残りの通過点

 野球を国民的娯楽の地位に押し上げたベーブ・ルース、通算660本塁打でゴールド・グラブ12年連続受賞のウィリー・メイズ、最多通算本塁打記録(762本)を持つバリー・ボンズなどが、野球界のG.O.A.T.議論では、よく挙げられる。

 アメリカのスポーツファンの多くが、G.O.A.T.の条件として考えるのが、圧倒的な個人での活躍に加えて、チームの優勝だ。

 大谷がG.O.A.T.としての地位を確立するために残された通過点の一つが、ワールドシリーズ優勝である。近年のドジャースは、ポストシーズンで失速するという批判を受けてきたが、そんなドジャースが最も必要としているのは、舞台が大きくなればなるほど燃える大谷のような選手だ。

「すでに彼を『史上最高の選手』と呼ぶ人もいます。しかし、私たちは、彼がポストシーズンで何か驚異的なことを成し遂げるのを見たいんです」とESPNのベテラン記者、ティム・カークジャンは言う。(9月19日、ESPN「スポーツセンター」)

 当原稿を執筆中に行われていた26日の試合でも、大谷はライバルのパドレスを相手に、勝ち越しタイムリーを打って、チームの地区優勝に貢献した。

 先発投手陣の故障や不調など、ドジャースは不安要素も少なくない。しかし、チームがそんな逆境を乗り越え、ワールドシリーズ優勝したとなれば、大谷は一気にG.O.A.T.への階段を駆け上がるだろう。

 これからの大谷翔平の一挙手一投足が、さらにどんな伝説を作り上げるのか。楽しみでならない。

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