それを、どう料理して、それぞれの番組と時間帯で、「受け入れられるもの」にするかが、腕だと思っています。

 朝なら朝の番組の報道の仕方、午後のワイドショーならワイドショーなりの報道の仕方、プライムタイムの気合を入れた番組ならそれなりの作り方、があると思っているのです。

 亡くなった井上ひさしさんの創作のモットーは、「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」でした。

 大切なのは、「おもしろく」ということだと僕は勝手に思っています。「今、こんな大変なことが起こっているんだ!大問題なんだ!」と声高に主張するよりも、プロデューサーやクリエイター、ディレクターと呼ばれる人達は、「おもしろく」伝えることが必要じゃないかと僕は思っています。

 で、おもしろく伝えようとすると、真面目な人達から怒られたりします。「ふざけるな!」とか「事態は深刻なんだ!」なんてことです。でも、事態が深刻であればあるほど、多くの人に伝える必要があり、そのためには、「おもしろく」伝える必要があると僕は思っているのです。

 そして、もうひとつ。テレビがどんどん「スポーツとグルメと笑いとクイズ」になってきているのは、「政府に忖度」している結果だと僕は思っています。

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