西武・外崎修汰
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 西武は西口文也新監督の下、チーム再建に向けて宮崎・南郷でキャンプに入った。選手会長を務める外崎修汰(32)はキャンプ直前、「しっかり成績を残してレギュラーを取らないと」とコメントした。西口監督は外崎を定位置の二塁から三塁に回すコンバートを考えており、新たな守備位置に挑むキャンプとなるからだ。

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 西武は昨年、球団史上ワーストの91敗を喫し、借金42とどん底の最下位に低迷した。最大の理由は得点力不足で、昨年の350得点、チーム打率.212、60本塁打はいずれもリーグワースト。2ケタ本塁打をマークした選手がゼロでは厳しい。今年は得点力アップが最重要課題となることは明らかだ。

 外崎は昨年規定打席に到達したものの、99安打、打率.227、7本塁打と成績を落とした。西口監督は外崎のコンバートについて、「打つほうに重きを置いてもらいたいと第一に考えた」と、守備の負担を軽くして打撃に集中させるためだと説明している。しかし、三塁には佐藤龍世がいる。佐藤は選球眼の良さに定評があり、昨年のシーズン終盤から4番に定着。規定打席に到達しなかったが、300打席以上の選手の中でチームトップの出塁率.330をマークした。得点力アップを図るためのコンバートなら不可解だ。

 佐藤は契約更改の会見で外野に挑戦する思いがあることが報じられた。外崎が三塁を守るなら、他のポジションを守れるほうが出場機会は増える。当然の発想だろう。スポーツ紙記者は、外崎のコンバートに首をかしげる。

「打撃のパフォーマンスを高めてほしいなら、外野にコンバートしたほうがいいのでは。これまでも守備の負担を軽減するためにと三塁にコンバートされた選手はいますが、坂本勇人巨人)、浅村栄斗(楽天)、中村奨吾(ロッテ)を見ればわかるように、コンバートした後も打撃成績が上がっていない。守備力を考えても佐藤が三塁、外崎が外野の布陣のほうがチーム全体にとってプラスになると思います。選手層が薄い状況を考えると、2人が三塁のポジションを争うのはもったいないです」

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西武の強さの源は「育成力」だったが…