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    【ゲッターズ飯田が教える】お金持ちの「家」に共通する3つのこと

     25年間で6万人以上を無償で占い、一貫して「開運」を極め続けてきた芸能界最強の占い師・ゲッターズ飯田さん。お金持ちを占う機会も多くあったという飯田さんが見つけた、「お金持ちの共通点」とは?  著書『ゲッターズ飯田の金持ち風水』(朝日新聞出版)から、一部編集してご紹介します。 ■その1 ティッシュを見えるところに置かない  お金持ちの家に行って気づいたのが、ティッシュが見当たらないこと。「なぜですか?」と尋ねたところ、「目障りだから」、もしくは「あると使っちゃうから」という人が多かった。  お金持ちはムダを嫌います。ティッシュがある → あると使ってしまう → ゴミが増える → ゴミにスペースを割くのはムダ、という思考です。ですから、たいていのお金持ちの家ではティッシュを引き出しにしまっていました。僕もマネして家のティッシュを隠してみたら……。見えないと意識にのぼらないので使わなくなるものです。  風水でも、「紙は気を吸う」と言い、古新聞、古雑誌を置きっぱなしにすると湿気を吸って空気が淀むとされています。紙袋やチラシなど紙は意外と多いもの。減らすよう意識してみてください。 ■その2 玄関に置く靴は1足だけ  お金持ちの家かどうか、行った瞬間にわかるチェックポイントがあります。それは、「玄関に靴がどれだけ出ているか」です。お金持ちの家の玄関に、靴は1足(もしくは住人の数)程度。履く靴以外は出ていません。  一方、「お金が無い」という人の家は、所狭しと靴が並んでいることが多い。狭い玄関なのに靴の占める割合が高いのが特徴です。  お金持ちは、どの靴を履こうか……などと一瞬でも迷う時間をムダと考えます。いつも履く靴だけ出しておけば迷いませんし、他の靴を選ぶときは、収納された中から選べば効率的です。ごちゃごちゃと置かれた靴を上から見るのは、気持ちが惑わされるため、実は非効率です。  風水で玄関は「仕事運」を表します。ごちゃっとした玄関の人は、仕事も頭も整理されていないのが丸わかりです。 ■その3 「丸み」のあるものを使う  家具に注目して見てみると、お金持ちの家には丸みのある家具が多いことに気づきました。お金持ち特有のセンスがあるのかと思い、聞いてみたところ、「鋭利なものはストレスになるから」「危ないから」という理由でした。  リラックスできる家にするには、ストレスを感じるものは極力排除した方がいい。そう、お金持ちは徹底的な合理主義者なんです。いくらスタイリッシュな家具でも、尖った角にぶつかってケガでもしたら自分のパフォーマンスが落ちるだけ。そんなムダな要素のある物を家に置く必要はない。そのくらい実利重視で物事を考えます。  また、お金持ちはホームパーティーをする人がとても多いです。「ストレス」や「危ない」要素をなくすのは、訪れる人への気遣いでもあるのでしょう。  お金持ちの部屋の哲学をマネすれば、あなたの部屋の「気」にも「お金持ちマインド」が加わるはず。「学ぶ」の語源は「真似ぶ」だとも言われます。つまり、「マネる」は「学ぶ」こと。マネしてみるだけで、お金持ちマインドがわかってくるかも! 『ゲッターズ飯田の金持ち風水』では、今すぐできる金運UPのコツをたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてください。 《いま、日本で一番売れてる占い師・ゲッターズ飯田さんの最新刊『五星三心占い2023年版』は、全国の書店・ネット書店・セブンイレブンにて発売中!》特設サイト→https://www.asahi-getters.com/2023/ ◎ゲッターズ飯田/これまで6万人を超える人を無償で占い続け、20年以上占ってきた実績をもとに「五星三心占い」を編み出し、芸能界最強の占い師としてテレビなど各メディアに数多く登場する。『ゲッターズ飯田の五星三心占い』は、シリーズ累計800万部を超えている(2022年9月現在)。5年連続100万部を出版し、2021年は年間BOOKランキング作家別1位(オリコン調べ)と、いま日本で一番売れている作家。

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    【ゲッターズ飯田】6万人を占ってわかった、お金持ちが「やらない3つのこと」

    「芸能界最強占い師」として知られ、25年間で6万人以上を無償で占い続け、新刊『ゲッターズ飯田の五星三心(ごせいさんしん)占い2023』も話題のゲッターズ飯田さん。今回は、ゲッターズさんが多くのお金持ちの人から話を聞くなかで気がついた彼らの共通点を紹介します。(朝日新聞出版刊『ゲッターズ飯田の金持ち風水』から一部抜粋・再編集) ■共通点1  お金持ちは「迷う」ことがない 「夢をかなえるために必要なのは、行動力」などとよく言いますが、お金持ちの場合、単なる行動力ではなく、その前に「素早い」がつきます。  お金持ちは行動がとにかく速い。何かアイデアが浮かんで、「できるんじゃない?」と思ったら、すぐにやります。少しも迷いません。  では、なぜお金持ちになれない人は行動が遅いのでしょうか? それは、迷うからです。なぜ迷うのかというと、うまくいくか不安だからでしょう。失敗したくないからです。  一方で、お金持ちの行動が速いのは、失敗しても別にいいと思っているからです。そう思えるのは、これまでにもたくさん失敗してきたからでしょう。失敗を重ねたから成功する方法がわかったわけで、失敗は糧にすればいいだけのこと。失敗を失敗で終わらせない。だから恐れずにすぐやる。迷う時間はムダなだけなんです。 ■共通点2 お金持ちは「雑誌」を読まない!?  雑誌とは、その名のごとく「雑多なことが書かれた書物」。情報を手っ取り早く知るにはよいのですが、お金持ちはほとんど雑誌を読みません。  曰く、「誰が書いているのかわからない情報を、なぜ自分の中に入れる必要があるんですか?」とのこと。  なるほど、信用できるかどうかわからない記事を読む必要はない。知りたいことがあれば専門家に聞いた方がいい。信用できるかどうかわからない記事で心が乱されるのは時間のムダ、と考えるのが、お金持ちの発想だったのです。  そのかわり、お金持ちは本をたくさん読みます。読む本は、「この人が書いたから」という視点で選びます。確かな筋から確かな情報を仕入れたい。これがお金持ちの鉄則です。 ■共通点3 お金持ちは「ネットサーフィン」をしない!?  読書家が多いお金持ちですが、ネットサーフィンはしないようです。インターネット自体は使いますが、「ダラダラとは見ない」ということです。  ネットサーフィンをしていると、面白い情報を次々と見つけて、気づいたら数時間が過ぎていた! という経験は珍しくないでしょう。けれどもお金持ちは、これが命取りと考えます。  まず、時間の管理ができないこと。決めた時間内で目的を果たすためにネットを使うなら別ですが、ネットサーフィンを始めると、そうはいきません。  また、雑誌同様、いくら面白くても、「信用できるかどうかわからない情報」が多いこと。もちろん、信頼できる人が発信している情報は別ですが、信憑性の低い情報に振り回されるのは、ムダ以外の何物でもないのです。まさに「時(とき)は金なり」です。 ※『ゲッターズ飯田の金持ち風水』より ◎ゲッターズ飯田/これまで6万人を超える人を無償で占い続け、20年以上占ってきた実績をもとに「五星三心占い」を編み出し、芸能界最強の占い師としてテレビなど各メディアに数多く登場する。『ゲッターズ飯田の五星三心占い』は、シリーズ累計800万部を超えている(2022年9月現在)。5年連続100万部を出版し、2021年は年間BOOKランキング作家別1位(オリコン調べ)と、いま日本で一番売れている作家。

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    17時間前

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    日本代表が強豪ドイツに大金星! 早くも注目を浴びる国内組の“意外な選手”とは

     20日に開幕したサッカーW杯カタール大会。日本代表は23日に行われた初戦の強豪ドイツ戦(2対1)で大金星を挙げ、グループリーグ突破へ向け素晴らしいスタートを切った。  チームとしての躍進が今後も期待されるが、4年に1度の祭典は選手にとっては自らを売り込む見本市でもある。  海外組選手たちはさらなるビッグクラブへのステップアップを目指しているが、中でも注目を浴びているのは久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)と、三笘薫(ブライトン/英・プレミア)だ。 「久保はフィジカルが強くなりプレーの選択肢が増えた。相手のチェックにも当たり負けしないで、高い技術をさらに生かせるようになった。どのポジションにでも適応できるのも良い。左サイドでは相手選手と競りながらでも試合を作る。右サイドからはカットインして様々なシュートを放つ。中央では想像力豊かにボールを供給する。多くの起用方法ができるのが魅力」(欧州在住サッカーライター)  久保は初戦のドイツ戦では先発したものの、思うようなパフォーマンスを見せることができなかったが、次戦以降の活躍に期待したい。  一方、久保が苦戦したドイツ戦で途中出場し、存在感を示して評価を上げたのが三笘だ。 「三笘のドリブルは世界レベルに届きつつある。ボールを持った時のバランスが良く、相手選手が取れない位置で操る。視野が広く一瞬のうちにコースを選択できる。また独特のリズムがあり、細かいタッチで自らコースを作り出すことも可能だ。少ないタッチでボールを回すサッカーが主流の中、アクセントをつけられる存在としても貴重」(欧州在住サッカーライター)  久保、三笘など近年は代表選手の多くが海外でプレーしているが、Jリーグでプレーする選手たちも注目されているのは同様だ。 「海外組が多い攻撃陣に入り込んだ町野修斗(湘南)への評価も意外と高い。ハマった際の爆発力は素晴らしく、森保一監督もそこに期待しているはず。ケガをしたDF中山雄太の代わりがFWなのに国内は驚きに包まれた。しかし町野の名前は海外では意外と知られており、サプライズ扱いはされていない」(国内サッカー雑誌編集者) 「7月のE-1サッカー選手権では3ゴールで得点王に輝いた。初代表で結果を出すメンタルの強さと運を持っている。J3・北九州でのプレー経験がありハングリー精神があるのも良い。前線で走り回るスタミナ、守備にも手を抜かない献身性など、泥臭いプレースタイルは岡崎慎司を思わせる」(サッカーエージェント会社関係者)  サッカーが浸透し、技術的な部分は年々向上している日本の選手だが、最後は気持ちが勝負を分ける時も多い。今回のカタール大会で出番があるかは微妙なところだが、“勝負強さ”があるのが町野の魅力。今後の戦い次第では救世主になる可能性もあるはずだ。  町野以外でも国内組でステップアップを果たすべく、活躍が期待される選手もいる。 「日本人のサイドの選手への評価と期待値は変わらず高い。(今回も代表に選ばれている)長友佑都、内田篤人の大活躍の印象も残っている。DF山根視来(川崎)も注目される一人だ。またMF・FW相馬勇紀(名古屋)はサイド起用時の(攻撃面だけではなく)守備について聞かれることもある」(サッカーエージェント会社関係者) 「国内組ではDF谷口彰悟(川崎)の堅実性に対する評価も高い。欧州サッカー関係者は海外、国内組問わず、日本人選手のレベルの高さを知っている。今大会では日本代表が躍進する可能性も感じている。もちろん長友のことも覚えていて、いまだに走り回っていることを喜んでいる(笑)」(欧州在住サッカーライター)  日本代表のほとんどを海外組が占めるようになったが、国内組も負けてはいない。各選手ともにアピールし、海外組はさらなるビッグクラブへのステップアップ、国内組は海外クラブへの移籍を視野にアピールしたいところだ。日本代表チームの躍進はもちろん、選手たちのキャリアに今回のW杯がどういう意味を持つのかに注目したい。

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    【ゲッターズ飯田】「ご縁は大切にしなさい」は本当か?

    「芸能界最強占い師」として知られ、25年間で6万人以上を無償で占い続け、新刊『ゲッターズ飯田の五星三心(ごせいさんしん)占い2023』も話題のゲッターズ飯田さん。長年多くの人を占ってきたなかで、人間関係の悩みを聞く機会も多かったといいます。人づきあいが苦手で、自信をなくしている人は「固定観念」に縛られていることが多いそう。今回は、そんな不自由な鎖のほどきかたをご紹介します。 (朝日新聞出版刊『ゲッターズ飯田の縁のつかみ方』より一部抜粋・編集) ■なくなっていい縁もある  人付き合いが苦手な人に、「それ、悩む必要ないよ!」と思うことがあります。  占いイベントでの出来事です。  ある小学生を占ったら、「学生時代の友達とまったく縁がない」という結果が出ました。  一緒に来ていた母親が話し出しました。 「この子、学校に行かなくなっちゃって、ほぼ家にいるんです。不登校なんです……」 「あぁ、大丈夫。キミは小・中・高校の友達とは一人もつながらないから、気にしなくていいよ」  子どもの目がパッと輝き出します。 「キミ、社会に出てから伸びるから、いまの友達とか無視していいから。死んだと思っていいから」  そう言うと、母親も驚きの表情に。「友達とか大事にしなくていいんですか!?」  そう聞かれて、「いま周りにいる友達は、大事にしなくていい。それよりも自分のやりたいことを大事にした方がいい」と言ったら、その子は一気に元気になって、晴れやかな顔で帰って行きました。 「友達100人できるかな」ではないですが、友達が多ければ多いほどよいと考える人もいますが、それは固定観念に縛られているだけなんです。生きたいように生きればいいんです。  合わない人とは合わないし、合う人は絶対にいますから。 ■「縁が切れて幸せ」と思え  こんな悩みもありました。 「40歳過ぎてリストラされたんです」  暗い顔でそう言うので、僕はこう答えました。 「よかったですね。その会社との縁が切れたんですね。これで世界中のどの会社にも入れる可能性をあなたは持っている。僕は占いしかできないし、占いに縛られているから、うらやましいですよ!」  悪い面を見るか、よい面を見るか。どこを見るかで感じ方は大きく変わってきます。 「あなたは今、何にも縛られていないですもん。こんな自由なことないですよ」  人生、どこでどうなるかわかりません。せっかく自由な身になったんだから、ダメでもともとの気持ちで何でもやってみたらいいんです。 「人ごとだからそんな風に言えるんだ」と思うかもしれませんが、これ、真実ですよ。  ダメだと思ったら、ダメなんです。  ダメでもともとと思って跳ね返せばいいのに、「もうダメだ~」で終わってしまう。 「いやいや、そこからでしょ」と僕は思います。そこからがスタートだから。どん底まで落ちたらあとは上がるしかないし、もはやチャンスしかないんですから。  ダメだと思えば、人づきあいもどんどんダメになる。つまらなそうな顔をしているから、つまらないことが起きる。  楽しそうな顔をしていれば、楽しい縁が自然とできます。 ※『ゲッターズ飯田の縁のつかみ方』より 『ゲッターズ飯田の縁のつかみ方』では、人間関係に悩まず、縁に恵まれて生きる方法をたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてください。 新刊『ゲッターズ飯田の五星三心占い2023』は全国の書店・ネット書店・セブンイレブンにて好評発売中!>>詳しくはこちら https://www.asahi-getters.com/2023/ ◎ゲッターズ飯田/これまで6万人を超える人を無償で占い続け、20年以上占ってきた実績をもとに「五星三心占い」を編み出した占い師。芸能界最強の占い師として、テレビなど各メディアに数多く登場する。書籍『ゲッターズ飯田の五星三心占い』は、シリーズ累計800万部を突破(2022年9月現在)。5年連続100万部を出版している。2021年には年間BOOKランキング作家別1位(オリコン調べ)を獲得し、いま日本で一番売れている作家。

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    【ゲッターズ飯田】人間関係の悩みがスウーッと消える「意外な裏ワザ」とは?

    「芸能界最強占い師」として知られ、25年間で6万人以上を無償で占い続け、新刊『ゲッターズ飯田の五星三心(ごせいさんしん)占い2023』も話題のゲッターズ飯田さん。長年多くの人を占ってきたなかで、最も多かった相談が人間関係の悩みだといいます。そこで今回は、人間関係をうまく保つためのちょっとしたコツを著書『ゲッターズ飯田の縁のつかみ方』(朝日新聞出版)から ご紹介します(一部抜粋・編集)。 ■その1 幽体離脱のワザを身につける  人間関係の悩みにはまってしまうと、他人との縁を楽しめなくなり、人が怖くなります。  たとえば好きな異性に対して、「恥ずかしい」「嫌われたくない」と思うのは、相手を意識しすぎているからで、「緊張してない、してない」と頭で思っていても、自動的に心臓がドキドキしたりします。  人に対する感情なんて、自然と湧き出るものですから、そうなってしまったものは仕方がありません。  そこで、ちょっと視点を変えてみてください。いま 、これを読んでいるあなたのように、第三者の目線で次のシーンを思い描いてください。  とある「人見知り」の女性が、好意を寄せる男性の近くにいます。男性は2~3人の仲間と楽しそうにしゃべっていて盛り上がっています。女性はその輪から外れた場所にいて、話しかけられずにいます。それをあなたは少し高いところから見ています。  どうすればいいと思いますか? 「 恥ずかしい気持ちはわかるけど、このままじゃ、どうにもならないよ!」 「ダメもとでいいから、話しかければいいのに」  まあ、見方は人それぞれですが、共通して言えるのは「このままでは好意は伝わりそうにないし、仲よくできそうにもない」ということではないでしょうか。  やってみないと何も始まらない。  行動しなければ先に進めない。  ごくごく当たり前のことです。何か一つの感情に支配されると、こんな当たり前のこともわからなくなってしまうんですね。  芸能界で長年活躍している人がよく言います。 「もう一人の自分が、いつも上から眺めている」  と。幽体離脱したように、もう一人の自分が上から見ていて、自分と周りの状況を冷静に捉えていると。すると、誰が何をしてほしいのかが見えてきます。  この視点を持つといいですよ。  誰だって、慌てたり、テンパったり、自分のことで精一杯になってしまうことはあります。それはそれで面白い現象ですし、悪いことではありません。  ただ、「人見知り」や「コミュニケーション下手」が強すぎて、人が怖くなってしまうほどなら、すかさず見る角度を変えてみるといい。  第三の視点で見ると、気持ちが変わってくるものですよ。 ■その2 初対面を増やす  芸能界ではよく、「初対面が増えるほど、チャンスが増える」と言います。「自分を知ってくれる人が増えれば、仕事が増える」という意味に聞こえるかもしれませんが、それだけではありません。  初対面の人は、これまで気づかなかった自分の魅力を見つけてくれることがあるのです。  親や友達から「あなたはこういう人ね」と言われていたり、自分で「私はこうだ」と思い込んでいたとしても、今までにない見方を示してくれるのが初対面の人です。  僕が占いでテレビに出られたのも、それまでとは異なる見方をしてくれた人が現れたからです。  最初にいた事務所は、「占いができる芸人」という僕をどう使えばいいかがわかりませんでした。「とりあえず、ライブでやってみよう」と、ステージで占いを見せることを模索していました。  その後、別の事務所に行きましたが、僕の使い方はわからないまま。そこでは、「占い」という素材の魅力すらわかってもらえませんでした。  俗に言う「はまらなかった」という状態です。  ところが、その次に行った事務所でドカンと来ました! その事務所では僕の占いがめちゃくちゃウケて、「面白い!」「テレビに出そう」と話がどんどん進んでいきました。会社によって、人によって、こんなにも反応が違ったのです。  もし、はまらない場所にずっといたら、僕はつぶれていたかもしれません。  もし、努力を続けているのに評価されないという人がいたら、人との巡り合わせが悪いのかもしれません。  努力は続けたまま、もう一つ、「初対面の人と会う」という努力を増やしてみませんか。あなたの魅力をわかる人が、どこにいるかは誰にもわかりません。  初対面の人に会うことは、チャンスが増えること。宝探しみたいに、見つけることを楽しんでください。  どこかにきっと、はまる場所はあります。 ※『ゲッターズ飯田の縁のつかみ方』より ◎ゲッターズ飯田/これまで6万人を超える人を無償で占い続け、20年以上占ってきた実績をもとに「五星三心占い」を編み出し、芸能界最強の占い師としてテレビなど各メディアに数多く登場する。『ゲッターズ飯田の五星三心占い』は、シリーズ累計800万部を超えている(2022年9月現在)。5年連続100万部を出版し、2021年は年間BOOKランキング作家別1位(オリコン調べ)と、いま日本で一番売れている作家。

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    iDeCoの「一括受け取り」税金いくら取られる? 税理士が詳細に試算してみた

     所得控除と「運用中は非課税」の2大特典で増やしたiDeCo資金。60歳以降の受取時も節税したい。タダになるのはいくらまでなのか? 「AERA Money 2022秋冬号」から抜粋してお届けする。 *  *  *  60歳以降、iDeCo(個人型確定拠出年金)でつみたてたお金を受け取る方法は「まとめて一時金」「年金として分割」「一時金と年金の併用」の3通りがある。  2018年の調査ではiDeCo加入者の89%が一時金として受け取っている(厚生労働省「DC拠出限度額の見直しについて」2020年)。  一時金として受け取る場合、退職所得控除を利用すれば税金がかからない、もしくは減らせる。  年金として分割で受け取る場合、受取期間を5年以上20年以下から1年刻みで選べる。受け取り回数は年1回(12月)から年12回(毎月)まで6種類だが、年1回の受け取りが得だ(理由は後述)。  60歳を過ぎると、iDeCoの加入者には受け取りに必要な書類が送られてくる。そこに受け取り方を指示して提出すると「給付金裁定結果通知書」が届き、希望した方法でiDeCoのお金を受け取れる。可能な限り、税金を抑えるにはどうすればいいのか?  iDeCoの税制にも精通する、税理士でファイナンシャルプランナーの西原憲一さんに教わった。 ■一括受け取りが得 「高額な退職金をもらえる会社員などを除けば、iDeCoのお金は退職所得控除を使って一時金として受け取るのが一般的には節税効果が高いです」  退職所得の控除額は、勤続年数かiDeCoの拠出(つみたて)年数のどちらか「長いほう」を使って計算する。20年以下なら「40万円×年数」。ぴったり20年の場合、退職金とiDeCoの一時金の合計が800万円以下なら税金がかからないということだ。年数が20年超の人の退職所得控除額は、「800万円+70万円×(年数-20年)」で計算できる。  そして退職所得控除額を「超えた分」が課税所得金額(税金が課せられる額)だ。税金がかかるとはいえ、退職金もiDeCoのお金も、退職所得控除を差し引いたあとの「2分の1」が課税対象なので優遇されている。  「勤続年数38年、iDeCoのつみたて期間20年、退職金とiDeCoの一時金の合計が3000万円の人が一括で受け取った場合」の税金を西原さんに計算してもらった。  このケースは長いほうの「38年」を適用し、退職所得控除額は2060万円。最終的に支払う税金は52万3200円だ。 「『52万3200円は高い』と思いますか? ただ、仮に年収500万円の人が掛け金2万3000円でiDeCoを20年間続けたら、トータルで552万円が所得控除されます。これによる節税効果は大きいですよ」  本誌の試算によると、このケースで所得税、住民税が各10%なら、20年で約110万4000円を節税できる。現役時代に得する税金と最後の税金を比べると、払い損になるケースは少ないので、安心してほしい。  ◯西原憲一(にしはら・けんいち)/税理士、ファイナンシャルプランナー。UFPF代表。税務コンサル会社に勤務後、2000年に独立。iDeCoやNISAなど資産運用にも精通する税金のスペシャリスト (構成/編集部・中島晶子、伊藤忍) ※『AERA Money 2022秋冬号』から抜粋

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    21時間前

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    元サッカー選手の23歳日本人男性と21歳ドイツ人女性のカップルが見た もう一つの「日本VSドイツ戦」

     11月23日の23時過ぎ。六本木の路地の一角にある多国籍バーには多くの外国人が集まり、FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会1次リーグの「日本VSドイツ戦」を見守っていた。  前半の途中から日本はドイツに終始圧倒され、33分にPKで失点。店内の空気も「ドイツの勝ちで決まり」というムードが漂っていた。  しかし、後半30分に堂安律が同点ゴールを決めると、店内の雰囲気は大きく変わる。「オー!」「ブラボー!」「ダー!」という大歓声と拍手に包まれた。そんな中、テレビを見ていたドイツ人女性のルーさん(21)は言葉少な。 「前半の最後のオフサイドがなければ……」  前半のラストに、ドイツが2点目を取れなかったことを悔やんだ。  この日、ルーさんは彼氏同伴で試合を観戦していた。隣にいたのは、ドイツのプロサッカーチームでもプレーした磯部力さん(23)。磯部さんは2020年~21年に『フォルトゥナ・ケルン』のトップチームに帯同したことがあるという。 「ドイツサッカーは、基本的にワンマンなんです。私もフォワードでしたが、『パスを出すよりもシュートを打て』と指導されます。ドイツ代表も移民が多く、純粋なドイツ人は数人しかいない。前半にPKを決めたイルカイ・ギュンドアン選手も両親はトルコ人です」  磯部さんは今年の夏に帰国し、ルーさんは3週間前に観光ビザで来日したという。  近くで飲んでいた、ドイツ・フランクフルト出身のフィリックさん(24)に声をかけると、「私は18日前に日本に来ました。ドイツ代表は8年前のブラジルW杯で優勝した時の方が強いですね。もちろん、今日はドイツを応援していますが、日本にもがんばってもらいたい」と紳士的。同点に追い付かれても、巻き返せるという自信があったのかもしれない。  だが、後半38分。途中出場した浅野拓磨が劇的な逆転シュートを放つと、またしても店内の雰囲気が一変。日本、ドイツ以外の国籍の客たちは一層のお祭り騒ぎとなり、至るところで雄たけびのような歓声が上がった。ドイツ人たちは、さぞ落ち込んでいるかと思いきや、ルーさんはすでに諦めモードで「おめでとう!」と筆者にハイタッチをしてくれた。  一方のフィリックさんは姿が見えず、いつの間にか帰ってしまったようだ。心の中では、ドイツが日本に敗れる瞬間を目の当たりにしたくなかったのかもしれない。ただ、店を出るときには筆者やルーさんのお会計までしてくれたようで、最後まで紳士な振る舞いだった。  ドイツの敗因はどこにあるのか。前出の磯部さんはこう話す。 「選手たちはワールドカップのために招集され、そこから2~3週間で試合が始まるので、その期間にどれだけチーム力を作れるかが勝負です。ドイツのプロリーグで活躍している日本人選手も6~7人いるので、今回はドイツの情報が日本にもかなり入っていたのだと思います」  国民のサッカー熱が高く、優勝候補のドイツが初戦で日本に負けたことには、国内のサポーターから怒りの声も上がっている。SNSの反応を見ながら、ルーさんはこう語る。 「今、2失点目に絡んだドイツ代表の選手が批判されています。内容よりも、結果が全てなので、どんなすごい選手でも失点に絡んだり、結果を出せなければ、ドイツでは犯罪者のように扱われてしまいます」  日本人とドイツ人のカップルと見た「日独戦」は、また別の味わいがあった。(AERA dot.編集部・上田耕司)

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    カタールW杯、日本代表に「選んで欲しかった11人」 各ポジションに“もったいない選手”

