――「普通に」って何をしていたんですか?
友達としゃべっていました。学校から帰る途中に立ち止まって。10代なんで、何時間でもしゃべれる(笑)。高校ではESSと演劇部に入りました。文系か理系かは悩んだんですよ。数学が好きでしたけど、英語も好きで、いろんな人としゃべれるようになるというのが魅力だった。先生に相談したら、理系から文系には移れるけれど、逆は難しいと言われ、とりあえず理系にした。
――それ、よく聞く話ですね。お父様に相談は?
しなかったですね。仲が悪いわけではなく、そんなに反抗期でもなかったんですけど。最終的に物理学科を選んだときは父も嬉しかったと思いますが、強いていえばおススメはしないぞっていう感じでした。
高校時代は数学のほうが好きだったので、数学の先生に相談したら、私の記憶では「数学は天才がやるもんだ」と物理を勧められましたね。それに、東大か京大を受けろと言われ、うちの親に電話がかかってきたこともあった。
――へえー。ご本人はどう思ったのですか?
特にどうも思わなかったかな。受けてもいいけど、親に迷惑かけてしまうっていう感じ。基本的に実家から通えないところだと経済的に厳しいって言われたんです。行くとしたらバイトをしないとダメだよと。親が変わっていたのかもしれないですね。普通なら「ぜひ受けろ」なのかもしれないですが、「どうしても行きたかったら行ってもいいけど」という感じで、私も「どうしても行きたい」わけではなかった。先生からは「東大を受けても受かる」と言われ、なんか、かえってどこでもいいやと思った。私、ちょっとあまのじゃくなところもあるんで。反学歴社会みたいな気持ちもあったかもしれない。