」のアン王女みたいだという。アン王女は滞在中のローマで大使館を抜け出し、一人で市内の市場などでの散策を楽しみ、サンダルを買い、美容室へ行く。 「眞子さんはアン王女のように、自由を満喫しているのでしょう。スーパーの梯子をするなど、買い物が楽しくて仕方がないんじゃないのかな。日本ではショッピングなんて一人ですることはありませんでしたから」  眞子さんがどっさりと買い込んだものについてはこう話す。 「ハンガーを50個というのは、クリーニングに出さずに自分で洗濯して干すためかもしれません。食品がなかったのは、小室さんが仕事終りに、食材を買って帰るのかもしれません。私もニューヨークへ行ったことがありますが、家賃、物価も高いから生活する外国人は倹約する生活を覚えるんですね」(神田氏)  住まいのマンションがあるというヘルズキッチンという場所について、前出のニューヨーク在住の会社経営者はこう話す。 「ひとことでヘルズキッチンと言っても、南は34thストリートから北は59 地区まで広く、いろんなエリアがあります。小室さんの住まいの近くにあるエイトアベニューという場所は、30年くらい前までは男性客に夜のサービスを提供するバーがズラーッと並んでいた。その頃は危ないエリアだったんですけど、2000年以降はジュリアーニ元市長が浄化をしました」    眞子さんは警護なしで身の安全は大丈夫なのか。 「昼は眞子さん一人で歩いていても大丈夫だと思います。危ないのは夜、誰もいない通りは危険です。昼間はどこを歩いても人がいますが、夜の0時過ぎは人がいなくなるので」(同前)  小室夫妻を見かけたという情報が他にもあるのだろうか。 「追いかけているのはマスコミの方だけで、ニューヨークに住んでいる日本人は興味持ってないです。歩いていたとしても何とも思わないんじゃないですかね」(同前)  自由を満喫する眞子さんについて、前出の神田氏はこう言う。 「眞子さんは皇室の新たな1ページを切り開いた。これまでの日本の皇室になかったことです。元皇族という品位を保ちながら、アメリカで自分の人生を歩むんですからね。海外の王室の中で、日本の皇室と一番、似ているのが英王室と思います。新しいことへの対処の仕方、世界の中でどう生きるかなど、英王室は巧みに対応してきた。そういう姿に学んで、眞子さんには巧みに生きて欲しい」 (AERAdot.編集部 上田耕司)

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    小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”【2021年下半期ベスト20】

     2021年も年の瀬に迫った。そこで、AERA dot.上で下半期に読まれた記事ベスト20を振り返る。1位は「【独自】小室圭さん、米大手事務所から断られていた 弁護士が語る“厳しい現実”」(9月8日配信)だった。(※肩書年齢等は配信時のまま) 「小室圭さんの実力では無理だと思います」  こう話すのは、全米で「トップ100」と呼ばれる大手弁護士事務所(ビッグロー)のパートナー弁護士のA氏。専門は、海外企業同士のM&Aなど。米国を拠点に世界を飛び回り、収入も桁違い。この姿こそ、小室さんが思い描く将来でもあるようだ。  昨年の秋ごろ、A氏の事務所に、働かせてほしい、と小室さんの「経歴書」のようなレジュメが別の弁護士を通じて届いたという。小室さんは、ニューヨークなど大都市での弁護士の仕事を探しており、ビッグローか、その下の規模のミッドローでM&Aなどをやりたいという。  A氏がそのレジュメを見て思ったのが、冒頭の言葉だ。なかでも、A氏が首をかしげたのがニューヨークのフォーダム大ロースクール(法科大学院)への留学の部分だ。「疑問なのは、彼がLLM(法学修士)のコースに入ったことです。しかも1年学んだ後に、JD(法務博士)コースに編入している。大きな事務所を目指してて、こんな動き方をするなんて聞いたことがない」  LLMとJDというのは、ロースクールでのコース名だ。米国の大学には法学部がなく、弁護士を目指す人は、大学卒業後にJDに入る。ここで3年間学び、事務所に入るのが一般的なパターンだという。  一方、LLMは、法律の資格を持つ外国人留学生が多いといい、「表現として正しいかわかりませんが、キャリアに“箔(はく)をつける”ようなイメージです」。  A氏によると、米国で弁護士となるのに重要なのはJDでの1年目だ。 「米国での就職活動は、2年生の終わりの夏休みで終わります。事務所のサマープログラム(インターン)で働き、その後よほどのことがない限り、その事務所からオファーを受けて就職します。どの事務所のプログラムに入れるかは、1年時の成績で決まります。だから学生の競争も壮絶です。本を隠すなどの足の引っ張り合いもあります。小室さんはその1年をLLMに入っています」  ビッグローのインターンの募集は、ハーバードやエール、コロンビアといった有名大学で公募し、最初の書類選考で成績優秀者に絞り、次の面接で決まる。A氏が言う。 「採用された学生には、1年目から19万数千ドル(2千万円以上)の給与が支払われます。それも5年くらいは半人前で、彼らから利益は出ません。それでも欲しい人材ということなんです。だから相当厳選します。原則でいえば、ビッグローはインターン以外の方法では採用しないです」  チャンスをつかめる学生は、ほんの一握りだ。小室さんは、そもそもLLMに入った時点で、希望するビッグローへの道は閉ざされたといっていい。なぜLLMに入ったのだろうか? A氏が話す。 「こう言っては何ですが、彼の経歴に目を見張るモノはありません。あるとすれば眞子さまのフィアンセという一点。それでも奨学金を取得できたり、JDへ編入したり、弁護士が出てきて仕事を探したり。知恵をつけている人がいるんでしょう」  では、ビッグローは無理でも、M&Aは他でもできるのだろうか? 「米国には約43万の事務所がありますが、M&Aの70%超は『トップ100』が扱っています。小室さんが弁護士として働くにはM&Aにこだわらないことですね。移民法の弁護士などは圧倒的に多い。日本人も多いです。もうからないので人気はないのですが」  そして、こう続けた。 「詳しいことは申し上げられませんが、彼の『経歴書』を見る限り、とても“権威”が好きなんだと思います。M&Aも彼からすれば格好良く見えるんでしょうけど、実際は相当厳しい世界です。パートナー弁護士になるのは10年後くらい。それまで生き残っているのはわずかです。彼がそもそも弁護士という職業に向いているのか……。野心家だと思うので、ベンチャーのような起業家とかが向いているような気がします」 (本誌・矢崎慶一) ※週刊朝日  2021年9月17日号に加筆

    週刊朝日

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    歌会始で金木犀を詠んだ佳子さまの悲鳴 小室眞子さん思い「悔しくて涙が出た」

     1月18日に「歌会始の儀」が執り行われた。  秋篠宮家の次女、佳子さまが詠進したのは、年頃の女性らしく花を題材にした和歌だった。  窓開くれば金木犀の風が入り甘き香りに心がはづむ  秋のある日にお部屋の窓を開けると、金木犀の香りが風にのって漂ってきた。甘い香りにふれて嬉しい気持ちになったことを詠んだ和歌だ。  穏やかな日常のひとコマだ。  しかし、金木犀の花が開くのは、9月から10月。和歌に詠んだ昨年のこの時、姉の眞子さんの結婚問題は急展開を見せた。  9月に入ると大手マスコミが「結婚が決まった」と国民に周知させるような報道を雨のように降らせ、16日にはNHKが「小室さんの帰国」を報じる。そして10月1日、宮内庁は眞子さんと小室圭さんの結婚を正式に発表した。  佳子さまが金木犀の甘い香りに心を和ませた時期、秋篠宮家は、結婚への非難の矢面に立ち、まさに嵐の真っただ中にいた。  歌会始の儀の関係者のひとりは、和歌を詠んだ佳子さまの心の内をこう推し量る。 「お姉さまの眞子さんの結婚問題が進むことに安堵すると同時にこみ上げるのは、結婚して家を離れてしまうという現実です。そうした佳子さまの寂しさが金木犀の香りによって癒されたというお気持ちがにじむお歌です」  和歌の最後の「はづむ」という表現からは、自らの気持ちを奮い立たせるような決心が伝わる、と話す。   佳子さまは、姉の眞子さんの結婚を応援し見守り続けてきた。  眞子さんが結婚の日を迎えた10月26日。  眞子さんは、赤坂御用地で家族と最後の時間を過ごし、結婚会見を行うホテルグランドアーク半蔵門に向った。  宮邸を出発する眞子さんを、秋篠宮ご夫妻と佳子さまが見送った。  お別れの場面で佳子さまは、両腕をいっぱいに広げて姉を抱きしめた。テレビで流れたその光景は、見る人の心を打った。  このときの「ハグ」について秋篠宮家に詳しい人物は、こう振り返る。 「佳子さまは、母の紀子さまや姉の眞子さん、そして皇室に激しい批判を浴びせるマスコミについて、強い警戒心をお持ちです。報道に端を発した情報がSNSなどで一人歩きをし、眞子さまへの批判が雪だるま式に膨れ上がった。批判に傷ついた姉の眞子さんが複雑性PTSDと診断される過酷な状況が続いた。そのなかで佳子さまは、どうすればマスコミや『情報』と上手く共存出来るか、という戦略的な思考を養ってゆかれたのでしょう。あの日の、『ハグ』ーー。あれは、印象的な場面が人びとに伝わるように、と意図してなさったものだそうです」  姉を「ハグ」し見送ると、佳子さまはすぐに会見場であるグランドアーク半蔵門に向かった。会見の間は、ホテルで待機して姉を精神的に支えた。佳子さまは、姉を応援すると決めて、その姿勢を貫いた。  そして11月、眞子さんと小室さんは米国に出発した。  佳子さまは、大切な姉が民間人として第2の人生を静かに送ることを心から願っていた。  批判と喧噪渦巻く日本から逃れて、新天地で静かな暮らしが始まるはずだった。  だが、米国の地を踏んでも眞子さんは執拗に追いかけまわされた。  英タブロイド紙のデイリー・メールは、小室夫妻がニューヨークに到着した昨年11月14日には、2人の新居を建物が判明するような写真を付けていち早く報じた。  日本の雑誌メディアも街を歩くふたりを追いかけ写真を掲載した。  デイリー・メールの他に、いくつかのメディアがそれに続いた。  眞子さんがタオルなど日用品を買い物する動画もオンライン記事で流された。  クリスマスには、高級住宅が立ち並ぶニューヨーク・アッパー・イースト・サイドにあるキャロライン・ケネディ元駐日大使の自宅があるアパートに立ち寄った様子も撮影された。  民間人として新天地で暮らしても新居を暴かれ、日常生活を盗み撮りされて動画をさらされる。  そんな光景を目にした佳子さまは、こう口にしていたという。 「姉が気の毒で、悔しくて涙が出た」  2月下旬には、小室圭さんのニューヨーク州の司法司法試験への2度目の挑戦が予定されている。  合否が判明するのは4月から5月と見られる。  日本のみならず、英米のメディアからの注目が再び集まるだろう。  佳子さまの願い通り、眞子さんが静かに暮らせる日は、もうすこし先になりそうだ。 (AERAdot.編集部 永井貴子)

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    開成前校長が語る「算数・数学でつまずきやすい単元」と解消法 3男1女が東大理IIIの佐藤ママも納得

     理数系に苦手意識を持つ人は多い。原因がわかれば、大人でもやり直せる。3男1女が東大理IIIに合格した“佐藤ママ”こと佐藤亮子さんと開成中学・高校前校長の柳沢幸雄さん。教育界のカリスマ2人が語り合った。AERA 2022年1月24日号は「理系を育てる」特集。 *  *  *  3男1女が最難関の東京大学理科・類に合格した“佐藤ママ”こと佐藤亮子さんと、東大合格者ランキング40年連続1位の開成中学・高校で校長を務めた経験がある柳沢幸雄さん(現在は北鎌倉女子学園中学・高校の学園長)の対談は、算数・数学の力を伸ばす方法をめぐって熱を帯びていった。 ──算数・数学や理科に苦手意識を持つ子どもは多いと感じますか? 柳沢:開成高校の場合は全体の約7割の生徒が理系です。残りの3割の文系のうち「数学が苦手」などの消極的な理由によって文系を選択した生徒が半分くらいだと思います。ただ、おそらく一般的には全然違う割合でしょうね。数学が嫌いだから文系を選ぶ生徒はもっと多いはず。 佐藤:そういう印象はありますね。うちの子ども(男子3人)が通っていた灘高校も4分の3は理系なんですが、それは灘の中学入試の算数と理科が難しいので理系が得意な子が集まってくるから。実際、私の講演会にいらっしゃるお母さん方から直接話を聞くと、「子どもの数学嫌いをどうにかしたい」という声はすごく多いです。 ──2019年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)を見ても、理系嫌いが日本の子どもたちの中に根強くあるようです。算数・数学の「勉強は楽しい」「得意だ」と答えた子どもの割合は国際平均を下回っています。 柳沢:教える立場からすると、苦手意識を持たせないようにするのが一番重要です。例えば今は小学校で英語を教えますけど、そこで最も気をつけるべきは英語嫌いを作らないこと。 ■分数は原則を教える 佐藤:でも算数・数学の難しいところは、本当に積み重ねじゃないですか。どこかでつまずくと一気に崩れてしまう。足し算ができなかったら引き算もできないし、九九が苦手だとその後ずっとバタバタしてしまいます。 柳沢:風邪で1週間休んだだけで途端にちんぷんかんぷんになったりね。 佐藤:ちゃんと順を追ってやらないとダメで、九九が苦手なまま小5まできてしまった子に「小数の割り算をやりなさい」と言ってもできないんです。 ──具体的にどの単元でつまずく子どもが多いのでしょうか。 柳沢:分数がポイントだと思います。分数っていうのは割り算の表現ですよね。例えば100分の1は、1÷100のこと。で、分数を分数で割る場合、割るほうの分母と分子をひっくり返して掛け算をしますけど、大人でもその理由をすらすら説明できる人はほとんどいない。あれは「分数の分母と分子に同じ数を掛けても、同じ数で割っても、答えは変わらない」という原則さえ教えればわかるんです。 佐藤:約分や通分もまったく同じ理屈です。 柳沢:はい。あとは小6でやる方程式の移項。プラスとマイナスを反対にするでしょ? あれも「等号の左と右に同じ数を足しても、同じ数を引いても、あるいは全体に同じ数を掛けても、同じ数で割っても、等号は変わらない」という原則さえ理解できていれば迷わない。例えばX-3=8だとして、等号の左と右に3を足すと、X-3+3=8+3。すると左の-3と+3が消えて、結果として移項したことになる。私は小学校の算数はこの2点さえきちんと押さえておけば大丈夫だと思います。 ■ルートでつまずく理由 ──では中高の数学でつまずきやすい単元はどこでしょうか? 柳沢:二つあって一つは√(ルート)ですね。√A+Bは、√が全体にかかっているんですけど、それを√A+√Bにしてしまう子が多い。もう一つは解の公式。あれを自分で展開できるようになると大体の計算はできます。 佐藤:おっしゃるとおり、公式は自分で導き出せないとダメですね。うちの子たちには「公式は暗記するな」と言っていました。単に暗記しただけだと、プラスとマイナスを一つ間違えて覚えたら一巻の終わりですからね。数学が苦手な子に限って「公式を忘れちゃう」って言うけど、自分で導き出せればどこでどう使うのかわかるはずなんです。でも、学校ではそこを丁寧に教えてくれない場合が多い。 柳沢:逆に、中学でやる90度までの三角関数は余計ですよね。高校で一緒に教えたほうがはるかに理解しやすい。 佐藤:つまみ食いみたいなことは本当にやめてほしいですね。つまずきのもとですよ。 柳沢:中高一貫校だと6年間かけて数学を教えるから、そういうおかしなことにはなりづらい。そこはメリットだと思います。 (構成/編集部・藤井直樹)※AERA 2022年1月24日号より抜粋