     W杯カタール大会(11月20日開幕)に臨む日本代表のメンバー26名が発表された。選手選考の最終判断は指揮官である森保一監督に委ねられるべきで、本戦へ向けた“最適な26人”であると信じたいが、それでもやはり疑問と不安が残る。彼らの落選は正しかったのか。ポジション毎に「選んで欲しかった11人」(システムは4-3-3)を選びたい。  GKは谷晃生(湘南)だ。東京五輪でも活躍した実力者で才能は確か。190センチの高さ、何より21歳という年齢に魅力がある。今回のGK陣(川島永嗣、権田修一、シュミット・ダニエル)それぞれを見ると選出に異論はないが、39歳、33歳、30歳という年齢は明らかに高く、バランスが悪い。レギュラーとサブ、3番手と立場がハッキリするポジションだけに、若手を1人は招集してW杯本大会の雰囲気を肌で感じさせることは代表チームの将来的には有意義なことになったはず。谷以外にも、23歳の大迫敬介(広島)、20歳の鈴木彩艶(浦和)と候補者は多くいただけに、4年後を考えた際には今回の3人の選出は残念だ。  CB陣は大方の予想通りだったが、他にも候補は多くおり、その中でも瀬古歩夢(グラスホッパー)は惜しい人材だ。高さとスピード、優れたフィード力を持つセンターバックとして、2020年にルヴァン杯のニューヒーロー賞とJリーグのベストヤングプレーヤー賞をダブル受賞した22歳。今年1月に海外移籍し、9月の欧州遠征にサプライズ的に招集されたが、2試合ともにベンチ外だった。冨安健洋が2019年のアジア杯で急成長したように、起用される中で評価を高める場合は多々ある。瀬古にもアピールするチャンスを与えて欲しかった。  もう1人、前回ロシア大会でメンバー入りした現在28歳の植田直通(ニーム)も、試合展開次第で戦力になり得たはずだ。空中戦に抜群の強さを見せるファイター。海外生活5年目で屈強な外国人FWとの対戦も多く経験している。課題は“粗さ”にあり、それ故にスタメンでの出場には不安があるが、試合終盤に相手のパワープレーを跳ね返すための“逃げ切り要員”として考えた際、谷口彰悟、伊藤洋輝よりも適任だったのではないか。  SB陣で、実に“もったいなかった”と感じるのが、菅原由勢(AZ)だ。2019年夏にオランダに渡り、高い攻撃性能を披露しながらレギュラーとして活躍。課題だった対人守備も格段にレベルアップした。その働きが認められて今年6月に代表に招集されたが、負傷によって無念の離脱。万能性の高さは優れた戦術眼を持っている証であり、森保ジャパンにもすぐに順応できたはず。まだ22歳で“次”があるとは言え、アピールの舞台が整わなかったのは残念。今回は運がなかった。  長友佑都と中山雄太、伊藤洋輝が選ばれた左SBでは、小川諒也(ビトーリア)に可能性があったのではないか。183センチのサイズに優れたスピードを備え、左足から高精度のクロスを供給できる。ダイナミックなプレーは魅力十分だ。足りないのは経験だが、だからこそW杯予選を含めて試してもらいたかった。まだ25歳。才能はある。すべての面でレベルアップして、次回大会ではメンバー入りしてもらいたい。  MF陣は3人。まずは、岩田智輝(横浜FM)の名前を挙げたい。豊富な運動量と球際の強さ、優れた戦術眼を持ち、今年7月のE-1選手権でも確かな実力を見せた。チーム的にも9月の欧州遠征で改めて浮かび上がったのは、遠藤航と守田英正の2人の“強度”が鍵であるということ。だが、過密日程の中でこの2人がグループリーグ3試合(突破すればその先の決勝トーナメント)を通して100%のコンディションでフル稼働することは困難。柴崎岳と田中碧ではプレースタイルが異なる。控えで岩田のようなタイプが必要だったのではないか。さらに言うならば、現在J1優勝に王手をかけている首位チームから誰もW杯メンバーに選出されないのは不自然であることも訴えたい。  森保ジャパンの常連組ながら落選した原口元気(ウニオン・ベルリン)は、本人としても非常に残念だろう。現在31歳。前回のロシアW杯でのヒーローの1人であり、同時に悔しさも味わったことでリベンジの想いは強かった。だからこそ、ここまで様々なポジションに適応しながら、どんな場面でも全力で戦ってきた。ベンチの中からでも仲間たちを鼓舞してきた男を26人の中に入れておく意味は、大いにあったはずだ。  旗手怜央(セルティック)も選んで欲しかった選手だ。万能性が魅力の24歳だが、9月の欧州遠征で招集されながらも出番なし。それでも所属クラブでは好調を維持しており、欧州CLではレアル・マドリード相手にも好プレーを披露し、シャフタール戦では幻のゴールもあった。メンバー枠が26人に拡大されたことで、旗手の複数ポジションをこなせる強みが活かせなかった面はあるだろうが、現在の調子を考えれば選ぶべきであり、「未知数」な部分が心配ならば、それまでに出番を与えておくべきだった。  アタッカーでは、中村敬斗(LASKリンツ)を抜擢してもらいたかった。現在22歳。左サイドからのドリブル突破と強烈な右足シュートを武器に、今季はオーストリア1部リーグ戦で14試合中13試合に先発出場して8得点5アシストと出色の働きを見せている。もちろんリーグのレベルは考慮しなければならないが、若き才能の“ケチャドバ状態”は無視できない。左ウイングは多くの候補者がいたが、経験不足などお構いなしに若手を抜擢してきたスペイン代表ルイス・エンリケ監督ならば招集していたかもしれない。  続いて右ウイング。実現性は低かっただろうが、家長昭博(川崎)はW杯の舞台で是非とも見てみたかった選手だ。G大阪の下部組織時代から世代随一の才能を認められてきた天才プレイヤー。国内外のクラブを渡り歩いた20代を経て、30歳で加入した川崎で持ち味全開。卓越した技術、戦術眼、そして圧倒的なキープ力でピッチ上に“違い”を作り出し、2018年にはJリーグ年間最優秀選手に選ばれた。そして36歳となった今季も衰えなど感じさせず、孤高の存在として攻撃を牽引している。起用法の難しさは間違いなくあるが、一度でいいから試してもらいたかった。  最後の1トップには「選んで欲しかった選手」が多くいるが、やはり森保ジャパン発足時から戦術的な柱だった大迫勇也(神戸)が議論の的になる。確かに年齢的な衰えは隠し切れず、コンディション面への不安もあったが、J1残留争いの中で見せた勝負強さはW杯の舞台でも日本を救えるものだと感じさせていただけに残念だ。  さらに問題は、前線で体を張って攻撃の起点になれるFWが上田綺世のみである点だ。その上田も最大の武器は素早い動き出しからの「裏抜け」にある。日本の強みである両サイドのスピードを生かすためにも、「守」から「攻」に移る際に中央でボールを収められるポストプレイヤータイプのFWが必要。9月のアメリカ戦でハマったハイプレス戦術が理想なのかも知れないが、ドイツ、スペイン相手には簡単にいなされ、通用しない可能性がある。そうなった場合、どのようにして攻撃するのか……。  彼ら以外にも多くの候補者がおり、考え方ひとつで選出メンバーも変わってくる。果たして今回、森保監督が選んだ26人は最適だったのか。サプライズ選出がなかった今回のメンバー発表だが、サプライズ落選が多かっただけに、その疑問と不安が残る。この意見を黙らせるためには「結果」しかない。日本にとって7度目のW杯、「この26人で良かった」と納得できる戦いをカタールの地で披露してもらいたい。(文・三和直樹)

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    羽生結弦の担当記者が語る「好き」なところは? 「ちくしょう」「このやろう」みたいな負けん気

     フィギュアスケートで世界を魅了してきた羽生結弦さん。他では見たことのない羽生さんの姿をとらえた写真と、プロ転向後のいまの思いを語った独占ロングインタビューを収録した『羽生結弦 飛躍の原動力』(AERA特別編集)を13日に発売しました。発売を記念して、このインタビューを担当した朝日新聞スポーツ部の後藤太輔記者とAERA編集長の木村恵子が「#アエライブ」で対談した内容を3回に分けてお届けします。全3回の3回目。 【記者たちも“虜”に 「フィギュア話なし」の食事会でも、つい羽生結弦の話に…】から続く *  *  * 後藤太輔(以下、後藤):どんなスポーツを取材するときもそうですが、見たままではわからない、その裏側にあったものは何なのかという、裏話みたいなものを我々記者はなるべく書きたいと思っています。でも、初めてそのスポーツを取材に行くときって何も用意がないから、不安じゃないですか。新しくフィギュア担当になった記者が羽生選手の取材に行くとなったとき、「どうしたらいいですか」という質問を受けたことがあります。でも、経験者的には、「大丈夫。何かあるから」と。 木村恵子(以下、木村):おおー! 後藤:「何か喋ってくれるし、何かやってくれるから」って。だから、記事に書くのは難しくない。もちろん、どれにフォーカスするかというのは難しいところですが、羽生さんの場合「何も書くことがないということはないから大丈夫」と言える選手です。  先日も、短時間のインタビューで緊張していた記者に声をかけてもらったんですが、「大丈夫です。喋りますから」と返したことがあります。実際、5分10分くらいのインタビューでもちゃんとした記事を書ける話をしてくれる。 木村:これまでの集大成のような質問になりますが、「後藤さんから見て、羽生さんの『ここがすごい』ではなく、『ここが好き』というところは」。どうでしょうか? 後藤:今となってはあまり見られないかもしれませんが、(羽生さんは)すごい負けず嫌いなんです。みなさんご存知だと思うんですけど、たまに言葉や喋り方にその負けん気が見えるときがあるんですよね。「ちくしょう」「このやろう」みたいな。ああいうのがね、好きなんですよね。  いつも恭しくて、明るく笑ってくれて、優しいというのが、今の羽生さんの大部分を占めていますが、たまにその負けん気の強さが垣間見えるんですよ。やっぱり、いいですよね。人間らしいというか、人間だものというか。そりゃ悔しいことがあるし、腹が立つこと、うまくいかないことがある。スポーツってそういうもので、トラブルが起きたり、思い通りにいかないこともある。  ラグビーの名将で大西鐵之祐さんという方がいるんですが、その方が「うまくいかない状況でも自分をコントロールして、ひどい反則や相手を貶めることをしないというのを養うのにスポーツはいい」といったことを話していたことがあります。トラブルで悔しくて泣いたり、怒ったりというのがありながらも、そこでどう自分を成長させていくのか。羽生さんに限らず、そのときに垣間見える人間らしい感情の一面が僕はすごく好きだし、そういうのも含めて、スポーツの面白さだなと思っています。 木村:そうですよね。そして、撮影に関しても質問がきています。表紙やグラビアを撮影したのは写真家の蜷川実花さんですが、氷の上とは違う表情をとらえました。「羽生さんが自らがポーズを決めたのか」ということですが、クルッと回ったり、跳んだりというのはご自身から自然と出た感じでしたね。 後藤:衣装が生きる動きをしてみたりとか。 木村:阿吽の呼吸というとその通りですが、蜷川さんがカメラを構えて、レンズを向けられると自然と動きが出るというか。後藤さんがおっしゃるように、そのときの衣装が生きるようにしていましたね。あと、地上で練習されることもあると思いますが、その延長なのか身軽で。くるっと跳んだり、そのたびにうわーっとなりました。 後藤:話を聞くときもそうですが、やっぱり自分で何かを生み出すというか、そういうのが好きなんでしょうね。自分からやる、ということ。 木村:それこそ、モデルさんみたいに自分で動くことを学んでいるわけではないですけど、自然にやられていましたよね。それはびっくりしました。そして、「表紙の写真はすんなり決まりましたか?」という質問も。たくさん写真があったので、正直迷いましたね。 後藤:相当な枚数がありますよね。 木村:今回、静止で前を向いているというのとも違って、惹き込まれますよね。今回撮り下ろさせていただける貴重な機会なので、これまでに見たことのない、蜷川さんとコラボしたからこそ生まれた写真を届けたいという気持ちが強かったですね。そのなかで、どうすれば一番素敵に見えるかというものを組み合わせてお届けしています。SNSの感想を見ていると、みなさん気に入ってくださっているようですごくうれしいです。 後藤:表情も本人が自ら変化させていましたよね。 木村:そうですよね。それこそ、「笑ってください」とお願いすることもなかった。 後藤:なかったですね。自分で笑ったり、角度を変えたり。 木村:睨んでみたり、という表情もありますが、それもお願いしたわけではなく。「お気に入りのショットは」という質問もあります。後藤さんはどれがお好きですか? 後藤:僕は開いた最初にある一枚ですね。本人の顔だな、というか。自然な感じが。 木村:扉の直後にある、ページで言うと1ページ目ですよね。後藤さんに伺ったので私のお気に入りも言っておくと、正直全部好きですが、7ページです。 後藤:全身が写っていて、ちょっと膝が見えている。 木村:この世のものとは思えないスタイルですよね。さすがの世界を極めた人、というのを実感しました。 ――「羽生さん独特の感情表現はありますか」という質問がきました。 後藤:原動力の話を聞いているなかで、自尊心や自己肯定感についての質問をしたんですね。僕は自尊心はあったほうがいいものだという前提で聞いたんです。でも、やっぱり質問者に合わせず自分の考えを言ってくれる人だから、羽生さんの言い回しとしては「自信は僕もないですよ」と。「でも、それより先になりたい自分があるかどうかじゃないか」と続けるんです。そこは独特ですよね。自信があるかないかではなく、本気でなりたい自分になろうとしているのか、という話をしていました。  羽生さんの練習仲間で、中村健人さんという引退した選手がいるんですが、その方に話を聞いたときも、「勝つんだ」「金メダルを取るんだ」というところが明確でした。そこが強いですね。オリンピック金メダルと言うと、誰もが目指せるものではありません。でも、それぞれの理想というのを常に明確に書き残したほうがいい、と話していました。 木村:今回、書籍のなかには、朝日新聞やAERAで報じてきた2007年から2022年までの羽生さんの記事を収録しています。もちろん全部ではありませんが、節目節目の記事は全部入れているので、小さいときからの思いの変遷とか、変わらないところとか、それもすごくわかる一冊です。私も記事を時系列で読んでいきながら、その時々の思いの揺らぎだったりとか、詰まっているなと思いました。記事をたどるだけでも、羽生さんの真髄がわかる一冊になっています。 木村:配信終了が近づいてきましたが、フィギュアスケートを報じる記者の方の集まりがあるとか、そんなことを知れたのもおもしろかったです。 後藤:今度座談会をしたいね、なんて話もしています。 木村:おもしろそう! 後藤:会社をまたいで、そういうのをやってもいいんじゃないかな、なんて。 木村:それもぜひ実現していただきたいです!   そうだ。今回は、全国の色んな書店さんで『羽生結弦 飛躍の原動力』を大きく展開していただいているんです。それぞれの書店さんが工夫してくださっていて、それを見ていても、羽生さんの人を惹きつける力を感じています。それぞれの書店さんが、この本を一冊でも多くの人に手にとっていただききたいと工夫されていて、本当にありがたいと思っています。 木村:さて後藤さん、長い時間にわたってありがとうございました。最後にメッセージ、いかがですか? 後藤:今回、40分という本当に貴重なインタビューの時間をいただきました。こんなに時間をいただいたのは、ソチオリンピック前以来です。ずっと聞きたかったことをじっくり聞かせていただいて、原動力やその原動力の原体験について、真剣に答えていただいて。とてもいいものができたと僕自身も思っています。ぜひ読んでいただければと思います。 木村:ありがとうございました! (構成/編集部・福井しほ) ※AERAオンライン限定記事

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    森保ジャパン大逆転劇は奇跡ではなく「ドーハの必然」 選手が次々明かす監督采配に“信頼”の声

     日本中が興奮のるつぼと化したドイツ戦での勝利。その驚くべき結果に、世界中が目を丸くした。日本のサッカー史に新たな1ページを加えたのは、見事な采配で大逆転劇を演出した日本代表・森保一監督だ。大一番となる27日のコスタリカ戦を前に、現地カタールから選手の声を交えて、彼の“思考”を読み解く。 *  *  *  前半の劣勢も、後半の攻勢も、森保一監督にとっては織り込み済みだった。相手は強豪国ドイツ。先制を許せば、敗色濃厚。だが、日本はこれまで見せてこなかった戦いをこの大一番で実践し、見事な逆転劇を演じてみせた。  前半33分にドイツにPKを決められた時点で、後半の展開を予想できた人はほとんどいなかったのではないか。しかし、当事者である選手たちにとっては、想定内だったという。理想は0-0でハーフタイムを迎えることだったものの、0-1のケースもあらかじめ想定していたと、吉田麻也キャプテンは試合後に明かした。 「失点はプランではなかったですけど、プランどおり我慢してブロックを作って、後半サイドの選手が違いをつくる、スペースができる、我慢してショートカウンターを打つ。あまりにもプランどおりに事が進んでびっくりしていますけど、そのとおりにいったことは素晴らしかった」 ■選手が語る3バックの“評価”  大逆転劇の要因として大きかったのが、後半開始時のシステム変更だ。  日本は4-2-3-1から3-4-2-1へ形を変えた。2020年の欧州遠征のパナマ戦では試合開始から、カメルーン戦では後半からテストしたことはあったものの、最近はもっぱら試合終盤に採るシステムだった。  ただこの日は、1点を追う状況で後半開始から採用した。前半自陣に押し込まれた状況を改善するためだ。ドイツのトップ下で自由に動くミュラーと頻繁に左サイドから内側に入って来るムシアラのプレーに悩まされ、さらに相手左サイドバック、ラウムの進出を許したために、前半の日本は長い時間、自陣でのプレーを強いられた。チームコンセプトである「良い守備から良い攻撃」を実践するためには、まず守備の安定が欠かせない。そのための一手が、3バック(5バック)の採用だった。 「後半、(うしろを)5枚にしてマンツーマンのようになったので、あとはもう自分の目の前の敵に勝てばいいだけになった。役割はシンプルになりました」(酒井宏樹) 「前半、難しい時間帯が続きましたけど、後半、相手をハメにいった中で1対1にフォーカスすることができたし、やらせないっていう思いでした。僕だったらムシアラ選手と対峙することが多かったですけど、絶対にやらせないという思いでやっていました」(板倉滉) 「前半は本当に酷くて、これが個人的に初めてのワールドカップで、あのままの形で終われば、間違いなく僕は過去最悪の試合だったと思う。一生後悔するような内容だったと思いますけど、森保さんがしっかりフォーメーションを変えて自分たちが勇気を持ってプレーしたことによって、結果を得られたと思う。自分たちが普段リーグでやっている選手が多いので、ああやって対等に渡り合えば、どこのチームともいい試合ができることを証明できた。そういう面で今日は本当に全ての選手が良かったと思うし、森保さんの采配が全てだったかなと思います」(鎌田大地)  鎌田はさらに「守備がハマっているということで、頭の部分のストレスがみんな無くなったと思うし、3バックはフランクフルトで常に僕がやっているフォーメーションだったので、明らかに前半よりもボールに触れるようになって、良かったかなと思います」とも話している。 ■森保が証明した「いつでもできる」  2021-2022シーズンのヨーロッパリーグで鎌田が所属するフランクフルトは3バックを用いた見事な戦いぶりでバルセロナを下した。その直後、筆者は日本代表における3バック採用の可能性について森保監督に尋ねたことがある。返ってきたのは、「日本人には4バックが合っている」「4から3はできるが、3から4に変わるのは難しい」「(今の選手なら)3バックはいつでもできる」という答えだった。  その時に聞いた「いつでもできる」という言葉を今回、森保監督は証明した。  ドイツ戦の4日前から実施された非公開練習でも3バックに特化した練習は行なっていないと、指揮官も選手たちも話している。それでも遠藤航によれば、「別に(練習を)やっていなかったですけど、常にオプションとして持ってるということは、(森保監督が)チームに話してくれていたし、それがじゃあ守る展開なのか、(点を)取りに行く展開なのかで、やるみたいなことは言っていた」と、常に意識してきた形ではあったという。この大一番で点を取り行くために「いつでもできる」3バックを採用し、見事に結果につなげたということだ。 ■W杯本番で超攻撃的陣容  システム変更とともにもう一つ、逆転の要因として語り落とせないのは、終盤のカードの切り方だ。  3バックの採用に伴い、46分に久保建英に代えて冨安健洋をピッチに送ったのは、わかる。57分に長友佑都に代えて三笘薫を左ウイングバックに入れたのも1点ビハインドの状況にあり、ゴールを取りにいく必要があったので理解できる。三笘の背後に冨安が構えており、日本が誇るドリブラーの守備の負担を軽減しつつ、バランスを保てるとの判断もそこにはあったかもしれない。  同じく57分に前田大然に代えて浅野拓磨をピッチに送ったのも、前半から相手DFにプレッシャーをかける役割を担った前田の消耗を考慮し、浅野の一発に期待した交代と考えればわかりやすい。いわば、想定内の交代だろう。  ただ、ここからの采配は驚きだった。森保監督は、ドイツの予想の上を行くカードを切っていく。  71分に田中碧に代えて堂安律、75分には酒井宏樹に代えて南野拓実をピッチに送った。酒井がベンチに下がったことで、右ウイングバックはシステム変更に伴い、右サイドハーフから右シャドーにポジションを変えていた伊東が担当。両ウイングバックが左は三笘、右は伊東で、ともに純然たるアタッカーになった。そして3-4-2-1変更後、左シャドーでプレーしていた鎌田はボランチに下がった。フィールドプレーヤーは、6人の攻撃的な選手と3人のCBと守備能力の高いボランチの遠藤という構成。超攻撃的な陣容で日本はゴールを奪いにいった。  その結果、堂安律が同点ゴールを決め、浅野拓磨が逆転ゴールを記録した。このチームは逆転勝利の少なさや、攻撃的な采配が少ないとされてきたが、何より重要なW杯本番で、強豪ドイツを後手に回らせる手を打ち、勝利をつかみ取った。  森保監督はシステム変更の意図について、こう説明する。 「相手にボールを握られて、かなり大きく揺さぶられていたところがあったので、3バック、そして5バックということで、相手の揺さぶりに対してケアしようと考え、システムを変更しました。かつ、直近の親善試合のカナダ戦の時に、相手に合わせて良い守備ができれば、われわれがボールを握るというところもチームとしては自信を持っていました。ですから幅の部分をケアして攻撃に厚みをもたらすシステムということで、選手たちは理解してくれていたと思います」 ■指導者として大きな成長  2012年から2017年途中までのサンフレッチェ広島の監督時代にも同じ3-4-2-1を用いてJ1を3度制覇しているが、当時は守備の局面で帰陣することがベースだった。素早く引いてブロックを組み上げ、相手の攻撃を防いで、ボールを奪ったら3-4-2-1から4-2-5に可変して攻める。それが基本。当時とは比べると形は同じでも趣は大きく異なる。  日本代表では後ろを相手と同数にしても守り切れる選手がそろっていることもあり、よりアグレッシブに前に出ていくことが可能になっている。だからこそ、攻撃的なカードも切れたに違いない。過去を振り返っても森保監督が、90分の中でこれほど攻撃的な手を打ったことは記憶にない。隠してきたわけではないだろうが、指揮官も指導者として成長してきたということだろう。  大会前、常に日本サッカーの発展を願う森保監督は、自らが経験した「ドーハの悲劇」を「ドーハの歓喜」に変えると言った。まだ1試合が終わっただけだが、最善の準備をして、状況に応じた選択をし、あのドイツを破った。その過程を知れば、今回の勝利は奇跡ではない。あえて言うなら、「ドーハの必然」だろう。 (ライター・佐藤景)

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    「クソくらえです!」岡田将生の主演ドラマは「ドクターX」のナース版?

     漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「ザ・トラベルナース」(テレビ朝日系 木曜21:00~)をウォッチした。 *  *  *  特定の病院に所属せず、短期雇用で病院を渡り歩くさすらいの「トラベルナース」。いわば「ドクターX」こと大門未知子(米倉涼子)のナース版だ。  脚本も同じく「ドクターX」の中園ミホだけに、物語自体はものすごく安定感ある老舗の味。  ナイチンゲールを尊敬する熟練スーパーナース・九鬼静(中井貴一)。  大門未知子が「いたしません!」なら、こちらは「(働き方改革、常識などなど)クソくらえです!」と、毎度発する決めゼリフも抜かりなし。  そんな九鬼とタッグを組むのは、アメリカ帰りのNP(=ナース・プラクティショナー。一定の医療行為を実施できる看護資格)・歩ちゃんこと那須田歩(岡田将生)。  仕事はできるがプライド高め、医者に対しても上から目線な彼に、九鬼は言い放つ。「プライドだけがムダに高く感情を制御できない馬鹿ナース。リスクヘッジもできないクソガキです!」  歩ちゃんがキーッ!となるまでがお約束のくだり。なんだこの風呂ずっと入ってられる。そんな適度な湯加減の展開だ。 「医者は病気を診て病気を治し、ナースは人を見て人を治す」という九鬼の名セリフ。  これまた中井貴一のあの顔、あの声、あの分け目(髪の)で言われると説得力100パーなのよ。で、CMになるでしょ。また中井貴一なのよ。 「僕には、愛されて育つ苗木の気持ちがわかるんだ」。貴一が言うならきっとそうに違いないミキプルーンのCM。だって貴一ったら、1997年から26年間も出演し続けてるんですよ、ミキプルーン。こんなに同じ人が継続してるCMって「もっともっとタケモット」の財津一郎くらい!?  そして恐るべきことに気づいてしまいました。ミキプルーンの貴一、26年前からずっと髪の分け方変わらねぇ! そら、苗木の気持ちも患者の気持ちもわかりますわ。 「ドクターX」では病院長への手土産に必ずメロンを持参するけど、貴一はぜひミキプルーンで。  さてこのドラマは一話完結。一話の患者名は一村と一ノ瀬。二話は二階堂で三話は三雲と三上。四話が四方田で五話は五反田と、話数と患者名の数字が一致する。  となると九話の患者は、まさかの九鬼? スーパーナース倒れる? どうするどうなる、ミキプルーン飲みながら待つ。 カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など※週刊朝日  2022年12月2日号

    週刊朝日

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    もしかして「冬季うつ病」? 「寝ても寝ても眠い」「甘いものを欲する」通常のうつ病との違い

     寒さが厳しくなってくるこの時季、気分が落ち込む、疲れやすい、十分寝ているのにまだ眠い、甘いものを無性に食べたくなる、人と会うのがおっくう……といった症状に悩まされていないだろうか。もしかしたら「冬季うつ病」かもしれない。特徴的な症状やセルフケア、治療について専門家に聞いた。 *   *   *  SE(システムエンジニア)の鈴木真希子さん(仮名・28歳)は、2年前の11月ごろから出勤しようとするとめまいがするようになった。頭痛や吐き気を感じることもある。週末は15~16時間も眠り続けてベッドから起き上がれず、友人から誘われても出かけるのがおっくうで断ることが増えた。食べても食べても満たされず、家の中に食べるものがなくなると、夜中にコンビニに駆け込むことも。出勤できない日も多くなっていった。仕事で大きなストレスを感じているわけではなく、会社にはできれば行きたい。上司のすすめで精神科を受診したところ、冬季うつ病と診断された。   冬季うつ病と通常のうつ病との違いについて、「冬季うつ外来」を実施している朝がおクリニック(東京都日野市)院長の工藤吉尚医師は、「過眠と過食」と話す。 「気分の落ち込みなど、うつ病の主な症状にはほとんど違いはありませんが、違いが出やすいのが食事と睡眠です。通常のうつ病は、不眠や食欲の低下などが現れやすいのですが、冬季うつ病では逆に寝過ぎや食べ過ぎになるのが特徴的です。そのほか、一度発症すると毎年繰り返しやすいのが特徴で、20~40代の女性に多いという報告もあります」  冬季うつ病の主な症状には、次のようなものがある。 ・気持ちが落ち込む・今まで楽しんできたことが楽しめない・ぐったりして疲れやすい・活動量が低下・眠気が強く睡眠時間が長くなる・甘いものが欲しくなる  冬季うつ病は「季節性感情障害」(季節とともに症状が出たり消えたりするうつ病)の一つで、秋の終わり、または冬のはじめに発症し、春と夏の間に消失する場合に冬季うつ病と呼ばれる。1984年に精神科医のローゼンタールらにより「冬季うつ病」として初めて報告された。病気の発症時期として季節性があるのがポイントで、明らかな心理的原因となる出来事がないこと、少なくとも2年間冬季に症状が出ていることが診断の条件だ。  主な原因と考えられているのが、日照不足だ。 「うつ症状は脳内物質の一つであるセロトニンが不足すると、出現しやすくなります。セロトニンは、日光を浴びると分泌されやすくなるため、日照時間が短い冬にうつ症状が現れやすくなるのです」(工藤医師)  冬季うつは、高緯度地域すなわち北国に多いとされている。しかし低緯度地域(南国)でも天候が不安定になりやすい場所では発症率が高くなる。また、日本で実施された調査でも、秋田市や札幌市など日照時間が短い地域ほど、冬季うつ病になる危険性が高い人の割合が多いことが報告されている。  さらに女性は男性の4倍冬季うつ病にかかりやすいと言われ、特に20~40代の女性に多いという報告があり、注意が必要だ。 「思春期や出産前後、更年期、老年期など、女性ホルモンのバランスが崩れやすく、心が不安定になりやすいライフステージにいる人は、気をつけたほうがいいでしょう」(工藤医師)  また工藤医師は「コロナ禍の生活習慣の影響で、冬季うつのような症状を訴える人が増え、高校生や大学生からの相談も多くなっている」と指摘する。 「リモートワークやオンライン授業が普及したことで室内での作業が続き、太陽に当たる機会がさらに減少していることが影響している可能性があります」 ■照明を明るくするだけでも予防策に  自分が冬季うつかどうかを知るには、気分や睡眠が季節によってどれだけ大きく変動するかがわかる「Seasonal Pattern Assessment Questionnaire (SPAQ)」というチェックリストが目安になる。  合計点が7点以下であれば季節変動が「正常範囲内」、8~11点であれば「冬季うつの前段階」、12点以上は「冬季うつの可能性がある」とされている。  冬季うつの前段階または、可能性がある場合、日常生活ではどのような点に気をつければいいのか。工藤医師に五つのポイントを挙げてもらった。 (1)太陽の光を浴びる 日照時間の短い時期はできるだけ屋外に出て、日光に当たること。仕事などの関係でそれが難しい場合は、自宅や仕事場の照明を明るいものに取り換えることも予防策になる。 (2)トリプトファンを含む食材を意識する 過食は、セロトニン不足を補おうとする行為だと考えられる。このため、セロトニンの生成を促すトリプトファンを含む食材を意識することが大事だ。<トリプトファンを含む食材>肉類、魚介類(ブリ、イワシなど)、豆腐、のり、バナナ、牛乳、チーズなど <トリプトファンの吸収を助ける食材>ビタミンB6(マグロ、ニンニク、鮭、ゴマ、抹茶など)やビタミンB12(青魚、カツオ節、イカ、レバーなど)  うつ症状が軽快すれば過食もおさまるので、無理に抑制したり、自己嫌悪感を持ったりする必要はない。  また、 (3)ウォーキングなどの運動をする 気分が落ち込んでいたり、イライラに悩まされていたりするときには、ウォーキングなどの運動が効果的だ。活発な運動によって、気持ちをコントロールする神経伝達物質の一つ「ドーパミン」が分泌される。日光のもとで早歩きすると、さらに効果的に。 (4)自分の感情を話せる人を見つけておく 一人で悩んでいると、気持ちの落ち込みが余計に増大するため、気持ちを誰かに話してみることが大切。自分の気持ちを話せる相手がいなくても、誰かとおしゃべりするだけでも効果的。 (5)睡眠スケジュールを安定させる 冬季うつ病の発生には「体内時計」の乱れも深く関係していると言われている。日照時間は体内時計を調整する作用があるため、日照時間が短くなる冬は、「時差ぼけ」のような状態に近くなる。(1)~(4)を意識した生活を送っても、睡眠スケジュールが不規則な生活だと何もかもが乱れてしまうことに。おおよその就寝時間・起床時間を決めて睡眠スケジュールを安定させよう。  こうした対策をしても症状が改善しない場合や日常生活に大きな支障がある場合、治療が必要となる。  治療は、通常のうつ病と同様に「選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」や「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)」といった抗うつ薬が中心となる。  また、冬季うつ病患者の6~7割に効果があると言われているのが「高照度光療法」だ。毎日特定の時間帯に数千~1万ルクスの強い人工光を1時間程度浴びる治療で、冬季の日照不足を補う。  そのほかネガティブな考えをポジティブな考えに置き換える「認知行動療法」も冬季うつ病の回復や再発予防に効果があるという報告がある。 「冬季うつ病は季節性とはいえ、長引くと1年の半分近くは調子が悪い状態が続き、睡眠が乱れたり、体重が増えたりするほか、仕事ではコミュニケーションがうまくいかず、生産性が落ちるなど生きづらさを感じます。寒くなってから気分が上がらない、寝ても寝ても眠いといった症状が2週間以上続くようであれば、精神科や心療内科への受診を検討してみてください」(工藤医師) (文/中寺暁子)

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    お金持ちはATMでキリのいい額を下ろさない? ゲッターズ飯田が見つけたお金持ちが意識的にやっている4つの習慣

    「芸能界最強占い師」として知られ、25年間で6万人以上を無償で占い続け、新刊『ゲッターズ飯田の五星三心(ごせいさんしん)占い2023』も話題のゲッターズ飯田さん。今回は、飯田さん がこれまで多くの人を占い、話を聞いてきたなかで気づいた、多くのお金持ちがやっている習慣を教えてもらいました。(『ゲッターズ飯田の金持ち風水』(朝日新聞出版)より一部抜粋、再編集) ■その1 お金持ちになる人は、なくても「お金はある」と言う  あるお金持ちに、「たとえお金がなくても、“お金はある”と言った方がいい」と教わったことがありました。「お金は“ある”と言うところに集まるんだよ」と……。  どういうことかと言うと、せっかく誰かに誘われても、「お金がないから」と断ってしまうと、相手は次に誘えなくなるからです。お金のない人が急にお金持ちにはならないし、誘いを断ってしまう人はお金を使いたくない人。  また、「お金がない=運気が悪い」という意味でも避けられてしまいます。お金がないときほど人とのつながりが大事なのに、それをわかっていないのです。  この話を聞いてからは僕も、「お金はあります」と言うようにしています(笑)。  お金持ち いわく、「お金がないと言っていると、本当になくなる」とも。自己暗示をかけてしまうのですね。 ■その2 「キリのいい額」でお金をおろさない  あるお金持ちから、「ATMでお金を引き出す際、3万円などとキリよくせず、2万8千円のように、くずしておろした方がいい」と聞いたことがあります。  理由は、あらかじめ千円札にくずしておいた方が、いくら使ったかを意識しやすくなるから。例えば、千円札5枚の中から2千円を使うと、残り3枚と意識に刻まれますが、1万円札で払うとそこで細かいお札が急に増え、いくら使ったかがわからなくなりやすい。  使った額を細かく意識できる人は、お金持ちになれます。 ■その3 「通帳を3つ以上」に分ける 「貯金したいなら、通帳を3つ以上に分けるといい」。  これは「目的を明確にする」という方法です。例えば、マイホーム貯金、旅行貯金など、「○○したい」という目標をしっかりと掲げ、通帳を分けることで、そのお金に手を出すのを食い止めることができます。  さらに「小分けにする」と管理しやすく、収支が曖昧になりません。目標は、漠然と願っているだけでは、なかなか達成しません。人間の意志は弱いもの。言い訳して怠なまけてしまう気持ちに歯止めをかけるテクニックです。 ■その4 「財布」も「お金」もきれいに使う  財布には「お金に対する意識」が表れます。  お金持ちは、お金を大切に思っているのと、お金に対して感謝の気持ちがあるので、丁寧に扱います。だからお金持ちは、財布もお金もきれいなんです。ボロボロの財布でお札がグチャグチャになっているのを見たら、「お金に無神経な人なんだな」と思うでしょう。  お金は人に渡す道具です。そこには気持ちが表れます。スポーツ選手が自分の道具を大切にするように、お金持ちもお金を大切な道具と考え、大切に扱います。 ※『ゲッターズ飯田の金持ち風水』より ◎ゲッターズ飯田/これまで6万人を超える人を無償で占い続け、20年以上占ってきた実績をもとに「五星三心占い」を編み出し、芸能界最強の占い師としてテレビなど各メディアに数多く登場する。『ゲッターズ飯田の五星三心占い』は、シリーズ累計800万部を超えている(2022年9月現在)。5年連続100万部を出版し、2021年は年間BOOKランキング作家別1位(オリコン調べ)と、いま日本で一番売れている作家。

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    無冠の大谷翔平は「野球界で最高の選手」現地メディアから同情の声が相次ぐ

     まさか大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)が無冠に終わるとは、誰も想像していなかっただろう。17日(日付は全て現地時間)、BBWAA(全米野球記者協会)記者の投票による今季のMVPが発表された。注目されていたア・リーグは、リーグ新記録の62本塁打を放ったアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が30票中28票の1位票を得て、自身初のMVPに輝いた。  最も、ある意味では事前の予想通りの結果ともいえる。しかし、大谷の2年連続のMVP受賞も期待されていただけに、ファンから落胆の声が上がっている。オンライン最大のファンサイト『エンゼルス・ウィン.com』を主催するチャック・リヒター氏は「私は大谷選手がア・リーグMVPを受賞するべきだと考えていましたが、投票者は古風な考えを持っているようですね。アーロン・ジャッジが今シーズン、ロジャー・マリスを超える本塁打記録を打ち立てましたが、それがMVP投票で有利になったようです」と憤慨。  メディア関係者も大谷が無冠という事実に首をかしげる。スポーツメディア『スポーティング・トリビューン』のテイラー・ブレイク・ウォード記者は「(MVPを獲得した)昨季よりも優れた成績を残した大谷選手に(何の)賞も与えられないのは残念だ」と意見を述べた。  今季の大谷は、投手としては15勝9敗、防御率2.33の成績で規定投球回数もクリア(166イニング)。打者では、メジャーでは自己最多の160安打に加え、34本塁打とエンゼルスを牽引した。満票MVPを受賞した昨年を上回る活躍で、それがどう評価されるかは現地でも注目が集まっていた。  しかし、冒頭のMVPをはじめ、前日(16日)に発表されたサイ・ヤング賞では、ア・リーグはジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)が満票で受賞し、大谷は4位。ほかにも、10日に発表されたシルバースラッガー賞(ポジション別に打撃が優れた選手を選出する打撃のベストナイン)では、大谷は指名打者と今季新設されたユーティリティーの2部門にノミネートされるも、いずれも落選。今季の大谷はこれら主要な個人賞の受賞はなかった。地元記者の中には、現在の受賞者の選出方法に疑問を投げかける者もいる。  ウォード記者は、「各賞の要素が複雑で、大谷選手を難しい立場に追いやっている」と指摘し、次のような持論を展開した。 「シルバースラッガー賞に関して言えば、指名打者部門はヨルダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)の受賞は妥当だと思います。しかし、ユーティリティー部門の落選は理解できません。そもそも(同部門の)基準がよくわかりません。大谷選手は候補者の中でも明らかなベストヒッターだった。大谷選手のポジション(投手と指名打者)は考慮されるべきで、彼が受賞を逃すというのは筋が通らない」  同記者はサイ・ヤング賞についても「大谷選手(の成績)はトロント・ブルージェイズのアレック・マノア(3位)に匹敵すると強く信じていたので、彼は少なくとも最終候補になれたと思うのですが」とファイナリスト不選出を悔やむ。ただ、今季のファイナリストには「理にかなっている」と述べ、強くは反論しなかった。しかし、MVPの選出については別だ。 「MVPについてですが、私は大方の意見と同様、大谷選手とジャッジはMVP級の活躍をしたし、球史に残る素晴らしいシーズンを過ごしたと思っていますので、2人は同じように評価されるべきだと考えています」と述べる。しかし、現地の報道について「東海岸と西海岸では偏りがあった」と非難。実際、今回の投票結果を見ればウォード記者が憤るのも無理はない。BBWAAが17日に公表した投票者の内訳によれば、大谷に1位票を投じたのはエンゼルス地元から選出された有権者2人だけ。  一方、ヤンキースが地区優勝を果たしたことが大きく影響した、との指摘もある。エンゼルス専門メディア『ヘイローズ・ヘブン』のジェイコブ・シスネロス記者は「サイ・ヤング賞やMVPを逃しても大谷選手の価値が下がるわけではないが、彼のようなMVP級の選手は今後、(受賞するためには)チームを優勝に導くことが求められていくのかもしれない」と述べ、今後「MVP=優勝チームの選手」という構図になる可能性に警鐘を鳴らす。  そして各記者は、MVPのあり方についても言及。ウォード記者は次のように意見する。 「アーロン・ジャッジは(ア・リーグの本塁打)記録を塗り替え、MVPにふさわしい選手ですが、彼は一度もピッチングをしていません。とはいえ、今季の大谷選手はジャッジが打席でやったようなことはしていないので、実際にどちらがより素晴らしいシーズンを送ったかは、今後も議論が続くでしょうね。ただ、私は、”Value”(価値)というのは、(投票する記者たちの)私見以外では測れないものなので、この賞の文言は変える必要があると主張したいですね。確かに選手の価値はWAR(投球、打撃、走塁、守備を総合的に評価し、選手の貢献度を数値化したもの)などの高度な指標で区別することができます。たしかにジャッジのWARは高かかったが、大谷選手のように二刀流ではないので、正直どちらが優れているなんて言えません」  このように、ウォード記者は今回の結果を踏まえ、今後は様々なポジションの選手を公平に評価できる方法を考えていくべきだと主張する。 「2022年の野球界で最高の選手は大谷翔平だと思うが、(現在のような)個人賞で括ってしまうと、大谷選手に賞を与えることが出来なくなる。たとえ、他のどの選手よりも努力し、高いレベルでプレーしていてもです。大谷選手は去年(2021年)にすでにコミッショナー賞を受賞していますが、今年の方が同賞にふさわしいぐらいです。とにかく、今年の彼が無冠ということに納得がいきません。もっとも、彼は賞にこだわっているわけではないようなので、今回の結果が今後に影響することはないでしょうが。しかし、22年に彼の活躍に対しては何かしら表彰されるべきです。それぐらいチャンスは十分にありました」  前出のシスネロス記者も同じような主張を述べた。 「昨今、選手にとって個人の称賛は陳腐化しつつあります。私は大谷選手はMVPに値する選手だと思いますが、個人を称えることが無価値になる時期が来るかもしれません」  今年のMLB争いは、最後の最後まで多くの論争を巻き起こした。現在のアメリカの投票方法や選考基準が、大谷という唯一無二の存在とその並外れたパフォーマンスに追いついていないや、歴史的な活躍が形に残らなかったと、憤りを感じる現地識者は多かった。(澤良憲/YOSHINORI SAWA)

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    本田圭佑のW杯「オレ流」解説 「さん付け」や「監督目線」など独特な手法に称賛の声

     23日に行われたカタールW杯初戦で、日本代表がドイツ代表に2-1で逆転勝利を飾った。日本のサポーターだけでなく、世界中のサッカーファンにも衝撃を与える大金星だったが、この熱戦で株を上げたのは、森保一監督や選手たちだけではない。  サッカー元日本代表の本田圭佑が、ドイツ戦を生中継した「ABEMA」で解説者としてデビューした。試合のポイントを的確に指摘した解説に加え、「マキ、見た? 麻也の切り返し。ナイス麻也!」と熱のこもった口調でピッチリポーターを務めたJ1神戸の槙野智章に話しかけるなど、本田ワールドを繰り広げた。  SNS上では、「本田さんの解説、分かりやすい上に日本代表の修正ポイントを教えてくれるから楽しい」、「本田の解説、中毒性がある。一緒に酒飲んで隣で解説を聞いている感覚になる。本田監督で日本代表を見たい」など絶賛のコメントが。この試合で視聴者数が1000万を突破し、開局史上最高を記録したことを発表したABEMAの藤田晋社長は自身のツイッターを更新。「やった!!!本田さんの解説も最高だった!」と綴った。  本田の「忖度しない解説」を視聴者は新鮮に感じたのだろう。前半戦でドイツが4バックから3バックになり、厚みを増した中盤で一方的に押し込まれた場面では、日本代表に「5バック3ボランチに(フォーメーションを変更)したほうがいい」と提案。良いプレーには敵味方関係なくたたえる。「ギュンドアンうざいな。日本がどこで受けたら嫌か分かっている」と独特の言い回しで評価。0-1の前半30分にMF堂安律が押し込んで同点弾を奪うと、「決めるんです。決める奴が」と声を弾ませた。さらに途中出場の三笘薫が左サイドで攻撃の起点になると、「めっちゃ面白いなあ。三笘さんに入ると何か起こる」と絶賛。三笘が左サイドで仕掛ける際に、味方選手がフォローに行くと、「行かなくていい。いくと(相手守備が1人)増えてやりにくくなる」と解説した。  本田は2010年の南アフリカ大会、14年のブラジル大会、18年のロシア大会とW杯に3度出場。全ての大会でゴール&アシストを挙げる史上6人目の快挙を達成している。今回の解説でも日本代表のことを「ウチ」と呼び、愛着の強さを感じさせる。一方で、年下の選手たちに敬意を払う。日本代表で共にプレーしたり、交流があったりする選手にはユウト(長友佑都)、マヤ(吉田麻也)、ヒロキ(酒井宏樹)、タケ(久保建英)と愛称で呼ぶ一方、それ以外の選手たちは「前田(大然)さん、伊東(純也)さん」とビジネスマナーで「さん付け」を貫いた。  逆転勝利が決まった際は、「とりあえずまだ落ち着こ。まだ決まってないからね。結局もう1試合勝たないといけないのは確実だから。とりあえずよくやった。とにかく一喜一憂しないようにしないで次につないでほしい」と冷静な口調に。試合後にスタジオから解説を絶賛されると、「ワインがあったらもっと面白くできる。飲酒解説ありにしましょう。常識変えましょう」と本田節で笑いを誘った。  ワールドサッカー・ダイジェストの前編集長で、現在はフリーのエディターとして活動する大類聡氏は、本田の解説をこう振り返る。 「純粋に面白かったですね。W杯はサッカーを詳しく知らない視聴者も多い。本田選手はヨーロッパのトップレベルでプレーしていた選手なので戦術面をもっと掘り下げて話すこともできるはずですが、難しい言葉を使わずにわかりやすく、視聴者に寄り添う姿勢で解説していた。ピッチリポーターの槙野選手に積極的に話しかけるなど、従来の解説者にはないスタイルだったのも新鮮でした。個性的なキャラクターで世間に認知されているし、視聴者は本田圭佑に小難しいコメントを求めていない。本人が求められている発言をどこまで意識しているのかわかりませんが、自分の思っていることを素直に口にする一方で、感情的にはならず監督や選手に敬意を払っていたことが好感を呼んだと思います」  本田はドイツ戦に続き、27日のコスタリカ戦でも解説を担当する予定だという。 「W杯に3度出場して優勝を目標に掲げていたが、ベスト16が最高だった。今も悔しい思いが当然あるはずです。日本代表の後輩たちがグループステージを勝ち上がり、さらにベスト8に進出した際は感情を爆発させるのか、それよりもっと上にいった時はどんな発言をしてくれるのか。日本代表の快進撃と共に、本田選手の解説も楽しみです」(大類)  W杯の戦前は日本国内が盛り上がっていないことに懸念の声がメディアから多く聞かれたが、ドイツ戦のジャイアントキリングにより、日本列島は熱狂の渦に包まれている。鮮やかな「解説者デビュー」を飾った本田の今後の発言にも要注目だ。(今川秀悟)

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    「結局、夫は守られなくって、佐川さんは守られた」公文書改ざん問題で赤木俊夫さんの妻・雅子さんの賠償請求が棄却

    「本当に残念です。夫が亡くなった理由を全然調べてくれることなく終わってしまったことは残念でならないです。本当に」  赤木雅子さん(51)は悔しさをにじませる。  11月25日、学校法人「森友学園」(大阪市)に関する財務省の決裁文書改ざん問題を巡り、近畿財務局の元職員の赤木俊夫さん(当時54)が2018年3月に自死したのは改ざんを強制されたのが原因として、妻の雅子さんが20年3月、当時の財務省理財局長の佐川宣寿(のぶひさ)氏に対して1650万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が大阪地裁であり、雅子さん側の請求が棄却された。  雅子さんによれば、俊夫さんは、明るくまじめ。国家公務員倫理カードを自分の手帳に挟み、「僕の雇用主は国民なんだ」と言い、国民のために仕事ができることに誇りを持っていたという。  そんな夫がなぜ、自ら命を絶ったのか。  真実を知りたい――。  その一心で、雅子さんは裁判を闘った。  雅子さん側は、佐川氏本人への尋問を第一の目標に掲げたが、実施されないまま判決を迎えた。  裁判で最大の焦点となったのが、佐川氏個人の責任がどう判断されるか、だった。雅子さん側は「赤木俊夫さんは佐川氏の指示で自死に追いやられた」として、佐川氏の賠償責任を主張。  一方で佐川氏側は、国家公務員が職務で違法行為をした場合、国や自治体が賠償責任を負い公務員個人は賠償責任を負わないとする最高裁判例をもとに、個人の「責任はない」と反論していた。学説では、国や自治体が賠償責任を負うことで被害救済が図られ、個人に対する訴訟の乱発や業務の萎縮を避けるため、とされる。  この日の判決で、中尾彰裁判長は一連の改ざんに関する佐川氏の責任を検討。国家賠償法の「公務員が職務で他人に損害を加えた時は国が賠償責任を負う」との規定に基づき、個人である佐川氏は「賠償責任を負わない」と判断。雅子さん側が求めていた謝罪や経緯の説明についても「法的義務はない」と述べた。  雅子さんは言う。 「結局、夫は守られなくって、佐川さんは守られたという思いでいっぱいです」  雅子さんは当初、請求が退けられた場合、体力的にも精神的にもきついので、控訴するかどうか悩んでいた。だが、控訴する方針だと話す。 「ここまでたくさんの人に応援してもらってきて、やはり真実を知りたい。私の闘いは終わりません」 (文/編集部・野村昌二) ※AERAオンライン限定記事

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    増加する非正規教職員「研修なし」独学で担任に 正規教員と同じ仕事でも待遇に差

     教員を確保できずに、「未配置」となるケースが全国の公立学校で相次いでいる。それに伴い、教員不足を補う非正規教員が増えている。だが非正規教員は、同じ仕事をしていても正規教員と比べて、給与や待遇面で差がある。2022年11月28日号の記事を紹介する。 *  *  *  未配置問題と切り離せないのが非正規教員に頼る構造だ。産休、育休や病休者の代替教員だけでなく、年度初めに正規教員が足りず配置できない分もフルタイムの非正規教員が入る。学級担任や部活動の顧問をすることも、もはや当たり前の光景だ。  元教員や事務職員らからなる「ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会」が文科省に情報公開請求を行って入手した「教職員実数調」を集計したところ、公立小中学校の県費負担教職員の非正規率は07年度に9.4%だったが右肩上がりに増え、21年度には17.5%に。教員の2割近くが非正規だ。  神奈川県内の小学校に勤務する非正規教員の男性(30代前半)はこう話す。 「あなたにはこの自治体で教員になる能力がありません、と採用試験で落としておきながら、『先生が足りないので、臨時で教員をしませんか』と連絡がくる。最初の数年は、受からなくても同じ仕事ができることがありがたいと思っていました。でも、学級経営や授業にも自信がついてきて、メディアで私の授業実践が紹介されたにもかかわらず不合格とされ、憤りも感じるようになりました」  非正規教員は正規教員と同じように学級担任をしていても、次年度の身分の保障もなく、給与や待遇面でも格差がある。中でも男性が特に問題だと感じているのは、研修の有無だという。 「初任者(採用選考に合格した1年目の正規教員)には研修があり、指導員もつきますが、『能力がない』と判断された非正規教員にはどちらもない。その後の年次研修もなく、大学で履修した学習以外はすべて独学です」 「調べる会」の山崎洋介事務局長も言う。 「非正規教員は年度途中に急に学級担任を任されるなど、正規教員以上に難しい対応を求められることもありますが、研修やフォローの機会も不十分なまま教壇に立つ場合が少なくありません。中には学級崩壊し、担任が病休に入ったクラスに配置され、まさにノーアウト満塁の場面で三者三振に取って学級を立て直すような人もいる。不可欠な役割を発揮する存在で、正当に評価をすることが必要です」  非正規教員の増加は正規教員の負担も増加させる。首都圏の小学校に勤める40代の女性教員は危機感を募らせている。 「私は現在の学校に勤務して5年目ですが、講師(非正規教員)の先生たちは基本的に1年で異動し、学校や地域のこともわからず、研修の機会も不十分です。講師の先生は病気休職制度などはなく、休めば職がなくなってしまう。周囲の教員が、講師のクラスの保護者との面談に一緒に入り、クラスの授業もみるなど、全力でサポートしています。同僚たちとは『誰かが欠けたら、全員で川底に落ちるね』って話しています」 (編集部・深澤友紀)※AERA 2022年11月28日号より抜粋

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    ゲッターズ飯田が直伝!運を呼び込みたいなら「バカになれ」

