鴻上尚史さん(撮影/写真映像部・小山幸佑)
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 自分たちの生活にかかわる事柄ほど、あまり報道されていないという現状に疑問を抱く30歳の相談者。なぜ「偉い人」たちは本当に大切なことを教えてくれないのか、日本の未来に希望を持つことができていないという。そんな相談者に、鴻上尚史が伝えた「テレビの報道のありかた」とは。

【相談223】

 大切なことがニュースにならない日本に楽しい未来を描けません。なぜ日本は“未来”に向けての希望を持たせようとしないのでしょうか(30歳 性別未回答 ロン)

 鴻上さん、こんにちは。こんな大人になってから気づくのって遅いと思われるかもしれませんが、どうして日本は大切なことを全く教えてくれないのでしょうか?大谷選手の通訳の方に関するニュースとか、ぶっちゃけどうでもいいです。でも連日狂ったように報道してますよね?かわりにインボイスや共同親権といった私たちの生活に関わりそうな事柄はほとんど報道されていないように感じます。

 嫌な大人のクソ事情のせいですかね?

 若い方々の自殺者数が多いのも、私はすごくわかります。だって今この世界に生きてたって、楽しい未来を描けるわけがないよなと思うから。

 「どうしたら生きやすくなるのか?」。

 もちろん、“今”を改善するのも大切だと思いますが、もっと“未来”に向けて希望を持てるようにしないといけないと思いませんか?どうして偉い人は皆本当のことや大切なことを教えようとしないのでしょうか?やっぱり自分や自分の回りが1番大事だからでしょうか?口の悪い投稿で申し訳ないですが、鴻上さんの意見を聞きたくて投稿しました。よろしくお願いします。

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鴻上尚史

鴻上尚史

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。94年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲賞。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける。近著に『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる 』(岩波ジュニア新書)、『ドン・キホーテ走る』(論創社)、また本連載を書籍にした『鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』がある。Twitter(@KOKAMIShoji)も随時更新中

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