今は、人に会う機会も減って、ストレスも溜まりやすい。今回の取材では、冒頭の経営者男性のように、瞑想などを生活に取り入れ、心を整えることでパフォーマンスを上げているという意見が、複数あった。

 コンサルタント業を営み、講演会のためボイストレーニングに通っていた女性(37)も、そんな一人だ。一昨年にアドレスホッピングを経験した行動派だが、昨春は「不安なことばかり考え、仕事に後ろ向き」な状態に。そこで今年から、移住した神奈川県鎌倉市の自宅で、マインドフルネスをオンラインで受講し始めた。

「自分の動作に意識を向ける訓練です。脳で何も考えないことは無理ですが、考えてしまったことは手放す。これを毎日継続すると、目の前のことに集中できるようになるそうです。最近は、解決できないことを延々と悩むことがなくなりました」

(ライター・三宮千賀子)

AERA 2022年3月21日号より抜粋