海外とスカイプで繋ぐオンライ
ン英会話。朝の時間を有効利用(提供写真)
海外とスカイプで繋ぐオンライ ン英会話。朝の時間を有効利用(提供写真)

 学びを深める大人たちは、忙しい中でどう時間を捻出しているのか。仕事、家事、育児がありながら、学ぶ時間を確保する人たちのタイムマネジメントをのぞいてみよう。AERA 2022年3月21日号は、その実例を紹介する。

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「時間は、公平・均等に与えられた有限のリソース。自分に最高のリターンが得られるように使う。特急料金や家事代行などで買える時間があるなら、迷う時間を費やさず、即購入する」

 現在は米国に住む経営者の男性(49)は、タイムマネジメントで大切なのは、自分で時間の使い方を決め、行動することだという。GAFAでの勤務経験もある。

「意識しないと、時間はあっという間に他人に埋められる。私は朝起きてすぐ、スマホでのメールチェックから始まる一連の業務をやめた。代わりに瞑想など、自分の時間を15分間だけでも確保したことで、人生のとらえ方が変わった」

 テレビは見ない。学習動画は高速再生。朝時間を活用。この男性が実践する時間管理術は、数多くある。

■睡眠は絶対軽視しない

 忙しく働く社会人が、さらに学ぶ時間を確保しようとすればタイムマネジメントは必須だ。

 だが、仕事に加え、家事や育児も加わるとなかなか難しい。そもそも、自分軸で動けないからだ。

「失敗の事例ならば」と話してくれたのは、修了した国立大学大学院で研究者・ライターとして働く東京都江戸川区在住の女性(45)。教育格差の研究に興味があったが、結婚・出産を経て、目指していた大学院を受験できたのは、30代後半。娘たちが小3と小1の時だ。

「勉強と仕事の合間に家事と育児のつもりが、どうしたって家事と育児の合間にゼミの課題に取り組むことに。自分の時間で削れるのは、睡眠だけになって、1日3時間ほどしか眠れないのが当たり前でした。そんな生活を2年間続け、最後の修論の締め切り5日前に、胃腸炎と39度の高熱で倒れました」

 なんとか修了はできたが、振り返ると、やるべき学習計画は常に後ろにずれ込み、課題提出はいつも締め切り直前だった。

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