「大谷には、世界中でメジャーリーグのアンバサダーとしての大きな期待と責任がかかっているが、その期待に応えることができる人は、これまでほんの一握りしか存在していない」

 2021年からのフィールド上での活躍で、「現役最高選手」であることに異論を唱える者は、ほとんどいなくなった。それが「50-50」達成によって、「大谷がG.O.A.T.ではないか」という声が、メディアやファンの間で上がり始めている。

 これまでは、大谷が活躍して取り上げられるたびに、「過大評価されている」などと批判するアンチが一定数存在していた。スター選手の宿命とも言えるだろう。しかし、SNS上でも、そうした否定的な声がかき消されつつある。プロスポーツ史上最高7億ドルでの契約も、安かったと言われるほどだ。野球にはあまり興味がないけれど、大谷がホームランを打つかどうかが気になって試合をチェックする人も出てきている。

 マーリンズ監督のスキップ・シューマッカーは、大谷の「50-50」達成後の会見で、次のように述べた。

「(大谷は)私が見た中で、最も才能のある選手です。これまで誰もやったことのないことを成し遂げている。あと、数年ピークが続けば、史上最高の選手になるかもしれない」

 ジョーダンが現役だった90年代、バスケ界は彼を中心に回っていた。テレビや街中で彼を目にしない日はないほどだった。今では、大谷が野球界の話題をほぼ独占している。

 ほとんどの選手にとって、「40-40」「50−50」といった記録やMVP(最優秀選手)受賞などは、キャリアのハイライトとなる。しかし、大谷にとっては単なる通過点に過ぎない。まさにこの点こそが、彼がG.O.A.T.に相応しい理由でもある。

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