今夏、地方出身の高校生が、アメリカの名門大に飛び立つ。徳島県出身でスタンフォード大に入学予定の松本杏奈さんと、茨城県出身でハーバード大に入学予定の松野知紀さんだ。
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松本さんはこれまで、海洋プラスチック問題解決のための研究プロジェクトを設立したり、目や耳が不自由な人にも情報を伝えられる触覚を用いた機器を研究したりした。松野さんは中学から自分の意思でオンライン英会話を始め、高校時代にG20サミット公式付属会議で各国政府への政策提言などを行ってきた。高い英語力と学業の成績だけでなく、こうした課外活動への積極的な取り組みもアピールする必要がある海外大受験。渡米を控えた同い年の2人が、地方ならではの海外大受験の大変さを語りあった。
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――お二人は知り合いだそうですね。
松本杏奈さん(以下、松本):学部生から海外大に留学する人は少ないので、お互いのことはSNSなどで認知していました。私はatelier basi(アトリエバシ)という、全国各地の熱意のある学生の海外大進学を無償でサポートする団体の一期生なんです。
松野知紀さん(以下、松野):ハーバード大の合格後、atelier basiでメンターを募集していると聞いて参加したところ、そこに松本さんがいました。それからは団体のミーティングや一対一で、オンラインで話すようになりました。お互い境遇がちょっと似ているので。でもインパーソン(対面)で会ったのは今日が初めてです。
松本:松野くんの合格したハーバードは理論的な人が多く、私の合格したスタンフォードは問題児的な人が多いといわれることが多いんです(笑)。私は思ったことをそのまま行動に移してしまうのですが、松野くんは問題点に対して解決策を理論的にじっくり考える人という印象です。
松野:ありがたいですね(笑)。松本さんは発信力があって、人を惹きつける力が非常にあるなと思います。海外大進学のプロセスや「壁」についてツイッターで積極的に発信していて、それに対するいいねやリツイートも多く、それで松本さんのことを知った人もいると思うんです。発信力は私にはない部分なので、尊敬しています。