潮井エムコ『置かれた場所であばれたい』(朝日新聞出版)
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せやま南天(以下、せやま):ふふふ。私は、潮井さんが書籍を出される前にnoteであの「卵」の話(潮井さんの高校の家庭科のエピソード。「学生結婚子育て」として収録)を読んで、そこではじめて潮井さんのことを知りました。すてきなエピソードだなと思っていて。

 その後、『置かあば』にも収録されている「4歳の家出」を読んだんです。4歳の女の子がリュックに着替えを詰めている様子を思い浮かべて、応援したい気持ちになりました。まとめ方もすてきで。

「家出は失敗に終わってしまったが、あの時自分の足で家を出た瞬間に見たキラキラの輝きを、私はこれからも忘れることができないだろう」と、小さな子が冒険に出る時の心の高鳴りが見事に表現されていて。

 きっと潮井さんは小さい頃から、そういうエピソードの一つ一つを忘れずにすごしてこられたから、こういう本を書かれたのだろうなと思っていました。私は、すぐ忘れちゃうので(笑)。

潮井:自分の中で印象的だったことは、定期的に思い出すんです。更新され続けるからしっかり覚えているというか。ただ、それ以外のことは、すごく忘れっぽいんです、私。

せやま:えええ?(笑)

潮井:信じてもらえないかもしれないですけど(笑)。自分にとってどうでもいいことはすぐに忘れちゃうんです。でも、家出をした時は、「もうこの家には絶対に帰ってこないぞ」という決意のもと、家出をしたので。そういう、心が決まった時というのはすごく大きな決断で、だから忘れていないのだと思います

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記憶は映像として覚えている?