92年のドラフトで松井秀喜の当たりくじを引き当て、ガッツポーズする巨人の長嶋監督。右は阪神の中村勝広監督(肩書は当時)

毎年のように抽選で競合した2球団

 巨人阪神ドラフトの抽選で過去に何度も競合している因縁の間柄だ。「一番の大物」が92年ドラフトの松井秀喜(現ヤンキースGM付特別アドバイザー)だろう。中日、ダイエー(現ソフトバンク)、阪神、巨人の4球団が1位指名で競合。最後の4番目にクジを引いた長嶋茂雄監督(現終身名誉監督)が「当たり」だったが、3番目が阪神だった。松井は阪神ファンだったが、運命はどう転ぶか分からない。巨人で「不動の4番」として活躍し、メジャーでもヤンキースで09年のワールドシリーズにMVPを受賞するなど、日米通算507本塁打をマークした。

 現役選手では17年ドラフトで清宮幸太郎(日本ハム)、18年は辰己涼介(楽天)、19年は奥川恭伸(ヤクルト)、20年は佐藤輝明(阪神)と、毎年のように巨人・阪神は抽選でかち合った。これらの時はいずれも3球団以上の争奪戦だったが、22年秋のドラフトでは高松商のスラッガー・浅野翔吾(巨人)を巡り、巨人と阪神が1位指名で史上初の「一騎打ち」。巨人が当たりクジを引き当て、ドラフトの抽選で続いていた連敗を11で止めた。悪い流れを断ち切った巨人は、昨秋のドラフトでも西舘勇陽の1位指名で日本ハムと競合した際、阿部慎之助監督が当たりクジを引き当てている。

 今秋のドラフトで注目される「金丸争奪戦」。阿部監督と藤川新監督が抽選に登場するかを含め、どんなドラマが待ち受けているか目が離せない。

(今川秀悟)

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