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    内村航平「“モラハラ離婚”、ウーバー頼んで家族と別で食事」報道にスポーツ紙記者「驚きはない」

     体操男子の個人総合で2012年のロンドン五輪、16年リオデジャネイロの五輪で個人総合2連覇を飾るなど、世界が認める体操界の王者として活躍してきた内村航平が1月14日に都内で引退会見を開いた。今後について、「日本代表の選手、後輩たちに自分が今まで経験してきたことを伝え、小さい子どもたちに『体操って楽しいんだよ』って普及活動したり、体操に関わるすべてのことをやっていけたら。僕自身も完全に体を動かすことをストップしないと思うので、自分が動いてみせてやるっていうのも1つあると思うので、体操に関わるすべてのことにチャレンジしていきたいという気持ちです」と気持ちを新たにしていたが、その数日後の19日に、妻と離婚をめぐるトラブルになっているという衝撃的なニュースが報じられた。 「文春オンライン」の記事によると、妻の千穂さんが手料理を作っても『ウーバー頼んだから』と告げて、内村が自分の分だけピザや牛丼を頼むことなどが夫妻の知人によって語られており、千穂さんは精神的に追い込まれて体重が一時33キロ台にまで激減。昨年11月に内村から離婚の意思とともに「別居します」というLINEが送られてきたという。  内村は引退会見で食生活に関して質問が及んだ際、「会見を僕は勝負だとは思っていないので。そもそも僕、一食しか食べないし。食べてないです、朝」と語り、「水ですね、水、勝負水です。勝負水できょうやらせていただいています」と午前10時から行われた会見前も食事をとっていないことを明かしている。 「現役時代から1日1食であることは有名です。体操に関しては誰よりもストイックですが、食事は好きなものを食べたいという考えで、野菜もあまり好きではない。偏食で知られていますが、トップアスリートの世界では珍しい話ではありません。サッカー元日本代表の中田英寿さんも野菜嫌いで、お菓子が好物であることで有名だった。今回の報道は内村の言い分を聞かないと何とも言えません。記事の内容が事実だったとして、奥さんが作った後にウーバーを頼むのはどうかなと思いますが、食生活が独特なので家族と別にウーバーで好きな食べ物を注文することには驚きはない。体操で自分を追い込んでいる姿を見てきたので、食事はストレスから解放されたい思いがあったのかなと感じます」(スポーツ紙記者)  内村は五輪4大会に出場し、個人総合2連覇を含む7つのメダルを獲得。また、09年世界体操競技選手権から16年リオデジャネイロ五輪までの個人総合で前人未到の8連覇を達成するなど、世界のトップに長年君臨してきた。近年は故障が目立ち、種目別の鉄棒に専念することを決断。昨夏の東京五輪ではまさかの落下で予選落ちを喫したが、故郷・北九州で開催された世界選手権で完璧な着地を見せて6位に。晴れやかな表情を浮かべていた。  ネット上では、「本当のところはわからないけど、気分転換とかストレス解消とか苦手そうだし、一度気分が落ち込むとなかなか上昇しなさそう。手料理よりウーバーはさすがにひどい。せめて作る前に言えよって思う(原文ママ)」という意見がある一方で、「飛び抜けたアスリートは偏食の人多いみたいだよね。飲食店でもいつも同じメニューしか食べないとか。ブレないって点で一つの才能なんだと思う。食事に関しては、お互い了承してれば良いじゃないな。問題は他にあるんだろうな(原文ママ)」という指摘が。  はたして、体操界の元王者は今回の騒動でも完璧な”着地”を見せてくれるだろうか。(西川秀之)

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    広島はスター候補多し、巨人は野手育成が不可欠! “若手充実度”ランキング【セ・リーグ編】

     プロ野球のキャンプインも目前となり、各球団オフの補強はひと段落した印象を受けるが、シーズンを大きく左右するのが現有戦力、特に若手選手の上積みである。昨年もヤクルトでは奥川恭伸、オリックスでは宮城大弥、紅林弘太郎が一気に中心選手へと成長を遂げ、チームの優勝に大きく貢献している。  そんな次世代のチームを担う若手について、今後が期待できる選手の充実度をランキング形式で評価してみたいと思う。若手選手の対象としては2022年の満年齢が24歳以下とし、一覧の()内の選手は育成選手となっている。また、今年のルーキーについては対象として考えず、あくまで昨年の成績で評価した。今回はセ・リーグの6球団についてだ。/パ・リーグはこちら→山本、宮城が揃うオリックスは文句なし! 最下位は? “若手充実度”ランキング【パ・リーグ編】 *  *  * 1位:広島 一軍主力投手:森浦大輔一軍主力野手:坂倉将吾、小園海斗、林晃汰一軍戦力投手:玉村昇悟、高橋昂也、大道温貴一軍戦力野手:石原貴規、羽月隆太郎二軍主力投手:遠藤淳志二軍主力野手:中村奨成、矢野雅哉、韮沢雄也、(木下元秀)  野手の充実度から広島をリーグナンバーワンの評価とした。昨年はプロ入り5年目の坂倉がリーグ2位の高打率(.315)をマーク。そしてともに3年目の小園と林が三遊間のレギュラーに定着すると、小園は打率3割に届かなかったものの規定打席に到達し、林も二桁本塁打を放つ見事な活躍を見せた。主砲の鈴木誠也が抜けるのは大きなマイナスだが、中村奨成にも開花の兆しが見られており、二軍で主力となっている若手が多いのはプラス材料だ。  投手は森浦がセットアッパーに定着。同じくルーキーだった大道も素材の良さを見せ、玉村と高橋のサウスポー2人も先発として成長を見せている。しかし二軍の主力としてカウントした遠藤は前年から大きく成績を落とし、アドゥワ誠、山口翔、田中法彦なども停滞が続いている。今年2年目となる小林樹斗は楽しみな存在だが、そろそろ高校生の大物投手をドラフトで狙いたいところだ。 2位:ヤクルト 一軍主力投手:奥川恭伸一軍主力野手:村上宗隆一軍戦力投手:金久保優斗、梅野雄吾一軍戦力野手:古賀優大、元山飛優二軍主力投手:木沢尚文、寺島成輝二軍主力野手:内山壮真、武岡龍世、長岡秀樹、(赤羽由紘)  チームはおろかセ・リーグの主砲へと成長した村上の存在が何よりも大きい。プレーの面はもちろんだが、チームを牽引する姿勢もとても今年で22歳とは思えない貫禄がある。しばらくは4番打者に困ることはないだろう。野手は他にも元山、武岡、長岡、赤羽と内野手に有望株が多く揃った。特に元山は今年で2年目だが、ショートのレギュラー獲得も期待できそうだ。一方で強打者タイプがやや不足しているだけに、村上に続く大砲候補もそろそろ指名を検討したいところだ。  一方の投手は昨年奥川が2年目ながらエース格へと成長したが、野手に比べると少し手薄な感は否めない。二軍の主力として名前を挙げた木沢と寺島の2人もイニング数こそ投げているものの成績は芳しくなく、一軍の戦力となれるかはかなり不透明な状況だ。奥川が不動のエースになることはもちろんだが、それに続く柱の確立も大きな課題と言える。 3位:阪神 一軍主力投手:一軍主力野手:佐藤輝明一軍戦力投手:及川雅貴一軍戦力野手:二軍主力投手:西純矢、村上頌樹、浜地真澄、(牧丈一郎)二軍主力野手:栄枝裕貴、小幡竜平、遠藤成、井上広大、小野寺暖  最も目立つのはやはり1年目にいきなり24本塁打を放った佐藤だが、それ以外にも着実に若手の層は厚くなった印象を受ける。2019年のドラフトでは1位から5位まで高校生という思い切った指名を敢行。その中から及川が早くも一軍で欠かせない戦力となり、西、井上、遠藤の3人も二軍で着実に成績を残している。昨年の佐藤以外の大学卒選手も村上と栄枝が1年目から二軍の中心となったこともプラス材料だ。  佐藤と及川の2人もまだ万全とは言い難く、不確定要素が多いぶんヤクルトよりも低い評価としたが、全体的にスケールの大きい選手が多く、楽しみな部分は多い。ドラフト1位ルーキーの森木大智も含めて、ここに名を連ねた選手たちが順調に主力へと成長すれば、チームの将来はかなり明るくなるだろう。 4位:DeNA 一軍主力投手:一軍主力野手:牧秀悟一軍戦力投手:京山将弥、伊勢大夢、桜井周斗一軍戦力野手:山本祐大、森敬斗二軍主力投手:(宮城滝太)二軍主力野手:益子京右、小深田大地、田部隼人、細川成也  チームは完全に打高投低の状況だが、若手に関しても同様の傾向がはっきりと見られる。野手では牧の存在がやはり大きい。昨年もシーズン終盤に成績を上げているだけに、他のルーキーと比べても2年目のジンクスにはまる心配も少なそうだ。また手薄なキャッチャーとショートも山本と森が昨年成長を見せており、二軍の野手も楽しみな選手が少なくない。ソト、宮崎敏郎などの力が落ちてきた時にここに名前がある選手がレギュラーにおさまるのが理想的な形と言えそうだ。  一方で投手陣は一軍の戦力不足以上に二軍の主力となっているのが育成選手の宮城だけという状況が大きな不安要素だ。入江大生、阪口皓亮、高田琢登などが相次いで故障に見舞われており、数年後の投手陣を背負って立つ太い柱はまだ見えてこない。そんな中で昨年のドラフトで高校ナンバーワンの評価を受けた小園健太を獲得できたことは大きいが、今後もエース候補になれる人材を積極的に獲得する必要があるだろう。 5位:巨人 一軍主力投手:戸郷翔征一軍主力野手:一軍戦力投手:大江竜聖一軍戦力野手:二軍主力投手:戸田懐生、平内龍太、(横川凱)、(堀岡隼人)二軍主力野手:秋広優人、湯浅大、中山礼都、(喜多隆介)  毎年のように他球団の主力が入団するのはお家芸と言えるが、その影響もあって一軍の戦力となっている野手は0という結果になった。主砲の岡本和真が今年で26歳とまだ若さがあるのは心強いが、若手野手の底上げは必要不可欠である。昨年、高卒1年目ながら二軍で積極的に起用されてある程度の結果を残した秋広と中山の成長が大きなカギを握ることになるだろう。  トータルで見れば6位の中日と比べても厳しい状況に見えるが、わずかに上と評価したのは今年で22歳ながら主戦へと成長した戸郷の存在があるからだ。昨年は一軍に定着してから数えて“2年目のジンクス”に苦しんだが、それでも2年連続で9勝をマークしたのは評価できる。しかしまだまだ次代のエースと呼ぶには心許ない状況であり、二軍の主力投手に名を連ねた選手以外にも山崎伊織、堀田賢慎、そして今年入団した翁田大勢(※登録名は大勢)、山田龍聖など上位指名の選手をどう戦力にしていくかが重要になりそうだ。 6位:中日 一軍主力投手:一軍主力野手:一軍戦力投手:藤嶋健人、橋本侑樹一軍戦力野手:高松渡、根尾昂二軍主力投手:清水達也、山本拓実、森博人二軍主力野手:土田龍空、石垣雅海、伊藤康祐、岡林勇希  セ・リーグの6球団で唯一24歳以下の主力選手が不在ということで最下位となった。一軍の戦力となっている4人の選手も藤嶋が主力に近い位置にいるものの(48試合登板で防御率1.59の好成績もホールド数はチーム6位)、それ以外の3人はまだまだ一軍に定着したとは言えない状況だ。少し年齢層を上げて27歳までを見ても完全に一軍の戦力となっているのは小笠原慎之介(25歳)と外国人選手のR.マルティネス(26歳)だけ。入団してから一軍に定着するまでに時間がかかるケースが非常に多い印象を受ける。特に昨年はリーグトップの防御率を誇った投手陣も次代のエース候補が少ないだけに、一昨年のドラフト1位である高橋宏斗を何とか早く戦力へと成長させたいところだ。  今回は昨年の成績をもとに評価したため6位となったが、それでも野手は根尾、土田、岡林、昨年は故障に苦しんだ石川昂弥など、将来が楽しみな選手は少なくない。彼らと高橋宏斗の成長次第では、今シーズンが終わった時点では一気にリーグ上位へ浮上することも期待できるだろう。(文・西尾典文) パ・リーグも併せてお読みください→山本、宮城が揃うオリックスは文句なし! 最下位は? “若手充実度”ランキング【パ・リーグ編】 ●プロフィール西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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    山本、宮城が揃うオリックスは文句なし! 最下位は? “若手充実度”ランキング【パ・リーグ編】

