対局が終わったあと、なごやかに意見をかわし、検討をおこなう藤井と羽生。勝っても負けても、両者とも真摯に盤上の真理を探究し続ける
対局が終わったあと、なごやかに意見をかわし、検討をおこなう藤井と羽生。勝っても負けても、両者とも真摯に盤上の真理を探究し続ける

 棋王戦はベスト4以上で敗者復活の制度がある点が特色だが、いずれにしても羽生と藤井が勝ち進めば、タイトル100期挑戦、史上最年少六冠挑戦をそれぞれかけて当たることになる。

 棋王位の連覇記録は羽生の12連覇。渡辺は現在10連覇中で、それをもし羽生が止めれば、自らの記録を守ることにもなる。

 ちなみに史上最年長のタイトル挑戦記録は89年度、大山が棋王に挑戦した際の66歳だ。とんでもない記録というほかない。その過程で大山は、19歳で竜王を取る直前の羽生六段(当時)に勝っている。

 翌90年度、羽生は20歳5カ月で史上最年少棋王となる。生まれた月の早さの違いで、伊藤はこの記録を更新する可能性はあるが、藤井は抜けない。

 ちなみに竜王位獲得は、羽生は89年、19歳3カ月0日のとき。藤井は21年、19歳3カ月25日だった。羽生の最年少竜王の記録は、この先も半永久的に残り続けるだろう。(ライター・松本博文)

AERA 2022年9月26日号より抜粋

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