母猫と妹猫と別れて、16歳でひとりっこに(提供)
母猫と妹猫と別れて、16歳でひとりっこに(提供)

■母猫、妹猫と別れてひとりっこに

 不思議なことに、引っ越し後に「なな」と母「のの」との折り合いが悪くなり、(避妊去勢はしていたのに)壁にスプレーするようになりました。親子で格付けをしたかったのか、「のの」が年をとってぼけたのか。雌もスプレーをすると、その時はじめて知りました。

 その「のの」が、引っ越しの2年後に体調を崩しました。食事が摂れなくなってきたのです。咳も少しでるようになりました。でも、病院がとにかく嫌いで連れて行かれることが大きなストレスのようでした……。結局、2018年の2月に推定17歳で亡くなりました。

 翌年5月、16歳の誕生日を迎えた「ちっち」が、下痢をするようになりました。8月に腸管の悪性リンパ腫と診断が下り、抗がん剤治療をしたのですが、9月に旅立ちました。

ひとりっこになって、さらに甘えん坊に(提供)
ひとりっこになって、さらに甘えん坊に(提供)

 母猫がいなくなり、妹猫がいなくなり、「なな」は16歳で“ひとりっこ”になりました。お転婆な妹に対して一歩引いて我慢するところがあったせいか、それからは甘え放題。1匹になって以降、私たちも「なな」に愛情を一心に注ぐようになりました。

(あっという間に逝った)「ちっち」のこともあったので、「なな」に健康診断を受けさせると、全身状態はよいものの、腎臓の数値が悪くなっていました。振り返ってみれば、落ち着いていたけれどおしっこの量が多く、水もよく飲んでいました。いわゆる多飲多尿、です。

洗面所の水を飲むのが好きだった(提供)
洗面所の水を飲むのが好きだった(提供)

■慢性腎臓病(腎不全)ステージ4で余命宣告

 2019年(16歳)の秋から「なな」に腎臓のための薬を飲ませ始め、食事も腎臓用の療法食に替えて、毎月通院するようになりました。薬を飲みはじめてから1年後の10月、急にぐったりして食事が摂れなくなりました。

 膀胱炎も併発して、腎臓の数値も悪くなっていたので何日間か病院に通って点滴しました。その時から自宅での皮下捕液(皮膚に注射針で輸液剤を入れる)もはじめました。

 看護師という職業柄、注射や点滴の扱いには慣れていましたが、可愛い「なな」に針を刺すとことに抵抗があり、私が抱いて夫に刺してもらうということが多かったです。その頃は1日1回の点滴でしたが、すでに慢性腎不全のステージ4で、「何があってもおかしくない」状態でした。

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