     プロ野球のキャンプインも目前となり、各球団オフの補強はひと段落した印象を受けるが、シーズンを大きく左右するのが現有戦力、特に若手選手の上積みである。昨年もヤクルトでは奥川恭伸、オリックスでは宮城大弥、紅林弘太郎が一気に中心選手へと成長を遂げ、チームの優勝に大きく貢献している。  そんな次世代のチームを担う若手について、今後が期待できる選手の充実度をランキング形式で評価してみたいと思う。若手選手の対象としては2022年の満年齢が24歳以下とし、一覧の()内の選手は育成選手となっている。また、今年のルーキーについては対象として考えず、あくまで昨年の成績で評価した。今回はパ・リーグの6球団についてだ。/セ・リーグはこちら→広島はスター候補多し、巨人は野手育成が不可欠! “若手充実度”ランキング【セ・リーグ編】 *  *  * 1位:オリックス 一軍主力投手:山本由伸、宮城大弥一軍主力野手:紅林弘太郎一軍戦力投手:山崎颯一郎一軍戦力野手:太田椋二軍主力投手:本田仁海、山下舜平大、中川颯、(東晃平)、(榊原翼)二軍主力野手:元謙太、宜保翔、来田涼斗、佐野如一  今や球界のエースと言える山本と昨年大ブレイクした宮城の2人が揃い、文句なしで1位に選んだ。ともにまだまだ成長の余地があり、右と左でタイプも異なるという点も強みだ。故障さえなければ、今後も他球団にとって脅威の二枚看板となる可能性は高い。投手陣でもう1人楽しみなのが昨年終盤に先発の一角に定着した山崎だ。2019年にトミー・ジョン手術を受けて一時は育成契約となったが、リハビリ期間のトレーニングの成果からか見違えるほどボールが力強くなった。今年は一気に成績を伸ばす可能性もあるだろう。二軍でもまだ結果は出ていないが本田、山下などがイニング数を重ねており、近い将来のブレイク候補として期待がかかる。  一方の野手も紅林が高卒2年目にしてレギュラーに定着。2018年ドラフト1位の太田も存在感を示しており、二軍でも宜保、来田、元など高校卒の若手が経験を積んでいる。彼らの中から紅林に次ぐレギュラーが出てくることも十分に期待できるだろう。 2位:西武 一軍主力投手:今井達也、平良海馬一軍主力野手:一軍戦力投手:渡辺勇太朗、水上由伸一軍戦力野手:若林楽人二軍主力投手:浜屋将太、(上間永遠)二軍主力野手:渡部健人、ブランドン、山村崇嘉、川野涼多、高木渉、鈴木将平※上間は昨年11月にトミー・ジョン手術を受けて2022年シーズンはリハビリの予定  昨年は42年ぶりの最下位に沈んだ西武だが、若手に限ればリーグでもトップクラスの顔ぶれとなった。投手は平良がリーグを代表するリリーフへと成長。今井もポテンシャルを考えると物足りない部分はあるものの、昨年は初めて規定投球回をクリアするなどキャリアハイの成績を残している。今年22歳の渡辺も昨年は一軍で4勝をマークし、育成で入団した水上も1年目から中継ぎで貴重な戦力となった。二軍の主力投手が少ないのは気がかりだが、昨年のドラフトで大学球界を代表するサウスポーの隅田知一郎と佐藤隼輔が獲得できたことも大きなプラスとなりそうだ。  一方の野手も投手と比べると一軍の戦力になっている選手は少ないが、今後が楽しみな選手は非常に多い。特に目立つのが一昨年のドラフトで指名した選手たちだ。若林は膝の怪我で離脱するまではレギュラーとして活躍し、渡部、ブランドン、山村も1年目から二軍で結果を残している。現在のレギュラーは中堅、ベテランが大半なだけに、彼らの成長がチームの命運を握っていることは間違いないだろう。 3位:ロッテ 一軍主力投手:一軍主力野手:安田尚憲一軍戦力投手:鈴木昭汰、佐々木朗希一軍戦力野手:佐藤都志也、藤原恭大、山口航輝、和田康士朗二軍主力投手:森遼大朗、(佐藤奨真)、(小沼健太)二軍主力野手:西巻賢二、(山本大斗)  井口資仁監督が就任してから若手の抜擢が目立つロッテ。投手でやはり大きいのは佐々木朗希の存在だ。2年目の昨年はシーズン終盤にエース格へと成長し、今年はさらなる飛躍が期待できる。近い将来、球界を代表する投手となる可能性も高いだろう。二軍ではいずれも育成出身の森、佐藤奨真、小沼が結果を残し、まず森が支配下登録を勝ち取った。他にも故障からの復活を目指す種市篤暉、古谷拓郎などが控えているのも心強い。  野手は安田がサードのレギュラーに定着。期待の高さを考えると昨年の成績はかなり物足りないが、今年で23歳ということを考えるとまだまだ成長は期待できる。他にも育成出身の和田が盗塁王を獲得するなど、一軍の戦力となっている若手は多い。山口、山本と強打者タイプが出てきたこともプラスだ。安田、藤原のドラフト1位コンビが中軸となり、他の選手が脇を固めるような布陣でシーズンを通して戦えるようになれば、一気に黄金時代も見えてくるだろう。 4位:日本ハム 一軍主力投手:堀瑞輝一軍主力野手:野村佑希一軍戦力投手:河野竜生、立野和明一軍戦力野手:万波中正二軍主力投手:吉田輝星、望月大希二軍主力野手:田宮裕涼、清宮幸太郎、上野響平、(難波侑平)  実績のある選手を次々と放出するのはもはやお家芸とも言える日本ハムだが、若手の輩出スピードは一時期と比べて少し鈍っている印象を受ける。それでも昨年は堀が最優秀中継ぎのタイトルを獲得し、野村がチーム4位の99安打を放つなど徐々に新たな芽が出てきたのはプラス材料だ。河野と立野の投手2人もシーズン終盤は先発ローテーションに定着しており、今年は飛躍が期待できる。  そんな中でやはり気になるのが吉田と清宮のドラフト1位コンビの2人だ。吉田はルーキーイヤーに初登板初勝利をマークしてからは一軍で結果を残すことができず、清宮も4年目の昨年はプロ入り初の一軍出場なしに終わっている。ともに二軍ではそれなりに結果を残しているものの、それでファンが満足するような立ち位置でないことは明らかである。新庄剛志新監督を迎えた今年が大きな転機であり、逆に言えばこのチャンスを逃せばズルズルと低迷する危険性も高いだろう。 5位:ソフトバンク 一軍主力投手:一軍主力野手:一軍戦力投手:津森宥紀一軍戦力野手:三森大貴、リチャード二軍主力投手:スチュワート・ジュニア二軍主力野手:増田珠、野村大樹、水谷瞬、佐藤直樹  毎年のように楽しみな選手が出てくるソフトバンクだが、選手層の厚さもあってどうしても一軍定着までに時間がかかり、昨年の時点で主力となっている選手は投手、野手ともに不在という結果となった。そんな中でも野手は三森が準レギュラーと言えるところまで成長し、待望の大砲候補であるリチャードが一軍で7本塁打を放ったのは大きなプラスだ。二軍でも増田、野村、水谷の3人は高校卒でまだまだ若いだけに今後の成長も期待できる。今年は彼らの中から一軍の戦力となる選手を輩出したいところだ。  一方の投手は野手以上に中堅層が厚く、若手で結果を残している選手は非常に少ない。大きな希望の星と言えるのが今年で来日4年目を迎えるスチュワート・ジュニアだ。二軍では完全に格の違いを見せており、昨年は一軍デビューも果たしている。ただ、外国人選手ということでどうしてもメジャー復帰の危険性はあるため、他にも太い柱となる存在は必要である。そういう意味でもドラフト1位ルーキーの風間球打にかかる期待は大きい。 6位:楽天 一軍主力投手:早川隆久一軍主力野手:一軍戦力投手:一軍戦力野手:二軍主力投手:高田孝一、(王彦程)二軍主力野手:水上桂、黒川史陽、武藤敦貴  一覧に名前が挙がった選手は12球団で最少となる6人。ここ数年FAなどで積極的に戦力を補強した結果一軍の戦力は充実したが、若手に関してはかなり寂しい状況と言える。特に厳しいのが投手陣だ。昨年は早川が一軍で9勝、高田も二軍でチーム2位となる6勝とルーキーの2人が存在感を示したが、それ以外では二軍まで含めて戦力となっている若手は育成契約の外国人選手である王しかいない。支配下で指名している高校生投手がそもそも少なく、その中でも期待されていた藤平尚真が停滞していることも大きく響いている。現在のローテーションはベテラン中心だけに、数年後を考えるとかなり危険な状況と言えるだろう。  一方の野手も黒川と武藤は楽しみな存在だが、それ以外はかなり手薄な状況となっている。期待されながら停滞している内田靖人、オコエ瑠偉などは既に中堅に差し掛かっており、二軍の主力メンバーもこれからの成長が期待できる選手は少ない。昨年のドラフトでは1位で吉野創士、3位で前田銀治と高校生野手を高い順位で指名したが、彼らをいかに早く主力にできるかがチームの命運を握ることになりそうだ。 (文・西尾典文) セ・リーグも併せてお読みください→広島はスター候補多し、巨人は野手育成が不可欠! “若手充実度”ランキング【セ・リーグ編】 ●プロフィール西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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    女子御三家・桜蔭中高が制服に「スラックス」を採用した理由とは? 「想定外の反響」と校長語る

     男子はズボン、女子はスカートという制服の“常識”が変わりつつある。「性別に関係なく制服を選びたい」という生徒の声に応え、女子生徒の制服にスラックスを採用する学校が出てきているのだ。そんななか、創立からまもなく100年を迎える伝統ある女子校、桜蔭中学校高等学校(東京都文京区)が昨年、スラックスの採用を決めた。全国有数の進学校として知られ、由緒ある制服を誇りにしてきた同校でスラックス採用に踏み切った背景について、同校の校長、教頭に話を聞いた。 *   *   * 近年、女子生徒がスカートかスラックスを選べる制度を導入する学校の動きが加速している。その理由は、防寒対策や痴漢被害の防止、自転車通学者への配慮などさまざまだが、最大の目的は、「制服のデザインが身体的な性別に基づいたものなので着るのが苦痛」という、学校生活のなかで息苦しさを感じているトランスジェンダーの生徒たちの声に応えたものだ。  だが東京都内を例にとると、私立女子中学校・高校約150校のうち、スラックスを採用する学校はまだ十数校と、少数派だ。  桜蔭中学校、高校の制服は、これまで夏服・冬服ともにスカートのみだった。そこに新たにスラックスを選択できるようにしたのは昨年秋だ。 「スラックスを採用して制服の選択肢を増やせたことは、私たち教員もよかったと思っていますけれど、それ以上に生徒の反応が大きくて驚きました」  齊藤由紀子校長はこう話す。  昨年9月、学校はスラックス制服の申し込み受け付けを開始。齊藤校長は当初、「申し込むのは1クラスに1、2人かなとか思っていた」というが、ふたを開けてみると、全校生徒の約1割、140人あまりが申し込んだという。なかなか生産が間に合わず、スラックスが生徒の手元に届いたのは、昨年11月をすぎてからだった。  さらに想定外だったのは、学校外からの反響だ。 「進学塾の先生は、『まさか』と思ったのでしょう。『スラックスを採用すると聞きましたが、本当ですか?』と、お問い合わせをいただいたりしました。また、卒業生がとても喜んでくれました。彼女たちの感覚からすると『すごく進んだことをやった』と受け止めてくれて。『母校が時代とともに変化したことについて、たいへん誇りを感じています』と、年賀状をいただいたりしました。でも、私たちからすると、そんなに大きなことだったかな、という感じなんですけれど」 ■制服の原型は大正モダン  桜蔭の創立は大正時代の1924年。当初、同校には制服がなかったという。 「関東大震災のすぐ後にがんばってつくった学校なので、最初は制服がなかったんです。開校後しばらくして、制服を決めようということになりました」  齊藤校長が見せてくれた写真には、歴史の教科書で目にするような大正モダンな帽子をかぶった女学生の姿が木造校舎を背景に写っている。「ハイカラ」にみえるが「当時は生徒にはとても不評だったみたいです」という。 「オシャレなんですけれど、この位置のひもが結びにくいんですよ。ちょっとお腹の下で」と言いながら、齊藤校長はジャンパースカートのウエストよりも低い位置にあるひもを指さす。 「大正末期から昭和初期は『モボ』『モガ』の時代。この『ローウエスト』がとってもはやったようです」 「モボ」「モガ」というのは「モダンボーイ」「モダンガール」の略称で、当時はまだ珍しかった洋装のファッションが一世を風靡した。その特徴の1つが「ローウエスト」で、同校の制服もそれを取り入れたものだったという。 ■初代校長から受け継がれる伝統  桜蔭の制服が現在のかたちになったのは、戦後間もない1949(昭和24)年のことだという。 「昔の制服はジャンパースカートとブラウスだけで、冬は教室の中でも寒かったので、上着がほしいという生徒の希望を取り入れました。不評だったローウエストを通常の位置に直しました。ウエストのひもの結び方は片方だけ輪があって、リボン結びとは違うんです。初代校長の後閑キクノは宮中に多少ながらご縁があり、香淳皇后のご教育係をしておりました。そのときの袴のひもの結び方なんです。それはいまも変わりません」  伝統の制服に新たな選択肢が加わったのは、このとき以来70余年ぶりということになる。  小林裕子教頭は、従来の制服について、「由緒ある制服なので、歴史的な意味があります」と前置きしたうえで、「どうしてもズボンをはきたいという生徒がいる以上、それを作るべきだという気持ちがありました」と打ち明ける。 ■制服を増やさない理由はなかった  スラックスを導入した直接のきっかけは、コロナ禍だった。  2020年3月、新型コロナウイルスの拡大防止策として「全国小中高等学校等の一斉休校措置」がとられた。その後、同校では分散登校が行われたが、その際、保護者から「学校から帰宅したら、着ていた服をすべて洗濯したい」という強い要望が寄せられた。そのため学校は、白いポロシャツとズボンであれば、私服で登校することを期間限定で許可した。 「ところがその期間が終わっても、スカートに戻るのはもう嫌だと、強い気持ちを持つ生徒がいたんです。だからといって制服がある以上、それを許すわけにはいかない。私たちもつらかった。しかし、現実的にスカートをはくことに抵抗ができてしまった人がいる以上、スラックスを選べるようにしてもいいんじゃないか、という話になりました」(小林教頭)  齊藤校長は、こう話す。 「その子が制服を選べることによって、安心して学校に来られるなら、そのほうがずっといいですよね。ですから、制服の選択肢を増やさない理由はなかったわけです」 ■検討からたった2カ月で受注開始  学内でコンセンサスを得るのに十分な時間をかけたうえで、具体的にスラックス導入に向けて動き出したのは昨年7月。 「制服の業者さんに相談したら、桜蔭のジャケットは丈が長めなので、それをスラックスと合わせて『第一礼装』とすることも可能じゃないかとご提案いただいて。やってみたら、案外よかった。要するに、あまり大きな変更をせずに、制服を選べるようにできることがわかった。それからは早かったですね」  スラックスの検討を始めてから生徒から受注を開始するまでたった2カ月と、その動きはスピーディーだった。 「生徒たちはとても実利的で、暖かくていいからとか、小学生のときにずっとズボンをはいていたからとか、多少行儀悪くしても目立たないからとか、さまざまな理由でスラックスをはいている。そのなかで、スラックスに特別こだわりのある生徒が際立った存在にならずにすんだのはとてもよかったと思います」(齊藤校長)  スラックスを選んだ生徒が特に多かったのは、これからの在校期間が長い中学低学年の生徒だという。今後、スラックス率は年々高まりそうだ。  ちなみに、スラックスとベスト、夏用のジャンパースカートは家庭での洗濯が可能で、冬用の制服もウォッシャブルな生地に切り替え中という。「制服に対する時代の要請というのは、『多様性』への対応だけではなくて、『清潔』ということも含めてですね」(齊藤校長)  今春にはスラックスをはいた生徒たちが初めて入学式を迎える。 「保護者には、ジャンパースカートとスラックス、どちらも正式な制服です、とお伝えしています」(小林教頭)  いま、社会ではトランスジェンダーが直面する壁を取り除こうとする動きが進んでいる。多感な青春時代を過ごす学校で制服の悩みが減ることも、当事者にとっては大きな福音だろう。桜蔭中学校高等学校の英断にエールを送りたい。(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

