米倉昭仁 「殺人的な攻撃をされたのは9回」 ツキノワグマを50年追い続ける写真家・米田一彦 ツキノワグマを追って50年になる米田(まいた)一彦さんによると、クマは本来、臆病な動物で、人間の存在を察知すると、そっと逃げていくという。 アサヒカメラツキノワグマ写真家米田一彦 7/17
米倉昭仁 19世紀の写真技法「ダゲレオタイプ」を探究する孤高の写真家・新井卓 * * * 19世紀に誕生した世界初の実用的な写真技法「ダゲレオタイプ」は、銀メッキした銅板の表面を磨いて写し撮ることから「銀板写真」とも呼ばれる。 PGIアサヒカメラ写真家写真展新井卓日日の鏡 7/4
古典的な写真技法で写しとった身のまわりの情景 19世紀に誕生した世界初の実用的な写真技法「ダゲレオタイプ」は、銀メッキした銅板の表面を磨いて写し撮ることから「銀板写真」とも呼ばれる。撮影の前に銀板を薬品で処理して、すぐに撮らなければならない。写真家・新井卓さんは日々、身近なものを撮影した。そんな新井さんの作品を紹介します。 PGIアサヒカメラ写真展新井卓日日の鏡 7/4
米倉昭仁 「右翼って何だろう?」 終戦記念日の靖国神社に集まる人々を撮り続ける写真家・伊奈英次が見た「愛国」 * * * 1990年8月15日、伊奈英次さんは靖国神社を訪れた。右翼を撮影するためだった。 アサヒカメラ伊奈英次右翼靖国神社 7/3
8月15日 それぞれの思いを胸に靖国神社にやってきた人々 終戦記念日に靖国神社を訪れた写真家・伊奈英次さんは衝撃を受けた。旧日本軍の制服姿で境内を行進する高齢者。靖国神社に反対するデモ隊、それを阻もうとする右翼、間に入る警官、マスメディア……。「もうとにかく、靖国神社にはさまざまな人がたくさん来ていた。その人たちに声をかけて撮影した」。そんな伊奈さんの作品を紹介します。 JCIIフォトサロンアサヒカメラヤスクニ伊奈英次国の鎮め 7/3
米倉昭仁 「暗いほうが心が揺さぶられる」 闇の中から浮かび上がる“日常”を撮り続けてきた写真家・山田省吾 山田省吾さんの作品は全体的に暗く、えたいの知れない怪奇漫画のページをめくるような感じがする。不条理な世界を描いた薄暗い童話のような印象というか。 アサヒカメラ入江泰吉記念奈良市写真美術館写真家写真展山田省吾影の栞 6/30
闇から浮かび上がるような個人的なドキュメンタリ―写真 写真家・山田省吾さんが写したスナップ写真の撮影地は地元の関西、パリ、インドとばらばらだが、不思議と違和感を覚えない。本人曰く「まあ、どこへ行っても路地裏とか、人が普段生活しているような場所、というところでどっかつながってるんちゃうかな」。そんな山田さんの作品を紹介します。 アサヒカメラ入江泰吉記念奈良市写真美術館写真展山田省吾影の栞 6/30
米倉昭仁 「なんでこんなところに来ちゃったのか」 日本“最後の秘境”・黒部川源流の自然を追う写真家・秦達夫 深く切れ落ちた谷へ落下する豪快な放水が観光客を魅了する黒部ダム(富山県)。黒部川の急峻さはダムの建設を題材にした小説『黒部の太陽』(木本正次)、『高熱隧道(ずいどう)』(吉村昭)などでも描かれてきた。 OM SYSTEM GALLERYアサヒカメラ写真家写真展秦達夫黒部 6/28
包容力とやさしさを感じる雄大な黒部の山々 北アルプスの中央部に位置する黒部川の源流部はどの登山口からも遠く、たどり着くのに山道を歩いて2日かかる。「最後の秘境」と呼ばれるゆえんである。源流はイワナの宝庫であり、フライフィッシングの聖地としても知られる。秦達夫さんは8年ほど前、釣り好きの仕事仲間から黒部川源流行きに誘われた。秦さんはそこで、雄大な山の包容力ややさしさを感じた。そんな秦さんの作品を紹介します。 OM SYSTEM GALLERYアサヒカメラ写真家写真展秦達夫 6/28
