「終わりだよ」と言って、この国を出て行くのなら分かりますが、ただそう言って、生活は続けている人が多いと思います。「終わりだよ」なんて哀しい気持ちのまま、生きていきたくないと僕は思います。
視聴率の問題は、はっきり言えば、「鶏と卵」だと僕は思っています。
報道しないから見ない、見ないから興味ない。興味ないから報道しない。それだけのような気がするのです。
だって、見知らぬスポーツも何度も放送されたら、だんだんとファンも増えてくるでしょう。知らない俳優さんも、何回も見ると、だんだんと親近感がわくでしょう。
心理学で言う「単純接触効果」ですね。繰り返し接すると、どんどん興味がわいてくる、というやつです。
ただし、放送や報道の仕方は、かなりの腕が必要だと思います。センスと技術です。陽気な話題は、そのまま報道しても陽気です。みんな、喜んで見てくれます。
でも、私達の生活を決定するいろんなことは、たいていは、重くて深刻で複雑です。残念ながら、重いことを重いまま、深刻なことを深刻なまま、複雑なことを複雑なまま提出すると、多くの人々は拒否反応を示します。
僕だって、朝起きて、テレビからいきなりガザの悲惨な風景が飛び込んできたら身構えます。帰宅してふっと力を抜いた時、DVを受けて、母子が逃げている告白を聞くには、エネルギーが必要です。
でも、パレスチナ問題も共同親権も選択的夫婦別姓も同性婚もインボイス制度も旧統一教会問題も世界3位になる予定の軍事費も、とても重要な問題です。