大学教員が自分の専門分野をどれだけわかりやすく解説しているか。
【大学ランキング】新書執筆の教員が多い大学1~49位はこちら(全5枚)
朝日新聞出版『大学ランキング 2024』では、大学教員が新書を執筆した点数を集計し、「メディアへの発信度」としてランキングを掲載している。その一部を紹介するとともに、大学教員が新書を刊行する意義について考えてみたい。
大学教員の「メディアへの発信度」ランキング
- 1位 東京大 507人
- 2位 京都大 264人
- 3位 慶應義塾大 212人
- 4位 早稲田大 178人
- 5位 明治大 161人
- 6位 法政大 82人
- 7位 大阪大 81人
- 8位 学習院大 72人
- 9位 明治学院大 69人
- 10位 北海道大 68人
『大学ランキング2024』(朝日新聞出版)より。1997〜2022年に刊行されたおもな新書の執筆者で常勤の大学教員(教授、准教授、講師、助教)が対象。延べ人数。客員教授、名誉教授などは含まない。また、翻訳、対談、共著は外した。肩書は執筆当時に所属していた大学。対象の新書は次のとおり。朝日新書、岩波新書、角川新書、河出新書、幻冬舎新書、講談社現代新書、光文社新書、集英社新書、集英社インターナショナル新書、小学館新書、新潮新書、ちくま新書、中公新書、文春新書、平凡社新書、NHK出版新書、PHP新書。
中公新書『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(以下、『言語の本質』)が売れている。今年5月に刊行されてまもなく10万部を超えるヒットとなった。紀ノ國屋書店ベストセラーランキングでも新書1位、総合11位となった(7月1~30日)。なかでも大学生によく売れている。大学生協連が運営する書店で、同書は各大学でランキング上位に顔を出している。北海道大5位、東京大(本郷)2位、早稲田大8位、名古屋大、京都大1位、同志社大4位、大阪大1位(7月1~30日、大学生協連調べ)。
『言語の本質』を執筆したのは慶應義塾大教授の今井むつみさん、名古屋大准教授の秋田喜美さんである。内容は「認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る」ものだ(中央公論新社による同書の案内)。