    「芸能界最強占い師」として知られ、25年間で6万人以上を無償で占い続け、新刊『ゲッターズ飯田の五星三心(ごせいさんしん)占い2023』も話題のゲッターズ飯田さん。これまで数多くの成功者や運をつかんだ人を見てきました。飯田さんは「運は鍛えられるものだった」といいます。そこで今回は、著書『ゲッターズ飯田の運の鍛え方』(朝日新聞出版)から、飯田さん が見出した「運を鍛える方法」を一部編集してご紹介します。 ■運の鍛え方その1 愛嬌のあるバカになる  バカになる。これは運を呼び込むコツの一つです。 「バカにする人は、バカになれる人にかなわない」と僕はよく言うのですが、人は、恥ずかしさ、プライド、自我をなかなか消せないので、他人を見下したりバカにしたりして自我を守ろうとします。でも、それが運を遠ざけるのです。  例えば、やりたい人が大勢いる中で運(成功)をつかむのは難しいこと。ライバルがいないほうが運はつかみやすいのですが、前例・好例が少ないから失敗もしやすく、それがみんな怖いのです。  でも、バカになることも、失敗も、多くの人ができないからこそ価値が出て、声がかかりやすくなります。人から話しかけられやすいと、いい話やいい縁が舞い込みやすくなるので、運は自然とよくなります。  ですから人をバカにしてプライドを保っている人より、自我を消して、愛嬌よくバカになれる人のほうが最強運の持ち主なのです。 ■運の鍛え方その2 不運を消化する!  運の悪さを感じたとき、よくよく振り返ってみると「準備が足りなかった」とか「チェックが甘かった」など、「結局、自分の不手際が原因だった」と思うこともあります。  しかし一方で、運の悪い時期にはどうにも抗えない「外からの不運」に襲われることもあります。  例えば、病気になったり、苦手な人と仕事で組むハメになったり、理不尽な仕打ちを受けたりと、避けられない「不運」がやってくるのです。  不運を分析してみると、「自分に原因があったなぁ」と思える不運と、「青天の霹靂(へきれき) 」としか思えない不運と、2種類あると思います。  自分に原因があった不運は、原因がわかれば繰り返さないようにできるし、次からは避けられるでしょう。これで不運は消化できます。  一方、どうにも抗えない不運に見舞われると「なんで自分ばかりがこんな目に遭うのか……」とネガティブな感情に襲われるもの。でも、運気の悪い周期に入るとそういうことが起こりやすいのです。 ■小さな不運との遭遇は「悪い運気の消化」  僕も、運気が悪い日にこんなことがありました。  タクシーに乗ったら、運転手さんが近道で行くと言うので任せました。すると、その道が工事中で結局遠回りすることになり、時間はかかるわお金もかかるわで、「いつもの道で行ってくれればよかったのに……」とイヤな思いをしました。  このとき腹を立てて、運転手に「安くしろ!」と言うこともできたと思います。でもちょうど運気の悪い月だったので、「よし! これで不運を消化できた」と考えました。  これは使えるワザの一つです。  誰にでも、どうしたって運気の悪いときはあります。これはどうあがいても避けられません。だとしたら、小さな不運で悪い運気を“先に”消化してしまえばいいのです。  また別の運気が悪い日に、手が滑ってコップを倒し、テーブルを水浸しにしたことがありました。でも、ここで機嫌を悪くするのではなく、しばらく水が広がるのを眺めながら「これで不運の消化ができたことにしよう」と考えたのです。  こうして小さな不運をあえて味わい、味わった後に「消化した!」と思うことで、大きな不運が来るのを避けていくのです。  ちょっとしたお祓いみたいな気もしますが、幸運と不運は同じバランスで成り立っているので、どんどん不運を味わってしまえば、悪い運気を早く済ますことができます。 「チリも積もれば山となる」の考え方で、早く消化した分だけ早く幸運もやってくると思うようにしましょう。 『ゲッターズ飯田の運の鍛え方』では、今すぐできる運気UPのコツをたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてください。 《いま、日本で一番売れてる占い師・ゲッターズ飯田さんの最新刊『五星三心占い2023年版』は、全国の書店・ネット書店・セブンイレブンにて発売中!》 特設サイト→https://www.asahi-getters.com/2023/ ◎ゲッターズ飯田/ これまで6万人を超える人を無償で占い続け、20年以上占ってきた実績をもとに「五星三心占い」を編み出し、芸能界最強の占い師としてテレビなど各メディアに数多く登場する。『ゲッターズ飯田の五星三心占い』は、シリーズ累計800万部を超えている(2022年9月現在)。5年連続100万部を出版し、2021年は年間BOOKランキング作家別1位(オリコン調べ)と、いま日本で一番売れている作家。

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    本田圭佑「解説者向きではない」の声一蹴 SNS上で「本田△」が再脚光

     サッカー日本代表は23日、カタールW杯のグループリーグ初戦で強豪のドイツ代表に2対1で逆転勝利を収め、日本中を歓喜の渦に巻き込んだ。  ゴールを決めた堂安律、浅野拓磨など試合で活躍した選手がスポットライトを浴びているが、それ以上にこの試合で注目を集めたのが、かつて日本代表で活躍した本田圭佑だった。自身も選手として2010年の南アフリカ大会から3大会連続で出場し、全ての大会でゴールを決めた“W杯男”でもあるが、今回は解説者として中心人物になろうとしている。  本田は今大会の全64試合を無料生中継するインターネットテレビ局「ABEMA」のGM(ゼネラルマネージャー)を担当。ドイツ戦で解説者デビューを飾ったが、戦術的な分析はもちろんのこと、一部の選手を「さん付け」で呼んだことや、時折感情が溢れ“素の声”が飛び出す独特の解説はツイッターなどSNS上で話題となり、早くも「解説者・本田」のファンが急増している。 「選手としては“オラオラ感”を出していたのは誰もが知るところ。今は実業家としても多彩な才能を発揮している。これまでも公の場で冷静かつ辛辣な発言をすることも目立った。内容は至極真っ当でも言い方がストレートの場合が多く、好き嫌いが分かれるタイプでもある。解説をした際に、悪い方向に出ることも予想されていた」(在京テレビ局スポーツ担当者)  サッカー選手としての優れた能力とともに、歯に衣着せぬ発言、また奇抜なファッションでも注目された。特に印象に残ったのは先日、現役引退したフリーキックの名手である中村俊輔に対し、試合中に「オレが蹴る」とキッカーになることを主張したシーンだろう。サッカーに対しての自己主張が強いのは知られており、「解説者向きではない」という声も聞こえていた。 「試合が始まると、SNS上などでは本田に対する好意的な意見が多くみられるようになった。特に選手の呼び方が話題に。自身が一緒にプレーしたことある吉田麻也、長友佑都などは呼び捨て。そうでない選手は年下であっても『さん』付け。選手との距離感、敬意の両方を感じさせてくれた」(サッカー雑誌編集者) 「本来ハートが熱く、チームメイト思いの良い奴。日本に対する愛情も深く、国歌斉唱時に心を込めて歌うのは日常茶飯事となっていた。ドイツ戦でも逆転後『あとは守るだけっすね』と感情を露わに発言していた。いつもは意識的に冷静を装っているが、本当の本田圭佑が出ていました」(欧州在住サッカーライター)  ドーハの悲劇の地で強豪ドイツに勝ったことで、代表チームは国民のハートを鷲掴みにした。同時に本田の人間性が中継を通じて伝わってきたことが話題になった。「冷酷」「クール」というイメージも多かったはずだが、「感情豊かな男」と印象が覆された人も数多いはずだ。 「画面に映り込んでいない局面まで、視聴者にわかりやすいように解説していた。昔から理路整然と筋道を立て相手に伝わりやすく話すことに長けていた。ハーフタイムのロッカーでは試合展開によって感情的になりやすい。しかし(本田は)常に冷静沈着、後半に向けて戦術を徹底させるように話している姿を見かけた。今考えると当時から解説者、批評家のようだった」(日本サッカー協会関係者)  感情的な姿とともに、試合の解説では理論派として分析力の高さも発揮。ABEMA中継を通じて異なった2面性が伝わってきたことで、改めて本田の魅力が広がり始めている。 「(SNSで)2010年南アフリカ大会前に流行った『本田△』をいくつか見かけた。12年前に流行ったワードが蘇ったのは、本田の注目度が高くなっている証拠。大会前は過去の人扱いもあったが、再び注目度の面で復活を見せている。本田自身の今後のビジネスにも追い風になるはず」(サッカー雑誌編集者) 『本田△』とは、当時のエースだった本田を讃えた「本田さんかっこいい」が「本田さんかっけー」、「本田三角形」、「本田△」と派生したもの。ドイツ戦の歴史的勝利を盛り上げた解説者・本田が、幅広く視聴者に受け入れられ、かつて流行った言葉が再び脚光を浴びた。 「日本代表戦はオワコン扱いされ、W杯予選は放映権も絡み地上波放送も行われないほど。ABEMAが今大会の全試合無料放送を発表した際には、ネガティブな見方もあったが風向きは明らかに変わった。日本戦のみならず、サウジアラビアが優勝候補アルゼンチンを撃破した試合も大きな話題になった。今後も同様のケースが考えられる」(在京テレビ局スポーツ担当者) 「ABEMA」の視聴者も日本代表戦が行われた23日に開局史上最高を記録するなど、本田の解説はこれからも勢いを増しそうだ。 「ドイツ戦は地上波のNHK総合でも生中継され、従来同様の堅実なものが見れた。安定感があって年配者などには変わらぬ人気のはず。ABEMAはネット配信の特性を活かし、老若男女の幅広いターゲットを狙っている。その中で本田の果たした役割は大きい。今回の評判の高さもあり、次戦以降ABEMA視聴者が増えるのは間違いない。W杯後のサッカー中継の流れすら変わりそうな感じもある」(サッカー雑誌編集者)  初戦で大金星を挙げたものの、グループリーグ突破はまだ確定してない代表については「一喜一憂せずに次につなげてほしい」と選手時代と同じく冷静に状況を見つめ、周囲の空気をしめることを忘れない本田。これまではプレーで日本のファンを魅了してきたたが、今大会は選手の気持ちを忘れない解説者としてファンを盛り上げてくれそうだ。

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    同じ精子提供者から75人の兄弟姉妹が生まれた例も AID(非配偶者間人工授精)が抱える重大な問題点

     誰の精子かわからないまま使われ、生まれてきた子供たちの多くが「自分のアイデンティティの半分が空白」と訴える。彼ら・彼女らの「出自を知る権利」はどう保障されるべきなのか。AID[非配偶者間人工授精]が浮かび上がらせる問題の本質について、10年以上にわたり取材を続けるジャーナリスト大野和基氏の新刊『私の半分はどこから来たのか――AIDで生まれた子の苦悩』(朝日新聞出版)から一部抜粋・再編して紹介する。 ※前編「夫のものではない精子で妊娠・出産する『AI』」 生まれた子供が経験する“喪失体験”の実態」よりつづく *  *  *■自分は何者なのだろう  横浜市立大学で内科医として勤務する加藤英明は、29歳のとき自分がAIDで生まれたことを偶然知った。そのとき、家庭内で違和感や緊張感を感じることはなかったので、よけいにだまされた気持ちになったという。AIDで生まれた人の中には、親に告白されたとき、今まで何かおかしいと思っていたことについてすべて納得がいった、という経験をした人もいる。  加藤は父親に問い質そうと思ったこともあったが、父親にこの話を持ち出す気にはなれなかった。母親は、自分をAIDで産んだと認めたことを父に言っていないかもしれない。しかし、自分が真実を知っていることを、父親が母親から聞いて知っているのであれば、そのことについてお互いに何も言わないのは、それはそれでばつが悪いとも思った。子供は、祖父母の存在を意識しながら育つことがある。生きていようといまいと、祖父母がどういう人物であったか、具体的なストーリーがそこにあるので、血縁を遡さかのぼることでアイデンティティが確立される。だが、AIDの場合、匿名の精子が提供されるので、父方の血縁関係がすっぽり抜けて空白状態になる。 「自分のアイデンティティの半分がふわふわ宙に浮いている気持ちになった。自分は何者なのだろう。どこの誰なのだろうと思った」。加藤はそう振り返る。私がアメリカやイギリスで取材したAIDで生まれた人も異口同音に「アイデンティティの半分が空白状態」である気持ちを吐露していた。  イギリスで、41歳のときに母親から突然送られてきた手紙で初めて自分がAIDで生まれたことを告白されたクリスティーン・ウィップ(66)は、「母親から『望まれてこの世に生まれ、愛情を注いで育てた』といくら言われても感謝の気持ちはまったくない」と怒りを隠せない。21歳で初めてAIDで生まれたことを知ったイギリス人のトム・エリス(38)は、「精子(卵子)提供で生まれた子供は遺伝上の父親や母親を知る権利がある」と言い、自分の出自を知る権利を子供に与えないのならば、その人は子供を産むべきではないと怒りをもって主張する。  2010年8月、元郵政相の野田聖子がアメリカで提供卵子によって妊娠し、大きな話題となった。出産後も野田はテレビや新聞のインタビューで、卵子提供者には会えないと約束したことを子供に伝え、誰よりも望まれてきた子だから堂々としてくれと言い続ける、と語った。そうは言っても、それだけでは子供のアイデンティティの空白が埋まることにはつながらないのではないか。 ■異母姉妹と知らずに結婚してしまう可能性  加藤は自らの出自を知った1年後に医師の国家試験を控えていたが、そのための勉強にはまったく手がつかなかったという。当時は「AID」という言葉すら知らなかったが、母親が認めた翌日から、まずインターネットで調べ始めた。AIDが提供精子を使う不妊治療であることはすぐにわかったが、それ以上の詳しい情報は当時まだなかった。図書館にも通って医学論文や新聞記事を渉猟した。日本語の論文は、ほとんどが慶應大学の飯塚理八・名誉教授(故人)の執筆によるものだった。  医学部の実習はサボるわけにはいかないが、空いている時間はすべて図書館でAIDについてのリサーチにあてた。そうでもしない限り、自分の気持ちと折り合いをつけることができなかったのだ。「他大学の医学部で精子提供のアルバイトがあるという噂うわさは、飲み会で話に出たことはありました。でも、まさか自分がそれで生まれた子供だとは考えたこともありませんでした」  加藤はネットと図書館での情報収集に限界を感じ、2003年2月、自分が在籍する医学部の産婦人科教授にアポなしで会いに行った。「実はぼくはAIDで生まれたらしいんです」と切り出すと、教授に「AIDで生まれた子供に会ったのは初めてだよ」と言われた。「どうしたらいいでしょうか」と問うと、「AIDを行った医師に会いに行ってみたら」と言われ、その医師が東京都内で開いていたクリニックの住所を教えてくれた。  加藤はまず手紙を出した。その中に、「AIDで生まれたため、自分の遺伝的背景がわからなくて困っている。父親の病歴を知らないと非常にデメリットになる」という趣旨のことを書いた。さらに「異母姉妹と知らずに結婚してしまう可能性についてはどう思うか」という質問も入れた。手紙を出してからしばらくしてそのクリニックに電話をすると、あっさりアポを取ることができた。  土曜日の昼下がり、加藤は訊ききたいことを頭に入れてクリニックを訪れた。医師は、まるで待ち構えていたかのようにエレベーターホールに立っていた。「よく来てくれたね」と挨拶をされ、診察室へ案内された。「ぼくのところに会いにきたのは、君で3人目くらいだ。みんないろんなことを思っているみたいだけれども、最終的にぼくに会って感謝して帰っていくんだよ」。医師は、加藤にとってアイデンティティの半分が空白状態であることがどれほど深刻なことか、微塵も感じていないようだった。 ■同じ精子提供者から75人の兄弟姉妹  加藤が遺伝病についての懸念を医師に話すと、「まずドナー(提供者)を探すときに、私自身がその人と面談をしている。家系図を書かせてその中に遺伝病と考えられる病気がない学生しか選んでいない。さらに学生台帳を見て、近親者が何か問題を起こしていないかどうかも一通り調べている。何といっても慶應医学部の学生だから、素性はよく知れているよ」と言いながら「あはははは」と笑った。  しかし加藤は、近親婚のことが頭をよぎった。医師は近親婚の可能性は確率的にゼロに近いというが、AIDで生まれた人にはその悩みがつきまとう。「確率の問題ではありません。ぼくには相手が遺伝的な姉妹ではないという確信を持つことができないのですから」。医師は加藤に、慶應大学の3年、4年、5年、6年の学生から集めていた、と言ったという。 「当時はまだ凍結が主流ではなく、生の精子を使っていたとすると、信濃町校舎の現役の学生4学年(3~6年生)が対象になります。だからぼくは、女性と付き合うときに、常に自分との年齢差が4歳以内の人は避けるようにしています」  実際、イギリスで2008年1月に、別々の家の養子となったAIDで生まれた双子の男女が血のつながりを知らないまま結婚、その後、双子とわかり裁判所から、「近親婚」にあたるとして婚姻を無効とされたケースが報告された。2人は「双子とは知らなかった。お互いに避けがたい魅力を感じた」と結婚した理由を話しているという。  米コロラド州にある「Donor Sibling Registry」(Sibling は兄弟姉妹の意。以下、DSR)というサイトを主宰するウェンディ・クレーマーはAIDで子供を出産した。その後、子供から異母きょうだいに会いたいと言われたことがきっかけとなってサイトを立ち上げた。「このサイトはAIDで生まれた子供が兄弟や姉妹に会うためにつくりましたが、中には同じ精子提供者から75人もの兄弟姉妹が生まれていることがわかったケースもあります」。知らないうちに、自分と血のつながった人間と結婚してしまう可能性は否定できないと言えよう。結婚する前にDNA検査をすれば済むことだと簡単に片づけられる問題ではない。  AIDを行った医師に会いに行ったものの、加藤にはどこか「笑ってごまかされた」との思いが残った。結局、自分が一番知りたいと思う情報、つまり自分の生物学上の父親は誰なのか、という情報について医師は完全に口をつぐんでいる。その代わりに、AIDで生まれた他の人から来た手紙の一部だけを見せてくれた。「先生のおかげで生まれてきたことに感謝しています」。他には何が書かれていたかはわからない。AIDで生まれた子供にとって、「この世に生まれてきたことに感謝せよ」と言われることが最も残酷であると加藤は苛立ちを込めて言う。「そう言われると、それ以上議論できないから、前に進まない」 ■男性の100人に1人は無精子症  カップルにとって「子供ができない」という問題は想像以上に切実で深刻である。一旦、不妊治療を始めると途中でやめることはなかなかできない。そして、夫が無精子症だとわかった場合、AIDをすすめられることが多い。だからといって、安易にAIDという方法に頼ってもいいものなのだろうか。実際にAIDを行って妊娠し、子供が12歳のときに告知に踏み切ったある母親は、私にこう語った。 「夫が無精子症であることがわかったときに、AIDという方法を医師に教えられました。AIDを使おうと言い出したのは夫のほうです。それに踏み切るまで数年かかっています。私には抵抗がありました」。男性の無精子症は100人に1人という高い割合でみられる。しかし、この問題について、男性が悩みを吐露できる場所は非常に少ない。  生殖医療(不妊治療)が専門の生殖心理カウンセラーは、男性不妊についてこう語る。「夫が無精子症とわかり離婚したカップルもいました。また、無精子症と判明した夫が、その後、うつ病を発症し、自殺したケースもあります」生殖医療専門のカウンセリングルームを持つ施設の担当者は、不妊検査についてこう語る。 「精液検査の結果が芳しくないとわかったとき、夫はもちろんのこと、妻も複雑な心境に陥ります。夫婦関係が大きく揺らぎ、夫婦間に大きな亀裂が生じることもある。検査を受けるということはどういうことなのかを、夫婦でしっかり理解してから受けてほしい」。不妊と診断された男性は、カウンセラーの前でもほとんど口をきかないという。無精子症がこれほどまでに深刻な悩みで、しかも100人に1人という確率で起きることを考えると、もっと男性が不妊問題に関心を持つべきだと思うのは私だけであろうか。 ■親が感じる負い目。隠すことが苦しく、一時うつ状態に  加藤は医学部を卒業後、内科医になった。「自分と遺伝的につながっている父親は間違いなく慶應大学の医学部を出ているから、今も医師をしていると思う。そういうこともどこかで自分の進路に影響したかもしれない。今は医師としてその提供者と会い、いろいろ話したいと思う」  子供が12歳のときにAIDで生まれたことを告知した前出の母親も、遺伝的につながっている提供者についての情報を入手しようと慶應大学に手紙を書いたが叶かなわなかったという。その母親が言う。「よく勘違いされますが、提供者は遺伝的には子供とつながっていますが、その人は娘の“父親”とは違います。娘の父親は生まれてからずっと育てた人です。“父親探し”という言葉を使うと、誤解を生みかねません」  AIDの問題は、まず親が子供にその事実を隠すことから始まる。加藤はこう話す。「日本でよくないのは、AIDについて真実を語ろうとしないことです。誰もが隠しておけばみんなが幸せになると仮定して、AIDをずっと実行しています。親も医師も、もちろん提供者もだまっている」  加藤が実名で私の取材に応じたのも「隠す」ことに対する限界を感じたからだ。「親が傷つくかもしれないから実名を出さないとか、子供が親に対して配慮しないといけないということ自体が、そもそもおかしい」。AIDで子供を産んだことを隠すのは、親が負い目を感じているからだと加藤は言う。  子供にAIDで産んだことを告白した前出の母親も、その事実を隠していることが苦しく、一時、うつ状態になった。しかし、心療内科にかかっても薬を処方されるだけだったという。この母親が打ち明ける。「そんな私を見かねてか、子供が12歳のときの大晦日に、夫が突然『告知しよう』と言ってくれたのです」。子供は「ふーん。そうなんだ」と返事をしたきり何も言わなかったが、その心中は推し量りようがない。それ以上、子供は何も言わなかった。  加藤の母親がAIDの事実を認めたとき、加藤はしばらく父親に「お父さん」と呼びかけることができなかったという。父親の顔を見ても「自分の父親じゃない」と、頭の中で否定してしまうのだ。約8カ月後、ようやく父親にAIDについて聞いた。すると「おまえが知ったことは知っていたよ」と言われた。さらっと答えられたので、拍子抜けしたという。その瞬間から加藤はまた「お父さん」と呼べるようになった。あくまでも育ての父親が“本当の父親”であり、生物学上の父は顔も見たことがないので、父親ではないのだ。

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    同じ精子提供者から75人の兄弟姉妹が生まれた例も AID(非配偶者間人工授精)が抱える重大な問題点

     誰の精子かわからないまま使われ、生まれてきた子供たちの多くが「自分のアイデンティティの半分が空白」と訴える。彼ら・彼女らの「出自を知る権利」はどう保障されるべきなのか。AID[非配偶者間人工授精]が浮かび上がらせる問題の本質について、10年以上にわたり取材を続けるジャーナリスト大野和基氏の新刊『私の半分はどこから来たのか――AIDで生まれた子の苦悩』(朝日新聞出版)から一部抜粋・再編して紹介する。 ※前編「夫のものではない精子で妊娠・出産する『AI』」 生まれた子供が経験する“喪失体験”の実態」よりつづく *  *  *■自分は何者なのだろう  横浜市立大学で内科医として勤務する加藤英明は、29歳のとき自分がAIDで生まれたことを偶然知った。そのとき、家庭内で違和感や緊張感を感じることはなかったので、よけいにだまされた気持ちになったという。AIDで生まれた人の中には、親に告白されたとき、今まで何かおかしいと思っていたことについてすべて納得がいった、という経験をした人もいる。  加藤は父親に問い質そうと思ったこともあったが、父親にこの話を持ち出す気にはなれなかった。母親は、自分をAIDで産んだと認めたことを父に言っていないかもしれない。しかし、自分が真実を知っていることを、父親が母親から聞いて知っているのであれば、そのことについてお互いに何も言わないのは、それはそれでばつが悪いとも思った。子供は、祖父母の存在を意識しながら育つことがある。生きていようといまいと、祖父母がどういう人物であったか、具体的なストーリーがそこにあるので、血縁を遡さかのぼることでアイデンティティが確立される。だが、AIDの場合、匿名の精子が提供されるので、父方の血縁関係がすっぽり抜けて空白状態になる。 「自分のアイデンティティの半分がふわふわ宙に浮いている気持ちになった。自分は何者なのだろう。どこの誰なのだろうと思った」。加藤はそう振り返る。私がアメリカやイギリスで取材したAIDで生まれた人も異口同音に「アイデンティティの半分が空白状態」である気持ちを吐露していた。  イギリスで、41歳のときに母親から突然送られてきた手紙で初めて自分がAIDで生まれたことを告白されたクリスティーン・ウィップ(66)は、「母親から『望まれてこの世に生まれ、愛情を注いで育てた』といくら言われても感謝の気持ちはまったくない」と怒りを隠せない。21歳で初めてAIDで生まれたことを知ったイギリス人のトム・エリス(38)は、「精子(卵子)提供で生まれた子供は遺伝上の父親や母親を知る権利がある」と言い、自分の出自を知る権利を子供に与えないのならば、その人は子供を産むべきではないと怒りをもって主張する。  2010年8月、元郵政相の野田聖子がアメリカで提供卵子によって妊娠し、大きな話題となった。出産後も野田はテレビや新聞のインタビューで、卵子提供者には会えないと約束したことを子供に伝え、誰よりも望まれてきた子だから堂々としてくれと言い続ける、と語った。そうは言っても、それだけでは子供のアイデンティティの空白が埋まることにはつながらないのではないか。 ■異母姉妹と知らずに結婚してしまう可能性  加藤は自らの出自を知った1年後に医師の国家試験を控えていたが、そのための勉強にはまったく手がつかなかったという。当時は「AID」という言葉すら知らなかったが、母親が認めた翌日から、まずインターネットで調べ始めた。AIDが提供精子を使う不妊治療であることはすぐにわかったが、それ以上の詳しい情報は当時まだなかった。図書館にも通って医学論文や新聞記事を渉猟した。日本語の論文は、ほとんどが慶應大学の飯塚理八・名誉教授(故人)の執筆によるものだった。  医学部の実習はサボるわけにはいかないが、空いている時間はすべて図書館でAIDについてのリサーチにあてた。そうでもしない限り、自分の気持ちと折り合いをつけることができなかったのだ。「他大学の医学部で精子提供のアルバイトがあるという噂うわさは、飲み会で話に出たことはありました。でも、まさか自分がそれで生まれた子供だとは考えたこともありませんでした」  加藤はネットと図書館での情報収集に限界を感じ、2003年2月、自分が在籍する医学部の産婦人科教授にアポなしで会いに行った。「実はぼくはAIDで生まれたらしいんです」と切り出すと、教授に「AIDで生まれた子供に会ったのは初めてだよ」と言われた。「どうしたらいいでしょうか」と問うと、「AIDを行った医師に会いに行ってみたら」と言われ、その医師が東京都内で開いていたクリニックの住所を教えてくれた。  加藤はまず手紙を出した。その中に、「AIDで生まれたため、自分の遺伝的背景がわからなくて困っている。父親の病歴を知らないと非常にデメリットになる」という趣旨のことを書いた。さらに「異母姉妹と知らずに結婚してしまう可能性についてはどう思うか」という質問も入れた。手紙を出してからしばらくしてそのクリニックに電話をすると、あっさりアポを取ることができた。  土曜日の昼下がり、加藤は訊ききたいことを頭に入れてクリニックを訪れた。医師は、まるで待ち構えていたかのようにエレベーターホールに立っていた。「よく来てくれたね」と挨拶をされ、診察室へ案内された。「ぼくのところに会いにきたのは、君で3人目くらいだ。みんないろんなことを思っているみたいだけれども、最終的にぼくに会って感謝して帰っていくんだよ」。医師は、加藤にとってアイデンティティの半分が空白状態であることがどれほど深刻なことか、微塵も感じていないようだった。 ■同じ精子提供者から75人の兄弟姉妹  加藤が遺伝病についての懸念を医師に話すと、「まずドナー(提供者)を探すときに、私自身がその人と面談をしている。家系図を書かせてその中に遺伝病と考えられる病気がない学生しか選んでいない。さらに学生台帳を見て、近親者が何か問題を起こしていないかどうかも一通り調べている。何といっても慶應医学部の学生だから、素性はよく知れているよ」と言いながら「あはははは」と笑った。  しかし加藤は、近親婚のことが頭をよぎった。医師は近親婚の可能性は確率的にゼロに近いというが、AIDで生まれた人にはその悩みがつきまとう。「確率の問題ではありません。ぼくには相手が遺伝的な姉妹ではないという確信を持つことができないのですから」。医師は加藤に、慶應大学の3年、4年、5年、6年の学生から集めていた、と言ったという。 「当時はまだ凍結が主流ではなく、生の精子を使っていたとすると、信濃町校舎の現役の学生4学年(3~6年生)が対象になります。だからぼくは、女性と付き合うときに、常に自分との年齢差が4歳以内の人は避けるようにしています」  実際、イギリスで2008年1月に、別々の家の養子となったAIDで生まれた双子の男女が血のつながりを知らないまま結婚、その後、双子とわかり裁判所から、「近親婚」にあたるとして婚姻を無効とされたケースが報告された。2人は「双子とは知らなかった。お互いに避けがたい魅力を感じた」と結婚した理由を話しているという。  米コロラド州にある「Donor Sibling Registry」(Sibling は兄弟姉妹の意。以下、DSR)というサイトを主宰するウェンディ・クレーマーはAIDで子供を出産した。その後、子供から異母きょうだいに会いたいと言われたことがきっかけとなってサイトを立ち上げた。「このサイトはAIDで生まれた子供が兄弟や姉妹に会うためにつくりましたが、中には同じ精子提供者から75人もの兄弟姉妹が生まれていることがわかったケースもあります」。知らないうちに、自分と血のつながった人間と結婚してしまう可能性は否定できないと言えよう。結婚する前にDNA検査をすれば済むことだと簡単に片づけられる問題ではない。  AIDを行った医師に会いに行ったものの、加藤にはどこか「笑ってごまかされた」との思いが残った。結局、自分が一番知りたいと思う情報、つまり自分の生物学上の父親は誰なのか、という情報について医師は完全に口をつぐんでいる。その代わりに、AIDで生まれた他の人から来た手紙の一部だけを見せてくれた。「先生のおかげで生まれてきたことに感謝しています」。他には何が書かれていたかはわからない。AIDで生まれた子供にとって、「この世に生まれてきたことに感謝せよ」と言われることが最も残酷であると加藤は苛立ちを込めて言う。「そう言われると、それ以上議論できないから、前に進まない」 ■男性の100人に1人は無精子症  カップルにとって「子供ができない」という問題は想像以上に切実で深刻である。一旦、不妊治療を始めると途中でやめることはなかなかできない。そして、夫が無精子症だとわかった場合、AIDをすすめられることが多い。だからといって、安易にAIDという方法に頼ってもいいものなのだろうか。実際にAIDを行って妊娠し、子供が12歳のときに告知に踏み切ったある母親は、私にこう語った。 「夫が無精子症であることがわかったときに、AIDという方法を医師に教えられました。AIDを使おうと言い出したのは夫のほうです。それに踏み切るまで数年かかっています。私には抵抗がありました」。男性の無精子症は100人に1人という高い割合でみられる。しかし、この問題について、男性が悩みを吐露できる場所は非常に少ない。  生殖医療(不妊治療)が専門の生殖心理カウンセラーは、男性不妊についてこう語る。「夫が無精子症とわかり離婚したカップルもいました。また、無精子症と判明した夫が、その後、うつ病を発症し、自殺したケースもあります」生殖医療専門のカウンセリングルームを持つ施設の担当者は、不妊検査についてこう語る。 「精液検査の結果が芳しくないとわかったとき、夫はもちろんのこと、妻も複雑な心境に陥ります。夫婦関係が大きく揺らぎ、夫婦間に大きな亀裂が生じることもある。検査を受けるということはどういうことなのかを、夫婦でしっかり理解してから受けてほしい」。不妊と診断された男性は、カウンセラーの前でもほとんど口をきかないという。無精子症がこれほどまでに深刻な悩みで、しかも100人に1人という確率で起きることを考えると、もっと男性が不妊問題に関心を持つべきだと思うのは私だけであろうか。 ■親が感じる負い目。隠すことが苦しく、一時うつ状態に  加藤は医学部を卒業後、内科医になった。「自分と遺伝的につながっている父親は間違いなく慶應大学の医学部を出ているから、今も医師をしていると思う。そういうこともどこかで自分の進路に影響したかもしれない。今は医師としてその提供者と会い、いろいろ話したいと思う」  子供が12歳のときにAIDで生まれたことを告知した前出の母親も、遺伝的につながっている提供者についての情報を入手しようと慶應大学に手紙を書いたが叶かなわなかったという。その母親が言う。「よく勘違いされますが、提供者は遺伝的には子供とつながっていますが、その人は娘の“父親”とは違います。娘の父親は生まれてからずっと育てた人です。“父親探し”という言葉を使うと、誤解を生みかねません」  AIDの問題は、まず親が子供にその事実を隠すことから始まる。加藤はこう話す。「日本でよくないのは、AIDについて真実を語ろうとしないことです。誰もが隠しておけばみんなが幸せになると仮定して、AIDをずっと実行しています。親も医師も、もちろん提供者もだまっている」  加藤が実名で私の取材に応じたのも「隠す」ことに対する限界を感じたからだ。「親が傷つくかもしれないから実名を出さないとか、子供が親に対して配慮しないといけないということ自体が、そもそもおかしい」。AIDで子供を産んだことを隠すのは、親が負い目を感じているからだと加藤は言う。  子供にAIDで産んだことを告白した前出の母親も、その事実を隠していることが苦しく、一時、うつ状態になった。しかし、心療内科にかかっても薬を処方されるだけだったという。この母親が打ち明ける。「そんな私を見かねてか、子供が12歳のときの大晦日に、夫が突然『告知しよう』と言ってくれたのです」。子供は「ふーん。そうなんだ」と返事をしたきり何も言わなかったが、その心中は推し量りようがない。それ以上、子供は何も言わなかった。  加藤の母親がAIDの事実を認めたとき、加藤はしばらく父親に「お父さん」と呼びかけることができなかったという。父親の顔を見ても「自分の父親じゃない」と、頭の中で否定してしまうのだ。約8カ月後、ようやく父親にAIDについて聞いた。すると「おまえが知ったことは知っていたよ」と言われた。さらっと答えられたので、拍子抜けしたという。その瞬間から加藤はまた「お父さん」と呼べるようになった。あくまでも育ての父親が“本当の父親”であり、生物学上の父は顔も見たことがないので、父親ではないのだ。

