JR七尾線/1月1日に起きた能登半島地震で、レールは曲がり架線用の電柱は線路側に傾いた。(写真:JR西日本金沢支社提供)
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 相次ぐ自然災害で、鉄道網が打撃を受けている。特に地方のローカル線は、そのまま廃線となるケースがある。なぜ廃線となるのか。AERA 2024年2月26日号より。

【図表】災害で不通となっている主な鉄道区間がこちら

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 上下に波打つレールが地震の大きさを物語る。架線用の電柱も線路側に傾き、線路の土台に使う土砂も広い範囲で流出した。

「線路の設備だけでなく、かなり大きな被害を受けた駅もありました。想定外でした」

 JR西日本金沢支社の担当者は言う。

 元日の夕方、能登半島を襲った最大震度7の地震。巨大な揺れは、金沢と能登地域を結ぶJR七尾線(金沢-和倉温泉、全長約60キロ)も襲った。

JR七尾線/線路の土台に使う土砂も、広範囲に流出。(写真:JR西日本金沢支社提供)
JR七尾線/駅では、ホームの笠石がせり出し、亀裂が入るなど大きな被害を受けた。復旧工事が進み、2月15日には全線で運転を再開した(写真:JR西日本金沢支社提供)
JR七尾線/駅では、ホームの笠石がせり出し、亀裂が入るなど大きな被害を受けた。復旧工事が進み、2月15日には全線で運転を再開した(写真:JR西日本金沢支社提供)

 列車や乗客は無事だったが、線路や駅が大きな被害を受けた。翌2日まで全線で終日、運転を見合わせ、その後は順次、運転を再開しながら2月15日に、終点の和倉温泉(石川県七尾市)までの全区間でつながった。

 また、能登の里山里海の中を走る第三セクター、のと鉄道(七尾-穴水、全長約33キロ)も、地震で線路がズタズタに。比較的被害の少なかった七尾(石川県七尾市)-能登中島(同七尾市)間の約16キロは、線路を保有するJR西を中心に工事を進め、2月15日に復旧した。その先の終点の穴水(同穴水町)までは、4月中の再開を目指し復旧工事を進めるという。

「早期の運転再開を目指したい」(JR西金沢支社)

被災し廃線に

 相次ぐ自然災害で、各地の鉄道網が大きな打撃を受けている。特に地方のローカル線は、ひとたび寸断されるとそのまま廃線となるケースが少なくない。

 2021年、高波被害で約6年間不通が続いていたJR北海道・日高線の鵡川(むかわ、北海道むかわ町)-様似(さまに、同様似町)間の約116キロが廃線となった。昨年8月には、豪雨被害にあったJR九州・日田彦山線(ひたひこさんせん)の添田(福岡県添田町)-夜明(大分県日田市)間の約30キロが、「BRT」と呼ばれる専用道を走るバス高速輸送システムに転換した。

 そして現在。災害で運休しているのはのと鉄道や、23年6月の豪雨で被災した山口県を走るJR西日本・美祢線(みねせん、厚狭-長門市間、全長約46キロ)など、全国に9路線ある。

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