◆19位=慶應義塾女子高校、1個

宮脇花綸(フェンシング女子フルーレ団体・銅)

 宮脇は東洋英和女学院中学部から慶應義塾女子高校に進み、慶應義塾大経済学部に入学、卒業した。現在は三菱電機に所属している。今回、フェンシングでは初の女性メダリストの一人となった。幼少時をこう振り返っている。

「5歳上の姉の影響でフェンシングを始めました。姉は、剣道がやりたかったのですが、家の近くにはフェンシングスクールしかなく、『セーラームーンや怪傑ゾロもやっているし、西洋版の剣道ということで良いのではないか?』という母の勧めで、フェンシングを始めました。私は母と一緒に姉の送り迎えをしていただけだったんですが、気づいたら、剣を握ってフェンシングを始めていましたね」(スポーツ関連情報サイト「KING GEAR」2018年3月1日)

◆19位=奈良県立山辺高校、1個

北島隆三(馬術総合馬術団体・銅)

 北島は小学5年のときに乗馬を習い始め、高校時代にインターハイ団体で準優勝している。その後、明治大に進み、五輪3大会連続出場となった。学校がこう説明する。 

「本校に馬術部ができたのは北島選手が高3年の時でした。前年に国民体育大会で好成績を収め、『(乗馬クラブでなく)学校から送り出してやりたい』という当時の教職員の熱い思いにより創部され、見事に準優勝に輝かれました」(同校ウェブサイト 2024年8月2日) 

 いわば、学校は北島のために馬術部をつくったわけだ。

 メダル獲得数において公立高校がかなり健闘している。体育科、スポーツ科出身者が多いことによる。地域の、あるいは最近では他都道府県出身のアスリートたちが入学するようになり、スポーツ名門校として存在感を示しつつある。一方で、少子化にあって学校の統廃合が進み、メダリストが卒業した学校の名前が変わったところがある。福島県立富岡高校、高知県立高知南高校などだ。メダリストにすればさびしいだろう。

 五輪日本代表の出身高校、メダル獲得数が多い高校を眺めると、その学校の歴史、教育方針、生徒指導のあり方、得意分野がよくわかる。興味が尽きない。

<敬称略>

(文/教育ジャーナリスト・小林哲夫

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