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    なぜ小室圭さんの動向にざわついてしまうのか 名古屋大河西准教授が語る意外な理由

     秋篠宮ご夫妻の長女・眞子さん(30)と結婚した小室圭さん(31)が、3度目の受験をした米・ニューヨーク州の司法試験に合格してから1カ月がたつ。司法試験に晴れて合格して、小室さん・眞子さんの話題は終息していくかと思いきや、なぜ、我々はこの二人の動向にざわついてしまうのだろうか。象徴天皇制に詳しい歴史学者で名古屋大学大学院人文学研究科准教授の河西秀哉氏に話を聞いた。 *  *  *  小室圭さんが再試験に挑んだ米・ニューヨーク州の司法試験の合格者の名前がホームページに掲載されたのは、日本時間10月21日の午後のこと。前日には本人に合格の通知が届いたと報じられ、朝の情報番組では「速報・小室圭さんまもなく合格発表」などというテロップを打ち出し報じていた。  3度目の挑戦で合格の第一報には、SNS上で「合格おめでとうございます。国民のほとんどが合否を気にしているというプレッシャーの中の合格はすごい!」などの声が書き込まれた。この合格の吉報のあとも小室圭さん・眞子さんの話題は「定期的」に尽きることがない。このことに、名古屋大学人文学研究科准教授の河西秀哉氏は「皇室のことは世代を問わず国民の誰でもが知っているから」だと分析する。 「人気のアイドルグループは、国民の全員が全員知っているわけではないですよね。アイドルの話は刺さる人には刺さるけど、わからない人には顔も名前も全く分からない。一方で皇室の方々および、小室圭さんのように皇室に関わる人はみんなが知っているから、ヒットしやすいというか、平均点以上の関心を集められるから報道されるのでしょう」  世代を問わない認知度と言えば、たしかに小室圭さんは絶大だ。一方で「ある世代だけにヒットするのではなくまんべんなくヒットするということは、それだけ不特定多数が叩いてくることにもつながる」と河西氏。その一つの要因にあるのはコロナ禍ではないかと推測する。 「コロナ禍で社会が鬱積してしまって、結局、はけ口を探している面もあると思います。今のところ、皇室に対して叩いても訴えてはこない。小室圭さんは皇室の方ではないですが、皇室とつながる方ですよね。世代を問わずみんなが知っている人に不満のはけ口が向き、訴えられないから鬱積しているものが投げかけられているのだと思います」  一方で、小室圭さんのように「まんべんなくヒットする」人物は叩かれるばかりではないとも河西氏は言う。 「世代を問わずまんべんなくという意味では、若い人たちの中では小室圭さんと眞子さんを擁護した人たちもいた。『なんで好きな人と自由に結婚できないの?』『なんでみんなが小室圭さんとの結婚に文句言うの?』みたいな声もあった。学生たちは普通に言うんですよね。若い世代の人たちからすると『自分たちが思った通りに自由に結婚できないのは一体何なんだ』と思ったようです。そういう意味でも、小室圭さん・眞子さんは関心を呼んだんですよね」  普段、皇室に関心が薄いであろう年代にも刺さった話題であった。また、こうして継続的に話題になる小室圭さんに対し、河西氏は「小室さんに勝手に抱いたイメージ」による部分も大きいと指摘する。 「結局、私たちには皇室に対するイメージみたいなものがある。被災地訪問を繰り返され、ある種の滅私奉公とも言えるようなものを私たちは見てきました。とくに平成の最後のほうは、皇室に対するイメージが純化してしまったところもある。それが、最終的には令和の即位の時の国民の支持にもつながったわけで、そこに、ある意味『ちょっと違う人』が現れた」  たしかに、2017年、ご婚約内定のときには、国際基督教大(ICU)在学時の同級生で法律事務所勤務、さらには湘南の「海の王子」という肩書きも話題になった。思い返せば「ちょっと違う人」ではあった。 「小室圭さんのような方は、実社会には普通にいるんですよね。私も大学で若い世代と普段接していますが、多様な考えを持った人たちはいる。昔より個性が尊重されます。しかし、こと、皇室の方と結婚した人となると、そうではなく、『期待していた分、裏切られた』みたいな感情が生まれてしまうのでしょう。でも、繰り返しますが、これも私たちが皇室に対して抱いた勝手なイメージからくるもの。そのイメージが諸刃の剣となり、小室さんに対しては拒否反応を示す結果になったと思います」  11月30日は小室圭さんの「義理の父」である秋篠宮さまの57歳のお誕生日。誕生日には小室圭さんに関するコメントもあるのではないかと既に報じられている。また「小室圭さん」の話題を目にすることになるだろう。 (AERAdot.編集部・太田裕子)

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    キンプリ高橋海人、「ジャニーズのなかでも新しい路線を作りたい」

     誰をも癒やす末っ子キャラが炸裂している。ラブコメドラマ「ボーイフレンド降臨!」で、天真爛漫な青年・アサヒを演じるKing & Prince高橋海人さん。ドラマ単独初主演は「自分にはまだ早いと思っていた」というが、はまり役で女性たちの心をわしづかみに。いっぽう、6歳で始め、実力も折り紙つきのダンスについては「個人としては武器」と話す。その言葉の裏の覚悟とは。 *  *  * ──アサヒの愛らしさに、ドラマ視聴者からは「国民的弟」と絶賛する声が。  今回は仕事で疲れている方やフラストレーションがたまっている方を癒やしたい、そういう需要に応えようっていうつもりなので、ありがたいです。でも僕、大人っぽくなろうとしても、周囲からよくかわいいって言われてしまって。まあ、受け入れてはいます(笑)。King & Princeのメンバーでやっていくうえで避けては通れない道だなって。自分的にも甘えたいなって思ってしまうタイミングはけっこうあるので、年齢に伴って大人っぽさを手に入れていけたらって思ってます。 ──最近、大人っぽさや色気が出てきたと感じる部分はある?  ええ? 自分でですか? うーん。パーマが似合うようになってきましたね。やっぱり色気がないと似合わないと思うので。なんなんですかねー。ペットで魚のベタを飼いはじめて、守るものができたからかもしれないです。こっちがどしっとしてないと、ベタも不安じゃないですか。餌をあげるために朝もしっかり起きられるようになって生活習慣も整いました。 ──少女漫画がお好きとのことですが、恋愛ドラマに挑むなかでその知識は役立った?  逆にすごくハードルが高くなって怖かったんですけど、どう見せるかよりもアサヒだったらどうするかをチームのみんなで考えるなかで、今は緊張しなくなりました。作品的にあざとくはしたくないんですよ。みんなまっすぐ生きているなかで、キュンキュンする展開を見せられたらなと。 ──今作での経験は、アイドルに戻ったときにも活(い)かせそう?  あー、もう活かされてます。今回のコンサート[※7~10月にアリーナツアー開催]でも、キュンとするセリフを言ったりラブソングを歌ったりするとき、今までは固定観念で恥ずかしいって思ってたのが、だんだん壁がなくなって自然と笑顔になれるというか。すごく生き生き臨めましたね。まさか長年やってきたアイドル活動のほうに新しいエッセンスをもらえるとは。アサヒありがとうって思ってます(笑)。 ──共演中のAぇ! groupの末澤誠也さん曰(いわ)く、「お互いシャイ」とのこと。仲良くなれた?  たぶんそこはスタッフさんにも面白がられてるんですけど、今度ご飯に行こうねっていう話もしましたし、仲良くなれてきてますね。末澤くんは関西で活動されてる方なので、東京にどれくらいいるのかわからないから、自分から誘おうと思って頑張りました。  人と話すのも盛り上げるのも苦手で、普段は上下関係とかを気にしてあまり距離を詰められないんです。でもお芝居の現場とかでマンツーマンで会ったら、大先輩でも意外と緊張が取れるというか。小さいときからずっとダンスをやってて、年上の人としか絡みがなかったからかもしれないですね。先輩とか後輩とかと会うときは、お芝居の現場で会いたいなって思います(笑)。 ──ドラマ主題歌の「彩り」も入った、King & Princeのニューシングル「ツキヨミ / 彩り」の注目ポイントは?  以前の「ichiban」のときに、アーティストとしてもちゃんとやってるんだぜ、っていうのを知っていただけたかなって思うんですけど、今回はそれを凌駕するぐらいの曲を作りたいねっていう話をずっとしていて。そこはしっかりクリアできてると思ってます。  ツキヨミは「ichiban」と同じ振付師さんなんですけど、きっと自分たちの頑張りを認めて、より高難易度のものを用意してくださったのかなって。高い壁に挑むほうがメンバーの士気もパフォーマンス力も上がりますし、部活みたいな感じで励めるんですよ。それがKing & Princeでパフォーマンスに長(た)けた作品を作るときの毎回の楽しみなんです。 ──部活みたいとは?  時間があるときに集まれる人が集まって、とにかく練習するみたいな。今回は22時とかに集まって夜中の2時くらいまでやってましたね。みんな忙しいなか睡眠時間を削ってやってるので、ピリッとするときもありますけど、それよりやっぱり責任感があって。ファンの人を「わお!」って言わせないといけないし、「ichiban」をやって世間から見たハードルも高くなってるだろうし。 ──ダンスは歴の面でも実力の面でも、メンバーを引っ張る自負はある?  引っ張っていくとかはあまり考えてないですけど、自分のダンスを見てKing & Princeのファンになった人が一人でもいてくれたらうれしいなあって。だってみんなめちゃくちゃ努力してて、ジン(神宮寺勇太さん)とかも今回のレベルの上がり方はすごくて、グループとしての全体のクオリティーが上がっているんですよ。だからその勢いに負けないように頑張らないとっていう。 ──力を入れたいダンスのジャンルは?  とにかく今は自分たちの色とか味を濃くしたいので、ヒップホップにチャレンジしてますね。ジャニーズのなかでも新しい路線を作りたい。先輩のまねっこだけじゃ見てくださる人も楽しくないだろうし。ジャニーズがやってこなかったダンスで、もともと(平野)紫耀と僕がやっていた(ヒップホップの)スタイルを強めていこうっていう。 ──ご自身で振り付けもされますね。今年1月には、後輩グループ・Travis Japanが出演していたYouTubeチャンネルでコラボレーションを果たしました。[※ダンス動画「SHAKE」(SMAP)の振り付けを担当]  Travis Japanはジャニーズのスタイルを極めてる人たちっていう感じです。動いたとき、止まったときの一つひとつの形のきれいさだったり、少年隊さんからつないでいるジャニーズらしさを継承してるなあって。動画もずっと見てるけど、海外に行って[※11月3日にアメリカ留学から帰国]パワーアップしてるし、どんどんキレキレになってて、うわーいいなーって思ってました。自分も海外行きたいなー!って。 (Travis Japanの松田)元太とは連絡を取りあってますね。昨日の夜遅くに、僕、「あの曲好き」っていうのを「あの今日好き」って送っちゃったっぽくて。今朝、「え、今日?」「あ、ごめん、曲」っていうやりとりを東京とロサンゼルス間でしました。寝ぼけてて送った記憶もないんですけど、なんか告白みたいになっちゃった(笑)。 (構成/本誌・大谷百合絵)※週刊朝日  2022年11月18日号[取材は10月末に実施]

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    佳子さまの喪服姿、なぜここまで話題に 安倍元首相国葬で際立った堂々とした気品

    賛否が割れるなかで行われた安倍晋三元首相の国葬だったが、当日は海外からの要人を含む4183人が参列。その中には秋篠宮ご夫妻ら7人の皇族方の姿も見られたが、ひと際目を引いたのが、秋篠宮家の次女・佳子さまだった。55年ぶりに行われた国葬で、なぜ注目を浴びたのか? *  *  *  安倍元首相の国葬の日の9月27日、式が始まる午後2時になると、テレビの地上波やインターネットの生配信で、一斉に中継が始まった。富士山をデザインした式壇が映し出され、厳かな雰囲気が画面からも伝わったが、秋篠宮ご夫妻に続いて佳子さまが入場すると、SNSが沸いた。<佳子さま確かに喪服でもかわいい>などのコメントが書き込まれ、ネット生配信では<癒やし!><かわいい!>などの書き込みが次々に投稿された。  緊張感の漂う国葬で「かわいい」というのはいかがなものかという声もあるかもしれないが、見たままの感想を瞬時に伝えるテクノロジーは55年前の吉田茂元首相の国葬にはなかったこと。いったいなぜ、佳子さまの喪服姿が話題になったのか。 「安倍元首相の国葬に参列した佳子さまがお召しになっていたのは、首元が詰まったラウンドネックのワンピースルック。ウエストに切り替えがあり、スカートにはタックが入っていて、Aラインまでの広がりはないのですが、ふんわりと上品に広がるラインがきれいなものでした」(皇室記者)  この装いに、大手企業のマナーコンサルティングを長年務めるマナーコンサルタント講師の西出ひろ子さんがまず注目したのは、かわいらしさのある喪服だけではない。こう説明する。 「一般的に、私たちが喪服というと白いパールを身に着ける印象がありますが、国葬での佳子さまは、ジェットという黒玉(こくぎょく)のネックレスを着けられていました。佳子さまだけではなく皇室の方々はみなさんジェットでした。イヤリングとネックレスはセットで身に着けるものなので、佳子さまも当然両方きちんと着けていらっしゃいましたね」  9月19日に行われた英エリザベス女王の国葬に天皇陛下と参列した雅子さまのアクセサリーも、ジェットのイヤリングとネックレスだった。 「エリザベス女王の国葬のときに雅子さまもジェットを着けられていて、『日本の王族は式典と儀礼の尊重に関しては誰にも負けない』とイタリアの新聞社では絶賛されていました。今回の国葬での佳子さまも、ジェットを身に着けられているのは格式の高さを感じますし、さすがだなと思いました。また、アクセサリーで言いますと、佳子さまは左胸にブローチを着けられていました。佳子さまは普段の正装のときも左胸にブローチをなさっていることが多いのですが、今回の国葬でも左胸に着けられていたのは、佳子さまの中での装いのこだわりというか、佳子さまらしさも表現されていたのかなと思います」(西出さん)  ジェットのネックレスとイヤリングのほか、トーク帽も正装用の重要アイテムである。供花のときに後ろ姿が映し出されることも考えての装いか、べール付きトーク帽の後頭部のところには大きめのリボンがあしらわれ、皇族らしい格式高い装いの中にも佳子さま独自のかわいらしさが垣間見える。 「佳子さまのトーク帽のべールが短めでいらしたのが印象的でした」と指摘する西出さんが注目したのは、その「表情」だ。 「トーク帽のヴェールが短めだったということもあって、目の表情がとてもよく拝見できました。その眼差しと表情から、いい意味での強さというか、凛とした印象を受けました。とても品のある強さで、本当に堂々となさっていた。その内面からあふれ出る感じの美しさでもあり、その美しさが際立っていらっしゃいました。喪服がかわいいと話題になりましたが、それよりも表情に目がいってしまったというのが正直なところです」(西出さん)  西出さんがトーク帽のヴェールから垣間見える表情を絶賛するのには理由がある。 「マナーの観点から申し上げますと、お悔やみの場では気持ちを服装に表すことが大事。今回の国葬においての佳子さまは、その点で気持ちとマッチした装いをなさっていることで、さらに一層、気持ちの表れが表情に出たのだと思います。故人を偲ぶお気持ちはもちろんですが、今回は国葬という特別なことですよね。国葬というものに参列なさったことで、これからの日本とか何か深いところへの思いが全て表れていたのではないかと思います。佳子さまの装い、表情、姿勢など全てがマッチしていたから、あのような際立った輝きを感じました。とても洗練されていらっしゃいましたね。メディアを通じて拝見するお姿の中で、一番洗練されていたと言っても過言ではないくらいでした」(西出さん)  べールとマスクでおおわれ、顔の半分しか見えないが、確かに凜とした表情が印象的に見えた。また、目線をやや下に落としてゆっくりと式壇に向かう佇まいは、堂々としたなかにも際立つ気品があった。成年皇族としてのご公務にますます注目が集まることだろう。 ◯西出ひろ子/マナーコンサルタント、マナー評論家、マナー解説者。大学卒業後、参議院議員秘書職を経て、マナー講師として独立。31歳で渡英。オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者(当時)と英国にて起業。帰国後、企業のコンサルティングをはじめ、大河ドラマなどのマナー指導など多方面で活躍中 (AERA dot.編集部・太田裕子)

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    巨人左腕は4億円超ダウン 「給料下げてください」 “自ら”大減俸を求めた3人の男

     日本シリーズも終わり、シーズンオフに入ったプロ野球。これから年末にかけて、各球団の契約更改のニュースがファンの注目を集めることになる。  一事業主である選手たちは、年俸アップに向けて、あの手この手で自身をアピールし、年俸ダウン必至の選手も少しでも下げ幅を少なくしようと、努力を惜しまない。  そんな生活をかけた“金銭闘争”のなかで、時には選手自ら年俸ダウンを申し出ることもある。さまざまな事情により、自ら減俸を求めた男たちを紹介する(金額はいずれも推定)。  自らNPB史上最大の減額を申し出たのが、2015年オフの巨人・杉内俊哉だ。  FA移籍4年目の同年、ソフトバンク時代に痛めた右股関節を悪化させた杉内は、7月下旬に戦線離脱すると、そのまま6勝6敗、防御率3.95でシーズンを終えた。その後、10月に股関節を手術し、翌16年もシーズン前半の戦列復帰は絶望的となった。  このような事情から、12月10日、契約更改に臨んだ杉内は「私から球団にお願いし、来年度については基本年俸をギリギリまで抑え、出来高で評価していただくことで了解をいただきました」として、年俸5億円から4億5000万円ダウンの5000万円プラス出来高でサインした。12年オフの小笠原道大(巨人)の3億6000万円を上回る史上最大の減給額だった。 「個人的には来年のできるだけ早い時期に戦線復帰したいと思っており、そのうえで、設定された出来高をすべてクリアすれば、『杉内は見事に復活した』と皆様に思っていただけるだろうと信じています」と早期復活を目指した杉内は、リハビリを経て、翌年7月24日の3軍戦で実戦登板をはたし、2軍戦でも4試合投げたが、1軍復帰ならず。  さらに股関節をかばいながら投げているうちに、翌17年には左肩も痛め、2軍で3試合登板にとどまると、年俸は2500万円まで下がった。  そして18年、3年間1軍登板ゼロで終わった杉内は「これ以上は自分のわがままになってしまう」と踏ん切りをつけ、現役を引退した。  年俸1億8000万円から「1軍最低年俸(1500万円)でも構わない」と自ら大幅減額も辞さない覚悟を示したのが、阪神・西岡剛だ。  15年のシーズン中に右肘を痛めた西岡は出場50試合にとどまり、打率.260、2本塁打、14打点と、思いどおりにチームに貢献できなかった。このため、年俸1億円以上の選手では、減額制限ギリギリの40パーセントダウンの1億800万円を提示されるとみられていた。  ところが、契約更改を前に複数回の下交渉を重ねるなかで、西岡が球団に「自分を極限まで追い込むため」と、1億円を超えるダウンを申し出ていたことが明らかになる。  金本知憲新監督が就任し、二塁の定位置も確約されていない状況下で、1軍の最低年俸選手として心機一転再出発を誓う意気込みの表れだった。  これに対し、球団側は西岡の“男気”を理解しつつも、他の選手とのバランスの問題などから希望を受け入れるのは難しいとして、当初の想定どおり、7200万円ダウンの1億800万円を提示。西岡も12月4日、この条件でサインした。 「まだ球団の『必要なんだ』という気持ちが伝わりました。マスコミの記事で悲壮とか背水という言葉を聞くけど、僕はまったくそういう気持ちはない。非常に楽しみな気持ちです」と巻き返しを誓った西岡だったが、翌16年7月20日の巨人戦で左アキレス腱を断裂し、14年開幕直後の大けがも含めて、3年続けて不運なけがに泣いた。  一時は引退も決意した西岡は、17年に奇跡の戦列復帰をはたすが、完全復活を実現できないまま、18年限りでNPBを去った。  最後は自ら10分の1の大減額での移籍を選びながら、再び1億円プレーヤーに返り咲いた男を紹介する。今オフ、広島の新監督に就任した新井貴浩だ。  阪神移籍7年目の14年、打率.244、3本塁打、31打点と不本意な成績に終わった新井は、年俸2億円から1億3000万円ダウンの7000万円を提示されると、「もう1回競争できる環境に身を置きたかった」と自由契約の道を選び、阪神の提示額より5000万円も安く、旧年俸の10分の1に過ぎない2000万円という異例の条件で古巣・広島に復帰した。  07年オフ、FA宣言して広島を出ていったとき、新井は「2度と戻れない」と覚悟していた。だが、阪神を自由契約になった直後、松田元オーナーから「もう一度広島で野球がやりたい気持ちがあるのであれば歓迎する」と温かい言葉をかけられたことに心から感謝し、金額云々よりも、「最後は育ててもらった球団で燃え尽きたい」と“恩返し”を決意したのだ。  復帰2年目の16年、新井は39歳の4番打者として打率.300、19本塁打、101打点を記録し、チームの25年ぶりVに貢献すると、年俸も初年度の2000万円から2年目の6000万円を経て、1億1000万円にV字回復。「本当、皆さんのおかげで素晴らしい1年にしてもらいました。記録にも記憶にも両方残る1年になりました」と感激に浸った。  そして、現役引退から4年後に広島の監督に就任。もし、大幅減額を受け入れて15年も阪神に残留していたら、おそらく、新井自身はもとより、広島の未来も違っていたものになっていただろう。  契約更改も“筋書きのないドラマ”であることを実感させられる。(文・久保田龍雄) ●プロフィール久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2021」(野球文明叢書)。

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    【ゲッターズ飯田】「ご縁は大切にしなさい」は本当か?

