ただし、現代ではオゾン層が破壊され強い紫外線の害も大きく、長時間にわたって強い日光を浴びれば皮膚がんの恐れも増します。功罪ありますので、やはり「適度な」日光浴を行うということが大切になります。

 住んでいる地域や体質にもよりますが、「春から秋の晴れている日なら半袖で15~30分、曇りの日なら倍の30~60分程度の日光浴を週に3回」で十分な血中ビタミンD濃度が維持されるとされています。これを踏まえて、暑すぎる夏場は避ける、日差しが弱くなる冬場は日光浴の時間を増やすなど、ライフスタイルに合わせたメリハリのある対策が必要でしょう。

 また、ビタミンDが不足する理由の二つ目には、「魚をあまり食べない」ということも挙げられます。ビタミンDは鮭や青魚などに多く含まれています。肉や卵にも含まれているものの、魚よりはかなり少ないので、魚を食生活に習慣的に取り入れるようにしましょう。

 キノコ類にもビタミンDが多く含まれていることが知られていますが、ビタミンDにはキノコなど植物由来のD2と、鮭など動物由来のD3があり、人の体で作られるのはD3の方です。ビタミンD2も体内でビタミンD3に変換されますが、動物由来のビタミンD3のほうが、人間の体にとっては体内で利用しやすいものです。

 年齢を重ねると皮膚でのビタミンDを作る力自体が弱くなってきたり、体脂肪が多いと脂溶性であるビタミンDは脂肪組織に蓄えられてしまうため、血中濃度が上がりにくいなどの特徴があります。加齢によって食べる量が減少するなどの理由もあり、ビタミンDを食事だけで増やすのは至難の業です。ビタミンDのサプリメントは効率的に血中ビタミンD濃度を上げることができるうえ、非常に安価ですので、サプリメントを利用することをおすすめします。

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