本連載の書籍化第5弾!『鴻上尚史のおっとどっこいほがらか人生相談』(朝日新聞出版)

【鴻上さんの答え】

 ロンさん。全然、「口の悪い投稿」じゃないと思いますよ。僕もここの所、テレビをつけるのが憂鬱になってきています。大谷さんは大好きだし、ホームランを打てば嬉しいし、がんばってほしいと思いますが、あきらかに報道の量は異常だと思います。

 この前は、「大谷、セカンドゴロ」というニュース速報が流れていました。腰が抜けそうになりました。

 僕はかつて、テレビが大好きでした。家にいる時は、いつもテレビをつけていました。朝起きた時も、帰宅した時も。それが、だんだんとつけなくなってきています。

 それはやっぱり、自分が見たいもの、知りたいものがどんどんとなくなっているからだと思います。にぎやかな笑い声に満ちた番組になればなるほど、空虚な空気を感じてしまうのです。

 さて、ネット社会と言われてますが、まだまだテレビの影響力は大きいと思います。ネットに日常的に接していない人が一定数いるからです。ネットにまったく接してない人は、共同親権の問題点も、インボイスの問題点も知る機会はなかなかないわけです。

 先日、日本人女性カップルが、カナダで「難民認定」を受けたというニュースがネットで流れてきました。

 朝日新聞デジタルの記事によると、「難民と認められたのは50代と30代の女性。日本で生まれ育った。職場や家族内で差別を受け続けたため、2 人で2021年にカナダに渡航。日本で受けた差別や、日本の法整備の現状などを記した200 ページ超の資料を提出し、面接や公聴会を経て23年9 月、難民と認められた」とあります。

 日本は、難民を生み出す国になったのだと、僕は衝撃を受けました。

 これなんか、ニュース番組のトップになるべき大変なニュースです。

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