    「芸能界最強占い師」として知られ、25年間で6万人以上を無償で占い続け、新刊『ゲッターズ飯田の五星三心(ごせいさんしん)占い2023』も話題のゲッターズ飯田さん。長年多くの人を占ってきたなかで、人間関係の悩みを聞く機会も多かったといいます。人づきあいが苦手で、自信をなくしている人は「固定観念」に縛られていることが多いそう。今回は、そんな不自由な鎖のほどきかたをご紹介します。 (朝日新聞出版刊『ゲッターズ飯田の縁のつかみ方』より一部抜粋・編集) ■なくなっていい縁もある  人付き合いが苦手な人に、「それ、悩む必要ないよ!」と思うことがあります。  占いイベントでの出来事です。  ある小学生を占ったら、「学生時代の友達とまったく縁がない」という結果が出ました。  一緒に来ていた母親が話し出しました。 「この子、学校に行かなくなっちゃって、ほぼ家にいるんです。不登校なんです……」 「あぁ、大丈夫。キミは小・中・高校の友達とは一人もつながらないから、気にしなくていいよ」  子どもの目がパッと輝き出します。 「キミ、社会に出てから伸びるから、いまの友達とか無視していいから。死んだと思っていいから」  そう言うと、母親も驚きの表情に。「友達とか大事にしなくていいんですか!?」  そう聞かれて、「いま周りにいる友達は、大事にしなくていい。それよりも自分のやりたいことを大事にした方がいい」と言ったら、その子は一気に元気になって、晴れやかな顔で帰って行きました。 「友達100人できるかな」ではないですが、友達が多ければ多いほどよいと考える人もいますが、それは固定観念に縛られているだけなんです。生きたいように生きればいいんです。  合わない人とは合わないし、合う人は絶対にいますから。 ■「縁が切れて幸せ」と思え  こんな悩みもありました。 「40歳過ぎてリストラされたんです」  暗い顔でそう言うので、僕はこう答えました。 「よかったですね。その会社との縁が切れたんですね。これで世界中のどの会社にも入れる可能性をあなたは持っている。僕は占いしかできないし、占いに縛られているから、うらやましいですよ!」  悪い面を見るか、よい面を見るか。どこを見るかで感じ方は大きく変わってきます。 「あなたは今、何にも縛られていないですもん。こんな自由なことないですよ」  人生、どこでどうなるかわかりません。せっかく自由な身になったんだから、ダメでもともとの気持ちで何でもやってみたらいいんです。 「人ごとだからそんな風に言えるんだ」と思うかもしれませんが、これ、真実ですよ。  ダメだと思ったら、ダメなんです。  ダメでもともとと思って跳ね返せばいいのに、「もうダメだ~」で終わってしまう。 「いやいや、そこからでしょ」と僕は思います。そこからがスタートだから。どん底まで落ちたらあとは上がるしかないし、もはやチャンスしかないんですから。  ダメだと思えば、人づきあいもどんどんダメになる。つまらなそうな顔をしているから、つまらないことが起きる。  楽しそうな顔をしていれば、楽しい縁が自然とできます。 ※『ゲッターズ飯田の縁のつかみ方』より 『ゲッターズ飯田の縁のつかみ方』では、人間関係に悩まず、縁に恵まれて生きる方法をたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてください。 新刊『ゲッターズ飯田の五星三心占い2023』は全国の書店・ネット書店・セブンイレブンにて好評発売中!>>詳しくはこちら https://www.asahi-getters.com/2023/ ◎ゲッターズ飯田/これまで6万人を超える人を無償で占い続け、20年以上占ってきた実績をもとに「五星三心占い」を編み出した占い師。芸能界最強の占い師として、テレビなど各メディアに数多く登場する。書籍『ゲッターズ飯田の五星三心占い』は、シリーズ累計800万部を突破(2022年9月現在)。5年連続100万部を出版している。2021年には年間BOOKランキング作家別1位(オリコン調べ)を獲得し、いま日本で一番売れている作家。

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    小室圭さんは「並大抵の男じゃない」 倉田真由美さんが眞子さんの「男性を見る目」に脱帽

     小室圭さんがついに米ニューヨーク州の司法試験に合格した。昨年10月に眞子さんと結婚し、2人で渡米した際は不安の声が大きかった。漫画『だめんず・うぉ~か~』の作者、倉田真由美さんも2人のことを気にかけていた一人だ。倉田さんに思いを聞いた。  いい意味で裏切られた思いです。ただでさえ小室圭さんに対するバッシングが多い中、これまで司法試験に二度落ちた。次はきっと受かると考えていた人は少ないと思うんです。私も正直難しいだろうと思っていました。  今回の合格で、小室さんは並大抵の男じゃないことを証明してみせました。当初は弁舌が冴えわたる印象もなく、米国に行って弁護士になりたいと言ったときは唐突な感じがしました。甘い夢を見てるんじゃないかと。  俺は歌手になるとか、ドームをいっぱいにするとか、口だけ達者で夢を語るだけの男っていっぱいいるから。本当の努力をしていないケースが多いんです。ギターがうまく弾けないから血のにじむような努力をするとかじゃなくて、カラオケで練習しているとか、そんなレベルだったりするわけです。俺なりに頑張ってる、みたいな。  出会って最初のころに「この人はだめかも」というサインが出ていると、大体ずっとだめなまま、というのが「だめんず」です。でも小室さんは本当に努力しないとなれないものになってみせた。しかも、注目され続けるストレスの中で、運ではなく100%自分の努力でつかみ取った。  眞子さんの見る目は確かだったと言えるし、たたいていた人も目を覚まさせられたのではないでしょうか。眞子さんにとって、小室さんは最初から「だめんず」ではなかった。あれだけ反対されても一途を貫くって、なかなかできない。素敵なプリンセスでした。  これからは心穏やかに幸せになってほしい。これで騒動も一段落ついたと、そう見る向きが増えてくれればいいですね。 (構成/週刊朝日編集部・秦正理)

    週刊朝日

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    「先生を辞めたい」小学校教員の悲痛な叫びに、鴻上尚史が贈った「オンとオフ」と「スルー力」という言葉

    「先生は、勉強を上手に教えられて当然、クラスをまとめられて当然」とのプレッシャーに逃げ出したくなる、と悲痛な叫びを投稿した32歳の小学校女性教員。励みになるような詩や言葉をいただきたいとの相談者の要望に、鴻上尚史が贈った言葉と詩とは? 【相談164】「先生」に対する世間のイメージに押しつぶされそうなことがあります(32歳 女性 トトロ)  私は、大学卒業後から公立の小学校で働いています。大変なことの方が多くて、なぜこんな思いをしてまで続けるんだと自問自答する日もありますが、やはり子供たちと過ごす時間がかけがえのない宝物だから続けてきました。  でも、この仕事を辞めようかと思っています。「先生」に対する世間のイメージに押しつぶされそうなことがあるからです。先生は、勉強を上手に教えられて当然、クラスをまとめられて当然、など、誰に責められたわけでもないのに、プレッシャーで逃げ出したくなることがあります。クラス分けをし、子供に圧力をかけて小さな枠の中に押し込むような、教育のあり方にも疑問があります。  今は発達障害という言葉も一般的になってきています。あんなに狭い世界にいることを強制されて、ついてこられない子供がいるのも当然だと思います。でも、集団からはみ出る子が一人でもいることを、許せない教師もいます。どんな方法をとっても圧力をかけて自分の言うことは聞かせるように躾ようとする人もいます。私は、それは恐ろしいことだと思います。プレッシャーから逃げたい自分と、今は現状を変えられないけれどこういう考えを持っている人間が一人でも教育現場にいることで、誰かの力になれるのかもしれない、と考える自分の両方がいます。どちらかというと、辞めて逃げてしまいたい……という気持ちが勝っています。  でも、自分に力がないから自信が持てずに逃げ出したくなるのだとも思います。とにかく本を読んだり、研修に参加して力をつけることで見えてくるものがあるのかもしれないと、必死に今もがいています。教育とは一体何なんだろうと思い悩みながらも、できることを日々がんばります。以前、女性の医師の方に贈られた詩が私の宝物です。まとまらない相談ですが、もし、何か励みになるような詩や言葉をいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。 【鴻上さんの答え】 トトロさん。大変ですね。苦しみ、葛藤されているようですが、僕はトトロさんの相談を読んで、トトロさんのような人こそ、学校の先生であって欲しいと思いました。  僕は演出家をかれこれ40年近くやっています。その間、いろんな演出家さんに会いました。自信満々に俳優に命令を出し続ける人もいれば、いつも不安で俳優の顔色を窺いながらお願いし続ける人もいました。  いろんなタイプの演出家を見て、僕がなりたいと思ったのは、演出の指示をちゃんと出しながら、常に自分の演出を疑い、俳優やスタッフの声を聞ける演出家です。  ちゃんと演出の指示を出し(時には自信満々に見えながらも)、これでいいのか、もっといい演出はないのか、もっといい伝え方はないのかと、常に試行錯誤を続ける演出家になれたらいいなと思っています。  その意味では、「絶対の自信と安心」はないですから、不安になったり、迷ったり、プレッシャーに押しつぶされそうになります。でも、それは、より良い方向に変わるために必要なことだと腹を括っています。  トトロさんが「教育とは一体何なんだろうと思い悩みながらも、できることを日々がんば」るように、僕もまた「演出とは一体何なんだろうと思い悩みながらも、できることを日々がんば」るだけなのです。 「本を読んだり、研修に参加して」トトロさんが力をつけようとするのは素晴らしいことだと思います。  ただ、僕が心配するのは、トトロさんの文章から、トトロさんがとても真面目なんじゃないかということです。ちゃんと生活でオンとオフを使いわけていますか? 仕事の時は、オンですが、休みの時はすべてを忘れてオフになっていますか?  俳優さんの中にも、とても真面目な人がいて、稽古休みの時も休演日の時もずっと芝居のことを考えている人がいます。あまりに深刻になったり、対象に対して距離が近くなると、見えなくなってくるものが生まれます。ですから、そういう人には、僕は「明日の休みは芝居のことはいっさい考えない。温泉でも海でも遊園地でも行って、どーんと遊べ!」と言ったりします。  あと、プレッシャーを意識しすぎる時は、穏やかにかわす「スルー力」も必要だと思います。トトロさんが書くように、「勉強を上手に教えられて当然、クラスをまとめられて当然」というプレッシャーを感じた時に、「がんばろう」と思う時もあれば、「そうねえ、そうなれたら素敵ですよねえ」とノンキに答えて、息をつけるテクニックを身につけられたらと思います。  僕は演出家として、あまりに大規模で「成功して当然、お客さんが入って当然」という大プレッシャーの作品を演出する時は、割と簡単に「僕一人の力では、完全に無理なので、どうか助けて下さいね」と各部署に言って回ります。言われた方は、演出家がわざわざ来るので驚いた顔を見せることが多いですが、悪い気はしてないと思います。  さて、トトロさん。「何か励みになるような詩や言葉」ですね。言葉は「オンとオフ」と「スルー力」です。  詩は、例えば、谷川俊太郎さんのこんな詩はどうですか?  冬に  ほめたたえるために生れてきたのだ ののしるために生れてきたのではない 否定するために生れてきたのではない 肯定するために生れてきたのだ  無のために生れてきたのではない あらゆるもののために生れてきたのだ 歌うために生れてきたのだ 説教するために生れてきたのではない  死ぬために生れてきたのではない 生きるために生れてきたのだ そうなのだ 私は男で 夫で父でおまけに詩人でさえあるのだから  最後の二行を、「そうなのだ 私は女で(トトロさんの立場で、例えば)娘でおまけに教師でさえあるのだから」 と口ずさむ時に変えても、谷川俊太郎さんはきっと許してくれると僕は思っています。 ■本連載の書籍化第4弾!『鴻上尚史のなにがなんでもほがらか人生相談』が発売中です。書き下ろしの回答2編も掲載!

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    なぜ岸田首相は「女性」と「若者」から見放されたのか 望月衣塑子記者が見抜く“共感力のなさ”

     岸田政権の支持率低下が止まらない。7日、読売新聞が発表した世論調査では岸田内閣の支持率は36%と過去最低となり、初の30%台に落ち込んだ。JNNの最新の世論調査でも、内閣支持率は39.6%と3カ月連続で過去最低を更新した。読売新聞は、支持率低下の背景として「女性」「若年層」「自民党支持層」からの支持が下がっていることを挙げる。女性や若者の「岸田離れ」はなぜ起こっているのか。生活者の視点から政治を取材してきた、東京新聞の望月衣塑子記者に聞いた。 *  *  *「支持率は、まだまだ下がるでしょうね」  開口一番、望月氏はこう語った。  前出の読売新聞の世論調査によると、女性の内閣支持率は前回の10月調査(支持率=47%)から11ポイントも下がって36%となり、男性より支持率の高い傾向にあった女性の支持率は男性と並んだという。  これまでの安倍晋三元首相、菅義偉前首相と比べると、物腰も穏やかでソフトな印象を与える岸田文雄首相。自身がアピールする「聞く力」は、一般的に女性が求める政治姿勢とも合致しているように思えるが、今回の世論調査で“見限られた”のはなぜか。 「生活が苦しくなってきている実感が支持率に反映されているはずです。特に子育て世代の女性が『このままでは先が見えない』と大きな不安を感じているのだと思います」(望月氏)  原油をはじめとするエネルギー価格の高騰を受けて、10月28日、政府は総合経済対策を発表。1世帯当たりの電気、ガス、ガソリン代などの負担軽減をはかるため、来年前半にかけて、一般的な家庭で総額4万5000円程度を支援するとした。だが望月氏はこう指摘する。 「各家庭に4万5000円を直接支援するといいながら、消費税を15%に増税しようとする動きもあると聞きます。総合経済対策には39兆円かかり、その他の防衛費増額の支出も考えると、消費税10%では日本の財政がもたないという話が政府内から出てきているからです。そうした政策の“ちぐはぐさ”が、女性の不安や不満の原因になっているのではないでしょうか」  また、急速に進む円安の影響で、多くの食材や日用品が値上がりし、家計を直撃している。 「日銀は外貨準備を切り崩し、円安が進まないよう為替介入しましたが、焼け石に水の状態です。経済評論家の藤巻健史さんは1ドル500円を超えるという見立てまでしていますが、もしそこまで円安が進めば、日本経済が立ち行かなる可能性があります」(望月氏)  女性の「岸田離れ」は経済対策への不満に限らない。  寺田稔総務相の政治資金問題や山際大志郎前経済再生相の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との蜜月関係など、閣僚のスキャンダルが次々と発覚する中で、岸田首相の対応が煮え切らないことにも女性は失望している、と望月氏はみる。 「特に山際氏について、閣僚辞任直後に自民党の新型コロナウイルス対策本部長に就任させた人事には、失望した人が多かったと思います。これは自民党の萩生田光一政調会長の判断で行われた人事のようですが、旧統一教会と結びつきが強いと言われる萩生田氏の“配慮”のようにも見えますし、岸田首相への牽制の意味合いもありそうです。しかし、岸田首相は『党の人事は本人の経歴や経験をふまえて判断した』と曖昧なことしか言わない。こういう姿勢は首相としての頼りなさを感じます」  また、過去にLGBTなどの性的少数者について「生産性がない」などと主張していた杉田水脈衆院議員を総務政務官に就けたことにも疑問を感じるという。野党議員からは杉田氏に対して、過去の主張について謝罪や撤回を求められたが、杉田氏は応じていない。 「野党議員から過去の発言を追及された委員会では、杉田氏は『差別する意図はなかった』と繰り返すばかりで、頑として謝罪、撤回は拒否しました。また、杉田氏は過去に性暴力被害の相談事業について語るなかで、『女性はいくらでもうそをつけますから』と発言したこともある。こういう考えを持った女性議員を政府の要職に就ける岸田政権の姿勢は、ひとりの女性として、私も非常に疑問を感じています」(望月氏)  読売新聞によると、前出の世論調査では18~39歳の「若年層」の支持率の落ち込みも顕著になったという。内閣支持率は、前回調査の50%から36%に14ポイントも下落した。その背景を望月氏はこう推測する。 「若い世代からすれば、岸田首相のリーダーシップに頼りなさを感じるのでしょう。例えば、大学生が就職先を選ぶ際にも、今は大企業に入ればなんとかなるという感覚ではない。なぜなら、賃金は上がらず、雇用は安定せず、学生の目には日本企業が全体としてダメに映ってしまっている。だから外資系企業に人材が流れています。将来に対して暗い見通ししか持てない中で、岸田首相が構造改革を含め、何かを大きく変えてくれるという期待感が乏しいのだと思います」  日本は長らくデフレが続き、物価が上昇しない中で、企業は薄利多売で極限まで利益を削り経営を維持してきたので、労働者の賃金も上がらないという悪循環に陥っている。 「日本の労働者の所得水準は、他の先進国の平均値より低くなってしまっています。アメリカの利上げの影響による円安、物価上昇で日本も金利は上げた方がいいとは思っていても、今の所得水準では政府は決断できない。日銀含めて『これから日本は大丈夫なのか』という不安は若い世代ほど強くなるのは当然だと思います」(望月氏)  また、旧統一教会絡みでいえば、若い世代が切実なのは「宗教2世」問題だろう。支持率下落が報じられた直後、岸田首相は多額の寄付をした信者や信者の親の元で苦しむ被害者を救済する新法案を、今国会に提出することを目指すと表明した。 「岸田首相はこの新法案で起死回生を図ろうと躍起ですが、検討している救済法の中身をみると、創価学会を支持母体とする公明党への配慮が透けて見えます。たとえば、マインドコントロールの定義についても、自民、公明は『法律上の定義は困難』と消極的です。寄付の上限規制も、公明党を中心に『寄付文化が萎縮する』と慎重です。宗教団体は寄付文化によって支えられている側面があり、創価学会としては上限規制という発想自体が受け入れ難いのだと思います。それゆえ、もし今国会で法案提出できたとしても中途半端な救済法案になる可能性があります。2世を救済すると言いながら、創価学会の顔色をうかがう、という姑息(こそく)な姿勢には若者も気づいているはずです」(望月氏)  岸田内閣が発足してから、1年1カ月。「聞く力」と「新しい資本主義」をアピールして総裁選を勝ち抜いた岸田首相だが、この1年の実績を望月氏はどうみるのか。 「率直に言って、この人は何がやりたいんだろうという印象です。安倍氏や菅氏のような陰湿さはないけれど、本当にやりたいことが見えない。結局、これを成し遂げたいという意志が見えないから、財務省や経産省などからも扱いやすい存在になってしまっています。個々の人事は別として、岸田首相は判断が決して遅いわけではない。就任当初、メディアの予測よりもかなり前倒しで衆院解散を実施したり、安倍氏の国葬開催の判断も早かった。ただ、熟慮なき即断というか、国葬や原発増設など間違った判断も多いと感じます。本当に『聞く力』があるのなら、それを国民の声にもっと傾けて、女性や若者に共感される政策は何かを考えるべきだと思います」  7月の参議院選挙で自民党が勝利を収めた際、岸田首相は「黄金の3年」を手に入れたと言われた。だが、支持率が30%台となった今、政権にそんな楽観はないだろう。はたして、起死回生の秘策はあるか。(AERA dot.編集部・上田耕司)

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    【ゲッターズ飯田が教える】お金持ちの「家」に共通する3つのこと

     25年間で6万人以上を無償で占い、一貫して「開運」を極め続けてきた芸能界最強の占い師・ゲッターズ飯田さん。お金持ちを占う機会も多くあったという飯田さんが見つけた、「お金持ちの共通点」とは?  著書『ゲッターズ飯田の金持ち風水』(朝日新聞出版)から、一部編集してご紹介します。 ■その1 ティッシュを見えるところに置かない  お金持ちの家に行って気づいたのが、ティッシュが見当たらないこと。「なぜですか?」と尋ねたところ、「目障りだから」、もしくは「あると使っちゃうから」という人が多かった。  お金持ちはムダを嫌います。ティッシュがある → あると使ってしまう → ゴミが増える → ゴミにスペースを割くのはムダ、という思考です。ですから、たいていのお金持ちの家ではティッシュを引き出しにしまっていました。僕もマネして家のティッシュを隠してみたら……。見えないと意識にのぼらないので使わなくなるものです。  風水でも、「紙は気を吸う」と言い、古新聞、古雑誌を置きっぱなしにすると湿気を吸って空気が淀むとされています。紙袋やチラシなど紙は意外と多いもの。減らすよう意識してみてください。 ■その2 玄関に置く靴は1足だけ  お金持ちの家かどうか、行った瞬間にわかるチェックポイントがあります。それは、「玄関に靴がどれだけ出ているか」です。お金持ちの家の玄関に、靴は1足(もしくは住人の数)程度。履く靴以外は出ていません。  一方、「お金が無い」という人の家は、所狭しと靴が並んでいることが多い。狭い玄関なのに靴の占める割合が高いのが特徴です。  お金持ちは、どの靴を履こうか……などと一瞬でも迷う時間をムダと考えます。いつも履く靴だけ出しておけば迷いませんし、他の靴を選ぶときは、収納された中から選べば効率的です。ごちゃごちゃと置かれた靴を上から見るのは、気持ちが惑わされるため、実は非効率です。  風水で玄関は「仕事運」を表します。ごちゃっとした玄関の人は、仕事も頭も整理されていないのが丸わかりです。 ■その3 「丸み」のあるものを使う  家具に注目して見てみると、お金持ちの家には丸みのある家具が多いことに気づきました。お金持ち特有のセンスがあるのかと思い、聞いてみたところ、「鋭利なものはストレスになるから」「危ないから」という理由でした。  リラックスできる家にするには、ストレスを感じるものは極力排除した方がいい。そう、お金持ちは徹底的な合理主義者なんです。いくらスタイリッシュな家具でも、尖った角にぶつかってケガでもしたら自分のパフォーマンスが落ちるだけ。そんなムダな要素のある物を家に置く必要はない。そのくらい実利重視で物事を考えます。  また、お金持ちはホームパーティーをする人がとても多いです。「ストレス」や「危ない」要素をなくすのは、訪れる人への気遣いでもあるのでしょう。  お金持ちの部屋の哲学をマネすれば、あなたの部屋の「気」にも「お金持ちマインド」が加わるはず。「学ぶ」の語源は「真似ぶ」だとも言われます。つまり、「マネる」は「学ぶ」こと。マネしてみるだけで、お金持ちマインドがわかってくるかも! 『ゲッターズ飯田の金持ち風水』では、今すぐできる金運UPのコツをたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてください。 《いま、日本で一番売れてる占い師・ゲッターズ飯田さんの最新刊『五星三心占い2023年版』は、全国の書店・ネット書店・セブンイレブンにて発売中!》特設サイト→https://www.asahi-getters.com/2023/ ◎ゲッターズ飯田/これまで6万人を超える人を無償で占い続け、20年以上占ってきた実績をもとに「五星三心占い」を編み出し、芸能界最強の占い師としてテレビなど各メディアに数多く登場する。『ゲッターズ飯田の五星三心占い』は、シリーズ累計800万部を超えている(2022年9月現在)。5年連続100万部を出版し、2021年は年間BOOKランキング作家別1位(オリコン調べ)と、いま日本で一番売れている作家。

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    巨人、ウィーラー&ポランコ退団が持つ意味 今後“狙う選手” トレードの可能性は

     今季はリーグ4位となり、5年ぶりにBクラスに転落した巨人。来シーズンに巻き返しを図るべくオフにはFA選手の獲得を含め、大補強に動くと見られていたが、ここまでは長野久義(前広島)、松田宣浩(前ソフトバンク)とベテラン2人の獲得にとどまっている。  今後は積極的な補強にでると見込まれているが、浅村栄斗(楽天)、外崎修汰(西武)、中村奨吾(ロッテ)、西勇輝、岩崎優(ともに阪神)、西川龍馬(広島)らFA権を保有していた選手がこぞって残留するなど移籍市場が活発化せずにいる。  さらにFA権を行使し、獲得候補とも目されていた森友哉(前西武)はオリックスと4年総額18億円(金額は推定)で契約。また、もう一人権利を行使した“大物”の近藤健介(日本ハム)も巨人入りするというような報道は今のところでてきてはいない。  移籍市場で獲得できる選手が減っていく中で、球界の盟主は誰に照準を絞るのだろうか。FA市場での選択肢がなくなれば、当然他に“代替案”を見つける必要性も出てくるだろう。 「松田のソフトバンク戦力外の情報は早い段階で入手していたはず。三塁の名手でもあり、坂本勇人、岡本和真、中田翔、中島宏之とともに強打の右打ちの内野手は十二分に揃った。あとは左打ち外野手を揃えれば、野手はNPBトップクラスになる。また松田と同じくムードメーカーになれる長野の復帰も大きい。同じような役割を担っていた右打ちのウィーラーを戦力外にしたのは理解できる」(巨人担当記者) 「ポランコは残留する可能性もあったが、守備力の不安もあり戦力外となった。今オフはFA権保有者に各球団主力選手が多いが、左打ちの外野手は少ない。打てる外野手として獲得へ前向きと見られた広島・西川龍馬が残留したのは予想外だった。FA権行使を表明した日本ハム・近藤健介の獲得競争にも出遅れている。そうなると日本球界復帰が予想される筒香嘉智や新外国人獲得にシフトするはず」(在京球団編成担当)  松田、長野と契約したことに加え、ウィーラー、ポランコという外国人2人と来季の契約を結ばなかったことは今後の動きに関わってくるのは間違いない。  2人の助っ人が抜けた来シーズンの外野手の起用については、原辰徳監督もスポーツ報知のYoutube「報知プロ野球チャンネル」に出演した際に言及。丸佳浩をライト、増田陸、ドラフト2位ルーキーの萩尾匡也らでセンターのレギュラー争いをさせるプランを明かした。またドラフト1位の浅野翔吾、来季3年目を迎える秋広優人など若手を積極的に起用するという見方もあるが……。 「獲得に動くと見られる筒香や新外国人の外野の守備力には決して期待できない。勝負どころでは守備力に長けた選手が必要となるため、そういった外野手は維持しておきたい。増田や萩尾に期待するのは守備力で、打てる外野手補強への布石と考えられるかもしれない」(巨人担当記者)  また、今年のストーブリーグはここまで6件のトレードが成立するなど、必ずしもFA市場などにいる選手だけが狙い目ともいえない。今後は若い選手に切り替えていくという声もあるだけに、ある程度実績のある選手を“交換要員”としてのトレードなどを敢行することはあるのか。 「今のところ巨人の計算がうまく行っていない感じ。FA権を行使すると思われた選手が、次々と残留を表明。またオリックスを筆頭に、かつての巨人のように、巨額を使っての補強に動く球団もある。背に腹は変えられず、お金以外の部分で“出費”を伴っても戦力を充実させる必要が出てくる」(巨人担当記者)  いずれにせよ、このまま巨人が補強がないままストーブリーグを終えるとは考えにくい。FA選手やメジャー帰りの選手という選択肢がなくなれば、実績ある助っ人補強や交換トレードに動く可能性などもあるだろう。果たして来季に向けてどんな選手を狙うのか。今のところ静かな巨人の今後の動向に注目したい。

