61歳で公立小学校の校長を定年退職した福田晴一さんが「新入社員」として入社したのはIT業界だった! 転職のキーワードは「プログラミング教育」。全国を教員研修で回っているうちに63歳となり、現役時代を思い出しつつ「授業で見えた女子の潜在能力」に注目してみた。
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私の名前は「晴一(はるかず)」であるが、校長現役時代は、なぜか「雨男」の異名をもらっていた。確かに、私が引率に同行する遠足や移動教室は雨になってしまうことが多かった。誕生日が梅雨のど真ん中の「夏至」の日だからだろうか。
今年も無事誕生日を迎え、「みんなのコード」では入社2年目の63歳になった。
「プログラミング研修」は天候に左右されないのがいい。
日々、学校現場の授業を拝見して指導助言をしたり、核となる先生を育成すべく地域内で授業を公開したり、推進校を指定して授業研究会を開催したりと全国を飛び回っている。
ところで、プログラミング研修に参加される先生方の顔ぶれをみると、どこへ行っても男性の先生が多い。やはり「プログラミング=男性」のイメージがあるのだろうか。
そこで、子どもたちもやはり女の子より男の子のほうが興味を持つものなのか考えてみた。
小学校のプログラミング教育を大きく大別すると、コンピュータを使用しない「アンプラグド型」、コンピュータでコンピュータの中のキャラクター等を動かしたりする「ソフトウェア型」、コンピュータでコンピュータの外のものを動かしたりする「ロボット型」に分類することができる。どの学年でどのコンテンツを使用するかは、各教育委員会や学校が決めることになるが、コンピューターに触れたこともない低学年の子にいきなり「コンピュータでロボットを動かしてみよう」といっても難しいように、ここ数年の学校現場からの蓄積から、ある程度の体系、段階が見えてきている。
さて、男女の差について、である。
低学年の児童のプログミラミング教育では、絵本などからコンピュータのしくみを学んだりする「アンプラグド型」の授業をすることが多いのだが、私が実際に子どもたちに教えたり、他の先生が教えている様子を見学した経験から言うと、とくに男女の差を感じたことはない。