大山は全盛期、長く全五冠を制覇した。中原は六冠全制覇まであともう一歩まで迫った。羽生は96年、25歳のときに、史上初の全七冠制覇を達成。社会的なフィーバーを巻き起こした。

 現在は八大タイトル制で、藤井には羽生以来の七冠、そして史上初の全八冠制覇の期待がかかっている。

 羽生は七冠に至る過程の93年、史上最年少22歳で五冠となった。藤井は22年2月、王将位を獲得し、羽生の記録を塗り替えて19歳で五冠。今年度、棋王位まで獲得すれば史上最年少20歳での六冠だ。

■棋王戦で勝ち残る両者

 渡辺明棋王(38)への挑戦権を争う今年度トーナメントの現状を見てみよう。藤井はベスト8に進出。次戦でベスト4進出をかけ、豊島と対戦する。過去の対戦成績は藤井17勝、豊島11勝。今年の6月終わりから9月初めにかけておこなわれた王位戦七番勝負では、藤井が4勝1敗で豊島の挑戦をしりぞけた。とはいえ、これまで藤井にいちばん多く勝っているのは豊島だ。藤井が敗れたとしても、ありうる結果として受け止められよう。

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