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    第2子妊娠「佐々木希」が不倫騒動後に得た幸福 渡部との夫婦生活を続けるワケ

     11月17日に女優の佐々木希(34)が自身のインスタグラムで第2子を妊娠したことを発表した。佐々木は「この度、第二子を授かりました。新たな命に、心から嬉しく思い、家族みんなで喜んでおります。母子共に健康です」と報告。「出産に向けて、かけがえのない大切な命に感謝しながら、穏やかに笑顔で迎える準備をしたいと思っております」とメッセージをつづった。  2017年、お笑いコンビ・アンジャッシュの渡部建と結婚した佐々木。2018年に第1子が誕生したが、20年6月に渡部の“多目的トイレ不倫”が報じられ大騒動になったことで、佐々木の家庭生活にはより注目が集まっていた。  そうした経緯があった中での第2子妊娠の発表に、SNS上では「再構築したのはすごい」「どうしても旦那が気持ち悪すぎておめでとうと思えない」など、さまざまな意見が飛び交った。一時は離婚説もささやかれたが、騒動後に新たな命を授かったということは、佐々木に離婚の意思はなかったのだろう。 「佐々木さんは夫のことをメディアでほとんど話さないのですが、不倫騒動の直後に発売された『an・an』で、当時の心境をそれとなく語っています。インタビューでは『とにかく朝が辛かった。余計なことを考えてしまって、どんどん気持ちが塞いでいった』と回想。その時、マネージャーが何度も話を聞いてくれたり、支えてくれたと明かしています。そんな中、怒りはあったが『ずっとその感情を抱いていたら自分のことを嫌いになりそうだったし、自分を嫌いになったら、人生が楽しくなくなるな』と思ったそうです。こうした発言を見ると、何とか夫婦関係を再構築しようとした佐々木の意思がうかがえます」(テレビ情報誌の編集者)  心に大きな傷を負いながらも家族を維持しようとする、佐々木の精神的な強さやたくましさは相当なものだろう。  2月に渡部が芸能活動再開を発表した際に、佐々木も自身のインスタグラムでコメント。「本日より主人が仕事復帰することとなりました」と報告し、「これからはゼロから頑張る主人の姿を見守ることに決め、今まで以上に感謝の気持ちを持ち、家族と共に前に進んでいこうと思っています」とつづっていた。この時も、ネット上では「私が佐々木希ならあの男を主人なんて呼びたくない」「あんな事されて何でこんな前向き発言出来るんだろ 本当にすごいわ」など感心する声が散見された。強さだけなく、懐の深さも持ち合わせているのだろう。  佐々木の活躍ぶりをみると、家庭の絆は騒動を経てむしろ強いものになった可能性もある。 「今年は朝ドラに初出演するなど女優業での活躍が目立ちますが、プライベートもかなり充実しているようです。最近は自分の時間をつくれるようになり、手芸を始めたり、ワイン好きでワイナリーに行ってみたりと、アクティブに過ごしていると情報番組で明かしていました。また、子育てについては『本当に楽しいです』と断言。子どもが、昨日できなかったことが今日できたり、おしゃべりがうまくなっていくのを見て『すごく感慨深い』と、笑顔を見せていました。そんな充実した日々の中で、心身ともに疲弊する離婚という選択をわざわざしなくてもいいと考えたのかもしれません」(同)  渡部が仕事復帰を果たした2月放送の「白黒アンジャッシュ」(千葉テレビ)で、相方の児嶋一哉から「奥さんは応援してるの?」と聞かれた渡部は「家族で一から頑張っていこうという思いはあって。復帰をしたいという思いは賛成してくれた」と明かしていた。また、子どもに対しても、芸能界を辞めるよりも再チャレンジして砕けたほうが「お父さん1回失敗したけど、逃げずにチャレンジしたね」と言えるから、と話していた。家族みんなで騒動を乗り越えようという気持ちがあったのだろう。 ■妻を大事にしながらの不倫だから許された?  一方、週刊誌の芸能担当記者は離婚しない理由は他にもあるのでは、と推察する。 「杏と東出のケースとは異なり、渡部に関しては特定の相手と長期間にわたって浮気していたわけではなく、複数の相手と体の関係を持つだけだったことが、離婚を回避した理由の一つと言われています。もちろん、多目的トイレでの行為は許されませんが、佐々木は意外とこの点については気にしていないそうです。また、渡部は佐々木に心底ほれており、常に愛情表現をしていたと以前から報じられています。妻をないがしろにして他の女性と遊んでいたわけではなかったようです。加えて、騒動後にダメ夫を支える、けなげな良妻イメージで佐々木の好感度が爆上がりしたのも無視できません。騒動当初、周囲は佐々木に離婚を強く勧めていたそうですが、こうした事情もあって、次第に周りからの“離婚プレッシャー”もなくなっていったようです」  こうなると、気になるのは芸能人としての渡部の今後だろう。芸能評論家の三杉武氏はまだまだ前途多難だと語る。 「愛妻から許されたとはいえ、渡部さんの復活への道は現状が示すよううに、まだまだ厳しい。騒動以前に好感度タレントとして人気を集めていたのがかえってアダになっています。いまさら好感度タレントに戻るのは無理な話ですし、芸人として活躍を見せようにも民放キー局のバラエティー番組などへの出演はいまだにハードルが高い。11月24日にはビジネス書『超一流の会話力』を出版する予定ですが、今後はこうした路線になっていくのでは。つまり、芸能人としての長いキャリアの中で培った社会経験やグルメなどの趣味や知識を生かした文化人的な活動ですね。これが現状では一番需要があり、彼が生き残っていく唯一の道でしょう」  渡部の将来には不安も残るが、不倫騒動を乗り越えた佐々木の好感度はますます上がりそうだ。(丸山ひろし)

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    マジンガーZ&デビルマン誕生50年 両作の“源流”になったマンガとは

    「マジンガーZ」「デビルマン」といえば、ともにアニメ史に燦然と輝く金字塔。その2作品が同年に世に出たのだから、当時の子供たちは幸せな時代に生まれたものだ。50年を経てもなお新たなファン層を拡大するその魅力を徹底検証した。 *  *  *  1972年12月3日。  のちのロボットアニメ界に大きな影響を与える永井豪原作のテレビアニメ「マジンガーZ」第1話が放送されてからちょうど50年を迎える。  科学者・兜十蔵博士が抽出に成功した新エネルギー「光子力」で動く巨大ロボット・マジンガーZ。地下帝国を支配するドクターヘルが送り込む機械獣軍団に、博士の孫、兜甲児がマジンガーZに乗り込み立ち向かう。  ロケットパンチやブレストファイヤーなどの多彩な武器、マジンガーZの操縦席でもある小型航空機「ホバーパイルダー」が頭部にドッキング(「パイルダーオン」)することで動くという斬新な仕組み……さまざまな要素で少年たちを魅了した。  マジンガーZの放送からさかのぼること約5カ月。72年の7月8日から放送されたのが、同じく永井豪の原作作品「デビルマン」だ。  人類絶滅をたくらむデーモン族の勇者・デビルマンはヒマラヤ探検中に殺された不動明の肉体を乗っ取るが、日本で出会った牧村美樹に心を奪われ、悪魔の使命を捨てた「裏切り者」として襲いかかるデーモン族に立ち向かう。  掛け声とともに放たれるデビルビーム、デビルウイング、デビルイヤーといった数々の特殊能力、斬新な変身スタイル……原作のコミック作品よりもヒーロー性が強調され、変身シーンや戦闘シーンは躍動感に満ちていた。「裏切り者」としての葛藤も描き、ダークヒーローものの先駆けとなった。  どちらもアニメ史の中で今も燦然と輝く「伝説の作品」。それが同じ年に放送されたのだから、当時の少年たちが受けた衝撃はいかばかりだったか。  ロックバンド「筋肉少女帯」「特撮」のヴォーカリストで作家の大槻ケンヂさんも、そうした少年の一人だった。2作品を熱心に見ていた当時をこう振り返る。 「『デビルマン』のアニメは当時の東京では土曜の8時台の放送で、『8時だョ!全員集合』の裏番組だったので、どっちを見ようか迷っていました。原色の使い方も印象的で、人間からデビルマンへのメタモルフォーゼ(変身)もショッキングでした。『マジンガーZ』も、リモコンで操縦していた鉄人28号のようなそれまでのロボットとは違い、自分が乗り込んで操縦するという新しい発想。それまであったものから全く新しいものが誕生するという意味では、音楽でいえばビートルズやテクノポップの誕生に立ち会ったようなものだと思います。ほんとに倒れるぐらいのショックでした(笑)。どちらのアニメも、永井豪先生の作品だけが持つなんともいえない雰囲気が漂っていた気がします。毎回、衝撃を受けながら見ていました」  大槻さんは“筋金入り”の永井豪ファン。2作品はもちろん、小学校低学年で読んだマンガ「あばしり一家」など、永井豪作品に大きな影響を受けてきたと語る。 「よく、『大切なことは◯◯から教わった』と言いますが、僕の場合何かといえば、やっぱり原作版の『デビルマン』なんです。特に、終盤にかけて『神は良きものでない』という展開は本当に衝撃でした。のちに、いろいろなマンガやアニメに出会うと、これはデビルマン的な作品なのか、そうではないのか、そういう見方をするようになってしまいました。『エヴァンゲリオン』シリーズもそうですが、近年の『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』、『チェンソーマン』など話題の作品を見て、『おお、デビルマンだ!』と要素を見つけては納得するという(笑)。周りにも、『この作品がいかにデビルマン的か』を熱弁するようになってしまっています」 ■両作に共通する力へのあこがれ  あらためて作品が生まれた72年当時の時代背景を振り返ると、戦後の復興から右肩上がりの成長を続けた日本社会が、曲がり角を迎えた時期だったことに気づく。アニメ・特撮研究家の氷川竜介さんがこう語る。 「70年代前半は光化学スモッグや河川や海の汚れなど公害問題が深刻でした。60年代の未来万歳、科学技術が発展すれば薔薇色の未来が待っているという時代ではなく、科学技術そのものが悪であるという見方も出てきた。73年のオイルショックで『薔薇色の未来』への疑念はさらに深まります。そういう時代背景に、永井豪作品のどこかニヒリズムをもつ世界観が非常にフィットしたと思います」  技術的な面を見ると、2作品のアニメでの成功は、それまで高級品だったカラーテレビの価格が下がり、お茶の間にかなり普及した時期の作品だったことも大きいという。 「白黒時代と違って色の使い方でもキャラクターの個性を表現できるようになった。さらに、テレビのブラウン管のサイズも大きくなり始めたことで、劇画のような細かい線も表現できるようになりました。デビルマンの体が原作と違う緑色のデザインになったことも象徴的ですが、キャラクターの鮮やかなカラーリングや、リアルで躍動感のある戦闘シーンなど、豪先生の作品の魅力がより発揮できる土台が整ったと言えます」(氷川さん)  それにしても、人間の体を乗っ取った悪魔がヒーローになるというデビルマンの斬新な発想は、いったいどこから出てきたのだろうか。  氷川さんはデビルマンの“源流”になったともいえる永井豪作品として、71年に「週刊ぼくらマガジン」で連載された「魔王ダンテ」の存在があると語る。  この作品では、主人公の高校生は氷に閉じ込められていた巨大な悪魔・ダンテを発見する。ダンテに捕食されてしまうものの、その怒りから逆にその体を乗っ取り、敵である神や人類を滅ぼそうとする。 「人間が人間の意識を持ったまま、巨大な悪魔になってしまうという作品です。豪先生によると、映画『ゴジラ』のような巨大生物の作品を自分なりに描きたかったそうですが、人間の意識が乗っかったまま人間と対立する存在になるところが他の作品と全く違いました。悪魔と神の対立や、人智を超えた力と人が一つになる構図、キリスト教世界の影響を感じさせる黙示録的な世界観などは、マンガ版のデビルマンに引き継がれています」(同)  そして、魔王ダンテに登場する要素は、実はマジンガーZにも受け継がれていることが見て取れるという。 「『魔王ダンテ』で主人公の意識がある頭部は兜甲児がマジンガーZを操縦する場所と同じですし、自らの強大すぎる力を制御できない序盤の描写にも共通点が見いだせる。マジンガーZの名前も『魔神』ですからね。巨大な力を得ることへの憧れと、大きすぎる力の危険性、そこに混迷の時代を乗り越えるためのヒーロー的要素を盛り込んだのが、この二つの作品なんだと思います」(同)  デーモン族を裏切り人類のために戦うというアニメ版デビルマンの設定については、氷川さんは前年にスタートし社会現象となった「仮面ライダー」の影響も指摘する。 「『敵の組織を裏切り戦う』という構造は、仮面ライダーや、さらに前のタイガーマスクに通ずるものを感じます。大組織に属していても使い捨ての存在である、という感覚は、『内ゲバ』が繰り返されるようになっていた当時の学生運動や安保闘争などの影響もあったのかもしれません」(同)  両作品が子供たちの心をつかんだ要因は、他にもある。デビルマンの「あれは誰だ」の印象的なフレーズから始まる主題歌や、哀愁をおびたエンディング曲。水木一郎氏が歌い今やアニメソングの代名詞のような存在になった「マジンガーZ」のテーマ曲。いずれも、一度聴いたら忘れられないインパクトだ。前出の大槻ケンヂさんはこう語る。 ■水木一郎の歌に大人世代が熱狂 「素晴らしいですよね、マジンガーZのテーマ曲には血湧き肉躍る高揚感がありますし、デビルマンのオープニングは映像とのシンクロ具合も神がかっています。一方で、デビルマンが鉄骨の上で一人座っている哀愁あるエンディング。ちょっと寂しい部分をもつヒーローというのは、のちのマーベル作品の映画などにも影響を与えたのではないでしょうか。そういう映画の寂しいシーンで、頭の中でデビルマンのエンディングテーマが流れることもある気がします」  ヴォーカリストとして、ステージの上からそのすごさを目の当たりにしたこともある。 「その後、僕もアニソンのイベントに出させていただく機会も出てきたのですが、そこで共演した“アニキ”こと水木一郎さんが歌うときの盛り上がりといったら! コロナの前には僕らと同じような世代のおじさんおばさんが、ホールが揺れるぐらいの大合唱でした」(大槻さん)  また、特に「マジンガーZ」は、日本の「おもちゃ」界にも大きな影響を与えた。精密でズッシリ重い「超合金」と、プラスチック製の巨大な玩具シリーズ「ジャンボマシンダー」という、二つのメガヒットシリーズを世に出したのだ。氷川さんがこう語る。 「放映当初のスポンサーで、『とびだすえほん』を大ヒットさせた出版社の万創が途中でつぶれてしまうんです。しかし同じくスポンサーだった当時のバンダイの子会社ポピーが、シャンプー容器と同じプラスチック素材で作った『ジャンボマシンダー』を大ヒットさせます。当時は、マジンガーZとデビルマンが共演する映画『マジンガーZ対デビルマン』が公開されたり、マジンガーが空を自由に飛べるような追加パーツ『ジェットスクランダー』が登場したりするなど、作品の熱量がどんどん高まってくる時期でもありました。74年に入り、そんな熱気の中で登場したのが『超合金』です。ポピーはもともとミニカーを作っていた会社だったのですが、その素材と技術を活用して、重さと精密感という実感を持ったおもちゃを登場させた。これが大ヒット商品となりました」  こうして、70年代前半の子供たちの心を鷲づかみにした両作品は、その後もリメイク作などが作られ続け、あらゆる世代、そして国境を超えて根強い人気を誇っている。  東京・中野ブロードウェイにあるギャラリーでショップの「墓場の画廊」でも、両作品の50周年を記念したイベント企画「DVZ50リターンズ」が11月12日から開催されている。 ■あのロッカーもSNSにアップ 「墓場の画廊」では定期的に永井豪作品を取り上げるイベントを開催しているが、5月に開催された同イベントに大きな反響があり、再開催された。  イベントを記念して製作されたTシャツをはじめ、リバーシブル仕様で総刺繍仕上げのスカジャン、キャップなど作品をモチーフにしたさまざまなコラボグッズも販売されている。反響が大きいのが、マジンガーZのロケットパンチを模した金属製の「ロケットパンチハンマー」だという。 「『ロケットパーンチ!』と言いながら日曜大工をするときに使ったり、ビールグラスも『デビール』というダジャレだったりと、日常でクスッと笑えるようなコラボ商品も出しています」  と、墓場の画廊代表、佐山有史さんは語る。  中野の画廊、そして地方の百貨店での巡回展や品川駅構内などでのコーナー出店なども行う。訪れる層は放送当時から作品を知る40~50代が中心だというが、 「コロナ禍が落ち着き、昭和サブカル好きな20~30代の若い女性や、外国人の方もよくいらっしゃるようになりました。2作品のキャラクターをアート感覚でアレンジして展開するソフビ人形も人気なのですが、当時を知らない世代や外国人さんも、そのソフビ作品を入り口に2作品に触れ、感銘を受けるという新たな流れも生まれています」(佐山さん)  墓場の画廊ではキャラクターとロックの意匠を組み合わせたTシャツシリーズも展開しているが、その中でも永井豪作品の人気は高いという。 「デビルマンのサタニックなイメージ、マジンガーZの鉄の城というイメージは、ロックテイストとの親和性が高いです。先日来日した、ガンズ・アンド・ローゼズのベーシスト、ダフ・マッケイガン氏がインスタのストーリーにうちのデビルマンTシャツをアップしてくれて、驚きました(笑)」  この先も、両作品は世界中のあらゆる世代に影響を与え続けるに違いない。(本誌・太田サトル)※週刊朝日  2022年12月2日号

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    キンプリ高橋海人「一つ一つを頑張っている5人が、歴史を重ねた先に幸せになっていたら最高」

     King & Princeの高橋海人さんが単独初主演となるドラマ「ボーイフレンド降臨!」が放送中だ。役者として、アイドルとして、目の前の一つ一つのことに取り組んでいきたいという。AERA 2022年11月21日号から。 *  *  * ――ここ数年、役者として重要な役を任されることが増えた。「ボーイフレンド降臨!」では主人公の青年・アサヒを演じている。 高橋海人(以下、高橋):毎日が新鮮で勉強させてもらっています。記憶を失った青年が主人公のラブコメディーなのですが、アサヒはずっと笑顔で明るく、どこか浮世離れしたキャラクターなんです。演技は、その役が生きていなければいけないのがすごく難しくて。アサヒを観ている人にどうやったら愛しいと思っていただけるのか、試行錯誤しています。  少しギアを上げるような動きも難しいです。細かいところまで意識してさまざまなシーンを演じ分け、アサヒの特性を全部大切にしたいです。 ■ずっと追いかけたい ――12月には、映画「Dr.コトー診療所」が公開される。2003年から放送が開始されたドラマ版を、子どものころ、再放送で見ていた。 高橋:出演が決まった時はとてもうれしかったのですが、同時にプレッシャーも感じました。原作ファンの多い作品でもありますし、僕にとっても吉岡秀隆さんといえばコトー先生でした。作品を愛している人が多いからこそ、自分が加わることで作品の世界観を絶対に崩してはいけないと思いました。できるだけ溶け込めるように意識して臨みました。 ――憧れの役者は2020年にドラマ「姉ちゃんの恋人」で共演した林遣都だという。一気に饒舌になった。 高橋:ドラマ「火花」を観たことがきっかけで遣都くんのことが好きになって、「姉ちゃんの恋人」で共演できたうえに対峙するシーンも演じることができました。こんな幸せなことはないです。遣都くんが演じるキャラクターはどれも愛しく感じてしまうんです。「芝居は役の奥にその人の人間性が見える」と聞きますが、遣都くんのお芝居はまさにそう。遣都くん自身がすごく熱い人で、演じるキャラクターにもそれが出ているから胸を打つんだろうな、と思います。必死に生きて一つ一つのことに熱量を注ぐ大切さを学びましたし、そんなお芝居ができるように毎回頑張っています。ずっと追いかけたい人です。 ――所属するKing & Princeはデビューから5年目に突入した。グループの進化をどう捉えているのだろうか。 高橋:デビューから4年が経ち、パワーが上がっています。特に6月にリリースしたアルバム「Made in」のリード曲「ichiban」で新しい強みができたと思っています。「ichiban」はパワフルなダンスが前面に出た曲で、リリースする時はメンバーと「King & Princeの王道アイドルである部分を好きなファンがどう思うかはわからないけど、認めてもらえるように頑張ろう」と話し合って、練習、リハ、ひとつひとつの歌番組に対して今までにないぐらいの気合で臨みました。部活みたいな感じでしたね(笑)。結果、受け入れてくれる人がたくさんいて、すごくうれしかったんです。今まで「この方向で大丈夫かな」という不安も感じながらいろいろな曲に挑戦してきましたが、霧が晴れた感じがしました。King & Princeはガツガツ踊ってもいい。あの曲によって、グループの核が増えたと思っています。 ■ダンスが武器になった ――自身は、幼稚園からダンスを始め、全国大会で優勝した経験がある。 高橋:得意なダンスでグループを引っ張っていけたらいいなという気持ちはずっとありました。ただ、王道のアイドルとしての面も強かったし、事務所に入ってからダンスを始めたメンバーもいるので、ダンスがグループの武器になるとは思ってなかった部分もありました。ダンス経験者の(平野)紫耀と僕が別の軸で魅力を出せたらいいなと思っていたんです。いま、みんながダンスパフォーマンス力をすごく上げて、「ichiban」が認められたことは誇りに思います。特に神宮寺(勇太)の成長はすごいと思います。 ■キンプリには嘘がない ――ニューシングル「ツキヨミ/彩り」でそれはさらに進化できたと考えている。 高橋:King & Princeの今の二つの武器を最大限に生かしたシングルです。「彩り」は「ボーイフレンド降臨!」の主題歌で、ドラマのストーリーにも沿った温かくて愛のあるすてきな曲。紫耀くんのドラマ「クロサギ」の主題歌「ツキヨミ」はラテン系です。「ichiban」はパワフルでしたが、「ツキヨミ」は大人の色気がすごくあります。King & Princeは「次はどんな感じでくるんだ?」と予想してくれていた人を驚かせられる音楽性とダンスパフォーマンスだと思います。今回も気合が入りました。シングルを出すたびに、自分たちの色が広がっていくのはうれしいです。  僕自身は昔に比べると、一つ一つのお仕事を楽しもうという気持ちになりました。以前はバラエティー番組がすごく怖くて、「何を言えばいいんだろう」「何を求められているんだろう」と考えすぎていたところがありました。そこから、「素の自分で闘って愛してもらえたら」というマインドになれたのは、この4年間があったからこそだと思っています。 「仕事としてアイドルやってます!」という感じではなくて、キャラを作らずにそのままの人間として闘っていきたい。その上で人間性に魅力を感じてくれる人が増えたらいいなと思って、頑張っています。  メンバーも4年前よりみんな素になっていると思います。King & Princeには嘘がない。ツアーでライブをやっている時は、メンバーの素が一番出ていて本当に幸せを感じます。毎公演ふざけちらかしています(笑)。 ■へこたれず乗り切る ――話はこれからのことにも及んだ。 高橋:僕たちはずっと目の前のこと一つ一つをどれだけ必死にできるか取り組んできたので、20年、30年先のことは考えてきませんでした。一つ一つを熱心に頑張っている5人が、歴史を重ねた先に、すごく充実して、幸せになっていたら最高だなと思います。 ――メンバーの成長に対し、「自分も負けないようにさらに頑張りたい」という。自身の性格を表現するなら、「負けず嫌い」だ。 高橋:欲張りなんですよね(笑)。学生時代はどの教科でも100点を取りたい気持ちがありました。堀越高校に通っていた時も、芸能活動しているクラスメートに負けたくなくて、それまで全然勉強してこなかったのに急に勉強しだしたりして。  でも、頑張ることができるのはやっぱり応援してくれる人がいるから。自分のことを好きでいてくれる人がいるのが、この世界での一番の心の支えです。応援してくれるから、へこたれずに乗り切ろうと思えます。その原動力はずっと変わりません。 (ライター・小松香里) ※AERA 2022年11月21日号

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    つみたてNISAの口座数が221万増 米国株下落でも“日本人の米国株買いは止まらず”

     この1年で221万も増えたつみたてNISA口座。米国株投資信託の人気は現地の株価が不調でも衰える気配がない。AERA2022年11月28日号の記事を紹介する。 *  *  *  金融庁が11月4日に公表した「NISA口座の利用状況調査」によると、今年6月時点でつみたてNISA(少額投資非課税制度)の口座数は638万5158。前年同月は417万5430口座だったので、この1年で約221万人がつみたてNISAを始めた計算だ。  つみたてNISAとは、金融庁の指定条件に合った低コストの投資信託を、毎月約3万3千円以内(年間上限40万円)で積み立てていく国の制度だ。本来、利益の20.315%が税金で差し引かれるが、つみたてNISAは買った年から20年間、非課税で保有できる。  つみたてNISAの対象投資信託、ETFは216本(10月31日現在)。このうちS&P500や日経225などの指数に連動するインデックス型が185本だ。どの投資信託が売れているのか、これらの純資産総額をすべて調査し、上位30本をランキングした。  純資産総額1兆6千億円台の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が1位。この規模はすべての投資信託(約6千本)で見ても2位だ。 ■米国株は下落中なのに  米国株式に続いたのが「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、3位「楽天・全米株式インデックス・ファンド」、4位「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」、5位「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」。このうち「S&P500」と「全米株式」は米国株だけが入った投資信託だ。「全世界株式」は約62%、「ニッセイ外国株式」は約75%が米国株(10月末)。相変わらず“日本人の米国株買い”は止まっていないということが、このランキングからわかる。  経済ニュースを見る人なら、今年は米国株が下がり続けていることはご存じだろう。S&P500の1月4日高値は4818ポイントだったが、10月13日に安値3491ポイントをつけた。約27.5%、つまり3割近くのマイナスだ。暴落と言ってもいい。相場が冷えると手控える=買わなくなる人も多いが、今回は様子が違う。下落中なのにつみたてNISA口座は増え、米国株投資信託の人気も衰えず。なぜなのだろう。楽天証券経済研究所ファンドアナリストの篠田尚子さんは「長期積み立てなら、そもそも半年や1年の値下がりは気にする必要がない」と前置きした上で語った。 「eMAXIS Slimなどの投資信託は円建てですから、基準価額が下がっていません。一時1ドル=150円台まで進んだ円安が米国株の下落分を吸収している構図です。自分の持っている投資信託が値下がりしないので、心理的なダメージが少ないのでしょう」  単純なイメージで説明しよう。4月1日に米国株が100ドルで、為替が1ドル=100円なら、円換算すると「100ドル×100円」で1万円の理論価格になる。4月2日に米国株が90ドルに下がり、為替が110円になったら9900円。株が10%下がっても為替が10%円安に振れると、円換算した値段はほぼ変わらないのだ。 ■自分は損していない  金融リテラシーが高くなく、S&P500の動きをニュース等で見ていない人は“米国株が下がり続けていることを知らない”または“知っているが、自分の保有投資信託が値下がりしていないから暴落を感じない”のだろう。もちろん金融リテラシーの高さから積み立てをやめない層も一定数、いる。 「投資信託の積み立ては、相場が上がっても下がっても、やめないことが大事です。初心者だからこそ余計なことを考えず、半分忘れてコツコツ続けられる。結果的に“正しい投資行動”に近づいていますね」  逆に、2020年や21年の米国株相場を見て「つみたてNISAではなく年初に40万円を一括投資!」などと考えスタートダッシュをした人は、今ごろ後悔しているかもしれない。1月に一括投資することを否定はしないが、これはその年の相場がずっと右肩上がりにならないと悲しい気分になりがちである。相場に一喜一憂せず、買い時を見極めずに続けられるのが積み立て投資の長所だが、“より早く、1月に買ったほうが”とタイミングを図っている時点で何かが違う気もする。  積み立て投資はそもそも、始めると暇だ。暇だから、何か他の金融商品に手を出したくなりがち。金利が上がっているなら外貨預金はどうか、為替がこんなに動いているならFX(外国為替証拠金取引)でお小遣いが稼げるのではないか──。 ■ドルのまま使う手も 「他の投資に挑戦するなら、自分なりに知識を得てから少額で。メガバンク窓口の外貨預金は為替手数料が高い、ネット証券で米国債券を買うほうが低コスト、などは調べないとわかりませんよね。今為替投資をして円高になったら損するという意見もありますが、ドルのまま持っておき、将来海外で使ってもいい」  それにしても、日本人が日本株でなく、米国株投資信託を買いまくるという皮肉な構図。 「今の若い世代は日本の大企業よりアップルやグーグルなどのほうが生活に密着しています。日本のアピール不足は否めません。ただ、米国株だけに思い入れを強くするのも危険です。株式の投資信託だけに目がいきがちですが、金銭的に余裕が出てきたら債券にも目を向ける、新興国も調べてみるなどバランスよい投資を心がけてください」 (ジャーナリスト・向井翔太/編集部・中島晶子)※AERA 2022年11月28日号