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    理数系の力を伸ばすために「12歳までにすべきこと」 3男1女が東大理IIIの佐藤ママ×開成前校長・柳沢幸雄

     算数・数学に苦手意識を持たせず、楽しめる子を育てるにはどうすればいいのか。子ども3男1女が東大理IIIに合格した“佐藤ママ”こと佐藤亮子さんと開成中学・高校前校長の柳沢幸雄さん(現在は北鎌倉女子学園中学・高校の学園長)。教育界のカリスマ2人が語り合った。「理系を育てる」特集したAERA 2022年1月24日号から。 *  *  * ──算数・数学の力を伸ばすために、親としては何を心掛けたらいいでしょうか? 佐藤:まずは小1のスタートダッシュをきちんとすること。理想は小学校に入る6歳までに1桁の計算ができるようにしておいたほうがいいです。「4足す7は?」と聞いて反射的に答えられるくらいに。あと、うちの子たちにはずっと「ノートを広々と使いなさい」と言ってきました。計算問題であれば1ページにつき3題、文章問題であれば1ページにつき1題。そうすれば問題の下の広いスペースを使ってゆっくり考えることができます。 ■「検算しやすい」と説明 柳沢:手を動かして紙に落とすのはすごく大事ですね。人間って頭の中で考えているだけではわからないから。開成の入試でも部分点を重要視していて、いわば解答用紙の余白に書いてあることを好意的に見るわけです。なぜ書くことが必要なのかと疑問を持つ子には「検算しやすいから」という実利的な説明をするとやる気が出ると思います。 佐藤:それから、学校にすべてをお任せするのではなく、親が教科書と宿題をもっと見てあげてほしい。教科書がわかりにくいがために勉強についていけないケースもあると思います。 柳沢:もしつまずいてしまったら、2学年前の問題集のなるべく薄いものを買って解いてみるといい。どこで自分がつまずいたのか確かめることができます。 佐藤:同感ですね。そうやって勉強し直すときは、問題集の最後のページまで早くたどり着くことがやる気を保つコツです。例えば偶数の問題だけを解くとか、10問飛ばしでやるとかして、とにかく全体を何回も繰り返す。そうすることで、理解するというよりも見慣れるんです。 柳沢:そしてぜひやってもらいたいのは子どもを褒めること。点数に対してではなく、その子が以前と比べてどう進歩したかを具体的に褒めてあげるんです。 佐藤:「この前は5問しか解けなかったけど、今回は同じ時間で10問も解けたね。すごいね」みたいな褒め方がいいですよね。やはり子どものことをよく見てあげることが大事。 柳沢:あとね、子どもにとってしゃべることは最大の復習なんですよ。どうやって問題を解いたのかを論理的にしゃべろうとすると、すごく脳を使うから。 ■12歳までに計算の訓練 佐藤:算数を日常のものと結び付けてあげることも効果的です。「重さ50グラム」とか「1キログラム」って言われても子どもはあまりピンとこない。でも、砂糖だとこのくらいだよと言うとすっと覚えられる。 柳沢:私は小さい頃、体が弱くて寝てばかりいたんですが、小学校に入る前には九九を知っていたんです。なぜかというと、天井に縦九つ、横八つのラインがあって、そのマス目を毎日数えていたから。ただ、8×9までしかなかったから、小学校の九九の授業で「9の段があったのか!」と驚きました(笑)。 佐藤:私は「算数が楽しい」と思えるかどうかの究極のところは、1桁の足し算が瞬時にできるかどうかだと思っています。それが勝負の分かれ目。算数が苦手な子は、そこに行き当たることが多い。私は4人の子どもを育てて、12歳までの計算の訓練が大事だなと痛感しました。 柳沢:そこを重視するのがアジアの教育の特徴です。例えばアメリカの小学校では、九九を強制的に覚えさせることはしない。 佐藤:確かにアメリカの教育に詳しい方と話をすると、「九九なんて全部覚えなくても、3の段か4の段ぐらいまで覚えておけばどんな計算でもできる」って言いますよね。そうかもしれないけど、便利なんだから9の段まで覚えればよくない?って思っちゃうんですけど。 柳沢:覚えることは頭の無駄遣いだと考えられているんです。 佐藤:でも、インドなんかでは2桁×2桁まで覚えさせているし、九九を覚えることが後々になって数学的な想像力を邪魔するかと言ったら、そんなことはないと思うんですよ。 柳沢:九九についてだけいえば私もそう思います。ただ、算数・数学嫌いというものがこれほど明確に日本の子どもたちの意識の中にあることは、しっかり考えないといけない。アメリカ人にはほとんどいないですから。 ■入学試験の問題の傾向 ──日本の子どもの算数・数学嫌いの原因は何でしょうか? 柳沢:日本の場合、学校で教えるものを何によって決めているかというと、入学試験の問題の傾向なんです。形式的には学習指導要領に基づいて決められていますけど、実態はそうではない。一時期、入試問題に難問奇問がよく出題されましたけど、ああいうものも含めて「入試問題の傾向がこうだから、それに合わせて勉強しましょう」というのが日本の教育なんです。いわば本音と建前みたいな部分で子どもたちがアップアップしているところはあると思います。 佐藤:だから私は文部科学省にもっとしっかりしてほしいと思います。環境問題など未来のことをみんなで考えていかなきゃいけないのに、いつまでも教育が変わらないのはおかしいです。 ──21年度から早稲田大学政治経済学部の一般選抜で数学(数学I・数学A)が必須化されたことが大きな話題となりました。 佐藤:すごくいいことだなと思います。これからの時代は文系でも情報処理能力が必要だし、表やグラフを見て分析する力も大事。そうやって入試の段階で「うちの大学はこういう学生がほしいんだ。こんな人材を育てるんだ」というビジョンを示してくれれば、それに向けて子どもたちも頑張ります。そして大学に入ったら文系・理系に関係なく、融合した知識を身につけて視野を広げてほしい。 柳沢:私もこれからの時代は理系も文系もともに重要だと思います。例えば電気自動車にしても技術が高いだけではダメで、さまざまな交渉を重ねながら国際規格にのせないといけない。「失われた30年」と呼ばれる経済の低迷から回復するためには、理系嫌いを作らない教育の形が求められると思います。 >>【前編はこちら】開成前校長が語る「算数・数学でつまずきやすい単元」と解消法 3男1女が東大理IIIの佐藤ママも納得 (構成/編集部・藤井直樹)※AERA 2022年1月24日号より抜粋

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    36歳キャリア妻のモラハラ懺悔 夫の仕事にダメ出し「私のほうが何倍も優秀」と説教が止まらない

     妻から夫へのモラハラ被害が深刻化している。女性の社会進出に伴い、男性が加害者、女性が被害者という構図がかわりつつあるのだ。ジェンダーの問題ともいいきれなくなってきている。どのような意識なのか。今回は、夫にモラハラ行為をしてしまった女性の告白から、夫婦間のモラハラを考える >>【夫の布団を廊下に出す、モラハラ妻の非情な仕打ちを43歳男性が告白 「無視しないでくれ」懇願にも冷たい目】より続く *  *  *「夫のぐちを友人に話していたら、『それってモラハラじゃない?』と言われて、ハッとしました」  東京都在住の会社員、Cさん(36)。現在、共働きの夫婦二人暮らしだ。若くして管理職に抜擢されるなど、職場での人望も厚く、仕事も順調。結婚時には夫と同等の収入だったが、昇進を機に、夫より稼ぎがぐっと増えた。家事は一応、分担制ということにしているが、実質の負担はCさんが8割、夫が2割といったところだ。それでも「家事は仕事の息抜き」だと楽しめる器用なCさんにとって、生活に特に不満はなかったという。  その気持ちに陰りが見え始めたのが、新型コロナウイルスの感染拡大で、夫婦ともに自宅でのリモートワークが始まったころからだ。リビングで夫婦肩を並べて仕事するのは新鮮で、最初のころは楽しかった。しかし、横で見ていて夫の仕事への取り組み方が、どうしても気になるようになった。  例えば、オンライン会議での発言。要点を得ず、まどろっこしい説明を並べる夫の声を聞きながら、心の中で「もっとうまく説明しなさいよ」と突っ込んでしまう自分がいる。また、夫が朝始めた資料作成が夕方になってもほとんど進んでいなかったりすると、「こんなに集中力が続かないなんて」と心の中でため息。そのうち、胸の内にとどめていられなくなり、自分の部下にするように夫に説教し始めるようになった。 「まだこれだけしか進んでないの?」「もっと効率的に進めないと」「今までどうやって仕事してたの?」「私が上司だったら怒るよ」  夫の仕事の進め方を見るにつれ、イライラして黙っていられない。最初のころは夫も「頑張るよ」「そんなに言わなくても」と反応していたが、妻と同じ空間で仕事がしづらくなり、近所のカフェに出向いて仕事するようになった。家事は相変わらずCさんの負担度合いが多いまま。次第に「私の方が忙しいんだから、もっと家事を手伝って当然でしょ」という、これまでに感じなかった不満が膨らんでいったという。 「夫が働いている姿を初めて実際に目にして、正直なところ『私の方が何倍も仕事ができる』と思ってしまった自分がいます。それに伴って、家庭内の夫の見え方が変わってきた部分もある。これ以上言うと良くないと分かっていても、部下に接するように、つい夫に対して強く言ってしまう自分がいます」  Cさんはいまも自分の言動に悩んでいる。 ◆モラハラ行為をしてしまう妻・4つのタイプ  夫婦問題カウンセラーの高草木陽光さんによれば、モラハラ行動に出る妻は、大きく4つのタイプに分けられるという。 【上司型】 夫の話すことに、ことごとく否定的な言葉を投げかける。家事や育児に協力的な夫に対しても、一気にやる気が失せてしまうようなダメ出しをする。夫の発言や行動に共感したり賛同することは滅多にないが、マイナス要素を探し出しては意見してくる。自分流のルールがあり、そのルールから外れたことをするのを極端に嫌がる。否定的な言葉を発することが癖になっている人が多く、「だって」「でも」「ていうか」といった言葉を多用する傾向にあるという。一見、自分に自信があるように思われがちだが、幼少の頃から常に親に高レベルを求められて育った人が多く、自分自身に対し、人並みではなかなかOKを出すことができない人もいる。Cさんはこのタイプだろう。 【GPS型】 常に夫の行動を把握していないと気が済まず、不安になると思いもよらない過激な行動をとる。「いつ、どこで、誰と、何をした」ということを知りたがり、仕事中でも構わず電話やラインをしてくる。夫の財布やカバンをチェックするのは当たり前。夫の行動を把握し、管理することが“妻の愛”であり、夫が事細かに自分の身の回りで起きたことや会った人のことを報告してくれることが“夫の愛”であると信じているタイプだ。人に嫌われることを恐怖に感じるため、「人からどう見られているか」ということを非常に気にする傾向にあり、自分軸より他人軸中心で物事を考えがちなため、人の意見に流されやすい。 【マイペース型】 その時の気分や感情で言動が変化し、予定を台無しにしがち。人のことを考えず自分中心に物事を判断するため、周りが振り回られて疲弊する。弁が立ち、もっともらしい言い訳をするのが得意で、いつの間にか妻に都合がいいように話をまとめられる。気に入らないことがあると行き先も告げずに子どもを連れて家を飛び出し、そのまま1週間も連絡が取れなくなったり、実家に行ったきり長期間帰ってこなかったりする。 【暴発型】 物に当たったり、突然切れたり、夫の人間性を否定する暴言を吐く「暴発型」。言葉の暴力だけでなく、夫の話や存在を無視したり、夫の食事だけ用意しなかったりする。何気ない言葉にも過剰に反応しがちで、被害者意識が強い傾向にあることから、友達が少ない傾向にあるという。 「全ての方が必ずしもこの4タイプに当てはまるというわけではないですが、相談に訪れる夫が問題として挙げる妻のタイプにはこうした共通点があります。当事者になるとなかなか気づけないものですが、同じような状況やパターンで悩んでいる人が案外多いのです」(高草木さん) ◆仕事も家事も器用にこなせるタイプが多い  妻はなぜ、夫に対しこうしたモラハラ行動に出てしまうのか。  幼少期の両親との関係や教育環境が起因しているケースがあるのは、男女ともに共通するポイントだ。その他、過去のトラウマや生まれ育った気質なども男女ともに関係していることが多い。  そんな中、女性に多い特徴として見られるのが、(1)ギリギリまで溜め込んで爆発する、(2)社会に出て働き始めてからなど後天的にモラハラ気質になるケース。いずれも、女性は家事も仕事も器用にこなせるタイプが多く、自立心が強い傾向にあるという。結婚や出産後も仕事を続ける妻が増え、妻の家事や育児への負担が高まっている背景もある。こうした流れから夫に対する家事育児の要求レベルも高くなり、妻が攻撃的な態度に出てしまうとも推察できる。  夫婦問題カウンセラーの岡野あつこさんは言う。 「元来、器用であるがゆえに、仕事も家事も子育ても、何でも完璧にやろうとする女性が、突然夫に対しモラハラスイッチが入ることが多い。何でも自分でできるからこそ、人に頼ることに慣れておらず、夫に手伝ってほしい時も『言わずとも分かって動いてほしい』となる。夫がそれに気づかぬまま、妻が黙ってギリギリまで溜め込んでしまった時、爆発してしまう」  岡野さんの元を訪れた相談者の中には、「2年にわたって妻から無視されている」という夫もいたという。その妻から原因を聞くと、「過去に育児や家事を手伝ってくれなかった」と何年も前のことがきっかけとなり、ある日突然何もかもが嫌になり、夫を無視し始めたそうだ。  (2)の後天的にモラハラ気質になるタイプは、夫並みか、夫以上に稼ぎがあり、いつの間にか夫を自分より下に見ている妻が多いという。高学歴であることが多く、有名大学を卒業し、大手企業で男性と肩を並べて頑張ってここまできたという自負があるタイプがなりやすい。冒頭のCさんは「自分はこのタイプかもしれない」と悩む。  優秀で器用であるがゆえに、自分より器用ではない夫に対して厳しく接しがちな妻。前出の高草木さんは、女性が男性と対等に働いていく上で、「強くならざるを得ない社会の構造もある」としながらも、「妻が夫に自分のルールを押し付け過ぎて破綻してしまう夫婦は増えている」と指摘する。 「職場では常に冷静で、仕事ができるバリキャリ妻ほど、周囲から面倒見がよく常識的だと思われることが多い。ですが身内に対しては、感情を抑えられなくなってヒステリックになりやすい傾向もあります。こうした妻は、まさか自分の発言が夫を苦しめているとは思っていないことも多い。Cさんのように自分で『モラハラかも』と気づけたら、早い段階で脱却できる可能性も高い」  だが、Cさんのように「モラハラをしているかもしれない」と気づけない人が多いからこそ、事態が深刻化している。パートナーのモラハラに悩む被害者も実は、本当の脱却が難しいという。次回は、モラハラ気質の男性から逃れられず苦しむ女性のケースを紹介する。(松岡かすみ)

