また、このクラス男女数の違いから、女子だけのグループがあったので注目して見ていた。彼女達は、みなワークシートを仕上げ、順序立てて、三人が一人ずつ手順を踏んで、配線、ソフトウエアの立ち上げ、ブロックの組み立て、実験と整然と行なっていた。女子同士、「これでいいんだよね」「次はこのプロックだよね」等々の確認をしながら、効率よく協働し、実験が進む。もちろん、実験は大成功。
クラスで一番早く終えた彼女たちのグループは、「明るさの数値を変えてみない?」と『条件を変える』いう発展的な学習にまで進んでいる。明るさの数値を大きくして、再度、ブロックを組み実験をしてみた。明るさの数値を大きくしたので、わずかな覆い(暗さ)でLEDが点灯し、自分たちの仮説が正しかったことを喜んでいる。
この発展の実験に取り組んでいたのは、このグループだけである。
この授業によって、私の既成概念が完全に崩れた。
私の深層に「理系に強い男子、文系に強い女子」という構図があったことは間違いない。理系の男子、特に電気分野においては……という偏った考え方である。元来、体格差、性差を問わない、理科の電気の領域をにおいて、この概念は失礼極まりないものであった。
男子、女子、それぞれ心身の発達段階において特徴はある。特に、第二次性徴を迎える小学校高学年では、それは顕著だ。
しかし、それと子どもの能力は全く別だ。従来の偏った概念で子供達の無限の可能性にブレーキをかけてはいけない。プログラミングに男子も女子もないのだ。
そのためには、「コンピュータは苦手……」と尻込みしている女性の先生方にこそプログラミングの楽しさを体感してほしい。意外にも先生自身がその面白さに目覚めてしまうかもしれない。先生の気持ちは必ず子どもたちに必ず伝染するはずだ。