代謝アップがダイエットの近道。でも、運動習慣を継続させるのはつらい。そんな怠け者でもたった1分間のエクササイズなら続けられるはず。AERA 2020年1月13日号では、高価な器具もオシャレなウェアも必要ない運動法を紹介する。
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ダイエットとリバウンドを繰り返してきた埼玉県在住の会社員、小川かずみさん(39)とアエラ編集部員の中島晶子が扉をたたいたのは「ピラティス」の世界だ。ゆっくりした動きで体幹を鍛えるエクササイズだが、何十回も繰り返すスクワットなどと比べてつらくない。関節をたくさん伸ばすので肩こり・腰痛持ちにもオススメという。
「ピラティス、気持ちいいらしいですよね! 気持ちいいなら続くんじゃないかな?」(小川さん)と、2人で体験レッスンに参加することになった。
先生は、東京・西荻窪のカラダ改善スタジオYAPF代表・浅見由紀子さん。
「ピラティスは、第1次世界大戦でケガをした兵隊のリハビリのために開発されたエクササイズです。正しい骨格を意識しながら全身をバランスよく鍛えて体質を改善します。動かしやすくて疲れずケガしにくい体、痩せやすい体の土台を作るのにぴったりです」(浅見さん)
仕事で座る時間が長い人、運動不足の人は無意識に首や肩を緊張させているケースが多い。結果、首や肩、背中が凝り固まっている。血流は悪く、疲れもたまりやすいので、常にだるい。そして動くのがいやになる。これでは代謝が下がるばかり。
「体に刺激を与えつつ姿勢を整えて、歩いても疲れない体づくりをします。まずは呼吸法を覚えるだけでも、体を動かしやすくなります」(同)
続けるほどに自然と日常の活動量が増えている自分に気付くはず。血流もよくなる。複合的なメリットで代謝もアップしていくというわけだ。
さっそく、初めてでも自宅でできるピラティスエクササイズを3種類、教えてもらった。最初は1種類でもいいので無理のない範囲でやってみよう。
三つのエクササイズは、どれもわずか1分ほどでできるものばかりだ。
まずは「足裏ゴロゴロ刺激」。背骨を意識して体を伸ばしながら足裏をゴロゴロすると、小川さんも中島もすぐによろけた。骨のゆがみで体のバランスがとれていない証拠だ。ボールはゴルフボールでもテニスボールでもOK。ストレッチ用のボールも売られていて、直径は6.5センチ前後が目安。このサイズだと絶妙に気持ちがよく、2人とも「あー」「うー」と変な声が出ていた。