米倉昭仁 華やかなスペインの裏にある「内戦の暗い影」を半世紀前に写し取っていた写真家・高橋宣之 * * * 1947年、高知県生まれの高橋宣之さんは半世紀前、スペイン・サラゴサ大学で美術史を学び、72年に帰国後、写真家として本格的に活動を始めた。 アサヒカメラフジフイルム スクエア写真家写真展高橋宣之鳥の歌 6/27
米倉昭仁 「え、これが渋谷?」 上空からしか見えない、知られざる“空撮の世界” 写真家・吉永陽一 * * * 吉永陽一さんが撮影した1枚の空撮写真について、「これは東京・渋谷です」と言われ、驚いた。こんな渋谷は見たことがない。 アサヒカメラ写真家写真展吉永陽一地上絵 6/14
空から見た意外性のある風景 写真家・吉永陽一さんは空から写した鉄道の世界を「空鉄(そらてつ)」と名づけ、作品づくりに取り組んできた。思い切り飛行機を傾け、望遠レンズで真上から写すと、普段見慣れた風景が別の世界のように見える。さらに吉永さんは鉄道以外にもさまざまな被写体にレンズを向けてきた。そんな吉永さんの作品を紹介します。 アサヒカメラ写真家写真展吉永陽一地上絵 6/14
米倉昭仁 「私のことは撮らないのね」 関節の曲がった母を初めて“撮ろう”と決めた写真家・笠井爾示の決意 * * * 笠井爾示(ちかし)さんが写真集『Stuttgart(シュトゥットガルト)』(bookshop M)で日本写真協会作家賞を受賞した。 アサヒカメラ写真家写真集笠井爾示 5/25
かつて暮らしたドイツ・シュトゥットガルトで撮影した母の姿 写真家・笠井爾示(ちかし)さんの父、叡(あきら)さんは国際的に活躍してきた舞踏家である。笠井さんが小学5年生のとき、「父がドイツで活動するというので」、一家はシュトゥットガルトに移り住んだ。それから約40年。家族は再び、この街を訪れた。その際、笠井さんは母の姿を撮影した。 アサヒカメラ写真家写真集笠井爾示 5/25
米倉昭仁 「昔の街はたばこだらけでね、汚かったのよく覚えているよ」 1970年代の東京や横浜を撮り歩いた写真家・山崎茂 * * * 1951年生まれの山崎茂さんは20代のころスナップ写真の撮影に没頭した。 アサヒカメラ写真家写真集山崎茂 5/18
1970年代 高度経済成長期直後の東京の人々の表情 東京・向島。古い木造住宅を背景に路地裏で遊ぶ子どもたちの姿。山崎茂さんは、休日になると横浜市鶴見区の自宅から東京や横浜の街を訪れ、日常的な人々の表情や動きを撮り歩いた。時代は高度経済成長期直後。「昔の街はたばこだらけでね、汚かったのよく覚えているよ。時代が変わって建物なんかはどんどん奇麗になったけれど、人の営みは大きくは変わっていない」(山崎さん)。 アサヒカメラ写真家写真集山崎茂 5/18
米倉昭仁 知られざる「東京湾アクアライン」の裏側 海底トンネルを支える“職人”たちを追った写真家・山崎エリナ * * * 千葉県木更津市と川崎市を結ぶ全長15.1キロの東京湾アクアラインは2022年12月、開通から25年を迎えた。 アクアラインアサヒカメラ写真家写真集山崎エリナ 5/6
点検からパトロールまで 東京湾アクアラインを守る人々 千葉県木更津市と神奈川県川崎市を結ぶ全長15.1キロの東京湾アクアライン設置は世界最大級の海洋土木工事で、調査に約20年、建設に約10年を要した。特に全長9.6キロの海底トンネルの掘削には最先端の技術とノウハウが投入されただけでなく、数多くの工法が実用化され、「土木のアポロ計画」と呼ばれた。完成後、日々アクアラインを守る人々を追った写真家・山崎エリナさんの作品を紹介します。 アクアラインアサヒカメラ写真家写真集山崎エリナ 5/6