AERA2022年4月4日号より
AERA2022年4月4日号より

 近年、近畿大学をはじめとしてデータサイエンスを学べる大学が増えている。データサイエンス学部や情報学部、経済学部が中心だ。

 河合塾によると、21年1月時点で、情報関係の名称を持つ学部学科は全国で234大学に上る。河合塾教育研究開発本部の主席研究員、近藤治さんが説明する。

「河合塾の調べでは、22年度入試の情報系学科への出願者数は国公立・私立ともに前年比100%以上でした。東京工業大学の情報理工学院が9.0倍と学内で最も高くなりました。京都大学情報学科や大阪大学情報科学科では、学部内で最も高い倍率となりました。20年度に情報学科を開設した福知山公立大学は、志願者数が5割も増えました。情報系学科は大学の目玉となっています」

■全学部で必修の大学も

 データサイエンスや情報の名がない学部学科に進んでも、データサイエンスを学べる大学も増えている。

 筑波大学は19年度、総合大学で初めて、データサイエンス授業を全学部の1年生を対象に必須にした。佐久間淳教授は言う。

「今、グーグルの検索履歴やGPS(全地球測位システム)などあらゆるデータがあふれています。データサイエンスはどの学生も素養として学ぶ時代なのです。授業では学生にキャリアやSDGs(持続可能な開発目標)についてアンケートします。結果をエクセルで集計して、全国や世界の人と筑波大生の意識の違いを分析します」

 授業では、政府や産業界の公開情報を使うこともある。例えば、気温とアイスクリームの売り上げの相関について調べる。夏は暑い日がより売れるが、冬の売り上げは気温にあまり関係しないと分析するのだという。

 こうした授業を受けて、データサイエンスに目覚めた学生もいる。工学システム学類3年の金侑輝(キンユフィ)さん(21)だ。

「もともとデータサイエンスには興味はありませんでした。エクセルを触ったこともなかったです。授業を受けてから、サッカーでもデータ分析をしてみたいと勉強を始めました」

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