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    日本代表が強豪ドイツに大金星! 早くも注目を浴びる国内組の“意外な選手”とは

     20日に開幕したサッカーW杯カタール大会。日本代表は23日に行われた初戦の強豪ドイツ戦(2対1)で大金星を挙げ、グループリーグ突破へ向け素晴らしいスタートを切った。  チームとしての躍進が今後も期待されるが、4年に1度の祭典は選手にとっては自らを売り込む見本市でもある。  海外組選手たちはさらなるビッグクラブへのステップアップを目指しているが、中でも注目を浴びているのは久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)と、三笘薫(ブライトン/英・プレミア)だ。 「久保はフィジカルが強くなりプレーの選択肢が増えた。相手のチェックにも当たり負けしないで、高い技術をさらに生かせるようになった。どのポジションにでも適応できるのも良い。左サイドでは相手選手と競りながらでも試合を作る。右サイドからはカットインして様々なシュートを放つ。中央では想像力豊かにボールを供給する。多くの起用方法ができるのが魅力」(欧州在住サッカーライター)  久保は初戦のドイツ戦では先発したものの、思うようなパフォーマンスを見せることができなかったが、次戦以降の活躍に期待したい。  一方、久保が苦戦したドイツ戦で途中出場し、存在感を示して評価を上げたのが三笘だ。 「三笘のドリブルは世界レベルに届きつつある。ボールを持った時のバランスが良く、相手選手が取れない位置で操る。視野が広く一瞬のうちにコースを選択できる。また独特のリズムがあり、細かいタッチで自らコースを作り出すことも可能だ。少ないタッチでボールを回すサッカーが主流の中、アクセントをつけられる存在としても貴重」(欧州在住サッカーライター)  久保、三笘など近年は代表選手の多くが海外でプレーしているが、Jリーグでプレーする選手たちも注目されているのは同様だ。 「海外組が多い攻撃陣に入り込んだ町野修斗(湘南)への評価も意外と高い。ハマった際の爆発力は素晴らしく、森保一監督もそこに期待しているはず。ケガをしたDF中山雄太の代わりがFWなのに国内は驚きに包まれた。しかし町野の名前は海外では意外と知られており、サプライズ扱いはされていない」(国内サッカー雑誌編集者) 「7月のE-1サッカー選手権では3ゴールで得点王に輝いた。初代表で結果を出すメンタルの強さと運を持っている。J3・北九州でのプレー経験がありハングリー精神があるのも良い。前線で走り回るスタミナ、守備にも手を抜かない献身性など、泥臭いプレースタイルは岡崎慎司を思わせる」(サッカーエージェント会社関係者)  サッカーが浸透し、技術的な部分は年々向上している日本の選手だが、最後は気持ちが勝負を分ける時も多い。今回のカタール大会で出番があるかは微妙なところだが、“勝負強さ”があるのが町野の魅力。今後の戦い次第では救世主になる可能性もあるはずだ。  町野以外でも国内組でステップアップを果たすべく、活躍が期待される選手もいる。 「日本人のサイドの選手への評価と期待値は変わらず高い。(今回も代表に選ばれている)長友佑都、内田篤人の大活躍の印象も残っている。DF山根視来(川崎)も注目される一人だ。またMF・FW相馬勇紀(名古屋)はサイド起用時の(攻撃面だけではなく)守備について聞かれることもある」(サッカーエージェント会社関係者) 「国内組ではDF谷口彰悟(川崎)の堅実性に対する評価も高い。欧州サッカー関係者は海外、国内組問わず、日本人選手のレベルの高さを知っている。今大会では日本代表が躍進する可能性も感じている。もちろん長友のことも覚えていて、いまだに走り回っていることを喜んでいる(笑)」(欧州在住サッカーライター)  日本代表のほとんどを海外組が占めるようになったが、国内組も負けてはいない。各選手ともにアピールし、海外組はさらなるビッグクラブへのステップアップ、国内組は海外クラブへの移籍を視野にアピールしたいところだ。日本代表チームの躍進はもちろん、選手たちのキャリアに今回のW杯がどういう意味を持つのかに注目したい。

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    無冠の大谷翔平は「野球界で最高の選手」現地メディアから同情の声が相次ぐ

     まさか大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)が無冠に終わるとは、誰も想像していなかっただろう。17日(日付は全て現地時間)、BBWAA(全米野球記者協会)記者の投票による今季のMVPが発表された。注目されていたア・リーグは、リーグ新記録の62本塁打を放ったアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が30票中28票の1位票を得て、自身初のMVPに輝いた。  最も、ある意味では事前の予想通りの結果ともいえる。しかし、大谷の2年連続のMVP受賞も期待されていただけに、ファンから落胆の声が上がっている。オンライン最大のファンサイト『エンゼルス・ウィン.com』を主催するチャック・リヒター氏は「私は大谷選手がア・リーグMVPを受賞するべきだと考えていましたが、投票者は古風な考えを持っているようですね。アーロン・ジャッジが今シーズン、ロジャー・マリスを超える本塁打記録を打ち立てましたが、それがMVP投票で有利になったようです」と憤慨。  メディア関係者も大谷が無冠という事実に首をかしげる。スポーツメディア『スポーティング・トリビューン』のテイラー・ブレイク・ウォード記者は「(MVPを獲得した)昨季よりも優れた成績を残した大谷選手に(何の)賞も与えられないのは残念だ」と意見を述べた。  今季の大谷は、投手としては15勝9敗、防御率2.33の成績で規定投球回数もクリア(166イニング)。打者では、メジャーでは自己最多の160安打に加え、34本塁打とエンゼルスを牽引した。満票MVPを受賞した昨年を上回る活躍で、それがどう評価されるかは現地でも注目が集まっていた。  しかし、冒頭のMVPをはじめ、前日(16日)に発表されたサイ・ヤング賞では、ア・リーグはジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)が満票で受賞し、大谷は4位。ほかにも、10日に発表されたシルバースラッガー賞(ポジション別に打撃が優れた選手を選出する打撃のベストナイン)では、大谷は指名打者と今季新設されたユーティリティーの2部門にノミネートされるも、いずれも落選。今季の大谷はこれら主要な個人賞の受賞はなかった。地元記者の中には、現在の受賞者の選出方法に疑問を投げかける者もいる。  ウォード記者は、「各賞の要素が複雑で、大谷選手を難しい立場に追いやっている」と指摘し、次のような持論を展開した。 「シルバースラッガー賞に関して言えば、指名打者部門はヨルダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)の受賞は妥当だと思います。しかし、ユーティリティー部門の落選は理解できません。そもそも(同部門の)基準がよくわかりません。大谷選手は候補者の中でも明らかなベストヒッターだった。大谷選手のポジション(投手と指名打者)は考慮されるべきで、彼が受賞を逃すというのは筋が通らない」  同記者はサイ・ヤング賞についても「大谷選手(の成績)はトロント・ブルージェイズのアレック・マノア(3位)に匹敵すると強く信じていたので、彼は少なくとも最終候補になれたと思うのですが」とファイナリスト不選出を悔やむ。ただ、今季のファイナリストには「理にかなっている」と述べ、強くは反論しなかった。しかし、MVPの選出については別だ。 「MVPについてですが、私は大方の意見と同様、大谷選手とジャッジはMVP級の活躍をしたし、球史に残る素晴らしいシーズンを過ごしたと思っていますので、2人は同じように評価されるべきだと考えています」と述べる。しかし、現地の報道について「東海岸と西海岸では偏りがあった」と非難。実際、今回の投票結果を見ればウォード記者が憤るのも無理はない。BBWAAが17日に公表した投票者の内訳によれば、大谷に1位票を投じたのはエンゼルス地元から選出された有権者2人だけ。  一方、ヤンキースが地区優勝を果たしたことが大きく影響した、との指摘もある。エンゼルス専門メディア『ヘイローズ・ヘブン』のジェイコブ・シスネロス記者は「サイ・ヤング賞やMVPを逃しても大谷選手の価値が下がるわけではないが、彼のようなMVP級の選手は今後、(受賞するためには)チームを優勝に導くことが求められていくのかもしれない」と述べ、今後「MVP=優勝チームの選手」という構図になる可能性に警鐘を鳴らす。  そして各記者は、MVPのあり方についても言及。ウォード記者は次のように意見する。 「アーロン・ジャッジは(ア・リーグの本塁打)記録を塗り替え、MVPにふさわしい選手ですが、彼は一度もピッチングをしていません。とはいえ、今季の大谷選手はジャッジが打席でやったようなことはしていないので、実際にどちらがより素晴らしいシーズンを送ったかは、今後も議論が続くでしょうね。ただ、私は、”Value”(価値)というのは、(投票する記者たちの)私見以外では測れないものなので、この賞の文言は変える必要があると主張したいですね。確かに選手の価値はWAR(投球、打撃、走塁、守備を総合的に評価し、選手の貢献度を数値化したもの)などの高度な指標で区別することができます。たしかにジャッジのWARは高かかったが、大谷選手のように二刀流ではないので、正直どちらが優れているなんて言えません」  このように、ウォード記者は今回の結果を踏まえ、今後は様々なポジションの選手を公平に評価できる方法を考えていくべきだと主張する。 「2022年の野球界で最高の選手は大谷翔平だと思うが、(現在のような)個人賞で括ってしまうと、大谷選手に賞を与えることが出来なくなる。たとえ、他のどの選手よりも努力し、高いレベルでプレーしていてもです。大谷選手は去年(2021年)にすでにコミッショナー賞を受賞していますが、今年の方が同賞にふさわしいぐらいです。とにかく、今年の彼が無冠ということに納得がいきません。もっとも、彼は賞にこだわっているわけではないようなので、今回の結果が今後に影響することはないでしょうが。しかし、22年に彼の活躍に対しては何かしら表彰されるべきです。それぐらいチャンスは十分にありました」  前出のシスネロス記者も同じような主張を述べた。 「昨今、選手にとって個人の称賛は陳腐化しつつあります。私は大谷選手はMVPに値する選手だと思いますが、個人を称えることが無価値になる時期が来るかもしれません」  今年のMLB争いは、最後の最後まで多くの論争を巻き起こした。現在のアメリカの投票方法や選考基準が、大谷という唯一無二の存在とその並外れたパフォーマンスに追いついていないや、歴史的な活躍が形に残らなかったと、憤りを感じる現地識者は多かった。(澤良憲/YOSHINORI SAWA)

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    【ゲッターズ飯田】6万人を占ってわかった、お金持ちが「やらない3つのこと」

    「芸能界最強占い師」として知られ、25年間で6万人以上を無償で占い続け、新刊『ゲッターズ飯田の五星三心(ごせいさんしん)占い2023』も話題のゲッターズ飯田さん。今回は、ゲッターズさんが多くのお金持ちの人から話を聞くなかで気がついた彼らの共通点を紹介します。(朝日新聞出版刊『ゲッターズ飯田の金持ち風水』から一部抜粋・再編集) ■共通点1  お金持ちは「迷う」ことがない 「夢をかなえるために必要なのは、行動力」などとよく言いますが、お金持ちの場合、単なる行動力ではなく、その前に「素早い」がつきます。  お金持ちは行動がとにかく速い。何かアイデアが浮かんで、「できるんじゃない?」と思ったら、すぐにやります。少しも迷いません。  では、なぜお金持ちになれない人は行動が遅いのでしょうか? それは、迷うからです。なぜ迷うのかというと、うまくいくか不安だからでしょう。失敗したくないからです。  一方で、お金持ちの行動が速いのは、失敗しても別にいいと思っているからです。そう思えるのは、これまでにもたくさん失敗してきたからでしょう。失敗を重ねたから成功する方法がわかったわけで、失敗は糧にすればいいだけのこと。失敗を失敗で終わらせない。だから恐れずにすぐやる。迷う時間はムダなだけなんです。 ■共通点2 お金持ちは「雑誌」を読まない!?  雑誌とは、その名のごとく「雑多なことが書かれた書物」。情報を手っ取り早く知るにはよいのですが、お金持ちはほとんど雑誌を読みません。  曰く、「誰が書いているのかわからない情報を、なぜ自分の中に入れる必要があるんですか?」とのこと。  なるほど、信用できるかどうかわからない記事を読む必要はない。知りたいことがあれば専門家に聞いた方がいい。信用できるかどうかわからない記事で心が乱されるのは時間のムダ、と考えるのが、お金持ちの発想だったのです。  そのかわり、お金持ちは本をたくさん読みます。読む本は、「この人が書いたから」という視点で選びます。確かな筋から確かな情報を仕入れたい。これがお金持ちの鉄則です。 ■共通点3 お金持ちは「ネットサーフィン」をしない!?  読書家が多いお金持ちですが、ネットサーフィンはしないようです。インターネット自体は使いますが、「ダラダラとは見ない」ということです。  ネットサーフィンをしていると、面白い情報を次々と見つけて、気づいたら数時間が過ぎていた! という経験は珍しくないでしょう。けれどもお金持ちは、これが命取りと考えます。  まず、時間の管理ができないこと。決めた時間内で目的を果たすためにネットを使うなら別ですが、ネットサーフィンを始めると、そうはいきません。  また、雑誌同様、いくら面白くても、「信用できるかどうかわからない情報」が多いこと。もちろん、信頼できる人が発信している情報は別ですが、信憑性の低い情報に振り回されるのは、ムダ以外の何物でもないのです。まさに「時(とき)は金なり」です。 ※『ゲッターズ飯田の金持ち風水』より ◎ゲッターズ飯田/これまで6万人を超える人を無償で占い続け、20年以上占ってきた実績をもとに「五星三心占い」を編み出し、芸能界最強の占い師としてテレビなど各メディアに数多く登場する。『ゲッターズ飯田の五星三心占い』は、シリーズ累計800万部を超えている(2022年9月現在)。5年連続100万部を出版し、2021年は年間BOOKランキング作家別1位(オリコン調べ)と、いま日本で一番売れている作家。

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    17時間前

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    夫のものではない精子で妊娠・出産する「AID」 生まれた子供が経験する“喪失体験”の実態

     今年4月から日本でも保険適用が認められるようになった不妊治療。中でも「AID」は、夫のものではない精子で妊娠・出産する生殖補助医療で、慶応大学病院を中心に1948年から実施されてきた。不妊に悩むカップルを救ってきた一方、AIDで生まれた子の多くが、自らの出自をめぐって苦しむケースが多数報告されている。10年以上にわたり、日本・オーストラリア・イギリス・アメリカ・デンマーク・スイスで当事者たちや医療関係者などに取材してきたジャーナリスト大野和基氏の新刊『私の半分はどこから来たのか――AIDで生まれた子の苦悩』(朝日新聞出版)から、その実態を一部抜粋・再編して紹介する。 *  *  *■お父さんとは血がつながってなさそうだ  2002年、医学部の5年生のときだった。病棟実習が始まり、いろいろなセクションを3週間ずつ実習するカリキュラムが組まれていた。その最後の枠が臨床検査部だ。そこは輸血や採血した血液の検査をするセクションで、ほとんどの医学部生はそれほど関心を持たず、単位だけ取ればいいと思われる実習だった。  しかし、加藤英明(当時29、現在48歳)は違った。加藤は骨髄移植や遺伝子検査に興味を持っていたのである。骨髄移植用の血液検査について、時間外で教えてほしいと教授に請うた。しかし、まさかそれが衝撃的な発見につながるとは、想像さえしていなかった。  教授に「血液を詳しく検査するためには、両親の血液が必要だ」と言われ、加藤は採血キットを持って帰り、両親の採血を行った。一般的な赤血球の血液型をまず調べると、父親はAB型だった。加藤はO型だ。一般的にAB型の親からO型の子は生まれないが、シスAB型という特殊な血液型の場合は、O型が生まれてくることがある。実際、加藤の家系にはAB型の親から生まれたO型の子が何人かいた。  骨髄移植では赤血球の血液型だけでなく、白血球の血液型である「HLA型」も調べる必要がある。これは4種類の赤血球と異なり、A座、B座、C座、DR座、DQ座、DP座の6座がある。HLA型が一致しないと拒絶反応を引き起こすリスクが生じるのだ。HLA型は両親から半分ずつ受け継ぐので、少なくとも半分は一致しないとおかしい。すなわち、HLA型6座のうち、親子なら3つの座は同じであるはずなのだ。赤血球の血液型はすぐにわかるが、HLA型の結果は出るまでに数日かかる。  2002年12月、加藤の血液検査の結果が出た。輸血部に結果を取りに行くと、係の人は封筒から取り出しながら「ちょっとおかしいですね。でも自分で直接見てもらったほうが早いですから」と言って書類を渡した。加藤と母親は6座中4座まで一致していたが、父親とは6座中1座か2座しか一致していなかったのだ。採血したのも、検査に持って行ったのも加藤本人だから、途中で間違いが起こる可能性は限りなくゼロに近い。「お父さんとは血がつながってなさそうだ」。加藤はそう心の中でつぶやいた。母親と血がつながっているのは間違いない。  加藤が最初に考えたのは、父親は違うが、母方の親戚の誰かから養子としてもらわれてきたのではないかということだった。親戚が多かったので、よけいにそう思ったのだが、誰が本当の父親なのかとあれこれ考えを巡らせた。母親に聞けば教えてくれるだろうから、そのときはそれほど心配しなかった。いつ聞いたらいいのだろうか、と思いながら、数日間を過ごした。父親はすでに市役所を退職して家にいることが多かったが、こういうことを聞くのは母親一人のときがいいと思ったからだ。  忘れもしない2002年12月13日金曜日。午前中は実習が普通に行われ、その日が年内最後の授業だったので、同級生と打ち上げに行った。その日、加藤が帰宅したのは夜11時近くだった。母親は一人でテレビもつけずに、ソファに寝そべっていた。父親はたまたま飲みに行っていて、まだ帰宅していなかった。加藤は今がチャンスだと思い、母親にこう切り出した。 「お母さん、お父さんとぼくは血がつながっていないみたいだけど」。母親は何の返事もしなかった。「そんなこともあるかもしれないね」。しばらくして、母親はぼそっとつぶやいた。 加藤が「それはどういうことなんだ?」と咎とがめるように聞くと、「お父さんとお母さんは30歳を過ぎて結婚し、当時としては晩婚だった。3、4年経たっても子供ができなかった。そうこうするうちに35歳を超えてしまったの」。母は意を決したように話し始めた。 ■母の告白  母親は当時、薬剤師として病院に勤めていて、子供ができなかったため、病院の産婦人科の医師に相談に行った。そこで一通りの検査をすると、母親の生殖能力には問題がないことがわかった。ついで父親の精子の検査をしたところ、無精子症と言ってもいいほど、精子が少なかった。無精子症の治療で有名なのは慶應義塾大学病院の産婦人科だからと、母親は紹介状を携えて検査に行くようにすすめられた。  慶應病院で提案されたのが、他人の精子を使って妊娠することだった。慶應の医学部生の精子を父親の精液と混ぜて使う。「夫の子が生まれてくる可能性はないが、夫との子かもしれないと思って実施してください」と言われたという。この方法を2年続け、ついに妊娠した。 生まれてきたのが加藤だった。  妊娠がわかってから母親は、地元の国立病院に移り、普通にできた子供だと偽って出産した。母親は加藤に、「あまり話したくない」と言いながらも、ゆっくりと話し始めた。このとき母親は70歳を超えていたので、加藤は母を責める気持ちにはならなかった。検査結果を知った日から母親に聞くまで、親戚の中に親がいるかもしれないと思ったときもあるし、母親が浮気をしてできたのかもしれないと邪推したこともあった。しかし、どこかで母親に聞けば、“本当の父親”がわかるだろうと思っていた。  しかし、誰が父親かわからない――その状況に突然、加藤の中に怒りが込み上げてきた。「これって何だろう。29年間もだまされてきたのか」。これがAID出生者がよく経験する「喪失体験」である。AIDとは、「Artificial Insemination by Donor」の略で、日本語に訳せば「非配偶者間人工授精」、つまり、夫のものではない精子を子宮に注入して、妊娠・出産する方法で、海外ではDI(Donor Insemination)と呼ばれることが多い。日本では1949年8月に慶應病院で、初めて提供精子による子供が誕生した。それ以来、もっぱら男性側に原因がある不妊カップルを救済するために実施されてきた。  精子を提供するのは主に慶應大学医学部の学生(3~6年生)であるが、匿名を条件としているので、のちに血がつながった父親を探そうとしても大学は教えてくれない。それ以前に親が子供に告知をしないことがほとんどだから、子供も自分の父親とまさか血がつながっていないとは思いもよらないだろう。  ところが、最近になって先進国においてAIDで生まれた人が声を上げ始めた。なかにはこの技術の全面禁止を訴える人もいるほどだ。すべての家庭に当てはまるとは限らないが、親がアイデンティティ形成の根幹にかかわる、最も重要なことで子供に真実を伝えていないため、家庭内に説明のつかない違和感や緊張感が絶えず漂っているという。  なお、自分がAIDで生まれたことを子供は、両親の離婚や、病歴を知ろうとしたときに知らされることが多い。病院で親の病歴を書こうとするときに、母親から「あなたは父親とは血がつながっていないから、記入しなくてもいい」と突然告白された人もいる。加藤の場合は、のちに「あなたが医学部に行ったときから、いつかはバレると思った」と言われたという。さらに母親を追及しようとしたが、あきらめた。 ※後編「同じ精子提供者から75人の兄弟姉妹が生まれた例も AID(非配偶者間人工授精)が抱える重大な問題点」へつづく

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    カズレーザーただの同志社大卒インテリ芸人にあらず 彼がいま求められる理由とは?

     10月25日、メイプル超合金のカズレーザーがMCを務める新番組『カズレーザーと学ぶ。』(日本テレビ)が始まった。1つのテーマにつき3人の専門家が解説をする教養系のバラエティ番組である。  カズレーザーにとっては初めてのプライムタイムの冠番組となる。すでに数多くのレギュラー番組を持っている彼が、また新たなステージに踏み出した。  数年前までのテレビ業界では、クイズ番組で活躍するインテリ系クイズ芸人はそれほど多くはなかった。そこはほとんどロザンの宇治原史規の独占市場となっていた。京大卒という文句なしの学歴に加えて、本人の真面目さと器用さがクイズ番組に向いていた。その後も高学歴の芸人が次々にクイズ番組に名乗りを上げたものの、彼に比肩する人材はなかなか出てこなかった。  そこに颯爽と現れたのがカズレーザーだった。同志社大学卒という学歴を買われて『Qさま!!』(テレビ朝日)の「ヤング学力王ナンバーワン決定戦」という企画に出演した彼は、初出場でいきなり優勝してしまった。ここでその才能を知らしめたカズレーザーは、一気にクイズ芸人として名を馳せることになった。  クイズ番組で出題される問題は、学歴が高ければ解けるというものではない。カズレーザーはクイズを解くために必要な頭の回転の速さと豊富な知識を備えていた。そして何よりも、クイズを一種の趣味として心から楽しんでいた。カズレーザーは有り余る知的好奇心を売りにする新しいタイプのクイズ芸人としてその地位を確立した。  さらに、彼はその特異な個性をクイズ以外の分野でも発揮し始めた。テレビ朝日の深夜番組『お願い!ランキング』の中で「カズレーザークリニック」という企画が行われた。そこではカズレーザーが高学歴の女性たちの悩みに答えていた。  東大生の女性が「プライドが高すぎて将来周りに合わせられないのではないかと不安だ」という悩みを告げたところ、カズレーザーは「本当にプライドが高ければこんなカメラの前で丁寧に悩みを相談したりもしない」と一刀両断した。将来は自分と同じようなプライドの高いエリートに囲まれて仕事にすることになるから、プライドの高さがそんなに目立つことはないだろう、と鋭い分析をしてみせた。  また、「女子力の磨き方がわからない」「女子力がなくて困っている」という悩みに対しては「女子力なんてウソの概念」と切り捨てた。料理ができるとか気が利くというのはそれぞれ個別の能力に過ぎず、「女子力」などというものは存在しない。「そんなあやふやなものにとらわれずに個性を磨くのが大事」と主張した。  このように、どんな悩みに対しても俯瞰したような立場から冷静に鋭い意見を言ったことで、コメンテーターとしての能力が認められ、その分野の仕事が一気に増えていった。  情報番組のコメンテーターというのは、タレントにとっては簡単そうで難しい仕事である。無難なことを言っても印象に残らないが、的外れで過激なことを言えば叩かれる。芸人だからといって真面目なニュースにふざけたコメントをすれば白い目で見られる。  細い隙間を縫うようにして、ありふれてはいないが説得力のある短くて鋭いコメントを瞬時にひねり出さなければいけない。カズレーザーは高いレベルでこれをやり続けられる数少ない人材の1人である。  高学歴だったり、毒舌を売りにしていたりするタレントや文化人はほかにもたくさんいる。だが、カズレーザーほどコメンテーターとしてきちんと評価されている人はほとんどいない。  金髪で全身真っ赤の服という異様な外見の彼は、その見た目のイメージ通り、他人の目を気にせずに短い言葉で周囲がヒヤッとするようなことを口にすることもある。しかし、知性とユーモアを駆使して聞き手に嫌な印象を与えない。彼が求められる理由はそこにある。  カズレーザーの言動からは人間臭い感情の起伏がほとんど感じられない。他人に嫉妬したり、自分がどう思われるかを気にしたりすることなく、好きなことだけをやってのびのびと生きているように見える。  日本人の中には、他人にどう見られるかを常に気にしているような人が多い。誰もが世間体を過剰に意識してしまうお国柄だからこそ、マイペースを貫いている彼の生き方は魅力的に映る。カズレーザーは達観した態度で息苦しい日本社会に風穴を開けているのだ。(お笑い評論家・ラリー遠田)

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