料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「豚肉と水菜のシンプル鍋」。
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いよいよ今年も年の瀬が近づいて参りました。慌ただしいこんな季節の夕食におすすめしたいのが、こちらのシンプル鍋。名前のとおり、豚肉と水菜を入れるだけ。豆腐も入らずいたってシンプル。ただし、豚肉はしゃぶしゃぶ用ではなく、少し厚切りのロース肉を入れたほうが食べ応えもあり、おいしさがぐっと増します。
この鍋はポン酢のようなタレは使わず、だしも一緒に楽しむので、だしのおいしさが味の決め手に。昆布は最低でも30分は水に浸すようにしてください。冬場なら前日の夜から用意してもいいでしょう。鍋を火にかけ、ふつふつと煮立ってきたら沸騰直前に昆布を引き上げます。煮すぎるとぬめりが出てしまうのでご注意を。
こちらに調味料を加えたら、鍋の準備完了。厚切りの豚肉と、さっと火を通したシャキシャキの水菜の取り合わせは絶品です。
そして最後は締めのうどんがお待ちかね。豚肉のうまみが溶け込むだしを、余すことなく味わってくださいね。
(構成/沖村かなみ)
■豚肉と水菜のシンプル鍋
【材料】(2人分)豚ロース肉(厚さ約3mm)200g、水菜100g、うどん適量、だし昆布(10cm角)1枚、薄口醤油大さじ3、塩小さじ1、酒大さじ2、水1200ml
【作り方】(1)鍋にだし昆布と水を入れ、30分以上置く。(2)水菜は根元を切り落としてよく洗い、3等分に切る。(3)(1)の鍋を火にかけ、沸騰寸前に昆布を引き上げる。薄口醤油、塩、酒で味を調える。(4)(3)の鍋に豚肉を入れ、アクが出たら取り除く。豚肉に火が通ったら、水菜を入れ、さっと火を通す。最後にうどんを入れる。
【ワンポイントアドバイス】鍋を火にかけたら、だし昆布は沸騰する直前に取り出し、煮すぎないようにする。
豚肉を入れるとアクが出てくるので取り除き、だしも一緒に器に入れていただく。
※週刊朝日 2022年12月23日号