中学年はどうか? 3、4年生では「ソフトウェア型」の体験をさせることが多いので、当然、コンピュータを使用する。そうすると、普段からゲームに興じる男子が多いせいか、ステージをクリアするスピードは男子のほうが早く感じられる。

 この場合の授業は、一人一台端末を使用しているので個別学習に近い。男子はディスプレイに映し出される課題に、黙々と取り組む姿が多いが、女子は隣の友達に尋ねてみたり、クリアした喜びを友達と言い合ったりしている子が多いのが特徴だ。特に、コンピュータにあまり慣れていない女子にこの傾向が見られる。 
 
 最初はスロースターターだった彼女たちでも、目の前の課題を丁寧にこなし、ときには隣の子たちとのコミュニケーションを通してスキルの情報を得て、クリアした達成感を共有したりしていくうちに、ステージをクリアするスピードは早まり、男子との差は縮まっていく。

 高学年の授業でさらに新しい教材を使用すると、女子の潜在化していた力が顕著に現れることがある。

 以前、6年生理科の「電気の性質」の分野でプログラミングを使った授業を見学したことがあったのだが、それは印象的であった。

 その授業では、「micro:bit(マイクロビット)」という、小さな電子基板のような名刺サイズのボートの教材を活用し、公園等でよく見られる「暗くなったら、灯りがつく」という仕組みを、実験を通して理解する、というなかなか高度な内容だった。

 多くのセンサーを搭載した「micro:bit」を初めて手にする子供達。当初、私はこのような回路がむき出しの無機質なモノには子どもたちは興味を示さないかな?と思っていたのだが、それは杞憂であった。

 三人に一枚配布された「micro:bit」に、男女全く関係なく、皆、熱心に触れて観察していた。もちろん、学級の中には自身の興味が先行してしまい、やたらめったら触りまくり、先生の話は馬耳東風という児童もいたのだが、全体的にみると先生の話をしっかり聞いている女子の方が、一つ一つのセンサーの位置を確認したり、説明されている機能について頷いたりして基礎的な理解を深めていたように感じた。

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やりたいオーラ満載の児童が率先して動く