また、家事代行や物品購入、見守りなどをしてくれる介護保険外サービスや、行政が提供している生活支援サービスなどもある。地域包括支援センターで、それらのサービスを提案してもらうこともできるので、まず気軽に相談しよう。

 5項目の前提として、大切なのは親世代への配慮だ。親にとってはいつまでも子どもは子ども。自分たちは子どもたちを心配する対象だと思っている。だからこそ、頭ごなしに伝えると感情的になりかえって関係性を悪くしてしまうことも。常に心配だからと「お願い」するようにしよう。

 五つのことを行うことで、今までよりも親との連絡が頻繁になる。そこが一番のポイントだ。親が日々どんな生活を送っているのか、誰とよく会っているのか、最近の趣味は何なのかなど、会話を増やし、親のことを知るようにしたい。「自分も親に似てきたな」とか、「実は自分が好きなものは親譲りだったんだな」とか、新しい発見もあるはずだ。

 緊急事態宣言が解除されても新型コロナウイルスが消滅したわけではないため、デイサービスが直ちに再開されるとは限らず、気軽に外出できる状態にもすぐには戻れないだろう。当面は新型コロナウイルスと共存していく生活が続く。この機会に、親と子の「新しい交流様式」を構築することが重要だ。

(LIFULL介護編集長・小菅秀樹)

AERA 2020年6月1日号