この後、実際に「micro:bit」とコンピュータをUSBケーブルでつなぎ、特有のソフトウェアでブロックを組み合わせてプログラミングをしていった。
「暗くなったら、灯りがつく」と言うことは、「暗くなければ、灯りはつかない」という条件分岐を理解し、「暗くなったら」と言う条件をコンピュータにわかる「明るさ」の数値に置き換えることを説明する。
多くの児童は、この時点で早く実験がやりたいオーラが漂っている。さらに、先生の説明は「明るさを数値に置き換える」ためのセンサーについてが続く。先生の話を真剣に聞いている児童は、配布されたワークシートに実験の手順や簡単なフローチャートを書き入れ、実験のイメージを確実につけている。
先生の説明が終わり、実験が始まる。ほとんどのグループが男女混合の三人である。
まずは、やりたいオーラ満載の児童が率先して動く。コンピュータと「micro:bit」をUSBケーブルでつなぎ、ソフトウェアを立ち上げ準備万端、実験環境を整える。そして、ブロックを組み出すわけだが、意外と上手くいかない。コンピュータの前に陣取り、いろいろと試行錯誤をするが成功しない。
そこに、しっかりとワークシートを仕上げ、実験イメージをもっている女子の登場となる。彼女の頭には「暗くなったら」という条件の設定や数値化の意義が理解されており、ワークシートの内容を「やりたいオーラ満載」の児童に説明しながらブロックを組んでいく。プログラミングを終えた後、そうっと「micro:bit」に手をかざして暗くしてみると、見事に「micro:bit」のLEDが点灯した。グループに歓声が上がる。
このようなシーンは、ひとつのグループに限ったことではない。
漠然とだが、男子はトライ&エラーを通して取り組み、女子は説明を聞き論理的な理解から取り組む姿が比較的多く見られた。これは、男子、女子それぞれの発達特性の一面かもしれない。