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    数学II・Bが36点でも北大医学部へ 豊島岡女子学園が理系学部に強い秘密は「苦手と感じさせない工夫」

     理系の生徒が約6割を占め、進学先に理工系学部を選択する生徒が多いという私立中高一貫の東京・豊島岡女子学園。学校ではどのような工夫をしているのだろうか。AERA 2022年1月24日号は卒業生や教諭に取材した。 *  *  * 「高校時代、どんなに努力しても数学の成績が上がりませんでした。1997年の(大学入試)センター試験本番も、数学II・Bは36点でした」  北海道大学医学部出身の大西良佳医師(43)は言う。 「国語と社会が得意な文系タイプだったのに、苦手な理系科目を諦めずにいられたのは、切磋琢磨できる仲間がいたから。友人たちが目標を持って頑張っていたので、私も自然と頑張れる環境でした。また、数学や化学が得意な友人も多かったので、理系に対する特別感がなかったこともあると思います」 ■「苦手を感じさせない」  出身校は私立中高一貫の東京・豊島岡女子学園だ。2021年度は全医学部医学科合格者が全国2位で、東京大学合格者は21人。進学先の学部で最も多いのは理工系で33.9%、次が医学の16.5%で、例年、理系の生徒が過半数を占める。竹鼻志乃校長(55)はこう話す。 「21年度は少ないですが、高校3年生における理系の人数比は58%、前年度は67%でした」  世間では「女子は文系、男子は理系」のイメージがある。実際に、東京大学とベネッセ教育総合研究所の18年の調査(小中高生約1万人が回答)で、理系だと自認する高校1年男子は49.5%に対して、高校1年女子はわずか26.5%だった。  竹鼻校長はこう話す。 「特別なことはしていませんし、理系を増やそうと意識したわけでもありません」  ただ、ある工夫をしている。 「生徒に苦手を感じさせないようにしています。質問しやすい環境を作り、つまずきを早期解決できるようにしています。数学の幾何分野では、グループ学習を通して生徒たちが発言しやすい授業をしています」 ■夢を描いて文理決める  同校OGでもある理科の藤野優佳教諭(27)は言う。 「小学生はたいてい、実験に興味があるし、理科が好きです。それが中学、高校となるにつれて難しくなって嫌いになる。そうならないように、中学生の低学年のうちに実験をなるべく見せるようにしています。実験をして、中学受験で覚えた知識が腑(ふ)に落ちるときがある。『あの知識はそういう意味だったんだ』と声が上がります。好奇心を刺激しています」  15年には「T-STEAM」というモノづくりプロジェクトを始めた。初年度は自動車メーカーのホンダと連携して、電磁気力の「クリップモーターカー」を作った。希望生徒が参加し、学年混合のコンテストをして競う。藤野教諭は言う。 「自分事として、自分が持つ知識と経験を総動員させる取り組みは記憶に強く残り、将来に生きていきます」  こうした積み重ねの結果、理系に強い女子校として知られるようになった。「子どもを理系に進ませたい」と相談する親がいたり、入学前から医師志望の生徒がいたりするという。  ただ、やみくもに理系を選ばせない。文理を決める前に、中学では生徒が興味のある卒業生の職場を訪れて、話を聞く機会を設ける。竹鼻校長は言う。 「なりたい職業に医師を挙げる生徒が多いのは、身近な存在だからということもあります。どの診療科がいいか、本当に自分は何をしたいのか、までは考えられていない。そこで現場の医師に会って話を聞くと、自分が将来働くイメージがわきます」  夢を描いてから文理を決める。 「苦手だから理系を諦めようという安易な選択をせずにすみます。自分の夢があるならどの科目も頑張ろうと思えるのです」 (編集部・井上有紀子)※AERA 2022年1月24日号

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    夫のモラハラ、被害に遭いやすい妻は魅力的な人? 「相手を支配したい」加害者の歪んだ甘え

     夫婦間のモラハラがいま、大きな問題になっている。離婚の大きな理由になるが、それに気づかない被害者も多い。なぜ望んで一緒になった相手を傷つけてしまうのか。結婚後に豹変する夫にはどんな特徴があるのか、また被害にあいやすい人はいるのだろうか。夫から妻へのモラハラの事例を紹介しつつ、専門家の分析をまとめた。 >>【4歳年上銀行員の夫のモラハラ「君はダメな人間だ」 Yシャツのボタンの縫い方で朝まで説教】より続く *  *  *<Aさん女性35歳の場合>元夫は4歳年上の銀行員。同居後しばらくして、元夫は言動が攻撃的に。些細な事で「君はダメな人間だ」と責められるようになった。長時間説教が常態化し、不機嫌な態度で1か月に渡って無視されることもあった。Aさんは「夫は私のためを思って言ってくれている」と解釈し、自分が悪いと思い込みはじめた。“洗脳”が解けるきっかけは1年ぶりに会った母親。そこでようやく被害に気づき、離婚に至る。ただ、最後まで元夫は自分の非は認めなかった。  夫から妻へのモラハラでよく見られる言動には、「何でも相手が悪いと怒る」「人格を否定する」「自分のルールが絶対」「長時間に渡り説教する」といった項目に加え、「実家や友人との交流を禁止する」「外で仕事することを禁止する」という傾向も見られる。Aさんの場合も、母親とは1年会っていなかった。元夫が嫌がったためだ。  外とのつながりが薄れ、妻が家庭内に閉じこもっていくにつれ、モラハラ環境の密室化がますます強まってしまう。そうした妻の精神的ダメージは深刻化するケースが多いという。  さらに厄介な言動が、「ひどく罵った後で、優しくする」という特徴だ。夫からの「君はいつも辛いことから逃げようとするから、僕が鍛えてあげている」「君のためを思って言っている」という発言を“優しさ”と信じて受け取ってしまい、被害者である妻は「前は優しかったし、厳しいのは私のため。私がちゃんとした人間になれば、あの人も優しく戻ってくれるはず」となる。実際は、「君のためを思っている」「君を尊重している」といった仮面をかぶり、「君が選んだ」「君は納得したはず」と、モラハラというコントロールで導き出した被害者の選択や態度を強いているのだが、モラハラを受けている最中はそれに気づけないのだ。  Aさんがそうであったように「夫は私のためを思って言ってくれている」と思うことで、どれだけひどいことを言われてもなかなか離れられないことが多い。こうした場合、周囲がいくら心配しても被害者である本人が聞く耳を持たないこともある。 ◆妻は「自分の持ち物」と認識  好きで結婚した相手なのに、なぜ苦しい目にあわせるのか。「カウンセラーが語るモラルハラスメント」などの著書があるカウンセラーの谷本惠美さんは、「モラハラをする夫は、妻を自分の“持ち物”だと認識している」と指摘する。 「モラハラをするのは、葛藤処理やストレス対処が未熟な人。普通なら、自分にとって大切な存在に対し、自分の心の問題をぶつけたりせず、大事に扱うものです。ですが心の処理が未熟な人は、自分の大事な存在を、まるで自分の所有物であるかのように、自分のために使ってしまう」(谷本さん)  未熟とはつまり、葛藤やストレスの処理が幼児期の状態でストップしていること。幼児が自分の非を認められず、「誰々が悪い」と責任転嫁してしまうことは、よくある。だがそこから成長せず、幼児期のままで精神状態が止まってしまうと、他人への責任転嫁が当たり前となり、相手へのいたわりが欠落した大人になってしまう。プライドが高く、自分が一番大事なので、相手を見下す態度がにじみ出やすく、結果「友達が少ない」という傾向もあるという。 「モラハラをするような人は、客観的認知能力が著しく欠けていると思われます。この世をごく単純に見ていて、正解が一つだと信じているのです」  と分析するのは、『妻のトリセツ』などの著書で知られる脳科学・AI研究者の黒川伊保子さん。客観的認知能力が欠けているとは、「自分と別の見方があるとは思いも寄らない」こと。そうなると自分が万能で偉いと思い込み、自分と価値観の違う相手を蔑む傾向にある。その場合、話し合いにならず、歩み寄ることが難しいという。 「想像力、思いやりなどの客観性認知能力は、4歳から8歳のころに育ちます。これらの能力は、外界認知を司る小脳の発達と深くかかわっていると考えられ、小脳の発達臨界である8歳までに経験によって獲得することが重要です。つまり、以降にその力を育てようと思っても残念ながらなかなか難しい。4歳から8歳の頃に、親とのコミュニケーションが不足したり、親がたった一つの正解を押し付けてきたりすると、客観性認知が著しく欠けてしまったまま大人になることがあります」(黒川さん) ◆やってもやっても認めてもらえない  意外なことに、モラハラをする男性には、高学歴で医師や弁護士、経営者など、社会的地位の高い人が多い傾向にあるという。仕事ができる人が多く、外面も良いため、プライベートの友人は少ないものの、仕事を通じた関係性は良好である場合が多い。  相手が自分のテリトリーに入ってきた時に初めて本性が現れるため、表面的な付き合いの上ではモラハラ気質を見抜くことが難しい。そのため、結婚前にモラハラの予兆に気づけない場合が多いのだ。  モラハラに関する相談実績も多い夫婦問題カウンセラーの高草木陽光さんは次のように指摘する。 「100点を取らないと認めてもらえないという教育環境で育っていたり、親の押し付けが強かったりして、実は大きなコンプレックスを抱えているという人が少なくない。『やってもやっても認めてもらえない』という幼いころの経験から、自己肯定感がとても低い傾向も見られます。だから常に自分が誰かの上位に立つことで、歪んだ安心感を手に入れたがる。その“誰か”が、一番近い相手である妻で、矛先が向かってしまう」  前出の谷本さんの分析も同様だ。 「モラハラをする人は、いわば大人の仮面を被った幼児。究極の赤ちゃん的な甘えで、『僕の言うことを聞いて!僕に構って!』という言葉が、モラハラという言動に置き換わっている」  Aさんの話を思い起こすと、元夫の人格否定言動の数々は「誰かに認めてもらいたい」という欲求の裏返しにも思える。  何かを決めるときには、Aさんの提案に対して、必ず「本当にそれでいいと思ってるの?」と疑問を投げかけてくる。そこで提案し直しても、夫が考えている内容と異なれば、決して良い返事を返さない。OKが出るのは、夫が考える内容と一致した時のみだ。その決定が良い結果をもたらせば、「僕がアドバイスしたおかげ」となり、うまくいかなければ「君の決定はいつもうまくいかないよね」とAさんのせいにする。  被害者からすれば、たとえ幼稚であろうと教育環境が起因していようと、正当な理由もなしに歪んだ矛先を向けられては、たまったものじゃない。 ◆モラハラ攻撃によって人格を変えられた  その矛先が向かいやすいタイプはどんな人なのだろうか。意外なことに、モラハラ被害者は、もともとは自分をしっかり持った魅力的な人であることが多いという。「ターゲットをコントロールしたい」、「支配したい」という歪んだ“甘え”は、それが簡単に叶いそうもない相手にこそ向けられるのだ。 「被害者はもともと受け身だったのだろう」「被害者に選ばれやすいタイプがいるのだろう」と思われがちだが、決してそうではない。そう誤解されるほど、被害者のパーソナリティがモラハラ攻撃によって変えられてしまうだけなのだ。  たとえばAさんは、人格を否定する発言を浴び続けた結果、「自分が悪い」と思うようになり、元夫の言動を全て自分に関連づけて考えるようになった。自分がどうしたいか、どう感じるかということよりも、元夫が何を言ったらOKを出すか、不機嫌にならないかを始終考える。夫の機嫌が悪いのは、私が何もできないからだ。できない私が悪い。怒らせてしまった私に原因がある。私がちゃんとすれば、優しい夫に戻ってくれるーー。いつの間にか、自分の価値観や感覚、考えがなくなり、自分自身を責める思考ループに入っていたという。  相手への思いやりがある人ほど、加害者の言動に振り回され、いつしか自分を見失ってしまう。「モラハラ被害者になりやすい人」といった傾向はなく、誰もが被害者になる可能性があるのだ。  今、そうした矛先は、妻のみならず、夫側に向けられるケースも増えているという。次回は、妻から夫へのモラハラについて紹介しよう。(松岡かすみ)

