「オンライン疲れ」の正体は“脳過労” 脳科学で考える「1日5分」効果的な解消法 (2/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

「オンライン疲れ」の正体は“脳過労” 脳科学で考える「1日5分」効果的な解消法

このエントリーをはてなブックマークに追加
野村昌二AERA#仕事#働き方
ひっきりなしに入ってくる情報に脳の処理能力がついていけなくなると「情報メタボ」ともいうべき状況に陥る。この生活が長く続くと、脳の機能が低下する恐れがある(撮影/写真部・小黒冴夏)

ひっきりなしに入ってくる情報に脳の処理能力がついていけなくなると「情報メタボ」ともいうべき状況に陥る。この生活が長く続くと、脳の機能が低下する恐れがある(撮影/写真部・小黒冴夏)

AERA 2020年9月7日号より

AERA 2020年9月7日号より

 都内の会社員の女性(39)も、オンライン疲れで体調を崩した。

「朝から晩までオンライン会議が4、5件あり、そのせいか食欲不振、吐き気を覚えるようになってしまいました。電話が鳴っているような空耳もあり、心療内科に通い、抗不安剤を服用しています」

 NTTコム オンラインがツイッターの投稿内容を分析したところ、2月1日~5月14日に「オンライン疲れ」という単語を含んだ投稿は約80万件あったという。

「オンライン疲れの背景には、デジタル機器の使用による“脳過労”があると考えられます」

 そう話すのは、脳神経外科医で「おくむらメモリークリニック」(岐阜県岐南町)理事長の奥村歩(あゆみ)医師だ。

 脳過労とは脳の処理能力が落ちた状態を指し、「大事な会議を忘れてしまった」「よく顔を合わせる同僚の名前が出てこなかった」……といった“もの忘れ”の症状を訴える人が多い。

 ロート製薬が5月に10~50代の男女562人を対象に実施した調査では、在宅勤務が毎日という人は26%、週に3日以上という人は21%。また、デジタル機器との接触時間は、在宅勤務を取り入れている人ほど長い傾向にある。「コロナ禍において、1日あたりのデジタル機器との接触時間に変化はありましたか」という質問には、毎日在宅勤務という人は62%以上が「のびた」と回答、1日あたり5時間以上増えたという人も22%にのぼった。

 なぜ、デジタル機器の利用が脳過労につながるのか。

 奥村医師によると、脳の司令塔的存在である前頭前野(ぜんとうぜんや)で情報処理をする場合、次の三つの役割に分担されているという。

(1)浅く考える部分…記憶を一時的に保管する「脳のメモ帳」。ワーキングメモリという
(2)深く考える部分…前頭前野の熟考機能で司令本部的な働きをする
(3)ぼんやりと考える部分…デフォルトモードネットワークという。ぼーっとしているときに働く

 脳過労というと、脳全体を酷使しているイメージがあるかもしれないが、実はデジタル機器による脳過労は(1)だけが酷使されて疲弊し、(2)と(3)が使われずにさびついていく状態なのだという。


トップにもどる AERA記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい