◆2匹の子猫の旅立ち…めいちゃんは毅然としていた
3カ月後、2匹の子猫をついに送り出すことになりました。2匹との別れの時……私は何とも言えない気持ちになりました。
胸の奥がずーんと痛みました。もちろん、これから幸せになるためお引越しをするわけだし、新しい家族があたたかく迎えてくれることもわかっている。ただ、何もわからない子猫を裏切っているんじゃないかって気もして……。
そんな思いを救ったのは、めいちゃんでした。1匹ずつ、貰われていき、家には“残りが天ちゃん1匹”になっても冷静で、探すような素振りは見せませんでした。子猫が巣立った後も変わらず、私や母を慕ってくれました。めいちゃんの毅然とした態度もかっこよくて、落ち込んじゃだめだなって、思えたんです。
◆ 猫たちが大切なことを教えてくれた
翌日から、めいちゃんと天も先住猫と先住犬と少しずつ会わせるようにして、今は、リビングでみんな一緒に過ごしています。
めいちゃんたら、後から仲間入りしたのに勇ましく、犬のバニラ君を見てパンチ、次に猫のみー君にパンチ。でもこの男子組は陽キャラ&マイペースなので、あまり気にしてない(笑い)。元々ビビりの猫のおとちゃんは「こわ~」とばかりに、私に頼ってくっつくようになりました。それはそれで嬉しいこと。最近では、めいちゃんが穏やかになって落ちついて、動物同士のバランスもいい感じになってきました。
それにしても、濃い5カ月だったな。この出来事は、この先も記憶に残っていくと思います。
家族に馴染んで、必死に子猫を産んで、育てて、一途に見守って……とても大切なことを、勉強部屋で猫たちに教えてもらいました。
ポンズにもお花にも、ずっと元気でいてほしい。先住さんとも仲良くね。めいちゃんの子だもの、きっとだいじょうぶ!
(水野マルコ)
【猫と飼い主さん募集】
「猫とたずねて三千里」は猫好きの読者とともに作り上げる連載です。編集部と一緒にあなたの飼い猫のストーリーを紡ぎませんか? 2匹の猫のお母さんでもある、ペット取材歴25年のベテラン・水野マルコ記者が飼い主さんから話を聞いて、飼い主さんの目線で、猫との出会いから今までの物語をつづります。虹の橋を渡った子のお話も大歓迎です。ぜひ、あなたと猫の物語を教えてください。記事中、飼い主さんの名前は仮名でもOKです。飼い猫の簡単な紹介、お住まいの地域(都道府県)とともにこちらに連絡ください。nekosanzenri@asahi.com