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    「違う景色も見てみたい」村元哉中、高橋大輔組が四大陸選手権2位 アイスダンス日本勢初の銀メダル

     エストニアのタリンで開催されたフィギュアスケートの四大陸選手権で、村元哉中、高橋大輔組が日本のアイスダンス界に新たな歴史を刻んだ。総合2位となり、日本のアイスダンサーとして過去最高の順位を手にしたのだった。村元は2018年大会で、当時のパートナーのクリス・リードと3位に入り、日本勢初のISU(国際スケート連盟)チャンピオンシップメダルを手にした。今回はそれを上回る快挙。だが、楽々と手に入れたメダルではなかった。 *  *  * 1月20日のリズムダンス「ソーラン節」は、予想外の出だしになってしまった。冒頭でタイミングが合わず、村元が転倒というミスが出たのだ。昨年12月の全日本選手権の時には滑っている最中にブレードが引っかかるというアクシデントだったが、ここでのミスはまったく違う種類のものだった。  原因は一体何だったのか。そう聞くと高橋は、 「お互いのタイミング。ちょっとぼくが一瞬出遅れてしまった。お互い逆方向に行くところがあるので、哉中ちゃんの足が下がってしまって……」  と説明した。村元は、 「あそこはスピードがないのでバランスとの勝負で、ちょっとしたタイミングで、ミスにつながる。改めてあそこは考えなくてはいけない」  と続けた。 「今日は僕のミス。いまめちゃくちゃへこんでいています」  と高橋がうつむくと、村元が横で「いやいや」と慰めるようにフォローする。たとえ思い通りの演技ができなかった時でもお互いを思いやる気持ちは、パートナーシップを続けていくのに不可欠な要素だ。その点、2人の相性はとても良いように見える。  全日本選手権、今大会とミスが重なった理由をマリーナ・ズエワ・コーチは、このように説明した。 「アイスダンスというのは、何回演じても全く同じようにやらなくてはいけないんです。カナはもうだいぶ経験を積んできたけれど、ダイスケはまだまだこれから経験を積んでいく必要があります。これは簡単なことではない。時間が必要なんです」  高橋大輔という名前を目にしたとき、ファンも一般世間もつい過大な期待をしたくなる。だが、彼はまだアイスダンサーに転向して、たった2年しかたっていないのだ。  結局、転倒の1点減点はあったものの、リフトでレベル4、他のエレメンツ(要素)ではすべてレベル3を得てリズムダンスは72・43点を獲得。アメリカのキャロライン・グリーン、マイケル・パーソンズ組に次いで、2位スタートになった。  翌21日のフリーは、昨年から継続しているバレエ組曲「ラ・バヤデール」からのメドレーだ。クラシックバレエの素養がある村元の体のラインの美しさ、踊ることに天賦の才を持つ高橋の身体の動きが際立つプログラムだ。トゥイズルの最中にちょっとバランスが後ろに行くなど、細かいミスはあったものの、最後まで大きく崩れることなく滑り切った。フリーは109・48点で、総合181.91点。リズムダンスでのミスがあったにもかかわらず、今季初戦のNHK杯よりもトータルで2・41点上がった。 「大きなミスはしていないんですけど、ちょっとしたところでタイミングが合わなかったり、ちょっとバラバラしたところもあったので、気持ち的に100%出せたかと言うと出せなかったところもあった。でも、全日本から四大陸まで時間もない中で、うまくまとめられたんじゃないかなと思います」  高橋は試合後、そんな感想をもらした。 「本当にまだ2シーズン目で、こんな世界と戦って2位というは、大ちゃんすごいなと改めて感じています」  村元はそう語った。  2人ともそう喜びを表現しながらも、演技の内容には満足していない。それは練習での成果を本番で出し切ったという実感がまだないからだ。 「表彰台にのれたのに自分たちの演技ができなかったのが悔しい。私が感じているのは、2人ともまだまだ上のレベルを狙っていきたいんだなというのをすごい感じています」(村元)  グリーン、パーソンズ組はコンテンポラリーの素晴らしいフリーをノーミスで滑り切り、総合200.59点でトップを保った。3位はリズムダンスからの順位をキープした、アメリカのクリスティナ・キャレイラ、アンソニー・ポノマレンコ組だった。  五輪メダリストの高橋がアイスダンサーに転向して一緒に競っているという不思議な状況をどう感じるかと聞くと、パーソンズは「彼(高橋)はレジェンド。それ以外の言葉が見つからない」。ポノマレンコは「僕は初めて記憶に残っている五輪は(高橋が銅メダルを手にした)2010年(バンクーバー五輪)の時のこと。その彼とこうして表彰台にのることができて、とても光栄に感じています」とうれしそうに話した。  2週間後に北京五輪を控えているだけあり、今年の四大陸選手権には五輪代表の選手はほとんど出場しなかった。それでもこの大舞台でメダルを手にしたことは、大きな自信につながったのではないだろうか。そう聞くと、高橋はこう答えた。 「五輪を大きな目標にしていて、行くことはかなわなかったんですけど、四大陸選手権に選んでいただいた。ぼくたちがアイスダンスを組んでからコロナシーズンになってしまって試合もほとんどできていない中で、こうやって世界と戦う貴重な場面を与えていただいた。そこで試合でしかしないようなミスをしてしまったりとか、本当に経験すること、学ぶことをたくさんこの場で出来ているのはすごく大切なこと。うまくいかないこともありましたけれど、その中でこういう結果を残したことは自信につながる。あと世界選手権があるので、これを一つの自信にして世界選手権に向かいたいと思います」  ファンにとって気になるのは、このシーズンの後の予定はどうするのかということだ。とりあえずは目の前にある世界選手権に集中する、と言った後に高橋はこう付け加えた。 「慎重にゆっくり落ち着いて考えて……。2人で作り上げるものなので、2人の気持ちがマッチして同じ方向を向いていかないといけない。いろんな今シーズンを通して色んな悔しい気持ちがどんどんできてきた中で、まだ違う景色を見てみたいという自分自身もいるし、ただその気持ちだけで向かっていけるわけではない。だから世界選手権が終わってからゆっくり考えたいと思いますけど、ただアイスダンサーとしてパフォーマンスするのは楽しくて、本当に素敵な時間だなと思っています」  高橋は穏やかな表情でそう言葉を結んだ。  次の2人の挑戦は、3月に南フランスのモンペリエで開催される世界選手権だ。 (ライター・田村明子) ※AERAオンライン限定記事

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    8年ぶり改訂の三省堂国語辞典の「フェミニズム」にザワつく心 「適当なこと言わないで」北原みのり

     作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、「フェニミスト」の定義について。 *     *  * 改訂出版されたばかりの三省堂国語辞典の「フェミニズム」の項目がSNSで話題になっている。「暮らしの中にあふれることばを集めました。辞書はかがみ。8年ぶりの全面改訂」をうたう新しい三省堂国語辞典によれば「フェミニズム」とは、「男も女も性的少数者も平等にあつかわれるべきだという<考え方/運動>。[以前は『女権(拡張)論』などと訳された]」だそうだ。   SNSでは、「フェミニズムを説明するのに、なぜ『男』が先にくるのか」「フェミニズムは女性のものだ」というフェミニストたちのまっとうな怒りが見受けられるが、三省堂の新定義によれば、「男」が「女」より先に記述されるくらいで腹を立てるのは古いタイプのフェミニスト……ということになってしまいそうだ。  もちろん、私もハ?の思いである。人生の大半、フェミニズム思想に触れ、フェミニストたちと交流をしてきた者からすれば、三省堂さん、フェミニズムにそこまで期待しないで……と言いたい。男も女も性的少数者も……ってつまりは全人類のことだと思うが、人類誰もが平等に扱われるべきだと私も願ってはいるものの、フェミニズムの定義としては雑過ぎるし、荷が重いでしょ。  ちなみに2018年に改訂された最も権威ある日本語辞典とされる広辞苑によれば、フェミニズムとは「女性の社会的・政治的・法律的・性的な自己決定権を主張し、性差別からの解放と両性の平等とを目指す思想・運動。女性解放思想。女権拡張論」である。オックスフォード辞典(英語)でも、「女性も男性と同じ権利と機会を持つべきであるという信念と目標、この目標を達成するための闘い」と記されている。そう、これがフェミニズム。フェミニズムとは、昔も今も、両性の平等を目指す思想、なのだ。そしてそれを築いてきたのは、当事者の女性たちである。三省堂のフェミニズムの定義は、その歴史をなかったことにするかのような、ゆる過ぎるフェミ定義というものだろう。  SNSでは三省堂の辞典制作の過程に女性がいないのではないか、という声もあったが、同じ三省堂から出版されている「新明解国語辞典」の編者は男性しかいないが、フェミニズムを「政治的・経済的・社会的に、性別による差別を解消し、女性の権利を確立することで平等の実現を目指す理論と運動」と定義している。今回の改訂された三省堂国語辞典については、いつもの“オジサン”がやらかしてしまった事件というよりも、もしかしたら、新しさや「今の時代のかがみ感」を意識するあまりに、そしてまたもしかしたらフェミに関心のある人が関わったからこそ「改定」されてしまった記述である可能性もある。  というのも、このくらいのゆるく雑な定義のほうが、今のフェミの感覚なのかもしれない……と思わされることはリアル社会でもよくあるからだ。  例えば、性暴力を抗議する運動の場でもよく見受けられることだが、女性の被害を訴えるときに必ず「男性にも被害者はいます」と補足したり、男性からのハラスメント問題を語っているときに、「女性が加害者になることもあります」と言ったりする人は少なくない。「女性差別反対!」というプラカードを掲げる人に、「すべての差別に反対、と書くべきでは?」と言う人もいた。それが間違っているとまでは思わないが、自分の身に起きた理不尽を語る女性に対し、これは女性だけの問題ではないですよ、と注意深く全方向に配慮しながら語らせようとする「正しい力」とはいったい何だろう。  私が知るフェミニズムは、性差別の構造的問題を明らかにしてきた理論であり実践である。例えば、男がセックスを買うのはあたりまえ、という「あたりまえ」を支えている構造の解体を試み、「性売買」の定義を変えてきたのはフェミニズムだ。1970年代に「売春」を「買春」と言い換えて、さらに今は、性売買の現場で行われていることを明確にするために「性搾取」という言い方が一部のフェミニストの中では定着してきている。また以前は、「痴話ゲンカ」「夫婦ゲンカ」とされてきたもののなかに、権力構造があり、深刻な性暴力があることを「発掘」し、それを司法で解決できるように運動してきたのもフェミニズムの成果だ。  そのような「女権拡張」の運動では当然、「あたりまえ」に恩恵を受けている人たちの利益を侵害することもあるだろう。例えば、最近のことでいえば「温泉むすめ」や千葉県警の交通安全PR動画などだ。女性の身体的特徴を過剰にデフォルメしたセクシーな二次元の表象物に「元気づけられる」人々もこの社会には一定層いるが、一方でその表象に身の危険や心理的恐怖を感じる人もいる。そういう表現物が公的な場所で表象されることや、公的な資金が投入されることに疑問を感じるフェミニストたちの声があがるたびに、SNSやメディアでフェミニストたちの声は「保守的で倫理的で時代錯誤の過剰な反応」として嘲笑されてきた。  もちろんこういったことは日本だけの現象ではない。例えば、アメリカでは、ゲームの中での性差別表現について声をあげたフェミニストが、人生を破壊されるまで攻撃されるような事件が起きている。韓国でもポルノサイトを批判する女性たちが、逆に名誉毀損で訴えられるようなことはいくらでもある。圧倒的に男性目線で仕立てられた社会のなかで、少しでも「あたりまえ」を変えようとする女性たちの闘いは、いつの時代も、どの社会も、どんな地域でも命がけだと思う。  そういうなかで、今の日本のフェミ的な問題は、「女性が差別されている」という事実すら、女性たちが遠慮がちに言っていることかもしれない。「女性だけが差別されているわけではないですが……」「男性と恋愛する女性なので私はマジョリティー側ですが……」と、全方向に配慮しながら遠慮がちに自らの被差別体験を声に出すという、加害者の存在をあぶり出すことのない「ちょうどいいフェミニズム」が求められていることだ。  そういう意味で、三省堂の定義は、多くの人にとって邪魔にならない、違和感のない、フェミニストにとっても“社会に受け入れてもらいやすくなる”ちょうどいいフェミニズムなのだろう。そう思いたい、そう思ってほしいのはいったい誰の欲望なのかは、分からないけれど。  ところで世界は広いもので、フェミニズム事典というのもある。私の手元には98年に改訂された「新版フェミニズム事典」(明石書店)があるが、原書は80年代初頭、英語圏の女性たちがつくったものだ。70年代の実践的運動をもとに80年代に理論的構築されたフェミニズムが世界をどう解釈しているかが、この事典では面白いように分かる。  例えば「性暴力」は、新版フェミニズム事典ではこう定義されている。 「男性が女性を故意に脅かし抑圧するために、組織的に使う性的なテロ行為」  テロ行為である……。その言葉の強さに圧倒されそうになるが、例えば10歳の自分が突然エレベーターの中でオジサンにお尻を触られた気持ち悪さや、アルバイト先のスーパーで「包丁のさばき方を教えてあげる」と背後から抱きつかれたりなど、それはあまりにも一方的で、人生を中断させる暴力行為であったことをジワジワとこの言葉によって肯定されるような思いになる。やる側にとっては大した覚悟もない、テロと言うにはあまりにも軽い、ちょっとしたお楽しみ程度の気軽さだろうが、やられた側からすればテロ行為、というのがふさわしい重さだ。実際の行為をもって自ら持つ権力を行使し、力ずくで分からせる恐怖政治と考えれば、性暴力=テロ、はむしろ胸にストンと落ちるような定義にも読めてくるだろう。  そう、こんなふうにフェミニズムは、今の世の中からかなりはみ出るくらいの本来、過激な思想である。そして「女とは誰か」「女であるとはどういうことか」をずーっと自問し続ける哲学でもある。そういう者たちに対して「男も女も性的少数者も」と、適当なことは言わないでほしい。ちょうどいいフェミニズム、にはおさまりきれない痛みから始まったのが、フェミニストの思想なのだ。 ■北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。女性のためのセクシュアルグッズショップ「ラブピースクラブ」、シスターフッド出版社「アジュマブックス」の代表

