鯖にはビタミンDが多く含まれている(Getty Images)
この記事の写真をすべて見る

 忙しいから、面倒だからと食事の内容をおろそかにすると、必要なビタミン・ミネラルの欠乏につながる。中でも、現代の多くの日本人に不足しているのが、ビタミンD、マグネシウム、亜鉛の3つだという。大切なのに足りていない3大栄養素の重要性について、アンチエイジングクリニックを開院した医師・満尾正氏の新著『ハーバードが教える 最高の長寿食』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集して解説する。

【写真】天然ビタミンDを吸収しているハリウッド女優はこちら

* * *

ビタミンDは免疫維持に欠かせない「スーパービタミン」

 世界で最初にビタミンDの重要性を訴えたのは、米国のマイケル・ホーリック博士です。すでに2007年の時点で、健康維持に必須のビタミンDが現代人に不足しているという警鐘を鳴らす論文を権威ある医学誌に発表していました。(注)

 一方、日本では2018年にようやく骨粗しょう症対策としてビタミンDが有効であることが認められ、その血中濃度測定が保険適用されました。

 日本では、もっぱら「ビタミンDは骨を丈夫にする栄養素」と言われてきましたが、実はそれだけではありません。ビタミンDは、免疫力をアップし、私たちをあらゆる健康被害から守ってくれる「スーパービタミン」です。ホルモンの一種とも言えるような働きをし、骨の健康を守るだけでなく、動脈硬化・糖尿病予防、筋力の維持、脳神経機能の維持、感染症予防など、その働きは実に多岐にわたります。

次のページ
日本人の多くはビタミンD不足