
「鬼滅の刃」に関する記事一覧


『鬼滅の刃』の主人公はなぜ竈門炭治郎なのか?――典型的な「少年漫画のヒーロー」を“主役”にしなかったワケ
『鬼滅の刃』の公式キャッチコピーに「これは、日本一慈しい(やさしい)鬼退治」という言葉がある。このフレーズはまちがいなく、物語の主人公・竈門炭治郎の「優しい人柄」に由来している。炭治郎は正義感が強く、ときおり激しい怒りも見せるが、「すべての鬼を」単純に憎むこともできず、鬼との戦いのたびに胸を痛めていた。さらに炭治郎は時々主人公らしくない「弱音」も口にする。こうした迷いこそが「竈門炭治郎らしさ」であり、『鬼滅の刃』では彼を主人公にする“必然性”があった。その意味について考察する。【※ネタバレ注意】以下の内容には、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。










『鬼滅の刃』美貌の鬼・珠世の功罪―鬼舞辻無惨の「運命の女(ファム・ファタール)」が残したもの
『鬼滅の刃』には、さまざまな魅力的なヒロインが登場するが、人間に協力した「鬼」の珠世は、その中でも異質な存在だ。珠世は鬼の始祖・鬼舞辻無惨と行動をともにした後、無惨のもとを離れ、復讐を誓う。出会った瞬間に恋に落ちてしまうような魅力を持ち、同時にその相手を破滅へと導いてしまう女性のことを、「運命の女」=「ファム・ファタール」という。オペラ『カルメン』において、伍長のドン・ホセを恋に狂わせたカルメンなどは、「ファム・ファタール」の代表的な例である。無惨にとって珠世は、まさにその身を破滅へと導く「美貌の鬼」だった。【※ネタバレ注意】以下の内容には、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。
特集special feature

『鬼滅の刃』14歳の「霞柱」時透無一郎 早熟の天才が人生で成し遂げたかったこと
『鬼滅の刃』に登場する、鬼殺隊トップクラスの戦闘力を誇る「柱」たち。9人の「柱」のうち、時透無一郎は弱冠14歳にして「霞柱」として名を連ねる。クールで無表情な無一郎は、淡々と剣技を磨き、時には仲間にすら冷淡さをみせる。鬼との戦闘に臨む無一郎の精神力は並みはずれており、どんな痛みにも一切の弱音を吐かない。だが、繰り返し描かれる彼の負傷は、あまりにもむごたらしく目を覆うばかりだ。ポーカーフェイスで痛みに耐えて戦う14歳の少年の内には、抑えきれない熱き思いがあった。【※ネタバレ注意】以下の内容には、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。

岩柱・悲鳴嶼行冥はなぜ「鬼殺隊最強」と呼ばれるのか――念仏と涙の裏に隠された「本当の強さ」
『鬼滅の刃』に登場する「鬼殺隊」の中でも、「最強の男」と称されるのが、岩柱・悲鳴嶼行冥だ。コミックス11巻の「唐突 ブッ込み 柱の皆さま腕相撲ランキング!」には、1位の悲鳴嶼が「ぶっちぎり」と記載されている。2位に音柱・宇髄天元、3位に炎柱・煉獄杏寿郎と続くが、彼らと比較しても圧倒的パワーであることがわかる。しかし、この悲鳴嶼は泣き顔で描かれることが多く、初登場シーンでは、主人公・炭治郎の処刑をほのめかすなど、そのキャラクターはわかりにくい。なぜ悲鳴嶼は強者ぞろいの「柱」の中でも「最強」と言われるのか。そこには、戦闘力だけではない「人を守る強さ」があった。【※ネタバレ注意】以下の内容には、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。



猪面に隠された「嘴平伊之助」の美しき顔――記憶になかった「母」が遺してくれたもの
『鬼滅の刃』には、「親を失った子ども」が数多く登場する。生まれてすぐに親に捨てられた子、親から十分に愛情を与えられなかった子、親を殺された子……。親がいない彼らは、「鬼殺隊」に入隊し、かたき討ちをこころざす場合もあれば、生き抜くために「鬼」になるケースもあり、それぞれが苦難の道を歩んでいる。そんな中「親はいない」と断言していた嘴平伊之助は、鬼との戦闘の中で、幼かった頃の母との記憶を取り戻していく。その手がかりとなったのは、猪のお面の下に隠された伊之助の美しすぎる「顔」だった。【※ネタバレ注意】以下の内容には、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。