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    超お買い得…「偏差値50台なのに」東大・京大含む国公立大に最大6割が受かる中高一貫校ランキング50

     開成、桜蔭、灘、早慶付属といった中高一貫校の偏差値は60を超える。だが、50台でも東京大、京都大を含む国公立大合格率が極めて高い一貫校もある。プレジデントFamily編集部が大学通信の協力を得て調べたところ、合格率1位は茨城の公立校である並木中等教育学校で合格率は6割を超えた。偏差値50台で「難関グローバル系」「難関理系大」への合格実績の高い一貫校とともに紹介しよう――。 ※進学実績は2021年春の数値。大学通信調べ。同率で順位が異なるのは、小数点第2位以下の差。偏差値は日能研のものを採用(2020年12月までに公表された2021年予想偏差値)。入試日が複数ある学校の場合は最も低い偏差値を採用。 ※本稿は、『プレジデントFamily2021秋号』の記事の一部を再編集したものです。 首都圏偏差値50台のお得校「トップ国公立大学に強い学校」編 1~50位  旧帝大を含む国公立大に合格者が多い上位50校を紹介しよう。大学通信常務取締役の安田賢治氏は次のように分析する。 「同じくらいのレベルでも、学校のカラーにより、国公立大志望者が多い学校と私立大志望者が多い学校があります」(以下すべて安田氏)  注目は18位の帝京大。帝京大学付属(最低偏差値53、国公立大合格率32.4%)の共学校だが、進学校として位置づけられており、大学受験に対して手厚いサポート体制がある。59人の国公立大合格者のうち9割近くが現役合格だ。  また25位の暁星(最低偏差値54、国公立大合格率26.8%)は医学部志望者が多く、44人のうち16人が医学部進学者だ。30位の高輪(最低偏差値51、国公立大合格率25.5%)は近年国公立大進学者が増えている学校。高輪ゲートウェイ駅ができて、埼玉や神奈川方面からの利便性がよくなり人気も上がっている。 1位の茨城・並木中教ほか「公立中高一貫校」がランキング上位に  女子校では23位の頌栄女子学院(最低偏差値58、国公立大合格率26.9%)。 「早慶などの難関私大の合格率はもともと高いですが、近年、国公立大の合格実績も上がっています」  36位には横浜共立学園(最低偏差値55、国公立大合格率19.9%)、40位には横浜雙葉(最低偏差値53、国公立大合格率17.6%)と、神奈川の女子校がランクイン。  28位の大宮開成(最低偏差値52、国公立大合格率26.3%)にも注目だ。 「埼玉県の私学では6位の栄東(最低偏差値57、国公立大合格率43.3%)、24位の開智(最低偏差値53、国公立大合格率26.9%)に続く存在となっています」  1位の並木中教(最低偏差値57、国公立大合格率61.1%)をはじめ古河中教(最低偏差値52、国公立大合格率50.9%)、立川国際中教(最低偏差値55、国公立大合格率47.7%)、三鷹中教(最低偏差値58、国公立大合格率42.7%)、桜修館中教(最低偏差値59、国公立大合格率38.4%)など、公立の中等教育学校も目立つ。 「1学年150人前後の小規模校なので、きめ細かな指導が行われています」 ※偏差値50台の学校の、東京大、京都大ほか10国公立大別の合格者数などのデータ詳細は、『プレジデントFamily2021秋号』に掲載している。 首都圏の偏差値50台のお得校「グローバル系に強い学校」編 1~20位  早稲田大国際教養学部、東京外国語大、国際基督教大など難関グローバル系大学への合格者が多い「グローバル系に強い学校」の1位は帰国子女が20~25%を占める頌栄女子学院(最低偏差値58、難関グローバル系合格率12.4%)。 「11人が早稲田大の国際教養学部(定員600人)に進学しています。英語教育に定評があり、帰国子女がグローバル教育をけん引しているのでしょう」  また、7位サレジオ学院(最低偏差値59、難関グローバル系合格率4.7%)、10位晃華学園(最低偏差値50、難関グローバル系合格率4.1%)、11位暁星(最低偏差値54、難関グローバル系合格率3.7%)、13位東洋英和女学院(最低偏差値58、難関グローバル系合格率3.3%)などキリスト教系の学校が目立つ。 「キリスト教系の学校は英語教育に熱心です。晃華学園は東京・調布にある女子校で、校内でスピーチコンテストを実施したり、英検やTOEICの取得に力を入れたりと、国際教育に取り組んでいます」 ※偏差値50台の学校の、早稲田大国際教養学部、東京外国語大、国際基督教大学ほか5大学別の合格者数などデータ詳細は、『プレジデントFamily2021秋号』に掲載している。 首都圏の偏差値50台のお得校「理系に強い学校」編 1~30位  東大・京大・早慶の理系学部、東京工業大、東京理科大などの難関理系大学への合格者が多い「理系に強い学校」の上位に目立つのは男子校だ。 「理系への進学者は女子も増えましたが、全体的には男子が多いことから、ランキングには男子校や共学校が目立ちます。3位攻玉社(最低偏差値55、難関理系合格率62.8%)、4位本郷(最低偏差値58、難関理系合格率54.4%)、8位の桐朋(最低偏差値56、難関理系合格率48.7%)は東工大への進学者が多いですね。東工大は大学院を含めた6年一貫教育で理系の専門教育を行っており、理系の人材育成には定評があります。また7位の東京都市大付(男子校・最低偏差値56、難関理系合格率49.1%)、17位の芝浦工業大柏(共学校・最低偏差値52、難関理系合格率30.9%)は理系大学の付属校ということもあり、理系志望者が集まっているのでしょう」 ※偏差値50台の学校の、東京大理系、京都大理系、東京工業大、早稲田大理系、慶應義塾大理系ほか6大学別の合格者数などデータ詳細は、『プレジデントFamily2021秋号』に掲載している。 (文=本誌編集部 データ協力=大学通信)

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    2400人に聞いた『呪術廻戦』『鬼滅の刃』で好きな声優 1位は「女心をくすぐる」イケボ!

     2020年10月に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、興行収入400億円を突破し日本映画の記録を塗り替えた。また、昨年12月24日から公開されている『劇場版 呪術廻戦 0』もすでに興収85億円を突破(1月18日時点)し、大ヒットを続けている。両映画では、人気キャラクターの声優たちにも注目が集まり、その巧みな演技は多くの観客を魅了した。  そこでAERA dot.では、人気アニメ『鬼滅の刃』と『呪術廻戦』に出演する声優陣のなかで、「最も好きな声優」を聞くアンケートを実施。どの声優の、どんな所が好きかを調査した。計2414の回答から選ばれた1位は……。 *  *  * アンケートは2021年12月9日~12月23日にインターネットで行い、計2414の回答が集まった。回答者の性別は、女性93%、男性4.9%、どちらでもない2.1%。年齢層は40代が29%と最も多く、20代=23%、30代=22%、10代=17%と続いた(回答者を無作為抽出する方法ではなく、インターネット上で広く回答を集める方法で実施し、期間中は何度でも回答できる形式)。なお、今回のランキングはAERAdot.編集部が一定期間に集めたアンケートの結果であり、声優の人気や実力を序列化したものではないことを付記しておく。  回答者の9割以上を女性が占めたことも影響してか、上位トップ10に入ったのはすべて男性声優だった。最近の人気声優の傾向について、アニメウオッチャーの小新井涼さんはこう話す。 「特に男性声優さんの場合、女性ファンが声優さんきっかけでアニメ作品を見始め、その声優さんの作品を追いかけることもあります。あと、最近はアニメとは別にソシャゲ(ソーシャルゲーム)や音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』のような音楽プロジェクトなど、アニメ以外の分野で活動する場合も多い。そうした作品では、まずキャストを発表して、女性ファンの興味を集めるようなプロモーションも展開されます。そうなると、必然的に声優さんきっかけでそのコンテンツに触れる機会が多くなる。ランキングに入っている声優さんをみるだけでも、皆さんアニメ以外の露出や活躍も多い方々です」  では、人気トップ5に入った声優を、回答者が「推し」に選んだ理由と合わせてみていこう。 ■5位 津田健次郎 147票  津田健次郎さんは、『呪術廻戦』の七海健人役や『極主夫道』の元極道専業主夫・龍役など、数多くの人気作に出演。声優業だけでなく、NHK連続テレビ小説「エール」などに出演する俳優でもある。特に、30代、40代の女性からの支持が高かった。回答者からは「好きな理由」としてこんな声が寄せられた。 「本当に恐ろしくなるようなヴィラン(悪役)から、冷静でありながら温かい七海健人のような役まで幅広く演じられるのが魅力。Twitterで毎週月曜日に『今週も頑張っちゃう?』とファンに向けてツイートしてくれたり、ファンが元気になれる企画を考えてくれたりする人柄も惹かれるポイントです」(30代女性、専業主婦)「演技力がとても高く、極端に声を変えなくても各キャラクターを演じ分けることができる。声がすごく魅力的なのにルックスもすごく良くて、声も顔も大人の色気がダダ漏れ」(40代女性、会社員) ■4位 松岡禎丞 173票  松岡禎丞(よしつぐ)さんは、『鬼滅の刃』の嘴平伊之助のほか、『呪術廻戦』の究極メカ丸などを演じている。4月から放送のアニメ『ヒロインたるもの!~嫌われヒロインと内緒のお仕事~』の追加キャストにも選ばれた。松岡さんは20代女性からの支持が3割以上を占めた。 「最近の人気作に軒並み出ていて、いつもキャラクターの魅力を引き出すお芝居をする。キャラクターの一番の理解者であることが、インタビューでも伝わってきます。近年の話題作には中低音あたりの強め太めな声が多いけれど、はかなげな演技やかわいらしい演技も抜群!」(20代女性、学生)「お芝居の素晴らしさはもちろん、役に向き合う誠実な姿勢、ピュアなお人柄。口数は少ないけれど、涙もろく感性がとても豊かなのがトークイベントなどで漏れていて、作品にのめり込みながら演じているのがよく分かる。個性的なダミ声も、ピュアキャラが多いのにセクシーさが出て好きです」(30代女性、自営業) ■3位 櫻井孝宏 352票  櫻井孝宏さんは『鬼滅の刃』で冨岡義勇、『呪術廻戦』で夏油傑を演じているほか、『おそ松さん』の松野おそ松役など、多数の作品に出演するベテラン声優。昨年10月、声優デビュー25周年に初エッセー『47歳、まだまだボウヤ』を出版した。支持は10代~50代まで幅広い。 「かれこれ20年以上、主演級を演じてきており、そのどれもがハマリ役。かっこいい役からかわいい系、情けなくカッコ悪い敵役から、果てはおばあさん役まで幅広いのに、どれも櫻井さんだって声でわかる」(30代女性、公務員)「気がつけば私の推しは、櫻井さんが演じているキャラばかりだった。今では櫻井さんのお声を求めて、いろんな作品を探すほど。あの、息を吐きながらしゃべるのがたまらなく好き」(40代女性、主婦)「ラジオで話すことはあっても、地上波やネット番組など公の場には出ず、自分のことはあまり話さないイメージ。(キャラクターの)中の人が透けないので演技に没頭できる」(10代女性、学生)  5位から3位にランクインした声優について、前出の小新井さんはこう話す。 「津田さんは、声がかっこいいと男女問わず人気です。声だけでなく、『顔出しのお仕事もいけるよね』というのは、ファンの間でも常々言われていて、実写ドラマでのご活躍が増えたことに加え、朝ドラ『エール』のナレーションによって、一般的な知名度も上昇しました。松岡さんも女性だけでなく男性人気も高い声優さんという印象です。『鬼滅の刃』の伊之助役の印象も強いですが、『ソードアート・オンライン』の主人公役で知名度が上がった頃から、男性からの支持も厚い。『ソードアート・オンライン』は海外での知名度も高いので、海外のアニメファンからの人気も高い方ですね。櫻井さんは、歌を出す声優さんが多い中で『めったに歌わない』ことで有名だったり、ツイッターなどで発信される方が多い中でSNSもやっていないなど、少しミステリアスなところも魅力のひとつかもしれません。それなのに多くの人気キャラを演じられている。極端にいえば、アニメ好きの女性で、櫻井さんのキャラを通ってない人はいないのでは?と思えるくらい、好きなキャラクターを櫻井さんが演じていたという経験を持つ女性ファンは多いはずです」 ■2位 中村悠一 406票  中村悠一さんは、『呪術廻戦』の五条悟や『ハイキュー!!』の黒尾鉄朗など数々の人気キャラクターを演じるかたわら、YouTubeチャンネル『わしゃがなTV』でさまざまな企画を配信しており、ゲストに星野源を迎えたこともある。アンケートで「推し」と答えたのは30代、40代の女性が多かった。 「声を聞いただけで、一瞬で振り向いてしまう最推し。『ハイキュー!!』の黒尾鉄朗で中村さんを知って以来、他のアニメを見ても中村さんがやるキャラばかり自然と好きになってしまっている。漫画を読みながら、これは中村さんしか合わないと思っていたキャラを中村さんが実際にアニメで演じることが結構ある」(10代女性、高校生)「YouTubeチャンネルに出演されている中村さんは、クールかと思いきや少年のように笑ったり、学生時代の懐かしいコンテンツの話をしていたりと、同世代の視聴者としてとてつもなく親近感を覚えています。ぶっきらぼうにみえて優しいところもある、すてきなお人柄なのも大好きなところです」(40代女性、パート)「ボイスはもちろんすてきですが、声で演技されている。特に五条先生は、抱えているものが複雑で最強なのに子どもっぽい、なのに生徒の前では大人。ヘラヘラした声なんかを自然に感じられるのは、やっぱり中村さんじゃなきゃできないと思います!!好き!!」(30代女性、パート)  小新井さんは中村さんの魅力をこう語る。 「中村さんは、女性人気はもちろん『ジョジョの奇妙な冒険』のブチャラティなど男性人気も高いキャラを演じていたりと、男女問わず支持されているイメージです。ご本人もゲームやアニメがお好きで、そうしたオタク文化に関するツイートや、YouTube動画等も発信しているので、アニメファンやゲームファンからは『同じものが好きな同志』のように慕われてもいます。昨年は話題の『ウマ娘』もプレイされていて、関連の投稿も増えて話題になっていました。自分と同じ趣味を持っているとファンはうれしいもので、そうした親しみやすさも人気の理由でしょう」 ■1位 下野紘 642票  堂々の1位に輝いたのは、下野紘(ひろ)さん。下野さんは『鬼滅の刃』で我妻善逸、『進撃の巨人』シリーズではコニー・スプリンガーなど、数々のヒット作で活躍してきた。さらに、昨年7月には「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)にゲスト出演し、唐揚げ愛を熱弁するなど、アニメ以外でも知名度を上げている。10代~60代まで幅広い層から支持を受け、200票以上の差をつけて圧倒的1位となった。 「声優“沼堕ち”のきっかけとなった人物。アニメや漫画に縁のなかった自分がこんなにハマるなんて。小学生から声フェチだったのを思い出させてくれて、見事に深い沼に引きずり落としてくれた恩人。この人から発せられる音全てが女心と子宮をくすぐるツボ。吐息、せき払い、ブレス、何でもあり。下野紘のおかげでこの先の人生楽しくなるのが確定しました。ありがとうございます」(40代女性、会社員)「アニメはもちろん、絵のない朗読劇などでは、情景がそこに浮かぶような演技、表現力が素晴らしいです。アーティスト下野紘としてのかっこよさ、『うたの☆プリンスさまっ♪』のキャラに扮し歌って踊る姿のかわいさは最高です」(40代女性、医療事務)「テレビにラジオにと忙しい下野さんですが、職業は声優であるという芯はぶれない。我妻善逸の幼い声から、コミカル、シリアス、絶叫まで、多くの声を使い分けながらも一人の役としてこなせるのは下野さんしかいません。どんなに人気が出ても、一つ一つを丁寧にする姿勢、ファンの気持ちや喜ぶことを常に考えてくれる優しさ。すべてが大好きなので最も好きな声優さんです」(30代女性、会社員)  小新井さんも、下野さんの声優の枠を超えた活躍ぶりが人気の裾野を広げたと話す。 「下野さんは『鬼滅の刃』ブーム以降、バラエティー番組への露出が一気に増えました。もともと、ラジオで先輩声優にいじられたりする愛されキャラだったのですが、バラエティーに出ても同じようなキャラで浸透したことから、アニメファン以外からも愛されキャラとして人気が出ているんだと思います。下野さんの活躍が、今の声優人気の背景にも関係してくるのですが、昨年から声優さんがバラエティーやドラマ、映画、ナレーションなどで露出が増えたのは、それらに対応可能なスキルを声優の方々が持っていることにメディアが気付いたことも大きい。仕事を振られれば対応できる素地が声優側にもあり、各方面からニーズが高まった。そのニーズが増えた根本には『鬼滅の刃』と『呪術廻戦』の大ヒットがあったわけです。セルフプロデュースにたけている声優さんも多いので、そういう人はまだまだ人気が続くと思います」  空前の「声優ブーム」の火はしばらく消えることはなさそうだ。(AERAdot.編集部・岩下明日香)

