詐欺に遭わないようにするために、10万円の給付金申請を親と一緒に行ってほしい。手元に実際の書面を用意した上で、電話やSNSなどで連絡を取りながら、書面を見て“同時に行う”といい。仮に親だけに不審な通知が来ていても、親子で同時に行うことで、惑わされるリスクを減らせる。
また詐欺予防という点では、在宅時でも留守番電話を設定しておくのもおすすめだ。犯人は留守番電話にメッセージを残すことを嫌がる。留守電にしておけば一度音声を聞いてから折り返すことができるため、不審な電話に出る頻度を大きく下げることができる。
最後は、「(5)親の異変を感じたら『近くの他人』に相談」だ。
「同じ話を繰り返す」「話のつじつまが合わない」など、親の様子が何かおかしい、認知症かも?などと感じたら、抱え込まず相談することが重要だ。デイサービスなどの施設を利用している場合は、要介護認定を受けているはずなので、担当のケアマネジャーがいる。親が生活のどういった点に困っているか、本人に確認したうえでケアマネジャーに相談してみてほしい。
訪問介護の回数を増やしたり、歩く際の杖や入浴の際の椅子などの福祉用具を借りることができたり、自宅に手すりなどを新たに取り付けることもできる。ケアマネジャーとの連絡は、今後も役に立つと思うので、この機会にぜひ連絡してみるといいだろう。
まだ要介護認定を受けていない場合の窓口は、地域包括支援センターとなる。同センターは、介護・医療・保健・福祉などの側面から高齢者を支える「総合相談窓口」で、対象地域に住んでいる65歳以上の高齢者、またはその支援のための活動に関わっている人が利用できる。親が住む地域のセンターは、「自治体名×地域包括支援センター」でネット検索すれば、すぐ表示されるはずだ。
「電話で親の体調不良に気付いたが、直ちに病院に行くほどでもない」という健康不安などの相談や、認知症?と思った場合、要介護認定を受けるべきかの判断に迷った場合などの相談にものってくれる。感染対策に注意した上で、親の自宅への訪問も相談できる。