昼前、部屋で勉強していると、めいちゃんが急に鳴いてうろうろ歩き回って。「産まれる!」と思って両親を呼びにいきました。
私はベッドに産箱を載せて固唾を飲んで見守りました。めいちゃんはベッドの上で、苦しそうにのたうちまわるように動いている。いてもたってもいられず、「わっ、何かしなきゃ」と思わずめいちゃんの傍にいくと、私の腕にしがみつくようにして、ガブ~ッと噛んだんです。血が出て痛くて泣きそうになったけど、めいちゃんはパニックになるほど必死なんだ、子ども産むのって大変なんだ……って思いました。
ほどなくして、最初の子猫が出てきました、めいちゃんはその子をすっとくわえて産箱へ連れていきました。
それから2匹、3匹、と産箱の中で続けて産んで。めいちゃんは子猫の濡れた体を全部なめてきれいにしました。そう、2匹でなく、3匹いたんです!
「1時間くらいで無事に産まれた」とボランティアさんに報告すると、「よかったね、ママ猫が体調を崩しがちになるので、高栄養のご飯をあげてください」と返事がきました。「そうか、これからが大事なんだ!」と身がひきしまりました。
子猫はオス1匹、メス2匹でみんな黒っぽい柄。みんな可愛い。白猫が産まれるとばかり思っていたので、ちょっと意外でした。
産まれた子たちは自分でおっぱいを探して、ミルクを飲みました。その時、初めて“リアルモミモミ”を見て、感動しちゃいました。
子猫たちの体重を計るためにちょっと抱いても、めいちゃんは怒らなかったので、ほっとしました。3匹の体重は、だいたい100g前後で“標準”です。
実は、猫も母になると「強くなる」と聞いたことがあるし、めいちゃんも急に変わっちゃうかな、出産前にはそんな不安がわいて、ちょっとこわくなったりもしていたのです。
めいちゃんは、めいちゃんのまま、いいママになりました。子猫たちが寝ると産箱から出てきて床でゆっくりして、ミャアミャア鳴き声がすると、いそいでおっぱいを飲ませに箱に戻ってました。