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    プチ「編み物」ブーム到来? 認知症予防の「脳トレ」手芸キットも人気

     棒針やかぎ針で、さまざまなものを編み出せる編み物。昔は「おばあちゃんの趣味」の代名詞だったが、今はプチ編み物ブームが起きているという。さらには、手先を使う動きから脳への刺激となり、「脳トレ」の効果もあるという。 *  *  *  東京五輪で、男子シンクロ高飛び込み金メダリストのトーマス・デーリー選手(イギリス)が観客席で編み物をしている姿が話題になった。  また、ケガで陸上部を辞めてしまった男子高校生が、あるきっかけから編み物を始めるマンガ『ニッターズハイ!』(KADOKAWA)も登場。じわじわと編み物ブームが高まっている。  そんな中、大手手芸専門店「ユザワヤ」が、「脳トレ手芸シリーズ第2弾 編み物キット」を昨年10月に発売。認知機能の向上に役立つといい、好調な売れ行きを見せている。  これは、2020年12月に発売された「クロスステッチキット」の続編。クロスステッチキットは、発売9カ月で8800点という予想以上の売り上げを記録した。  いずれも「脳トレ」で知られる川島隆太さん(NeU=ニュー取締役CTO、東北大加齢医学研究所所長《医学博士》)の監修。NeUは脳の活動に関連する研究・商品開発などをする企業で、東北大、日立ハイテクなどが出資している。 「昔から手先を使う手芸は脳の刺激になると言われてきましたが、エビデンス(根拠)がありませんでした。そこで、手芸をしているときの脳の活動を測定して実証し、『脳トレ』になると明記すれば、より手芸に興味を持っていただけるのではないかと考えました」  そう話すのは、ユザワヤ商事専務取締役の畑中宏元さん。新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出自粛が長引く中、自宅でできる手芸が刺激になればと考えたのも理由の一つだ。 「店に来られない人もいらっしゃるので、必要な材料がすべてそろったキットにして自宅で気軽に楽しめるようにしました」(畑中さん)  キットは初級(マフラー)、中級(帽子)、上級(靴下と巾着)の3レベルで各3960円(税込み)。針などを持っていて、好きな毛糸を選びたい人向けに、編み図のみの販売もある。  かつて手芸が好きだった母に買う人や、親の認知症が気になる人たちも購入しているという。 「ただ『脳トレ』のためではなく、作るものが素敵じゃないと楽しい気持ちで取り組めません。なので、デザインを編み物作家に依頼し、魅力的なものを用意しました」(同)  開発段階では、NeUと実験を行った。編み物経験者の女性約30人に測定装置をつけ、編み物によって脳が活性化していることを確認した。実験に携わった川島さんは語る。 「脳の前頭前野という部分には『記憶する』『考える』『行動や感情を抑制する』『人とコミュニケーションをとる』といった行動をつかさどる役割があります。前頭前野が加齢などで衰え、認知機能が低下すると認知症のリスクが高まります。編み物などの手芸で指先を動かすと前頭前野の動きが活発化することが明らかになりました。編み図を読み取ることも、空間認知能力を鍛えるのに役立ちます。楽しい気持ちで活動することが、脳にいい刺激になります」  ユザワヤの一部店舗(蒲田、吉祥寺、立川、横浜、津田沼、浦和)では、NeUが開発した、脳血流を測定できる超小型脳活動センサーを設置。頭にセンサーをつけ、約10分間編み物をして、脳が活性化しているかを確認できるサービスを無料で行っている。  記者(編み物経験あり)も実際にやってみた。頭につけたセンサーはタブレット端末とつながっており、脳が活性化すると、画面の色が青(鎮静状態)から緑や黄を経て、赤(活性状態)に変化する。  作り目や表編みなど単純作業のときは青や緑のままだったが、目を数えたり、模様編みをしたり、編みながら人と会話したりすると、赤に変わった。脳の活性化がひと目でわかるとちょっとうれしい気分になる。 「今後はデイサービスを展開する企業や、薬局問屋などと連携して、普段、手芸と接点のない人にも手にとってもらえるよう、アプローチしていく予定です」(畑中さん)  ツイッターやYouTubeで編んだ作品を紹介している“アラ還”の「爆編み爺Coda」さんは、編み物歴50年の大ベテラン。  実は長年、自分が編み物をしていることをあまり人に言わずにいたが、19年10月にツイッターに「『男のくせに編み物なんて!』とよく言われました。でも今は恥ずかしくありません。自分らしくて良いと思います。『個性』は『魅力』です」と、自分で編んだカーディガンやストールの写真とともに投稿したところ、大反響があった。 「ゲイであったことも、編み物のことも明かしていませんでしたが、どちらも自分。編み物は自分の人生に寄り添い、支えられてきた大事なものなので、思い切ってツイートしたら、好意的に受け止めてもらえました」(Codaさん)  編み物講師だった母の影響で、独学で編み物を習得した。カラフルな色使いが特徴で、さまざまな作品を作り出している。  Codaさんは、編み物の楽しみとして(1)ヒーリング効果(2)ワクワク感(3)実用性(4)プレゼントするよろこび(5)人との交流──を挙げる。 「編み物をしていると精神的に落ち着き、ヒーリング効果が得られます。編んでいるときは完成が楽しみですし、完成したら使えるので実用的です。人にプレゼントしたらよろこんでもらえます。SNSを使うようになって、編み物仲間ができて、お互いの作品を見せ合う楽しみができました。編み物の素晴らしさを実感しています」(同)  編み物といえば長らく女性の趣味という印象が強かったかもしれないが、本来はトーマス・デーリー選手やCodaさんのように、性別関係なく楽しめるもの。この冬、「脳トレ」も兼ねて、編む楽しみを味わってみては。(ライター・吉川明子)※週刊朝日  2022年1月28日号

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    オリラジ中田の妻・福田萌がシンガポールから帰国 「岩手の実家で隔離生活」で水際対策に疑問の声

     シンガポールに移住したお笑い芸人・オリエンタルラジオ中田敦彦の妻でタレントの福田萌が14日、音声プラットフォーム「Voicy」を更新し、日本に一時帰国したことを報告した。  福田は14日夜に「先日、日本に一時帰国いたしまして、今は隔離先の実家の方に来ております。無事に入国することができました。よかったです」と報告。帰国直前に長女のPCR検査をしていなかったことを思い出し、あわててPCR検査を手配し、間に合わせたという。入国後は公共交通機関を使わず、ハイヤーで実家に移動。「常夏の国からたまに雪の降る岩手県にやってきて、ホッとしているというのが率直な感想ですね」と語った。福田は家から出ず、家族や母との時間を過ごしているという。中田は仕事の準備などがあるため、東京で部屋に1人滞在して隔離生活を送っていることを明かした。  中田が相方の藤森慎吾と共に所属していた吉本興業とのマネジメント契約を昨年いっぱいで終了したのに伴い、福田と子供たちも3月からシンガポールへ移住。ただ、異国の地の不慣れない生活に戸惑いがあったようだ。4月に「Voicy」でシンガポールの兵役義務に言及し、このまま現地に住んで長男が永住権を取得した場合は兵役が課せられることに「今は全然、信じられなくて、『イヤイヤイヤ、それはさすがにご勘弁』って感じなんですけど」などと発言して波紋を呼んだ。その音声は現在消されているが、「映画を話せる友だちもいない」、「生活に早く馴染まなきゃとか、慣れなきゃみたいな感じで。焦る気持ちが自分の中であったので、体調崩したり、精神的に参ってしまったりってこともきっとあったと思う」と悩みを吐露した時期もあった。 「中田さんのYouTubeチャンネルは登録者数が422万を超え、オンラインサロンも会員数が6000人近くと大人気です。頭の回転が速く、異端の芸人として大成功を収めていますが、海外に住んで現地の環境に適応しなければいけない家族の苦労、ストレスは想像以上だと思います。英語が話せないとなかなか現地のコミュニティーに入れないですし、子供は大丈夫か不安に感じるでしょう。その苦労を覚悟しての海外生活ですが、楽しいことばかりではないと思います。コロナが完全に収束したわけではないので帰国には賛否両論の声はありますが、実家に戻って心身をリフレッシュしたかったのでしょう」(スポーツ紙芸能担当記者)  ただ、ネット上では実家で隔離生活を送っていることについて疑問の声が。 「岩手県民です。県民の努力によって現在30日以上もコロナ罹患者0の日が続いているのに、海外から来て隔離されずに家族と一緒に生活…という記事を見てがっかりしました。オミクロン株が出てきて、迷惑をかけないよう今年も東京からの帰省は控えるという人もいるのに」 「実家で、特に行動制限されていないご家族と一緒の空間にいたら、それは隔離ではないのでは?入国された方は外出しなくても、同居のご家族が媒介して、って可能性があるのに、なんで日本の隔離要請ってこんなにザルなんだろう」  今回の福田のように帰国後、実家で隔離生活を送ることに問題はあるのだろうか。 「帰国者の方の隔離場所は同居人がいる自宅でも問題ありません。ただ、厚生労働省のHPに掲載されているように、感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける、日中はできるだけ換気をする、できるだけ全員がマスクを使用する、小まめにうがい・手洗いをするなど感染防止の徹底を呼び掛けています」(厚生労働省新型コロナワクチンコールセンター)  福田は実家で感染防止に細心の注意を払って生活していると思われるが、政府の水際対策に疑問を感じた人が多いのかもしれない。(松木歩)

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